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発明の名称 表面加工用冶具及び表面加工方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−89841(P2001−89841A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願平11−267890
出願日 平成11年9月22日(1999.9.22)
代理人 【識別番号】100092336
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 晴敏
発明者 山口 優
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 表面加工の対象となる表面及びその反対側の裏面を備えた基板を保持するための保持部材と、所定の間隙を規定するスペーサを介して表面加工に用いるマスクを該基板の表面に装着する装着部材と、該基板の裏面側に配され、表面加工中該マスクに吸引力を作用させて該スペーサを介し該基板の表面に該マスクを圧接しておく吸引部材とを備えたことを特徴とする表面加工用冶具。
【請求項2】 前記吸引部材は、磁性材料からなるマスクに磁気的な吸引力を作用させる電磁石又は永久磁石からなることを特徴とする請求項1記載の表面加工用冶具。
【請求項3】 前記吸引部材は、マスクに静電気的な吸引力を作用させることを特徴とする請求項1記載の表面加工用冶具。
【請求項4】 前記装着部材は該基板に対して該マスクを位置決めする調整手段を備えており、前記吸引部材は該マスクの位置決め中該吸引力を解除可能なことを特徴とする請求項1記載の表面加工用冶具。
【請求項5】 前記装着部材は、あらかじめ該基板の表面に形成されたスペーサを介して該マスクを該基板の表面に装着することを特徴とする請求項1記載の表面加工用冶具。
【請求項6】 前記装着部材は、該基板の表面に対して蒸着加工を行うときに用いる蒸着マスクを装着することを特徴とする請求項1記載の表面加工用冶具。
【請求項7】 前記装着部材は、該基板の表面に有機エレクトロルミネッセンス素子を蒸着で形成するときに用いる蒸着マスクを装着することを特徴とする請求項6記載の表面加工用冶具。
【請求項8】 表面加工の対象となる表面及びその反対側の裏面を備えた基板を用意する準備工程と、所定の間隙を規定するスペーサを介して表面加工に用いるマスクを該基板の表面に装着する装着工程と、該基板の裏面側から該マスクに吸引力を作用させて該スペーサを介し該基板の表面に該マスクを圧接しておく吸引工程と、該マスクを介して該基板の表面に選択的に表面加工を施す処理工程とからなることを特徴とする表面加工方法。
【請求項9】 前記吸引工程は、磁性材料からなるマスクに磁気的な吸引力を作用させる電磁石又は永久磁石を利用することを特徴とする請求項8記載の表面加工方法。
【請求項10】 前記吸引工程は、マスクに静電気的な吸引力を作用させることを特徴とする請求項8記載の表面加工方法。
【請求項11】 前記装着工程は該基板に対して該マスクを位置決めする調整工程を含んでおり、前記吸引工程は該マスクの位置決め中は該吸引力を解除しておくことを特徴とする請求項8記載の表面加工方法。
【請求項12】 前記装着工程は、あらかじめ該基板の表面に形成されたスペーサを介して該マスクを該基板の表面に装着することを特徴とする請求項8記載の表面加工用冶具。
【請求項13】 前記装着工程は、該基板の表面に対して蒸着加工を行うときに用いる蒸着マスクを装着することを特徴とする請求項8記載の表面加工方法。
【請求項14】 前記処理工程は、該基板の表面に有機エレクトロルミネッセンス素子を蒸着で形成することを特徴とする請求項13記載の表面加工方法。
【請求項15】 表示装置の画素を構成するエレクトロルミネッセンス素子が蒸着形成されるべき表面及びその反対側の裏面を備えた基板を用意する準備工程と、所定の間隙を規定する様にあらかじめ該基板の表面に形成されたスペーサを介して蒸着加工に用いる蒸着マスクを該基板の表面に装着する装着工程と、該基板の裏面側から該蒸着マスクに吸引力を作用させて該スペーサを介し該基板の表面に該蒸着マスクを圧接しておく吸引工程と、該蒸着マスクを介して該基板の表面に選択的にエレクトロルミネッセンス素子を蒸着形成する処理工程とからなる表示装置の製造方法。
【請求項16】 前記吸引工程は、磁性材料からなる蒸着マスクに磁気的な吸引力を作用させる電磁石又は永久磁石を利用することを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】 前記吸引工程は、マスクに静電気的な吸引力を作用させることを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】 前記装着工程は該基板に対して該蒸着マスクを位置決めする調整工程を含んでおり、前記吸引工程は該蒸着マスクの位置決め中は該吸引力を解除しておくことを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空蒸着やエッチング等基板表面の加工用に用いる治具及び表面加工方法に関する。より詳しくは、基板に対して表面加工に用いるマスクをセッティングする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、基板の表面加工に用いる蒸着装置の一般的な構成を示す模式図である。図示するように、蒸着装置200はチャンバ201を主体として構成されている。チャンバ201の中には蒸着源202が配置されている。蒸着源202は抵抗加熱方式又は電子線加熱方式のいずれでもよい。チャンバ201にはポンプ203が接続されており、内部を真空排気可能にしている。チャンバ201の上部には治具204が組み込まれている。この治具204はモータ205により公転運動及び自転運動を行うことができる。治具204には処理対象となる基板1と処理用のマスク5が装着される。マスク5は基板1に選択的に蒸着物質を堆積するために用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】基板に対して微細な蒸着処理を施す場合等、基板表面から一定の間隔でマスクを浮かした状態で治具204に装着したいことがある。マスク5を基板1に密着させると、位置合わせのとき等傷が生じる恐れがあるので好ましくない。この場合、スペーサを介して基板1にマスク5を装着することになる。従来、基板に対して所定の空隙を設けた状態でマスク5の周辺部を治具204で固定していた。このようにすると、マスク5に偏った応力が加わる場合があり、マスク5が歪んで平面性が損なわれ、基板1の表面に対する平行度が局部的に悪くなる。この結果、蒸着ムラが生じ、表面加工の品質が損なわれるという課題があった。尚、マスクは蒸着処理ばかりでなく、基板の表面に対する選択的な露光処理等にも用いられる。本明細書では、蒸着処理や露光処理等を含む上位概念として表面処理若しくは表面加工という用語を用いている。
【0004】
【課題を解決する為の手段】上述した従来の技術の課題を解決するために以下の手段を講じた。即ち、本発明にかかる表面加工用治具は、表面加工の対象となる表面及びその反対側の裏面を備えた基板を保持するための保持部材と、所定の間隙を規定するスペーサを介して表面加工に用いるマスクを該基板の表面に装着する装着部材と、該基板の裏面側に配され、表面加工中該マスクに吸引力を作用させて該スペーサを介し該基板の表面に該マスクを圧接しておく吸引部材とを備えている。好ましくは、前記吸引部材は、磁性材料からなるマスクに磁気的な吸引力を作用させる電磁石又は永久磁石からなる。或いは、前記吸引部材は、マスクに静電気的な吸引力を作用させるものでも良い。好ましくは、前記装着部材は該基板に対して該マスクを位置決めする調整手段を備えており、前記吸引部材は該マスクの位置決め中該吸引力を解除可能である。好ましくは、前記装着部材は、あらかじめ該基板の表面に形成されたスペーサを介して該マスクを該基板の表面に装着する。好ましくは、前記装着部材は、該基板の表面に対して蒸着加工を行うときに用いる蒸着マスクを装着する。具体的には、前記装着部材は、該基板の表面に有機エレクトロルミネッセンス素子を蒸着で形成するときに用いる蒸着マスクを装着する。
【0005】本発明は、又表面加工方法も包含している。即ち、本発明にかかる表面加工方法は、表面加工の対象となる表面及びその反対側の裏面を備えた基板を用意する準備工程と、所定の間隙を規定するスペーサを介して表面加工に用いるマスクを該基板の表面に装着する装着工程と、該基板の裏面側から該マスクに吸引力を作用させて該スペーサを介し該基板の表面に該マスクを圧接しておく吸引工程と、該マスクを介して該基板の表面に選択的に表面加工を施す処理工程とからなる。
【0006】更に本発明は、上述した表面加工用治具及び表面加工方法を応用した表示装置の製造方法を包含している。即ち、本発明に係る表示装置の製造方法は、表示装置の画素を構成するエレクトロルミネッセンス素子が蒸着形成されるべき表面及びその反対側の裏面を備えた基板を用意する準備工程と、所定の間隙を規定する様にあらかじめ該基板の表面に形成されたスペーサを介して蒸着加工に用いる蒸着マスクを該基板の表面に装着する装着工程と、該基板の裏面側から該蒸着マスクに吸引力を作用させて該スペーサを介し該基板の表面に該蒸着マスクを圧接しておく吸引工程と、該蒸着マスクを介して該基板の表面に選択的にエレクトロルミネッセンス素子を蒸着形成する処理工程とからなる。
【0007】本発明によれば、基板に対してマスクが表面側に装着される一方、吸引部材が裏面側に配され、表面加工中マスクの全体に均一な吸引力を作用させて、スペーサを介し基板の表面にマスクを圧接しておく。基板の裏面側からマスクを吸引するので、表面加工を妨害することなく、マスクの周辺部だけでなく中央部を含めた全体に均一な吸引力を加えられる。従って、マスクに歪みが生じにくいので、スペーサを介しマスクの平行度を精密に維持でき、局所的に蒸着ムラ等が発生することを防止可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る表面加工用治具の実施形態の一例を示す模式的な断面図である。図示するように、本表面加工用治具は金属ブロック等からなる治具本体0を用いて組み立てられている。具体的には、治具本体0に、保持部材2、装着部材3及びマグネットシート(吸引部材)4が組み込まれている。保持部材2は表面加工の対象となる表面(図では下面)及びその反対側の裏面(図では上面)を備えた基板1を保持する。装着部材3は、所定の間隙を規定するスペーサ6を介して表面加工に用いるマスク5を基板1の表面に装着する。吸引部材は基板1の裏面側に配され、表面加工中マスク5に吸引力を作用させてスペーサ6を介し、基板1の表面にマスク5を圧接しておく。本実施形態では、吸引部材は、ステンレススチール等の磁性材料からなるマスク5に磁気的な吸引力を作用させるマグネットシート4を用いている。マグネットシート4は永久磁石の一種で、基板1を介しマスク5の全体に対して均一な磁気吸引力を作用させるので、マスク5は歪むことなくスペーサ6により基板1に対して精密な平行度を維持できる。尚、マグネットシート4等の永久磁石に変え、治具本体0に電磁石を組み込んで、マスク5に磁気吸引力を作用させるようにしてもよい。場合によっては、磁気的な吸引力に代え、マスクに静電気的な吸引力を作用させる構造としてもよい。例えば、マスク5を負極側に帯電させ、治具本体0の平面部を正極側に帯電させることで、両者の間に静電気的な吸引力が作用する。尚、本実施形態では装着部材3は基板1に対しマスク5を位置決めする調制手段を備えており、吸引部材はマスク5の位置決め中吸引力を解除可能な構成となっている。具体的には、マグネットシート4を治具本体0の開口部7から取り外すことにより、マスク5に加わる磁気吸引力が解除されるので、マスク5を基板1に対して自由に位置決め可能である。尚、本実施形態では、装着部材3は、予め基板1の表面に形成されたスペーサ6を介してマスク5を基板1の表面に装着している。換言すると、スペーサ6は例えばストライプ状に予め基板1と一体的に形成されいている。場合によっては、スペーサ6をマスク5側に一体的に形成してもよい。本実施形態では、装着部材3は基板1の表面に対して蒸着加工を行うときに用いる蒸着マスク5を装着するようにしている。例えば、装着部材3は、基板1の表面に有機エレクトロルミネッセンス素子を蒸着で形成するときに用いる蒸着マスク5を装着する。
【0009】図2は、本発明に係る表面加工用治具の他の実施形態の一例を示す模式的な断面図である。基本的な構成は、図1に示した実施形態と同様であり、対応する部分には対応する参照番号を付して理解を容易にしている。本実施形態では、先の実施形態で用いたマグネットシートに代えて、永久磁石4aを吸引部材に用いている。この永久磁石4aは治具本体0の平面部を磁化したものである。尚、永久磁石4aに代えて電磁石を治具本体0の平面部に組み込むこともできる。このように、本発明に係る表面加工用治具は、基板1とマスク5との平行性を確保するために、基板1の裏面部全面に平面型の吸引部材を配置している。本実施形態では、吸引部材は、治具本体0の一部を磁化した構造である。治具の一部を磁化することで治具全体の構造を簡単にすることができる。尚、永久磁石4aを使用した場合、マスク5を位置合わせのため移動するとき、磁気吸引力を解除できないので、マスク5はスペーサ6を擦ることになり、スペーサ6の破損に至らなくともゴミ等の微粒子の発生を招く恐れがある。そこで永久磁石4aに代えて、マスク5の移動時に磁気吸引力を解除できる、コイル等の電磁石を使用してもよい。
【0010】図3は、基板1とマスク5の相対的な位置関係を示す模式的な平面図である。本例は、基板1にRGB三原色の画素を真空蒸着で形成する場合を表している。基板1の表面には予めスペーサ6がストライプ状に形成されている。このスペーサ6は有機若しくは無機の絶縁物からなり、例えばスクリーン印刷により基板1の表面に形成できる。ストライプ状に形成された各スペーサ6の間に、RGB三原色に分かれた画素を形成する。このため、マスク5は図示のようなパタン8を有し、ハッチングが施されていない部分に矩形の開口が開いている。図示の状態では、マスク5のパタン8は基板1側の画素Rに対応している。この状態で、真空蒸着を行うことにより、画素Rを構成すべき物質が選択的に蒸着される。このあと、マスク5を右側に一画素分シフトすることで、パタン8は画素Gの領域に整合することになる。ここで物質を代えて再び真空蒸着を行うことにより、画素Gを形成することができる。同様にして、マスク5を更に右側に一画素分シフトし、画素Bを形成する。
【0011】図示の例では、スペーサ6の配列間隔は例えば300μmに設定されている。これに対し、マスク5に形成された開口パタン8の寸法は、例えば70×200μmである。又、マスク5は例えばステンレススチールからなり、その厚みは例えば50μm程度である。これに対し、基板1とマスク5の間隙寸法を規定するスペーサ6の厚みは例えば5μm程度である。
【0012】次に、図3に示したマスクを用いてガラス基板の上にエレクトロルミネッセンス素子からなる画素を形成する方法の一例を、具体的に説明する。先ず(A)に示すように、ガラス基板1上に、クロム(Cr)を膜厚200nmでDCスパッタリングにより成膜する。スパッタガスとしてアルゴン(Ar)を用いて、圧力を0.2Pa、DC出力を300Wとした。通常のリソグラフィー技術を用いて、所定の形状にパターニングする。エッチング液としてETCH−1(三洋化成工業(株)製)を用いて、加工する。所定の形状の陽極Aが得られる。クロムは前記エッチング液により高精度かつ再現性よく加工できる。さらに、加工精度が要求される場合は、ドライエッチングによる加工も可能である。エッチングガスとしては、塩素(C1)と酸素(O)の混合ガスを用いることができる。特に、リアクティブイオンエッチング(RlE)を用いれば、高精度な加工ができ、かつエッチング面の形状の制御が可能である。所定の条件でエッチングすれば、テーパー状の加工が可能で、陰極−陽極間ショートを低減できる。続いて、クロムが所定のパタンに加工された基板1上に絶縁層15を成膜する。絶縁層15に用いる材料は特に限定はないが、本実施例では二酸化珪素(SiO)を用いている。Si0はスパッタリングにより膜厚200nmに形成する。成膜方法に、特に限定はない。通常のリソグラフィー技術を用いて、クロム上に開口を設ける様にSi0を加工する。Si0のエッチングには、フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液を使うことができる。また。ドライエッチングによる加工も可能である。前記開口部が、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光部分となる。尚、前記絶縁層15は本発明に必要不可欠なものでないが、陽極−陰極間ショートを防ぐためには設置することが望ましい。この後、前記開口部の両側にスペーサ6を、例えばスクリーン印刷法で形成する。
【0013】次に(B)に示すように、スペーサ6を介してガラス基板1の表面側にマスク5を装着する。この際、ガラス基板1の裏面側から磁気的な吸引力がマスク5に作用する。これにより、マスク5はスペーサ6を介しガラス基板1に対して精密な平行度を維持できる。尚、マスク5に形成された開口パタン8は、前述した絶縁層15の開口部に整合するよう、位置決めされている。このようにガラス基板1及びマスク5を組み込んだ治具を真空蒸着装置に投入し、有機層10及び陰極Kの金属層11を蒸着により形成する。ここで有機層10は、正孔注入層101として4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、正孔輸送層102としてビス(N−ナフチル)−N−フェニルベンジジン(α−NPD)、発光層103として8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq)を用いた。陰極Kの金属層11には、マグネシウムと銀の合金(Mg:Ag)を用いた。有機層10に属する各材料は、それぞれ0.2gを抵抗加熱用のボートに充填して真空蒸着装置の所定の電極に取り付ける。金属層11のマグネシウムは0.1g、銀は0.4gをボートに充填して、真空蒸着装置の所定の電極に取り付ける。真空チャンバを、1.0x10−4Paまで減圧した後、各ボートに電圧を印加し、順次加熱して蒸着させる。蒸着には、蒸着マスクを用いることにより所定の部分のみ有機層10およびMg:Agからなる金属層11を蒸着させた。所定の部分とは、基板1上で、クロムが露出している部分である。クロムの露出している部分だけに高精度に蒸着することは困難であるので、クロムの露出している部分全体を覆うように(絶縁層15の縁にかかるように)蒸着マスクを設計した。まず、正孔注入層101としてMTDATAを30nm、正孔輸送層102としてα−NPDを20nm、発光層103としてAlqを50nm蒸着した。さらに、マグネシウムおよび銀の共蒸着を行なうことにより、有機層10上に陰極Kの金属層11としてMg:Agを成膜する。マグネシウムと銀は、成膜速度の比を9:1としている。Mg:Agの膜厚をl0nmとした。
【0014】最後に、(C)に示すように、別の真空チャンバに移し、同じマスクを通して透明導電層12を成膜する。成膜にはDCスパッタリングを用いる。本実施例では、透明導電層12として室温成膜で良好な導電性を示すIn−Zn−O系の透明導電膜を用いる。成膜条件は、スパッタガスとしてアルゴンと酸素の混合ガス(体積比Ar:O=1000:5)を用い、圧力0.3Pa、DC出力40Wとした。膜厚200nmで成膜した。
【0015】最後に、有機エレクトロルミネッセンス素子を画素に用いた表示装置を説明する。一般に、アクティブマトリクス型の表示装置では、多数の画素をマトリクス状に並べ、与えられた輝度情報に応じて画素毎に光強度を制御することによって画像を表示する。電気光学物質として液晶を用いた場合には、各画素に書き込まれる電圧に応じて画素の透過率が変化する。電気光学物質として有機エレクトロルミネッセンス材料を用いたアクティブマトリクス型の表示装置でも、基本的な動作は液晶を用いた場合と同様である。しかし液晶ディスプレイと異なり、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは各画素に発光素子を有する自発光型であり、液晶ディスプレイに比べて画像の視認性が高い、バックライトが不要、応答速度が速い等の利点を有する。個々の発光素子の輝度は電流量によって制御される。即ち、発光素子が電流駆動型或いは電流制御型であるという点で液晶ディスプレイ等とは大きく異なる。
【0016】液晶ディスプレイと同様、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイもその駆動方式として単純マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とが可能である。前者は構造が単純であるものの大型且つ高精細のディスプレイの実現が困難であるため、アクティブマトリクス方式の開発が盛んに行われている。アクティブマトリクス方式は、各画素に設けた有機エレクトロルミネッセンス素子に流れる電流を画素内部に設けた能動素子(一般には、絶縁ゲート型電界効果トランジスタの一種である薄膜トランジスタ、以下TFTと呼ぶ場合がある)によって制御する。このアクティブマトリクス方式の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにつき、一画素分の等価回路を図5に示す。画素PXLは有機エレクトロルミネッセンス素子OLED、第一の能動素子としての薄膜トランジスタTFT1、第二の能動素子としての薄膜トランジスタTFT2及び保持容量Csからなる。有機エレクトロルミネッセンス素子は多くの場合整流性があるため、OLED(有機発光ダイオード)と呼ばれることがあり、図ではダイオードの記号を用いている。図示の例では、TFT2のソースSを基準電位(接地電位)とし、OLEDの陰極KはVdd(電源電位)に接続される一方、陽極AはTFT2のドレインDに接続されている。一方、TFT1のゲートGは走査線Xに接続され、ソースSはデータ線Yに接続され、ドレインDは保持容量Cs及びTFT2のゲートGに接続されている。
【0017】PXLを動作させるために、まず、走査線Xを選択状態とし、データ線Yに輝度情報を表すデータ電位Vdataを印加すると、TFT1が導通し、保持容量Csが充電又は放電され、TFT2のゲート電位はデータ電位Vdataに一致する。走査線Xを非選択状態とすると、TFT1がオフになり、TFT2は電気的にデータ線Yから切り離されるが、TFT2のゲート電位は保持容量Csによって安定に保持される。TFT2を介して有機エレクトロルミネッセンス素子OLEDに流れる電流は、TFT2のゲート/ソース間電圧Vgsに応じた値となり、OLEDはTFT2から供給される電流量に応じた輝度で発光し続ける。
【0018】上述したように、図5に示した画素PXLの回路構成では、一度Vdataの書き込みを行えば、次に書き換えられるまで一フレームの間、OLEDは一定の輝度で発光を継続する。このような画素PXLを図6のようにマトリクス状に多数配列すると、アクティブマトリクス型表示装置を構成することができる。図6に示すように、本表示装置は、画素PXLを選択するための走査線X1乃至XNと、画素PXLを駆動するための輝度情報(データ電位Vdata)を与えるデータ線Yとがマトリクス状に配設されている。走査線X1乃至XNは走査線駆動回路21に接続される一方、データ線Yはデータ線駆動回路22に接続される。走査線駆動回路21によって走査線X1乃至XNを順次選択しながら、データ線駆動回路22によってデータ線YからVdataの書き込みを繰り返すことにより、所望の画像を表示することができる。単純マトリクス型の表示装置では、各画素PXLに含まれる発光素子は、選択された瞬間にのみ発光するのに対し、図6に示したアクティブマトリクス型表示装置では、書き込み終了後も各画素PXLの有機エレクトロルミネッセンス素子が発光を継続するため、単純マトリクス型に比べ有機エレクトロルミネッセンス素子のピーク輝度(ピーク電流)を下げられるなどの点で、とりわけ大型高精細のディスプレイでは有利となる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、表面加工用治具は、スペーサを介して表面加工に用いるマスクを基板の表面に装着する装着部材と、基板の裏面側に配され、表面加工中マスクに吸引力を作用させてスペーサを介し基板の表面にマスクを圧接しておく吸引部材とを備えている。これにより、基板に対するマスクの平行度が保たれるため、基板全面に渡ってムラのない正面加工が可能になる。例えば、磁気的な吸引力を使ってマスクを基板に圧接するので、真空蒸着等真空中の処理でも使用可能な構造が得られる。裏面側から吸引部材を作用させるので、治具の構造が簡単化可能である。加えて、治具から吸引部材を簡単に着脱でき、マスクの位置合わせが容易になる。




 

 


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