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発明の名称 ジュロリジン置換スチリル化合物及びその合成中間体、並びにこれらの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−39977(P2001−39977A)
公開日 平成13年2月13日(2001.2.13)
出願番号 特願平11−216305
出願日 平成11年7月30日(1999.7.30)
代理人 【識別番号】100076059
【弁理士】
【氏名又は名称】逢坂 宏
【テーマコード(参考)】
3K007
4C064
【Fターム(参考)】
3K007 AB04 AB12 AB14 DA01 DB03 EB00 
4C064 AA12 CC01 DD02 EE04 FF01 GG03 GG05 HH04
発明者 カレン・エイ・ジョンソン
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 下記一般式〔I〕又は〔II〕で表されるジュロリジン置換スチリル化合物。
【化1】

(但し、前記一般式〔I〕及び〔II〕において、X1 及びX2 はそれぞれ水素原子、水酸基又はアルコキシル基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよく、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれぞれ低級アルキル基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよく、R9 及びR10はそれぞれ電子吸引基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよい。)
【請求項2】 前記R9 及びR10はシアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子である、請求項1に記載したジュロリジン置換スチリル化合物。
【請求項3】 下記一般式〔III 〕又は〔IV〕で表されるホルミル化ジュロリジン化合物と、下記一般式〔V〕で表されるジホスホン酸エステル又は下記一般式〔VI〕で表されるジホスホニウムとを反応させる工程を経て、下記一般式〔I〕又は〔II〕で表されるジュロリジン置換スチリル化合物を得る、ジュロリジン置換スチリル化合物の製造方法。
【化2】

(但し、前記一般式〔III 〕及び〔IV〕において、X3 は水素原子、水酸基又はアルコキシル基であり、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ低級アルキル基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよい。)
【化3】

(但し、前記一般式〔V〕及び〔VI〕において、R15及びR16はそれぞれ互いに同一の又は異なる炭化水素基であり、R17及びR18はそれぞれ電子吸引基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよく、Yはハロゲン原子である。)
【化4】

(但し、前記一般式〔I〕及び〔II〕において、X1 及びX2 はそれぞれ前記X3 に対応する水素原子、水酸基又はアルコキシル基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよく、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれぞれ前記R11、R12、R13及びR14に対応する低級アルキル基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよく、R9 及びR10はそれぞれ前記R17及びR18に対応する電子吸引基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよい。)
【請求項4】 前記R17及びR18はシアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子である、請求項3に記載したジュロリジン置換スチリル化合物の製造方法。
【請求項5】 前記反応をウィッティヒーホーナー(Wittig-Horner )反応又はウィッティヒ(Wittig)反応によって行い、前記ジホスホン酸エステル及び/又は前記ジホスホニウムを溶媒中で塩基で処理することによってカルボアニオンを生成させ、このカルボアニオンと前記ホルミル化ジュロリジン化合物とを縮合させる、請求項3に記載したジュロリジン置換スチリル化合物の製造方法。
【請求項6】 下記反応式で表される反応によって、下記一般式〔I'〕又は〔I”〕で表されるジュロリジン置換スチリル化合物を得る、請求項3に記載したジュロリジン置換スチリル化合物の製造方法。
【化5】

【化6】

(但し、前記一般式〔I'〕、〔 I”〕、〔III'〕及び〔 III”〕において、R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13及びR14は前記したものと同じであり、R19はアルキル基又はアルコキシアルキル基であり、X4 はハロゲン原子である。)
【請求項7】 前記反応が下記反応式で表される、請求項6に記載したジュロリジン置換スチリル化合物の製造方法。
【化7】

【化8】

【請求項8】 前記一般式〔III'〕の化合物から前記一般式〔I'〕への反応をウィッティヒーホーナー(Wittig-Horner )反応又はウィッティヒ(Wittig)反応によって行い、前記ジホスホン酸エステル及び/又は前記ジホスホニウムを溶媒中で塩基で処理することによってカルボアニオンを生成させ、このカルボアニオンと前記一般式〔III'〕の化合物とを縮合させ、この縮合によって得られた前記一般式〔I'〕の化合物を強酸で加水分解して前記一般式〔I"〕の化合物を得る、請求項6に記載したジュロリジン置換スチリル化合物の製造方法。
【請求項9】 下記一般式〔IV〕で表されるホルミル化ジュロリジン化合物。
【化9】

(但し、前記一般式〔IV〕において、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ低級アルキル基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよい。)
【請求項10】 下記一般式〔VII 〕で表されるジュロリジン化合物をジメチルホルムアミドとハロゲン化ホスホリル化合物との付加体によってホルミル化することによって、下記一般式〔IV〕で表されるホルミル化ジュロリジン化合物を得る、ホルミル化ジュロリジン化合物の製造方法。
【化10】

(但し、前記一般式〔VII 〕において、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ低級アルキル基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよい。)
【化11】

(但し、前記一般式〔IV〕において、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ前記したものと同じである。)
【請求項11】 アニリン又は下記一般式のm−置換アニリンと1−ハロゲン化−3,3−ジアルキル−2−プロペンとを反応させ、得られた3−〔N,N−ビス(3,3−ジアルキル−2−プロペニル)アミン塩とアルキルスルホン酸とを反応させ、得られた1,1,7,7−テトラアルキルジュロリジンアルキルスルホン酸塩をアルカリで中和し、得られた1,1,7,7−テトラアルキルジュロリジンをホルミル化する、請求項10に記載したホルミル化ジュロリジン化合物の製造方法。
【化12】

(但し、前記一般式において、Rは炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシル基等である。)
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の発光色を呈する有機発光材料として好適なジュロリジン置換スチリル化合物及びその合成中間体、並びにこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自発光であって、応答速度が高速であり、視野角依存性の無いフラットパネルディスプレイの1候補として、有機電界発光素子(EL素子)等が近時注目されており、その構成材料として、有機発光材料への関心が高まっている。有機発光材料の第一の利点は、分子設計によって材料の光学的な性質をある程度コントロールできるところにあり、これによって赤、青、緑色の3原色発光をすべて各々の有機発光材料で作成したフルカラー有機発光素子の実現が可能である。
【0003】下記一般式〔A〕で示されるビススチリル化合物は、導入される置換基に依存して、可視部領域に青〜赤の強い発光を呈することから、有機電界発光素子材料に限らず、さまざまな用途に利用可能である。さらに、これら材料は昇華性であり、真空蒸着等のプロセスによって、均一なアモルファス膜を形成しうる利点がある。今日では、分子軌道計算等により、材料の光学的な性質がある程度までは予測可能であるが、実際には要求される材料を高効率に製造する技術が産業上もっとも重要であることは、いうまでもない。
【0004】
【化13】

(但し、前記一般式〔A〕において、Arは置換基を有してもよいアリール基であり、Ra 及びRb はそれぞれ、水素原子、飽和又は不飽和の炭化水素基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシル基を示し、これらは同一であっても異なってもよい。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで、有機発光材料として前記一般式〔A〕に属する多くの化合物が製造されてきたが、これらの材料の蛍光(発光)は多くが青〜緑色であり、黄色〜赤色の発光を呈するものはわずかに報告されているのみであり〔電気情報通信学会、技術研究報告、有機エレクトロニクス,17,7(1992)、Inorganic and OrganicElectroluminescence 96 Berlin, 101(1996)等〕、またその高効率な製造法も確立されていなかった。
【0006】そして、高効率なマルチカラー用の有機EL素子を得るための種々の提案がなされてはいる〔C.W.Tang,S.A.Van Slyke,and C.H.Chen,J.Appl.Phys.(1989)65,3610-3616;T.Wakimoto,S.Kawami,K.Nagayama,Y.Yonemoto,R.Murayama,J.Funaki,H.Nakada and K.Imai,Int.Symp. On Inorganic and Organic EL,Technical Digest(1994)77;T.Mari,K.Miyachi,T.Kichimi and T.Mizutani,Jpn.J.Appl.Phys.(1994)33,6594-6598;Y.Hamada,T.Sano,Y.Nishino and K.Sibata,Extended Abstracts(The 43rd Spring Meeting 1996),The Japan Society of Applied Physics andrelated Societies,No.0,1414 〕。
【0007】Tangらは、発光層に高い螢光性の分子をドープすることによってELの効率をノンドープのものに比べて向上させ得ることを報告している。上記した青〜緑色から黄〜赤色へ発光色がシフトすることを示し、このメカニズムが、エキシトンの生成下にホスト材料であるAlq3 (トリス(8−キノリノール)アルミニウム)上で電子−正孔対が再結合することにあるとしている。ホスト材料の拡散エキシトンがゲスト材料にエネルギーを付与し、発光させるものである。
【0008】本発明の目的は、上記のような現状に鑑み、特にゲスト材料として十分な発光性を呈し、緑色〜赤色用の有機発光材料として好適な化合物及びその合成中間体と、これらを高効率に製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記一般式〔I〕又は〔II〕で表されるジュロリジン置換スチリル化合物が強い発光を呈し、緑色〜赤色の発光材料となりうることを見い出し、かつその一般的かつ高効率な製造方法を確立し、本発明に到達したものである。
【0010】即ち、本発明はまず、下記一般式〔I〕又は〔II〕で表される新規なジュロリジン置換スチリル化合物(以下、本発明の化合物と称する。)に係るものである。
【0011】
【化14】

(但し、前記一般式〔I〕及び〔II〕において、X1 及びX2 はそれぞれ水素原子、水酸基又はアルコキシル基(特に炭素数が1〜6のメトキシ基、エトキシ基、メトキシメトキシ基など)であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよく、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれぞれ低級アルキル基(特に炭素数が1〜6のメチル基、エチル基など)であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよく、R9 及びR10はそれぞれ電子吸引基(例えばシアノ基、ニトロ基又は塩素原子などのハロゲン原子)であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよい。)
【0012】本発明はまた、本発明の化合物を高効率に製造する方法として、下記一般式〔III 〕又は〔IV〕で表されるホルミル化ジュロリジン化合物と下記一般式〔V〕で表されるジホスホン酸エステルまたは下記一般式〔VI〕で表されるジホスホニウムとを反応させることによって、上記一般式〔I〕又は〔II〕で表されるジュロリジン置換スチリル化合物を得る、ジュロリジン置換スチリル化合物の製造方法(以下、本発明の化合物の製造方法と称する。)も提供するものである。
【0013】
【化15】

(但し、前記一般式〔III 〕及び〔IV〕において、X3 は上記X1 及びX2 に対応する水素原子、水酸基又は(特に炭素数1〜6のメトキシ基、エトキシ基、メトキシメトキシ基などの)アルコキシル基であり、 R11、R12、R13及びR14はそれぞれ上記R1 、R2 、R3 4 、R5 、R6 、R7 及びR8 に対応する(特に炭素数が1〜6のメチル基、エチル基などの)低級アルキル基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよい。
【0014】
【化16】

(但し、前記一般式〔V〕及び〔VI〕において、R15及びR16はそれぞれ互いに同一の又は異なる炭化水素基であり、R17及びR18はそれぞれ上記R9 及びR10に対応する電子吸引基であって、互いに同一であるか或いは異なっていてもよく、Yは塩素原子などのハロゲン原子である。)
【0015】本発明の化合物の製造方法は、具体的には、前記反応(縮合)をウィッティヒ−ホーナー(Wittig-Horner)反応又はウィッティヒ(Wittig) 反応によって行い、前記ジホスホン酸エステル及び/又は前記ジホスホニウムを溶媒中で塩基で処理することによってカルボアニオンを生成させ、このカルボアニオンと前記ホルミル化ジュロリジン化合物とを縮合させるものである。
【0016】この縮合を反応スキームで示すと、例えば次の反応スキーム1又は1’のようになる。
【化17】

【化18】

【0017】この反応はまず、一般式(1)又は(2)の化合物を適当な溶媒中で塩基と処理することにより、カルボアニオンを発生させることから始まり、次にこのカルボアニオンが一般式〔III 〕又は〔IV〕のアルデヒドと縮合することにより完結する。塩基と溶媒の組み合わせとしては、以下のものが考えられる。
【0018】水酸化ナトリウム/水、炭酸ナトリウム/水、炭酸カリウム/水、ナトリウムエトキシド/エタノールまたはジメチルホルムアミド、ナトリウムメトキシド/メタノール−ジエチルエーテル混合溶媒またはジメチルホルムアミド、トリエチルアミン/エタノールまたはジグライムまたはクロロホルムまたはニトロメタン、ピリジン/塩化メチレンまたはニトロメタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0] ノン−5−エン/ジメチルスルホキシド、カリウムt−ブトキシド/ジメチルスルホキシドまたはテトラヒドロフラン、ブチルリチウム/ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランまたはベンゼンまたはジメチルホルムアミド、フェニルリチウム/ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン、ナトリウムアミド/アンモニア、水素化ナトリウム/ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン、トリチルナトリウム/ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン等。
【0019】この反応は比較的低温(−30℃〜30℃)で進行し、選択的であるため、クロマトグラフィーによる目的物の精製が容易であることに加え、一般式〔I’〕又は〔II' 〕の本発明の化合物は結晶性が高いため、再結晶により純度を向上させることができる。再結晶の方法については、特に問わないが、アセトンに溶解し、ヘキサンを添加する方法が簡便であり、その後の溶媒留去も容易である。この反応は常温〜30℃、常圧で1〜24時間で行ってよい。
【0020】前記反応は下記反応式に従って進行させ、下記一般式〔I'〕又は〔I"〕で表されるジュロリジン置換スチリル化合物を得るのが望ましい。
【化19】

【化20】

(但し、前記一般式〔I'〕、〔 I”〕、〔III'〕及び〔 III”〕において、R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13及びR14は前記したものと同じであり、R19はアルキル基(特に炭素数が1〜6のメチル基、エチル基など)又はアルコキシアルキル基(特に炭素数が2〜6のメトキシメチル基など)であり、X4 はハロゲン原子(例えば塩素原子、ヨウ素原子など)である。)
【0021】この反応を具体的に例示すると、次のようになる。
【化21】

【化22】

【0022】ここで、前記一般式〔III'〕の化合物から前記一般式〔I'〕への反応をウィッティヒーホーナー(Wittig-Horner )反応又はウィッティヒ(Wittig)反応によって行い、前記ジホスホン酸エステル及び/又は前記ジホスホニウムを溶媒中で塩基で処理することによってカルボアニオンを生成させ、このカルボアニオンと前記一般式〔III'〕の化合物とを縮合させ、この縮合によって得られた前記一般式〔I'〕の化合物をHClなどの強酸で加水分解して前記一般式〔I"〕の化合物を得るのがよい。
【0023】上記の反応では、一般式〔III'〕の化合物の水酸基(OH)をアルキル基等(R19)でエーテル化して保護した状態でウィッティヒーホーナー反応又はウィッティヒ反応を行い、前記エーテル部分を最終的に加水分解するので、一般式〔I"〕の化合物を高収率で確実に合成することができる。この場合、R19=CH2 OCH3 のときには、加水分解が容易となる。
【0024】本発明はまた、本発明の化合物の合成中間体として好適な新規化合物も提供するものである。
【0025】即ち、下記一般式〔IV〕で表され、前記一般式〔I〕又は〔II〕で表されるジュロリジン置換スチリル化合物の合成中間体として用いられるホルミル化ジュロリジン化合物である。
【0026】
【化23】

(但し、前記一般式〔IV〕において、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ前記したものと同じである。)
【0027】本発明の合成中間体は、その前駆体から次のようにして導くことができる。
【0028】即ち、下記一般式〔VII 〕で表されるジュロリジン化合物をジメチルホルムアミドとハロゲン化ホスホリル化合物との付加体によってホルミル化することによって、前記一般式〔IV〕で表されるホルミル化ジュロリジン化合物を得る。このホルミル化反応は、ジメチルホルムアミド中で室温(20℃)〜80℃の温度、常圧で2〜24時間で行うことができる。
【0029】
【化24】

(但し、前記一般〔VII 〕において、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ前記したものと同じである。)
【0030】この場合、アニリン又は下記一般式のm−置換アニリンと1−ハロゲン化−3,3−ジアルキル−2−プロペンとを反応させ、得られた3−〔N,N−ビス(3,3−ジアルキル−2−プロペニル)アミン塩とアルキルスルホン酸とを反応させ、得られた1,1,7,7−テトラアルキルジュロリジンアルキルスルホン酸塩をアルカリで中和し、得られた1,1,7,7−テトラアルキルジュロリジンをホルミル化するのがよい。
【化25】

(但し、前記一般式において、Rは炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシル基等である。)
【0031】なお、前記した合成中間体としての化合物(1)又は(2)は、その前駆体としての合成中間体から次のようにして導くことができる。
【0032】下記一般式〔VIII〕で表されるハロゲン化アリール化合物と、下記一般式〔IX〕で表される亜リン酸トリアルキル又はトリフェニルホスフィン(PPh3 )とを反応させることによって、前記一般式(1)又は(2)で表されるジホスホン酸エステル又はジホスホニウムを合成中間体として得る。この反応は、無溶媒または過剰の亜リン酸トリアルキルまたはキシレン等の溶媒中で反応温度120〜160℃、常圧で反応時間30分〜12時間としてよい。
【0033】
【化26】

(但し、前記一般式〔VIII〕において、Zはハロゲン原子である。)
【0034】一般式〔IX〕:P(OR173 又は P(OR183(但し、前記一般式〔IX〕において、R17及びR18はそれぞれ、同一の又は異なる炭化水素基、特に炭素数1〜4の飽和又は不飽和の炭化水素基であって、前記R15又はR16に相当する基である。)
【0035】次に、上記したスキーム1又は1’を下記の工程(a)〜(e)の順に、より具体的に説明する。
【0036】(a)2,5−ジメチルテレフタロニトリルを臭素化して2,5−ジブロモメチルテレフタロニトリルを合成する。
【0037】(b)これを亜リン酸トリエチルと還流下で反応させ、ジホスホン酸エステル(1)を合成する。
【0038】(c)一方、アニリン又はm−置換アニリンとN,N−ジメチルホルムアミド及び炭酸カルシウムとを混合し、この反応混合物に80℃以下で1−クロロ−3,3−ジアルキル−2−プロペンを添加し、水をゆっくりと加えることによって3−〔N,N−ビス(3,3−ジアルキル−2−プロペニル)アミン塩酸塩を沈澱させる。
【0039】(d)これをアルキルスルホン酸と反応させ、1,1,7,7−テトラアルキルジュロリジンアルキルスルホン酸塩を得る。この塩を水酸化ナトリウムによって中和する。得られた1,1,7,7−テトラアルキルジュロリジンをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中で塩化ホスホリル溶液と反応させ、1,1,7,7−テトラアルキルジュロリジン−9−カルバルデヒド〔III 〕を主生成物として得、また1,1,7,7−テトラアルキルジュロリジン−8−カルバルデヒド〔IV〕を副生成物として得る。
【0040】(e)次に、1,1,7,7−テトラアルキルジュロリジン−9−カルバルデヒド〔III 〕(8位がアルコキシ置換されているものも含む。)又は1,1,7,7−テトラアルキルジュロリジン−8−カルバルデヒド〔IV〕と、リン酸エステル(1)とをウイッティヒーホーナー反応させ(即ち、テトラヒドロフラン中、水素化ナトリウムで処理し)、目的とするジュロリジン置換スチリル化合物〔I'〕を合成する。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】本発明の化合物の合成に用いる合成中間体を下記に例示するようにして調製した。
【0043】2,5−ジブロモメチルテレフタロニトリル(3)【化27】

【0044】ベンゼン(100ml)中の2,5−ジメチルテレフタロニトリル3.02g(20mmol)を100℃でN−ブロモスクシンイミド35.50g(100mmol)と共に反応終了まで還流した。アセトン/ヘキサンから再結晶して純粋な生成物(3)を淡白色の固体として2.00g(収率33%)得た。
【0045】この生成物の分析データは次の通りであった。
1H NMR(400 MHz,CDCl3): δ4.6 ppm(s,4 H,2CH2),7.9 ppm(s,2H,aromatics)【0046】ジホスホン酸エステル(1)【化28】

【0047】上記の2,5−ジブロモメチルテレフタロニトリル(3)1.20g(3.8mmol)を125℃で2時間、亜リン酸トリエチル5mlと共に還流した。過剰の亜リン酸トリエチルを減圧下で除去した。アセトン/ヘキサンから再結晶してジホスホン酸エステル(1)を淡黄色の結晶として得た。
【0048】この生成物の分析データは次の通りであった。
1H NMR(400 MHz,CDCl3): δ1.2 ppm(t,12H,4CH3),3.2 ppm(d,4H,2CH2),4.1 ppm(m,8H,4CH2),7.9 ppm(s,2H,aromatics)【0049】8−ヒドロキシ−1,1,7,7−テトラアルキル(例えばメチル)ジュロリジン−9−カルバルデヒド(4)【化29】

【0050】このアルデヒド試薬(4)はファインケミカルのAcros Organics Catalogueにて入手可能であり、何ら精製することなく使用した。
【0051】8−アルコキシ(例えばメトキシ)−1,1,7,7−テトラアルキル(例えばメチル)ジュロリジン−9−カルバルデヒド(5a)【化30】

【0052】8−ヒドロキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(4)3.00g(11.0mmol)及び炭酸カリウム15.2g(110mmol)をアセトン300mlに懸濁させ、還流した。沃化メチル10.4g(73.2mmol)を90分ごとに4回に分けて添加し、その後12時間還流した。
【0053】反応溶液を室温まで冷却した後、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮してシリカゲルクロマトグラフィー(Wakogel C−300、テトラヒドロフラン:ヘキサン=1:2)で分離精製し、溶離液を濃縮してアセトンーヘキサンから再結晶することにより、8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(5a)を2.98g(収率94%)を得た。
【0054】この生成物の分析データは、次の通りであった。
1H NMR(270 MHz,CDCl3): δ1.3 及び1.4 ppm(s,6H,CH3),1.7 ppm(m,2H,CH2),3.3 ppm(m,2H,CH2),3.9 ppm(s,3H,OCH3),7.5 ppm(s,H,aromatic ),10.0 ppm(s,1H,CHO)【0055】8−メトキシメトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(5b)【化31】

【0056】水素化ナトリウム(60%鉱油分散)52.5mmolを窒素雰囲気下、少量のヘキサンで2度洗い、20mlの乾燥テトラヒドロフランに懸濁させた。8−ヒドロキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(4)2.00g(7.31mmol)を乾燥テトラヒドロフラン20mlに溶解したものを0℃で滴下し、そのまま30分攪拌した。塩化メトキシメチル4.23g(52.5mmol)を添加し、室温で4時間攪拌した。
【0057】反応溶液を氷浴上で少量の氷によりクエンチし、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー(Wakogel C−200、テトラヒドロフラン)で分離し、8−メトキシメトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(5b)を収率50%で得た。
【0058】この生成物の分析データは、次の通りであった。
1H NMR(270 MHz,DMSO-d6): δ1.4 ppm(s,6H,CH3),1.7 ppm(m,2H,CH2),3.3 ppm(m,2H,CH2),3.5 ppm(s,3H,OCH3),5.0 ppm(s,2H,CH2O),7.4 ppm(s,H,aromatic),9.7 ppm(s,1H,CHO)【0059】1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(6)【化32】

【0060】(a)3−〔N,N−ビス(3−メチル−2−ブテン1−イル)アミノフェニル塩酸塩窒素導入管、メカニカルスターラー及びコンデンサ付き50ml滴下ロートを備えた500ml丸底フラスコに、100mlのDMF(ジメチルホルムアミド)、アニリン23.28g(0.25mol)及び炭酸カルシウム12.5g(0.125mol)を添加した。この混合物を65℃に加熱し、1−クロロ−3−メチルブテン53.59g(0.5mol)を滴下ロートより供給した。このアルケンは15分以上強く攪拌(温度は80℃以下に保持)しつつ添加した後、80℃で40分間攪拌し、更に氷浴に浸漬して室温まで冷却した。
【0061】そして、強く攪拌しながら100mlの水をゆっくりと添加し、グラスフィルターを通して沈澱物を濾過した。この濾過ケーキをジエチルエーテル(2×40ml)で洗浄し、減圧吸引下で1時間乾燥した後、更に40mlのジエチルエーテルで洗浄し、減圧吸引下で3時間、50℃で乾燥した。固体の白色粉末の生成物として30.35g(収率46%)の3−〔N,N−ビス(3−メチル−2−ブテン1−イル)アミノフェニル塩酸塩を得た。
【0062】この生成物の分析データは次の通りであった。
1H NMR(270 MHz,CDCl3): δ1.4 及び1.6 ppm(s,6H,2CH3),3.9 ppm(s,4H,2CH2),5.4 ppm(m,2H,CH=C),7.3-7.7 ppm(m,5H,aromatics)【0063】(b)1,1,7,7−テトラメチルジュロリジンのメチルスルホン酸塩窒素導入管、メカニカルスターラー及び粉末用ロートを備えた300mlの丸底フラスコに25mlのメタンスルホン酸を供給した。これに上記した固体の3−〔N,N−ビス(3−メチル−2−ブテン1−イル)アミノフェニル塩酸塩20.2gを強い攪拌下で25分かけて添加した。反応混合物を100℃に加熱し、1時間保持した。そして、反応混合物を氷浴で40℃に冷却した後、強く攪拌された100mlの氷冷却水に15分かけてゆっくりと注ぎ、更にCHCl3 (3×100ml)で抽出した。
【0064】有機相をMgSO4 (硫酸マグネシウム)で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去して、生成物(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジンのメチルスルホン酸塩)を粘稠な褐色オイルとして定量収率で得た。
【0065】この生成物の分析データは次の通りであった。
1H NMR(270 MHz,CDCl3): δ1.1-1.9 ppm(m,12H,4CH3),0.9-1.9 ppm(m,4H,2CH2),2.6-2.8 ppm(m,4H,2CH2),7.2-7.8 ppm(m,3H,aromatics)【0066】(c)1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン上記の1,1,7,7−テトラメチルジュロリジンのメチルスルホン酸塩29g(90mmol)を強く攪拌された水酸化ナトリウム4.04g(100mmol)の50ml水溶液にゆっくり添加した。5分間攪拌した後、100mlの酢酸エチルを添加し、30分間攪拌を続けた。
【0067】有機相をMgSO4 で乾燥し、脱色させた。濾過及びロータリーエバポレーターによって、14.5g(収率71%)の生成物(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン)を褐色の油状物として得た。
【0068】この生成物の分析データは次の通りであった。
1H NMR(270 MHz,CDCl3): δ1.7 ppm(d,12H,4CH3),2.1 ppm(m,4H,2CH2),3.4-3.9 ppm(m,4H,2CH2),6.5-7.3 ppm(m,3H,aromatics)【0069】(d)1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド塩化ホスホリル7mlを氷浴中で冷却されたN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)20mlにゆっくりと添加した。この淡黄色の溶液を室温で1時間攪拌した。上記の1,1,7,7−テトラメチルジュロリジンを30分かけて滴下した。この間に、反応混合物は濃赤色に変化した。この混合物を65℃に加熱し、3時間保持した。これを強く攪拌された水中に注いだ。
【0070】生じた暗色のゴム状物をヘキサン/酢酸エチル(1:1混合物)150mlで2回抽出した後、MgSO4 (硫酸マグネシウム)で乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。精製はカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン)で行い、ヘキサン/酢酸エチル(6:1)で抽出して、主生成物(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(6))(major product)を54%の収率で油状物として得た。
【0071】この生成物の分析データは次の通りであった。
1H NMR(270 MHz,CDCl3): δ1.15,1.2,1.25 及び1.3 ppm(s,3H,4CH3),1.6-1.8 ppm(m,4H,2CH2),3.7 ppm(m,4H,2CH2),6.6 及び7.8 ppm(d,1H,aromatics),9.6 ppm(s,1H,CHO)【0072】この生成物と共に、副生成物(minor product)として下記の1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−8−カルバルデヒド(7)を20%の収率で得た。
【0073】
【化33】

【0074】この副生成物の分析データは次の通りであった。
1H NMR(270 MHz,CDCl3): δ1.6 及び1.7 ppm(s,6H,2CH3),1.5-2.2 ppm(m,4H,2CH2),3.2-3.8 ppm(m,4H,2CH2),7.7 及び6.9 ppm(m,1H,aromatics),9.7 ppm (s,1H,CHO)【0075】次に、本発明の化合物(ジュロリジン置換スチリル化合物)の合成例を述べる。
【0076】
【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【0077】典型的な工程においては、2,5−ジ(ブロモメチル)−テレフタロニトリル750mg(2.39mmol)に亜リン酸トリエチル794mg(4.78mmol)を滴下後、125℃で30分攪拌し、ジホスホン酸エステル(1)を得た。これに代えて、ジホスホニウム(2)を用いるときは、2,5−ジ(ブロモメチル)−テレフタロニトリル750mg(2.39mmol)とトリフェニルホスフィン1.38g(5.26mmol)をキシレンに溶解し、20時間還流して、ジホスホニウム(2)を得た。
【0078】一方、窒素導入管及び滴下ロート付きでマグネチックスターラーを容した300ml三ツ口丸底フラスコに水素化ナトリウム1.23g(53mmol、油中に60%分散)を供給し、乾燥ペンタンによって激しい攪拌下で3回洗浄した。油状物を除去した直後、水素化ナトリウムを20mlの乾燥THF(テトラヒドロフラン)に懸濁させた。
【0079】そして、50mlの乾燥THF中のジホスホン酸エステル(1)又はジホスホニウム(2)4.95mmolを反応混合物に1時間かけてゆっくりと添加した。反応混合物を更に1時間攪拌した後、50mlのTHF中のアルデヒド(4)、(5a)、(5b)、(6)又は(7)を例えば各10mmol滴下した。
【0080】反応混合物をクロマトグラフィで分離した後、1mlの氷で急冷した。この反応混合物を5%の重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタン(3×50ml)で抽出し、食塩水(1×20ml)で洗浄し、更に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を回転式蒸発器で除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO2 、THF/ヘキサン)で生成物(8)、(9a)、(9b)、(10)又は(11)を精製し、アセトン/ヘキサンによって再結晶させた。
【0081】別の方法として、水素化ナトリウム(60%鉱油分散)7.72mmolを窒素雰囲気下、少量のヘキサンで2度洗い、5mlの乾燥テトラヒドロフランに懸濁させ、−78℃に冷却した。ここにホスホン酸エステル(1)1.93mmol相当と8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(5a)1.49g(5.18mmol)をテトラヒドロフラン60mlに溶解させたものを滴下し、温度を上げて室温でさらに1時間攪拌した。
【0082】反応溶液を少量の氷でクエンチし、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー(Wakogel C−300、テトラヒドロフラン:ヘキサン=1:8)で分離精製し、アセトン−ヘキサンから再結晶して得られた沈澱物をエタノールで繰り返し洗い、ジュロリジン置換スチリル化合物(9a)813mg(収率61%)を得た。
【0083】また、水素化ナトリウム(60%鉱油分散)10.4mmolを窒素雰囲気下、少量のヘキサンで2度洗い、10mlの乾燥テトラヒドロフランに懸濁させ、0℃でホスホン酸エステル(1)1.73mmol相当の乾燥テトラヒドロフラン溶液25mlを滴下し、5分間攪拌した。8−メトキシメトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(5b)2.5mmolをテトラヒドロフラン40mlに溶解させたものを0℃で滴下し、温度を上げて室温でさらに1時間攪拌した。
【0084】反応溶液を少量の氷でクエンチし、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー(Wakogel C−300、トルエン:ヘキサン=1:1→テトラヒドロフラン:ヘキサン=1:1)で分離精製し、トルエン−エタノールから再結晶して得られた沈澱物をEtOHで繰り返し洗い、ジュロリジン置換スチリル化合物(9b)309mg(収率24%)を得た。
【0085】また、ジュロリジン置換スチリル化合物(9b)76.3mg(0.101mmol)を15mlのクロロホルムに溶解し、濃塩酸0.5ml、エタノール2mlを添加して、50℃で4時間加熱攪拌した。反応溶液を冷却し、炭酸カリウム水溶液20mlを添加して中和し、生じた不溶成分をろ別し、これをテトラヒドロフランにて抽出して希塩酸溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー(Wakogel C−300、トルエン)で分離精製し、トルエンから再結晶してジュロリジン置換スチリル化合物(8)5mg(収率67%)を得た。
【0086】生成物(9a)(X1 =X2 =OCH3 この生成物(9a)は、上記の反応スキームで示したように、8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(5a)及びジホスホン酸エステル(1)の反応を経て得られた。
【0087】この生成物の分析データは次の通りであった。
FAB-MS:m/e=6951H NMR(270 MHz,CDCl3): δ1.3 及び1.6 ppm(s,12H,CH3),1.8 ppm(m,4H,CH2),3.2 ppm(m,4H,CH2),3.8 ppm(s,6H,OCH3),7.0 ppm(s,2H,aromatic),7.1 ppm(d,2H,CH=),7.4 ppm(d,2H,CH=),8.0 ppm(s,2H,aromatic)(1H NMR スペクトルを図1に示す。図中のTMSは標準のテトラメチルシラン:以下、同様)
紫外可視吸収スペクトル(UV-Vis)(CHCl3): λmax =508nm螢光スペクトル (PL)(CHCl3):PLmax =600nm(ex.λ =508nm)【0088】生成物(9b)(X1 =X2 =OCH2 CH3 この生成物(9b)は、上記の反応スキームで示したように、8−メトキシメトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(5b)及びジホスホン酸エステル(1)の反応を経て得られた。
【0089】この生成物の分析データは次の通りであった。
FAB-MS:m/e=7551H NMR(270 MHz,CDCl3): δ1.3 及び1.5 ppm(s,12H,CH3),1.7 ppm(m,4H,CH2),3.2 ppm(m,4H,CH2),3.7 ppm(s,6H,CH3O),5.0 ppm(s,4H,CH2O),7.1 ppm(d,2H,CH=),7.4 ppm(s,2H,aromatic),7.6 ppm(d,2H,CH=),8.0 ppm(s,2H,aromatic)(1H NMR スペクトルを図2に示す。)
紫外可視吸収スペクトル(UV-Vis)(CHCl3): λmax =505nm螢光スペクトル (PL)(CHCl3):PLmax =590nm(ex.λ =505nm)【0090】生成物(8)(X1 =X2 =OH)この生成物(8)は、上記の反応スキームで示したように、8−メトキシメトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(9b)を加水分解して得られた。
【0091】この生成物の分析データは次の通りであった。
FAB-MS:m/e=6671H NMR(270 MHz,CDCl3): δ1.3 及び1.5ppm(s,12H,CH3),1.8ppm(m,4H,CH2),3.4ppm(m,4H,CH2),5.1ppm(s,2H,OH),7.1ppm(d,2H,CH=),7.3ppm(s,2H,aromatics),7.5ppm(d,2H,CH=),7.9ppm(s,2H,aromatics)(1H NMR スペクトルを図3に示す。)
紫外可視吸収スペクトル(UV-Vis)(CHCl3): λmax =509nm螢光スペクトル (PL)(CHCl3):PLmax =610nm(ex.λ =509nm)【0092】生成物(10)(X1 =X2 =H)この生成物(10)は、上記した反応スキームで示したように、1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルバルデヒド(6)及びジホスホン酸エステル(1)の反応によって得られた。
【0093】この生成物の分析データは次の通りであった。
TOF-MASS スペクトル(Time of Flight Mass Spectrum):m/e 634(m+)1H NMR(400 MHz,CDCl3): δ1.5 及び1.6 ppm(s,12H,4CH3),1.8-2.0 ppm(m,8H,4CH2),2.8 ppm(m,8H,4CH2),8.0-6.9 ppm(m,10H,aromatics 及び 2CH=CH)紫外−可視分光分析による吸収スペクトル(UV-Vis)(CHCl3):λmax =481nm螢光スペクトル (PL)(CHCl3):PLmax =590nm(ex.λ=481nm)【0094】生成物(11)この生成物(11)は、上記した反応スキームで示したように、1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−8−カルバルデヒド(7)及びジホスホン酸エステル(1)の反応によって得られた。
【0095】この生成物の分析データは次の通りであった。
TOF-MASS スペクトル(Time of Flight Mass Spectrum):m/e 634(m+)1H NMR(400 MHz,CDCl3): δ1.0 及び1.5 ppm(s,12H,4CH3),1.5-2.2 ppm(m,8H,4CH2),3.7 ppm(m,8H,4CH2),8.8-6.8 ppm(m,10H,aromatics 及び 2CH=CH)紫外−可視分光分析による吸収スペクトル(UV−Vis)(CHCl):λmax =474nm螢光スペクトル (PL)(CHCl3):PLmax =590nm(ex.λ =474nm)【0096】各生成物の光学物性以上に示した各生成物の光学物性をまとめて下記の表に示す。

【0097】これらの結果から、本発明のジュロリジン置換スチリル化合物は強い発光を呈し、緑色〜赤色の発光材料として有機電界発光素子に好適であることが分かる。
【0098】
【発明の作用効果】本発明の化合物は、前記一般式〔I〕又は〔II〕で表されるジュロリジン置換スチリル化合物であるから、緑色〜赤色の強い発光を示し、有機発光材料として有効に利用することができる。また、高いガラス転移点及び融点を有する物質であり、耐熱性に優れると共に、電気的、熱的或いは化学的な安定性に優れ、また非晶質でガラス状態を容易に形成し得、昇華性もあって真空蒸着等によって均一なアモルファス膜を形成することもできる。また、本発明の化合物は、本発明の合成中間体を経て高効率な方法で製造することができる。




 

 


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