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発明の名称 樹脂成型体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−233965(P2001−233965A)
公開日 平成13年8月28日(2001.8.28)
出願番号 特願2000−50527(P2000−50527)
出願日 平成12年2月22日(2000.2.22)
代理人 【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4F071
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
4F071 AA12 AA12X AA22 AA22X AA34X AA77 AA78 AH01 AH07 AH19 BA01 BB03 
4J002 AC07W AC07X AC08W AC11W AC13W BB03X BB12X BC03X BC04X BC06W BC06X BD04X BG10W BG10X BH01W BH02W BN12X BN14X BN15W BN15X CF00X CF06X CF07X CF18X CG00X CH07X CL00X CN02X GA00 GB00 GL00 GN00
4J100 AB02P AB02Q AM02P AM02Q AS02Q AS02R BA03H BA16H BA32H BA33H BA35H BA37H BA41H BA56H BA65H CA04 CA05 CA31 HA61 JA60 JA61
発明者 稲垣 靖史
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 吸水性を有する熱可塑性樹脂を含有し、上記熱可塑性樹脂は、アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1種類以上を構成ユニットとして含有するポリマー中に、所定の極性基が導入されてなることを特徴とする樹脂成型体。
【請求項2】 上記熱可塑性樹脂以外の樹脂が混合されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂成型体。
【請求項3】 上記ポリマーは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1記載の樹脂成型体。
【請求項4】 上記極性基は、スルホン酸及び/又はスルホン酸塩、アミド、カルボン酸及び/又はカルボン酸塩、−OH及び/又は−OH塩、カルバモイル及び/又はカルバモイル塩、アミン塩、アンモニウム塩、−PO(OH)2及び/又は−PO(OH)2塩、−CH2PO(OH)2及び/又は−CH2PO(OH)2塩、−NO2 から選ばれる少なくとも1種類以上の塩であることを特徴とする請求項1記載の樹脂成型体。
【請求項5】 上記ポリマーは、使用済み樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の樹脂成型体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性の熱可塑性樹脂を含有する樹脂成型体に関する。
【0002】
【従来の技術】高吸水性樹脂は、吸水力だけではなく、保水力、吸引・膨潤力、増粘力、ゲル化力等の特性を有することから、代表的な紙おむつ(衛生材)以外に、土建、農業、化粧品、トイレタリー、食品、塗料、玩具等の種々の分野で利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般の高吸水性樹脂としては、アクリル酸系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーが代表されるが、これらのものは通常熱可塑性を示さないため、樹脂成型体として使用されることはほとんどなかった。せいぜい、同ポリマー(細粒物)を比較的に親和性の高い熱可塑性樹脂に混合して玩具として使用する技術(特開昭58−65187号公報)が提案されているにすぎなかった。この場合でも、高吸水性樹脂は熱可塑性樹脂に均一に混合されにくいため、微細な形状を有する成型体を製造することは難しく、また、熱可塑性樹脂中の混合比率を上げることが難しいことから、吸水効果の大きい樹脂成型体を得ることができなかった。このことが、現状の高吸水性樹脂の用途の更なる拡大を図る上での一つの阻害要因となっている。
【0004】本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、吸水効果の大きい樹脂成型体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂成型体は、吸水性を有する熱可塑性樹脂を含有し、上記熱可塑性樹脂は、アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1種類以上を構成ユニットとして含有するポリマー中に、所定の極性基が導入されてなることを特徴とする。
【0006】上述したような本発明の樹脂成型体は、アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1種類以上を構成ユニットとして含有するポリマー中に、所定の極性基が所定量導入されているので、吸水性と熱可塑性の両方の特性を有するものとなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0008】本発明の樹脂成型体は、吸水性を有する熱可塑性樹脂からなり、当該熱可塑性樹脂は、アクリロニトリル、スチレン又は共役ジエンの少なくとも1種以上を構成ユニットとして含有するポリマー中に、所定の極性基が導入されてなるものである。これらアクリロニトリル、スチレン又は共役ジエンの構成ユニットは、当該樹脂成型体に熱可塑性を付与するものとなる。
【0009】この熱可塑性樹脂を構成するポリマーとしては、当該ポリマー中の各種ユニットの構成比率は特に限定されないが、それぞれ0〜95モル%の範囲に含有されているのが好ましい。なお、アクリロニトリルユニットとしては、10〜60モル%が、スチレン及び/又は共役ジエン(ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、シクロペンタジエン)ユニットとしては、20〜85モル%が含有されているのが更に好ましい。以上、これらユニットは、本樹脂成型体が熱可塑性を有する上で必要となる。
【0010】上記アクリロニトリル、スチレン又は共役ジエン以外に別の構成モノマーが当該ポリマー中に含有されていてもよい。
【0011】アクリロニトリル、スチレン又は共役ジエン以外の構成モノマーとしては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン等の芳香族モノマー、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、またはこれらのエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸又はアクリル酸エステル(炭素数1〜10の飽和又は不飽和炭化水素)、メタアクリル酸又はメタアクリル酸エステル(炭素数1〜10の飽和又は不飽和炭化水素)、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等のモノマーを挙げることが出来る。これらの構成モノマーは、1種類を単独あるいは2種類以上を併用することができる。また、これら上記の構成モノマーを併用する場合には、それらの含有量は50モル%以下、好ましくは2〜40モル%の範囲とすることが適当である。
【0012】さらに、本発明の樹脂成型体は、上述したようなポリマー中に以下に示すような極性基が導入されている。これらの極性基は当該樹脂成型体に吸水性を付与するものとなる。
【0013】この極性基としては、スルホン酸及び/又はスルホン酸塩、アミド、カルボン酸及び/又はカルボン酸塩、−OH及び/又は−OH塩、カルバモイル及び/又はカルバモイル塩、アミン塩、アンモニウム塩、−PO(OH)2及び/又は−PO(OH)2塩、−CH2PO(OH)2及び/又は−CH2PO(OH)2塩、−NO2の少なくとも1種類以上を挙げることができる。
【0014】これら極性基を前述のポリマー中に導入する方法としては、(1)アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1種類以上を構成ユニットを含有するポリマに、直接極性基を導入する方法(高分子反応)と、(2)熱可塑性を示すために必要なユニットを有するモノマーと、極性基を有するモノマーとを共重合する方法との2つを挙げることができる。
【0015】まず、(1)の方法について説明する。この場合には、上記アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1種類以上の構成ユニットを含有するポリマーを、各種薬剤と反応させることで当該極性基を導入することができる。
【0016】例えば、上記アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1種類以上を含有するポリマーとして、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、SAN(スチレン−アクリロニトリル)樹脂、HIPS(スチレン−ブタジエン)樹脂、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)樹脂、ASA樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート樹脂)、ACS樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリル−スチレン樹脂)等のポリマーを挙げることができる。
【0017】これらのポリマーは、新たに製造されたバージン材であってもよいし、樹脂原料や成型品の生産過程での排出品(半端品)や、電気製品や自動車等に使用された筐体や各種部品材料、またはチューブやホース、各種緩衝材から特定の用途を目的として成型された使用済み廃材であってもよい。排出場所としては、工場や販売店、家庭等からのいずれであってもよいが、家庭等からの一般廃棄物よりは、工場や販売店等から回収されたものの方が比較的組成がそろったものが多いためより望ましい。
【0018】上記ポリマーの分子量(Mw)としては、特に限定はないが、重量平均分子量(Mw)が1,000〜20,000,000であることが好ましく、さらには、10,000〜1,000,000であることが好ましい。分子量がこれより低いと液状となってしまい樹脂としての形状をなさなくなり、分子量がこれより大きいと、溶融粘度が高くなるため熱溶融による成型が難しくなる。
【0019】また、上記ポリマーは、他の樹脂とのアロイ物であってもよく、顔染料や安定剤、難燃剤、可塑剤、充填剤、その他補助剤等の添加剤を含んだ廃材であってもよい。または、使用済み廃材とバージン材料との混合物であってもよい。
【0020】当該ポリマーと混合可能な他の樹脂としては、例えばポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。なお、これらの樹脂は当該高分子に対して60重量%以下に混合されることが望ましい。これらの樹脂の含有量が多くなると、極性基導入時の反応が阻害されることになる。
【0021】以上に示したポリマーを以下に示す反応を行うことにより、所定の極性基を導入することが可能となる。
【0022】例えば、当該ポリマーとスルホン化剤(無水硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸等)とを直接、又は有機溶媒中で反応させることにより、芳香族部位(スチレン等)や共役ジエン部位(ブタジエン等)にスルホン酸基を導入することができる。もしくは、これと塩基性化合物との反応により同中和塩を極性基として導入することができる。
【0023】また、当該ポリマーと、加熱した濃酸(硫酸等)や濃アルカリ(水酸化ナトリウム等)とを反応させることで、当該ポリマー中のニトリル基をアミド基やカルボキシル基に転換して、又は、不飽和部分を水酸基に転換して当該ポリマー中に導入することができる。もしくは、これと塩基性化合物との反応により同中和塩を極性基として導入することができる。
【0024】また、当該ポリマーと、濃硫酸と硝酸との混合物とを反応させることで、当該ポリマー中の芳香族部位(スチレン等)に−NO2基を導入することができる。
【0025】また、当該ポリマーにn−ブチルリチウムを添加し、次にドライアイス(CO2)と反応させることによりカルボキシル基を、さらには、三塩化リンの添加後に加水分解することにより−PO(OH)2基を当該ポリマー中に導入することができる。もしくは、これと塩基性化合物との反応により同中和塩を極性基として導入することができる。
【0026】また、クロロメチルエーテルとルイス酸とによるフリーデルクラフト反応により当該ポリマー中のスチレン部位のクロロメチル化を行った後で、アンモニアや各種アミン化合物と反応させることによりアンモニウム塩及びアミン塩をイオン基として導入することができる。または、上記クロロメチル化物と三塩化リンとの反応の後に加水分解することで、当該ポリマー中に−CH2PO(OH)2及び/又はその塩を導入することができる。
【0027】また、当該ポリマー中のニトリル基にエタノールアミン等のアルキルアミンを付加させることによりイミダミノアルキル構造を導入したり、又は、エチレンジアミン等のポリアミンを付加させることによりイミダゾリン構造やイミダミノアルキルアミン構造を導入することができる。又は、これと酸性化合物との反応により同中和塩を極性基として導入することができる。
【0028】上記酸性基を中和するための塩基性化合物としては、アルカリ金属(ナトリウム、リチウム、カリウム等)やアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の化合物や、アンモニアや各種(1〜3級アルキル)アミン化合物等を用いることができる。
【0029】上記塩基性基を中和するための酸性化合物としては、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、フッ酸、ギ酸)、有機酸(酢酸、酪酸、乳酸、石炭酸)等を用いることができる。
【0030】つぎに、(2)の方法について説明する。この場合には、アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1種類以上のモノマーと、以下の極性基を有する少なくとも1種類以上のモノマーとを共重合させることにより求めるポリマーを得ることができる。
【0031】上記極性基を有するモノマーとしては、アクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリル酸及び/又はアクリル酸塩、メタアクリル酸及び/又はメタアクリル酸塩、ビニルスルホン酸及び/又はビニルスルホン酸塩、アリルスルホン酸及び/又はアリルスルホン酸塩、メタリルスルホン酸及び/又はメタリルスルホン酸塩、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸及び/又は2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び/又は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩、ビニルフォスフェート、アミノアルキル(メタ)クリレート及び/又はアミノアルキル(メタ)クリレート塩等のビニル系モノマー、スチレンスルホン酸及び/又はスチレンスルホン酸塩、クロロメチルスチレンのアンモニウム塩、アルキルアミン塩やリン酸エステル及び/又はリン酸エステル塩等のスチレン系モノマー、イミダゾール及び/又はイミダゾール塩等を挙げることができる。
【0032】以上の酸性モノマーを中和するための塩基性化合物としては、アルカリ金属(ナトリウム、リチウム、カリウム等)やアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の化合物や、アンモニアや各種(1〜3級アルキル)アミン化合物を用いることができる。
【0033】また、塩基性モノマーを中和するための酸性化合物としては、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、フッ酸、ギ酸)、有機酸(酢酸、酪酸、乳酸、石炭酸)等を用いることができる。
【0034】以上に示した極性基を有するモノマーと、前述のアクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1種類以上のモノマーとを、そのまま、もしくは、水や溶媒中で重合させることで、求める樹脂成型体を得ることができる。
【0035】上記共重合ポリマーの分子量(Mw)としては、特に限定はないが、重量平均分子量(Mw)が1,000〜20,000,000であることが好ましく、さらには、10,000〜1,000,000であることが好ましい。分子量がこれより低いと液状となり樹脂としての形状を有さなくなり、分子量がこれより大きいと、溶融粘度が高くなるため熱溶融による成型が難しくなる。
【0036】以上に示した(1)の方法と(2)の方法との両方の場合において、当該ポリマー中の極性基は、全ユニットに対して0.1〜80モル%、好ましくは1〜70モル%、さらに好ましくは5〜55モル%の割合で含まれていることが望ましい。極性基の導入量が少なすぎると当該ポリマーの吸水性の効果が低くなり、また、極性基の導入量が多すぎると当該ポリマーが熱可塑性を示さなくなる。
【0037】そして、上記(1)の方法又は(2)の方法の両方で製造された当該ポリマーを、他の樹脂と混合して樹脂成型体としてもよい。混合可能な樹脂としては、ポリスチレン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、SAN(スチレン−アクリロニトリル)樹脂、ASA樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート樹脂)、ACS樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリル−スチレン樹脂)、HIPS(スチレン−ブタジエン)樹脂、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン等のポリアミド、ポリエステル、PVC、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸等が挙げられる。
【0038】これら混合可能な樹脂は、新たに製造されたバージン材であっても良いし、樹脂原料や成型品の生産過程での排出品(半端品)や、電気製品や自動車等に使用された筐体や各種部品材料又はチューブやホース、各種緩衝材から特定の用途を目的として成型された使用済み廃材であってもよい。排出場所としては、工場や販売店、家庭等からのいずれであってもよいが、家庭等からの一般産業廃棄物よりは、工場や販売店等から回収されたものの方が比較的組成がそろったものが多いためより望ましい。
【0039】上記樹脂の分子量(Mw)としては、特に限定はないが、重量平均分子量(Mw)が1,000〜20,000,000であることが好ましく、さらには、10,000〜1,000,000であることが好ましい。分子量がこれより低いと液状となり樹脂としての形状をなさなくなり、分子量がこれより大きいと溶融粘度が高くなるため、熱溶融による成型が難しくなる。
【0040】また、上記樹脂は、他の樹脂とのアロイ物であってもよく、顔染料や安定剤、難燃剤、可塑剤、充填剤、その他補助剤等の添加剤を含んだ廃材であってもよい。または、使用済み廃材とバージン材料との混合物であってもよい。
【0041】なお、これらの樹脂の、上記極性基を有するポリマーに対する混合比率は特に製薬は受けないが、99重量%以下が望ましい。これらの樹脂の含有量が多くなると、得られる樹脂成型体の吸水性が低くなってしまう。
【0042】上述したような本発明の樹脂成型体は、アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1種類以上を構成ユニットとして含有するポリマー中に、所定の極性基が導入されているので、アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンのユニットにより熱可塑性が、また、極性基を有するユニットにより吸水性が高められることになる。
【0043】そして、本発明の樹脂成型体は、衛生材料、土建や農林、園芸用材料、芳香剤の長期持続のための保香剤、有機物質からの脱水剤、消火用薬剤、シーリング剤、パッキング剤、結露防止剤、静電防止剤、コーチング剤、乾燥剤、水処理剤や、各種構造成型体材料(家電や自動車用の部品材として)、吸水性繊維、形状記憶材料、センサー材料等の種々の用途に使用することができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明がこれら実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0045】〈実施例1〉ABS樹脂ペレット(構成ユニットとして、スチレン部を45モル%と、アクリロニトリル部を25モル%と、ブタジエン部を30モル%とを含有)の冷凍粉砕を行い、16〜32メッシュの粉砕物とした。次に、同粉砕物の1gを、濃硫酸(97重量%)の30g中に加え、50℃で5分間反応させた。反応終了後、系中の固形物をグラスフィルターでろ過し、水洗の後、循風乾燥器にて115℃で2時間乾燥を行った。得られた固形物中のスルホン酸基とアミド基の含有量は、全モノマーユニットに対してそれぞれ10モル%(硫黄の元素分析より算出)、12モル%(FT−NMRの測定結果より算出)であった。
【0046】次に、得られた固形物を280℃で10分間ヒートプレスすることにより、シート状の吸水性樹脂成型体を得ることができた。この吸水性樹脂成型体の純水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の80倍であり、吸水後の形状は吸水前の形状をほぼ均等拡大したものとなった。
【0047】〈実施例2〉実施例1で使用した原料のABS樹脂ペレットと、ABS樹脂ペレット反応物とを1対1の割合で混合したものを、280℃で10分間ヒートプレスすることにより、シート状の吸水性樹脂成型体を得ることができた。この吸水性樹脂成型体の純水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の30倍であり、吸水後の形状は吸水前の形状をほぼ均等拡大したものとなった。
【0048】〈実施例3〉ポリカーボネートと実施例1のABS樹脂ペレット反応物とを2対1の割合で混合したものを、300℃で10分間ヒートプレスすることにより、シート状の吸水性樹脂成型体を得ることができた。この吸水性樹脂成型体の純水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の20倍であり、吸水後の形状は吸水前の形状をほぼ均等拡大したものとなった。
【0049】〈実施例4〉使用済みの8mmカセットテープガードパネル(透明部分)[SAN樹脂廃材:構成ユニットとして、スチレン部を60モル%と、アクリロニトリル部を40モル%とを含有]の粉砕を行い、16〜32メッシュの粉砕物とした。次に、この粉砕物の1gを、半導体工場からの使用済み廃硫酸(80重量%)の30g中に加え、80℃で5分間反応させた。反応終了後、実施例1と同様の方法で処理を行い、シート状の吸水性樹脂成型体を得ることができた。この樹脂中のスルホン酸基とアミド基の含有量は、全モノマーユニットに対して、それぞれ、38モル%、29モル%であった。
【0050】次に、このものをはさみで星形に切ったものを純水中に30分間浸漬することにより、自重の180倍の純水を吸水する能力を有し、また、星形の形状は維持されたままであった。
【0051】さらに、この星形吸水性樹脂成型体の吸水物を、室温下で3日間自然乾燥させることにより、吸水前の形状とほぼ同等の吸水性樹脂成型体を再び得ることができた。同結果により、形状記憶樹脂としての利用が考えられる。
【0052】〈実施例5〉使用済みアクリル繊維[PAN樹脂廃材:構成ユニットとして、アクリロニトリル部を95モル%と、酢酸ビニル部を5モル%とを含有]をはさみで裁断したものの1gを、水酸化ナトリウム(5重量%)の30gに加え、100℃で15分間反応させた。反応終了後、系中の固形物をグラスフィルターでろ過し、水洗の後、循風乾燥機にて115℃で2時間乾燥を行った。得られた固形物中のカルボキシル酸基とアミド基の総含有量は、全モノマーユニットに対して、8モル%(FT−NMRの測定結果より算出)であった。
【0053】次に、得られた固形物を紡糸することにより、吸水性繊維を得ることができた。この吸水性繊維の純水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の50倍であり、吸水により繊維が太く変形した。
【0054】〈実施例6〉素用済み扇風機の羽根[SAN樹脂廃材:構成ユニットとして、スチレン部を40モル%と、アクリロニトリル部を60モル%とを含有]を粉砕して16〜32メッシュの粉砕物とした。次に、同粉砕物の1gを、エチレンジアミンの30g中に加え、60℃で2時間反応させた。反応終了後、未反応のエチレンジアミンを蒸留により取り除いた後、残留物をアセトンに注ぎ、ポリマー分を再沈させた。次に、再沈物をグラスフィルターでろ過し、水洗の後、循風乾燥器にて115℃で2時間乾燥を行った。得られた固形物中のイミダゾリン基の含有量は、全モノマーユニットに対して33モル%(FT−NMRの測定より算出)であった。
【0055】次に、得られた固形物を、280℃で10分間ヒートプレスすることにより、シート状の吸水性樹脂成型体を得ることができた。この吸水性樹脂成型体の純水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の30倍であり、吸水後の形状は吸水前の形状をほぼ均等拡大したものとなった。
【0056】〈実施例7〉ポリスチレンの5gをテトラクロロエタンの20gに溶解したものを、クロロメチルエーテルの45gに添加した後、塩化アルミニウムの15gを徐々に加え、60℃に保って1時間撹拌を行った(クロロメチル化)。反応終了後、未反応のクロロメチルエーテルを減圧蒸留した後に、トリメチルアミンの15gを加えて4級アミン塩化を行った。その後、析出した固形物をグラスフィルターでろ過し、アセトンで洗浄後、減圧乾燥器にて50℃で2時間乾燥を行った。得られた固形物中の4級アミン塩の含有量は、全モノマーユニットに対して28モル%(FT−NMRの測定より算出)であった。
【0057】次に、得られた固形物を、250℃で10分間ヒートプレスすることにより、シート状の吸水性樹脂成型体を得ることができた。この吸水性樹脂成型体の純水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の25倍であり、吸水後の形状は吸水前の形状をほぼ均等拡大したものとなった。
【0058】〈実施例8〉ポリフェニレンエーテルと実施例7のポリスチレン反応物とを1対2の割合で混合したものを、280℃で10分間ヒートプレスすることにより、シート状の吸水性樹脂成型体を得ることができた。この吸水性樹脂成型体の純水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の約15倍であり、吸水後の形状は吸水前の形状をほぼ均等拡大したものとなった。
【0059】〈比較例1〉実施例1の反応条件を、100℃で60分間に変更して反応させた。反応終了後、系中の固形物をグラスフィルターでろ過し、水洗の後、循風乾燥器にて115℃で2時間乾燥を行った。得られた固形物中のスルホン酸基とアミド基の含有量は、全モノマーユニットに対して、それぞれ、68モル%、22モル%であった。
【0060】次に、得られた固形物を、280℃で10分間ヒートプレスを行ったが、熱可塑性を示さなかったため、シート状の樹脂成型体を得ることはできなかった。
【0061】〈比較例2〉市販の橋かけ型ポリアクリル酸塩系吸水性樹脂(粉末品)を、280℃で10分間ヒートプレスを行ったが、熱可塑性を示さなかったため、シート状の樹脂成型体を得ることはできなかった。
【0062】〈比較例3〉市販のグラフト型ポリアクリル酸塩系吸水性樹脂(粉末品)を、300℃で10分間ヒートプレスを行ったが、熱可塑性を示さなかったため、シート状の樹脂成型体を得ることはできなかった。
【0063】以上述べたように、比較例1〜比較例3の樹脂では、吸水性は有するものの、熱可塑性を有しないため、所望の形状に成型することができなかった。
【0064】一方、アクリロニトリル、スチレン又は共役ジエンの少なくとも1種以上を構成ユニットとして含有するポリマー中に、所定の極性基が導入されてなる熱可塑性樹脂からなる実施例1〜実施例8の樹脂成型体は、熱可塑性と吸水性とを兼ね備え、所望の形状に成型することができ、さらに十分な吸水性を有するものとなった。
【0065】
【発明の効果】本発明では、吸水性に優れる熱可塑性樹脂成型体を実現することができる。これにより、吸水性樹脂の用途を飛躍的に拡大することができる。
【0066】また、本発明の樹脂成型体は、リサイクルが難しい使用済みポリマを原料として利用できるため、資源の有効利用につながり、地球の環境保全に貢献することができる。




 

 


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