米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> ソニー株式会社

発明の名称 無電解めっき方法及び無電解めっき液
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−20077(P2001−20077A)
公開日 平成13年1月23日(2001.1.23)
出願番号 特願平11−192709
出願日 平成11年7月7日(1999.7.7)
代理人 【識別番号】100076059
【弁理士】
【氏名又は名称】逢坂 宏
【テーマコード(参考)】
4K022
4M104
5F033
【Fターム(参考)】
4K022 AA41 AA42 BA08 CA06 CA21 DA01 DB01 DB02 DB04 DB05 DB06 DB07 DB08 DB24 
4M104 BB04 BB32 DD22 DD53 HH13
5F033 JJ11 JJ32 KK11 KK32 MM05 MM13 NN06 NN07 PP28 WW00 WW03 WW04 XX02
発明者 由尾 啓 / 瀬川 雄司 / 駒井 尚紀
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 銅の塩と、キレート剤と、還元剤とを含む無電解めっき液を用い、活性化処理された被めっき物の表面に銅の無電解めっきを施すに際し、前記無電解めっき液にめっき促進剤として、金、ニッケル、パラジウム、コバルト及び白金などの金属の塩を、この無電解めっき液組成中の銅の塩に対して1モル%以下の量で添加する、無電解めっき方法。
【請求項2】 前記銅の析出量が前記無電解めっき液組成中の銅含有量の1重量%以上に達したときに、前記めっき促進剤としての金属の塩を再添加する、請求項1に記載した無電解めっき方法。
【請求項3】 前記金属の塩の再添加量を前記無電解めっき液組成中の銅の塩に対して1モル%以下とする、請求項2に記載した無電解めっき方法。
【請求項4】 前記無電解めっき液のpHを8〜12とする、請求項1に記載した無電解めっき方法。
【請求項5】 前記無電解めっき液の温度を20〜60℃とする、請求項1に記載した無電解めっき方法。
【請求項6】 活性化処理された被めっき物の表面に銅の無電解めっきを施すために、銅の塩、キレート剤及び還元剤のほかに、無電解めっきの促進剤として、金、ニッケル、パラジウム、コバルト及び白金などの金属の塩が、めっき液組成中の銅の塩に対して1モル%以下の量で添加されている、無電解めっき液。
【請求項7】 前記銅の析出量が前記無電解めっき液組成中の銅含有量の1重量%以上に達したときに、前記めっき促進剤としての金属の塩が再添加される、請求項6に記載した無電解めっき液。
【請求項8】 前記金属の塩の再添加量が前記無電解めっき液組成中の銅の塩に対して1モル%以下である、請求項7に記載した無電解めっき液。
【請求項9】 前記無電解めっき液のpHが8〜12とされる、請求項6に記載した無電解めっき液。
【請求項10】 前記無電解液の温度が20〜60℃とされる、請求項6に記載した無電解めっき液。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電解めっき方法及び無電解めっき液に関し、例えば半導体集積回路装置において、接続孔又は配線孔への銅めっきによる銅配線を行うのに好適なめっき方法及びめっき液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ウエハ上に形成する高密度集積回路(以下、半導体装置と称する。)の微細な配線の材料として、アルミニウム系合金が用いられている。しかし、半導体装置の高速化をさらに高めるためには、配線用材料として、より比抵抗の低い銅や銀等を用いる必要がある。
【0003】特に、銅は、比抵抗が1.8μΩ−cmと低く、半導体装置の高速化に有利な上に、エレクトロマイグレーション耐性がアルミニウム系合金に比べて一桁程高いため、次世代の材料として期待されている。
【0004】ところで、半導体装置には、素子間や多層配線間を電気的に接続するコンタクトホール或いはビアホール(以下、接続孔と称する。)が多数形成されている。通常、接続孔は、層間絶縁層に開口部を形成し、そこに導電材料を埋め込むことにより形成される。
【0005】近年、その層間絶縁層に溝部を形成し、銅で溝部を埋め込むことで溝配線を形成するシングルダマシン法、或いは、銅で溝部及び溝部の底部に設けられた開口部を埋め込むことで溝配線と接続孔を一体に形成するデュアルダマシン法が実用化されつつある。
【0006】接続孔に銅を精度良く埋め込む方法としては、電解めっき法が近年注目されている。電解めっき法によって形成した銅膜は、膜中の不純物濃度が低く、抵抗も低いため、半導体装置の高速化に有利である。しかし、銅の接続孔への埋め込み性は、電解めっき法によって銅層を形成する際に、必要とされる下地層(シード層)のステップカバレッジ(段差被覆性)に大きく依存する。即ち、電解めっき法によって接続孔を埋め込む際には、シード層のステップカバレッジが十分に良好であることが要求される。
【0007】従来は、シード層として、スパッタ法により形成された厚さ100nm程度の銅層が用いられている。しかし、スパッタ法によって形成されるシード層のステップカバレッジはあまり良くなく、接続孔内に均一にシード層を形成することが困難であることが多い。更に、接続孔のアスペクト比(接続孔開口部径と深さの比)が1:5以上になると、均一なステップカバレッジはほぼ不可能となる。
【0008】そこで、銅の無電解めっき(化学還元めっき)によりシード層を形成し、ステップカバレッジを改善する試みがなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、銅の無電解めっきは、銅自体の触媒性が低いため、シード層として必要な膜厚を形成することが困難であったり、無電解めっき液の寿命が短いという問題がある。更に、銅の粒子は粗いため、形成された膜内部の銅粒子間に微少なボイド(空洞部分)ができてしまう問題がある。
【0010】そこで本発明の目的は、半導体装置の接続孔の如きアスペクト比の大きい部分でも、銅を用いた良質な成膜が可能な無電解めっきによるめっき方法及びめっき液を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、銅の塩と、キレート剤と、還元剤とを含む無電解めっき液を用い、活性化処理された被めっき物の表面に銅の無電解めっきを施すに際し、前記無電解めっき液にめっき促進剤として、金、ニッケル、パラジウム、コバルト及び白金などの金属の塩を、この無電解めっき液組成中の銅の塩に対して1モル%以下の量で添加する、無電解めっき方法(以下、本発明のめっき方法と称する。)に係るものである。
【0012】本発明のめっき方法によれば、めっき促進剤として金、ニッケル、パラジウム等、触媒性の高い金属の塩を、無電解めっき液組成中の銅の塩に対して1モル%以下と特定の量で添加するので、無電解めっきの初期段階において、銅が析出する前に銅よりも触媒性の高い上記金属(めっき促進剤)が被めっき物の表面に適量析出し、この上に銅を析出させることができる。従って、銅が均一に析出することになり、良質な銅のめっき膜を形成することができる。これとは逆に、上記めっき促進剤を添加しない場合には、銅めっき膜がボイドを生じて均一に析出せず、また添加量が1モル%を超えると、銅めっき膜が異常析出し、いずれにしても均一な銅めっきを施すことができない。
【0013】また、本発明は、上記めっき方法の実施に好適なめっき液として、活性化処理された被めっき物の表面に銅の無電解めっきを施すために、銅の塩、キレート剤及び還元剤のほかに、前記無電解めっきの促進剤として、金、ニッケル、パラジウム、コバルト及び白金などの金属の塩が、めっき液組成中の銅の塩に対して1モル%以下の量で添加されている、無電解めっき液(以下、本発明のめっき液と称する。)も提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0015】上記した本発明のめっき方法及びめっき液においては、上記した作用効果を確実に得る上で、銅の塩に対して1モル%以下でめっき促進剤としての金属の塩を添加することが望ましい。また、前記銅の析出量が前記無電解めっき液組成中の銅含有量の1重量%以上に達したときに、前記めっき促進剤としての金属の塩を再添加すると、めっき液中のめっき促進剤の含有量を同等に維持し、めっき液の寿命を延ばし、繰返し使用に有利となる。
【0016】この場合、前記金属の塩の再添加量を前記無電解めっき液組成中の銅の塩に対して、上記と同様に1モル%以下とすることが望ましい。
【0017】そして、前記無電解めっき液のpHを8〜12とし、無電解めっき液の温度を20〜60℃とすることが望ましい。
【0018】次に、上記した本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に更に詳細に説明する。
【0019】まず、半導体装置の製造において銅の無電解めっきを行うに際しては、図1に示すように、接続孔であるホール6の底の銅配線2の表面に、また図2に示すように、更にホール6の壁面には、それぞれバリア層3、5としての窒化タンタルが予め設けられている。
【0020】即ち、ウエハ1上にエッチング法等によって形成した銅配線2上にSiO2 などの絶縁層4を積層後、更にエッチング等により接続孔6を形成し、この上にバリア層が形成されたものである。
【0021】しかし、これらのバリア層には、前プロセスである真空装置又は及びクリーンルームの空気中に僅かに含まれる有機ガスに起因する有機系の汚染物質が単分子的に吸着していることが多い。
【0022】従って、無電解めっき法により銅の配線層を形成するためには、被めっき表面(バリア層表面)上に触媒性の高い金属、例えばPd等を用いて、以下の■〜■に示すような方法で触媒化処理(前処理)を施すことが望ましい。
【0023】■有機物除去UV/O3 (紫外線/オゾン)処理、プラズマアッシング、O3 水処理等により被めっき表面の有機物による汚染物を除去する。
■親水化処理バリア層のメタルあるいは酸化物の表面を水中で酸化することにより親水化し、表面に−OH基を形成する。処理方法としては、■で記したO3 水処理や、硫酸過水処理、次亜塩素酸処理、アンモニア過水処理、過マンガン酸アンモニウム処理等、親水化処理ができる方法であればよい。
■カップリング処理シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用い、次工程の触媒処理用Pd(パラジウム)コロイドと被めっき表面を接着させる。シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等は、■の処理で形成された−OH基とを配位結合し、さらに、次工程の触媒化用Pdコロイドと共有結合し、両者の接着力を強める働きをすることができる。
■触媒処理シップレー社製のCatalyst9F、Enthone OMI社製のEnplate Activator444等を用い、被めっき表面にPd等の触媒作用の強い金属のコロイドを定着させる。
■活性化処理シップレー社製のAccelerator19 、Accelerator240等を用い、■で定着させたPdコロイドの表面を活性化し、Pdの表面を露出させる。この露出したPd上に還元された銅が析出することができる。
【0024】生産レベルのウエハ表面には元々、単分子膜以上の有機汚染物質は付着していないので、上記したバリア層の付着有機物質を除去する処理には、例えばスピンカップを用いて0.5ppm以上、望ましくは5〜15ppm濃度の室温のオゾン水を、1〜30l/分の流量で、10秒〜20分程度のウエット処理すればよい。この場合、超音波をかければ、より効果的であり、処理時間を短縮することができる。この有機汚染物質の除去は、これ以外にも紫外線照射下でのオゾン水処理、酸素プラズマアッシング処理などのドライ処理を予め行ってもよい。
【0025】上記の水酸化処理においては、図2に示すバリア層5やホール6の底の配線2を構成する金属又は/及びその化合物の表面を水中で酸化することにより親水化し、その表面に有効に−OH基を形成するために行う。従って、オゾン水処理であれば、前記有機物質除去処理と同時に反応が起きるものが最も望ましいが、前記有機物質除去処理がドライ処理の場合は同様にオゾン水処理、硫酸過水処理、次亜塩素酸処理、過マンガン酸アンモニウム処理など、バリア層を構成する金属又はその化合物層を酸化できる能力を持つ物質又は処理法であれば何でもよい。
【0026】前記水酸化処理によって形成された−OH基とカップリング剤を反応させて化学結合させる処理は、シランカップリング剤又はチタンカップリング剤を用いてよいが、これは、炭化水素の分子鎖中又は/及びそのSi又はTi原子と反対側の末端にアミノ基やチオール基など、次プロセス中で使用されるPdコロイド触媒を保護している例えばスズと配位結合する能力を持つものがよい。
【0027】また、シランカップリング又はチタンカップリング処理された表面は同分子の大きさの分だけ凹凸ができ、粗面化される。従って、この処理をされた表面に次プロセスの触媒金属のコロイドが吸着される程度の親水性を保つことができれば十分である。このようなシランカップリング剤又はチタンカップリング剤は、分子鎖中又は末端に−OH基、−COOR基、−OR基等(Rはアルキル基)を含むものに代表される。
【0028】塩化第一スズで保護した触媒金属、例えばパラジウムのコロイド溶液での処理によって、前記シランカップリング剤又は前記チタンカップリング剤中のアミノ基又はチオール基に前記パラジウムコロイドの保護剤である塩化第一スズのスズ原子を配位結合させ、前記パラジウムコロイドを結合させることがよい。
【0029】即ち、塩化第一スズで保護したPdコロイド溶液を上記したカップリング処理後のウエハ1に作用させ、ウエハ1上のシランカップリング剤又はチタンカップリング剤のアミノ基又はチオール基にPdコロイドのスズ原子を配位結合させることによって、Pdコロイドを強固に結合させることができる。
【0030】この場合、上記したシップレー社製のキャタリスト9FのようなPdコロイド触媒であれば何でもよいが、半導体プロセスに使用するので、Pdコロイドを保護している保護剤が塩化第一スズであるPdコロイド触媒が好ましい。
【0031】そして、HBF4 (フッ化ホウ素)やH2 SO4 (硫酸)などの水溶液により、ウエハ1の表面に配位結合していない余剰の塩化第一スズを洗い流して除去し、Pdを露出させて前処理を終了する。
【0032】この洗浄除去には、上記したシップレー社製のアクセレレータ(Accelerator)19のようなHBF4 を含む活性化剤が、品質、性能上は最も好ましい。一方、同様にアクセレレータ240のような硫酸系の活性化剤は、品質、性能上はやや難点があるものの環境上はより好ましい。
【0033】Pdコロイド溶液をウエハ1に作用させただけのものはPdコロイドは吸着しているだけであるので、活性化処理を超音波をかけながら行うことはできず、超音波処理を行った場合はPdが除去されてしまう問題がある。しかし、上記のように−NH2 基や−SH基をを含むシランカップリング剤はチタンカップリング剤で予め処理し、その後Pdコロイドを配位結合させた場合は、Pdが表面に化学結合しているため強固に付着しており、超音波をかけながら活性化処理が可能となる。この場合、アスペクト比が1:4以上と高く、直径がφ0.3μm以下の小さいブラインドホールでも、十分効果的に処理され、φ0.18μm、アスペクト比1:10のホール内でも均一にめっきすることができる。
【0034】以上の前処理工程は同一カップ内で行い、そのためには同一カップ内で多くの処理が可能なスピンカップ装置が好ましいが、ディッピング槽タイプを使用することもできる。
【0035】上記した無電解めっきの前処理は、上記の如き半導体ウエハの配線プロセスだけでなく、あらゆる金属、無機物の表面処理に応用可能であり、粗面化処理なしに強固で精密な被覆力の高いめっきを実現することが可能である。
【0036】この場合、銅又はニッケルの塩と、グリシンなどの両性イオンタイプのキレート剤と、コハク酸アンモニウムなどのアンモニウム塩型のキレート剤と、次亜リン酸アンモニウムなどの還元剤と、非イオン系、カチオン系又はアンモニウム塩型のアニオン系界面活性剤とを含む無電解めっき液を用いるのがよい。
【0037】即ち、ニッケル又は銅塩(塩化物、硫酸塩など)、グリシンなどの両性イオンタイプのキレート剤とコハク酸やリンゴ酸アンモニウムなどアンモニウム塩型のキレート剤を混合してアンモニア水でpH調整し、次亜リン酸アンモニウム又は次亜リン酸、水素化硼素アンモニウムやヒドラジン、ホルマリンなどアルカリ金属イオンを含まない還元剤からなる無電解めっき液を用い、界面活性剤としては、非イオン系、カチオン系又はアンモニウム塩型のアニオン系活性剤を使用することができる。
【0038】以上の前処理を行った後、半導体装置を本発明に基づく銅の無電解めっき液に浸漬する。その無電解めっき液の組成は以下の如くであるのが望ましい。
【0039】塩化銅(銅の塩):5〜50g/l、例えば10g/l(硫酸銅、硝酸銅、スルファミン酸銅でもよい)
塩化ニッケル(めっき促進剤):塩化銅の1モル%以下、例えば1モル%(硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、スルファミン酸ニッケルでもよい)
エチレンジアミン(キレート剤):20〜40g/l、例えば30g/l(EDTA(エチレンジアミン四酢酸)でもよい)
硝酸コバルト(還元剤):25〜250g/l、例えば40g/l但し、かっこ内に記した薬品に関しては、使用する際にそれぞれ塩化銅あるいはエチレンジアミンのモル数に合った重量を設定する必要がある。
【0040】また、上記めっき液の温度は20〜60℃、例えば50℃で、pHは8〜12、例えば9であることが望ましく、この範囲でめっきを行うことによって膜の剥がれ、異常析出(被めっき表面以外の場所、例えばめっき槽内壁への析出)、沈澱等をなくし、安定した銅のめっき膜を形成することができる。
【0041】上記しためっき液組成において、Ni(ニッケル)の塩を1モル%以下と微量添加したが、この添加量は均一な無電解銅めっきを実現する上で適切なものであり、これにより、緻密なめっき膜が形成されると共にボイドがなくなり、無電解めっき液自体の寿命も延ばす効果がある。めっき膜の膜質は、ニッケルの塩の添加量により左右されることが本発明者によって明らかにされたのである。
【0042】即ち、ニッケルの塩を全く添加しない場合は、図6に示すように、バリア層5上のPd触媒層にアイランド状に析出した銅を核にして粒状に銅9が成長していく。その結果、銅の粒状物9と9との間にボイドができてしまい、緻密なめっき膜を形成することができず、明らかに密着性も悪い。
【0043】また、ニッケルの塩の添加量を無電解めっき液中の銅の塩に対して1モル%よりも多くした場合には、図7に示すように、成膜された銅めっき膜7の表面に銅の異常析出物9’が生じ実用的ではない。
【0044】しかし、ニッケルの塩を無電解めっき液中の銅の塩に対して1モル%以下と特定の分量だけ添加すると、図3に示すように、ボイドのない緻密な膜を得ることができる。これは、Niが銅よりも高い触媒能力を有しているため、無電解めっき初期にPd触媒層に対して全面均一にNiが析出しやすいことに起因する。
【0045】この場合、図6に示すようにアイランド状に銅の核9ができるのとは異なり、Pd触媒層上に均一に銅の析出を開始する。そして、そこから銅が柱状に成長し、結果的にボイドのない銅めっき膜7を得られる。
【0046】また、ニッケルの塩を上記のように無電解めっき液中に微量添加をすることで、触媒活性化効果によってめっき液の寿命を延ばし、更に、成膜速度を大きくすることができる。
【0047】例えばNiの塩を無電解めっき液中の銅の塩の1モル%添加した場合と、全く添加しない場合とを比較すると、次のようになる。
添加なし 寿命:250cm2 /l(100nm成膜)、 成膜速度:15nm/min 添加あり 寿命:550cm2 /l(100nm成膜)、 成膜速度:30nm/min【0048】これらの結果から寿命及び成膜速度がNiの塩の添加により、無添加の場合の2倍以上になっていることがわかる。
【0049】更に、図3に示すような均一な銅めっき膜7を形成するためのNi塩の微量添加の効果は、無電解めっき液中の銅含有量の1重量%以上が析出する段階から徐々に減少してくる。
【0050】そこで、Niの塩を初期と等量(即ち、1モル%以下)だけ無電解めっき液へ再添加することにより、再度触媒活性効果により、継続してボイドのない均一な銅を析出させることができる。このNi塩の再添加は、効果の続く限り繰り返せるが、その回数は元の無電解めっき液の組成に依るところが大きい。
【0051】上記した如く、キレート剤、還元剤(次亜リン酸の時)、界面活性剤(アニオン系の時)には全てアンモニウム塩を使用し、pH調整にはアンモニア水を使用するが、下記のような組成でも使用可能である。
塩化銅 10〜100g/l (硫酸銅やスルファミン酸銅でもよい)
グリシン 2〜50g/l (他のアミノ酸等両性イオンタイプのキレート剤)
コハク酸アンモニウム 2〜50g/l (リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、ギ酸等のアンモ ニウム塩)
次亜リン酸アンモニウム 2〜50g/l (次亜リン酸、ホルマリン、ヒドラジン、水素化硼 素アンモニウム等)
アンモニア水 5〜200ml/l (pHを8〜12の範囲で必要な値に合わせる)
ラウリル硫酸アンモニウム0.1〜20mg/l (pHが酸性ではカチオン、アルカリ性ではアニオ ン活性剤、又は双方で非イオン活性剤が使用でき る。)
【0052】また、上記した各無電解めっき液として、めっき(反応)促進剤であるニッケル、コバルト、パラジウム、金などの触媒性を持つ金属の塩の添加量は銅の塩の1モル%以下とするのがよい。
【0053】そして、前記したように各工程中、少なくともウエットな状態での処理を超音波の作用下で行うことが効果的であり、そのためには、例えばスピンカップタイプ又はディッピング槽タイプの装置を用いて前記各工程を同一チャンバー内で行い、被めっき体を回転させながら処理液を分布させるか、或いは、被めっき体を処理後に浸漬させ、更に、前記被めっき体を所定温度に加熱するのがよい。
【0054】そして、前記処理後の洗浄に、溶存酸素が1%以下である洗浄水又は液建水を用いることが望ましい。即ち、洗浄水及び液建て水として、溶存酸素を1%以下に低下させて用いることにより、めっき膜の酸化を防ぎ、電導率を高くすることができる。また、前記無電解めっき後にベーキング処理することが好ましい。
【0055】上記した本発明に基づくめっき方法及びめっき液により、前記孔の径を0.25μm以下、アスペクト比を5以上とすることができ、孔の径では0.13μm、アスペクト比では10以上の実績も得られており、更にこれ以上の可能性がある。例えば、接続孔のアスペクト比が1:10(例えば、開口径0.1μm、深さ1μm)の場合においても、ステップカバレッジの良好で均一な銅の層を形成することができる。
【0056】上記した本実施の形態は、触媒活性化効果のためにNiの塩を添加したが、銅よりも触媒活性度の高い金、パラジウム、コバルト、白金等の金属の塩を添加した場合も、同様の効果を得ることができる。
【0057】また、シード層として上記した無電解めっきで銅の層7を形成するばかりではなく、図4に示すように、接続孔すべてを銅めっき膜10で埋め込んでしまうことも可能である。この場合、図5に示すように、上部を研磨して、完全に埋め込まれた平坦な銅配線10Aを形成することができる。その場合は、電解めっきによる銅よりも無電解めっきによる銅の方が硬く、エレクトロマイグレーションに対する耐性も強化することができる。
【0058】更に、半導体装置ばかりではなく、回路基板用の銅配線にも利用できると共に現在、一般的に使用されている、人体及び環境への影響があるとされるホルマリン系を還元剤とする無電解めっき液に置き換えることができる。
【0059】上記した実施の形態によれば、めっき促進剤として、銅よりも触媒能力の高いニッケルの塩が銅の塩にたいして適量に添加されるので、ボイドのない緻密な銅の膜を無電解めっきにより形成することができ、下記の如き効果を得ることができる。
■半導体装置の接続孔への銅によるシード層形成及び銅埋め込みを、ボイドの発生なしに均一に形成することができると共に、被めっき表面への密着性も向上する。
■Ni塩の微量添加により無電解めっき液の寿命および成膜速度を2倍以上に向上させることができる。
■無電解めっきの寿命の途中でNiの塩を再添加することにより、めっき液寿命を延ばし、継続使用が可能となる。
■無電解めっきによる銅のシード層形成および銅埋め込みであるため、電解めっきに比べて膜が硬く、エレクトロマイグレーションに対する耐性が強まる。
■ホルマリンを還元剤とする無電解めっき方法ではないため、人体および環境への影響が少なく、回路基板用の銅配線等にも応用できる。
【0060】上記した実施の形態は本発明の技術的思想に基づいて種々変形することができる。
【0061】例えば、上記した銅の塩、めっき促進剤、還元剤、キレート剤等のめっき液成分、更には上記した前処理剤等は上記に限らず、上記と同等の能力を有するものを用いることができる。また、無電解めっきの対象は、半導体ウエハの集積回路のデュアルダマシン、シングルダマシンに限らず、他の種々の配線、更には全ての被めっき物に適用することができる。
【0062】
【発明の作用効果】上述した如く、本発明は、銅の塩と、キレート剤と、還元剤とを含む無電解めっき液を用い、活性化処理された被めっき物の表面に銅の無電解めっきを施すに際し、前記無電解めっき液にめっき促進剤として、金、ニッケル、パラジウム、コバルト及び白金などの金属の塩を、この無電解めっき液組成中の銅の塩に対して1モル%以下と特定の量で添加するので、無電解めっきの初期段階において、銅が析出する前に銅よりも触媒性の高い上記した金やニッケル等の金属(めっき促進剤)が被めっき物の表面に適量析出し、従って、この上に銅が均一に析出し、良質な銅のめっき膜を形成することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013