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発明の名称 バソフェナントロリン化合物及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−131174(P2001−131174A)
公開日 平成13年5月15日(2001.5.15)
出願番号 特願平11−312071
出願日 平成11年11月2日(1999.11.2)
代理人 【識別番号】100076059
【弁理士】
【氏名又は名称】逢坂 宏
【テーマコード(参考)】
3K007
4C065
【Fターム(参考)】
3K007 AB02 AB03 AB06 AB18 BB01 CA00 CA01 CA04 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 FA02 
4C065 AA04 BB09 CC09 DD02 EE02 HH02 JJ01 KK01 PP03 PP04 QQ04
発明者 柴沼 徹朗 / 鬼島 靖典 / 浅井 伸利 / 田村 眞一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 下記一般式〔I〕で表されるバソフェナントロリン化合物。
【化1】

(但し、前記一般式〔I〕において、R1 及びR2 は、互いに同一の若しくは異なる基であって、直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、或いは置換又は未置換の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、R1 及びR2 の少なくとも一方の炭素数が2以上である。)
【請求項2】 下記一般式〔II〕で表されるバソフェナントロリン化合物。
【化2】

(但し、前記一般式〔II〕において、Ar1 及びAr2 は、互いに同一の若しくは異なる置換又は未置換のアリール基である。)
【請求項3】 有機電解発光素子に用いる有機材料、例えばキャリア輸送材料として利用可能な、請求項1又は2に記載したバソフェナントロリン化合物。
【請求項4】 下記一般式〔III 〕で表されるリチウム化合物と、下記一般式〔IV〕で表されるバソフェナントロリンとを求核置換反応させることによって、下記一般式〔I〕で表されるバソフェナントロリン化合物を得る、バソフェナントロリン化合物の製造方法。
一般式〔III 〕:R3 −Li 又は R4 −Li(但し、前記一般式〔III 〕において、R3 及びR4 は、互いに同一の若しくは異なる基であって、直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、或いは置換又は未置換の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、R3 及びR4 の少なくとも一方の炭素数が2以上である。)
【化3】

【化4】

(但し、前記一般式〔I〕において、R1 及びR2 は、互いに同一の若しくは異なる基であって、直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、或いは置換又は未置換の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、R1 及びR2 の少なくとも一方の炭素数が2以上である。)
【請求項5】 下記一般式〔V〕で表されるリチウム化合物と、下記一般式〔IV〕で表されるバソフェナントロリンとを求核置換反応させることによって、下記一般式〔II〕で表されるバソフェナントロリン化合物を得る、バソフェナントロリン化合物の製造方法。
一般式〔V〕:Ar3 −Li 又は Ar4 −Li(但し、前記一般式〔V〕において、Ar3 及びAr4 は、互いに同一の若しくは異なる置換又は未置換のアリール基である。)
【化5】

【化6】

(但し、前記一般式〔II〕において、Ar1 及びAr2 は、互いに同一の若しくは異なる置換又は未置換のアリール基である。)
【請求項6】 前記求核置換反応において、溶液中で前記リチウム化合物によりカルボアニオンを発生させ、このカルボアニオンと前記バソフェナントロリンとを反応させる、請求項4又は5に記載した、バソフェナントロリン化合物の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電界発光素子(例えば、自発光の平面型ディスプレイであって、特に、有機薄膜を電界発光層に用いる有機電界発光カラーディスプレイ等の表示素子又は発光性デバイスに好適な有機電界発光素子)に用いるのに好適なバソフェナントロリン化合物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア指向の商品を初めとして、人間と機械とのインターフェースの重要性が高まってきている。人間がより快適に効率良く機械操作するためには、操作される機械からの情報を誤りなく、簡潔に、瞬時に、充分な量で取り出す必要があり、そのために、ディスプレイを初めとする様々な表示素子について研究が行われている。
【0003】また、機械の小型化に伴い、表示素子の小型化、薄型化に対する要求も日々、高まっているのが現状である。
【0004】例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、ノート型ワードプロセッサなどの、表示素子一体型であるラップトップ型情報処理機器の小型化には目を見張る進歩があり、それに伴い、その表示素子である液晶ディスプレイに関しての技術革新も素晴らしいものがある。
【0005】今日、液晶ディスプレイは、様々な製品のインターフェースとして用いられており、ラップトップ型情報処理機器はもちろんのこと、小型テレビや時計、電卓を初めとして、我々の日常使用する製品に多く用いられている。
【0006】これらの液晶ディスプレイは液晶が低電圧駆動、低消費電力であるという特徴を生かし、小型から大容量表示デバイスに至るまで、人間と機械のインターフェースとして、表示素子の中心として研究されてきた。
【0007】しかし、この液晶ディスプレイは自発光性でないため、バックライトを必要とし、このバックライト駆動に、液晶を駆動するよりも大きな電力を必要とするため、結果的に内蔵蓄電池等では使用時間が短くなり、使用上の制限がある。
【0008】更に、液晶ディスプレイは、視野角が狭いため、大型ディスプレイ等の大型表示素子には適していないことも問題である。
【0009】また、液晶ディスプレイは、液晶分子の配向状態による表示方法であるので、視野角の中においても、角度によりコントラストが変化してしまうのも大きな問題であると考えられる。
【0010】また、駆動方式から考えれば、駆動方式の一つであるアクティブマトリクス方式は、動画を扱うに十分な応答速度を示すが、TFT(薄膜トランジスタ)駆動回路を用いるため、画素欠陥により画面サイズの大型化が困難であり、コストダウンの点からみても不利である。
【0011】液晶ディスプレイにおいて、別の駆動方式である単純マトリクス方式は、低コストである上に画面サイズの大型化が比較的容易であるが、動画を扱うに十分な応答速度を有していないという問題がある。
【0012】これに対し、自発光性表示素子は、プラズマ表示素子、無機電界発光素子、有機電界発光素子等が研究されている。
【0013】プラズマ表示素子は低圧ガス中でのプラズマ発光を表示に用いたもので、大型化、大容量化に適しているが、薄型化、コストの面での問題を抱えている。また、駆動に高電圧の交流バイアスを必要とし、携帯用デバイスには適していない。
【0014】無機電界発光素子は、緑色発光ディスプレイ等が商品化されたが、プラズマ表示素子と同様に、交流バイアス駆動であり、駆動には数百V必要であり、実用性に欠けている。
【0015】しかし、技術の発展により、カラーディスプレイ表示に必要なR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の発光に成功はしているが、無機材料のために、分子設計などによる発光波長等の制御は困難であり、フルカラー化は困難であると思われる。
【0016】一方、有機化合物による電界発光現象は、1960年代前半に、強く螢光を発生するアントラセン単結晶へのキャリア注入による発光現象が発見されて以来、長い期間、研究されてきたが、低輝度、単色で、しかも単結晶であったため、有機材料へのキャリア注入という基礎的研究として行われていた。
【0017】しかし、1987年にEastman Kodak 社のTangらが低電圧駆動、高輝度発光が可能なアモルファス発光層を有する積層構造の有機薄膜電界発光素子を発表して以来、各方面で、R、G、Bの三原色の発光、安定性、輝度上昇、積層構造、作製方法等の研究開発が盛んに行われている。
【0018】さらに、有機材料の特徴であるが、分子設計等により様々な新規材料が発明され、直流低電圧駆動、薄型、自発光性等の優れた特徴を有する、有機電界発光表示素子のカラーディスプレイへの応用研究も盛んに行われ始めている。
【0019】有機電界発光素子(以下、有機EL素子と称することがある。)は、1μm以下の膜厚であり、電流を注入することにより電気エネルギーを光エネルギーに変換して面状に発光するなど、自発光型の表示デバイスとして理想的な特徴を有している。
【0020】図7は、従来の有機EL素子10の一例を示す。この有機EL素子10は、透明基板(例えばガラス基板)6上に、ITO(Indium tin oxide)透明電極5、ホール輸送層4、発光層3、電子輸送層2、陰極(例えばアルミニウム電極)1を例えば真空蒸着法で順次成膜したものである。
【0021】そして、陽極である透明電極5と陰極1との間に直流電圧7を選択的に印加することによって、透明電極5から注入されたキャリアとしてのホールがホール輸送層4を経て、また陰極1から注入された電子が電子輸送層2を経て移動し、電子−ホールの再結合が生じ、ここから所定波長の発光8が生じ、透明基板6の側から観察できる。
【0022】発光層3には、例えばアントラセン、ナフタリン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン等の発光物質を使用してよい。これは、電子輸送層2に含有させることができる。
【0023】図8は、別の従来例を示すものであり、発光層3を省略し、電子輸送層2に上記の如き発光物質を含有させ、電子輸送層2とホール輸送層4との界面から所定波長の発光18が生じるように構成した有機EL素子20を示すものである。
【0024】図9は、上記の有機EL素子の具体例を示す。即ち、各有機層(ホール輸送層4、発光層3又は電子輸送層2)の積層体を陰極1と陽極5との間に配するが、これらの電極をマトリクス状に交差させてストライプ状に設け、輝度信号回路34、シフトレジスタ内蔵の制御回路35によって時系列に信号電圧を印加し、多数の交差位置(画素)にてそれぞれ発光させるように構成している。
【0025】従って、このような構成により、ディスプレイとしては勿論、画像再生装置としても使用可能となる。なお、上記のストライプパターンをR、G、Bの各色毎に配し、フルカラー又はマルチカラー用として構成することができる。
【0026】こうした有機EL素子を用いた、複数の画素からなる表示デバイスにおいて、発光する有機薄膜層2、3、4は一般に、透明電極5と金属電極1との間に挟まれており、透明電極5側に発光する。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような有機EL素子の構成材料として、有機発光材料、及び有機発光材料に好適なキャリア輸送材料への関心が高まっており、これらの有機材料の利点は分子設計によって光学的および電気的性質をある程度コントロールできるところにある。そのため、所定の発光を有する有機発光材料と、それに適したキャリア輸送材料とを組み合わせることにより、効率良く発光を得ることができる。これによって、R、G、Bの三原色発光をすべて、それぞれの発光材料で作成したフルカラー有機EL素子の実現が可能となる。
【0028】こうした有機EL素子の特徴として、正孔(ホール)輸送層が発光素子を兼ねる素子構造を持つことがある。これらの素子構造では、電子を効率良く輸送し、かつホールをブロックするキャリア輸送層が必要である。
【0029】しかしながら、このような要求を充たす有機材料と、これを効率的に製造する方法は、未だ見出されてはいない。
【0030】そこで、本発明の目的は、電子を効率良く輸送し、かつホールをブロックするキャリア輸送材料として好適な新規な有機材料と、これを効率的に製造する方法を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一般式〔I〕又は〔II〕で表されるバソフェナントロリン化合物に係るものである。
【化7】

(但し、前記一般式〔I〕において、R1 及びR2 は、互いに同一の若しくは異なる基であって、直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、或いは置換又は未置換の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、R1 及びR2 の少なくとも一方の炭素数が2以上である。)
【化8】

(但し、前記一般式〔II〕において、Ar1 及びAr2 は、互いに同一の若しくは異なる置換又は未置換のアリール基である。)
【0032】本発明のバソフェナントロリン化合物は、その分子内に導入される置換基に依存して例えばキャリア輸送性を制御できることから、様々な有機電界発光素子のキャリア輸送材料として利用可能である。さらに、これらの材料は、高いガラス転移点及び融点を有し、電気的に、熱的又は化学的に安定である上に、昇華性であり、真空蒸着プロセスによって、均一なアモルファス膜を容易に形成しうる利点がある。
【0033】本発明のバソフェナントロリン化合物において、R1 及びR2 、Ar1 及びAr2 は同一であるのが好ましい。なお、ここで、「アリール基」とは、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基などの炭素環式芳香族基、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基などの複素環式芳香族基を意味する。
【0034】また、本発明は、下記一般式〔III 〕又は〔V〕で表されるリチウム化合物と、下記一般式〔IV〕で表されるバソフェナントロリンとを求核置換反応させることによって、前記一般式〔I〕又は〔II〕で表されるバソフェナントロリン化合物を得る、バソフェナントロリン化合物の製造方法も提供するものである。
一般式〔III 〕:R3 −Li 又は R4 −Li(但し、前記一般式〔III 〕において、R3 及びR4 は、互いに同一の若しくは異なる基であって、直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、或いは置換又は未置換の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、R3 及びR4 の少なくとも一方の炭素数が2以上である。)
一般式〔V〕:Ar3 −Li 又は Ar4 −Li(但し、前記一般式〔V〕において、Ar3 及びAr4 は、互いに同一の若しくは異なる置換又は未置換のアリール基である。)
【化9】

【0035】本発明の製造方法により、本発明のバソフェナントロリン化合物を効率的に製造することができる。この場合、求核置換反応において、溶液中で前記リチウム化合物によりカルボアニオンを発生させ、このカルボアニオンと前記バソフェナントロリンとを反応させるのがよい。
【0036】本発明のバソフェナントロリン化合物のうち、一般式〔I〕で表される化合物のR1 及びR2 において、分岐又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基の具体例としては、例えばエチル基、ブチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0037】また、R1 及びR2 の置換又は未置換の飽和又は不飽和の炭化水素基の具体例として、例えばベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、フルフリル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−n−ヘキシルベンジル基、4−ノニルベンジル基、3,4−ジメチルベンジル基などの飽和又は不飽和の炭化水素基を挙げることかできるが、これらに限定されるものではない。
【0038】また、一般式〔II〕で表される化合物のAr1 及びAr2 において、置換又は未置換のアリール基の具体例として、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フルオレニル基、4−キノリル基、4−ピリジル基、3−ピリジニル基、2−ピリジニル基、3−フリル基、2−フリル基、3−チエニル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2,3−ジエチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,5−ジエチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニル基、3,5−ジエチルフェニル基、2,3,4−トリエチルフェニル基、2,3,5−トリエチルフェニル基、2,3,6−トリエチルフェニル基、3,4,5−トリエチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】本発明のバソフェナントロリン化合物としては、例えば以下の化合物(例示化合物1〜178)を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない(但し、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、Buはブチル基を表す。)。
【0040】
【化10】

【0041】
【化11】

【0042】
【化12】

【0043】
【化13】

【0044】
【化14】

【0045】
【化15】

【0046】
【化16】

【0047】
【化17】

【0048】
【化18】

【0049】
【化19】

【0050】
【化20】

【0051】
【化21】

【0052】
【化22】

【0053】
【化23】

【0054】
【化24】

【0055】
【化25】

【0056】
【化26】

【0057】
【化27】

【0058】
【化28】

【0059】
【化29】

【0060】
【化30】

【0061】
【化31】

【0062】
【化32】

【0063】
【化33】

【0064】
【化34】

【0065】
【化35】

【0066】
【化36】

【0067】
【化37】

【0068】
【化38】

【0069】
【化39】

【0070】
【化40】

【0071】
【化41】

【0072】
【化42】

【0073】
【化43】

【0074】
【化44】

【0075】
【化45】

【0076】以下、本発明のバソフェナントロリン化合物を有機EL素子に適用した好ましい実施の形態を説明する。
【0077】<第1の実施の形態>図1は、本発明の第1の実施の形態による青色発光性の有機EL素子の要部を示す概略断面図である。
【0078】本実施の形態では、ガラス基板6上にITO(Indium Tin Oxide)やZnをドープしたインジウム酸化物等からなる透明電極5をスパッタリング又は真空蒸着等の方法により形成し、その上に順次、ホール輸送層4a、ホール輸送性発光層4b、ホールブロック性のある上記一般式のバソフェナントロリン化合物(誘導体)含有層33、電子輸送層2、カソード電極1を真空蒸着法により積層し、アモルファス有機薄膜からなる有機電界発光素子(有機EL素子)21を作製したものである。
【0079】この有機EL素子21は、ホール輸送層4が発光層としての性能を兼ね備えた構造として構成され、その基本構造は後述する他の実施の形態でも同様である。
【0080】本実施の形態の有機EL素子21の特徴は、上記のバソフェナントロリン誘導体含有層33がホールブロック層としてホール輸送層4と電子輸送層2との間に挿入されて積層されているので、ホール輸送層4中での電子−ホールの再結合を促進させ、ホール輸送層4での発光が得られ、並びに/或いは、バソフェナントロリン誘導体含有層33からの発光も得られることである。
【0081】図2は、上記した本実施の形態(図1)の積層構造をバンドモデルで模式的に示したものである。
【0082】図2において、Al及びAl−Li(アルミニウム−リチウム)からなるカソード1及びITO透明電極5の層に示した太線(L1 、L2 )は、それぞれのメタルの凡その仕事関数であり、これらの両電極間の各層においては上部の太線l1 、l2 、l3 、l4 及び数値はそれぞれの最低非占有分子軌道(LUMO)のレベルを示し、下方の太線l5 、l6 、l7 、l8 及び数値はそれぞれの最高占有分子軌道(HOMO)のレベルを示している。但し、図2中のエネルギーレベル値は一例であって、材質によって種々に変化するものである。
【0083】この有機EL素子においては、図2に示すように、アノードとしての透明電極5から注入されたホールhがホール輸送層4を経て移動し、一方、カソードの金属電極1から注入された電子eが電子輸送層2を経て移動し、この電子−ホールがホール輸送性発光層4において再結合して発光を生じる。
【0084】カソードとしての金属電極1から注入される電子eは、エネルギーレベルの低い方へ移動する性質があるため、金属電極1、電子輸送層2、ホールブロック層33、ホール輸送性発光層4b、ホール輸送層4aの順に各層の最低非占有分子軌道(LUMO)レベルl1 〜l4 を経由してホール輸送性発光層4b、4aに到達することができる。
【0085】一方、アノードとしてのITO透明電極5から注入されるホールhは、エネルギーレベルの高い方へ移動する性質があるため、ホール輸送層4a、ホール輸送性発光層4b、ホールブロック層33の順に各層の最高占有分子軌道(HOMO)レベルl5 〜l7 を経由して電子輸送層2へ移動することができる。
【0086】しかし、図2に示す如く、ホールブロック層33の最高占有分子軌道(HOMO)レベルl7 よりも電子輸送層2の最高占有分子軌道(HOMO)レベルl8の方がエネルギー的に低いため、注入されたホールhはホールブロック層33から電子輸送層2へ移動し難くなり、ホールブロック層33に充満するようになる。
【0087】この結果、ホールブロック層33に充満したホールhがホール輸送層4での電子−ホールの再結合を促進させ、ホール輸送層4を構成するホール輸送性発光層4a、4bの発光材料を発光させることになる。
【0088】このように、ホールブロック層33を設けることにより、ホール輸送層4において電子−ホールの再結合を効率よく生じるようにホールブロック層33においてホールhの輸送を効果的に制御している。そして、これにより発光するホール輸送性発光層4a、4bのうち、主としてホールブロック層33に隣接するホール輸送性発光層4bによる発光にホール輸送性発光層4aの発光も加わり、特定波長(青色)の光を放出する。
【0089】本来、カソード電極1からの電子の注入とアノード電極5からのホールの注入とにより、電子輸送層2及びホール輸送層4はそれぞれの層において電子−ホールの再結合が生じる。従って、上記の如ホールブロック層33が存在しない場合には、電子輸送層2とホール輸送層4との界面において電子−ホールの再結合が生じ、長波長の発光しか得られない。しかし、本実施例の如くホールブロック層33を設けることにより、発光性物質が含有されているホール輸送層4を発光領域として青色発光を促進させることが可能になる。
【0090】上記のように、ホールブロック層33はホールhの輸送を制御するためのものであり、このためには、ホールブロック層33の最高占有分子軌道(HOMO)が、ホール輸送性発光層4b及び電子輸送層2の最高占有分子軌道(HOMO)レベルのエネルギー的に低い方のレベルの最高占有分子軌道(HOMO)レベル以下にあり、かつ、ホールブロック層33の最低非占有分子軌道(LUMO)が、ホール輸送性発光層4b及び電子輸送層2の最低非占有分子軌道(LUMO)レベルの、エネルギー的に低い方の最低非占有分子軌道(LUMO)レベル以上であり、エネルギー的に高い方の最低非占有分子軌道(LUMO)レベル以下であればよく、上記の構成に限定されるものではない。
【0091】但し、本発明は、上記エネルギー準位が上記範囲に無く、バソフェナントロリン化合物含有層それ自身が発光することを妨げるものではない。また、ホールブロック層が複数層からなる積層構造であってもよい。
【0092】上記のホールブロック層33は、上記のバソフェナントロリン誘導体及び/又はその他の材質で形成できると共に、その厚みもその機能を保持することができる範囲で変化させてよい。その厚みは1Å〜1000Å(0.1nm〜100nm)とするのがよいが、厚みがあまり薄いと、ホールブロック能が不完全で再結合領域がホール輸送層及び電子輸送層にまたがり易く、またあまり厚いと、膜抵抗の増加から発光しないことがある。
【0093】上記の有機EL素子21は、図3のような真空蒸着装置11を用いて作製される。この装置の内部には、アーム12の下に固定された一対の支持手段13が設けられ、この双方の固定手段13、13の間には、透明ガラス基板6を下向きにし、マスク22をセットできるステージ機構(図示省略)が設けられている。そして、ガラス基板6及びマスク22の下方には、支軸14aに支持されたシャッター14が配置され、その下方に所定個数の各種蒸着源28を配置する。各蒸着源は、電源29による抵抗加熱方式で加熱される。この加熱には、必要に応じてEB(電子線)加熱方式等も使用される。
【0094】上記の装置において、マスク22は画素用であり、シャッター14は蒸着材料用である。そして、シャッター14は支軸14aを中心に回動し、蒸着材料の昇華温度に合わせて、材料の蒸気流を遮断するためのものである。
【0095】図4は、上記の真空蒸着装置により作製した有機EL素子21の具体例を示す平面図である。即ち、サイズLが30mm×30mmのガラス基板6上に、サイズが2mm×2mmのITO透明電極5を上記した真空蒸着装置により約100nmの厚さで蒸着後に、全面にSiO2 30を蒸着し、これを所定の画素パターンにエッチングして多数の開口31を形成し、ここに透明電極5をそれぞれ露出させる。従って、SiO2 によって2mm×2mmの発光領域(画素)PXに対し蒸着マスク22を用いて各有機層4、33、2及び金属電極1を順次形成する。
【0096】この真空蒸着装置11においては、上記した図4のような多数の画素を有するもの以外に、サイズの大きい画素を単独に形成することもできる。
【0097】上記のように、発光領域中で電子−ホールの再結合の効率を改善するための有機層33を積層することによって、安定した、高輝度で低電圧駆動の、ホール輸送性発光層4を有する有機EL素子を形成することができる。特に、詳しくは後述するように、青色発光に関しては直流駆動で10000cd/m2 以上、1/100デューティ比でのパルス駆動でも、直流換算でピーク輝度55000cd/m2 以上の輝度を得ることが可能となる。
【0098】上記電界発光素子の透明電極、有機ホール輸送層、有機ホールブロック層、有機電子輸送層及び金属電極は、それぞれが複数層からなる積層構造であってもよい。
【0099】また、上記電界発光素子における各有機層は、真空蒸着以外にも、昇華又は気化を伴う他の成膜方法、或いはスピンコートやキャスト等の方法で形成してもよい。
【0100】また、上記した電界発光素子のホール輸送性発光層は、この素子の発光スペクトルの制御のために微量分子の共蒸着を行ってもよく、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体等の有機物質を微量含む有機薄膜であってもよい。
【0101】また、ホール輸送材料として使用可能な材料としては、ベンジジン又はその誘導体、スチリルアミン又はその誘導体、トリフェニルメタン又はその誘導体をはじめ、ポルフィリン又はその誘導体、トリアゾール又はその誘導体、イミダゾール又はその誘導体、オキサジアゾール又はその誘導体、ポリアリールアルカン又はその誘導体、フェニレンジアミン又はその誘導体、アリールアミン又はその誘導体、オキサゾール又はその誘導体、アントラセン又はその誘導体、フルオレノン又はその誘導体、ヒドラゾン又はその誘導体、スチルベン又はその誘導体、またはポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物、アニリン系化合物等の複素環式共役系のモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。
【0102】具体的には、α−ナフチルフェニルジアミン、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリン、金属ナフタロシアニン、4,4’,4”−トリメチルトリフェニルアミン、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(p−トリル)p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール、4−ジ−p−トリルアミノスチルベン、ポリ(パラフェニレンビニレン)、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(2,2’−チエニルピロール)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0103】また、電子輸送性材料として使用可能な材料としては、キノリン又はその誘導体、ペリレン又はその誘導体、ビススチリル又はその誘導体、ピラジン又はその誘導体等が挙げられる。
【0104】具体的には、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム、アントラセン、ナフタリン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、又はこれらの誘導体等が挙げられる。
【0105】また、上記電界発光素子のアノード電極、カソード電極等の使用材料にも制限はない。
【0106】カソード電極材料については、効率良く電子を注入するために、電極材料の真空準位からの仕事関数の小さい金属を用いるのが好ましく、アルミニウム−リチウム合金以外にも、例えば、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、銀、カルシウム、バリウム、リチウム等の低仕事関数金属を単体で、または他の金属との合金として安定性を高めて使用してもよい。
【0107】また、アノード電極側から有機電界発光を取り出すため、後述する実施例はアノード電極には透明電極であるITOを用いたが、効率良くホールを注入するために、アノード電極材料の真空準位からの仕事関数が大きいもの、例えば金、二酸化スズ−アンチモン混合物、酸化亜鉛−アルミニウム混合物の電極を用いてもよい。
【0108】また、基板2としては、ガラス基板に限らず、不透明な材質、例えばシリコン基板、Cr基板等を用いてもよいし、ガラス上に金属を蒸着等によって形成した基板を用いてもよい。基板に不透明な材質を用いた場合には、発光を外部に取り出すために、有機ELデバイスの上面(カソード電極側)が透明若しくは半透明な材質で形成されていることが好ましく、これらの材料には例えばITO等を使用することができる。
【0109】また、モノカラー用の有機電界発光素子は勿論、発光材料を選択することによって、R、G、Bの三色を発光するフルカラー用、又はマルチカラー用の有機電界発光素子を作製することができる。その他、本発明はディスプレイ用としてだけでなく、光源用としても使用可能な有機電界発光素子に適用できると共に、他の光学的用途にも適用することができる。
【0110】なお、上記した有機電界発光素子は、安定性を高めるためにゲルマニウム酸化物等で封止を行って大気中の酸素等の影響を排してもよく、また真空に引いた状態で素子を駆動してもよい。
【0111】<第2の実施の形態>図5は、本発明の第2の実施の形態による有機EL素子の要部を示す概略断面図である。
【0112】本実施の形態による有機EL素子22では、図1の素子と比べて、ITO透明電極5上に、ホール輸送性発光層4bを形成し、ホール輸送性発光層を単層に形成していることが異なっている。
【0113】<第3の実施の形態>図6は、本発明の第3の実施の形態による有機電界発光素子の要部を示す概略断面図である。
【0114】本実施の形態による有機EL素子23では、図1の素子と比べて、ITO透明電極5上に、ホール輸送層(ホール輸送性発光層を兼ねる)4aを形成し、上記した第2の実施の形態と同様にホール輸送性発光層を単層に形成している。
【0115】
【実施例】以下、本発明を実施例について更に詳細に説明する。
【0116】実施例1<2,9−ジ(2−メチルフェニル)バソフェナントロリンの合成>【0117】
【化46】

【0118】2−ヨードトルエン(5.84g、26.4mmol)のn−ヘキサン溶液(40ml)に、n−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、17.0ml、26.8mmol)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を更に室温下、16時間攪拌した後、生成物をろ別し、白色固体をn−ヘキサン(40ml×3)で洗浄した。得られた白色固体の無水ジエチルエーテル/トルエン(3/1)溶液(20ml)に、バソフェナントロリン(2.03g、6.11mmol)のトルエン溶液(50ml)を室温下、徐々に滴下した後、室温下、16時間攪拌した。
【0119】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0120】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=4/1→2/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(1.01g、収率49.5%)を淡黄色結晶として得た。
【0121】この生成物の固定は、 1H−NMR(溶媒:クロロホルム)及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:2.70(m,6H,CH3-Ar-)、7.25-7.75(s,18H,aromatic) 、7.80(s,2H,aromatic) 、7.90(s,2H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 512 (M+ ,100) 。
【0122】また、この生成物のテトラヒドロフラン(THF)溶液の可視吸収極大波長は297nm、蛍光波長は390nmであった。
【0123】実施例2<2,9−ジ(2,6−ジメチルフェニル)バソフェナントロリンの合成>【0124】
【化47】

【0125】2−ブロモ−m−キシレン(17.8g、96.3mmol)のn−ヘキサン/無水ジエチルエーテル(10/1)溶液(110ml)に、n−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、60.2ml、96.3mmol)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、2時間加熱還流し、反応溶液を更に室温下、16時間攪拌した後、生成物をろ別し、白色固体をn−ヘキサン(50ml×3)で洗浄した。得られた白色固体の無水ジエチルエーテル溶液(40ml)に、バソフェナントロリン(5.09g、15.3mmol)のトルエン溶液(80ml)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、2時間加熱還流し、反応溶液を室温下、16時間攪拌した。
【0126】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを徐々に加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0127】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=8/1→4/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(2.00g、収率39.4%)を淡黄色結晶として得た。
【0128】この生成物の固定は、 1H−NMR及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:2.25(m,12H,CH3-Ar-) 、7.05-7.25(s,6H,aromatic)、7.35-7.70(s,12H,aromatic) 、7.95(s,2H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 540 (M+ ,100) 。
【0129】また、この生成物のTHF溶液の可視吸収極大波長は286nm、蛍光波長は380nmであった。
【0130】実施例3<2,9−ジナフチル−バソフェナントロリンの合成>【0131】
【化48】

【0132】1−ブロモナフタレン(5.01g、24.4mmol)のn−ヘキサン/無水ジエチルエーテル(1/1)溶液(60ml)に、n−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、15.3ml、24.4mmol)を0℃で徐々に滴下した。滴下後、室温下、16時間攪拌した後、生成物をろ別し、残渣をn−ヘキサン(40ml×3)で洗浄した。得られた固体の無水ジエチルエーテル溶液(40ml)に、バソフェナントロリン(2.03g、6.11mmol)のトルエン溶液(80ml)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を室温下、16時間攪拌した。
【0133】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを徐々に加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0134】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=8/1→4/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(1.38g、収率68.2%)を得た。
【0135】この生成物の固定は、 1H−NMR及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:7.30-8.00(s,24H,aromatic) 、8.32(s,2H,aromatic) 、8.68(s,2H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 584 (M+ ,100) 。
【0136】実施例4<2,9−ジフルオレニル−バソフェナントロリンの合成>【0137】
【化49】

【0138】フルオレン(4.16g、25.0mmol)のTHF溶液(30ml)に、リチウムジイソプロピルアミン(LDA)(1.89g、17.4mmol)を加え、室温下、16時間攪拌した。その後、THFとジイソプロピルアミンを減圧留去した。得られた黄色固体の無水ジエチルエーテル溶液(20ml)に、バソフェナントロリン(2.03g、6.11mmol)のトルエン溶液(60ml)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、2時間加熱還流し、反応溶液を室温下、16時間攪拌した。
【0139】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを徐々に加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0140】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=8/1→4/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(1.38g、収率68.2%)を得た。
【0141】この生成物の同定は、 1H−NMR及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:4.51(m,2H,Ar-CH2-Ar)、7.30-7.78(s,28H,aromatic) 、7.81(s,2H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 660 (M+ ,100) 。
【0142】実施例5<2,9−ジベンジル−バソフェナントロリンの合成>【0143】
【化50】

【0144】無水トルエン(2.24g、24.9mmol)にn−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、4.45ml、7.13mmol)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、−22℃で、Me−THF(0.627g、7.47mmol)を20分かけて加え、その後THF(1.06g、14.7mmol)を30分かけて加えた後、6〜10℃で16時間攪拌した。得られた反応溶液と、バソフェナントロリン(2.03g、6.11mmol)のトルエン溶液(40ml)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を室温下、16時間攪拌した。
【0145】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを徐々に加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0146】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=8/1→4/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(0.88g、収率43.3%)を得た。
【0147】この生成物の同定は、 1H−NMR及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:4.68(m,4H,-CH2-Ar)、7.28-7.78(s,22H,aromatic) 、7.81(s,2H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 512 (M+ ,100) 。
【0148】実施例6<2,9−ジシクロヘキシル−バソフェナントロリンの合成>【0149】
【化51】

【0150】クロロシクロヘキサン(3.00g、25.0mmol)にn−ヘキサン/無水ジエチルエーテル(10/1)溶液(50ml)に、n−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、36.3ml、58.0mmol)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を更に室温下、16時間攪拌した後、生成物をろ別し、白色固体をn−ヘキサン(50ml×3)で洗浄した。得られた白色固体の無水ジエチルエーテル溶液(10ml)に、バソフェナントロリン(2.03g、6.11mmol)のトルエン溶液(40ml)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を室温下、16時間攪拌した。
【0151】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを徐々に加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0152】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=8/1→4/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(0.98g、収率48.3%)を得た。
【0153】この生成物の同定は、 1H−NMR及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:0.80-2.45(m,20H,-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-)、3.20(m,2H,-CH-Ar) 、7.25-7.75(s,12H,aromatic) 、7.81(s,2H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 496 (M+ ,100) 。
【0154】実施例7<2,9−ジビフェニル−バソフェナントロリンの合成>【0155】
【化52】

【0156】4−ブロモビフェニル(6.33g、27.2mmol)にn−ヘキサン/無水ジエチルエーテル(10/1)溶液(110ml)に、n−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、17.0ml、27.2mmol)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を室温下、16時間攪拌した後、生成物をろ別し、白色固体をn−ヘキサン(50ml×3)で洗浄した。得られた白色固体の無水ジエチルエーテル溶液(20ml)に、バソフェナントロリン(2.03g、6.11mmol)のトルエン溶液(40ml)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を室温下、16時間攪拌した。
【0157】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを徐々に加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0158】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=8/1→4/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(0.76g、収率37.4%)を得た。
【0159】この生成物の同定は、 1H−NMR及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:7.25-7.78(s,26H,aromatic) 、7.81(s,2H,aromatic) 、8.32(s,4H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 636 (M+ ,100) 。
【0160】実施例8<2,9−ジ(2−メチルベンジル)−バソフェナントロリンの合成>【0161】
【化53】

【0162】α−ブロモ−o−キシレン(4.91g、24.9mmol)にn−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、4.45ml、7.13mmol)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、−22℃で、Me−THF(0.627g、7.47mmol)を20分かけて加え、その後THF(1.06g、14.7mmol)を30分かけて加えた後、6〜10℃で16時間攪拌した。得られた反応溶液と、バソフェナントロリン(2.03g、6.11mmol)のトルエン溶液(40ml)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を室温下、16時間攪拌した。
【0163】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを徐々に加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0164】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=8/1→4/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(0.72g、収率35.4%)を得た。
【0165】この生成物の同定は、 1H−NMR及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:2.35(m,6H,CH3-Ar-)、4.65(m,4H,CH2-Ar-)、7.25-7.78(s,20H,aromatic) 、7.81(s,2H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 540 (M+ ,100) 。
【0166】実施例9<2,9−ジ(8−メチルナフチル)−バソフェナントロリンの合成>【0167】
【化54】

【0168】1−ブロモ−8−メチルナフタレン(5.34g、24.4mmol)にn−ヘキサン/無水ジエチルエーテル(1/1)溶液(60ml)に、n−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、15.3ml、24.4mmol)を0℃で徐々に滴下した。滴下後、室温下、16時間攪拌した後、生成物をろ別し、残渣をn−ヘキサン(40ml×3)で洗浄した。得られた固体の無水ジエチルエーテル溶液(40ml)に、バソフェナントロリン(2.03g、6.11mmol)のトルエン溶液(80ml)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を室温下、16時間攪拌した。
【0169】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを徐々に加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0170】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=8/1→4/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(1.30g、収率64.0%)を得た。
【0171】この生成物の同定は、 1H−NMR及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:2.60(m,6H,CH3-Ar-)、7.30-7.81(s,22H,aromatic) 、7.81(s,2H,aromatic) 、8.25(s,2H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 612 (M+ ,100) 。
【0172】実施例10<2,9−ジ(2−メチルナフチル)−バソフェナントロリンの合成>【0173】
【化55】

【0174】1−ブロモ−2−メチルナフタレン(5.34g、24.4mmol)のn−ヘキサン/無水ジエチルエーテル(1/1)溶液(60ml)に、n−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、15.3ml、24.4mmol)を0℃で徐々に滴下した。滴下後、室温下、16時間攪拌した後、生成物をろ別し、残渣をn−ヘキサン(40ml×3)で洗浄した。得られた固体の無水ジエチルエーテル溶液(40ml)に、バソフェナントロリン(2.03g、6.11mmol)のトルエン溶液(80ml)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を室温下、16時間攪拌した。
【0175】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを徐々に加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0176】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=8/1→4/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(1.20g、収率59.1%)を得た。
【0177】この生成物の同定は、 1H−NMR及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:2.80(m,6H,CH3-Ar-)、7.25-7.78(s,24H,aromatic) 、7.81(s,2H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 612 (M+ ,100) 。
【0178】実施例11<2,9−ジ(α−メチルベンジル)−バソフェナントロリンの合成>【0179】
【化56】

【0180】1−ブロモ−1−フェニルエタン(4.91g、24.9mmol)にn−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、4.45ml、7.13mmol)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、−22℃で、Me−THF(0.627g、7.47mmol)を20分かけて加え、その後THF(1.06g、14.7mmol)を30分かけて加えた後、6〜10℃で16時間攪拌した。得られた反応溶液と、バソフェナントロリン(2.03g、6.11mmol)のトルエン溶液(40ml)を室温下、徐々に滴下した。滴下後、反応溶液を室温下、16時間攪拌した。
【0181】得られた反応溶液に氷冷した水60mlを徐々に加え、有機層を分離した。水層をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を先に分離した有機層と混合した。混合した有機層に二酸化マンガン(化学処理品)60gを加え、30分攪拌した後、さらに、硫酸ナトリウム100gを加え、30分攪拌した。
【0182】得られた混合溶液をろ過、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/クロロホルム=8/1→4/1)により精製し、その後、再結晶(再結晶溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=2/1)により、目的化合物(0.83g、収率40.9%)を得た。
【0183】この生成物の同定は、 1H−NMR及びFAB−MS測定により行った。
1H−NMR:2.40(m,6H,CH3-Ar-)、4.64(m,2H,-CH-Ar) 、7.25-7.78(s,22H,aromatic) 、7.81(s,2H,aromatic) 。
MS:m/s(relative intensity) 540 (M+ ,100) 。
【0184】
【発明の作用効果】本発明のバソフェナントロリン化合物は、その分子内に導入される置換基に依存して、例えばキャリア輸送性を制御できることから、様々な有機電界発光素子のキャリア輸送材料として利用可能である。さらに、これらの材料は高いガラス転移点及び融点を有し、電気的、熱的又は化学的に安定である上に、昇華性であり、真空蒸着プロセスによって、均一なアモルファス膜を容易に形成しうる利点がある。また、本発明のバソフェナントロリン化合物は、有機リチウムを用いた求核置換反応を用いて、効率的に製造することができる。




 

 


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