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真空蒸着装置 - ソニー株式会社
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発明の名称 真空蒸着装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−20061(P2001−20061A)
公開日 平成13年1月23日(2001.1.23)
出願番号 特願平11−193544
出願日 平成11年7月7日(1999.7.7)
代理人 【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4K029
5D112
【Fターム(参考)】
4K029 AA11 AA25 CA02 DA00 DA06 JA10 
5D112 AA05 AA22 FA02 FB05 FB20 FB24 FB25 FB28 GA02
発明者 島貫 誠 / 小松 直史 / 蟻坂 裕一 / 立花 淳一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 真空槽と、テープ状の被蒸着体を供給する供給ロールと、上記被蒸着体を外周部に走行させる冷却ロールと、蒸着処理が施された被蒸着体を巻き取る巻取ロールと、金属蒸気を発生する蒸発源と、この蒸発源を加熱する加熱手段と、上記冷却ロールの外周部の一部を上記蒸発源に臨ませることによって蒸着部位を構成するシャッタ部材と、上記蒸着部位の近傍に配置されて上記金属蒸気にガスを導入するガス導入部とを備え、上記冷却ロールの外周部を走行する上記被蒸着体の表面に金属薄膜を形成する真空蒸着装置において、上記ガス導入部は、ガス流路が形成された導入管本体と、この導入管本体に接続されて上記ガス流路にガスを供給するガス供給管と、上記冷却ロールの蒸着部位に対して被蒸着体の蒸着終点側と対向して上記導入管本体に設けられ上記金属蒸気にガスを吹き出す吹出口を有する吹出部とからなり、上記吹出部には、上記ガスが吹き込まれた上記金属蒸気の上記被蒸着体への蒸着を規制する庇状の規制凸部が設けられたことを特徴とする真空蒸着装置。
【請求項2】 ガス流路が形成された導入管本体と、この導入管本体に接続されて上記ガス流路にガスを供給するガス供給管と、上記導入管本体の冷却ロールの外周部と対向する部位に設けられ上記金属蒸気にガスを吹き出す吹出口を有する吹出部とからなる第2のガス導入部を備え、上記第2のガス導入部は、上記吹出部が第1のガス導入部に対向する上記冷却ロールの蒸着部位の蒸着始点側に位置して設けられていることを特徴とする請求項1記載の真空蒸着装置。
【請求項3】 上記第2のガス導入部は、上記ガス供給管が一端を回動自在に支持された支持部材に組み込まれて上記冷却ロールの蒸着部に対する上記吹出口の対応位置を調整されることによって、上記金属蒸気へのガス吹込みを調整することを特徴とする請求項2記載の真空蒸着装置。
【請求項4】 上記支持体は、冷却機構を備えることを特徴とする請求項3記載の真空蒸着装置。
【請求項5】 真空槽と、供給ロールと、巻取ロールと、冷却ロールと、金属蒸気を発生する蒸発源と、上記蒸発源を加熱する加熱手段と、上記金属蒸気にガスを導入する第1のガス導入部と、上記金属蒸気にガスを導入する第2のガス導入管とを備え、上記第1のガス導入部は、上記冷却ロールに沿って定方向に走行し金属蒸気を被着される蒸着領域を通過する被蒸着体の蒸着終点側にあって、上記吹出口を上記金属蒸気に対向するように付設され、上記第2のガス導入部は、ガス流路が形成された導入管本体と、この導入管本体に接続されて上記ガス流路にガスを供給するガス供給管と、上記導入管本体の冷却ロールの外周部と対向する部位に設けられ上記金属蒸気にガスを吹き出す吹出口を有する吹出部とからなり、上記冷却ロールに沿って定方向に走行し金属蒸気を被着される蒸着領域を通過する被蒸着体の蒸着始点側にあって、上記吹出口を上記金属蒸気に対向するように付設されていることを特徴とする真空蒸着装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空槽内にテープ状の被蒸着体を走行させてその表面上に蒸着法によって薄膜を成膜形成する真空蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、例えば、ハイビジョンビデオテープレコーダやデジタルビデオテープレコーダに代表されるビデオテープレコーダ等の分野において、高画質化を図るための高密度記録化が一層強く要求されている。この要求に応える磁気記録媒体としては、直接、非磁性支持体上に金属磁性材料を被着させて磁性層を形成する、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が用いられる。金属磁性薄膜型の磁気記録媒体の製法には、真空蒸着法,スパッタリング法及びイオンプレーティング法等の真空薄膜形成技術やめっき等がある。
【0003】金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保磁力、角形比及び短波長領域における電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層の薄膜化が可能であり、加えて塗布型の磁気記録媒体のように結合剤等の非磁性材料を磁性層に含ませる必要がないことから磁性材料の充填密度を高くできること等の数々の利点を有している。中でも真空蒸着法によって磁性層が形成される蒸着型磁気テープ(以下、蒸着テープという。)は、生産効率が高く特性も安定していることから、既に実用化されている。
【0004】蒸着テープは、一般に真空槽内に非磁性支持体を案内する冷却ロールと、蒸着源となる磁性材料と、蒸着源を加熱するための加熱手段等を有する真空蒸着装置内において、非磁性支持体表面に磁性層が成膜形成されてなるものである。真空蒸着装置は、蒸着源となる磁性材料を、電子線の照射等によって金属蒸気とし、冷却ロールの外周面に沿って走行する非磁性支持体上に入射させることによって蒸着膜を形成する。
【0005】蒸着テープにおいて、金属磁性薄膜の磁気特性は、金属粒子の非磁性支持体への入射角によって大きく影響される。通常、真空蒸着装置は、回転する冷却ロール上を走行する非磁性支持体に対して、金属蒸気が斜めに入射できるように蒸着範囲が制限されている。そのため、真空蒸着装置には、冷却ロール近傍に非磁性支持体の所定領域を覆うシャッタが備えられている。
【0006】また、真空蒸着装置は、磁性層の保磁力を向上させたり、飽和磁束密度等の磁気特性を向上させるために、非磁性支持体の幅方向に沿ったスリット状の吹出口を有するガス導入管を備えている。真空蒸着装置は、ガス導入管を通じて供給される酸素ガスを金属蒸気に吹き付けることによって金属蒸気を適度に酸化している。このガス導入管は、冷却機構を備えたシャッタに取り付けられ、高温の金属蒸気による熱変形が防止されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】蒸着テープは、上述した方法のように金属蒸気中に酸素ガスを導入して金属蒸気が酸化された状態で蒸着されるが、磁性層の保磁力並びに飽和磁束密度等の磁気特性を向上させるためには金属蒸気が所定量に酸化されて非磁性支持体上に蒸着されることが望ましい。また、蒸着テープは、金属蒸気が磁性層を成膜形成する際に、金属酸化物が一様に分布していることが望ましい。
【0008】真空蒸着装置は、非磁性支持体が、冷却ロールに案内されて金属蒸気の蒸着領域を走行している間に金属蒸気を蒸着して薄膜を成膜形成する。従来の真空蒸着装置は、冷却ロール上を走行する非磁性支持体上の任意の箇所が蒸着領域に接近して蒸着を開始される蒸着領域の一端を蒸着始点とし、この任意の箇所が冷却ロール上を走行して蒸着領域から脱する他端を蒸着終点とすると、ガス導入管が蒸着終点側に設けられている。
【0009】従って、従来の真空蒸着装置においては、蒸着終点側の金属蒸気に高濃度の酸素ガスが吹き込まれて金属酸化物を多く含む組成となっている。また、真空蒸着装置においては、吹き込まれる酸素ガスが金属蒸気内を通過して蒸着始点側まで十分に達しないために、蒸着始点側の金属蒸気が蒸着終点側の金属蒸気に比べて金属酸化物の割合が少ない組成となっている。
【0010】つまり、従来のガス導入管を備えた真空蒸着装置では、冷却ロール上を走行している非磁性支持体に対して、蒸着の初期段階に酸化成分の少ない金属蒸気を被着させるとともに、蒸着の終了段階に酸化成分の多い金属蒸気を被着させて薄膜を形成していた。従って、蒸着テープは、非磁性支持体上に金属蒸気を被着されてなる磁性層が、内部に金属酸化物をほとんど含有せず、表面に金属酸化物を過剰に含有する不均一な膜層となっていた。蒸着テープは、その結果、良好な磁性層の保磁力及び飽和磁束密度等の磁気特性を得難く、電磁変換特性が不安定な金属磁性薄膜となるという問題点があった。
【0011】そこで、本発明は、上述した従来の真空蒸着装置の問題点を解決し、表面酸化及び内部酸化を制御可能とし、均一な磁性層を成膜形成可能な真空蒸着装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本発明に係る真空蒸着装置は、真空槽と、テープ状の被蒸着体を供給する供給ロールと、上記被蒸着体を外周部に走行させる冷却ロールと、蒸着処理が施された被蒸着体を巻き取る巻取ロールと、金属蒸気を発生する蒸発源と、この蒸発源を加熱する加熱手段と、上記冷却ロールの外周部の一部を上記蒸発源に臨ませることによって蒸着部位を構成するシャッタ部材と、上記蒸着部位の近傍に配置されて上記金属蒸気にガスを導入するガス導入部とを備え、上記冷却ロールの外周部を走行する上記被蒸着体の表面に金属薄膜を形成する真空蒸着装置において、上記ガス導入部は、ガス流路が形成された導入管本体と、この導入管本体に接続されて上記ガス流路にガスを供給するガス供給管と、上記冷却ロールの蒸着部位に対して被蒸着体の蒸着終点側と対向して上記導入管本体に設けられ上記金属蒸気にガスを吹き出す吹出口を有する吹出部とからなり、上記吹出部には、上記ガスが吹き込まれた上記金属蒸気の上記被蒸着体への蒸着を規制する庇状の規制凸部が設けられているものとする。
【0013】また、上記真空蒸着装置には、ガス流路が形成された導入管本体と、この導入管本体に接続されて上記ガス流路にガスを供給するガス供給管と、上記導入管本体の冷却ロールの外周部と対向する部位に設けられ上記金属蒸気にガスを吹き出す吹出口を有する吹出部とからなる第2のガス導入部を備え、上記第2のガス導入部は、上記吹出部が第1のガス導入部に対向する上記冷却ロールの蒸着部位の蒸着始点側に位置して設けられるものとする。また、上記第2のガス導入部は、上記ガス供給管が一端を回動自在に支持された支持部材に組み込まれて上記冷却ロールの蒸着部に対する上記吹出口の対応位置を調整されることによって、上記金属蒸気へのガス吹込みを調整するものとする。また、上記支持体は、冷却機構を備えるものとする。
【0014】以上のように構成された本発明に係る真空蒸着装置は、第1のガス導入部に備えられた庇状の規制凸部によって、第1のガス導入管のガス吹出口周辺にあって、周囲の金属蒸気よりもガスを過剰に含む金属蒸気が被蒸着体上に被着されるのを規制する。また、真空蒸着装置は、第2のガス導入部を備えることによって、蒸着始点側の金属蒸気内にまで十分にガスを分散できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る真空蒸着装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明を適用した第1の実施の形態である真空蒸着装置1は、図1及び図2にその具体的な構成を示すように、例えば、テープ状の非磁性支持体2の表面に、蒸着法により金属磁性薄膜を形成するものである。
【0016】真空蒸着装置1は、真空槽3内に、供給ロール4と、巻取ロール5と、冷却ロール6と、回動ロール7,8とを備え、ルツボ9内に充填された蒸着源10を電子銃11から照射される電子線12によって加熱して金属蒸気13とし、蒸着領域14の範囲で非磁性支持体2上に金属蒸気13を蒸着するものである。
【0017】真空槽3は、真空引きによる槽壁の歪み等により各部の組立状態に影響が生じないような構造とされ、図示しない真空ポンプによって内部を約10-3〜10-4Pa程度の高真空状態に保たれている。
【0018】供給ロール4及び巻取ロール5は、非磁性支持体2の幅と略同長を有する円筒状であり、非磁性支持体2を供給,巻取する。非磁性支持体2は、真空槽3に支架された支軸4a及び5aに回転自在に軸装され、供給ロール4から繰り出されて冷却ロール6を経由して巻取ロール5に順次巻き取られる。
【0019】冷却ロール6は、非磁性支持体2の幅と略同長を有する円筒状であり、真空槽3に支架された支軸6aに回転自在に軸装され、供給ロール4及び巻取ロール5のロール径よりも大径とされている。冷却ロール6は、外周面が鏡面研磨を施され、その外周面に非磁性支持体2を掛け合わせることによって、非磁性支持体2を定速走行させている。冷却ロール6の内部には、図示しない冷却装置が設けられている。冷却ロール6は、表面に金属蒸気13を蒸着される非磁性支持体2を冷却しながら定速走行させることによって、蒸着による非磁性支持体2の熱変形を抑制している。
【0020】回動ロール7,8は非磁性支持体2の幅と略同長を有する円筒状であり、真空槽3に支架された支軸7a及び8aに回転自在に軸装されている。回動ロール7は供給ロール4と冷却ロール6との間に、回動ロール8は冷却ロール6と巻取ロール5の間にあって、冷却ロール6に掛け合わされた非磁性支持体2を冷却ロール6に圧着するような向きに所定のテンションがかけられている。非磁性支持体2は、回動ロール7及び8によって、冷却ロール6上を撓むことなく順次走行するようにされている。
【0021】ルツボ9は、非磁性支持体2の幅と略同長を有し、その内部に金属磁性材料を蒸着源10として充填している。真空槽3には側壁部に、ルツボ9内に充填された蒸着源10を加熱蒸発させるための電子銃11が付設されている。電子銃11は、電子線12をルツボ9に向けて出射して、蒸発源10に照射するような角度にされている。ルツボ9は、電子線12によって加熱蒸発された蒸着源10が金属蒸気13となって、冷却ロール6上を走行する非磁性支持体2に対して、所定の蒸着領域14をもって蒸着できる位置に配設されている。
【0022】従って、真空槽3は、上述したようにルツボ9と電子銃11とをその内部に配置することによって、加熱蒸発された金属蒸気13を冷却ロール6の外周面に沿って定速走行する非磁性支持体2上に入射し、磁性層として被着形成するようになっている。
【0023】また、真空槽3には冷却ロール6の外周面に沿って定速走行する非磁性支持体2の一部を覆うように防着板15が設けられ、非磁性支持体2上に蒸着されてなる磁性層上に過剰に金属蒸気13が付着するのを規制している。この防着板15は、冷却ロール6と対向する面がこの冷却ロール6とほぼ同一の曲率をもつように湾曲され、冷却ロール6の外周面に沿って定速走行する非磁性支持体2の所定領域を覆うようにされている。この防着板15には、真空槽3の外部から酸素ガスを供給されて、金属蒸気13に酸素ガスを吹き付けるための第1の酸素ガス導入部16が取り付けられている。
【0024】第1の酸素ガス導入部16は、図2,図3及び図4に示すように、酸素流路形成部17と、酸素流路蓋部18と、酸素ガス供給管19と、ガス吹出口20を有するガス吹出部21と、庇状の規制凸部22とから構成され、全体形状が略直方体として形成され、その長手方向の長さを非磁性支持体2の幅とほぼ同寸法とする。第1の酸素ガス導入部16は、酸素流路形成部17と、酸素流路蓋部18とが銅パッキン23を介して、複数個のボルト24により固着され、更にガス吹出部21が、酸素流路形成部17と酸素流路蓋部18とに挟持されるようにして隙間無く組み付けられることで構成されている。
【0025】また、第1の酸素ガス導入部16は、冷却ロール6上を走行する非磁性支持体2上の任意の箇所が蒸着領域14に接近して蒸着を開始される蒸着領域14の一端を蒸着始点とし、この任意の箇所が冷却ロール上を走行して蒸着領域14から脱する他端を蒸着終点とすると、蒸着終点側にあって、ガス吹出口20を金属蒸気13に対向するように設置され、金属蒸気13に対して酸素ガスを吹き付ける。第1の酸素ガス導入部16は、ガス吹出口20の周囲にあって金属酸化物が過剰に含有される金属蒸気13を庇状の規制凸部22によって規制し、蒸着の最終段階に、金属酸化物を過剰に含有する金属蒸気13が非磁性支持体2上に被着され、非磁性支持体2表面に酸化層が形成されるのを抑制している。
【0026】酸素流路形成部17は、酸素流路形成部17と酸素流路蓋部18とが固着される表面に細溝として形成される酸素流路25を備える。
【0027】この酸素流路25は、複数の分岐箇所を経てガス吹出口20に至る細溝として形成されている。すなわち、酸素流路25となる細溝は、一端が外部から酸素ガスを供給するための酸素ガス供給管19の端部に連結し、他端が第1の酸素ガス導入部16の長手方向に沿って二方向に分岐され延長されている。酸素流路25は、二方向に分岐され延長される他端部が、それぞれ途中でガス吹出部21方向に曲折され延長されている。酸素流路25は、この曲折部から第1の酸素ガス導入部16の長手方向に沿って再び二方向に分岐され延長されている。二方向に分岐され延長された酸素流路25は、更に分岐と延長を繰り返し、最終的に16本の細管に分かれ、酸素流路25同士が互いに均等な間隔を持って、同じく酸素流路形成部17にある酸素溜まり26へと連通している。
【0028】酸素溜まり26は、酸素流路形成部17と酸素流路蓋部18とが固着され、ガス吹出部21が組み付けられることにより形成される空間部であり、第1の酸素ガス導入部16の長手方向に延在し、ガス吹出部21にあるガス吹出口20に導通している。酸素溜まり26には、上述の16本の酸素流路25が、互いに均等な間隔で第1の酸素ガス導入部16の長手方向に拡がりをもって導通されている。
【0029】酸素流路25が、酸素ガス供給管19より酸素ガスを供給されるとき、各分岐点から二方向に延長された各酸素流路に均等な圧力で酸素ガスが供給される。この酸素ガスは、16本の酸素流路25から均等な圧力で酸素溜まり26へと供給される。これにより、ガス吹出口20からは、その長手方向に均一な圧力で金属蒸気13に対して酸素ガスが吹き出すこととなる。
【0030】酸素流路25が、酸素ガス供給管19から供給される酸素ガスを、上述のように曲折と延長を繰り返すこと無く直接酸素溜まり26へと導出するような構造の場合、酸素ガスの圧力は、酸素溜まり26の長手方向の両末端では著しく低下するため、ガス吹出口20から不均一に吹き出すこととなる。
【0031】また、酸素流路形成部17は、第1の冷媒流路27を有している。この第1の冷媒流路27は、酸素流路25が形成されている面とは反対面に、幅広な溝として形成され、酸素流路形成部17と熱遮蔽板28とが組み合わされることによって形成される。
【0032】第1の酸素ガス導入部16において、酸素流路蓋部18は、凸形部材29を備え、酸素流路蓋18表面を凹凸構造とすることによって、蒸着中に酸素流路蓋18表面に堆積する付着物が落下しないような構造とされている。また、酸素流路蓋部18は、第2の冷媒流路30を有している。
【0033】第2の冷媒流路30は、冷媒供給管31と冷媒移出管32とを備え、接続管33を介して第1の冷媒流路27と接続されている。また、第2の冷媒流路30は、図示しない外部の冷却装置から供給される冷媒が接続管33を介して第1の冷媒流路27と第2の冷媒流路30との内部を循環することによって、酸素流路形成部17と酸素流路蓋部18とを所望の温度に冷却することができる。また、第1の酸素ガス導入部16において、ガス吹出部21は、図5乃至図7に示すように、第1の吹出口形成板34と、第2の吹出口形成板35と、これら第1の吹出口形成板34及び第2の吹出口形成板35を接続する複数個の接続ピン36と、第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35とを所定間隔に保つために接続ピン36によって接続される部位に配されたスペーサ37とから構成される。第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35とが所定の間隔を持って突き合わされることによって、第1の酸素ガス導入部16の長手方向に延在するスリット状のガス吹出口20が形成されている。
【0034】ガス吹出口20は、非磁性支持体2の幅と略同寸法とされ、酸素ガスが非磁性支持体2の幅に均一に吹き付けられるようになっている。ガス吹出部21は、上述した酸素流路形成部17と酸素流路蓋部18とが組み合わされることにより形成される前面部と略同寸法の幅及び長さを有している。このため、このガス吹出部21は、酸素流路形成部17と酸素流路蓋部18とに隙間無く取り付けられることとなる。
【0035】この第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35とは、図5に示すように、それぞれ所定の角度に形成された傾斜面38及び39を有して形成されている。このため、ガス吹出口20は、第1の酸素ガス導入部16の前面に対して所定の角度をもって形成されることとなる。
【0036】具体的に、これら第1の吹出口形成板34及び第2の吹出口形成板35は、例えば、ステンレス鋼からなり、略直方体のステンレス鋼を切削加工することにより形成される。この切削加工は、ステンレス鋼の長手方向と平行に、所定の角度となるように行われる。これにより、これら第1の吹出口形成板34及び第2の吹出口形成板35には、それぞれ傾斜面38及び39が形成されることとなる。
【0037】第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35とにそれぞれ形成された傾斜面38及び39は、第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35とを正確に突き合わせた状態で平行な面となる。これにより、傾斜面38及び39を突き合わせてなるガス吹出口20の間隔を、ガス吹出口20の幅方向で均一にすることができる。
【0038】また、ガス吹出部21には、ガス吹出口20の間隔を所定の値とするため、第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35との間にスペーサ37が配設されている。このスペーサ37は、接続ピン36によって第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35とを接続する部位に配設され、所定の厚みを有する。スペーサ37は、傾斜面38と傾斜面39との間に挿入されることによってガス吹出口20の内部を部分的に遮蔽し、酸素ガスの導入が不均一になることを防止するため、ガス吹出口20の両開口方向に向かって徐々に幅が狭くなるような構造とされている。さらに、ガス吹出部21は、第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35とを固着するために複数個の接続ピン36を有する。この接続ピン36は、第1の吹出口形成板34及び第2の吹出口形成板35に形成された孔40に圧入されることによって、第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35とを固着する。
【0039】接続ピン36が圧入される孔40は、第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35とが正確に組み合わされた状態で穿設される。このとき、接続ピン36が圧入される孔40は接続ピン36の径よりやや小径として穿設される。このため、接続ピン36はこの孔40に対して圧入されることとなり、第1の吹出口形成板34と第2の吹出口形成板35とを確実に固着する。
【0040】上述のように構成されたガス吹出部21は、酸素流路形成部17と酸素流路蓋部18とに挟持されるようにして、複数個の吹出部取付ボルト41により隙間無く取り付けられる。この複数個の吹出部取付ボルト41は、酸素流路蓋部18側及び酸素流路形成部17側からそれぞれ締められる。このため酸素流路形成部17、酸素流路蓋部18及びガス吹出部21には、それぞれ対応した位置に吹出部取付ボルト41を締めるためのねじ切り加工が施されている。換言すれば、この第1の酸素ガス導入部16では、ガス吹出部21は、これら複数個の吹出部取付ボルト41によって、導入管本体に対して着脱可能とされる。
【0041】以上の構成からなる真空蒸着装置1は、ガス吹出口20の周囲にあって金属酸化物が過剰に含有され、蒸着の最終段階で非磁性支持体2上に被着される金属蒸気13を、第1の酸素ガス導入部16に備えられた庇状の規制凸部22に被着することによって規制し、表面に金属酸化物が過剰に存在する不均一な磁性層が形成されることを防止している。
【0042】次に、第2の実施の形態として図8及び図9に示す真空蒸着装置50は、基本構成を図1に示した真空蒸着装置1と同様とするが、第2の酸素ガス導入部51を備えることに特徴を有している。従って、先に図1に示した真空蒸着装置1と同様の構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0043】真空蒸着装置50は、真空槽3と、供給ロール4と、巻取ロール5と、冷却ロール6と、回動ロール8,9と、第2の酸素ガス導入部51とを備え、ルツボ9内に充填された蒸着源10を電子銃11から照射される電子線12によって加熱して金属蒸気13とし、蒸着領域14の範囲で非磁性支持体2上に金属蒸気13を蒸着するものである。
【0044】真空蒸着装置50において、第2の酸素ガス導入部51は、図8乃至図12に示すように、冷却ロール6上を走行する非磁性支持体2上の任意の箇所が蒸着領域14に接近して蒸着を開始される蒸着領域14の一端を蒸着始点とし、この任意の箇所が冷却ロール上を走行して蒸着領域14から脱する他端を蒸着終点とすると、蒸着終点側にあって、支持ブラケット52に組み込まれて配設されている。
【0045】支持ブラケット52は、真空槽3に支架されたブラケット支軸52aを支点としてガイドプレート53に沿って振り子状に回動自在となっている。支持ブラケット52は、固定ネジ54を締めることによって、ガイドプレート53の許す範囲内の任意の位置で固定でき、冷却ロール6上の蒸着領域14に対する対応位置を調整されることによって、金属蒸気13へのガス吹込みを調整できるようになっている。また、支持ブラケット52は、電子銃11から照射される電子線12に近接する高温域に設けられる。そのため、支持ブラケット52には、冷媒流路55が形成されている。この冷媒流路55内における冷媒の流れは、補強リブ56によって規制されている。
【0046】この冷媒流路55は、図示しない外部の冷媒供給装置に対して冷媒供給管57及び冷媒移出管58を介して連結されている。第2の酸素ガス導入部51は、冷媒流路55を循環する冷媒により、所望の温度に冷却される。
【0047】このように構成された真空蒸着装置50において、第2の酸素ガス導入部51は、酸素ガスが供給される酸素ガス供給管59と、この酸素ガス供給管59が接続され、当該酸素ガス供給管59から供給された酸素ガスの流路となる酸素流路60を有する酸素流路形成部61と、この酸素流路形成部61上の酸素流路60が形成された面に固着され、酸素流路形成部61とともに第2の酸素ガス導入部51を構成する吹出口兼流路蓋62と、これら酸素流路形成部61と吹出口兼流路蓋62との間に配される銅パッキン63とを備える。
【0048】さらに、第2の酸素ガス導入部51は、固定ネジ54によってガイドプレート53に安定した固定ができるように、酸素流路形成部61上の酸素流路60が形成された面とは反対面に固定板64を備えている。また、この第2の酸素ガス導入部51は全体形状が略直方体として形成され、その長手方向にガス吹出口65を備える。そして、このガス吹出口65は、蒸着する非磁性支持体2の幅と略同寸法とされ、酸素ガスが非磁性支持体2の幅に均一に吹き付けられるような構成となっている。
【0049】第2の酸素ガス導入部51は、酸素流路形成部61と吹出口兼流路蓋62とが銅パッキン63を介して複数個の固定ボルト66により固着されることにより形成されている。第2の酸素ガス導入部51において、酸素流路形成部61は、酸素流路形成部61と吹出口兼流路蓋62とが固着される表面に細溝として形成される酸素流路60を備える。酸素流路形成部61は、酸素流路60がその内部に形成されるている。従って、酸素流路60は、銅パッキン63が酸素流路形成部61に取り付けられることにより気密性のよい流路として形成される。
【0050】酸素流路60は、複数の分岐箇所を経てガス吹出口65に至る細溝として形成されている。すなわち、この酸素流路60となる細溝は、一端が外部から酸素ガスを供給するための酸素ガス供給管59側の端部に連結し、他端が第1の酸素ガス導入部16の長手方向に沿って二方向に分岐され延長されている。酸素流路60は、二方向に分岐され延長される他端部が、それぞれ途中で90度曲折し、この曲折部から導入管本体の長手方向に沿って再び二方向に分岐され延長されている。二方向に分岐され延長された酸素流路60は、更に分岐と延長を繰り返し、最終的に16本の細管に分かれ、同じく酸素流路形成部61にある酸素溜まりへと連通している。
【0051】酸素溜まり67は、酸素流路形成部61と吹出口兼流路蓋62とが固着され、組み付けられることにより形成され、第2の酸素ガス導入部51の長手方向に延在した空間部として形成される。すなわち、この酸素溜まり67には、上述の16本の酸素流路60が、均等な間隔で第2の酸素ガス導入部51の長手方向に拡がりをもって導通されている。酸素流路60が酸素ガス供給管59より酸素ガスを供給されるとき、各分岐点から二方向に延長された各酸素流路に均等な圧力で酸素ガスが供給される。ここの酸素ガスは、16本の酸素流路60から均等な圧力で酸素溜まり67へと供給される。また、酸素溜まり67は、ガス吹出口65に導通されている。すなわち、酸素溜まり67内に供給された酸素ガスは、ガス吹出口65の方向に押され、ガス吹出口65より吹き出される。このとき、酸素溜まり67には、上述したように、16本に枝分かれした酸素流路60から均一な圧力で酸素ガスが供給される。これにより、ガス吹出口65からは、その長手方向に均一な圧力で酸素ガスが吹き出すこととなる。
【0052】第2の酸素ガス導入部51において、吹出口兼流路蓋62は、第1の実施の形態にて用いたガス吹出部21と同一のものを使用可とする。第1の実施の形態と第2の実施の形態とでは、取付向きが異なるのみであるため、吹出口兼流路蓋62の構成の詳細な説明は省略する。
【0053】以上のように構成された真空蒸着装置50は、冷却ロール6上を走行する非磁性支持体2上の任意の箇所が蒸着領域14に接近して蒸着を開始される蒸着領域14の一端を蒸着始点とし、この任意の箇所が冷却ロール上を走行して蒸着領域14から脱する他端を蒸着終点とすると、蒸着始点側からも酸素ガスを吹き付けることができる。従って、蒸着の初期段階に被着される磁性層内部を形成する金属蒸気13中にも十分に酸素ガスを分散させることができるようになり、磁性層表面と磁性層内部での金属酸化物の割合を一定にすることが可能となる。
【0054】なお、本発明が適用された真空蒸着装置は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態のような使用に限定されること無く、例えば円盤状の非磁性支持体上に金属薄膜を蒸着するような場合も有効である。
【0055】また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、蒸着源10として用いることのできる強磁性金属材料は、Fe、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−Ni−B系合金、Fe−Co−B系合金、Fe−Co−Ni−B系合金やCo−Cr系合金等が挙げられる。
【0056】また、非磁性支持体2としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のプラスティック等が使用可能である。
【0057】具体的に、本発明に係る真空蒸着装置を適用して製造した磁気記録媒体の磁性層の酸化具合をオージェ分析によって測定したところ、図13及び図14に示すような結果を得た。ここで製造された磁気記録媒体は、第1の実施の形態に基づいて製作したいわゆるテープ原反上に磁性層が形成されてなるものであり、磁性層が形成されたテープ原反を所望の幅を有するテープ状に裁断して作製した。
【0058】図13及び図14において、縦軸は酸化の相対濃度、横軸は膜の厚み方向を示している。現状の酸素ガス導入管を用いて製造した図14に示す磁気記録媒体では、磁性層表面に酸化層を示すピークが現れている。一方、本発明に係る酸素ガス導入管を用いて製造した図13示す磁気記録媒体では、磁性層表面に酸化層を示すピークは観測されておらず、表面酸化層が低減されていることが明らかである。
【0059】
【発明の効果】本発明に係る真空蒸着装置によれば、表面酸化及び内部酸化が制御可能となり、均一な磁性層の成膜形成が実現される。これにより、磁性層の保磁力及び飽和磁束密度等の磁気特性が向上し、記録再生装置と磁気記録媒体との間のスペーシングロスが低減するため、電磁変換特性が向上する。更に、金属蒸気に供給する酸素ガス量を調整することによって、成膜される金属磁性薄膜の保磁力や飽和磁束密度等の磁気特性が制御可能となる。




 

 


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