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発明の名称 カイラルネマティック液晶の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−81468(P2001−81468A)
公開日 平成13年3月27日(2001.3.27)
出願番号 特願平11−262457
出願日 平成11年9月16日(1999.9.16)
代理人 【識別番号】100074125
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 昌夫
【テーマコード(参考)】
4H027
【Fターム(参考)】
4H027 BA02 
発明者 小林 信幸 / 植田 秀昭
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】ネマティック液晶とカイラル材料を混合してカイラルネマティック液晶を製造する方法であって、ネマティック液晶に対して、不斉炭素を1つ以上有するカイラル材料を5wt%以上50wt%以下の割合で添加する添加工程と、前記添加工程で作製したネマティック液晶とカイラル材料の混合物を所定温度で、所定時間、所定回転速度で所定雰囲気下において攪拌する第1攪拌工程と、前記第1攪拌工程で攪拌した混合物を前記第1攪拌工程における所定温度とは異なる所定温度で、所定時間、所定回転速度で所定雰囲気下において攪拌する第2攪拌工程と、前記第2攪拌工程で攪拌した混合物を所定温度で、所定時間、所定回転速度で所定気圧下において攪拌しながら該混合物から脱泡する脱泡工程とを含むことを特徴とするカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項2】前記第2攪拌工程における所定温度は、前記第1攪拌工程における所定温度よりも低い請求項1記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項3】前記第1攪拌工程における所定温度は、前記ネマティック液晶の相転移温度以上、(該相転移温度+40°C)以下である請求項1又は2記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項4】前記第1攪拌工程における所定時間は、60分以下である請求項1から3のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項5】前記第1攪拌工程における所定回転速度、前記第2攪拌工程における所定回転速度及び前記脱泡工程における所定回転速度は、いずれも1rpm以上である請求項1から4のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項6】前記第1攪拌工程における所定雰囲気及び前記第2攪拌工程における所定雰囲気は、空気、窒素及びアルゴンのうちの少なくとも一種である請求項1から5のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項7】前記第2攪拌工程における所定温度は、(室温±10°C)である請求項1から6のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項8】前記第2攪拌工程における所定時間は、1秒以上60分以下である請求項1から7のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項9】前記脱泡工程における所定温度は、室温以上、(前記ネマティック液晶の相転移温度+30°C)以下である請求項1から8のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項10】前記脱泡工程における所定時間は、1秒以上60分以下である請求項1から9のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項11】前記脱泡工程における所定気圧は、1Pa以上大気圧未満である請求項1から10のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項12】前記添加工程、第1攪拌工程、第2攪拌工程及び脱泡工程をクリーン度クラス100以下のクリーンルーム内において行う請求項1から11のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項13】前記添加工程、第1攪拌工程、第2攪拌工程及び脱泡工程を紫外線放射照度が0.1mW/cm2 以下の環境下において行う請求項1から12のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
【請求項14】前記ネマティック液晶、カイラル材料及びカイラルネマティック液晶のうちの1又は2以上と接触する器具として、その接触面がフッ素系樹脂又は(及び)シリコン系樹脂で被覆されている器具を用いる請求項1から13のいずれかに記載のカイラルネマティック液晶の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネマティック液晶とカイラル材料を混合してカイラルネマティック液晶を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カイラルネマティック液晶はコレステリック相を示し、プレーナ状態で、ヘリカルピッチと該液晶の平均屈折率の積に対応する波長の光を選択的に反射する。この特性を利用してカイラルネマティック液晶は、反射型の液晶表示素子などに用いられている。
【0003】カイラルネマティック液晶は、ネマティック液晶とカイラル材料を混合して作製される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ネマティック液晶とカイラル材料を適当な条件で混合しないと、次のような不具合が生じることがある。例えば、ネマティック液晶とカイラル材料がうまく混合されず、カイラルネマティック液晶を得られないことがある。
【0005】気泡を多く含むカイラルネマティック液晶ができてしまうこともある。気泡を多く含むカイラルネマティック液晶を用いて液晶表示素子を作製すると、この液晶表示素子は良好な表示を行うことが難しい。カイラルネマティック液晶の選択反射波長(ピーク波長)や、選択反射波長幅(半値幅)は、ネマティック液晶材料の種類、カイラル材料の種類及びそれらの混合比によって決まる。したがって、これらパラメータを適宜選択することで、所望の選択反射波長や選択反射波長幅(半値幅)を有するカイラルネマティック液晶が作製できるはずである。しかしながら実際には、適当な条件でネマティック液晶とカイラル材料を混合しないと、選択反射波長幅(半値幅)が本来示すべき所定の値(設定値)よりも大きいカイラルネマティック液晶ができてしまうことがある。また、選択反射波長が本来示すべき所望の値(設計値)からずれたカイラルネマティック液晶ができてしまうことがある。選択反射波長幅が大きいカイラルネマティック液晶を用いて液晶表示素子を作製すると、この液晶表示素子は選択反射時の表示色の色純度が悪くなる。
【0006】そこで本発明は、ネマティック液晶とカイラル材料を混合してカイラルネマティック液晶を製造する方法であって、気泡の少ないカイラルネマティック液晶を作製することができるとともに、選択反射波長や選択反射波長幅(半値幅)が、ほぼ設計値通りになるカイラルネマティック液晶の製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(I) 前記課題を解決するために本発明は、ネマティック液晶とカイラル材料を混合してカイラルネマティック液晶を製造する方法であって、ネマティック液晶に対して、不斉炭素を1つ以上有するカイラル材料を5wt%以上50wt%以下の割合で添加する添加工程と、前記添加工程で作製したネマティック液晶とカイラル材料の混合物を所定温度で、所定時間、所定回転速度で所定雰囲気下において攪拌する第1攪拌工程と、前記第1攪拌工程で攪拌した混合物を前記第1攪拌工程における所定温度とは異なる所定温度で、所定時間、所定回転速度で所定雰囲気下において攪拌する第2攪拌工程と、前記第2攪拌工程で攪拌した混合物を所定温度で、所定時間、所定回転速度で所定気圧下において攪拌しながら該混合物から脱泡する脱泡工程とを含むことを特徴とするカイラルネマティック液晶の製造方法を提供する。
【0008】本発明のカイラルネマティック液晶の製造方法は、添加工程、第1攪拌工程、第2攪拌工程及び脱泡工程を含んでいる。以下、これら各工程について順に説明する。
(II)添加工程添加工程においては、ネマティック液晶に対して不斉炭素を1つ以上有するカイラル材料を添加する。2種類以上のカイラル材料をネマティック液晶に対して添加してもよい。
【0009】カイラル材料の添加量が5wt%より小さいと、ネマティック液晶とカイラル材料の混合物を攪拌しても、その混合物はコレステリック相を示さない。すなわち、カイラルネマティック液晶を得ることができない。また、カイラル材料の添加量が50wt%より大きいと、結晶が析出し、固化してしまう。そこで、カイラル材料は5〜50wt%の割合でネマティック液晶に対して添加する。カイラル材料の添加割合を調整することで、例えば、作製されるカイラルネマティック液晶のヘリカルピッチ、ひいてはカイラルネマティック液晶の選択反射波長、選択反射波長幅、選択反射波長の半値幅等を調整できる。
【0010】なお、添加工程においては、勿論、ネマティック液晶にカイラル材料を添加しても、カイラル材料にネマティック液晶を添加してもよい。
(III )第1攪拌工程第1攪拌工程においては、添加工程で作製したカイラル材料とネマティック液晶の混合物を次のように攪拌する。第1攪拌工程においては、所定温度で、所定時間、所定回転速度(所定攪拌速度)で所定雰囲気下において該混合物を攪拌する。
【0011】第1攪拌工程における混合物の攪拌は、主に、ネマティック液晶とカイラル材料が完全に溶解した状態で、これらを均一に混合することを目的とするものである。そのため、第1攪拌工程における攪拌は、比較的高い温度で行う。第1攪拌工程における前記所定温度は、ネマティック液晶の相転移温度TNI以上、(該相転移温度TNI+40°C)以下であることが好ましい。すなわち、第1攪拌工程における攪拌は、混合物の温度を該相転移温度TNI以上、(該相転移温度+40°C)以下にして行うことが好ましい。これは次の理由による。混合物の温度が相転移温度TNIより低いと、ネマティック液晶とカイラル材料が完全に混ざりきらないからである。また、混合物の温度が(相転移温度TNI+40°C)より大きいと、混合物中の液晶成分が揮発しやすくなるからである。
【0012】なお、相転移温度TNIは、ネマティック液晶がコレステリック相と等方相の間で相転移を起こす温度である。第1攪拌工程における前記所定時間は、例えば60分以下とすればよい。すなわち、第1攪拌工程において攪拌を行う時間は、例えば60分以下とすればよい。この攪拌時間は勿論0秒より長い時間である。攪拌時間は、60分より長くてもよいが、長ければそれだけ製造時間が長くなり、製造効率が低下する。また、攪拌時間が長いと、混合物中の液晶成分が比較的多く揮発してしまい、混合物の組成が変わってしまう。この攪拌時間は、攪拌速度等に応じて定めればよい。攪拌時間は、例えば、10分以上15分以下とすればよい。
【0013】第1攪拌工程における前記所定回転速度、換言すれば攪拌装置による所定攪拌回転速度は、例えば1rpm以上とすればよい。すなわち、第1攪拌工程における攪拌速度は、例えば1rpm以上とすればよい。この場合、攪拌装置に特段の制限はなく、ネマティック液晶とカイラル材料を攪拌混合できるものであればよい。この攪拌速度には特に上限はないが、例えば攪拌装置で攪拌できる速度とすればよい。攪拌速度は、攪拌時間等に応じて定めればよい。攪拌速度は、効率等を考慮すると、例えば、30rpm以上200rpm以下とすればよい。
【0014】第1攪拌工程における前記所定雰囲気は、例えば、空気、窒素(N2 )及びアルゴン(Ar)のうちの少なくとも一種とすればよい。すなわち、第1攪拌工程における攪拌は、例えば、空気、窒素及びアルゴンのうちの少なくとも一種の雰囲気下において行えばよい。この攪拌を窒素及び(又は)アルゴンの雰囲気下において行うと、或いは空気にさらに窒素及び(又は)アルゴンを混合した雰囲気下において行うと、混合物に水分が吸着する等の不具合を抑制できる。
(IV)第2攪拌工程第2攪拌工程においては、第1攪拌工程で攪拌した混合物をさらに次のように攪拌する。第2攪拌工程においては、第1攪拌工程における所定温度とは異なる所定温度で、所定時間、所定回転速度(所定攪拌回転速度)で所定雰囲気下において該混合物を攪拌する。
【0015】第2攪拌工程における混合物の攪拌は、主に、最終的な使用環境温度である室温付近の温度においてネマティック液晶とカイラル材料が均一に混合された状態にすることを目的とするものである。そのため、第2攪拌工程における前記所定温度は、第1攪拌工程における温度よりも低い温度、より好ましくは室温に近い温度(室温±10°C(より好ましくは、室温±5°C))であることが好ましい。すなわち、第2攪拌工程における攪拌は、混合物の温度を第1攪拌工程において混合物を攪拌するときの温度よりも低い温度(より好ましくは、室温に近い温度)にして行うことが好ましい。第1攪拌工程において攪拌した後、混合物を室温に近い温度でさらに攪拌することで、ネマティック液晶とカイラル材料を最終的な使用環境温度である室温に近い温度において均一に混合された状態にすることができる。ひいては、液晶表示素子の特性を向上させることができる。
【0016】第2攪拌工程における前記所定時間は、例えば1秒以上60分以下とすればよい。すなわち、第2攪拌工程において攪拌を行う時間は、例えば1秒以上60分以下とすればよい。第2攪拌工程における攪拌時間は、第1工程における攪拌時間と同様に、60分より長くてもよいが、長ければそれだけ製造時間が長くなり、製造効率が低下する。また、攪拌時間が長いと、混合物中の液晶成分が比較的多く揮発してしまい、混合物の組成が変わってしまう。第2攪拌工程における攪拌時間も、第1攪拌工程における攪拌時間と同様に、攪拌速度等に応じて定めればよい。第2攪拌工程における攪拌時間は、製造効率等を考慮すると、例えば、5分以上30分以下とすればよい。
【0017】第2攪拌工程における前記所定回転速度(所定攪拌回転速度)は、第1攪拌工程における所定速度と同様に、例えば1rpm以上とすればよい。すなわち、第2攪拌工程における攪拌速度は、例えば1rpm以上とすればよい。第2攪拌工程における攪拌速度は、第1攪拌工程における攪拌速度と同じでもよいし、異なっていてもよい。第2攪拌工程における攪拌速度は、第1攪拌工程における攪拌速度と同様に特に上限はないが、例えば攪拌装置で攪拌できる速度とすればよい。第2攪拌工程における攪拌速度は、その攪拌時間等に応じて定めればよい。第2攪拌工程における攪拌速度は、例えば、30rpm以上200rpm以下とすればよい。
【0018】第2攪拌工程における前記所定雰囲気は、第1攪拌工程における所定雰囲気と同様に、例えば、空気、窒素(N2 )及びアルゴン(Ar)のうちの少なくとも一種とすればよい。すなわち、第2攪拌工程における攪拌は、例えば、空気、窒素及びアルゴンのうちの少なくとも一種の雰囲気下において行えばよい。第2攪拌工程は、第1攪拌工程と同じ雰囲気下において行ってもよいし、異なる雰囲気下において行ってもよい。第2攪拌工程と第1攪拌工程を同じ雰囲気下で行えば、製造効率をそれだけ上げることができる。第2攪拌工程においても、混合物の攪拌を窒素及び(又は)アルゴンの雰囲気下や空気にさらに窒素及び(又は)アルゴンを混ぜた雰囲気下において行うと、混合物に水分が吸着する等の不具合を抑制できる。
(V )脱泡工程脱泡工程においては、第2攪拌工程で攪拌した混合物を次のように攪拌しながら、該混合物から脱泡する。脱泡工程においては、該混合物を所定温度で、所定時間、所定回転速度(所定攪拌回転速度)で所定気圧下において攪拌して、該混合物から脱泡する。
【0019】脱泡工程における前記所定温度は、室温以上、(ネマティック液晶の相転移温度TNI+30°C)以下であることが好ましい。すなわち、脱泡工程は、混合物の温度を室温以上、(相転移温度TNI+30°C)以下として行うことが好ましい。これは次の理由による。混合物の温度が室温より低いと、混合物(カイラルネマティック液晶)の粘度が比較的高く、混合物(カイラルネマティック液晶)中の気泡がぬけにくいからである。また、混合物の温度が(相転移温度TNI+30°C)より大きいと、混合物中の液晶成分が揮発しやすくなるからである。脱泡工程における好ましい温度の上限(相転移温度TNI+30°C)は、第1攪拌工程における前述の好ましい温度の上限(相転移温度+40°C)よりも低い。これは、後述するように脱泡工程が大気圧より小さい減圧下において行われるときには、前記第1攪拌工程が大気圧下において混合物を加熱しながら行われるときよりも、液晶が揮発しやすいからである。
【0020】脱泡工程における前記所定時間は、例えば1秒以上60分以下とすればよい。すなわち、脱泡工程において攪拌を行う時間(脱泡時間)は、例えば1秒以上60分以下とすればよい。脱泡時間は、60分より長くてもよいが、長ければそれだけ製造時間が長くなり、製造効率が低下する。また、脱泡時間が長いと、混合物中の液晶成分が比較的多く揮発してしまい、混合物の組成が変わってしまう。脱泡時間は、攪拌速度等に応じて定めればよい。脱泡時間は、例えば、10分以上60分以下とすればよい。
【0021】脱泡工程における前記所定回転速度は、第1攪拌工程における所定速度と同様に、例えば1rpm以上とすればよい。すなわち、脱泡工程における攪拌速度は、例えば1rpm以上とすればよい。脱泡工程における攪拌速度は、第1攪拌工程における攪拌速度及び(又は)第2攪拌工程における攪拌速度と同じでもよいし、異なっていてもよい。脱泡工程における攪拌速度の上限は特にないが、例えば攪拌装置で攪拌できる速度とすればよい。脱泡工程における攪拌速度は、その攪拌時間等に応じて定めればよい。脱泡工程における攪拌速度は、例えば、30rpm以上200rpm以下とすればよい。
【0022】脱泡工程における前記所定気圧は、大気圧未満とすることが好ましい。すなわち、脱泡工程は、大気圧より小さい気圧下で行うことが好ましい。これは脱泡工程を大気圧以上の気圧下で行うと、混合物から十分に脱泡することができないからである。脱泡工程を行うときの気圧は大気圧未満であれば特に制限はないが、例えば、通常のロータリーポンプで達成可能な1Pa以上の気圧下において行えばよい。
(VI)以上述べたようにしてネマティック液晶とカイラル材料を混合すれば、コレステリック相を示すカイラルネマティック液晶が得られる。
【0023】後述する実験結果に示されるように、本発明に係る製造方法でカイラルネマティック液晶を作製すれば、ほぼ設計値通りの選択反射波長及び選択反射波長幅を有するカイラルネマティック液晶が得られる。したがって、本発明の製造方法で作製したカイラルネマティック液晶を用いて液晶表示素子を作製すれば、所望の色を色純度高く表示することができる。また、本発明に係る製造方法においては脱泡を行うため、気泡の少ないカイラルネマティック液晶が得られる。
(VII ) 塵等のカイラルネマティック液晶への混入を抑制するために、カイラルネマティック液晶の製造のための各工程は、クリーン度(清浄度)の高いクリーンルーム内において行うことが好ましい。少なくとも前記添加工程、第1攪拌工程、第2攪拌工程及び脱泡工程は、例えばクリーン度クラス100以下のクリーンルーム内において行えばよい。すなわち、前記各工程は、例えばクラス100のクリーンルーム内、或いは、クラス100よりも清浄度が高いクリーンルーム内において行えばよい。なお、クラス100のクリーンルーム内は、1立方フィート中に含まれている0.5μm以上の大きさのゴミの数が100個以内である。
【0024】紫外線によるネマティック液晶、カイラル材料、カイラルネマティック液晶の劣化を抑制するために、カイラルネマティック液晶の製造のための各工程は、紫外線放射照度が小さい環境下において行うことが好ましい。少なくとも前記添加工程、第1攪拌工程、第2攪拌工程及び脱泡工程は、例えば紫外線放射照度が0.1mW/cm2 以下の環境下において行えばよい。
(VIII) カイラルネマティック液晶を作製する各工程において、ネマティック液晶、カイラル材料及びカイラルネマティック液晶のうちの1又は2以上と接触する器具(接触器具)として、その接触面がフッ素系樹脂又はシリコン系樹脂で被覆されている器具を用いると次の利点がある。両樹脂を併用してもよい。
【0025】なお、接触器具は、例えば、ネマティック液晶やカイラル材料を採取するときに用いるシリンジや薬さじ、ネマティック液晶を計量するときに該ネマティック液晶を収容する容器、カイラル材料を計量するときに該カイラル材料を収容する容器、添加工程において混合物を収容する容器、第1攪拌工程において混合物を収容する容器、第2攪拌工程において混合物を収容する容器、脱泡工程において混合物を収容する容器、攪拌するときに用いる攪拌子などである。また、ある工程が終わった後、次の工程を行う前にネマティック液晶やカイラル材料及びそれらの混合物等を所定の容器から別の容器へパイプを通して移し替えるときには、そのパイプも接触器具である。例えば、第2攪拌工程において混合物を収容する容器から脱泡工程において混合物を収容する容器へパイプを通して混合物を移送する場合には、そのパイプも接触器具である。
【0026】このような接触器具の接触面がフッ素系樹脂又は(及び)シリコン系樹脂で被覆されていると、その器具のメンテナンスが容易になる。また、例えば、ネマティック液晶を第1容器に収容して計量し、カイラル材料を第2容器に収容して計量し、その後、これら各容器の収容物を第3容器に移し替えてネマティック液晶とカイラル材料を混合する場合、第1容器のネマティック液晶との接触面及び第2容器のカイラル材料との接触面がフッ素系樹脂又は(及び)シリコン系樹脂で被覆されていれば、混合物の混合比の精度を高めることができる。この場合、第1容器から第3容器にネマティック液晶をパイプを通して移すときには、そのパイプの内側の面(すなわち、ネマティック液晶との接触面)もフッ素系樹脂又は(及び)シリコン系樹脂で被覆されていれば、さらに混合比の精度を高めることができる。また、第2容器から第3容器にカイラル材料をパイプを通して移すときには、そのパイプの内側の面もフッ素系樹脂又は(及び)シリコン系樹脂で被覆されていれば、さらに混合比の精度を高めることができる。また、第2攪拌工程を行うときに混合物を収容する容器(攪拌槽)から、脱泡工程を行うときに混合物を収容する容器(脱泡槽)へ混合物をパイプ(配管)を通して移送する場合には、そのパイプの内側がフッ素系樹脂又は(及び)シリコン系樹脂で被覆されていれば、混合比が移送中に変化してしまうことを抑制できる。
【0027】勿論、全ての接触器具の接触面がフッ素系樹脂又は(及び)シリコン系樹脂で被覆されている必要はないが、被覆されていれば上記のメリットを享受できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(1) 図1に本発明に係るカイラルネマティック液晶の製造方法の一例の工程図を示す。本発明のカイラルネマティック液晶製造方法においては、次のようにネマティック液晶とカイラル材料を混合して、カイラルネマティック液晶を作製する。
(準備工程) まず、ネマティック液晶及びカイラル材料をそれぞれ準備する。例えば、市販品を購入すればよい。
(添加工程) ネマティック液晶に対してカイラル材料を5〜50wt%の割合で添加する。
(第1攪拌工程) 次いで、ネマティック液晶とカイラル材料の混合物を所定温度で、所定時間、所定回転速度で、所定雰囲気下において攪拌する。
(第2攪拌工程) 第1攪拌工程の攪拌の後、ネマティック液晶とカイラル材料の混合物を所定温度で、所定時間、所定回転速度で、所定雰囲気下においてさらに攪拌する。
(脱泡工程) この後、混合物を所定温度で、所定時間、所定回転速度で、所定気圧下において攪拌しながら、混合物から脱泡する。
【0029】これらにより、コレステリック相を示すカイラルネマティック液晶が得られる。作製されたカイラルネマティック液晶は、例えば、図2に示す液晶表示素子において利用できる。図2に示す液晶表示素子E1は、それぞれに透明電極12、14が形成された透明基板11と15の間に液晶層13が挟まれている。この液晶層13にカイラルネマティック液晶131が含まれている。液晶層13は、カイラルネマティック液晶131の他、複数の球状スペーサ132を含んでいる。液晶層13の周縁部はシール壁17によって液晶131が漏れ出ないようにシールされている。
【0030】基板15の電極14とは反対側には、黒色の光吸収層16が設けられている。この液晶表示素子E1は基板11側からその表示を観察する。この液晶表示素子E1において、電極12、14間に所定電圧を印加すると、液晶層13のカイラルネマティック液晶131の配列状態をプレーナ状態とフォーカルコニック状態の間で切り替えることができる。
【0031】プレーナ状態のカイラルネマティック液晶は、ヘリカルピッチと該液晶の平均屈折率の積に対応する波長の光を選択的に反射する。選択反射波長が可視域にある場合、液晶がプレーナ状態であるとき液晶表示素子E1は選択反射波長に対応する色に見える。また、選択反射波長が赤外域にある場合、液晶がプレーナ状態であるとき液晶131は透明になり、液晶表示素子E1は光吸収層16の黒色に見える。
【0032】フォーカルコニック状態のカイラルネマティック液晶は、該液晶に入射した光を散乱する。カイラルネマティック液晶のヘリカルピッチが可視光より大きいときには、液晶131は白濁してるように見え、液晶表示素子E1は白色に見える。また、選択反射波長が可視域にある場合のようにヘリカルピッチが短いと散乱が小さくなって、液晶131はほぼ透明になり、液晶表示素子E1は光吸収層16の黒色に見える。
【0033】このようにカイラルネマティック液晶を用いた液晶表示素子E1は、反射型の表示素子として利用できる。この液晶表示素子E1は、次のようにして作製することができる。例えば、電極14及び光吸収層16が形成された基板15上に液晶注入口を残して紫外線硬化樹脂を枠状に塗布する。この樹脂は後にシール壁17となる。さらに基板15上にはスペーサ132を散布する。次いで、紫外線硬化樹脂(シール樹脂)及びスペーサ132を介して、電極14が形成された基板15と、電極12が形成された基板11を貼り合わせる。この後、紫外線を照射することで、シール樹脂を硬化させて、液晶注入口を有するシール壁17を形成する。これらにより、電極付きの二つの基板が所定間隔で互いに対向し、液晶を満たすための空間を有する液晶表示素子E1の空セルが得られる。この空間に液晶注入口からカイラルネマティック液晶を真空注入法で注入し、液晶注入口を樹脂等でシールすることで、液晶表示素子E1が得られる。
(2) 次に、本発明に係るカイラルネマティック液晶の製造方法によって、実際にカイラルネマティック液晶を作製した実験(実験例1〜4)について述べる。
【0034】本発明に係る製造方法によってカイラルネマティック液晶を作製した実験(実験例1〜4)においては、第1攪拌工程、第2攪拌工程、脱泡工程は次のように行った。
・第1攪拌工程攪拌時の混合物の温度は、ネマティック液晶の相転移温度TNI以上、(該相転移温度TNI+40°C)以下とした。
【0035】攪拌時間は、60分以下とした。攪拌時の回転速度(攪拌速度)は、1rpm以上とした。攪拌時の雰囲気は、N2 雰囲気、Ar雰囲気又は空気雰囲気とした。
・第2攪拌工程攪拌時の混合物の温度は、室温に近い温度(室温±10°C)とした。
【0036】攪拌時間は、1秒以上60分以下とした。攪拌時の回転速度(攪拌速度)は、1rpm以上とした。攪拌時の雰囲気は、N2 雰囲気、Ar雰囲気又は空気雰囲気とした。
・脱泡工程攪拌時の混合物の温度は、ネマティック液晶の相転移温度TNI以上、(該相転移温度TNI+30°C)以下とした。
【0037】攪拌時間は、1秒以上60分以下とした。攪拌時の混合物の回転速度(攪拌速度)は、1rpm以上とした。攪拌時の気圧は、1Pa以上大気圧未満とした。
(3) 本発明の製造方法との比較のために、上記(2)で述べた本発明の製造方法とは異なる方法でもカイラルネマティック液晶を作製した(比較例1〜4)。
【0038】比較例1においては、脱泡工程を省略した。比較例2においては、第1攪拌工程における攪拌時の混合物の温度をネマティック液晶の相転移温度TNIり小さくした。比較例3においては、第2攪拌工程を省略した。比較例4においては、第2攪拌工程における攪拌時の混合物の温度を室温よりかなり高い温度とした。
(4) 本発明に係る実験例1〜4について以下順にさらに詳しく述べる。また、比較例1〜4についても以下順にさらに詳しく述べる。
【0039】なお、いずれの実験(実験例1〜4、比較例1〜4)のいずれの工程についても、クレーン度クラス100、室温23°Cのクリーンルーム内において行った。このクリーンルーム内の紫外線放射照度は0.1mW/cm2 以下であった。実験例1〜4を行ったときの温度等の条件を次表1に示す。また、比較例1〜4を行ったときの条件を次表2に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】(4−1)実験例1・準備工程ネマティック液晶BL046(メルクジャパン社製)を秤量して6g用意した。このネマティック液晶BL046の相転移温度TNIは83°Cである。また、不斉炭素を一つ含有するカイラル材料CB15(メルクジャパン社製)を秤量して4g用意した。
【0043】なお、ネマティック液晶を秤量するときに該液晶を収容した容器及びカイラル材料を秤量するときに該カイラル材料を収容した容器としては、それぞれその内側の面がフッ素系樹脂によってコートされているものを用いた。
・添加工程洗浄済みのガラス容器内において、用意したネマティック液晶6gにカイラル材料4gを添加した。すなわち、ネマティック液晶にカイラル材料を40wt%添加した。
【0044】さらに詳しく言うと、6gのネマティック液晶が入った容器からガラス容器にネマティック液晶を移し替えるとともに、4gのカイラル材料が入った容器からガラス容器にカイラル材料を移し替えることで、これらを混合した。前述のようにネマティック液晶が入った容器の内側面及びカイラル材料が入った容器の内側面がフッ素樹脂によって被覆されているので、ネマティック液晶及びカイラル材料がそれらが入っていた容器に残留してしまうことを抑制でき、それだけ精度良く前記混合比でこれらを混合できる。
・第1攪拌工程添加工程において作製したネマティック液晶とカイラル材料の混合物を、図3に示す加熱攪拌装置2のチャンバー21内で攪拌した。
【0045】加熱攪拌装置2は、攪拌を所定雰囲気中において行うためにチャンバー21を有している。加熱攪拌装置2は加熱・駆動装置22を有しており、この加熱・駆動装置22で容器内の混合物を所定温度にまで加熱できるとともに、攪拌子23を回転駆動して、容器内の混合物を攪拌することができる。第1攪拌工程においては、その温度を110°C(相転移温度TNI+27°C)にして、10分間、回転速度50rpmで、窒素(N2 )雰囲気中において混合物を攪拌した。
・第2攪拌工程混合物の温度を室温に戻し、さらに混合物を加熱攪拌装置2で攪拌した。
【0046】第2攪拌工程においては、その温度を室温にして、15分間、回転速度50rpmで、窒素雰囲気中において混合物を攪拌した。第2攪拌工程終了後には、容器中の攪拌物(混合物)は、弱い緑色を帯びており、コレステリック相を示していた。
・脱泡工程容器内の攪拌子23を取り除き、図3に示す脱泡装置3のチャンバー31内で容器内の混合物を攪拌しながら、脱泡した。
【0047】脱泡装置3は、ロータリー真空ポンプ34によってチャンバー31内を所定気圧(所定真空度)にまで減圧することができる。脱泡装置3も、加熱攪拌装置2の加熱・駆動装置22と同様の加熱・駆動装置32を有しており、容器内の混合物を所定温度にまで加熱できるとともに、攪拌子33を回転駆動して、容器内の混合物を攪拌することができる。
【0048】脱泡工程においては、その温度を室温にして、10分間、回転速度50rpmで、1Pa(≒9.87×10-6atm)の気圧下において混合物を攪拌することで、混合物から脱泡した。これらにより、カイラルネマティック液晶を得た。このカイラルネマティック液晶で、図2に示す構造の液晶表示素子を前述の手法で作製した。液晶表示素子の基板としては厚み10μmのガラス基板を採用し、電極としてはITO電極を採用した。
【0049】作製した液晶表示素子の特性は、次のとおりであった。
ピーク反射率: 38.5%着色Y値: 24.5%消色Y値: 2.2%刺激純度: 55%選択反射波長: 0.55μm(緑色波長)
なお、Y値は視感反射率である。
【0050】この実験例1で作製された液晶表示素子のように、選択反射波長が可視域にある場合には、着色Y値は液晶(液晶層)が選択反射状態(プレーナ状態)であるときのY値であり、消色Y値は液晶が透明状態(フォーカルコニック状態)であるときのY値である。また、後述する実験例2で作製された液晶表示素子のように、選択反射波長が赤外線域にある場合には、着色Y値は液晶がフォーカルコニック状態で白濁しているときのY値であり、消色Y値は液晶が選択反射状態(プレーナ状態)でほぼ透明であるときのY値である。
【0051】この液晶表示素子は、ほぼ設計した通りの選択反射波長と、選択反射波長幅(選択反射ピーク波長の半値幅)を有しており、色純度の高い緑色を表示することができた。この液晶表示素子を70°Cの雰囲気中に300時間放置した後、特性の変化を調べる高温テストを行った。この液晶表示素子は、特性の劣化は見られなかった。
(4−2)実験例2次に述べることを除けば実験例1と同様にしてカイラルネマティック液晶を作製した。
【0052】実験例2においては、ネマティック液晶として、相転移温度TNIが70°Cのネマティック液晶E31LV(メルクジャパン社製)を採用した。また、カイラル材料として、不斉炭素を二つ含有するカイラル材料CNL611R(アデカ社製)を採用した。添加工程においては、8.8gのネマティック液晶E31LVに、1.2gのカイラル材料CNL611Rを添加した。すなわち、ネマティック液晶にカイラル材料を12wt%添加した。
【0053】第1攪拌工程においては、次に述べることを除き、実験例1と同様にして混合物を攪拌した。ネマティック液晶とカイラル材料の混合物の温度は、85°C(相転移温度TNI+15°C)にした。また、攪拌時間は15分、攪拌速度は100rpmとした。第2攪拌工程は、攪拌時間を5分、攪拌速度を100rpmにしたことを除き、実験例1と同様にして行った。第2攪拌工程終了後には、容器中の攪拌物(混合物)は、白色を帯びており、コレステリック相を示していた。
【0054】脱泡工程は、攪拌時間を30分、攪拌速度を100rpmとしたことを除き、実験例1と同様にして行った。これらにより、カイラルネマティック液晶を得た。このカイラルネマティック液晶を用いて、実験例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0055】作製された液晶表示素子の特性は、次のとおりであった。
着色Y値: 5.4%消色Y値: 1.1%刺激純度: 55%選択反射波長: 1.1μm(赤外線域波長)
また、この液晶表示素子の高温テストを実験例1と同様にして行った。この液晶表示素子は、特性の劣化は見られなかった。
(4−3)実験例3次に述べることを除けば実験例1と同様にしてカイラルネマティック液晶を作製した。
【0056】実験例3においては、第1攪拌工程及び第2攪拌工程は、アルゴン(Ar)雰囲気中において行った。また、第1攪拌工程の攪拌時間は50分、攪拌速度は30rpmとした。第2攪拌工程の攪拌時間は20分とした。脱泡工程の攪拌時間は40分とした。作製されたカイラルネマティック液晶を用いて、実験例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0057】作製された液晶表示素子の特性は、次のとおりであった。
ピーク反射率: 37.4%着色Y値: 23.5%消色Y値: 2.3%刺激純度: 54%選択反射波長: 0.55μm(緑色波長)
この液晶表示素子は、ほぼ設計した通りの選択反射波長と、選択反射波長幅を有しており、色純度の高い緑色を表示することができた。
【0058】また、この液晶表示素子の高温テストを実験例1と同様にして行った。この液晶表示素子は、特性の劣化は見られなかった。
(4−4)実験例4次に述べることを除けば実験例1と同様にしてカイラルネマティック液晶を作製した。
【0059】実験例4においては、第1攪拌工程及び第2攪拌工程は、空気雰囲気中において行った。また、第1攪拌工程の攪拌時間は20分、攪拌速度は180rpmとした。第2攪拌工程の攪拌時間は25分、攪拌速度は180rpmとした。脱泡工程の攪拌時間は50分、攪拌速度は180rpmとした。作製されたカイラルネマティック液晶を用いて、実験例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0060】作製された液晶表示素子の特性は、次のとおりであった。
ピーク反射率: 37.8%着色Y値: 22.5%消色Y値: 2.4%刺激純度: 50%選択反射波長: 0.55μm(緑色波長)
この液晶表示素子は、ほぼ設計した通りの選択反射波長と、選択反射波長幅を有しており、色純度の高い緑色を表示することができた。
【0061】また、この液晶表示素子の高温テストを実験例1と同様にして行った。この液晶表示素子は、特性の劣化は見られなかった。
(4−5)比較例1次に述べることを除けば実験例1と同様にしてカイラルネマティック液晶を作製した。
【0062】比較例1においては、脱泡工程を行わなかった。作製されたカイラルネマティック液晶を用いて、実験例1と同様にして液晶表示素子を作製した。液晶を空セルに注入した後に気泡が多数出現して、液晶表示素子特性の測定を行うことは不可能であった。
(4−6)比較例2次に述べることを除けば実験例1と同様にしてネマティック液晶とカイラル材料を攪拌した。
【0063】比較例2においては、第1攪拌工程において混合物の温度を80°C((TNI−3)°C)にして攪拌を行った。その結果、ネマティック液晶とカイラル材料がうまく混合されず、混合物中に固形部分があり、コレステリック相を示さないものができた。すなわち、比較例2においては、カイラルネマティック液晶は得られなかった。
(4−7)比較例3次に述べることを除けば実験例1と同様にしてカイラルネマティック液晶を作製した。
【0064】比較例3においては、第2攪拌工程を行わなかった。作製されたカイラルネマティック液晶を用いて、実験例1と同様にして液晶表示素子を作製した。作製された液晶表示素子の特性は、次のとおりであった。
ピーク反射率: 35.5%着色Y値: 23.0%消色Y値: 3.5%刺激純度: 26%選択反射波長: 0.62μm(橙色波長)
比較例3の液晶表示素子は、実験例1の液晶表示素子よりも選択反射波長が長波長側にずれていた。また、比較例3の液晶表示素子は、比較例1の液晶表示素子よりも選択反射波長幅も大きかった。そのため、比較例3の液晶表示素子の選択反射時の表示色は色純度が悪かった。
(4−8)比較例4次に述べることを除けば実験例1と同様にしてカイラルネマティック液晶を作製した。
【0065】比較例4においては、第2攪拌工程において混合物の温度を室温からかなりずれた40°Cにして攪拌を行った。また、第1攪拌工程の攪拌時間は90分とした。第2攪拌工程の温度は40°Cとした。作製されたカイラルネマティック液晶を用いて、実験例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0066】作製された液晶表示素子の特性は、次のとおりであった。
ピーク反射率: 36.0%着色Y値: 23.0%消色Y値: 3.3%刺激純度: 28%選択反射波長: 0.60μm(橙色波長)
比較例4の液晶表示素子は、実験例1の液晶表示素子よりも選択反射波長が長波長側にずれていた。また、比較例4の液晶表示素子は、比較例1の液晶表示素子よりも選択反射波長幅も大きかった。そのため、比較例4の液晶表示素子の選択反射時の表示色は色純度が悪かった。
(5) これら実験結果から、前記(2)の中で述べた条件で、ネマティック液晶とカイラル材料を攪拌し、その後脱泡する本発明の製造方法によると、気泡の少ないカイラルネマティック液晶を作製できることがわかる。
【0067】また、本発明の製造方法によると、ネマティック液晶の種類、カイラル材料の種類及びこれらの混合比等に応じた所望の、ほぼ設計値通りの選択反射波長及び選択反射波長幅を有するカイラルネマティック液晶が作成できることがわかる。
【0068】
【発明の効果】本発明は、ネマティック液晶とカイラル材料を混合してカイラルネマティック液晶を製造する方法であって、気泡の少ないカイラルネマティック液晶を作製することができるとともに、選択反射波長や選択反射波長幅(半値幅)が、ほぼ設計値通りになるカイラルネマティック液晶の製造方法を提供することができる。




 

 


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