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発明の名称 圧電セラミックスの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−89235(P2001−89235A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願平11−273021
出願日 平成11年9月27日(1999.9.27)
代理人 【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4G031
【Fターム(参考)】
4G031 AA11 AA12 AA14 AA23 AA26 AA32 AA35 BA10 GA06 GA07 
発明者 高橋 芳美 / 高橋 毅
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電セラミックスを製造するに際し、仮焼成過程と、予備焼成過程と、本焼成過程とを有し、上記本焼成過程において、酸化物の粉末中に予備焼成過程で得られた焼成物を埋没させて、マイクロ波によって焼成することを特徴とする圧電セラミックスの製造方法。
【請求項2】 上記酸化物の粉末は、焼成されていることを特徴とする請求項1記載の圧電セラミックスの製造方法。
【請求項3】 上記酸化物の粉末は、その組成が上記圧電セラミックスと同じであることを特徴とする請求項2記載の圧電セラミックスの製造方法。
【請求項4】 上記チタン酸ジルコン酸鉛は、Pb1-3a/2Bia(Ni1/4Zn1/12Nb2/3xZryTiz3(ただし、aは係数であり、0.005≦a≦0.02である。また、x,y,zは分子における原子の割合を示し、それぞれ0.1≦x≦0.3,0.3≦y≦0.5,0.35≦z≦0.45であり、且つx+y+z=1である。)であることを特徴とする請求項1記載の圧電セラミックスの製造方法。
【請求項5】 上記仮焼成により得られた生成物に対して結合剤を添加し、上記予備焼成過程において、結合剤を除去することを特徴とする請求項1記載の圧電セラミックスの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電セラミックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電セラミックスは、その圧電特性を利用して、各種アクチュエータ、超音波発受信器、アダプタ、拡声器などに幅広く使用されている。代表的な圧電セラミックスの組成系としては、チタン酸ジルコン酸鉛系(以下、PZT系と称する。)が挙げられる。PZT系の圧電セラミックスは、機械的結合係数であるQ値、及び電気的結合係数であるK31値が高い。
【0003】PZT系の圧電セラミックスをアクチュエータに適用した場合には、基板として使用され、金、銀、銅などの電極剤をコーティングして使用される。このとき、圧電セラミックスにより形成された基板に穴があいていると、電極剤が裏へしみ出すために電気的な短絡が起きてしまう。この場合、アクチュエータは、その役割を果たすことが不可能となる。このように穴があくのを防ぐために、圧電セラミックスは高密度に焼成される必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】PZT系の圧電セラミックスを高密度に焼成するための方法としては、熱間静水圧加圧法が知られている。
【0005】しかしながら、熱間静水圧加圧法によってPZT系の圧電セラミックスを焼成するときには、鉛成分の蒸発を防ぐことが困難であった。また、製造するために長い時間を必要とした。また、焼成するときに、圧電セラミックスの前駆体をPt及びガラスなどに埋没させるため、コストが高くなり、実用には不向きであった。
【0006】また、熱間静水圧加圧法以外の焼成方法によって、高密度に焼成された圧電セラミックスを得るには限界があった。
【0007】本発明はこのような従来の実状に鑑みて提案されたものであり、高密度であるチタン酸ジルコン酸鉛を、低コストで、且つ短時間で製造することが可能である圧電セラミックスの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を解決するために、本発明に係る圧電セラミックスの製造方法は、チタン酸ジルコン酸鉛を製造するに際し、仮焼成過程と、予備焼成過程と、本焼成過程とを有する。そして、上記本焼成過程において、酸化物の粉末中に予備焼成過程で得られた焼成物を埋没させてマイクロ波によって焼成する。
【0009】以上のように構成された本発明に係る圧電セラミックスの製造方法によれば、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電セラミックスが高密度となるように製造する場合に、高価格であるPt及びガラスなどを使用せずに製造することが可能となる。また、マイクロ波によって焼成を行うため、短時間で圧電セラミックスを製造することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した圧電セラミックスの製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】まず、圧電セラミックスについて説明する。
【0012】圧電セラミックスは、強誘電性を持つセラミックスであり、原料としては、Pb,Fe,Mg,Tn,Mnなどの酸化物が使用される。電場において、圧電セラミックス中のドメインは、再配列及び/又は再編成をする。このことにより、圧電セラミックスは、著しく伸縮する。このように伸縮する特性を持つために、圧電セラミックスは、アクチュエータなどに使用される。圧電セラミックスは、この伸縮の度合いが大きいほど良い。
【0013】ここで、圧電セラミックスを圧電バイモルフ1に使用した例を、図1に示す。圧電バイモルフ1は、分極された2枚の圧電セラミックス2a,2b(以下、圧電セラミックス2と称する。)が、金属基板3を挟んで横層合体されている。そして、圧電セラミックス2aの両主面上には電極4a,4bが被着され、圧電セラミックス2bの両主面上には電極4c,4dが被着され、その一端が固定された構造をしている。
【0014】上述した圧電バイモルフ1に電圧を印加すると、圧電セラミックス2がそれぞれ伸縮し、図に示す矢印Aの方向に変位が生じる。この変異量は、圧電セラミックス2の圧電定数d31の値が大きい程大きくなる。このことから、圧電バイモルフ1などのアクチュエータに使用される圧電セラミックス2は、圧電定数d31の値が大きいものであることが望ましいことがわかる。
【0015】圧電定数d31は、近似的に数1であらわされる。
【0016】
【数1】

【0017】圧電定数の値を大きくするにはコンプライアンスSと、誘電率εと、電気機械的結合定数k31とを大きくすればよい。コンプライアンスSは、材料組成によって大きく変わることはないが、誘電率εと、電気機械的結合定数k31とは、材料組成や焼結性の違いにより変化することが知られている。
【0018】本発明では、上述した圧電セラミックスとしてPb1-3a/2Bia(Ni1/4Zn1/12Nb2/3xZryTiz3(以下、BiPZTと称する。ただし、aは係数であり、0.005≦a≦0.02である。また、x,y,zは分子における原子の割合を示し、それぞれ0.1≦x≦0.3,0.3≦y≦0.5,0.35≦z≦0.45であり、且つx+y+z=1である。)を使用している。ここでPZTを圧電セラミックス21として使用したのは、圧電定数d31の値が大きいためである。
【0019】BiPZTは、Pb(Ni1/2Nb2/3xTiyZrz3系3成分系セラミックス(以下、NiNbPZTと称する。)の組成を変化させ、圧電定数d31の値を大きくしたものである。具体的に説明すると、Pbの一部をBiで置換し、Niの一部をZnで置換したものである。
【0020】上記NiNbPZTが属するABO3−PbTiO2−PbZrO3系圧電材料においては、キュリー温度Tcが低いほど、誘電率εが高くなることが知られている。
【0021】上記NiNbPZTの一成分であるPb(Ni1/2Nb2/3)O3は、キュリー温度Tcが−140℃と非常に低い。また、上記NiNbPZTは、組成を変えることによって、更にキュリー温度Tcを下げることが可能となる。このことから、上記PTZ系セラミックスは、誘電率εを更に高くすることが可能となる。
【0022】上述したように、NiNbPZTは、組成を変えることによって圧電定数d31の値を大きくすることが可能となる。本発明では、その中でも特に圧電定数d31の値が大きい物質として、BiPZTを使用している。
【0023】つぎに、本発明を適用した圧電セラミックスの製造方法の一例を説明する。
【0024】先ず、PbO,ZrO2,TiO2など、原料である各粉末を所定量秤量する。これに純水を加えた後混合し、スラリー状の物質を得る。これを取り出し乾燥させた後、粉砕し、圧力をかけて仮成形する。
【0025】次に、仮成形したものを仮焼成する。仮焼成は、酸素雰囲気中でおこなう。その後、仮焼成したものを粉砕して粉砕粉末を得る。この粉砕粉末に対して、純水を加えて粉砕を行い、スラリー状の物質を得る。これを乾燥させて粉末を得る。得られた粉末にポリビニルアルコールなどの結合剤を入れ混合し、造粒粉を得る。この造粒粉に圧力をかけ、ブロック状に成形する。ここで良好な成形状態を得るためには、結合剤を添加することが好ましい。
【0026】次に、ブロック状に成形したものに対して予備焼成を行うことにより、結合剤を除去し、圧電セラミックス前駆体を得る。
【0027】次に、本焼成を行う。このとき、図2に示すように、粉砕粉末11と、圧電セラミックス前駆体12とを、るつぼ13中へ入れる。圧電セラミックス前駆体12は、表面が見えなくなるまで粉砕粉末11の中に完全に埋没させる。これにマイクロ波を照射し、本焼成をおこなう。本焼成をおこなう場合における温度プロファイルは、図3に示す通りである。Tは本焼成における最高温度であり、Vは最高温度Tに達するまでの昇温速度であり、tは最高温度における保持時間である。
【0028】ここで使用する粉砕粉末11は、上述した仮焼成によって得られたものを粉砕し、更に焼成した後、粉砕したものである。以下、この仮焼成後に行われた焼成を粉末焼成と称する。この粉末焼成のときの温度は、次の式を満たす。
【0029】
【数2】

【0030】ここで、図4を参照して、マイクロ波を照射するために本発明で使用したマイクロ波加熱炉30について説明する。
【0031】マイクロ波加熱炉30は、一対のチャンバ31a,31bが、フランジ32において連結されて、加熱炉本体31となる。そして、この加熱炉本体31に、試料(ここでは、圧電セラミックス前駆体12の入ったるつぼ13である。)を裁置するための試料台33が設けられるとともに、中央上部に、マイクロ波を照射するための導波管34と、コンバータ35とが設けられている。
【0032】そして、一方のチャンバ31aにはガス導入管36が取り付けられており、他方のチャンバ31bにはガス排出管37が取り付けられている。これらにより、加熱炉本体内の雰囲気をコントロールすることが可能となっている。
【0033】また、試料台32には、熱電対ポート37が設けられており、チャンバ31bには、光温度計窓38が設けられている。これらにより、外部からの加熱炉本体内部の様子を観察することが可能である。
【0034】試料は、図2に示すように、るつぼ13内に入れられ、酸化物粉末に埋没されて試料台33上に置かれる。この状態で、導波管34と、コンバータ35よりマイクロ波を照射し、試料を加熱する。
【0035】上述したように、本焼成の過程において、圧電セラミックス前駆体13を、仮焼成によって得られた粉砕粉末11に完全に埋没させることにより、高密度な圧電セラミックスを、低コストで製造することが可能となる。また、製造に要する時間を短くすることが可能となる。
【0036】以上の説明からも明らかなように、本発明に係る圧電セラミックスの製造方法によれば、Pt及びガラスなどを使用する必要がなくなるため、高密度な圧電セラミックスを低コストで製造することが可能となる。また、高密度な圧電セラミックスを、従来よりも短時間で製造することが可能となる。
【0037】
【実施例】つぎに、上述した圧電セラミックスの製造方法における本焼成のときに好ましい条件について、実施例に基づいて説明する。
【0038】実施例1実施例1では、先ず、酸化鉛(PbO),酸化チタン(TiO2),酸化ジルコニウム(ZrO2),酸化ビスマス(Bi23),酸化ニッケル(NiO),酸化亜鉛(ZnO),酸化ニオブ(Nb23)の各粉末を、電子天秤にて所定量だけ秤量した。これに純水を加え、ボールミルにて混合してスラリー状とした後乾燥した。この後、これを乳鉢にて粉砕し、油圧プレス機にて50MPaの圧力をかけて仮成形を施した。
【0039】次に、仮成形したものに対し、仮焼成を施した。仮焼成は、酸素雰囲気中で、800℃で3時間行われた。仮焼成後に粉砕機にて粉砕を行い、粉砕粉末を得た。粉砕粉末に純水を加え、ボールミルにて混合粉砕し、スラリー状とした後乾燥した。得られた粉末に、結合剤であるポリビニルアルコール(以下、PVAと称する。)を所定量混入し、混合して造粒粉を作製した。この造粒粉に100MPaの圧力をかけて、ブロック状に成形した。
【0040】次に、上述したようにブロック状に成形したものに対し、予備焼成を施すことによりPVAの除去をおこない、PZT前駆体を得た。予備焼成は、酸素雰囲気中で、800℃で2時間行われた。
【0041】次に、るつぼ中に上述した仮焼成後の粉砕粉末を入れた。これにPZT前駆体を入れ、粉砕粉末の中に埋没させ、表面が完全に見えない状態にした。このるつぼを、図4に示す28GHzのマイクロ波を照射できるように作製されたマイクロ波加熱炉の中にセットした。るつぼ中のPZT前駆体に熱電対を接着させた後、マイクロ波を照射し、酸素中で本焼成をおこない、Pb0.985Bi0.01(Ni3/12Zn1/12Nb8/120.5Ti0.32Zr0.183を得た。
【0042】本焼成のときの条件として、昇温速度Vを3000℃/hourとし、最高温度Tを1300℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを1時間とした。この昇温速度Vと、最高温度Tとは、PZT自体の温度を測定した値である。なお、ここでの昇温速度Vと、最高温度Tとの条件は、通常の焼成をおこなうときの条件と同じである。
【0043】次に、PZTに加工を施し、所定の形状とした。このPZTについて、アルキメデス法により密度を測定した。
【0044】次に、加工を施したPZTに対し、ニッケル無電解メッキにより0.5μmのニッケルメッキを施した。その上に、電解金メッキにより、0.5μmの金メッキを施した。これに対し、ダイアモンド砥石を利用してダイシング加工を施し、9mm×1mmの矩形状とした。
【0045】次に、矩形状としたPZTに対し、120℃の恒温槽中で両面の電極間に600Vの直流電圧を3分間印加し、分極処理を施した。この後、室温で24時間放置し、冷却した。このPZTに対して、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0046】なお、誘電率εは、周波数1kHzでの静電容量を測定し、数3により算出した。電気的結合定数K31は、共振周波数と、反共振周波数とを測定し、数4により算出した。圧電定数d31は、誘電率εと、電気的結合定数K31との値を元に、数5により算出した。
【0047】
【数3】

【0048】
【数4】

【0049】
【数5】

【0050】実施例2実施例2では、昇温速度Vを3000℃/hourとし、最高温度Tを1250℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを1時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0051】実施例3実施例3では、昇温速度Vを600℃/hourとし、最高温度Tを1250℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを1時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0052】実施例4実施例4では、昇温速度Vを100℃/hourとし、最高温度Tを1250℃/hourとし、最高温度T2での保持時間tを1時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0053】実施例5実施例5では、昇温速度Vを3000℃/hourとし、最高温度Tを1220℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを2時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0054】実施例6実施例6では、昇温速度Vを600℃/hourとし、最高温度Tを1220℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを2時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0055】実施例7実施例7では、昇温速度Vを100℃/hourとし、最高温度Tを1220℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを2時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0056】実施例8実施例8では、昇温速度Vを3000℃/hourとし、最高温度Tを1200℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを3時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0057】実施例9実施例9では、昇温速度Vを600℃/hourとし、最高温度Tを1200℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを3時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0058】実施例10実施例10では、昇温速度Vを100℃/hourとし、最高温度Tを1200℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを3時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0059】実施例11実施例11では、昇温速度Vを100℃/hourとし、最高温度Tを1150℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを3時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0060】実施例12実施例12では、昇温速度Vを100℃/hourとし、最高温度Tを1100℃/hourとし、最高温度Tでの保持時間tを3時間として、本焼成をおこなった以外は実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合定数K31とを測定した。
【0061】比較例1比較例1では、上述したように仮焼成後の粉砕粉末の中にPZT前駆体を埋没させることをせずに、本焼成をおこないPZTを製造した。PZT前駆体を仮焼成後の粉砕粉末の中に埋没させないことを除いては、上述した方法と同様にしてPZTを製造し、密度と、圧電定数d31と、誘電率εsと、電気的結合係数K31とを測定した。なお、このとき、本焼成のときの条件として、昇温速度Vを3000℃/hourとし、最高温度Tを1250℃とし、保持時間tを1時間とした。
【0062】実施例1〜実施例12、及び比較例1で製造したPZTの密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合係数K31とを測定した結果を表1に示す。なお、外観については、焼成状態が良いものを○とし、焼成状態は良いが一部に割れ目が生じているものを△とし、焼成状態が悪い物を×とした。
【0063】
【表1】

【0064】表1の実施例2と比較例1とを比較した結果から、昇温温度Vと、最高温度Tと、保持時間tとが同じ場合でも、本焼成のときにPZT前駆体を仮焼成後の粉砕粉末に埋没させずに製造されたPZTは、使用不可能であることがわかった。このように製造されたPZTは、割れ目が生じており、融解部が多いことがわかった。また、色むらが多いことから、全体が均一に焼成されていないと考えられる。
【0065】実施例2では、本焼成のときにPZT前駆体を仮焼成後の粉砕粉末に埋没させており、それ以外は、比較例1と同様の条件でPZTを製造した。実施例2では、一部に割れ目が生じているものの、焼成状態は良い。この結果から、マイクロ波によって焼成する本焼成過程においては、PZT前駆体を仮焼成後の粉砕粉末に埋没させる必要性があることがわかった。
【0066】実施例1〜実施例12の結果より、本焼成のときの昇温速度Vは、100℃/hour以上且つ3000℃/hour未満とすることが好ましい。実施例1、実施例2、実施例5、実施例8の結果から、昇温速度Vが3000℃/hour以上であると、一部にクラックが生じることがわかる。また、昇温速度Vが100℃/hour以下であると、通常の焼成と同じとなり、コストの削減もあまりなされない。
【0067】また、本焼成のときの最高温度Tは、1150℃以上且つ1250℃以下とする事が好ましい。1250℃より高温である場合には、PZTの一部が融解してしまう。1150℃より、低温である場合には、密度が十分に高くなっていない。また、誘電率ε、電気的結合定数K31、圧電定数d31についても、十分に高い値が得られていない。
【0068】PZTの理論密度は、8.31g/cm3である。最高温度T2が、1150℃以上且つ1250℃以下である実験例2〜実験例11では、製造されたPZTの密度は、理論密度に近い。また、誘電率εs、電気的結合定数K31、圧電定数d31ついても、十分に高い値が得られている。
【0069】実施例13実施例13では、PVAを添加しないでPZTを製造した。PVAを添加しないことを除いては、実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合係数K31とを測定した。
【0070】実施例14実施例14では、PVAを添加しないでPZTを製造した。また、最高温度Tを1250℃とした。PVAを添加しないことと、最高温度Tを1250℃としたこととを除いては、実施例1と同様にしてPZTを製造した。製造したPZTに対して、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合係数K31とを測定した。
【0071】実施例13及び実施例14で製造したPZTについて、密度と、圧電定数d31と、誘電率εと、電気的結合係数K31とを測定した結果を表2に示す。
【0072】
【表2】

【0073】実施例13と、実施例14との結果より、バインダを添加しない場合には、PZTは成形されなかった。この結果から、本発明を適用した圧電セラミックスの製造方法においては、バインダを添加することで、PZTが成形されることがわかる。
【0074】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明に係る圧電セラミックスの製造方法によれば、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電セラミックスを、高密度に且つ低コストで製造することが可能となる。また、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電セラミックスを、短時間で製造することが可能となる。




 

 


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