米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> ソニー株式会社

発明の名称 ガラス又はプラスチック成形品の成形方法及びこの方法により製作されたガラス又はプラスチック成形品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−58836(P2001−58836A)
公開日 平成13年3月6日(2001.3.6)
出願番号 特願平11−211238
出願日 平成11年7月26日(1999.7.26)
代理人
発明者 榊原 啓行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ガラス又はプラスチック材料を、上型とこれと対向して配設された下型とからなる成形型の前記下型に収容し、加熱軟化してプレス成形することにより所定形状に成形するガラス又はプラスチック成形品の成形方法において、前記ガラス又はプラスチック材料を、前記所定形状の近似形状にプレス成形する1次成形工程と、前記1次成形工程により得られる1次成形品を、前記所定形状にプレス成形する2次成形工程とから成り、前記1次成形工程における1次成形用成形型の下型は凹面部を有し、この凹面部の中央に前記ガラス又はプラスチック材料を収容しプレス成形を行い、前記1次成形工程によって得られる1次成形品の外側面を、前記2次成形工程における2次成形用成形型の下型の内側面に接触させて嵌め合わせることにより、前記1次成形品を前記2次成形用成形型に対してセンタリングするようにしたことを特徴とするガラス又はプラスチック成形品の成形方法。
【請求項2】 前記1次成形用成形型の前記下型の前記凹面部の中央に収容する前記ガラス又はプラスチック材料は球形状であることを特徴とする請求項1に記載のガラス又はプラスチック成形品の成形方法。
【請求項3】 前記所定形状のガラス又はプラスチック成形品は、円筒部の一端面に凸面部が一体的に形成され、この凸面部中央に凹所が形成された形状を呈し、前記凹所から入射した光線の焦点を前記円筒部の他端面側に結ぶようにしたガラス又はプラスチックレンズであり、前記1次成形品を、平面部と、この平面部の反対側に前記所定形状の成形品の前記凸面部の曲率半径以下の曲率半径の凸面部を有する形状に成形し、前記1次成形品の前記凸面部を上に、前記平面部を下にして、前記2次成形用の前記下型に形成された平面部に、前記1次成形品の前記平面部を当接させて収容するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラス又はプラスチック成形品の成形方法。
【請求項4】 前記1次成形工程時の成形条件及び/又は前記1次成形用上型と前記1次成形用下型とによって形成される空間に対する前記ガラス又はプラスチック材料の体積を制御することによって、前記1次成形品の前記円筒部の周縁部が曲面状になるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のガラス又はプラスチック成形品の成形方法。
【請求項5】 前記成形条件は前記ガラス又はプラスチック材料を加熱させるときの温度であることを特徴とする請求項4に記載のガラス又はプラスチック成形品の成形方法。
【請求項6】 請求項1に記載のガラス又はプラスチック成形品の成形方法により製作されたことを特徴とするガラス又はプラスチック成形品。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス又はプラスチック材料を所定形状にプレス成形する成形方法及びそれによって得られるガラス又はプラスチック成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】プレス成形とは、例えばガラスレンズ等の光学素子を得るために、ガラス材料(硝材)を成形型に収容し、所定温度まで加熱し軟化させプレスを行い、所定の光学鏡面形状に加工された成形型の面形状を転写させることにより光学素子を得る方法である。
【0003】図9に、プレス成形装置の一例として特開平7−215720号公報に示されているプレス成形装置1を示す。プレス成形装置1は、上型2a及び下型3aによりガラス材料4をプレス成形するガラスレンズ成形装置である。
【0004】下型3aは断熱継手5を介してベース6に固定されている。ベース6は筐体7に固定されている。上型2aは断熱継手8を介してプレス軸9に固定されており、プレス軸9はプレス軸支持ユニット10の下面に固定されている。プレス軸支持ユニット10の両端にはそれぞれ直動軸受部11が設けられており、直動軸受部11はそれぞれ直動軸12に沿って摺動する。
【0005】プレス軸支持ユニット10の上面は、例えば空気圧により加圧減圧されるプレスシリンダ15のシリンダロッド14に自在継手13を介して固定されている。プレスシリンダ15は、プレスシリンダ支持ユニット16の下面に固定されている。プレスシリンダ支持ユニット16の両端には、それぞれ直動軸受部17が設けられており、これらは直動軸12に沿って摺動する。また、筐体7にはロックシリンダ19が取り付けられ、これにより突き出されるピン20は、成形時にはプレスシリンダ支持ユニット16の上面に当接して、プレスシリンダ15を固定する。
【0006】プレスシリンダ支持ユニット16の上面は、例えば空気圧により加圧減圧されるプレスシリンダ23のシリンダロッド22に自在継手21を介して固定されている。プレスシリンダ23は筐体7に固定されている。
【0007】プレスシリンダ支持ユニット16には、成形室シリンダ24が固定されている。成形室シリンダ24のシリンダロッド25の先端は成形室下板27に固定され、成形室下板27はその両端に取り付けられた直動軸受部26により、プレス軸支持ユニット10の直動軸受部11の下側で直動軸12に沿って摺動する。
【0008】成形室下板27は、図10に示すように、成形時にはベース6に接触する。成形室下板27上には、成形時に上型2a、下型3aを囲む石英管28と、石英管28を囲む加熱源としての例えばハロゲンランプ29と、ハロゲンランプ29を囲む反射ミラー30とが設けられている。石英管28及び反射ミラー30には、成形室上板31が取り付けられている。成形室上板31の内側にはオイルシール18が設けられ、プレス軸9はオイルシール18と接触して上下に摺動する。成形時には、成形室下板27、ベース6、石英管28、オイルシール18及び成形室上板31により囲まれて成形室32が形成される。
【0009】次に、プレス成形装置1の動作について説明する。
【0010】下型3aにガラス材料4が収容された後、次にプレスシリンダ23のシリンダロッド22を押し下げ、この加圧力が自在継手21を介してプレスシリンダ支持ユニット16に伝達されると共に、プレスシリンダ15、シリンダロッド14、自在継手13を介してプレス軸支持ユニット10に伝達され、上型2aが、図9及び図11で示される加圧成形位置まで移動する。
【0011】次に、ロックシリンダ19の作動によりピン20を突き出し、プレスシリンダ支持ユニット16の上面に当接させる。これにより、上型2aが、上記加圧成形位置で上方向への動きを規制される。
【0012】次に、成形室シリンダ24の作動によりシリンダロッド25が押し下げられる。これにより、図10に示されるように上型2a及び下型3aを囲む成形室32が形成される。この状態となると、ハロゲンランプ29に電力が供給され、ハロゲンランプ29からの光が石英管28を介して反射ミラー30により反射され、型内のガラス材料4を加熱する。
【0013】プレス成形して成形品を取り出す時まで、シリンダロッド25は下がったままであり、この間、成形室32は形成されている。
【0014】次に、プレスシリンダ15の作動によりシリンダロッド14を押し下げ、この加圧力は、自在継手13、プレス軸支持ユニット10、プレス軸9を介して上型2aに伝達されて、図12に示すように、上型2aが下型3aに押圧されてガラス材料4はプレスされる。この後、ロックピン20の突き出しを解除し、シリンダロッド14及び22を上昇させて上型a2を下型3aから離すと、図13に示すように、完成品としてのガラスレンズ33が得られる。
【0015】以上述べたプレス成形においては、成形型の中心に材料を位置させることが重要となる。例えば、図14に示すように、凹面を有する下型37の場合、材料4を型中心Cに位置決めできる。なお、上型36及び下型37は、それぞれ母型2b、3bに対してμm単位の間隙を形成して摺動可能に嵌め込んだ入子型である。以下、図15に示す上型38及び下型39、図16の上型40及び下型41、図17の上型42及び下型43、図18の上型44及び下型45、図19の上型46及び下型47についても同様である。
【0016】図15、17に示される凸面形状の下型39、43と図16、19に示される平面形状の下型41、47と図18に示される凹面の中央に凸面が形成された形状の下型45では、型中心Cに材料4の位置を決められない(センタリングできない)。
【0017】成形品を、芯取りなどの後加工を必要としない1回のプレス成形のみで、仕上げようとすれば、上型と下型によって閉じられた空間としなければならず、成形型に対して材料のセンタリングができないままプレス成形すると、図20に示されるように、材料が偏って変形する偏肉が生じ、成形品33の形状及び面精度が悪化する。また、偏肉により、上型と下型によって閉じられた空間内に部分的に材料の過充填(オーバーパック)となる部分が生じて部分的に極端に圧力がかかり、成形型が入れ子構造である場合、母型とこれに嵌め込まれる上型や下型との間のクリアランスに材料が入り込み成形型の破損を生じさせるおそれもある。
【0018】また、曲面を有する成形品をプレス成形する場合には、図21Aに示すように、成形型2a、3aの凹面部の曲率半径(以下、アールと呼ぶ。)R4と材料の曲面のアールR3との関係が重要になってくる。すなわち、図示のようにR4がR3よりも小さいと、プレス過程(図21B、C)で、材料50の中央部よりも先に端部の方が成形型2a、3aと接触して成形型2a、3a間の空間が閉ざされてしまうので、材料50の中央部と成形型2a、3aとの間51aに空気が入り込んだエアートラップが発生する(図21C)。このため、図21Dに示されるように成形品51に形状の欠損が生じる。図22は、本来一点鎖線で示される形状となるべきものが、エアートラップの発生により、実線で示されるように一部欠けてしまった成形品52を示す。図23は、同様にエアートラップの発生により、凸面部53aと凹面部53bとのつなぎ目の部分で欠け53cが生じてしまった成形品53を示す。このエアートラップの発生を防ぐには、材料の曲面のアールR3を成形型の凹面部のアールR4以下になるようにして、材料の中央部が先に成形型と接触するようにして、外周部に向かって徐々に材料を押し出せるようにする必要がある。
【0019】以上述べたプレス成形における問題は、以下で説明する複雑な形状の成形品で特に起こりやすい。
【0020】図1〜3に示すものは、ソリッド・イマージョン・ミラー(以下、SIMと呼ぶ。)と呼ばれるガラスでなる光学素子53であり、図1は断面図、図2は平面図、図3は背面図である。SIM53は、円筒部60の一端面60aに非球面状の凸面部61を、その中心を円筒部60の中心(光学軸)Cと一致させて一体的に形成され、凸面部61の中央部には、やはり中心をCに一致させて凹所61bが一体的に形成されている。すなわち、光学軸Cに関して回転対称である。凸面部61の非球面状の表面61aには、例えばアルミニウム(Al)がコーティングされている。また、円筒部60の他端面60bにもアルミニウム(Al)がコーティングされ、この中央部には開口60cが開けられている。外径D2は約3mm、厚さT2は約1.5mmである。レーザー発振器から発振されるレーザー光Lが、凹所61bから入射すると、レーザー光Lは図で示されるようにSIM53の内部で反射屈折して、円筒部60の他端面60b側の中心C上に焦点を結ぶ。このSIM53は大きな開口数NAを有しており、対物レンズとして用いた場合、スポット径を小さくでき分解能を上げることができる。開口数NAは、NA=n・sinθ(nはSIMの屈折率)で定義される。
【0021】SIM53は、図6に示されるように、スライダー69を介してディスク70に対向して配設される。レーザー発振器64からのレーザー光Lはビームスプリッタ66、追従ミラー67、フォーカス微調レンズ68を介して、SIM53の凹所61bから入射し、SIM53が取り付けられ、SIM53と同じガラス(透明)でなるスライダー69の下面で焦点を結ぶ。スライダー69の下面とディスク70との距離は50nm程であり、焦点位置からにじみ出る光をディスク70に記録された情報の読み取りに利用する。ディスク70からの反射光は光検出器65により検出される。このようなシステムは、近接場光システムと呼ばれ、読み取りに利用する光のスポット径を小さくして、ディスクの高記録密度化に対応する技術である。
【0022】通常の光ピックアップに使用されている対物レンズの開口数NAは0.45が一般的で、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)等の高記録密度ディスクにおいて使用される対物レンズでも開口数NAは0.6程度である。このレベルであれば、通常のガラスレンズ、プラスチックレンズ、ホログラム付きプラスチックレンズなどで十分だが、近年ディスクの高記録密度化への要求が大きくなっており、開口数NAが1を越える光学素子が必要になると予想される。上述した、特殊形状をした屈折率の大きいSIM53を用いた近接場光システムはこれを実現するものである。
【0023】そして、SIM53は、その特殊な形状故、通常のガラスプレス成形による成形は困難である。すなわち、成形型としては、図18か図19に示されるものを用いることになるが、上述したように、これらではセンタリングができず、よって偏肉を生じ光学面精度を悪化させ、また光学軸Cに関しての対称性も悪化させる。また、SIM53では、エアートラップが特に凸面部61と凹所61bとのつなぎ目に発生しやすくなる。
【0024】そこで、SIM53を成形する方法として、次のような方法がある。先ず、図24Aに示すように、ガラス材料56を下型55に収容する。ガラス材料56のセンタリングのため、下型55は凹面形状のものを使用する。そして、図24B、Cに順次示すように、プレス成形して仮の成形品57を得る。しかし、図24のAからBの過程において、ガラス材料56から成形品57への形状の変形量は大きいので、上型54の凸部54aが入れ子構造の場合、この入れ子のつなぎ目部分で必要以上に圧力がかかり、面精度の悪化や型破損を生じるおそれがある。
【0025】次に成形品57を、図25に示すように、回転している平面ラップ盤58の上で圧力を加えながら滑り動かし、凸面部57aを研磨して平面部を形成させる。しかし、SIMは上述したように、外径約3mm、厚さ約1.5mmと小さく、ラップ盤58上で転がってしまい、平面形状への研磨は困難である。従って、図26に示される研磨後のSIM59のように傾斜面状に加工されてしまう可能性が大きい。SIMのような開口数の大きなものでは、この傾きが光学素子として致命的な収差を生じさせることになる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従来の方法では、ガラス又はプラスチック成形品、特にSIMのような特殊な形状をし、光軸まわりに回転対称な光学素子を、プレス成形により精度良く作り上げることはできなかった。
【0027】そこで、本発明は上述の問題に鑑みてなされ、面精度や寸法精度の良好なガラス又はプラスチック成形品及びその成形方法を提供することを課題とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するにあたり、本発明では、ガラス又はプラスチック材料を、1次成形用成形型の下型に収容して、加熱軟化させて所定形状の近似形状にプレス成形する1次成形工程と、この1次成形工程により得られる1次成形品を、2次成形用成形型の下型に収容して、加熱軟化させて所定形状にプレス成形する2次成形工程とによりガラス又はプラスチック成形品の成形を行う。1次成形用成形型の下型は凹面部を有し、この凹面部の中央にガラス又はプラスチック材料を収容しプレス成形を行い、1次成形品の外側面を2次成形用成形型の下型の内側面に接触させて嵌め合わせることにより、1次成形品を2次成形用成形型に対してセンタリングするようにしている。
【0029】これにより、複雑な形状のガラス又はプラスチック成形品の面精度及び寸法精度良くしたプレス成形が可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0031】本実施の形態においても、図9に示す従来例と同様のプレス成形装置1により、図1で示すSIM(ソリッド・イマージョン・ミラー)53をプレス成形する。
【0032】図7は、完成品としてのSIM53の近似形状の1次成形品を得るための1次成形工程を示す。図7Aにおいて、上型73及び下型74は、それぞれ母型2b、3bに対して、μm単位の隙間を形成して入れ子として嵌め込まれている。母型2b、3b及び上型73、下型74には、超硬で、高温に耐え得る脆性材料が用いられ、例えば、母型2b、3bはタングステン・カーバイト(WC)、上型73、下型74はSiCもしくはWCでなる。また、上型73、下型74にはガラスを離型しやすくするため、例えばDLC(Diamond Like Carbon )膜が材料との圧接面に形成されている。
【0033】上型73の圧接面は円形平面状で、周縁部にはリング状に凹面部73aが形成されている。下型74の圧接面は円形の凹面形状で、周縁部にはリング状に凹面部74aが形成されている。これにより、図7Cで示される1次成形品72の円筒部72aの周縁部72cは曲面状になる。また、上型73と下型74にこのような凹面部73a及び74aを設けなくとも、成形条件(例えば加熱温度)の調整や上型73と下型74によって形成される型空間とガラス材料71の体積との関係を最適化すること、例えば型空間に対するガラス材料71の体積の割合を小さくすることなどでも周縁部72cを曲面状にさせることができる。この方が上型73及び下型74に複雑な形状の加工をする必要がなく簡単である。
【0034】図7Aに示されるように下型74にはSIMの素材であるガラス材料71が収容される。ガラスはプラスチックに比べ屈折率が大きいので、大きな開口数の光学素子に適している。ガラス材料71の形状としては、所望の重量に制御された球形状である。よって、下型74が凹面形状をしているので、ガラス材料71を型中心Cに容易にセンタリングして収容することができる。
【0035】そして、従来例と同様にガラス材料71を加熱軟化させて、上型73と下型74とによりガラス材料71をプレスして(図7B)、この後、離型して1次成形品72を得る(図7C)。
【0036】この1次成形工程では、ある程度、図1に示す所定形状(最終形状)に近い形に成形する。ガラスプレス成形では、ガラス材料71の変形量が大きすぎると部分的に材料が型に充填されないところができ、ダレを生じたり、必要以上に材料から型に圧力がかかり、型の面精度悪化を早めたりする。従って、近似形状の1次成形品から、複雑な形状の最終成形品を、次に説明する2次成形工程で得るようにすればこれを防げる。更に、近似形状にする意味として、2次成形工程用の型に入れ子構造をとらなければならないとき、部分的に極端に圧力がかかりすぎると、入れ子型と母型とのクリアランスにガラス材料が入り込んでしまい、型を破損するおそれがあるので、その対策でもある。
【0037】次に、図8Aに示すように、円形平面状の2次成形用下型76と母型3bとによって形成される凹所76aに1次成形品72の円筒部72aを下にして収容して、完成品を得るための2次成形工程を行う。2次成形用成形型に対する1次成形品72のセンタリングは、1次成形品72の円筒部72aの外周側面で行い、凹所76aに対して1次成形品72を嵌め込むようにする。従って、1次成形品72の外径D1(図7C)を、完成品の外径D2(図1)よりも若干小さめにする。1次成形品72と凹所76aの内側面との間のクリアランスは、2次成形時に1次成形品72の外周側面が凹所76aの内側面に少し触れて凹所76aの内側面が転写される程度でよい。具体的には凹所76aの径より5〜40μm程小さく1次成形品72を成形する。逆に両者のクリアランスが大きすぎるとセンタリングができなくなる。また、円筒部72aの外周側面はストレート形状に(垂直に)形成させてセンタリング精度を上げるようにしている。よって、1次成形品72の円筒部72aの外周側面は全周にわたって均等に仕上げる必要があり、上述した図7Aで示す1次成形工程におけるセンタリングは重要である。
【0038】また、2次成形時にもある程度圧力をかけなければ、成形品にダレが発生してしまうので、1次成形品72の厚さT1(図7C)は、完成品の厚さT2=約1.5mm(図1)よりも若干(50μm程度)厚くする。そして、厚さの薄いものを凹所76aに落とし込むことは非常に難しいが、上述したように1次成形品72の円筒部72aの周縁部72cには大きめのアールの曲面が形成されるので、これにより1次成形品72は凹所76aに落とし込みやすくなる。
【0039】次に、図8Aを参照して、1次成形品72の曲率半径(アール)R1と2次成形用上型75のアールR2との関係について説明する。1次成形品72の凸面部72bは球面であり、そのアールR1と、完成品のアール、すなわち2次成形用上型75の凹面部75aのアールR2(凹面部75aは非球面だが、これに最も近い球面のアールで近似したものをR2とする)との関係は、R1の方をR2より若干(0.2〜0.3mm程)小さくする。これは、凸面部72bの中央部が先に2次成形用上型75と接触するようにしてエアートラップの発生を防ぐためである。
【0040】以上述べたように、1次成形品72が2次成形用下型76にセンタリングされて収容されると(図8A)、上型75と下型76とにより1次成形品72はプレスされ(図8B)、完成品としてのSIM53が得られる(図8C)。厳密にはこのプレスによる成形品に反射膜Alをコーティングして、図1で示すSIM53となる。
【0041】なお、1次成形での1次成形品72においては、その光学面は、面粗さを良くすることをより重視し、形状の精度はそれほど重視せず所望の値に対する誤差はμmのオーダー程度とする。そして、1次成形品72のアールR1の曲率公差(所望の値に対する誤差)は、10〜50μmでよい。完成品のSIM53の形状精度は0.1μm程度、曲率公差は最も近い球面のアールの0.1%程度とする。
【0042】また、1次成形品72をプレス成形ではなく、ガラス材料71から研削や研磨のみで作ることは、1次成形品72に要求される体積の厳密さを考慮すると不可能である。
【0043】以上述べたように、本実施の形態によれば、1次成形型に対する材料及び2次成形型に対する1次成形品のセンタリングを精度よく行えるので、面精度や形状精度の良好な成形品が得られる。更に1次成形品72のアールR1を2次成形型75のアールR2より小さくしているので、特にSIM53の凸面部61と凹所61bとのつなぎ目における面精度の悪化を防げる。更に、成形型の破損も防げる。また、以上のプロセスで得られたSIM53は、研磨などの後加工なしのプレス成形のみで仕上げられているので、外周側面が鏡面であるという特徴がある。
【0044】以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0045】以上の実施の形態では、SIM53はガラスで成るとしたが、プラスチックでもよい。また、SIM53に限らず、例えば、図4に示す円筒体の片面を凹面にした形状のレンズ62や、図5に示す円筒体の両面を凹面にした形状のレンズ63でもよい。これらのレンズの1次成形工程にも、上記実施の形態と同様に、センタリングのため凹面形状の下型が使われる。従って、1次成形品には凸面部が形成される。この凸面部に2次成形用成形型の凸面部を圧接させて、完成品に有する凹面部を形成させる。よって、2次成形工程においては、凸面部どうしの圧接であるので、エアートラップが生じず、これらの曲率は上記実施の形態のような関係である必要がない。また、レンズ以外のガラス又はプラスチック成形品でもよい。例えば、小さくて、精密な形状や寸法精度を必要とされる部品など。しかし、一般の部品では光学素子に要求されるほどの精度は不要であるため、光学素子の成形に適用することが最も有効である。
【0046】また、上記実施の形態ではガラス材料71は球形状としたが、ゴブ(型に滴下され塊状になったもの)や平板でもよい。ただし、球形状にした方がよりセンタリングしやすく、その精度も増す。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1によれば、面精度と寸法精度に優れたガラス又はプラスチック成形品が得られる。
【0048】また、請求項2によれば、更に精度の良いガラス又はプラスチック成形品が得られる。
【0049】また、請求項3によれば、光学的素子としての性能に非常に優れたレンズが得られる。
【0050】また、請求項6によるガラス又はプラスチック成形品は面精度と寸法精度が優れたものである。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013