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発明の名称 表面処理方法及びその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−207277(P2001−207277A)
公開日 平成13年7月31日(2001.7.31)
出願番号 特願2000−15188(P2000−15188)
出願日 平成12年1月25日(2000.1.25)
代理人 【識別番号】100076059
【弁理士】
【氏名又は名称】逢坂 宏
【テーマコード(参考)】
4G075
4K057
5F004
【Fターム(参考)】
4G075 AA24 BC06 BD14 CA47 CA62 DA01 DA02 EA05 EB42 EC21 FB02 
4K057 DA20 DB04 DD01 DD10 DE08 DE14 DE20 DG08 DG12 DG13 DG15 DM03 DM18 DM37 DN02
5F004 AA16 BA04 BB13 BC03 BD07 CA02 CA03 CA04 CA09 DA00 DA01 DA23 DA26 DB08 EB02
発明者 中野 卓雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 被処理体の表面に対するエッチングと、改質とを同時に行なう、表面処理方法。
【請求項2】 前記エッチング用の不活性ガスと前記改質用の反応性ガスとの混合ガスのプラズマによって、前記表面処理を行なう、請求項1に記載の表面処理方法。
【請求項3】 前記混合ガスにおける前記不活性ガスの割合を前記反応性ガスより多くする、請求項2に記載の表面処理方法。
【請求項4】 前記不活性ガスと前記反応性ガスとの比を体積比で(70:30)〜(95:5)とする、請求項3に記載の表面処理方法。
【請求項5】 前記混合ガスとして、アルゴンとフッ素含有ガス及び/又は酸素含有ガスとの混合ガスを使用する、請求項2に記載の表面処理方法。
【請求項6】 前記フッ素含有ガスとしてCF4を使用する、請求項5に記載の表面処理方法。
【請求項7】 前記混合ガスとしてアルゴンとCF4とO2との混合ガスを使用する、請求項5に記載の表面処理方法。
【請求項8】 前記被処理体が電極であり、この電極のエッチング及び改質を行なう、請求項1に記載の表面処理方法。
【請求項9】 前記エッチング及び改質後に前記被処理体の処理面をはんだ付け処理に供する、請求項1に記載の表面処理方法。
【請求項10】 被処理体の表面に対するエッチングと、改質とを共通の処理室内で同時に行なうように構成した表面処理装置。
【請求項11】 前記エッチング用の不活性ガスと前記改質用の反応性ガスとの混合ガスのプラズマによって前記表面処理が行なわれる、請求項10に記載の表面処理装置。
【請求項12】 前記混合ガスにおける前記不活性ガスの割合を前記反応性ガスより多くして供給するガス供給手段を有する、請求項11に記載の表面処理装置。
【請求項13】 前記不活性ガスと前記反応性ガスとの比が体積比で(70:30)〜(95:5)とされる、請求項12に記載の表面処理装置。
【請求項14】 前記混合ガスとして、アルゴンとフッ素含有ガス及び/又は酸素含有ガスとの混合ガスが使用される、請求項11に記載の表面処理装置。
【請求項15】 前記フッ素含有ガスとしてCF4が使用される、請求項14に記載の表面処理装置。
【請求項16】 前記混合ガスとしてアルゴンとCF4とO2との混合ガスが使用される、請求項14に記載の表面処理装置。
【請求項17】 前記被処理体が電極であり、この電極のエッチング及び改質が行なわれる、請求項10に記載の表面処理装置。
【請求項18】 前記エッチング及び改質後に前記被処理体の処理面をはんだ付け処理に供するように構成した、請求項10に記載の表面処理装置。
【請求項19】 真空チャンバーとしての前記処理室内に前記不活性ガスと前記反応性ガスとを互いに独立して或いはそれ等を混合して供給する為のコントローラーを設置した、請求項10に記載の表面処理装置。
【請求項20】 前記被処理体を介して互いに対向した第1及び第2電極が配置され、これ等の電極間に高周波電圧を印加する為の高周波電源を有し、かつ前記処理室内にプラズマを発生させるように構成した、請求項10に記載の表面処理装置。
【請求項21】 前記処理室において、前記第1及び第2電極間のプラズマ発生部を単段式又は多段式に設け、多段式の場合には各プラズマ発生部を実質的に同一構造とする、請求項20に記載の表面処理装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エッチングや改質に好適な表面処理方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図9に示すように電極18を持つ抵抗等の電子部品17を、プリント配線基板(PWB)21に形成されている銅配線20にはんだ付けをするには、はんだの濡れ性を良くする為に、はんだの成分であるSn及びPbに、ハロゲンやVDC(塩化ビニリデン)を含有するフラックス樹脂を添加したクリームはんだ19を用いる。
【0003】そして、図10に示すように、抵抗等の電子部品17の電極18ははんだ付け時にフィレット23を介して、プリント配線基板(PWB)21の銅20にはんだ付けされる。このとき、フラックス中の樹脂22がはんだフィレット23の表面にしみ出し、表面を覆う。
【0004】なお、フラックス樹脂22は、含有するハロゲン等の活性が高いため、クリームはんだ19中の不純物をはんだの表面において除去してはんだをきれいにし、かつ表面を酸化から保護する役目をはたす。
【0005】しかし、図10及び図11の平面図に示すように、はんだ23の表面にあるフラックス樹脂22が、隣接する銅配線20’に接触することがある。この結果、フラックス樹脂22の中に残っている残留ハロゲンが水分を吸着し、隣接する銅20−20’間をリンクし、回路がショート(短絡)する原因となる。これを防ぐには溶剤等で洗浄し、フラックス樹脂22を取り除く必要がある。
【0006】そこで、ハロゲンやVDCを含有するフラックス樹脂22を用いないはんだ材料を使用することがある。この場合、プリント基板(PWB)21上の銅20をCF4(フッ化炭素)等のガスで改質して、フッ化物で銅20を保護すると、はんだ付け前はそれが上記したフラックス樹脂22と同じ役目を果たし、またはんだ付け時の加熱温度でフッ化物が熱分解して蒸発、除去される。
【0007】これに関しては、現在出願及び公開(一部具現化されているもの含む)されている、プラズマ装置を用いた電子部品及び半導体等の電極の表面処理方法として、不活性ガスのプラズマによるエッチングで表面を清浄化する方法と、エッチング後のフッ素系の反応ガスのプラズマで改質する方法との2つの方法を用いるのが一般的であり、処理後の表面組成の安定性の面から、エッチングと改質との2種類の表面処理を必要とする場合が多い。
【0008】このようにエッチングと改質との2種類の表面処理をする場合は、不活性ガスの入った真空チャンバー内でプラズマによるエッチング処理を行なう。最初に、図7に示すプラズマ処理装置において、電子部品17や半導体部品、及びプリント配線基板(PWB)21等の被処理体5の電極を物理的に表面処理(エッチング処理)する。即ち、図7に示すように、被処理体5を収納する真空チャンバー1内に、被処理体5を介して対向したGround(接地)電極3とHOT(熱)電極4とからなる2つの電極を有し、前記の各電極へ例えば13.56MHzの高周波電圧を印加する為の高周波電源(RF)2を具備したプラズマ処理装置を用い、被処理体5を真空チャンバー1内にセットして、真空チャンバー1内を真空ポンプによって20Pa〜100Paの真空度に真空排気する。
【0009】次に、真空チャンバー1内に処理ガスである不活性ガスをガスボンベから導入する。この不活性ガスに、Ar単独か、あるいはArにH2を加えた混合ガスを使う。
【0010】次に、真空チャンバー1内の設定真空圧を保つために、処理ガスの導入流量をコントロールする。
【0011】次に、真空チャンバー1内のGround電極3とHOT電極4とに、高周波電源(RF)2を起動させて高周波電圧(13.56MHz)を印加して、真空チャンバー1内にアルゴンのプラズマ10及び電子9を発生させる。
【0012】このイオン化された処理ガスにより、被処理体5の電極のエッチング処理を真空チャンバー1内で行なう。即ち、不活性ガスのArの陽イオン6が被処理体5に衝突して被処理体5の表面8をドライエッチングする。
【0013】処理終了後、真空チャンバー1内に窒素ガスを供給し、パージして大気圧に戻すとともに、被処理体5を真空チャンバー1より取り出す。次に、図8に示すように、別の真空チャンバー1’に被処理体5を収納し、この真空チャンバー1’内で被処理体5を介して対向したGround電極3とHOT電極4とからなる2つの電極間に例えば13.56MHzの高周波電圧を高周波電源によって印加して、被処理体5の電極表面を化学的に改質処理する。このためには、被処理体5を真空チャンバー1’内にセットして、真空チャンバー1’内を20Paから100Paの真空度に真空排気する。
【0014】次に、真空チャンバー1’内に、処理ガスである反応性ガスをガスボンベから導入する。この反応性ガスに、CF4、あるいはCF4とO2との混合ガスを用いる。
【0015】次に、真空チャンバー1’内の設定真空圧を保つために、処理ガスの導入流量をコントロールする。
【0016】次に、真空チャンバー1’内のGround電極3とHOT電極4に、高周波電源(RF)2を起動させて高周波電圧(13.56MHz)を印加して、真空チャンバー1’内に反応性ガスのプラズマ10及び電子9を発生させる。
【0017】このイオン化された処理ガスにより真空チャンバー1’内で被処理体5の改質を行なう。即ち、CF4、又はCF4とO2との混合ガスを反応性ガスとして用い、CF4陽イオンあるいはO陽イオン7によって被処理体5の上記のエッチングされた表面8を改質する。
【0018】処理終了後、真空チャンバー1内に窒素ガスを供給し、パージして大気圧に戻すとともに、被処理体5を真空チャンバー1より取り出す。
【0019】上記のように、不活性ガスを用いる真空チャンバー1でエッチング処理し、これとは別に、反応性ガスを用いる真空チャンバー1’内でプラズマによる改質処理を行なう。他にも、エッチング処理に用いる真空チャンバー1を反応性ガスによる改質処理にも用いることができるが、この場合は、不活性ガスをエッチング処理後に排出し、窒素ガスによるパージを行なった後に、反応性ガスを同じ真空チャンバー1内に供給して、プラズマ改質処理を行なう。これ等のいずれの方法も、一般的に行なわれている方法である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の処理方法では、複数の処理工程と処理装置が必要であり、被処理体5が真空チャンバーから他の真空チャンバーへ移動する際に大気に曝される為に、表面が酸化して被処理体5の品質が劣化し、また処理コストも増え、処理効率も悪い。さらに、処理のための設備費もかかり、処理ガスの使用量もかなりのものとなる。
【0021】本発明は、上記のような従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エッチングと改質の処理を簡略化し、処理効率及び処理品質の改善を行える表面処理方法及びその装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、被処理体の表面に対するエッチングと、改質とを同時に行なう表面処理方法に係り、また、被処理体の表面に対するエッチングと、改質とを共通の処理室内で同時に行なうように構成した表面処理装置に係るものである。
【0023】本発明の方法及び装置によれば、上記エッチングと改質とを同時に行い、エッチングによる表面清浄化と改質による表面保護とを同時に実現しているので、従来法のようにエッチングと改質を別々の2工程で処理していた表面処理のプロセスを1工程で処理可能にし、これによって、処理効率を大幅に改善でき、被処理体をチャンバー間で移動する必要が無いために被処理体が大気と接する危険が無く、処理途中の被処理体の表面の酸化や変質を防止し、処理品質を向上させることができ、更に、処理用設備費を軽減し、処理ガスの使用量も削減できる。
【0024】また、複数の処理装置が不要となり、被処理体が真空チャンバーから他の真空チャンバーへ移動する際に大気に曝される為に必要となる処理のコストや被処理体の品質劣化がなくなる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態による処理方法や装置においては、被処理体の表面に対するエッチングと、改質とを同時に行なうに際し、前記エッチング用の不活性ガスと前記改質用の反応性ガスとの混合ガスのプラズマによって、前記表面処理を行なうのが望ましい。
【0026】又、混合ガスにおける不活性ガスの割合を反応性ガスより多くし、前記不活性ガスと前記反応性ガスとの比を体積比で(70:30)〜(95:5)とするのが好ましい。
【0027】又、混合ガスとして、アルゴンとフッ素含有ガス及び/又は酸素含有ガスとの混合ガスを使用し、前記フッ素含有ガスとしてCF4を使用し、前記混合ガスとしてアルゴンとCF4とO2との混合ガスを使用するのが好ましい。
【0028】又、被処理体が電極であり、この電極のエッチング及び改質を行なった後に、これを前記被処理体の処理面のはんだ付け処理に供するのが望ましい。
【0029】又、真空チャンバーとしての処理室内に不活性ガスと反応性ガスとを互いに独立して或いはそれ等を混合して供給する為のコントローラーを設置し、被処理体を介して互いに対向した第1及び第2電極が配置され、これ等の電極間に高周波電圧を印加する為の高周波電源を有し、かつ前記処理室内にプラズマを発生させるようにするのが望ましい。
【0030】又、処理室において、第1及び第2電極間のプラズマ発生部を単段式又は多段式に設け、多段式の場合には、各プラズマ発生部を実質的に同一構造とすることができ、またそのように構成するのが好ましい。
【0031】次に、本発明の好ましい実施の形態を図面の参照下に具体的に説明する。
【0032】本実施の形態では、プラズマ処理装置を用いて、はんだ付けが施される電子部品や半導体部品、及びプリント配線基板等の被処理体の電極の物理的表面処理であるドライエッチング、及び化学的表面処理であるフッ化等の改質を、同一チャンバー内で同時に行なうものである。
【0033】プラズマ処理装置の全体の構造は図2の概観図で示すように、制御パネル31、反応器32、ガスボンベ24、真空ポンプ34、高周波電源2等からなる。そして、図1に示すように、被処理体5を収納する真空チャンバー21内に、被処理体5を介して対向したGround電極13及びHOT電極14からなる2つの電極を有し、これらの各電極へ高周波電圧(40kHz〜2GHz、例えば13.56MHz)を印加する為の高周波電源(RF)2を装備している。
【0034】図1に示すように、被処理体5を真空チャンバー21内にセットして、真空チャンバー21内を、図2に示す真空ポンプ34によって20Pa〜100Paの真空度に真空排気する。この真空度は、高ければ高い方がよい。又、処理用ガスを真空チャンバー21に導入後も、20Pa〜100Paの真空度を保つようにする。
【0035】次に、真空チャンバー21内に、処理ガスとして不活性ガスと反応性ガスとの混合ガスをガスボンベ24より導入する。そして不活性ガスはArを、反応性ガスはCF4、あるいはCF4とO2との混合ガスを用いる。
【0036】ここで、ArとCF4あるいはO2との比率は、不活性ガスの比率を反応性ガスより高くし、体積比で(70:30)〜(95:5)とするのがよい。しかしこの比率は、被処理体5となる金属の組成によって変えるのがよい。
【0037】真空チャンバー21内の設定真空圧を20Pa〜100Paに保つために、処理ガスの導入流量をコントローラー15によってコントロールする。
【0038】なお、このコントロール方法としては、図5に示すように、ArとCF4あるいはO2とを別々に入れたガスボンベ24a、24bから出たガスを、共通のコントローラー15によって制御されたそれぞれのバルブ16a、及び16bを通して、真空チャンバー21に送り込み、真空チャンバー21内で混合させる方法がある。
【0039】又、図6に示すように、ArとCF4あるいはO2を共通のガスボンベ24に入れて、あらかじめ混合ガスを生成し、それをコントローラー15によって制御されたバルブ16cを通して、真空チャンバー21に送り込む方法もある。
【0040】次に、真空チャンバー21内のGround電極13とHOT電極14に、高周波電源(RF)2を起動させて、高周波電圧(40kHz〜2GHz、50〜1000W)を印加して、真空チャンバー21内にプラズマ10(即ち、Ar陽イオン6、CF4又はO陽イオン7及び電子9)を発生させる。なお、この時は高電圧の方が処理には良い。
【0041】このようにしてイオン化された処理ガスにより、真空チャンバー21内でエッチング及び改質を同時に行なう。まず、不活性ガスのAr陽イオン6が、被処理体5に衝突して、被処理体5の表面8をドライエッチングすると共に、CF4あるいはCF4とO2との混合ガスを用いた反応性ガスのF陽イオンあるいはO陽イオン7が、被処理体5の上記のエッチングされた表面8を改質(フッ化)する。
【0042】処理終了後、真空チャンバー21内に窒素ガスを導入してパージした後、大気圧に戻すとともに、被処理体5を真空チャンバー21より取り出す。
【0043】こうして、被処理体5、例えばプリント基板上の銅パターンの表面をArプラズマで清浄化しつつ、CF4(フッ化炭素)等のガスで改質して、フッ化物で銅パターンを保護すると、これが上述したフラックス樹脂22と同じ役目を果たし、銅の表面保護作用を行なう。
【0044】この場合、はんだ付け時に、はんだクリームは230〜250℃になるが、上記のフッ化物は例えば130℃で蒸発するため、はんだ付け時に蒸発して除去される。従って、従来のフラックス樹脂22のように残留することがなく、プリント配線基板を溶剤等により洗浄する必要がなく、電子部品のはんだ付けをフラックスレスで行なうことができる。
【0045】なお、上記のエッチングや改質に用いた不活性ガスや反応性ガスは、同等の効果があるならば、他のガスを用いてもよい。
【0046】又、真空チャンバー内の電極は上記とは逆であっても、処理は可能である。
【0047】又、この処理方法は、プラズマ処理装置が単段式でも多段式でもよく、多段式の場合は各段が同じプラズマ発生部の構造を持っていれば、可能である。
【0048】又、プラズマ処理は、電極に対しては、処理時間が長い方がよく、処理温度は高い方がよい。又、部品のダメージの点では、処理時間は短い方がよいし、処理温度は低い方がよい。
【0049】以上のような本発明に基づく処理方法及びその装置によって、従来エッチングと改質を別々の2工程で処理していたプラズマ表面処理のプロセスを1工程で処理可能にして、処理効率及び処理品質を改善することができる。そのため、プラズマ処理の効率が大幅に改善でき、又、被処理体をチャンバー間で移動する必要が無い為、被処理体が大気と接することが無く、処理途中の被処理体表面の酸化や変質を防止できる。さらに、処理用の設備費を軽減できるし、処理ガスの使用量も削減できる。
【0050】上記したように、プラズマ装置を用いた被処理体の表面処理の結果、プラズマによる表面処理はフラックスレスはんだ接合に有効であり、その効果レベルは、電極の組成により異なり、そして電極の表面のフッ素改質レベルと関係が有ることが判明した。
【0051】このような認識に基づいて、図2に示すような制御パネル31、反応器32、ガスボンベ24、真空ポンプ34、高周波電源(RF)2から成る装置を使用し、処理条件に必要な3種類のガスを使用できるように改造を行い、エッチングと改質を行なった。
【0052】又、効果の測定は、メニスコグラフによるはんだ濡れ性測定で行なった。なお実験は、はんだ濡れ性に影響を与えると思われる、部品電極の組成(はんだ付け温度依存性含む)への依存性と、さらに処理条件への依存性として(RF)高周波電源の出力、処理ガスの混合比率、処理時間、処理温度を調べた。
【0053】又、評価装置は、高周波電源周波数を13.56MHzに、高周波電源出力をMaxで1000Wに、処理ガスを4系統(パージ用窒素ガス除く)使えるようにし、反応器内寸法を460mm×460mm×610mm(W×H×D)にした。
【0054】なお上記のように、プラズマによる部品電極の表面処理が、はんだ濡れ性改善に有効であることは、過去の実験においても確認が取れた。それで、更なる良好な濡れ性(フラックス使用時と同等)を得る為、プラズマ処理装置における最適な条件出しを試みた。
【0055】以下に、はんだ濡れ性に影響を及ぼすと推測できる条件や要因をさぐった濡れ性の測定結果及び考察を述べる。濡れ性の測定には株式会社タムラ製作所製デジタルソルダーグラフを使用した。又、実験の中で使用するフッ化炭素(CF4)は、規制対象外のフロンガスであった。
【0056】本例においては、最初に、部品電極の組成への依存性について調べた。
【0057】電極の組成がそれぞれSnが100%、Snが90%でPbが10%、Snが60%でPbが40%の3種類の混合比における、3216サイズの0Ωチップ抵抗(電極)の濡れ性を、下記の2種類のプラズマ処理条件下での導体部の処理後に測定した。その時、濡れ性の測定条件として、はんだの仕様を、共晶はんだで、はんだ浴の温度を230℃とし、測定数量nは10個とした。
【0058】処理条件1として、Ar(アルゴン)によるエッチングを2分間行ない、同時に02に20%のCF4(フッ化炭素)を混ぜた混合ガスによる改質を2分間行なった。又、処理条件2として、Ar(アルゴン)によるエッチングを2分間行ない、02に60%のCF4(フッ化炭素)を混ぜた混合ガスによる改質を2分間行なった。
【0059】今回の実験で、環境調和型実装のうち、ハロゲン及びVOC(揮発性無機化合物)の撤廃を狙った、プラズマ装置を用いたフラックスレスはんだ接合に関する種々の技術的な知見が得られ、今後の、実装プロセスへの展開に大いに役立つものとなった。以下に実験の結果を示す。
【0060】実験の結果、図3及び図4を見ると、処理条件1及び2共に、Snが60%でPbが40%の電極(3216サイズの0Ωチップ抵抗)が平均値、最少値、最大値共に最も濡れ性が良く、Snが100%の電極が最も悪かった。そして、Snが60%でPbが40%の電極〜Snが90%でPbが10%の電極〜Snが100%の電極の順で次第に濡れ性が悪くなった。
【0061】これは、はんだに含まれるSnとPbとの比率において、Snの比率が多すぎると、濡れ性が悪くなることを示している。
【0062】又、これは、上記の処理条件とは無関係に、おそらくSnの酸化物や化合物の分解度がPbの酸化物や化合物の分解度より劣る為であり、SnとPbの比率で、濡れ性が決定されるものと思われる。
【0063】又、図3及び図4の処理条件に注目すると、改質用のCF4(フッ化炭素)含有率が高い方である処理条件2(図4)が濡れ性が比較的悪く、含有率が低い方である処理条件1(図3)が濡れ性が比較的良かった。
【0064】上記の結果から、CF4は、被処理体の表面をフッ化する為に必要ではあるが、不活性ガスと反応性ガスとの混合ガスにおける不活性ガスArの割合が反応性ガスであるCF4より多い方が、良いと考えられる。また、はんだ濡れ性は電極の組成に依存することが理解できる。
【0065】また、評価装置による処理条件の依存性として、(RF)高周波電源出力は5W〜1000Wで、高電圧ほどよく、処理ガスの混合比率は70:30〜95:5が良いと考えられる。
【0066】又、処理時間は、電極に対しては長い方が良いが、部品に対してはダメージを考えると短い方が良かった。さらに処理温度は、電極に対しては高い方が良いが(40分たつと100℃で飽和状態になる)、又部品に対しては低い方が良いと考えられる。
【0067】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、被処理体の表面に対するエッチングと、改質とを同時に行なうので、従来別々の2工程で処理していた表面処理のプロセスを1工程で処理可能にし、これによって、プラズマ処理の効率を大幅に改善でき、被処理体を真空チャンバー間で移動する必要が無くて被処理体が大気と接する危険が無く、処理途中の被処理体表面の酸化や変質を防止でき、さらに、設備費も軽減し、処理ガスの使用量も削減できる。




 

 


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