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発明の名称 スパッタリング装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−158959(P2001−158959A)
公開日 平成13年6月12日(2001.6.12)
出願番号 特願平11−342559
出願日 平成11年12月1日(1999.12.1)
代理人 【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029 DC01 DC02 
発明者 加藤 吉克 / 播磨 龍哉
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 成膜対象である基体を有する第1のアノードと、この第1のアノードと対向して配設されたカソードと、このカソード上に配設されたターゲットと、第1のアノード及びカソードの間に配設された第2のアノードとを有するスパッタリング装置において、上記第2のアノードは、上記ターゲットの基体と対向する主面から当該主面と直交する方向の離間距離が10〜30mmであり、且つ、上記ターゲットの側面から当該側面と直交する方向の離間距離が10〜30mmである位置に配設されることを特徴とするスパッタリング装置。
【請求項2】 上記第2のアノードの材料の線膨張率は、上記ターゲットの材料の線膨張率と同じであることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項3】 上記第2のアノードの材料は、上記ターゲットの材料と同じであることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項4】 上記第2のアノードは、複数であることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項5】 成膜対象である基体を有する第1のアノードと、この第1のアノードと対向して配設されたカソードと、このカソード上に配設されたターゲットと、第1のアノード及びカソードの間に配設された第2のアノードとを有するスパッタリング装置において、上記第2のアノードの材料の線膨張率は、上記ターゲットの材料の線膨張率と同じであることを特徴とするスパッタリング装置。
【請求項6】 上記第2のアノードの材料は、上記ターゲットの材料と同じであることを特徴とする請求項5記載のスパッタリング装置。
【請求項7】 上記第2のアノードは、上記ターゲットの基体と対向する主面から当該主面と直交する方向の離間距離が10〜30mmであり、且つ、上記ターゲットの側面から当該側面と直交する方向の離間距離が10〜30mmである位置に配設されることを特徴とする請求項5記載のスパッタリング装置。
【請求項8】 上記第2のアノードは、複数であることを特徴とする請求項5記載のスパッタリング装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング装置に関し、特に、基体を有する第1のアノード及びカソードの間に第2のアノードが配設されたスパッタリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野において、磁気記録媒体の高密度記録化に伴い、大容量の記録信号を高速に記録再生する磁気記録再生装置が開発されている。このため、記録再生時における磁気記録媒体と磁気ヘッドとの摺動速度は高速化している。
【0003】例えば、デジタルビデオカセット等の高密度記録に対応した磁気記録媒体は、記録再生時において磁気ヘッドと高速で摺動している。そこで、このような磁気記録媒体には、磁気ヘッドとの高速摺動による摩擦に耐える高い耐摩耗性が求められている。耐摩耗性が向上した磁気記録媒体としては、例えばスパッタリングにより、磁気記録媒体表面にカーボン膜等の保護膜が形成されたものがある。
【0004】従来、スパッタリングを行う巻取り式のスパッタリング装置101は、図8に示すように、第1のアノードである冷却キャン102と、電圧を印加されるカソード103と、成膜対象に対して薄膜を形成する材料からなるターゲット104と、第2のアノード105とを、アルゴンが充填された真空室(図示しない)内に備えるものである。
【0005】冷却キャン102は接地されており、冷却キャン102の外周面には成膜対象として、例えば磁性膜を有する磁気記録媒体106が巻き付けられている。カソード103は、第1のアノードと対向する位置に配設されている。ターゲット104は、カソード103上に配設されており、第1のアノードとカソード103との間に成膜対象、即ち磁気記録媒体106に対して薄膜である保護膜を形成する材料、例えばカーボンからなるものである。カソード103に負の電圧が印加されると、第1のアノードとカソード103との間に電位差が生じる。すると、アルゴン分子が励起されてプラズマが発生する。そして、プラズマ中のアルゴンイオンがターゲット104と衝突すると、ターゲット104からターゲット分子がはじき出される。そして、このターゲット分子が磁気記録媒体106に付着して、例えばカーボンからなる保護膜が形成される。
【0006】また、アルゴン分子が励起されて発生したプラズマ中には、アルゴンイオンと共に電子が生じている。このプラズマ中の電子は磁気記録媒体106に流れ込み、チャージアップにより磁気記録媒体106の磁性膜上で異常放電を引き起こすことがあった。この異常放電は磁気記録媒体106の磁性膜を破損するので、磁気記録媒体106としては、記録信号の記録再生時にドロップアウトが発生する虞があった。
【0007】そこで、スパッタリング装置101には、第2のアノード105が配設されている。この第2のアノード105は、プラズマ中の電子を引き寄せることで、磁気記録媒体106に電子が流れ込むことを防止する。これにより、上述したようなチャージアップに起因する磁性膜の破損を防止することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このスパッタリング装置101では、プラズマ中の電子は第2のアノード105に引き寄せられる一方で、アルゴンイオンによってはじき出されたターゲット分子が第2のアノード105の表面に付着していた。
【0009】この第2のアノード105は、例えば2000mを越えるような磁気記録媒体106の磁性膜上に保護膜を形成するため、長時間のスパッタリングを行う場合には、プラズマのエネルギーにより熱膨張する。また、第2のアノード105の表面に付着したターゲット分子からなるカーボンも、プラズマのエネルギーにより熱膨張する。しかし、第2のアノード105とカーボンとの線膨張率は異なるため、第2のアノード105と第2のアノード105の表面に付着したカーボンとの間に、剪断力が生じてしまう。このため、第2のアノード105の表面に付着したカーボンは、上述した剪断力がカーボンの付着力より大きくなると、第2のアノード105の表面から剥離、飛散することがあった。また、第2のアノード105の表面から剥離、飛散したカーボンは、磁気記録媒体106上に再付着するとドロップアウトを引き起こす原因となっていた。
【0010】そこで、本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、スパッタリングにより保護膜を形成する際に、基体を損傷させることが防止されたスパッタリング装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するために、本発明に係るスパッタリング装置は、成膜対象である基体を有する第1のアノードと、この第1のアノードと対向して配設されたカソードと、このカソード上に配設されたターゲットと、第1のアノード及びカソードの間に配設された第2のアノードとを有するスパッタリング装置において、第2のアノードは、ターゲットの基体と対向する主面から当該主面と直交する方向の離間距離が10〜30mmであり、且つ、ターゲットの側面から当該側面と直交する方向の離間距離が10〜30mmである位置に配設されることを特徴とする。
【0012】以上のように構成された本発明に係るスパッタリング装置では、所定の位置に第2のアノードが配設されているので、スパッタリングを行う際にターゲット分子が第2のアノードの表面に付着することを防止できる。また、所定の位置に第2のアノードが配設されているので、プラズマ中に発生した電子を十分に吸引することができる。
【0013】また、本発明に係るスパッタリング装置は、成膜対象である基体を有する第1のアノードと、この第1のアノードと対向して配設されたカソードと、このカソード上に配設されたターゲットと、第1のアノード及びカソードの間に配設された第2のアノードとを有するスパッタリング装置において、第2のアノードの材料とターゲットの材料とは、線膨張率が同じであることを特徴とする。
【0014】以上のように構成された本発明に係るスパッタリング装置では、第2のアノードの材料とターゲットの材料とは線膨張率が同じである。これにより、スパッタリングの際に、第2のアノードの表面にターゲット分子が付着し、プラズマのエネルギーにより第2のアノード及びターゲット分子が熱膨張した場合であっても、第2のアノードとターゲット分子との間に剪断力が生じ難い。従って、第2のアノードの表面に付着したターゲット分子の剥離、飛散が防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るスパッタリング装置の具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】本発明を適用したスパッタリング装置は、予め蒸着装置等により磁性膜を成膜されている磁気記録媒体を基体とし、この磁気記録媒体の磁性膜上に、カーボンからなる保護膜を形成する。
【0017】具体的には、このスパッタリング装置1は、図1に示すように、真空室2内に成膜対象である基体、即ち磁気記録媒体3を走行させる走行系と、磁気記録媒体3に対して保護膜を形成する成膜系とを備えている。また、このスパッタリング装置1は、真空室2内を所定の圧力、例えば0.5Paに維持するための真空ポンプ(図示しない。)に接続された排気口4と、真空室2内にスパッタ粒子となるアルゴンガスを導入するための導入口5とを備えている。
【0018】走行系は、磁気記録媒体3を順次送り出す送出しロール6と、後述する冷却キャン9の周面を通過して保護膜が形成された磁気記録媒体3を巻き取る巻取りロール7と、送出しロール6と冷却キャン9との間、及び冷却キャン9と巻取りロール7との間にそれぞれ設けられたガイドロール8とを備える。このガイドロール8は、磁気記録媒体3を円滑に走行させるため、磁気記録媒体3に対して所定のテンションをかけている。
【0019】成膜系は、送出しロール6と巻取りロール7との間に設けられた冷却キャン9と、この冷却キャン9と対向して配設されたカソード10と、このカソード10上に配設されたターゲット11と、冷却キャン9及びカソード10の間に配設された第2のアノード12とを備える。
【0020】冷却キャン9は第1のアノードであり、第1のアース13に接地されている。また、冷却キャン9は図示しない冷却装置を備え、周面に成膜対象である磁気記録媒体3を掛け合わされている。冷却装置は、冷却キャン9を所定の温度に維持し、スパッタリング時に発生するプラズマのエネルギーによる磁気記録媒体3の熱膨張等を抑制する。
【0021】カソード10は、冷却キャン9との間に所定の電位差を生じさせる電源14の負極に接続されている。この電源14の正極は第2のアース15に接地されている。ターゲット11は、磁気記録媒体3に対して保護膜を形成する材料、即ちカーボンからなる。
【0022】第2のアノード12は、プラズマ中に生じた電子を引き寄せて、この電子が磁気記録媒体3に流れ込み、チャージアップにより磁気記録媒体3上で異常放電を引き起こすことを防ぐ。また、第2のアノード12は、第3のアース16に接地されている。
【0023】この第2のアノード12は、ターゲット11の磁気記録媒体3と対向する主面から主面と直交する方向の離間距離(図2においてaとする。)が10〜30mmであり、且つ、ターゲット11の側面から側面と直交する方向の離間距離(図2においてbとする。)が10〜30mmである位置に配設される。即ち、第2のアノード12は、図2において離間距離aが10〜30mmであり、且つ、離間距離bが10〜30mmである位置に配設される。
【0024】以上のように構成されたスパッタリング装置1では、冷却キャン9の周面に掛け合わされた磁気記録媒体3上に、カーボンからなる保護膜を形成する。
【0025】スパッタリングにより保護膜を形成する際には、先ず、排気口4を介して真空室2内を所定の圧力に調節するとともに、導入口5を介して真空室2内にアルゴンガスを所定の圧力で充填する。
【0026】次に、走行系において磁気記録媒体3を走行させると共に、成膜系において、電源14を駆動させ、カソード10に対して例えば500Vである負の電圧を印加し、カソード10と冷却キャン9との間に所定の電位差を生じさせる。
【0027】この電位差が生じることによって、宇宙線等により電離していた真空室2内のアルゴンイオンがカソード10に引きつけられる。更に、このアルゴンイオンは、カソード10に引きつけられる過程でアルゴンガス(アルゴン分子)と衝突して電子雪崩現象を引き起こし、大量のアルゴンイオンや電子、いわゆるプラズマを発生させる。
【0028】プラズマ中の電子は、第2のアノード12に吸引されて、磁気記録媒体3に流れ込むことを防止されている。これにより、チャージアップに起因する異常放電が、磁気記録媒体3上で発生することが無く、磁性膜を損傷することがない。
【0029】一方、プラズマ中のアルゴンイオン、いわゆるスパッタ粒子は、図3に模式的に示すように、電圧が印加されているカソード10上に配設されるターゲット11に引きつけられる。そして、スパッタ粒子がターゲット11に衝突すると、ターゲット11の表面からターゲット分子、即ちカーボン分子が放出される。ターゲット11から放出されたこのカーボン分子は、冷却キャン9の周面を走行する磁気記録媒体3の磁性膜上に付着する。
【0030】このようにして、このスパッタリング装置1は、冷却キャン9の周面を走行する磁気記録媒体3上にカーボンからなる保護膜を確実に形成することができる。なお、磁気記録媒体3の走行速度を適宜調節することによって、保護膜の厚みを制御することができる。
【0031】このとき、このスパッタリング装置1では、第2のアノード12が、図2において離間距離aが10〜30mmであり、且つ、離間距離bが10〜30mmである位置に配設されているので、カーボン分子が第2のアノード12の表面に付着することを防止できると同時に上述したチャージアップの原因となる電子を確実に引き寄せることができる。言い換えると、第2のアノード12の表面には、剥離、離散する虞のあるカーボンが殆ど存在しない。これにより、このスパッタリング装置1は、カーボンが第2のアノードから剥離、飛散して磁気記録媒体3の表面に再付着し、磁性膜の表面性を劣化させることを防止できる。
【0032】また、このスパッタリング装置1では、第2のアノード12が上記位置に配設されているので、プラズマ中の電子を十分に吸引し、磁気記録媒体に電子が流れ込むことを防止できる。これにより、このスパッタリング装置1は、磁気記録媒体上で異常放電が発生することを確実に防止し、磁性膜を損傷させることを防止できる。
【0033】従って、このスパッタリング装置1によれば、表面性に優れ、ドロップアウトの発生が抑制された磁気記録媒体を製造することができる。
【0034】ここで、スパッタリング装置1における第2のアノード12の配設位置と、保護膜を形成された磁気記録媒体に発生するドロップアウト数との関係を検証するため、図2に示した第2のアノード12の離間距離a及びbを変更して磁気記録媒体の磁性膜上に保護膜を形成し、この磁気記録媒体に発生したドロップアウト数を測定する実験を行った。
【0035】まず、1000mの長さに亘って保護膜を形成した磁気記録媒体に発生したドロップアウト数を測定した。この結果を、縦軸を離間距離aとし、横軸を離間距離bとし、ドロップアウト数を領域として、図4に示した。次に、10000mの長さに亘って保護膜を形成した際に発生したドロップアウト数を測定した。この結果を、図4と同様にして図5に示す。
【0036】図4及び図5からわかるように、離間距離a又はbが10mm未満である場合には、ドロップアウトが多発していることがわかる。離間距離a又はbが10mm未満であると、第2のアノード表面に多量に付着したカーボンが熱膨張することにより第2のアノードとの間に剪断力が生じる。そして、この剪断力がカーボンの付着力を上回り、カーボンが剥離、飛散した結果、磁気記録媒体上にカーボンが再付着するため、確実な記録再生を行うことのできる磁気記録媒体を作製することが困難となる。
【0037】また、図4及び図5からわかるように、離間距離a又はbが30mmを越える場合にも、ドロップアウトが多発していることがわかる。これは、離間距離a又はbが30mmを越えると、第2のアノードがプラズマ中の電子を十分に吸引することができない。このため、吸引されない電子が第1のアノード、即ち冷却キャンに吸引されてしまう。冷却キャンの周面には磁気記録媒体が掛け合わされているので、電子は磁気記録媒体に流れ込み、チャージアップにより異常放電を引き起こす。その結果、磁気記録媒体の磁性膜は損傷されるため、確実な記録再生を行うことのできる磁気記録媒体を作製することが困難となっている。
【0038】この実験より、スパッタリング装置1では、図4及び図5に示すように、第2のアノード12を、図2において離間距離aが10〜30mmであり、且つ、離間距離bが10〜30mmである位置に配設することによって、磁気記録媒体3におけるドロップアウトの発生を大幅に制御し、保護膜を形成できることが実証された。
【0039】一方、スパッタリング装置1において、第2のアノード12を、ターゲット11の材料の線膨張率と同じ線膨張率からなる材料から形成することが好ましい。第2のアノード12の材料の線膨張率をターゲット11の材料の線膨張率と同一とすることによって、第2のアノード12の表面にターゲット分子が付着した場合であっても、第2のアノード12とターゲット分子との間に剪断力が生じ難い。これにより、ターゲット分子が第2のアノード12から剥離、飛散することをを防止できる。具体的には、第2のアノード12の材料の熱膨張計数を、ターゲット11と同一の材料から形成することによて、第2のアノード12の材料の熱膨張計数を、ターゲット11の材料の熱膨張計数と同一とすることができる。
【0040】また、スパッタリング装置1では、図1に示したように、第2のアノード12を2個配設することによって、より確実にプラズマ中の電子を吸引できる。これにより、スパッタリング装置1は、磁気記録媒体3に電子が流れ込むことをより確実に防止できる。従って、スパッタリング装置1では、磁気記録媒体3表面のチャージアップを効果的に防止するために、第2のアノード12を複数配設することが好ましい。
【0041】ところで、本発明は、図6に示すような成膜系を備えるスパッタリング装置(図示しない)にも適用される。図6に示す成膜系を備えるスパッタリング装置は、ターゲット11の線膨張率と同じ線膨張率を有する材料を用いて第2のアノード20を構成した以外は、図1に示したスパッタリング装置1と同様な構成を有する。したがって、ここでは、図6に示す成膜系を備えるスパッタリング装置において、図1に示したスパッタリング装置1と同一の部材に関しては同符号を付することにより説明を省略する。
【0042】このスパッタリング装置において、第2のアノード20の材料の線膨張率は、ターゲット11の材料の線膨張率と同じである。更に、第2のアノード20の材料は、ターゲット11の材料と同じであることが好ましい。
【0043】以上のように構成されたスパッタリング装置では、図1に示すスパッタリング装置1を用いてスパッタリングをする場合と同様にして、スパッタリングを行う。この時、スパッタ粒子、即ちカーボン分子はターゲットから放射状に放出されるので、冷却キャン9の周面を走行する磁気記録媒体3の磁性膜上に付着すると共に、第2のアノード20の表面に付着することがある。
【0044】この第2のアノード20及び第2のアノード20の表面に付着したターゲット分子はスパッタリング時に発生するプラズマのエネルギーにより熱膨張するが、第2のアノード20の材料の線膨張率がターゲット11の材料の線膨張率と同じであるので、第2のアノード20とターゲット分子との間に剪断力が生じ難い。従って、第2のアノード20の表面に付着したターゲット分子の剥離、飛散が防止される。特に、第2のアノード20の材料が、ターゲット11の材料と同じであると、第2のアノード20とターゲット分子との間に剪断力がより生じ難いので、第2のアノード20の表面に付着したターゲット分子の剥離、飛散がより防止される。
【0045】従って、このスパッタリング装置によれば、表面性に優れ、ドロップアウトの発生が抑制された磁気記録媒体を製造することができる。
【0046】ここで、このスパッタリング装置1におけるターゲット11の材料をカーボンとした場合、第2のアノード20の材料と、磁気記録媒体に発生するドロップアウト数との関係を検証するため、第2のアノード20の材料をステンレス、モリブデン又はカーボンとし、種々の長さに亘って保護膜を形成するスパッタリングを行い、これにより保護膜を形成された磁気記録媒体に発生するドロップアウト数を測定する実験を行った。結果を図7に示す。なお、第2のアノード20の配設位置として、図6中αでしめす離間距離を20mmとし、図6中βで示す離間距離を20mmとした。
【0047】図7からわかるように、スパッタリング装置において第2のアノードの材料とターゲットの材料との線膨張率が同じである、即ち、第2のアノードの材料がモリブデン又はカーボンである場合、このスパッタリング装置により保護膜を形成された磁気記録媒体は、ドロップアウト数が少ないことがわかった。
【0048】これに対して、スパッタリング装置において第2のアノードの材料がステンレスである場合、このスパッタリング装置により保護膜を形成された磁気記録媒体は、カーボン保護膜形成長が長くなるほど、つまり長時間のスパッタリングを施されるほど、ドロップアウト数が上昇してしまうことがわかった。
【0049】この実験より、このスパッタリング装置は、第2のアノード20の材料の線膨張率とターゲット11の材料の線膨張率とが同じであることにより、カーボン分子が磁気記録媒体に対して再付着することを防止できるので、ドロップアウト等の原因を生じることなく、カーボン保護膜を形成できることが実証された。
【0050】また、図6に示す成膜系を備えるスパッタリング装置において、第2のアノード20を、図6中αで示す離間距離が10〜30mmであり、且つ、図6中βで示す離間距離が10〜30mmである位置に配設することが好ましい。
【0051】第2のアノード20が上述した位置にあることにより、カーボン分子が第2のアノード20の表面に付着することを防止できる。言い換えると、第2のアノード20の表面には、剥離、離散する虞のあるカーボンが殆ど存在しない。これにより、このスパッタリング装置は、カーボンが第2のアノード20から剥離、飛散して磁気記録媒体の表面に再付着し、磁性膜の表面性を劣化させることをより防止できる。
【0052】さらに、スパッタリング装置では、第2のアノード20を2個配設することによって、より確実にプラズマ中の電子を吸引できる。これにより、スパッタリング装置は、磁気記録媒体に電子が流れ込むことをより確実に防止できる。従って、スパッタリング装置では、磁気記録媒体表面のチャージアップを効果的に防止するために、第2のアノード20を複数配設することが好ましい。
【0053】ところで、本発明に係るスパッタリング装置は、上述した実施の形態に限定されない。上述した実施の形態においては、ターゲットの材料としてカーボンを使用しているが、それ以外の材料で形成されているものにおいても適用できる。また、第2のアノードの設置位置であるが、これは、カソードに印加する電圧、真空室の圧力等の条件によって異なるものであるが、これらの条件とターゲット分子の付着度合い、ターゲットと基体との距離を考慮して設定するものである。
【0054】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明に係るスパッタリング装置は、第2のアノードが、ターゲットの基体と対向する主面から上記主面と直交する方向に10〜30mm離間し、且つ、ターゲットの側面から上記側面と直交する方向に10〜30mm離間した位置に配設されているので、基体の表面性を劣化させることなく、保護膜を形成することができる。
【0055】また、本発明に係るスパッタリング装置は、第2のアノードの材料の線膨張率がターゲットの材料の線膨張率と同じであるので、基体の表面性を劣化させることなく、保護膜を形成することができる。




 

 


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