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発明の名称 保護膜成膜装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−59173(P2001−59173A)
公開日 平成13年3月6日(2001.3.6)
出願番号 特願平11−234280
出願日 平成11年8月20日(1999.8.20)
代理人 【識別番号】100080883
【弁理士】
【氏名又は名称】松隈 秀盛
【テーマコード(参考)】
4K030
5D112
【Fターム(参考)】
4K030 AA09 AA10 AA16 BA28 FA17 GA14 KA20 KA47 
5D112 AA07 BC05 FA09 FB21
発明者 渡辺 広之 / 平野 明彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 保護膜の成膜がなされる被成膜体が配置される反応室と、原料ガスを高電圧印加によって放電して上記被成膜体表面に供給し上記保護膜を成膜するガス反応部とを有する保護膜成膜装置であって、上記ガス反応部の内壁面が、絶縁破壊電圧が18kV/0.1mm以上で、耐熱温度が200℃以上の無機質材の被覆壁によって覆われて成ることを特徴とする保護膜成膜装置。
【請求項2】 上記被覆壁が、マイカより成ることを特徴とする請求項1に記載の保護膜成膜装置。
【請求項3】 上記被成膜体が、金属薄膜磁性層を有する磁気記録媒体のベースフィルムであって、上記保護膜がダイヤモンドライクカーボンであることを特徴とする請求項1に記載の保護膜成膜装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば表面にダイヤモンドライクカーボン等の保護膜が形成された磁気記録媒体の製造工程に用いて好適な保護膜成膜装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】例えばベースフィルムに金属薄膜磁性層が形成されて成る磁気記録媒体は、高密度記録、高周波数特性にすぐれているなどの利点を有するものの、耐久性、耐蝕性に劣ることから、その表面に硬質の保護膜、例えばダイヤモンドライクカーボン膜を被着することが行われる。
【0003】このような高い活性化エネルギーを必要とするダイヤモンドライクカーボン等の保護膜を成膜する方法として、原料ガスを、ガス反応部において高電圧放電を行って、目的とする保護膜を化学気相成長(CVD)によって成膜する方法がある。
【0004】このようなCVDを行う装置においては、その高電圧放電を行うガス反応部はセラミック等の絶縁材によって構成され、その内壁面に、汚れ防止のために、樹脂や、紙材等の被覆が施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したようなCVD装置を、上述したダイヤモンドライクカーボン等の保護膜の成膜に使用する場合、ガス反応部が、高電圧放電を行い、また例えば200℃におよぶ高温となることから、反応部内面の被覆材として上述したような樹脂を用いる場合は、この樹脂が溶けて不要なガスを発生し、これが成膜すなわち保護膜の膜質を低下させ、この保護膜としての特性を低下させるなどの不都合を生じる。また、この高温下で、樹脂に変形を来し、ガス反応部の内壁面の被覆機能を劣化させ、長期の繰り返しCVD作業に耐えられないという問題がある。一方、ガス反応部内面の被覆材として紙材を用いる場合は、長持ちしないことから、この被覆材を頻繁に交換する必要があり、生産性に劣るという問題がある。
【0006】そして、上述したガス反応部の内面の被覆材が、破損ないしは劣化することにより、セラミックに割れなどの破損を来すと、その交換は、きわめて煩雑であり、また高価であることから、コスト高を来す。
【0007】本発明は、上述したような高電圧、高温下においてもガス反応部の内壁面の被覆を確実に行うことができるようにして、繰り返しの長期に渡る使用によっても、目的とする保護膜の成膜をすぐれた膜質をもって安定して行うことができるようにした保護膜成膜装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による保護膜成膜装置は、保護膜の成膜がなされる被成膜体が配置される反応室と、原料ガスを高電圧印加によって放電して、被成膜体表面に供給し保護膜を成膜するガス反応部とを有する保護膜成膜装置であって、そのガス反応部の内壁面が、無機質材の、絶縁破壊電圧が、18kV/0.1mm以上で、耐熱温度が、200℃以上の被覆壁によって覆う構造とする。
【0009】このように、本発明では、高温、高電圧が印加されるガス反応部において、耐熱温度および絶縁破壊電圧が高い材料によって内壁面を被覆した構造とすることによって、ガス反応部で発生する材料の溶解による不要ガスの発生、絶縁破壊による異常放電の発生、ガス反応部の破損を回避する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による保護膜成膜装置を説明する。図1は、本発明による保護膜成膜装置の一実施形態の一例の概略構成図を示す。この例においては、成膜がなされる被成膜体、例えば長尺状の非磁性ベースフィルムに、金属薄膜磁性層が蒸着され形成された磁気記録媒体を形成するフィルム体であり、これが巻き取り移行される過程で、金属薄膜磁性層上に、例えばダイヤモンドライクカーボンによる保護膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)による成膜がなされる巻き取り式成膜装置に適用した場合であるが、本発明装置はこの例に限られるものではない。
【0011】この装置においては、反応室1内にキャンロール2が配置され、このキャンロールを巡って、保護膜の成膜がなされる上述した長尺状の被成膜体3が、その供給ロール4から巻き取りロール5へと移行するように、ガイドローラ6によって案内される。
【0012】この反応室1には、排気口7が、図示しないが、排気手段すなわち真空装置に連結されて反応室1内が所要の真空度に排気することができるようになされている。そして、この反応室1に、被成膜体3に対して成膜ガスを送給するガス反応部8が、例えば複数個設けられる。
【0013】ダイヤモンドライクカーボンを成膜する場合の原料ガスは、周知の原料ガスを用いることができる。例えばメタン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、プロペン等の炭化水素系ガス、アルゴンを用いることができる。
【0014】ガス反応部8は、図2にその一例の横断面図を示すように、例えばセラミックよりなる耐熱性絶縁体による外囲壁9を有し、その内壁面に、絶縁破壊電圧が、18kV/0.1mm以上で、耐熱温度が、200℃以上の、無機材料による例えばマイカ(雲母)によって構成された被覆壁10が施されて成る。この被覆壁10の厚さdは、0.1mm〜数10mmで加工が可能であることから反応部における壁面保護の機能を満足できるものである。
【0015】これら反応部8は、例えばその外形の幅W0 =800mm、高さH0 =450mmとするとき、マイカより成る被覆平面型プラズマ放電表示装置9の厚さd=10mm、内形の幅Wi =590mm、高さHi =280mmに選定することができる。
【0016】このマイカは、加工性に富み、耐熱性が500℃にもおよび、100×1010Ωの耐電性(高絶縁性)を有し、加工性にすぐれ、したがって、作業性にすぐれ、その価格は、樹脂材程度に低い。
【0017】因みに、表1において、マイカと、ポリカーボネート(PC)と、ユニレート(ポリエチレンテレフタレートベースにガラス繊維、無機フィラー等を充填複合したユニチカ社製、製品名)とセラミック(アルミナ)との各材料の特性と価格比(マイカの価格を1とした)を示す。
【0018】
【表1】

【0019】表1の各項目において、◎は極めて優れていることを示し、○は良好であること、△は余り好ましくないこと、×は不適当であることを示している。
【0020】これより明らかなように、マイカはその耐熱性が、耐電性、加工性、作業性、価格のいずれに関して満足できる。特に耐熱性に優れ、廉価であり、また耐電性、加工性、作業性についても良好であることが分かる。すなわち、このマイカは、樹脂の数倍の耐熱性を有し、セラミックなみの絶縁性を有し、セラミックの1/10の価格である。
【0021】そして、この被覆壁10を施したガス反応部8は、ダイヤモンドライクカーボンの成膜を行う場合においても、高温による溶解が回避され、高電圧による絶縁破壊、異常放電を回避することができた。また、その加工性、作業性にすぐれていることから、多様の形状に対応することができ、使用態様に応じた形状のガス反応部8を容易に構成することができる。
【0022】このように、本発明装置においては、そのガス反応部の内壁面を、マイカ等の耐熱性を有する無機質材によって構成することから、不要ガスの発生を回避でき、このガスによって成膜された膜の膜質を低下させる不都合が回避される。
【0023】次に、本発明装置によって表面に、ダイヤモンドライクカーボンによる保護膜を形成した磁気記録媒体を製造する場合の一実施例を説明する。
【0024】〔実施例1〕この実施例においては、ポリエチレンテレフタレートによる長尺状の非磁性ベースフィルム上に、厚さ0.2μmの金属薄膜磁性層が形成された被成膜体1が用いられ、この被成膜体1を、図1で説明したCVD装置において、その供給ロール4から繰り出され、キャンロール2を巡って巻き取りロール5へと巻き取るられるように移行される。そして、この移行途上の磁性層上に、各反応部8によって順次成膜を行ってダイヤモンドライクカーボン膜を成膜した。この磁性層の形成は、例えばCo80Ni20の金属磁性材を酸素を導入しながら、蒸着速度が25m/分、入射角45°をもって斜め蒸着して行った。
【0025】〔比較例1〕実施例1と同様の方法によって磁気記録媒体の作製を行ったが、この場合、保護膜成膜装置のガス反応部の内壁面の被覆壁10を、セラミックによって構成した。
【0026】〔比較例2〕実施例1と同様の方法によって磁気記録媒体の作製を行ったが、この場合、保護膜成膜装置のガス反応部の内壁面の被覆壁10を、ポリカーボネート(PC)によって構成した。
【0027】上述した実施例1、比較例1および2によって保護膜の成膜を行った被成膜体を裁断して磁気記録テープをそれぞれ作製し、これらの電磁変換特性を測定した。この測定は、市販のデジタルビデオカセットレコーダを用いて測定したものであり、その測定結果を表2に示す。この場合、実施例1による磁気テープにおける出力を1dBとして相対的に比較して示した。
【0028】
【表2】

【0029】これによれば、本発明装置によって作製した磁気テープすなわち磁気記録媒体は、すぐれた電磁変換特性を示すことが分かる。
【0030】尚、CVD装置において、その温度はより高い温度例えば300℃〜400℃、あるいはそれ以上の温度が今後必要となる傾向を示しているが、本発明装置によれば、この高温を伴うCVDに関しても充分対応して安定した成膜が可能となる。
【0031】上述した例では、磁気記録媒体におけるダイヤモンドライクカーボンによる保護膜を成膜する場合について主として説明したが、本発明は、他の高温、高電圧を伴う保護膜のCVDによる成膜を行う成膜装置に適用することができるものであり、また、本発明装置は、図示の構成に限られるものではない。
【0032】
【発明の効果】上述したように、本発明による保護膜成膜装置は、そのガス反応部の内壁面に、無機質で、高耐熱性、高対電性の被覆壁を設けたことにより、ダイヤモンドライクカーボン等の保護膜のCVDにおいても、ガス反応部で発生する材料の溶解による不要ガスの発生、絶縁破壊による異常放電の発生、ガス反応部の破損を回避したことから、成膜された膜の膜質を低下させる不都合が回避される。また、被覆壁自体が安定していることから、その交換回数を減少させることができ、CVD作業の繰り返し、長期の使用が可能となることから作業効率の向上、量産化の向上、ひいては製造コストの低下を来すことができる。




 

 


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