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発明の名称 ヘテロ五員環で拡張されたビピリジン類及びその製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−64280(P2001−64280A)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
出願番号 特願2000−282688(P2000−282688)
出願日 平成3年9月13日(1991.9.13)
代理人 【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
発明者 高橋 かず子
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 チオフェン環、フラン環、セレノフェン環、N−メチルピロール環から選ばれるヘテロ五員環の2,5位にそれぞれピリジンが結合されていることを特徴とするヘテロ五員環で拡張されたビピリジン類。
【請求項2】 下記の化1(ただし、式中Xは、S,O,Se又はN−CH3である。)で示されることを特徴とする請求項1記載のヘテロ五員環で拡張されたビピリジン類。
【化1】

【請求項3】 上記ピリジンの少なくとも一方のN原子上に置換基が導入されていることを特徴とする請求項1記載のヘテロ五員環で拡張されたビピリジン類。
【請求項4】 チオフェン環、フラン環、セレノフェン環、N−メチルピロール環から選ばれるヘテロ五員環の2,5位がハロゲン化された化合物に対し、2モル当量の4−スタニルピリジンを反応させ、ヘテロ五員環の2,5位にそれぞれピリジンを導入することを特徴とするヘテロ五員環で拡張されたビピリジン類の製造法。
【請求項5】 上記ピリジン導入後、各ピリジンのN原子上に置換基を導入することを特徴とする請求項4記載のヘテロ五員環で拡張されたビピリジン類の製造法。
【請求項6】 フルオロボレート化合物又はハロゲン化物を反応させることにより各ピリジンのN原子上に置換基を導入することを特徴とする請求項5記載のヘテロ五員環で拡張されたビピリジン類の製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロクロミック材料等として有用な新規化合物及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビピリジン系化合物であるビオロゲン類は、電気化学的酸化還元反応における可逆性と、それに伴う著しい色の変化の故に、今日、最も優れたエレクトロクロミック材料として認められている。
【0003】例えば、ビオロゲンのラジカルカチオンは、397nm付近に強い吸収を示し、さらに600nm付近に幅広くやや弱い吸収を示す。ビオロゲンは無色であることから、この可視部の吸収(600nm付近の吸収)を利用してエレクトロクロミック材料として使用されている。
【0004】また、前記ビオロゲン類は、ホトエレクトロケミカルプロセスで可視部に吸収を示すラジカルカチオンを発生することから、太陽光を電気エネルギーに変換するシステム(光電変換システム)にも利用されており、さらには人工光合成系における電子受容成分として注目され研究されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のように、ビオロゲン類はエレクトロクロミック材料として優れた特性を発揮するものであるが、その酸化還元過程では600nm付近の吸収よりもさらに長波長域には吸収が現れず、また酸化還元反応を繰り返すうちに重合物(ポリマー)が電極表面上に析出し、電極表面の劣化を引き起こすという問題を抱えている。
【0006】すなわち、前記ビオロゲンにおいては、2つのピリジン環が直接結合しているため、ビフェニルと同様に2つのピリジン環のオルソ位の水素原子が平面構造において相互に立体反発を起こす。このため、2つのピリジン環は平面からねじれ易い。そして、このことが重合物(ポリマー)析出の原因と考えられている。
【0007】したがって、前記重合物の析出を防止するためには、オルソ水素の立体反発を緩和して、平面性の良い化合物を提供することが課題である。また、多様な用途に対応するためには、ビオロゲンラジカルとは異なる波長域に吸収を示す化合物や、可視部の吸収の強度がより強い化合物を提供することが課題である。
【0008】これまで、ビオロゲンのN原子上の置換基を変化させること等により、これらの欠点を改良する試みが各方面でなされているが、期待されるような効果は得られていない。
【0009】本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案されたものであって、平面構造をとり易く、重合物の析出により電極劣化を引き起こすことのない新規な化合物及びその製造法を提供することを目的とする。
【0010】さらに本発明は、可視部の吸収の強度が強く、ビオロゲンラジカルとは異なる波長域に吸収を示す新規化合物及びその製造法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題を解決すべく、拡張共役型ビオロゲンについて鋭意研究を重ねた。その結果、チオフェン環やフラン環等、五員環で拡張されたビピリジン類が平面構造をとり易く、またそのラジカルカチオンは可視部に極めて強い吸収極大を示し、ビオロゲンには見られない近赤外領域にも吸収を示すことを見出すに至った。
【0012】本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明の第1の発明である化合物は、チオフェン環、フラン環、セレノフェン環、N−メチルピロール環から選ばれるヘテロ五員環の2,5位にそれぞれピリジンが結合されていることを特徴とするものである。
【0013】また、下記の化2(ただし、式中Xは、S,O,Se又はN−CH3 である。)で示されることを特徴とするビピリジン類であり、さらには、上記ピリジンの少なくとも一方のN原子上に置換基が導入されていることを特徴とするビピリジン類である。
【0014】
【化2】

【0015】一方、本発明の第2の発明である製造法は、チオフェン環、フラン環、セレノフェン環、N−メチルピロール環から選ばれるヘテロ五員環の2,5位がハロゲン化された化合物に対し、2モル当量の4−スタニルピリジンを反応させ、ヘテロ五員環の2,5位にそれぞれピリジンを導入することを特徴とするものである。
【0016】また、上記ピリジン導入後、各ピリジンのN原子上に置換基を導入することを特徴とするものであり、さらには、フルオロボレート化合物又はハロゲン化物を反応させることにより各ピリジンのN原子上に置換基を導入することを特徴とするものである。
【0017】本発明の化合物は、ヘテロ五員環で拡張されたビピリジン類と言うことができ、文献未載の新規化合物である。
【0018】ヘテロ五員環としては、チオフェン環、フラン環、セレノフェン環、N−メチルピロール環があり、これらによって拡張された化合物は、それぞれ2,5−ビス(N−置換−4−ピリジニウム)チオフェン(略号BPT)、2,5−ビス(N−置換−4−ピリジニウム)フラン(略号BPF)、2,5−ビス(N−置換−4−ピリジニウム)セレノフェン(略号BPS)、2,5−ビス(N−置換−4−ピリジニウム)N−メチルピロール(略号BPMP)である。
【0019】これらの化合物は、いずれも五員環で拡張されたビピリジン類を合成し、そのN原子上に置換基を導入することにより合成することができる。
【0020】例えば、2,5−ビス(N−置換−4−ピリジニウム)チオフェンの合成方法は、次の通りである。
【0021】先ず、2,5−ジブロモチオフェンに対して2モル当量の4−スタニルピリジンをパラジウム触媒存在下で反応させることにより、下記の化3で示される2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェンを得る。
【0022】
【化3】

【0023】次いで、この2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェンとトリメチルオキシフルオロボレート(Me3+ BF4 - )、あるいはアルキルハライド等のハロゲン化物とを反応させることで、ビピリジウム塩を得ることができる。
【0024】具体的には、2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェンとトリメチルオキシフルオロボレートを反応させることで、下記の化4で示される2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェンビステトラフルオロボレートを得ることができる。
【0025】
【化4】

【0026】また、2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェンと臭化メチル、あるいは臭化ヘプチルを反応させることにより、下記の化5で示される2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェン二臭化物、あるいは下記の化6で示される2,5−ビス(N−ヘプチル−4−ピリジニウム)チオフェン二臭化物が得られる。
【0027】
【化5】

【0028】
【化6】

【0029】同様に、2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェンとヨウ化アセトニトリルを反応させることにより、下記の化7で示される2,5−ビス(N−シアノメチル−4−ピリジウム)チオフェン二ヨウ化物が得られる。
【0030】
【化7】

【0031】2,5−ビス(N−置換−4−ピリジニウム)フランや2,5−ビス(N−置換−4−ピリジニウム)セレノフェン、2,5−ビス(N−置換−4−ピリジニウム)N−メチルピロールについても、同様の反応経路により合成することができる。
【0032】すなわち、2,5−ジブロモフランに対して2モル当量の4−スタニルピリジンをパラジウム触媒存在下で反応させることにより、下記の化8で示される2,5−ビ−(4−ピリジル)フランを得る。
【0033】
【化8】

【0034】このようにして得られた2,5−ビ−(4−ピリジル)フランとトリメチルオキシフルオロボレートを反応させることにより、下記の化9で示す2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)フランビステトラフルオロボレートが得られる。
【0035】
【化9】

【0036】2,5−ビス(N−置換−4−ピリジニウム)セレノフェンや2,5−ビス(N−置換−4−ピリジニウム)N−メチルピロールの場合も同様であって、2,5−ジブロモセレノフェンあるいは2,5−ジブロモ−N−メチルピロールに対して2モル当量の4−スタニルピリジンをパラジウム触媒存在下で反応させることにより、下記の化10で示される2,5−ビ−(4−ピリジル)セレノフェンあるいは化11で示される2,5−ビ−(4−ピリジル)N−メチルピロールを得る。
【0037】
【化10】

【0038】
【化11】

【0039】そして、これら化合物に臭化メチルを反応させることにより、化12で示される2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)セレノフェン二臭化物、あるいは化13で示される2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)N−メチルピロール二臭化物が得られる。
【0040】
【化12】

【0041】
【化13】

【0042】上記により合成される化合物は、下記の化14〔ただし、式中XはS,O,SeまたはN−CH3 (以下、メチル基CH3 をMeと記載する。)であり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アルキルチオメチル基、アルコキシメチル基、シアノメチル基、ベンジル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基またはシアノ基である。〕で示されるビピリジン類(ビピリジニウム塩)である。
【0043】
【化14】

【0044】さらに、具体的な製造法上の要点としては、下記の化15(ただし、式中XはS,O,SeまたはN−Meである。)で示されるビピリジン類の各々のN原子上に置換基を導入することを挙げることができる。
【0045】
【化15】

【0046】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェンの合成アルゴン気流下、2,5−ジブロモチオフェン1.08g(4.46ミリモル)と4−スタニルピリジン2.38g(9.82ミリモル)を乾燥トルエン44ミリリットルに溶かし、これにさらにPd(PPh34 1.03g(0.89ミリモル)を加えて、得られた混合物を4時間30分加熱還流した。
【0047】反応溶液を室温まで冷却した後、クロロホルム200ミリリットルを加え、有機層を先ず1NNH4 OH水溶液で洗浄し、次に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
【0048】溶媒を除去し、残留物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により精製した後、さらにシリカゲルクロマトグラフィーを通過(アセトンで溶離)せしめたところ、融点170〜172℃の無色針状晶として先に化5に示した2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェンが587mg(収率55%)得られた。得られた2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェンは、さらにアセトニトリルから再結晶すると純品となった。
【0049】<2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェンの物理データ>1.融点 170〜172℃ (無色針状晶)
2.電子スペクトル: in MeCN λmax nm(log ε)
216(3.95),233(3.97),330(4.48)
3.IR(KBr): cm -13050,3034,1589,1410,1286,1215,987816,6814. 1HNMR: in CDCl3 at 200Hz(δ in ppm ,J in Hz)
7.50(4H,dd,J=4.8,2.0)
7.52(2H,s)
8.64(4H,dd,J=4.8,2.0)
5.13CNMR: in CDCl3 at 50Hz(δ in ppm )
119.7,126.5,140.7,142.6,150.66.DEI−MS240(M+ +2,4%)、239(M+ +1,17.2%)
238(M+ ,100%)、237(M+ −1,4.2%)
【0050】2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェンビステトラフルオロボレートの合成アルゴン気流下、2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェン100mg(0.42ミリモル)に乾燥アセトニトリル12ミリリットルを加え、50〜55℃に加熱し、前記2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェンを完全にアセトニトリルに溶解させた。
【0051】この溶液にトリメチルオキシフルオロボレート(Me3+ BF4 - )250mg(1.68ミリモル)を一気に加え、次いで95〜100℃で3時間30分間撹拌した。
【0052】反応溶液を室温まで冷却し、酢酸2〜3ミリリットルを加えた後、乾燥エーテル20ミリリットルを加え、析出した結晶をろ別した。
【0053】得られた結晶を酢酸、ベンゼン、次いでエーテルで洗浄し、さらにアセトニトリルに加熱溶解させた後、室温まで冷却してベンゼンを加え、結晶を析出させた。これによって、融点285℃以上の淡黄色結晶として先に化6に示した2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェンビステトラフルオロボレートが175mg(収率94%)得られた。
【0054】得られた2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェンビステトラフルオロボレートは、さらにアセトニトリル−メタノール混合溶媒から再結晶すると純品となった。
【0055】<2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェンビステトラフルオロボレートの物理データ>1.融点 285℃以上 (淡黄色針状晶)
2.電子スペクトル: in MeCN λmax nm(log ε)
243(3.95),281(3.84),369(4.61)
3.IR(KBr): cm -13074,3030,1639,1542,1296,105710364. 1HNMR: in CF3COOD at 200Hz(δ in ppm ,J in Hz)
4.47(6H,s,NMe)
8.13(2H,s)
8.32(4H,d,J=6.0)
8.72(4H,d,J=6.0)
5.13CNMR: in CF3COOD at 50Hz(δ in ppm )
49.5(NMe)、125.8、135.0、145.0147.4、151.16.X線結晶解析図1〜図3参照(図中の数値は原子間距離、結合角度、層間距離を表す。)
7.ラジカルカチオンの電子スペクトル: in MeCN568nm、911nm、1047nm【0056】2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェン二臭化物の合成蛇管冷却器及び冷メタノール用冷却管を取りつけた3ツ口フラスコ中に2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェン100mg(0.42ミリモル)と乾燥アセトニトリル7ミリリットルを入れ、続いて臭化メチル2ミリリットルを加えた。混合物を40〜45℃で7時間30分間撹拌しながら反応させた後、反応混合物を室温まで冷却し、析出した結晶をろ別した。
【0057】析出した結晶をアセトニトリル及びエーテルで良く洗浄すると、淡黄色結晶として先に化7に示した2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェン二臭化物180mgが得られた。
【0058】さらに、この結晶をエタノールより再結晶すると、融点300℃以上の淡黄色絹状針状晶として、2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェン二臭化物の純品が得られた。
【0059】<2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェン二臭化物の物理データ>1.融点 300℃以上 (淡黄色針状晶)
2.電子スペクトル: in H2 O λmax nm(log ε)
243(3.91),281(3.83),370(4.56)
3.IR(KBr): cm -13030,1637,1541,1473,1340,12941236,1194,8204. 1HNMR: in D2 O at 200Hz(δ in ppm ,J in Hz)
4.58(6H,s,NMe)
7.97(2H,s)
8.14(4H,d,J=7.0)
8.60(4H,d,J=7.0)
【0060】2,5−ビス(N−ヘプチル−4−ピリジニウム)チオフェン二臭化物の合成2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェン250mg(1.05ミリモル)、臭化ヘプチル752mg(4.20ミリモル)及び乾燥アセトニトリル18ミリリットルからなる混合物を5日間加熱・還流し、反応させた。
【0061】反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を留去した後、残留物をエーテル及びヘキサンにより順次洗浄したところ、先に化8に示した2,5−ビス(N−ヘプチル−4−ピリジニウム)チオフェン二臭化物630mgが得られた。
【0062】得られた2,5−ビス(N−ヘプチル−4−ピリジニウム)チオフェン二臭化物は、さらにアセトニトリルから再結晶することにより、融点237〜238℃の暗黄色針状晶となり、純品として得られた。
【0063】<2,5−ビス(N−ヘプチル−4−ピリジニウム)チオフェン二臭化物の物理データ>1.融点 237〜238℃ (深黄色針状晶)
2.電子スペクトル: in H2 O λmax nm(log ε)
373(4.63),282(3.81),244(3.92)
3.IR(KBr): cm -13028,2974,2925,1630,1535,14661350,1294,1232,1169,881,841,7314. 1HNMR: in CF3COOD at 200Hz(δ in ppm ,J in Hz)
0.94(6H,s,−CH3
1.44(16H,mc,−CH2 −)
2.17(4H,mc,−N−CH2 CH2 −)
4.64(4H,mc,−N−CH2 −)
8.17(2H,s)
8.40(4H,d,J=6.5)
8.79(4H,d,J=6.5)
【0064】2,5−ビス(N−シアノメチル−4−ピリジニウム)チオフェン二ヨウ化物の合成2,5−ビ−(4−ピリジル)チオフェン100mg(0.42ミリモル)とヨウ化アセトニトリル280mg(1.67ミリモル)を乾燥アセトニトリルに加えて得られる混合物を30時間加熱・還流し、反応させた。
【0065】反応混合物を室温まで冷却し、析出した結晶をろ別し、結晶をさらにエーテルにより洗浄して、先に化9に示した2,5−ビス(N−シアノメチル−4−ピリジニウム)チオフェン二ヨウ化物242mgを得た。
【0066】得られた2,5−ビス(N−シアノメチル−4−ピリジニウム)チオフェン二ヨウ化物は、さらに水−アセトン混合溶媒から再結晶することにより、融点234〜235℃の深橙褐色結晶として精製された。
【0067】<2,5−ビス(N−シアノメチル−4−ピリジニウム)チオフェン二ヨウ化物の物理データ>1.融点 234〜235℃ (深橙褐色結晶)
2.電子スペクトル: in H2 O λmax nm(log ε)
226(4.49),284(3.89),384(4.64)
3.IR(KBr): cm -13028,1628,1535,1466,1292,1190,8164. 1HNMR: in CD3 CN at 200Hz(δ in ppm ,J in Hz)
5.58(2H,s,CH2
8.20(2H,s)
8.33(4H,d,J=7.0)
8.78(4H,d,J=7.0)
【0068】2,5−ビ−(4−ピリジル)フランの合アルゴン気流下、2,5−ジブロモフラン1.36g(6.01ミリモル)と4−スタニルピリジン3.20g(13.23ミリモル)を乾燥トルエン54ミリリットルに溶かし、これにさらにPd(PPh34 1.39g(1.20ミリモル)を加えて、得られた混合物を4時間加熱還流した。
【0069】反応溶液を室温まで冷却した後、クロロホルム200ミリリットルを加え、有機層を先ず1NNH4 OH水溶液で洗浄し、次に水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
【0070】溶媒を留去し、残査をシリカゲルクロマトにかけアセトン溶離して得られた黄色結晶をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により精製した後、再びシリカゲルクロマトグラフィーによりアセトンで溶離せしめたところ、先に化10に示した2,5−ビ−(4−ピリジル)フラン633mg(収率48%)が無色結晶として得られた。得られた2,5−ビ−(4−ピリジル)フランは、さらにアセトニトリルから再結晶することにより、融点176〜177℃の無色絹状針状晶となり、純品として得られた。
【0071】<2,5−ビ−(4−ピリジル)フランの物理データ>1.融点 176〜177℃ (無色針状晶)
2.電子スペクトル: in MeCN λmax nm(log ε)
226(4.27),325(4.60),340(4.50)
3.IR(KBr): cm -11606,1577,1415,1213,1030,985,827789,696,6734. 1HNMR: in CDCl3 at 200Hz(δ in ppm ,J in Hz)
6.98(2H,s)
7.57(4H,dd,J=4.6,1.5)
8.64(4H,dd,J=4.6,1.5)
5.13CNMR: in CDCl3 at 50Hz(δ in ppm )
110.8,117.8,136.6,150.4,152.26.DEI−MS224(M+ +2,1.2%)、223(M+ +1,22.3%)
222(M+ ,100%)、221(M+ −1,1.4%)
【0072】2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)フランビステトラフルオロボレートの合成アルゴン気流下、2,5−ビ−(4−ピリジル)フラン70mg(0.32ミリモル)に乾燥アセトニトリル6ミリリットルを加え、40〜45℃に加熱し、2,5−ビ−(4−ピリジル)フランを完全にアセトニトリルに溶解させた。
【0073】この溶液にトリメチルオキシフルオロボレート(Me3+ BF4 - )186mg(1.26ミリモル)を一気に加え、次いで90℃に加熱して2時間撹拌し反応させた。
【0074】反応混合物を室温まで冷却し、酢酸1〜2ミリリットルを加えた後、乾燥エーテル10ミリリットルを加え、析出した結晶をろ別した。
【0075】得られた結晶をエーテルすると、黄色結晶として先に化11に示した2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)フランビステトラフルオロボレート134mgが得られた。
【0076】得られた2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)フランビステトラフルオロボレートは、さらに水から再結晶すると、融点300℃以上の黄色絹状針状晶となり、純品となった。
【0077】<2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)フランビステトラフルオロボレートの物理データ>1.融点 300℃以上 (黄色針状晶)
2.電子スペクトル: in MeCN λmax nm(log ε)
384(4.65),368(4.61),304(3.76)
3.IR(KBr): cm -11635,1587,1566,1508,1485,13361296,1219,1188,1074,1066,856,8224. 1HNMR: in CF3COOD at 200Hz(δ in ppm ,J in Hz)
4.11(6H,s,NMe)
7.39(2H,s)
8.08(4H,br.d,J=7.0)
8.38(4H,br.d,J=7.0)
5.13CNMR: in CF3COOD at 50Hz(δ in ppm )
49.5(NMe)、121.2、124.4、145.8147.4、154.36.ラジカルカチオンの電子スペクトル: in MeCN561nm、962nm、1124nm【0078】代表的な化合物の電気化学特性以上によって得られた化合物のうち、2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)チオフェンテトラフルオロボレート、2,5−ビス(N−シアノメチル−4−ピリジニウム)チオフェンテトラフルオロボレート及び2,5−ビス(N−メチル−4−ピリジニウム)フランビステトラフルオロボレートについて、サイクリックボルタメトリーにより第1還元電位E11/2、第2還元電位E21/2、これらの差ΔE(=E11/2−E21/2)、logKsem を測定した。結果を表1に示す。
【0079】
【表1】

【0080】表1には、比較のためメチルビオロゲンの測定結果も載せたが、本発明を適用した各化合物はこのメチルビオロゲンと遜色のない電気化学特性を示し、吸収係数εが大きいことと併せて考えると、エレクトロクロミック材料として非常に有用であることがわかる。
【0081】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明の化合物(ヘテロ五員環で拡張されたビピリジン類)は、ビオロゲンを情報記録システムや光エネルギー変換システム等の材料として開発する際に指摘されている欠点が改良され、またビオロゲンには見られない新たな特性を発揮する。
【0082】したがって、本発明の化合物は、今後の先端技術開発に広く活用され得るものであり、例えばエレクトロクロミック材料として非常に有用なものである。




 

 


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