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発明の名称 無電解めっき方法及びその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−73157(P2001−73157A)
公開日 平成13年3月21日(2001.3.21)
出願番号 特願平11−253778
出願日 平成11年9月8日(1999.9.8)
代理人 【識別番号】100076059
【弁理士】
【氏名又は名称】逢坂 宏
【テーマコード(参考)】
4K022
4M104
【Fターム(参考)】
4K022 AA05 AA41 BA08 CA04 CA29 DA01 DB04 DB07 DB08 DB14 DB19 DB24 
4M104 BB04 BB32 DD22 DD53 HH13
発明者 由尾 啓 / 瀬川 雄司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 被めっき面に無電解めっきを施すに際し、めっきの前処理工程及びめっき工程を含む工程のうち少なくとも一工程に用いる薬液を前記被めっき面上に供給し、液盛り処理する工程を経て、前記薬液を前記被めっき面上に所定量堆積する、無電解めっき方法。
【請求項2】 前記前処理工程として、親水化処理工程、カップリング処理工程、触媒処理工程及び活性化処理工程のうち少なくとも一工程に用いる薬液を前記液盛り処理する、請求項1に記載した無電解めっき方法。
【請求項3】 前記めっき工程におけるめっき液を前記液盛り処理する、請求項1に記載した無電解めっき方法。
【請求項4】 前記液盛り処理後に、不要な前記薬液を除去する、請求項1に記載した無電解めっき方法。
【請求項5】 前記薬液をスピンコータによって塗布した後、このスピンコータを停止させて前記液盛り処理を行い、更に前記スピンコータの作動によって不要な前記薬液を除去する、請求項4に記載した無電解めっき方法。
【請求項6】 前記液盛り処理と、前記不要な薬液の除去とを繰り返す、請求項4に記載した無電解めっき方法。
【請求項7】 前記めっき液として、銅の塩及びキレート剤を含む溶液と還元剤を含む溶液とを混合し、この混合液を前記液盛り処理する、請求項3に記載した無電解めっき方法。
【請求項8】 前記銅の塩及び前記キレート剤を含む溶液のタンクと前記還元剤を含む溶液のタンクとを設け、これらのタンクから導出した配管を塗布部の直前で合流し、前記各タンクから加圧により前記配管に導出した前記各溶液を前記合流部で混合する、請求項7に記載した無電解めっき方法。
【請求項9】 前記各溶液タンクの下流側に混合タンクを設け、前記各タンクからの配管を介して、前記各タンクの溶液を加圧して前記混合タンクに導入して混合し、この混合液を前記混合タンクから導出配管によって塗布部へ導く、請求項7に記載した無電解めっき方法。
【請求項10】 前記各溶液タンクから導出された前記各溶液を前記合流部に配されたスタティックミキサーによって混合する、請求項7に記載した無電解めっき方法。
【請求項11】 前記各溶液の混合液をスプレーノズルによって前記被めっき面上に塗布する、請求項3に記載した無電解めっき方法。
【請求項12】 銅の塩と、キレート剤としてのエチレンジアミン又はエチレンジアミン四酢酸と、還元剤としての硝酸コバルト又はグリオキシル酸とを含むめっき液を用いる、請求項3に記載した無電解めっき方法。
【請求項13】 前記スピンコータのターンテーブル内にヒータを設ける、請求項5に記載した無電解めっき方法。
【請求項14】 前記各溶液のタンクにヒータを設ける、請求項8に記載した無電解めっき方法。
【請求項15】 被めっき面に無電解めっきを施すための装置であって、めっきの前処理工程及びめっき工程を含む工程のうち少なくとも一工程に用いる薬液を前記被めっき面上に供給する供給手段と、前記の供給された薬液を液盛り処理する工程を経て前記被めっき面上に所定量堆積する堆積手段とを有する無電解めっき装置。
【請求項16】 前記前処理工程として、親水化処理工程、カップリング処理工程、触媒処理工程及び活性化処理工程のうち少なくとも一工程に用いる薬液が前記液盛り処理される、請求項15に記載した無電解めっき装置。
【請求項17】 前記めっき工程におけるめっき液が前記液盛り処理される、請求項15に記載した無電解めっき装置。
【請求項18】 前記液盛り処理後に、不要な前記薬液が除去される、請求項15に記載した無電解めっき装置。
【請求項19】 前記薬液がスピンコータによって塗布された後、このスピンコータを停止させて前記液盛り処理が行われ、更に前記スピンコータの作動によって不要な前記薬液が除去される、請求項18に記載した無電解めっき装置。
【請求項20】 前記液盛り処理と、前記不要な薬液の除去とが繰り返される、請求項18に記載した無電解めっき装置。
【請求項21】 前記めっき液として、銅の塩及びキレート剤を含む溶液と還元剤を含む溶液とが混合され、この混合液で前記液盛り処理される、請求項17に記載した無電解めっき装置。
【請求項22】 前記銅の塩及び前記キレート剤を含む溶液のタンクと前記還元剤を含む溶液のタンクとが設けられ、これらのタンクから導出した配管が塗布部の直前で合流され、前記各タンクから加圧により前記配管に導出された前記各溶液が前記合流部で混合される、請求項21に記載した無電解めっき装置。
【請求項23】 前記各溶液タンクの下流側に混合タンクが設けられ、前記各タンクからの配管を介して、前記各タンクの溶液を加圧して前記混合タンクに導入して混合され、この混合液が前記混合タンクから導出配管によって塗布部へ導びかれる、請求項21に記載した無電解めっき装置。
【請求項24】 前記各溶液タンクから導出された前記各溶液が前記合流部に配されたスタティックミキサーによって混合される、請求項21に記載した無電解めっき装置。
【請求項25】 前記各溶液の混合液がスプレーノズルによって前記被めっき面上に塗布される、請求項17に記載した無電解めっき装置。
【請求項26】 銅の塩と、キレート剤としてのエチレンジアミン又はエチレンジアミン四酢酸と、還元剤としての硝酸コバルト又はグリオキシル酸とを含むめっき液が用いられる、請求項17に記載した無電解めっき装置。
【請求項27】 前記スピンコータのターンテーブル内にヒータが設けられている、請求項19に記載した無電解めっき装置。
【請求項28】 前記各溶液のタンクにヒータが設けられている、請求項22に記載した無電解めっき装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電解めっき方法及びその装置に関し、例えば半導体集積回路装置において、接続孔又は配線孔への銅めっきによる銅配線を行うのに好適な無電解めっき方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ウエーハ上に形成する高密度集積回路(以下、半導体装置と称する。)の微細な配線の材料として、アルミニウム系合金が用いられている。しかし、半導体装置の高速化をさらに高めるためには、配線用材料として、より比抵抗の低い銅や銀等を用いる必要がある。
【0003】特に、銅は、比抵抗が1.8μΩ−cmと低く、半導体装置の高速化に有利な上に、エレクトロマイグレーション耐性がアルミニウム系合金に比べて一桁程高いため、次世代の材料として期待されている。
【0004】ところで、半導体装置には、素子間や多層配線間を電気的に接続するコンタクトホール或いはビアホール(以下、接続孔と称する。)が多数形成されている。通常、接続孔は、層間絶縁層に開口部を形成し、そこに導電材料を埋め込むことにより形成される。
【0005】近年、その層間絶縁層に溝部を形成し、銅で溝部を埋め込むことで溝配線を形成するシングルダマシン法、或いは、銅で溝部及び溝部の底部に設けられた開口部を埋め込むことで、溝配線と接続孔を一体に形成するデュアルダマシン法が実用化されつつある。
【0006】接続孔に銅を精度良く埋め込む方法としては、電解めっき法が近年注目されている。電解めっき法によって形成した銅膜は、膜中の不純物濃度が低く、抵抗も低いため、半導体装置の高速化に有利である。しかし、銅の接続孔への埋め込み性は、電解めっき法によって銅層を形成する際に、必要とされる下地層(シード層)のステップカバレッジ(段差被覆性)に大きく依存する。即ち、電解めっき法によって接続孔を埋め込む際には、シード層のステップカバレッジが十分に良好であることが要求される。
【0007】従来は、シード層として、スパッタ法により形成された厚さ100nm程度の銅層が用いられている。しかし、スパッタ法によって形成されるシード層のステップカバレッジはあまり良くなく、接続孔内に均一にシード層を形成することが困難であることが多い。更に、接続孔のアスペクト比(接続孔開口部径と深さの比)が1:5以上になると、均一なステップカバレッジはほぼ不可能となる。
【0008】そこで、ステップカバレッジを改善せんとして、銅の無電解めっき(化学還元めっき)によりシード層を形成し、この上に電解めっき法により銅層を形成している。
【0009】しかし、このようにシード層を形成する際、シード層がホールの壁面に均一な厚さに形成されず、上面やホールの入り口の近傍が厚く形成され易い。このように場所によるシード層の大きなばらつきは電気めっきの厚さのばらつきの原因となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このため、本発明者は、アスペクト比が大きいホール内及び大面積な被めっき部でも、均一かつ高品質で平坦性の高いめっき配線を形成できる、生産性の高いめっき方法として、被めっき部の表面を親水化処理した後、この表面にカップリング剤を結合させ、前記カップリング剤に触媒金属を結合させ、更に前記触媒金属を露出させて活性化処理した後に、この活性化処理された表面に無電解めっきを施す方法を特願平11−13845号(以下、先願と称する。)により提案した。
【0011】この先願のめっき方法によれば、少なくともブラインドホールの如き孔を被めっき部としてめっきを行うに際し、被めっき部に存在する有機物質を除去してその表面を親水化処理し、更にその表面に結合させたカップリング剤に触媒金属を結合し、これを露出させて活性化処理してこの表面に無電解めっきを施すので、従来の電気めっきとは異なり、ホールの入口や底部及び側面に均一にめっきが付き、またシード層も不要となる。このため、平坦面は勿論、アスペクト比が大きい孔にも均一で良質のめっきができ、孔の上部も平坦性の高いめっき層を形成することができる。従って、めっき後の研磨も容易であり、粗面化処理及び熱処理(特開平5−101974号参照)なしに、直接無電解めっきを施すことができるので、生産性の高いめっき方法を提供することができる。
【0012】この場合、無電解めっき方法としてスピンコータによって無電解めっき液等の薬液を塗布する方法が考えられる。この方法は、例えばターンテーブル上に被めっき物を載置して固定し、被めっき物を回転させながらこの被めっき面上にノズルで薬液を塗布し、回転によって薬液を被めっき面に塗り広げて銅膜等を堆積させる方法が考えられる。
【0013】しかしながら、上記したスピンコータによる無電解めっき方法は、塗布した薬液の成分が堆積に供される効率が低く、所望の膜厚を得るための薬液の消費量が多いという問題があることが判明した。
【0014】そこで本発明の目的は、薬液の使用量が少なくて、かつ実効性の高い無電解めっき方法及びその装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、被めっき面に無電解めっきを施すに際し、めっきの前処理工程及びめっき工程を含む工程のうち少なくとも一工程に用いる薬液を前記被めっき面上に供給し、液盛り処理する工程を経て、前記薬液を前記被めっき面上に所定量堆積する、無電解めっき方法(以下、本発明のめっき方法と称する。)に係るものである。
【0016】本発明のめっき方法によれば、被めっき面上に供給された薬液が、液盛り処理工程を経て被めっき面上に所定量堆積されるので、供給した薬液を液盛り処理により効率的に被めっき面上に堆積させることができる。従って、例えば薬液が被めっき面を流れながら離脱する通常のスピンコータによる塗布に比べ、薬液成分の活用率が高められると共に、その成分が効率的に被めっき面に堆積されるため、薬液の消費量を低減することができる。
【0017】また、本発明は、被めっき面に無電解めっきを施すための装置であって、めっきの前処理工程及びめっき工程を含む工程のうち少なくとも一工程に用いる薬液を前記被めっき面上に供給する供給手段と、前記の供給された薬液を液盛り処理する工程を経て前記被めっき面上に所定量堆積する堆積手段とを有する無電解めっき装置(以下、本発明のめっき装置と称する。)に係るものである。
【0018】本発明のめっき装置によれば、上記した本発明のめっき方法に基づく装置であるので、上記と同様な効果が奏せられる再現性の良い無電解めっき装置を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】上記した本発明のめっき方法及びめっき装置においては、例えば図1に示すように、前記前処理工程として、親水化処理工程、カップリング処理工程、触媒処理工程及び活性化処理工程のうち少なくとも一工程に用いる薬液を前記液盛り処理し、前記めっき工程においてもめっき液を前記液盛り処理することが望ましい。
【0021】そして、例えば図1(c)に示すように、前記液盛り処理後に、不要な前記薬液を除去することが望ましい。
【0022】この場合、前記薬液をスピンコータによって塗布した後、このスピンコータを停止させて前記液盛り処理を行い、更に前記スピンコータの作動によって不要な前記薬液を除去し、液盛り処理と、不要な薬液の除去とを繰り返すことが望ましい。これにより所望な膜厚形成を容易に行うことができる。
【0023】また、前記めっき液として、銅の塩及びキレート剤を含む溶液と還元剤を含む溶液とを混合し、この混合液を前記液盛り処理することが望ましい。
【0024】この場合、例えば図2及び図3に示すように、前記銅の塩及び前記キレート剤を含む溶液のタンクと前記還元剤を含む溶液のタンクとを設け、これらのタンクから導出した配管を塗布部の直前で合流し、前記各タンクから加圧により前記配管に導出した前記各溶液を前記合流部で混合するように構成することが望ましい。これにより、還元力の強い還元剤をめっき液として用いる場合であっても、塗布前に還元剤が消耗することがなく、高効率でめっき膜の形成に供することができる。従って、キレートを含む溶液と還元剤を含む溶液とが予め混合されためっき液に比べ、めっき液の寿命を著しく延ばすことができると共に、銅めっき膜を良質に安定して形成することができる。
【0025】また、例えば、図4に示すように、前記各溶液タンクの下流側に混合タンクを設け、前記各タンクからの配管を介して、前記各タンクの溶液を加圧して前記混合タンクに導入して混合し、この混合液を前記混合タンクから導出配管によって塗布部へ導びくように構成することもでき、上記と同等の効果を奏することができる。
【0026】また、例えば図5及び図6に示すように、前記各溶液タンクから導出された前記各溶液を前記合流部に配されたスタティックミキサーによって混合するように構成することもでき、これも上記と同等の効果を奏することができる。
【0027】そして、前記各溶液の混合液をスプレーノズルによって前記被めっき面上に塗布することが望ましい。
【0028】この場合、銅の塩と、キレート剤としてのエチレンジアミン又はエチレンジアミン四酢酸と、還元剤としての硝酸コバルト又はグリオキシル酸とを含むめっき液を用いることが望ましい。
【0029】また、例えば図2〜図6の各図に示すように、前記スピンコータのターンテーブル内にヒータを設け、前記各溶液のタンクにヒータを設けることが望ましい。
【0030】以下、本発明の好ましい実施の形態を更に詳細に説明するが、その説明に先立ち、銅の無電解めっきにおける一連の工程を例示する。
【0031】例えば、半導体ウエーハ上に無電解めっき法により銅の配線層を形成するためには、前処理として被めっき表面(図8参照)上に触媒性の高い金属、例えばPd等を用いて触媒化処理を施した後に、銅めっきはなされる。その方法は例えば以下に示すように行うことができる。
【0032】<有機物質除去>被めっき部の表面は、図7に示すように、接続孔であるホール6の底の銅配線2の表面(更には仮想線で示す下面:以下、図示省略)に、また図8に示すように、更にホール6の壁面及び絶縁層5の表面に、それぞれバリア層3、7としての窒化タンタルが予め設けられている。しかしこれらのバリア層には、前プロセスである真空装置又は及びクリーンルームの空気中に僅かに含まれる有機ガスに起因する有機系の汚染物質が単分子的に吸着していることが多い。
【0033】従って、前処理として少なくとも前記孔の表面にタンタル又はその化合物、例えばCVD(化学的気相成長法)又はスパッタリング法等で窒化タンタルからなるバリア層7を形成した後、このバリア層表面を酸化処理して有機物質を除去する。
【0034】生産レベルのウエーハ表面には元々、単分子膜以上の有機汚染物質は付着していないので、上記したバリア層の付着有機物質を除去する処理には、スピンカップを用いて例えば0.5PPM以上、望ましくは5〜15PPM濃度の室温のオゾン水を、1〜30l/分の流量で、10秒〜20分程度のウエット処理する。この有機汚染物質の除去は、これ以外にも紫外線照射下でのオゾン水処理、酸素プラズマアッシング処理などのドライ処理を予め行ってもよい。
【0035】<親水化処理>図8に示すバリア層7やホール6の底の配線2を構成する金属又は/及びその化合物の表面を水中で酸化することにより親水化し、その表面に有効に−OH基を形成するために行う。従って、オゾン水処理であれば、前記有機物質除去処理と同時に反応が起きるものが最も望ましいが、前記有機物質除去処理がドライ処理の場合は同様にオゾン水処理、硫酸過水処理、次亜塩素酸処理、アンモニア過水処理、過マンガン酸アンモニウム処理など、バリア層を構成する金属又はその化合物層を酸化できる能力を持つ物質又は処理法であればよい。なお、処理後は純水で洗浄(純水リンス)する(後述する前処理工程間も同様)。
【0036】<カップリング処理>前記水酸化処理によって形成された−OH基とカップリング剤を反応させて化学結合させる処理は、シランカップリング剤又はチタンカップリング剤等を用いてよいが、これは、炭化水素の分子鎖中又は/及びそのSi又はTi原子と反対側の末端にアミノ基やチオール基など、次プロセス中で使用されるパラジウムコロイド触媒を保護しているスズと配位結合する能力を持つために最も望ましい。
【0037】また、シランカップリング又はチタンカップリング処理された表面は同分子の大きさの分だけ凹凸ができ、粗面化される。従って、この処理をされた表面に次プロセスの触媒金属のコロイドが吸着される程度の親水性を保つことができれば十分である。このようなシランカップリング剤又はチタンカップリング剤は、分子鎖中又は末端に−OH基、−COOR基、−OR基等(Rはアルキル基)を含むものに代表される。
【0038】塩化第一スズで保護した触媒金属、例えばパラジウム(以下、Pdと称することがある。)のコロイド溶液での処理によって、前記シランカップリング剤又は前記チタンカップリング剤中のアミノ基又はチオール基に前記パラジウムコロイドの保護剤である塩化第一スズのスズ原子を配位結合させ、前記パラジウムコロイドを結合させることができる。
【0039】即ち、塩化第一スズで保護したPdコロイド溶液を上記したカップリング処理後のウエーハ1に作用させ、ウエーハ1上のシランカップリング剤又はチタンカップリング剤のアミノ基又はチオール基にPdコロイドのスズ原子を配位結合させることによって、Pdコロイドを強固に結合させることができる。
【0040】<触媒処理>シップレー社製のCatalyst9F、Enthone OMI社製のEnplate Activator444等を用い、被めっき表面にPd等の触媒作用の強い金属のコロイドを定着させる。
【0041】この場合、シップレー社製のキャタリスト9FのようなPdコロイド触媒であれば何でもよいが、半導体プロセスに使用するので、Pdコロイドを保護している保護剤が塩化第一スズであるPdコロイド触媒が好ましい。
【0042】<活性化処理>シップレー社製のAccelerator19 、Accelerator240等を用い、触媒処理で定着させたPdコロイドの表面を活性化し、Pdの表面を露出させる。この露出したPd上に還元された銅が析出することができる。
【0043】そして、HBF4 (フッ化ホウ素酸)やH2 SO4 (硫酸)などの水溶液により、ウエーハ1の表面に配位結合していない余剰の塩化第一スズを洗い流して除去し、Pdを露出させる。
【0044】この洗浄除去には、シップレー社製のアクセレレータ19のようなHBF4 を含む活性化剤が、品質、性能上は最も好ましい。一方、同様にアクセレレータ240のような硫酸系の活性化剤は、品質、性能上はやや難点があるものの環境上はより好ましい。
【0045】上記のように−NH2 基や−SH基をを含むシランカップリング剤はチタンカップリング剤で予め処理し、その後Pdコロイドを配位結合させた場合は、Pdが表面に化学結合しているため強固に付着しており、超音波をかけながら活性化処理してもよい。この場合、アスペクト比が1:4以上と高く、直径がφ0.3μm以下の小さいブラインドホールでも、十分効果的に処理され、φ0.18μm、アスペクト比1:10のホール内でも均一にめっきすることができる。
【0046】以上の前処理工程は同一のスピンカップ内で行うことができる。また、上記した無電解めっきの前処理は、上記の如き半導体ウエーハの配線プロセスだけでなく、あらゆる金属、無機物の表面処理に応用可能であり、粗面化処理なしに強固で精密な被覆力の高いめっきを実現することができる。
【0047】<無電解めっき>上記した前処理後に、銅又はニッケルの塩と、グリシンなどの両性イオンタイプのキレート剤と、コハク酸アンモニウムなどのアンモニウム塩型のキレート剤と、次亜リン酸アンモニウムなどの還元剤と、非イオン系、カチオン系又はアンモニウム塩型のアニオン系界面活性剤とを含む無電解めっき液を用いて、図9に示すように銅の無電解めっきを行うことができる。
【0048】即ち、めっき液としてニッケル又は銅塩(塩化物、硫酸塩など)、グリシンなどの両性イオンタイプのキレート剤とコハク酸やリンゴ酸アンモニウムなどアンモニウム塩型のキレート剤を混合してアンモニア水でpH調整し、次亜リン酸アンモニウム又は次亜リン酸、水素化硼素アンモニウムやヒドラジン、ホルマリンなどアルカリ金属イオンを含まない還元剤からなる無電解めっき液を用い、界面活性剤としては、非イオン系、カチオン系又はアンモニウム塩型のアニオン系活性剤を使用することがある。
【0049】上記した如く、キレート剤、還元剤(次亜リン酸の時)、界面活性剤(アニオン系の時)には全てアンモニウム塩を使用しpH調整にはアンモニア水を使用するが、望ましい組成は次の通りである。
塩化銅又は塩化ニッケル 10〜100g/l(硫酸銅又は硫酸ニッケル、スルファミン酸銅又はスルファミン酸ニッケルでもよい)
グリシン 2〜50g/l(他のアミノ酸等両性イオンタイプのキレート剤)
コハク酸アンモニウム 2〜50g/l(リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、ギ酸等のアンモニウム塩)
次亜リン酸アンモニウム 2〜50g/l(次亜リン酸、ホルマリン、ヒドラジン、水素化硼素アンモニウム等)
アンモニア水 5〜200ml/l(pHを6〜12の範囲で必要な値に合わせる)
ラウリル硫酸アンモニウム0.1〜20mg/l(pHが酸性ではカチオン、アルカリ性ではアニオン活性剤、又は双方で非イオン活性剤が使用できる。)
【0050】このように、前記無電解めっき液として、めっき反応促進剤であるニッケル、コバルト、パラジウム、金などの触媒性を持つ金属の塩を例えば10ppm以上加えた無電解銅めっき液を使用することがある。
【0051】そしてめっき後にこの上部を研磨することにより、図10に示すように、銅めっき層8の上面の凹み9も削除され、完全に埋め込まれた平坦な銅配線10を形成することができる。この場合の銅配線10は、電解めっきによる銅よりも硬く、エレクトロマイグレーションに対する耐性も強化することができる。
【0052】以上、無電解めっきの一連の処理工程の例を示したが、本発明は、上記した前処理工程及びめっき工程を後述するスピンコータを使用し、新規な方策の下で行うものである。
【0053】まず、有機物除去後の前処理工程(親水化処理、カップリング処理、触媒処理、活性化処理)において、例えば図1に示すようなスピンコータ上でのパドル(puddle: 液盛り) 処理を行う。
【0054】図1(a)に示すように、ターンテーブル12を回転させながら、又は、停止させたままで、薬液14をノズル13からウエーハ11上に滴下する。ターンテーブルが回転している場合には、薬液滴下用ノズル13をターンテーブル12の内周→外周または外周→内周というように揺動させてもよい。
【0055】薬液14がウエーハ11の全面に行き渡ったところで、図1(b)に示すように、ターンテーブル11を停止させた状態にし、1〜2分位パドル処理を行う。そして、その後図1(c)に示すように、ターンテーブル11を回転させ、薬液14を回転の遠心力により振り切る。この結果、ウエーハ11上には1回のパドル処理によって生じた薬液の堆積膜14Aが形成される。そして、1回のパドル処理でも、従来のスピンコータによる塗布に比べて大きな堆積効果が得られる。この図1(a)〜図1(c)の工程を各処理工程の必要に応じて繰り返すことにより、所望の厚さの堆積膜14Aを得ることができる。
【0056】純水リンス後のウエーハ11表面に最適な濃度の薬液を行き渡らせるためには、上記した図1(a)から図1(c)の工程を2回以上繰り返すことが好ましい。例えば、8インチのウエーハ11を触媒処理する場合に、図1(a)〜図1(c)の工程を各工程で2回ずつ繰り返すとすれば、その時、1回のパドル処理で必要な薬液量は約50mlであり、トータルで約100mlとなる。
【0057】しかし、通常のスピンコータによるコーティングを行う場合、ノズルからの吐出流量が約10ml/secで、1分間コーティング処理を行うとすると、約600mlの薬液が必要となる。従って、触媒化処理をパドル法で行うことにより、各薬液の使用量は約1/6に減らすことができる。
【0058】なお、触媒化処理はこの方法に限ったものではなく、例えば、バリアメタルの表面を希フッ酸で酸化層の除去処理をし、PdCl2 (塩化パラジウム)のHCl(塩化水素)溶液を用い、メタル最表面をPdで置換するような処理を行ってもよい。
【0059】以上の前処理を行った後に、図1で示したパドル法でウエーハ11の表面に銅の無電解めっきを行う。その無電解めっき液の組成として下記の材料を使用することができる。
塩化銅:5〜50g/l(硫酸銅、硝酸銅、スルファミン酸銅でもよい)
エチレンジアミン:20〜40g/l(エチレンジアミン四酢酸でもよい)
硝酸コバルト:25〜250g/l(グリオキシル酸でもよい)
【0060】めっき工程においては、例えば図2〜図6に示すようなスピンコータを使用する。
【0061】図2に示す装置は、ウエーハ11を支持するターンテーブル12にヒータ15が内設されている。めっき用のキレートを含む溶液23を収容した加圧タンク21及び還元剤を含む溶液24を収容した加圧タンク22が設けられ、各タンク21、22には溶液加熱用のヒータ25、26及びサーモセンサー27、28が設けられ、溶液を導出する配管17、18はウエーハ11の上方で合流部19を形成し、その先端にスプレーノズル16が設けられている。
【0062】本実施の形態では、まず、例えば塩化銅とエチレンジアミンを任意の割合で混合させたキレートを含む溶液23と、任意の濃度の硝酸コバルト溶液24との2液を用意する。そして、図2に示すようにそれぞれのタンク21、22に投入し、この各液を配管17、18を介して導出し、ノズル16からウエーハ11上に塗布する直前の合流部19で混合させるようにする。
【0063】従って、それぞれの加圧タンク21、22から送り出された溶液23、24がノズル16の直前で合流し、ノズル16のスプレーにより混合されながら、ウエーハ11上に塗布される。この場合、ターンテーブル12を回転させながら、スプレーノズル16もウエーハ11の内周→外周→内周と揺動させ、めっき液を均一に塗布させることが必要である。
【0064】また、これに用いるスピンコータは、図3に示すように、スプレーノズルが棒状に複数個配置されているものでもよい。図3に示す装置は、図2の変形例であって、スプレーノズル20が配管合流部19の先端でT形に形成され、複数のノズル(図示省略)が設けられたものである。従って、この装置の場合は、スプレーノズル20を揺動させなくても、ターンテーブル12の回転によって容易に塗布することができる。
【0065】図4に示す装置は、図2の装置を更に変形した例であって、図示の如く、加圧タンク21、22からの配管35、36がミキサー34を内設した混合タンク33に連結され、混合タンク33の下流側の配管32上にポンプ31が設けられ、その先端にスプレーノズル30が設けられている。
【0066】従って、それぞれの加圧タンク21、22から送り出された溶液23、24は、一旦混合用タンク33に貯められ、そこでミキシングされた後、ポンプ31によりノズル30から吐出される。ミキシングしている時間は、銅が析出しないように、1分以内が好ましい。この場合も、ノズル30からめっき液を滴下する時に、ターンテーブル12を回転させながら、ノズルを揺動させてもよい。又は、ターンテーブル12を停止させたままで、ウエーハ11の中心部からめっき液を塗布してもよい。更に、上記した図2又は図3のようなスプレーノズルを用いてもよい。
【0067】図5及び図6に示す装置は、上記した図2及び図3の変形例であって、いずれも、配管17、18の合流部19の先にスタティックミキサー37を内設したものである。従って、いずれの装置も加圧タンク21、22から導出された溶液23、24は、その液流によって自然に混合された状態で吐出される。
【0068】いずれの方法においても、めっき液がウエーハ11上の全面に行き渡ったところで、図1(b)に示したようにターンテーブル12の回転を停止させ、パドル処理によりめっきを行う。パドル処理時間は、1回の薬液塗布に1〜5分位で、必要な膜厚になるまで、図1(a)〜図1(c)の工程を繰り返せばよい。
【0069】また、上記の組成による無電解めっき液は、20〜60℃、pH8〜12の範囲で銅の析出が可能である。温度を高くして析出速度を速めたい場合には、各加圧タンク21、22に設けたヒータ25、26で加熱する。従って、塗布時に所望の温度になるように、配管内での温度低下も考慮して、各タンク21、22内の温度をサーモセンサー27、28でコントロールしておく。
【0070】pHについては、pHを下げる場合には硝酸等を用い、pHを上げる場合にはアンモニアやTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液)等を用い、キレートを含む溶液の方を調整しておく、そのpH値は、上記した2溶液を混合させた時にpH8〜12になるように調整しておく。
【0071】更に、めっき液の温度に関しては、加圧タンク21、22内で温度調整がされていたとしても、ウエーハ11上に塗布された時に、ウエーハ11の温度により変化してしまうおそれがある。そのため、図2〜図6に示したターンテーブル12内のヒータ15によって、ウエーハ11自体を所望の温度にコントロールしておくこともできる。
【0072】このようにウエーハ11へのめっき液塗布の直前に、キレートを含む溶液と還元剤を含む溶液とを混合させることにより、めっき液の寿命を延ばすことができる。通常は、前処理(触媒化処理)を施された被めっき表面をめっき液に浸漬して、めっきが行われている。その場合は、例えば上記した組成の硝酸コバルトの還元剤を用いた銅の無電解めっき液では、100nmの厚さを約250cm2 /リットルしか成膜することができない。
【0073】これは、上記したように、硝酸コバルト等の還元剤の還元力が非常に強いため、めっき液内で銅が析出し易く、還元剤が徐々に消耗されてしまうことが原因である。
【0074】しかし、本実施の形態の方法では、使用する分だけ、キレートを含む溶液に還元剤を含む溶液を塗布直前に混合するため、還元剤が塗布前に消耗することがない。従って、100nm厚を約6000cm2 /リットル以上も成膜することができ、めっき液の能力は単純に24倍以上になる。
【0075】また、還元剤はほぼ100%被めっき表面へのめっきに使用されることになるので、ロット間で成膜速度に変動はなく、面内均一な膜厚及び均一な抵抗値の銅膜を安定して得ることができる。
【0076】更に、銅は自己触媒作用が低いため、触媒のPd表面に析出するとそこから成長しにくくなる。そこで、触媒活性化のために、ニッケル(金、パラジウム、コバルト、白金でもよい)の塩(塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル等)を微量、例えば銅の塩に対して1mol%以下をめっき液に添加することがある。
【0077】その場合は、予め混合されためっき液では添加されたニッケルが先に析出しようとして、ロット間で銅膜中のニッケル含有量がばらついてしまうことがある。しかし、この場合も本実施の形態によれば、処理ごとのニッケル含有量は常に等量となり、安定した品質の銅膜を得ることができる。
【0078】本実施の形態によれば、無電解めっきの前処理工程及びめっき工程の各工程ごとに、それぞれの工程に用いる薬液を被めっき面上に塗布後に液盛り処理するので、それぞれの薬液の成分を被めっき面に効率的に堆積させることができると共に、薬液の消費量を削減することができる。また、めっき液はキレートを含む溶液と還元剤を含む溶液とが、被めっき面に塗布される直前に混合されるので、還元力の強い還元剤であってもその性能が劣化することなく、塗布時点までその性能が維持されるため、予め混合しためっき液に比べて液の寿命を延ばすことができる。
【0079】以上の処理の結果、特に次の■〜■の効果を得ることができる。
■ 無電解銅めっきのための触媒化処理などをスピンコータによりパドル法(液盛り処理)を経て行うことにより、薬液使用量を約1/6に減らすことができる。
■ 無電解銅めっき液を、キレートを含む溶液と還元剤を含む溶液とを被めっき物へ塗布する直前に混合した後、塗布し、パドル法によりめっきを行うことにより、予めそれらを混合した液を使用する場合に比較して、めっき液の寿命(ポットライフ)を約24倍以上にすることができる。
■ 還元剤はほぼ100%が被めっき物へのめっきに活用されることになるので、ロット間で成膜速度に変動はなく、ウエーハ面内に均一な膜厚及び均一な抵抗値の銅膜を安定して得ることができる。
【0080】以上に述べた本実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて種々に変形することができる。
【0081】例えば、上記した実施の形態においては、図1(a)〜図1(c)の工程を繰り返すとしたが、1回のパドル処理でも、スピンコータのみによる塗布に比べて薬液の堆積効果が大きいので、薄い膜厚の場合は1回のパドル処理で対応することができる。
【0082】また、前処理工程及びめっき工程の各工程に用いる薬液をパドル処理するとしたが、前処理工程又はめっき工程のいずれか、又は、前処理工程の中の一工程にパドル処理を適用することもできる。
【0083】また、前処理工程及びめっき工程以外に、めっき後の後処理(例えば保護膜形成等)にもパドル処理を適用することができる。
【0084】また、上記した実施の形態では、無電解銅めっきのための触媒化工程とめっき工程とを、スピンコータ上でパドル処理したが、これに限らず、例えば搬送ローラー上でパドル処理を行うこともできる。
【0085】また、上記した無電解めっき装置及び方法は、銅めっきやウエーハ(半導体装置)用に限るものではなく、他のメタルのめっき及びプリント基板等のめっきに利用することもできる。
【0086】また、上記したスピンコータの構成及び構造は上記した実施の形態に限らず、適宜に実施することができる。
【0087】
【発明の作用効果】上述した如く、本発明は、被めっき面に無電解めっきを施すに際し、めっきの前処理工程及びめっき工程を含む工程のうち少なくとも一工程に用いる薬液を前記被めっき面上に供給し、液盛り処理する工程を経て、前記薬液を前記被めっき面上に所定量堆積するので、供給した薬液を液盛り処理により効率的に被めっき面上に堆積させることができる。従って、例えば薬液が被めっき面を流れながら離脱する通常のスピンコータによる塗布に比べ、薬液成分の活用率が高められると共に、その成分が効率的に被めっき面に堆積されるため、薬液の消費量を低減することができる。




 

 


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