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液晶組成物および液晶表示素子 - ミノルタ株式会社
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発明の名称 液晶組成物および液晶表示素子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−164253(P2001−164253A)
公開日 平成13年6月19日(2001.6.19)
出願番号 特願2000−298853(P2000−298853)
出願日 平成12年9月29日(2000.9.29)
代理人
発明者 岩松 雅子 / 小林 信幸 / 植田 秀昭
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 (a)F原子を2つ以上含む液晶性エステル化合物と、液晶性トラン化合物とを含有するネマチック液晶と、(b)少なくとも一種のカイラル材とを含み、室温でコレステリック相を示すことを特徴とする液晶組成物。
【請求項2】 前記ネマチック液晶は、さらに、少なくとも一種類の液晶性3環化合物を含有する請求項1の液晶組成物。
【請求項3】 前記液晶性エステル化合物と前記液晶性トラン化合物との総含有量が、前記ネマチック液晶に対して60重量%以上である請求項1又は2の液晶組成物。
【請求項4】 前記ネマチック液晶および前記カイラル材の合計の重量に対して10重量%〜45重量%のカイラル材を含む請求項1〜3のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項5】 前記ネマチック液晶は、前記液晶性エステル化合物を少なくとも25重量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項6】 前記液晶性エステル化合物は、末端にシアノ基を有する請求項1〜5のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項7】 前記ネマチック液晶は、液晶性トラン化合物を少なくとも15重量%含有する請求項1〜6のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項8】 前記液晶性トラン化合物は、分子骨格中に少なくとも1つのF原子を含む請求項1〜7のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項9】 前記液晶性3環化合物は、末端にシアノ基を有する請求項2の液晶組成物。
【請求項10】 前記液晶性3環化合物は、分子骨格中に少なくとも1つF原子を含む請求項2の液晶組成物。
【請求項11】 誘電率異方性が9〜40である請求項1〜10のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項12】 誘電率異方性が15〜40である請求項1〜10のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項13】 屈折率異方性が0.10〜0.25である請求項1の液晶組成物。
【請求項14】 前記液晶組成物の屈折率異方性が0.14〜0.22である請求項1〜12のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項15】 等方相転移温度が78℃以上である請求項1〜14のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項16】 さらに色素を含む請求項1〜15のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項17】 さらに紫外線吸収材が含まれている請求項1〜16のいずれかに記載の液晶組成物。
【請求項18】 請求項1〜17のいずれかに記載の液晶組成物を、少なくとも一方が透光性の一対の基板間に挟持してなる液晶表示素子。
【請求項19】 前記一対の基板上にそれぞれ電極が設けられている請求項18の液晶表示素子。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室温でコレステリック相を示す液晶組成物に関する。また、本発明は、少なくとも一方が透明である一対の基板間に、室温でコレステリック相を示す液晶組成物を挟持してなる液晶表示素子に関する。さらに、詳しくは、室温でコレステリック相を示す液晶組成物による、プレーナ状態とフォーカルコニック状態との2つの準安定状態のスィッチング(双安定スィッチング)を利用した反射型の液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ネマチック液晶にカイラル材を添加することにより、室温においてコレステリック相を示すようにしたカイラルネマチック液晶を用いた反射型の液晶表示素子が種々研究されている。
【0003】しかしながら、今日までカイラルネマチック液晶を使用した反射型の液晶表示素子では、プレーナ状態での反射率、プレーナ状態とフォーカルコニック状態とのコントラスト、色純度(刺激純度)等の表示特性を保ったまま、低電圧で駆動することができていなかった。また、この種の液晶表示素子では、動作可能な温度範囲(温度補償範囲)を拡大することも重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、低駆動電圧化に適した液晶組成物を提供することにある。また、本発明の課題は、駆動電圧の低い反射型の液晶表示素子を提供することにある。
【0005】本発明の他の課題は、反射率、コントラスト、色純度などの表示特性に優れた液晶表示素子及びこれに適した液晶組成物を提供することにある。
【0006】本発明のさらに他の課題は、温度補償範囲の広い液晶表示素子及びこれに適した液晶組成物を提供することにある。
【0007】本発明者らは、上記課題を達成するため、前記液晶組成物の組成について種々検討した結果、低駆動電圧を実現するために誘電率異方性の大きな液晶性エステル化合物、特に末端基にCN基を有していたり、分子骨格中にF原子を有した極性の大きな成分をもつ液晶性エステル化合物を含む液晶を用いることが効果的であることを見出した。ただし、液晶性エステル化合物は概して粘性が大きく応答性の点で不利である。特にカイラル材を10%以上含有する液晶組成物ではさらに粘度が高くなるという問題がある。また、液晶性エステル化合物は概して屈折率異方性が小さく、十分なコントラストを得ることができない。そこで本発明者らは、このような問題を解決するために、粘度が低くかつ高い屈折率異方性を持つ液晶性トラン化合物を添加するとよいことを見出した。液晶性トラン化合物は転移温度も高く温度補償範囲の拡大にも寄与する。また、液晶性フェニルシクロヘキサン化合物は、安定性と著しい低粘性を併せ持ち、これを添加することで液晶組成物全体の信頼性を改善できることを見出した。特に、末端にシアノ基を有するものは温度補償範囲の拡大にも大きく寄与することが確認された。以上のような検討によって本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶組成物は、(a)F原子を2つ以上含む液晶性エステル化合物と、液晶性トラン化合物とを含有するネマチック液晶と、(b)少なくとも一種のカイラル材とを含み、室温でコレステリック相を示すことを特徴とする。
【0009】この液晶組成物は、カイラル材をフォーカルコニック構造およびプレーナ構造を形成するのに有効な量だけネマチック液晶に添加して調製する。
【0010】カイラル材は、ネマチック液晶およびカイラル材の合計の重量に対して10重量%〜45重量%含むようにするとよい。
【0011】ネマチック液晶は、さらに少なくとも一種類の液晶性3環化合物を含有していてもよい。液晶性3環化合物を含むことにより、温度補償範囲の拡大に有利である。液晶性3環化合物は、末端にシアノ基を有したものを使用してもよい。また、分子骨格中に少なくとも1つF原子を含んだものを使用してもよい。
【0012】液晶性エステル化合物と液晶性トラン化合物との総含有量は、ネマチック液晶に対して60重量%以上となるようにしてもよい。
【0013】液晶性エステル化合物はネマチック液晶に対して少なくとも25重量%含有するようにしてもよい。前記液晶性エステル化合物は末端にシアノ基を有するものを使用してもよい。
【0014】液晶性トラン化合物はネマチック液晶に対して少なくとも15重量%含有するようにしてもよい。液晶性トラン化合物は、分子骨格中に少なくとも1つのF原子を含むものを用いてもよい。
【0015】液晶組成物の誘電率異方性は、9〜40、より好ましくは15〜40としてもよい。液晶組成物の屈折率異方性は、0.10〜0.25、より好ましくは0.14〜0.22としてもよい。液晶組成物に色素が含有されていてもよい。液晶組成物の等方相転移温度(TNI)は78℃以上であることが好ましい。
【0016】調光層に紫外線吸収材が含まれていてもよい。
【0017】また、本発明の液晶表示素子は、上記いずれかの液晶組成物を含む調光層を少なくとも一方が透光性である一対の基板間に挟持してなる。
【0018】一対の基板上にはそれぞれ電極が設けられていてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液晶表示素子の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
(第一の実施形態の構成と表示動作)図1に本発明の第一実施形態である液晶表示素子10Aの断面構造を示す。(A)は高電圧パルスを印加した時のプレーナ状態(選択反射による着色状態)を示し、(B)は低電圧パルスを印加した時のフォーカルコニック状態(透明/黒色表示状態)を示す。なお、この液晶表示素子はメモリ性を有しており、プレーナ状態およびフォーカルコニック状態はパルス電圧印加後も維持される。
【0020】図1において、11、12は透明基板で、それぞれの表面には透明電極13、14がマトリクス状に形成されている。電極13上には絶縁性薄膜15がコーティングされていることが好ましい。また、基板12の表面には表示の必要性に応じて、可視光吸収層16が設けられる。
【0021】20は柱状構造物、21は室温でコレステリック相を示す液晶組成物であり、これらの材料やその組み合せについては以下の実験例において具体的に説明する。24は、液晶組成物21を基板11、12間に封じ込めるためのシール材である。25は、パルス電源であり、前記電極13、14間にパルス状の所定電圧を印加する。
【0022】以上の構成からなる液晶表示素子においては、電源25から電極13、14にパルス電圧を印加することで表示が行われる。すなわち、液晶組成物としてコレステリック相を示すものを用いている場合、比較的高いパルス電圧を印加するとで、液晶がプレーナ状態となり、コレステリックピッチと屈折率に基づいて決まる波長の光を選択的に反射する。比較的低いパルス電圧を印加することで、液晶がフォーカルコニック状態となり透明状態となる。なお、図1に示したように、可視光吸収層16を設けると、フォーカルコニック状態では黒色を表示することになる。
【0023】本液晶表示素子では、マトリックス状の電極13、14が交差する領域が表示画素となる。本明細書では、液晶によって光変調が行われる領域を表示領域と称し、その周辺は光変調が行われない表示領域外となる。
【0024】(基板)基板11、12は少なくとも一方が透明であることが必要である。透明な基板としては、ガラス以外に、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート等のフレキシブル基板等が使用可能である。
【0025】(電極)電極13、14としては、ITO(Indium Tin Oxide)に代表される透明電性膜、アルミニウム、シリコン等の金属電極、あるいはアモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等の光導電性膜が使用可能である。電極13、14をマトリックス状に形成するには、例えば、基板11、12上にITO膜をスパッタリング法等で形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。さらに、スイッチング素子として複数のTFTを用いてもよい。
(絶縁膜、配向膜)絶縁性薄膜15は酸化シリコン等の無機膜あるいはポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の有機膜であり、電極13、14の短絡を防止したり、ガスバリア層として液晶の信頼性を向上させる機能を有する。また、電極13、14上にはポリイミド樹脂に代表される配向膜を必要に応じて配してもよい。さらに、柱状構造物20に用いる高分子体と同じ材料を絶縁膜や配向膜として使用してもよい。
(スペーサ)図1には図示されないが、基板11、12間にスペーサを挿入してもよい。このスペーサは樹脂製又は無機酸化物製の球体であり、基板11、12間のギャップを均一に保持する。
【0026】(液晶組成物)液晶組成物は、F原子を少なくと2つ以上含む液晶性エステル化合物と、液晶性トラン化合物を含み、さらに、カイラル材を含有した、室温でコレステリック相を示すカイラルネマチック液晶からなる。液晶組成物に、色素または/かつ紫外線吸収剤を添加してもよい。さらに、液晶性3環化合物を含んでいてもよい。
【0027】フッ素を2つ以上含有する液晶性エステル化合物は、さらにCN基を有していることが好ましく、含有量は25重量%以上であることが好ましい。液晶性トラン化合物は5重量%以上含有されていることが好ましい。さらに、液晶性エステル化合物および液晶性トラン化合物が合わせて60重量%含有されていることが好ましい。
【0028】液晶組成物は所望の選択反射波長となるように調製される。選択反射波長の調整は、例えば、カイラル材の添加量を変化させればよい。一般的には、カイラル材の添加量を増加させると、選択反射波長が短波長側にシフトする。また、選択反射波長とは、前記電極13、14にパルス電圧を印加して液晶がプレーナ状態になった時の反射光スペクトルの可視光領域におけるピーク波長をいう。
【0029】ここで、使用可能な液晶性エステル化合物の一般式(A)、(A’)および具体例(A1)〜(A76)、(A’1)〜(A’30)を以下に示す。
【0030】
【化1】

【0031】ただし、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、または、アルケニル基を表す。R2は、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、もしくは、アルケニル基、シアノ基、または、F原子を表す。A、Bは互いに独立して、1、4フェニレン基または1、4シクロヘキシレン基を表す。l,m,nは、それぞれ独立して、0〜4の整数であり且つl+m+n≧2(R2がF原子以外の場合)、l+m+n≧1(R2がF原子の場合)の整数を表す。
【0032】
【化2】

【0033】
【化3】

【0034】
【化4】

【0035】
【化5】

【0036】
【化6】

【0037】
【化7】

【0038】
【化8】

【0039】
【化9】

【0040】
【化10】

【0041】
【化11】

【0042】
【化12】

【0043】液晶性エステル化合物は、末端にシアノ基を有するものを用いることが望ましい。また、液晶組成物の構成材料となるネマチック液晶混合物中に、液晶性エステル化合物が25重量%以上含有されていることが望ましく、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上とする。液晶性エステル化合物の含有量の上限は70重量%、より好ましくは60重量%とする。
【0044】次に、使用可能な液晶性トラン化合物の一般式(B)および具体例(B1)〜(B75)を以下に示す。
【0045】
【化13】

【0046】ただし、R3は、炭素数1〜8のアルキル基または、アルコキシル基またはアルケニル基を表す。R4は、炭素数1〜8のアルキル基または、アルコキシル基またはアルケニル基またはF原子を表す。B、Dは、フェニレン基またはシクロヘキシル基または、単結合を表す。
【0047】
【化14】

【0048】
【化15】

【0049】
【化16】

【0050】
【化17】

【0051】
【化18】

【0052】
【化19】

【0053】
【化20】

【0054】液晶性トラン化合物は、末端にフッ素原子を有するものも含まれることが望ましい。また、液晶組成物の構成材料となるネマチック液晶中に、液晶性トラン化合物が15重量%以上含有されていることが望ましく、さらに好ましくは20重量%以上とする。液晶性トラン化合物の含有量の上限は60重量%、より好ましくは、50重量%とする。
【0055】また、液晶性エステル化合物と液晶性トラン化合物の総含量がネマチック液晶混合物の組成の60重量%以上であることが好ましい。
【0056】さらに、動作可能な温度範囲(温度補償範囲)の拡大のために液晶性3環化合物を含有することが望ましい。液晶性3環化合物は、さらにCN基やF原子などを有すると、液晶組成物の誘電率異方性の増大に寄与することができる。
【0057】次に、使用可能な液晶性3環化合物の具体例(C1)〜(C20)を以下に示す。
【0058】
【化21】

【0059】
【化22】

【0060】ネマチック液晶には、その他の液晶性化合物が含まれていてもよい。例えば、液晶性フェニルシクロヘキシル化合物や極性基をもたない液晶性多環化合物を含有していてもよい。
【0061】カイラル材料は、例えばビフェニル化合物、ターフェニル化合物、エステル化合物、ピリミジン化合物、アゾキシ化合物などでネマチック液晶分子に層状のヘリカル構造(液晶分子の螺旋構造に沿って液晶分子が360°回転した分子構造)を有するものが使用できる。化合物の末端基に光学活性基を有する市販のカイラル材料S811,1CE2,CB15、R1011(いずれもメルク社製)等を用いることができる。また、コレステリックノナノレートに代表されるコレステリック環を有するコレステリック液晶も使用できる。以下にその具体例(D1)〜(D6)を示す。カイラル材の添加量は、ネマチック液晶およびカイラル材の合計の重量を基準として、約10重量%〜約45重量%がよい。10重量%未満では、所望の選択反射波長を実現できない場合を生じ、また、45重量%を超えると、室温でコレステリック相を示さなくなったり、固化したりする場合がある。
【0062】
【化23】

【0063】色素としては、アゾ化合物、キノン化合物、アントラキノン化合物等、あるいは、2色性色素等、従来知られている各種の色素が使用可能である。添加量は、ネマチック液晶とカイラル材の合計の重量に対し、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
【0064】紫外線吸収剤は、液晶組成物の紫外線劣化、例えば経時に伴なう退色や応答性の変化等を防止するものである。ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリシレート化合物等の材料が使用可能である。添加量は、ネマチック液晶とカイラル材の合計の重量に対し、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
【0065】液晶組成物は、室温でコレステリック相を示し、その屈折率異方性が0.10〜0.25であることが好ましく、より好ましくは0.14〜0.22である。液晶組成物の屈折率異方性が小さすぎると散乱成分が少なくなり、プレーナ状態での着色が弱くなりかつ、十分な反射率も得られなくなるおそれがある。また、逆に屈折率異方性が大きすぎると、散乱成分が多くなりすぎてフォーカルコニック状態での透明/黒表示状態が悪くなり(透明がでない)表示性能が低下するおそれがある。したがって、透明状態、着色状態ともに良好な表示品質を確保し、十分なコントラストを得るために屈折率異方性が上記範囲にあることが望ましい。
【0066】また、液晶組成物の誘電率異方性は少なくとも9以上であることが望ましく、15以上あればなおよい。上限値は40、望ましくは30以下である。誘電率異方性が大きすぎると長期信頼性に問題が生じるおそれがある。また、誘電率異方性が9未満であると駆動電圧が高くなりすぎるおそれがある。
(柱状構造物)柱状構造物20に関しては、まず構造面について説明する。柱状構造物20は、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体である。所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物20はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが、一定の周期で繰り返される配列等、基板11、12の間隙を適切に保持でき、かつ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。
【0067】次に形成方法であるが、柱状構造物は従来公知の各種の方法により形成すればよい。例えば、光硬化性樹脂材料を基板に塗布した後、所望のパターンの開口が形成されたマスクを介して所定波長の光を照射することにより、光硬化性樹脂材料を重合させ、不要部分を取り除く方法や、樹脂材料をスクリーン印刷法で、転写、硬化、乾燥する方法、液晶組成物と光硬化性樹脂材料との混合物を一方の基板に塗布した後、他方の基板を重ねて、所望のパターンの開口が形成されたマスクを介して所定波長の光を照射することにより光硬化性樹脂材料を重合させ上記混合物から相分離することにより、樹脂構造物を形成する方法などが挙げられる。
【0068】液晶表示素子とするには、柱状構造物を挟持した基板間に液晶組成物を真空注入法等によって注入すればよい。
(第2実施形態の構成)図2に本発明の第2の実施形態である液晶表示素子10Bの断面構造を示す。(A)は高電圧パルスを印加した時のプレーナ状態(着色状態)を示し、(B)は低電圧パルスを印加したときのフォーカルコニック状態(透明/黒色表示状態)を示す。これら2種類の状態は前記第1実施形態と同様に電圧電圧印加後も維持される。
【0069】この液晶表示素子は、カイラルネマティック液晶組成物21と3次元的な網目状の樹脂ネットワーク23からなる複合膜22を形成した樹脂ネットワーク型である。複合膜22は、液晶組成物と光重合開始剤を添加した樹脂材料とを所定の割合でよく混合した後、紫外線を照射して樹脂材料を重合させて製作する。液晶組成物21は前記第1実施形態で説明したカイラルネマティック液晶組成物21と同じ材料を使用することができる。他の部材は前記第1実施形態と同様であり、図1と同じ符号が付されている。
(第3の実施形態の構成)図3に本発明の第3実施形態である液晶表示素子10Cの断面構造(高電圧パルス印加時、プレーナ状態)を示す。この液晶表示素子は、図1に示した前記第1実施形態と基本的に同じものであり、表示領域内に柱状構造物を設けないようにしたものである。図3において、図1と同じ部材には同じ符号が付されている。
(第4の実施形態の構成)図4に本発明の第4実施形態である液晶表示素子10Dの断面構造(高電圧パルス印加時、プレーナ状態)を示す。この液晶表示素子は、図3に示した前記第3実施形態のものに、基板11、12の間隙の中間部まで延びた小柱状構造物20’を形成したものである。図4において、図1、図3と同じ部材には同じ符号が付されている。
(第5の実施形態の構成)本第5実施形態は、図1に示した液晶表示素子において、柱状構造物をスクリーン印刷法で形成したものである。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、該スクリーン上に印刷材料(柱状構造物組成物)を載せる。そしてスキージを所定の圧力、速度で移動させる。これによって、材料がスクリーンのパターンを介して基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。
【0070】スクリーン印刷法では柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、ポリビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニールプロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は、樹脂を適当な溶剤に溶解するなどして、ペースト状にして用いることが望ましい。
【0071】樹脂材料を基板上に配置した後、スペーサを少なくとも一方の基板上に散布し、一対の基板を複数の帯状電極の形成面を対向させて重ね合わせ空セルを形成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱することにより、樹脂材料を軟化させた後、冷却することにより再びこれを固化させることができる。
【0072】複数の液晶層を積層してもよい。例えば、青色・緑色・赤色をそれぞれ表示する3つの液晶層を積層し、最背面に光吸収層を設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。この場合、各液晶層は上下基板ともに上記いずれかの形態に準じた素子構成をとることができる。隣り合う2つの液晶層間の基板は1枚だけであってもよい。
【0073】以下、具体的な実験例について説明する。
(実験例1)前記構造式(A7)、(A10)、(A13)、(A’7)、(A’10)で示される液晶性エステル化合物を45重量%と、前記構造式(B3)、(B9)、(B12)、(B54)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を18重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D3)で示されるカイラル材16.5重量%を混合し、選択反射波長が550nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物は、屈折率異方性Δnが0.154、誘電率異方性Δεが18.8、等方相への相転移点TNIが78.5℃である。
【0074】電極を形成したガラス基板間にスペーサを挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0075】このような液晶表示素子にあっては、電極間に30Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は2.01を示した。さらに、50Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(緑色着色状態)を示し、Y値は18.2を示した。コントラストは、9.05、プレーナ状態での色純度は60.5%、プレーナ状態での反射率は31.6%であった。
【0076】なお、Y値(視感反射率)および色純度(刺激純度)の測定は、白色光源を有する分光光測色計CM3700d(ミノルタ社製)を用いて行った。以下の実験例および比較例でも同様である。
(実験例2)前記構造式(A7)、(A10)、(A13)、(A’7)、(A’10)で示される液晶性エステル化合物を42重量%と、前記構造式(B3)、(B9)、(B12)、(B54)、(B55)、(B63)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を28重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D3)で示されるカイラル材13.7重量%を混合し、選択反射波長が680nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物は、Δnが0.188、Δεが20.8、TNIが84.5℃である。
【0077】電極を形成したガラス基板間にスペーサを挟んで間隙を9μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0078】このような液晶表示素子にあっては、電極間に35Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.35を示した。さらに、55Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(赤色着色状態)を示し、Y値は6.25を示した。コントラストは4.63、プレーナ状態での色純度は60.5%、プレーナ状態での反射率は32.5%であった。
(実験例3)前記構造式(A7)、(A10)、(A’7)で示される液晶性エステル化合物を40重量%と、前記構造式(B12)、(B54)、(B55)、(B63)、(B64)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を32重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D6)で示されるカイラル材21.4重量%を混合し、選択反射波長が490nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物は、Δnが0.205、Δεが17.5、TNIが78.9である。
【0079】電極を形成したガラス基板間にスペーサを挟んで間隙を5μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0080】このような液晶表示素子にあっては、電極間に20Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.85を示したさらに、40Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(青色着色状態)を示し、Y値は7.97を示した。コントラストは4.30、プレーナ状態での色純度は65.1%、プレーナ状態での反射率は31.3%であった。
(実験例4)前記構造式(A7)、(A10)、(A’7)で示される液晶性エステル化合物を40重量%と、前記構造式(B12)、(B54)、(B55)、(B63)、(B64)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を32重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D1)で示されるカイラル材19.4重量%を混合し、さらに2色性色素SI−426(三井化学社製)を0.5重量%混合し、選択反射波長が690nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物は、Δnが0.215、Δεが15.4、TNIが79.5℃である。
【0081】前記液晶組成物と重合開始剤を5%混合した紫外線硬化型モノマーR684(日本化薬社製)を、3:7で混合し、電極を形成し9μmのスペーサを噴霧したガラス基板間に挟持し間隙を保持しながら紫外線照射した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図2に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0082】このような液晶表示素子にあっては、電極間に45Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.25を示した。さらに、75Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(赤色着色状態)を示し、Y値は6.22を示した。コントラストは4.98、プレーナ状態での色純度は76.2%、プレーナ状態での反射率は33.6%であった。
(実験例5)前記構造式(A7)、(A10)、(A13)、(A’7)、(A’10)で示される液晶性エステル化合物を42重量%と、前記構造式(B3)、(B9)、(B12)、(B54)、(B55)、(B63)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を28重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D6)で示されるカイラル材20.5重量%を混合し、さらに色素Kayaset yellow GN(日本化薬社製)を0.3%添加し、選択反射波長が550nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物は、Δnが0.172、Δεが12.9、TNIが83.2℃である。
【0083】前記液晶組成物と重合開始剤を5%混合した紫外線硬化型モノマーR684(日本化薬製)を、3:7で混合し、電極を形成し7μmのスペーサを噴霧したガラス基板間に挟持し間隙を保持しながら紫外線照射した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図2に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0084】このような液晶表示素子にあっては、電極間に40Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は2.05を示した。さらに、65Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(緑色着色状態)を示し、Y値は20.8を示した。コントラストは10.0、プレーナ状態での色純度は76.6.%、プレーナ状態での反射率は32.5%であった。
(実験例6)前記構造式(A25)、(A27)、(A’2)、(A’3)、(A’5)で示される液晶性エステル化合物を38重量%と、前記構造式(B3)、(B9)、(B12)、(B55)、(B63)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を26重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D6)で示されるカイラル材25.4重量%を混合し、さらに紫外線吸収剤MBT−175(日本化薬製)を0.5重量%添加し、選択反射波長が475nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物は、Δnが0.145、Δεが19.8、TNIが81.1℃である。
【0085】電極を形成したガラス基板間にスペーサを挟んで間隙を5μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0086】このような液晶表示素子にあっては、電極間に25Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.35を示した。さらに、40Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(青色着色状態)を示し、Y値は7.04を示した。コントラストは5.21、プレーナ状態での色純度は68.2%、プレーナ状態での反射率は30.2%であった。
(実験例7)前記構造式(A7)、(A10)、(A13)、(A’7)、(A’10)で示される液晶性エステル化合物を42重量%と、前記構造式(B3)、(B9)、(B12)、(B54)、(B55)、(B63)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を28重量%含有するネマチック液晶混合物、及び前記構造式(C2)、(C3)、(C4)で示される液晶性3環化合物を7重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D3)で示されるカイラル材17.5重量%を混合し、選択反射波長が550nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物は、Δnが0.208、Δεが22.6、TNIが82.1℃である。
【0087】電極を形成したガラス基板間にスペーサを挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作製した。このような液晶表示素子にあっては、電極間に20Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は2.28を示した。さらに、40Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(緑色着色状態)を示し、Y値は22.1を示した。コントラストは9.69、プレーナ状態での色純度は62.3%、プレーナ状態での反射率は33.2%であった。
(実験例8)前記構造式(A7)、(A10)、(A’10)で示される液晶性エステル化合物を25重量%と、前記構造式(B3)、(B9)、(B12)、(B42),(B43),(B54)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を48重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D3)で示されるカイラル材19.5重量%を混合し、選択反射波長が550nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物はΔnが0.189、Δεが9.8、TNIが82.5℃である。
【0088】電極を形成したガラス基板間にスペーサを挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0089】このような液晶表示素子にあっては、電極間に50Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は2.44を示した。さらに、80Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(緑色着色状態)を示し、Y値は21.2を示した。コントラストは8.69、プレーナ状態での色純度は45.5%、プレーナ状態での反射率は30.6%であった。
(実験例9)前記構造式(A7)、(A8)、(A10)、(A13)、(A25)、(A28)で示される液晶性エステル化合物を45重量%と、前記構造式(B3)、(B9)、(B12)、(B54)、(B55)、(B63)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を25重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D3)で示されるカイラル材料41.5重量%を混合し、選択反射波長が475nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。
【0090】この液晶組成物は、Δnが0.178、Δεが14.3、TNIが78.3℃である。
【0091】電極を形成したポリエーテルスルホン基板間にスペーサを挟んで間隙を5μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0092】このような液晶表示素子にあっては、電極間に20Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.27を示した。さらに、40Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(青色着色状態)を示し、Y値は7.95を示した。コントラストは6.26、プレーナ状態での色純度は67.9%、プレーナ状態での反射率は30.5%であった。
(実験例10)前記構造式(A7)、(A8)、(A10)、(A13)、(A25)、(A28)、(A61)、(A63)、(A69)、(A71)、(A73)、(A’5)で示される液晶性エステル化合物を45重量%と、前記構造式(B3)、(B9)、(B12)、(B42)、(B54)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を20重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D2)で示されるカイラル材料7.3重量%と前記構造式(D3)で示されるカイラル材料5.5重量%を混合し、選択反射波長が680nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。
【0093】この液晶組成物は、Δnが0.165、Δεが28.6、TNIが81.4℃である。
【0094】電極を形成したポリエーテルスルホン基板間にスペーサを挟んで間隙を5μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0095】このような液晶表示素子にあっては、電極間に20Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.28を示した。さらに、40Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(赤色着色状態)を示し、Y値は6.92を示した。コントラストは5.41、プレーナ状態での色純度は62.5%、プレーナ状態での反射率は32.5%であった。
(比較例1)前記構造式(B12)、(B13)、(B14)、(B15)、(B18)で示される液晶性トラン化合物を45重量%含有し、前記構造式(C18)、(C19)、及び下記構造式(C1’)、(C2’)、(C3’)で示される液晶性3環化合物を25重量%含有し、液晶性エステル化合物を含有しないネマチック液晶混合物に、前記構造式(D1)で示されるカイラル材15.6重量%を混合し、さらに2色性色素SI−426(三井化学製)を0.5重量%混合し、選択反射波長が690nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物はΔnが0.174、Δεが5.8、TNIが75.1℃である。
【0096】
【化24】

【0097】電極を形成したガラス基板間にスペーサを挟んで間隙を9μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0098】このような液晶表示素子にあっては、電極間に60Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.95を示した。さらに、110Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(赤色着色状態)を示し、Y値は5.86を示した。コントラストは3.01、プレーナ状態での色純度は67.4%、プレーナ状態での反射率は34.0%であった。
(比較例2)前記構造式(B12)、(B13)、(B14)、(B15)、(B18)で示される液晶性トラン化合物を45重量%含有し、前記構造式(C18)、(C19)および、前記構造式(C’1)、(C’2)、(C’3)で示される液晶性3環化合物を25重量%含有し、液晶性エステル化合物を含有しないネマチック液晶混合物に、前記構造式(D6)で示されるカイラル材19.5重量%を混合し、選択反射波長が550nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物はΔnが0.168、Δεが7.4、TNIが73.6℃である。
【0099】電極を形成したガラス基板間にスペーサを挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作製した。
【0100】このような液晶表示素子にあっては、電極間に70Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は3.78を示した。さらに、120Vのパルス電圧を5msec印加すると、プレーナ状態(緑色着色状態)を示し、Y値は22.6を示した。コントラストは5.98、プレーナ状態での色純度は63.4%、プレーナ状態での反射率は33.0%であった。
(比較例3)前記構造式(A5)、(A11)、(A13)、(A’7)、(A’10)、および以下の構造式(A’’1)、(A’’2)、(A’’3)、(A’’4)で示される液晶性エステル化合物を75重量%含有し、液晶性トラン化合物を含有しないネマチック液晶混合物に、前記構造式(D6)で示されるカイラル材20.8重量%を混合し、選択反射波長が550nmのカイラルネマチック液晶組成物を調製したところ、室温でコレステリック相を示さなかった(スメクチック相が現れた)。
【0101】
【化25】

【0102】(温度補償範囲)実験例1〜10及び比較実験例1、2で作製した各素子について、種々の温度下における表示特性(コントラスト、色純度、反射率)の変化を調べたところ、実験例1〜10の素子はいずれも−30℃〜70℃の温度範囲でほぼ特性が維持されることが確認できた。これに対して、比較実験例1、2の素子では、70℃弱の温度から表示特性の劣化が観測された。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶組成物は、F原子を2つ以上含む液晶性エステル化合物と、液晶性トラン化合物を含有するネマチック液晶と、少なくとも一種のカイラル材を含み、室温でコレステリック相を示すものとしたので、液晶表示素子に用いた際に低駆動電圧化を図ることができる。また、液晶表示素子に用いた際に、双安定性に優れ、色純度、反射率等の特性が良好でコントラストが高く、しかも、温度補償範囲の広い素子を得ることができる。
【0104】ネマチック液晶が少なくとも一種類の液晶性3環化合物を含有することで、温度補償範囲を拡大することができる。
【0105】液晶性エステル化合物と液晶性トラン化合物との総含有量を、ネマチック液晶に対して60重量%以上とすることにより、十分な効果を付与することができる。
【0106】ネマチック液晶およびカイラル材の合計の重量に対して10重量%〜45重量%のカイラル材を含むことにより、所望の反射を選択反射でき、かつ良好な双安定性を付与することができる。
【0107】ネマチック液晶は、液晶性エステル化合物を少なくとも25重量%含有することにより、十分な効果を付与することができる。
【0108】液晶性エステル化合物として、末端にシアノ基を有するものを使用することにより、さらに効果を高めることができる。
【0109】ネマチック液晶は、液晶性トラン化合物を少なくとも15重量%含有することにより、十分な効果を付与することができる。
【0110】液晶性トラン化合物は、分子骨格中に少なくとも1つのF原子を含むことにより、さらに効果を高めることができる。
【0111】液晶性3環化合物は、末端にシアノ基を有していたり、分子骨格中に少なくとも1つF原子を含むことにより、液晶組成物の誘電率異方性の増大に寄与することができる。
【0112】液晶組成物の誘電率異方性を9〜40、より好適には、15〜40とすることにより、駆動電圧を低く保つとともに長期信頼性が保証される。
【0113】液晶組成物の屈折率異方性を0.10〜0.25、より好適には0.14〜0.22とすることにより、表示品質及びコントラストを良好に保つことができる。
【0114】液晶組成物に色素を含むことにより、色純度を改善することができる。
【0115】紫外線吸収材が含まれていることにより、液晶組成物の劣化を防止することができる。
【0116】一方、本発明の液晶表示素子は、少なくとも一方が透明である一対の基板とその基板間に上記液晶組成物を挟持したので、駆動電圧の低い反射型の液晶表示素子とすることができる。また、双安定性に優れ、色純度、反射率等の特性が良好でコントラストが高く、しかも、温度補償範囲の広い素子とすることができる。




 

 


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