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発明の名称 記録用インク
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−49154(P2001−49154A)
公開日 平成13年2月20日(2001.2.20)
出願番号 特願平11−222349
出願日 平成11年8月5日(1999.8.5)
代理人 【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
【テーマコード(参考)】
2C056
2H086
4J039
【Fターム(参考)】
2C056 FC01 
2H086 BA55 BA59
4J039 AD03 AD05 AD08 AD09 AD10 AD11 AD12 AD14 AD23 BA04 BC07 BC09 BC17 BC39 BC60 BE01 BE03 BE04 BE06 BE07 BE12 CA03 CA06 EA15 EA16 EA17 EA19 EA42 EA43 GA24
発明者 野崎 千代志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも着色剤と水性媒体とを含む記録用インクにおいて、下記の化1に示す構造式(a)及び/又は(b)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物を含有させたことを特徴とする記録用インク。
【化1】

ここで、上記の構造式(a),(b)において、RはH又はCH3 、Sは糖類の残基、Xは2価の結合基である。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクジェットプリンタ等のインクジェット記録装置に使用する記録用インクに係り、特に、この記録用インクを用いて記録媒体上に画像を形成する場合において、高い画像濃度を有する良好な画像が得られるようにした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタ等のインクジェット記録装置に使用される記録用インクとしては、油性インクの他に、取扱いの容易性や安全性等の面で水性インクが広く用いられていた。
【0003】ここで、上記のような水性の記録用インクを用いて普通紙等の記録媒体上に画像を形成するにあたり、記録用インクの使用量を低減させて、画像品質を向上させるために、この記録用インクによって形成される画像の画像濃度を高くする必要があった。
【0004】そこで、従来においては、記録用インク中に水溶性のアクリル樹脂等のバインダー樹脂を添加し、記録媒体上における記録用インクの定着性を向上させることが行われていた。
【0005】しかし、上記のように記録用インク中にバインダー樹脂を添加した場合においても、この記録用インク中における着色剤がバインダー樹脂と共に記録媒体の内部に浸透して、記録用インクの着色剤が記録媒体の表面に十分に定着されなくなり、形成される画像の画像濃度を十分に高めることができず、またこのバインダー樹脂によって記録用インクの粘度が高くなり、インクジェット記録装置のノズルにこの記録用インクが目詰まりする等の問題があった。
【0006】また、従来においては、記録用インク中に多糖類や単糖類等の糖類の塩を含有させて、記録媒体に対する記録用インクの定着性を向上させ、記録媒体上に形成される画像の画像濃度を高めるようにしたものも提案されている。
【0007】しかし、このように記録用インク中に糖類の塩を含有させた場合、この記録用インクの粘度が大きく増加し、この記録用インクがインクジェット記録装置のノズルに目詰まりして、記録用インクがノズルから適切に吐出されなくなる等の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、インクジェットプリンタ等のインクジェット記録装置に使用される記録用インクにおける上記のような様々な問題を解決することを課題とするものであり、この記録用インクを用いて記録媒体上に画像を形成した場合に、この記録用インクが記録媒体の表面に十分に定着されて、高い画像濃度を有する画像が得られるようにすることを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る記録用インクにおいては、上記のような課題を解決するため、少なくとも着色剤と水性媒体とを含む記録用インクにおいて、前記の化1に示す構造式(a)及び/又は(b)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物を含有させるようにしたのである。
【0010】そして、この発明における記録用インクのように、前記の化1に示す構造式(a)及び/又は(b)で表される繰り返し単位を有する糖類を含む高分子化合物を含有させると、多糖類や単糖類等の糖類の塩を含有させた従来の記録用インクのように、その粘度が大きく増加するということがなく、また水溶性のアクリル樹脂等のバインダー樹脂を添加した場合のように、記録用インク中における着色剤が記録媒体の内部に浸透するのも抑制され、この記録用インクを用いて記録媒体上に画像を形成した場合に、記録用インク中における着色剤が上記の高分子化合物によって記録媒体の表面に十分に定着されるようになり、高い画像濃度を有する画像が得られるようになる。
【0011】ここで、前記の化1に示す構造式(a)及び/又は(b)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物を得るにあたっては、側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体を用いるようにし、このようなラジカル重合性単量体を得るにあたっては、例えば、糖分子における水酸基と反応する官能基を有しているビニルモノマーを用い、このビニルモノマーと糖類とを縮合反応、付加反応又は置換反応させたり、加水分解酵素を用いた糖鎖交換反応を利用して得ることができる。
【0012】また、上記の糖類としては、各種の単糖類、オリゴ糖類及び多糖類を用いることができ、例えば、「日本化学会編 改訂3版 化学便覧 基礎編1」のI−410〜I−417に記載されているようなものを用いることができる。
【0013】ここで、上記のような側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体としては、下記の化2〜化7に示すようなものを用いることができる。
【0014】
【化2】

【0015】
【化3】

【0016】
【化4】

【0017】
【化5】

【0018】
【化6】

【0019】
【化7】

【0020】そして、前記の化1に示す構造式(a)及び/又は(b)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物を得るにあたっては、上記のような側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体の1種又は2種以上を水又は有機溶媒に溶解させ、ラジカル重合開始剤によりラジカル重合させるようにし、またこのようにラジカル重合させるにあたり、上記のラジカル重合性単量体の1種又は2種以上と、その他のラジカル重合性単量体とを共重合させるようにしてもよい。
【0021】ここで、その他のラジカル重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸を水酸化ナトリウム又はアンモニア又はアルカノールアミンによって中和した中和物、メタクリル酸、メタクリル酸を水酸化ナトリウム又はアンモニア又はアルカノールアミンによって中和した中和物、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、メタクリロイルモルフォリン、N−アセチルビニルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのN−カルボキシメチル化物(両性イオン化物)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのN−カルボキシエチル化物(両性イオン化物)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルブロミドによるカチオン化物、4−スチレンスルホン酸ナトリウム、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、4−ビニルフェノール、4−ビニルフェニルスルホン酸ナトリウム、ビニルアセテート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、無水マレイン酸、ビニル安息香酸、N−ブチルマレイミド等を用いることができる。
【0022】また、この発明における記録用インクにおいては、水性媒体に着色剤と前記のような高分子化合物を添加させる他に、インクの特性を向上させるため、例えば、水可溶性樹脂、防カビ剤、防腐剤、PH調整剤、キレート剤、酸素吸収剤、防錆剤、消光剤等を加えることができる。
【0023】ここで、上記の水性媒体としては、水を単独で使用する他、水と水性の有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。
【0024】そして、上記の水性の有機溶媒としては、インクの乾燥性を高めて、記録媒体へのインクの定着を速めるため、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の脂肪族アルコール等を、好ましくは、炭素数1〜3の脂肪族アルコールを加えるようにする。
【0025】また、インクにおける保湿性を向上させたり、その粘度等を調整するために、エチレングリコール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ヘキシレングリコール等のモノアルキレングリコール、ジエチレングリコール,ジプロピレングリコール等のジアルキレングリコール、トリエチレングリコール等のトリアルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類を加えるようにしたり、またインク中において着色剤が析出するのを防止するため、尿素、アミド、環式アミド、アルカノールアミン等の両親媒性物質を添加することもできる。
【0026】さらに、吸湿性や水への溶解度の高い臭化リチウム,臭化ナトリウム,塩化ナトリウム等の無機塩類や、酢酸ナトリウム,トルエンスルホン酸ナトリウム,フタル酸ナトリウム,酢酸アンモニウム,酢酸トリエタノールアミン塩等の有機塩を添加させることもできる。
【0027】また、上記の水性媒体中に添加させる着色剤としては、従来より一般に使用されている公知の酸性染料,直接染料,反応性染料等の水溶性染料、油溶性染料、顔料を用いることができる。
【0028】そして、上記の染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142;C.I.アシッドレッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,87,89,92,97,106,111,114,115,186,249,254,289;C.I.アシッドブルー9,29,45,92,249;C.I.アシッドブラック1,2,7,24,26,94;C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,26,33,44,50,86,120,142,144;C.I.ダイレクトレッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,89,225,227;C.I.ダイレクトブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,98,163,165,199,202;C.I.ダイレクトブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,168,171;C.I.ベーシックイエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,28,29,32,36,40,41,45,49,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91;C.I.ベーシックレッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,35,36,38,39,46,49,51,52,68,70,73,78,82,102,104,109,112;C.I.ベーシックブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,54,62,65,66,67,69,75,77,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,155;C.I.ベーシックブラック2,8;C.I.リアクティブイエロー1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67;C.I.リアクティブレッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,66,74,79,96,97;C.I.リアクティブブルー1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95;C.I.リアクティブブラック3,4,7,11,12,17等を使用することができる。
【0029】また、上記の顔料としては、アゾ系,フタロシアニン系,アントラキノン系,キナクリドン系,ジオキサジン系,インジゴ系,チオインジゴ系,ペリレン系,アニリンブラック,アゾメチン系,ローダミンBレーキ系,カーボンブラック,表面修飾によって水分散性が高められたカーボンブラック等を使用することができ、具体的には、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,13,16,83,93,95,151,154,180;C.I.ピグメントレッド5,7,12,48,57,112,122;C.I.ピグメントブルー1,2,3,15:3,16等が用いられる。
【0030】ここで、上記のような着色剤を水性媒体中に添加させる量については、その量があまり少ないと、インクに十分な色彩が付与されない一方、その量が多くなりすぎると、着色剤の溶解,分散が十分に行えなくなるため、一般に、記録用インク中に着色剤を0.1〜20重量%の範囲で加えるようにする。
【0031】また、この記録用インクの流動性や顔料の分散性を高めることを目的として水可溶性樹脂を添加することができる。
【0032】ここで、上記の水可溶性樹脂としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,ビスコース等のセルロース誘導体、アルギン酸,アラビアゴム,トラガントゴム,リグニンスルホン酸,ゼラチン等の天然高分子類、りん酸でん粉,カルボキシメチルでん粉塩等のでん粉誘導体、ポリアクリル酸,ポリメタクリル酸,ポリビニル硫酸,ポリビニルスルホン酸,縮合ナフタレンスルホン酸,エチレン−アクリル酸共重合体,スチレン−アクリル酸共重合体,スチレン−メタクリル酸共重合体,アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体,スチレン−マレイン酸共重合体,スチレン−マレイン酸エステル共重合体,スチレン−イタコン酸共重合体,イタコン酸エステル−イタコン酸共重合体,ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体,ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体,ビニルナフタレン−イタコン酸共重合体,フェノール樹脂,ポリアミド樹脂,ポリイミド樹脂,ポリアミック酸樹脂,エポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリウレタン−ウレア樹脂,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルアミン,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,ポリアルキレンカチオン,フタル化ゼラチン,両性イオン基を有する高分子等の合成樹脂を用いることができる。
【0033】
【実施例】以下、この発明の実施例に係る記録用インクについて具体的に説明すると共に、この実施例に係る記録用インクを用いて記録媒体上に画像を形成した場合に、高い画像濃度を有する画像が得られることを比較例を挙げて明らかにする。
【0034】先ず、この発明の実施例の記録用インクに用いる高分子化合物の合成例について説明する。
【0035】(合成例1)この合成例においては、側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体として、前記の構造式(8)に示したメタクリル酸グルコシルオキシエチル(日本精化社製)を用い、このラジカル重合性単量体58.4g(0.20mol)を蒸留水234mlに溶解させ、これにラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩(和光純薬工業社製:VA−044)を0.129g(0.0004mol)、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノールを0.750g(0.0096mol)加え、窒素雰囲気下において、70〜90℃に加熱して4時間撹拌させて反応させ、側鎖に糖類を有する高分子化合物であるポリ(メタクリル酸グルコシルオキシエチル)が20wt%含有された水溶液を得た。
【0036】(合成例2)この合成例においては、側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体として、合成例1と同じ前記の構造式(8)に示したメタクリル酸グルコシルオキシエチルを用いる一方、共重合させる他のラジカル重合性単量体としてアクリル酸ナトリウムを用い、構造式(8)に示したラジカル重合性単量体と上記の他のラジカル重合性単量体とを0.8:0.2のモル比にして、これらの合計が0.20molになるようにし、それ以外は、上記の合成例1の場合と同様にして、これらの共重合体からなる高分子化合物が20wt%含有された水溶液を調製した。
【0037】(合成例3)この合成例においては、側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体として、合成例1と同じ前記の構造式(8)に示したメタクリル酸グルコシルオキシエチルを用いる一方、共重合させる他のラジカル重合性単量体としてN,N−ジメチルアクリルアミドを用い、構造式(8)に示したラジカル重合性単量体と上記の他のラジカル重合性単量体とを0.8:0.2のモル比にして、これらの合計が0.20molになるようにし、それ以外は、上記の合成例1の場合と同様にして、これらの共重合体からなる高分子化合物が20wt%含有された水溶液を調製した。
【0038】(合成例4)この合成例においては、側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体として、合成例1と同じ前記の構造式(8)に示したメタクリル酸グルコシルオキシエチルを用いる一方、共重合させる他のラジカル重合性単量体として、メタクリル酸とポリエチレングリコールとのエステル(日本油脂社製:PME−200)を用い、構造式(8)に示したラジカル重合性単量体と上記の他のラジカル重合性単量体とを0.8:0.2のモル比にして、これらの合計が0.20molになるようにし、それ以外は、上記の合成例1の場合と同様にして、これらの共重合体からなる高分子化合物が20wt%含有された水溶液を調製した。
【0039】(合成例5)この合成例においては、側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体として、合成例1と同じ前記の構造式(8)に示したメタクリル酸グルコシルオキシエチルを用いる一方、共重合させる他のラジカル重合性単量体として、両性イオン化物であるN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのN−カルボキシエチル化物を用い、構造式(8)に示したラジカル重合性単量体と上記の他のラジカル重合性単量体とを0.8:0.2のモル比にして、これらの合計が0.20molになるようにし、それ以外は、上記の合成例1の場合と同様にして、これらの共重合体からなる高分子化合物が20wt%含有された水溶液を調製した。
【0040】(合成例6)この合成例においては、側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体として、合成例1と同じ前記の構造式(8)に示したメタクリル酸グルコシルオキシエチルを用いる一方、共重合させる他のラジカル重合性単量体として、両性イオン化物であるN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのN−カルボキシエチル化物を用い、構造式(8)に示したラジカル重合性単量体と上記の他のラジカル重合性単量体とを0.4:0.6のモル比にして、これらの合計が0.20molになるようにし、それ以外は、上記の合成例1の場合と同様にして、これらの共重合体からなる高分子化合物が20wt%含有された水溶液を調製した。
【0041】(合成例7)この合成例においては、側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体として、合成例1と同じ前記の構造式(8)に示したメタクリル酸グルコシルオキシエチルを用いる一方、共重合させる他のラジカル重合性単量体として、両性イオン化物であるN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのN−カルボキシエチル化物と、N,N−ジメチルアクリルアミドとの2種類を用い、構造式(8)に示したラジカル重合性単量体と、上記の2種類の他のラジカル重合性単量体である両性イオン化物とN,N−ジメチルアクリルアミドとを0.6:0.2:0.2のモル比にして、これらの合計が0.20molになるようにし、それ以外は、上記の合成例1の場合と同様にして、これらの共重合体からなる高分子化合物が20wt%含有された水溶液を調製した。
【0042】(合成例8)この合成例においては、前記の構造式(5)に示した側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体を用いる一方、共重合させる他のラジカル重合性単量体として、両性イオン化物であるN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのN−カルボキシエチル化物を用い、構造式(5)に示したラジカル重合性単量体と上記の他のラジカル重合性単量体とを0.8:0.2のモル比にして、これらの合計が0.20molになるようにし、それ以外は、上記の合成例1の場合と同様にして、これらの共重合体からなる高分子化合物が20wt%含有された水溶液を調製した。
【0043】(合成例9)この合成例においては、前記の構造式(4)に示した側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体を用いる一方、共重合させる他のラジカル重合性単量体として、両性イオン化物であるN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのN−カルボキシエチル化物を用い、構造式(4)に示したラジカル重合性単量体と上記の他のラジカル重合性単量体とを0.8:0.2のモル比にして、これらの合計が0.20molになるようにし、それ以外は、上記の合成例1の場合と同様にして、これらの共重合体からなる高分子化合物が20wt%含有された水溶液を調製した。
【0044】(合成例10)この合成例においては、前記の構造式(2)に示した側鎖に糖類を有するラジカル重合性単量体を用いる一方、共重合させる他のラジカル重合性単量体として、両性イオン化物であるN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのN−カルボキシエチル化物を用い、構造式(2)に示したラジカル重合性単量体と上記の他のラジカル重合性単量体とを0.8:0.2のモル比にして、これらの合計が0.20molになるようにし、それ以外は、上記の合成例1の場合と同様にして、これらの共重合体からなる高分子化合物が20wt%含有された水溶液を調製した。
【0045】(実施例1〜10)実施例1〜10においては、記録用インク中に含有させるカーボンブラック水分散液を得るにあたり、カーボンブラック(デグサ社製:Printex70)が20wt%、分散剤としてSolsperse20000(ゼネカ社製)が3wt%、ジョンクリル63(ジョンソンポリマー社製)が6wt%の割合になった水分散液を調製し、粒径0.3mmのジルコニアビーズを3.8kg充填したダブルシリンダーパールミル(ドライヴェルケ社製:DCP−SF12)を用い、上記の水分散液を、1kwの電力で1時間,2kwの電力で1時間,さらに3kwの電力で1時間連続して粉砕,分散させ、カーボンブラックが20wt%含有されたカーボンブラック水分散液を調製した。
【0046】そして、これらの実施例1〜10においては、下記の表1に示すように、上記の合成例1〜10において調製した高分子化合物が20wt%含有された各水溶液を用い、このように高分子化合物が20wt%含有された水溶液と、上記のカーボンブラックが20wt%含有されたカーボンブラック水分散液と、蒸留水とを加えて各記録用インクを調製し、各記録用インク中にカーボンブラックの固形分濃度が5wt%、上記の各高分子化合物の固形分濃度が5wt%になるようにした。
【0047】(比較例1〜4)これらの比較例においても、上記の実施例1〜10において調製したのと同じカーボンブラックが20wt%含有されたカーボンブラック水分散液を用い、このカーボンブラック水分散液と、蒸留水と、高分子化合物の水溶液とを加えて、記録用インク中におけるカーボンブラックの固形分濃度が5wt%になった記録用インクを調製するようにした。
【0048】ここで、これらの比較例においては、高分子化合物の水溶液を加えるにあたって、下記の表1に示すように、比較例1では高分子化合物としてカルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩(ダイセル化学工業社製:CMC1102)を用い、記録用インク中におけるその固形分濃度が5wt%になるようにし、比較例2では高分子化合物としてアルギン酸ナトリウムを用い、記録用インク中におけるその固形分濃度が5wt%になるようにし、比較例3では高分子化合物としてアルギン酸ナトリウムを用い、記録用インク中におけるその固形分濃度が0.5wt%になるようにし、比較例4では高分子化合物として重量平均分子量Mwが2000のポリアクリル酸ナトリウム(aldrich社製)を用い、記録用インク中におけるその固形分濃度が5wt%の割合になるようにした。
【0049】(比較例5)この比較例においても、上記の実施例1〜10において調製したのと同じカーボンブラックが20wt%含有されたカーボンブラック水分散液を用い、このカーボンブラック水分散液と蒸留水とをカーボンブラックの固形分濃度が5wt%になるように混合し、高分子化合物を含有させないようにして記録用インクを調製した。
【0050】そして、上記のようにして調製した実施例1〜10及び比較例1〜5の各記録用インクを0.65μmのメンブランフィルタで加圧濾過したものを、市販のインクジェットプリンタ(エプソン社製:MJ−510C)に使用し、このインクジェットプリンタから各記録用インクを市販の記録紙(ミノルタ社製:EPペーパー)に吐出させて、縦25mm×横25mmのベタ画像を印字した。
【0051】そして、このように印字した各画像に可視光を照射して、その反射濃度を光学濃度計(X−Rite社製)を用いて測定し、その結果を下記の表1に示した。なお、上記の比較例2の記録用インクにおいては、その粘度が非常に高くなって記録用インク自体の調製が困難であり、また比較例1,3の各記録用インクにおいても、その粘度が高くなってインクの吐出不良が生じ、反射濃度を測定することが困難になったため、何れの場合も測定不可として表1に示した。
【0052】
【表1】

【0053】この結果から明らかなように、側鎖に糖類を有する高分子化合物を含有させた実施例1〜10の各記録用インクは、高分子化合物としてカルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩やアルギン酸ナトリウムを含有させた比較例1〜3の各記録用インクのようにインクの粘度が高くなり過ぎるということがなく、また高分子化合物としてポリアクリル酸ナトリウムを含有させた比較例4の記録用インクや、高分子化合物を含有させなかった比較例5の記録用インクに比べて、形成されたベタ画像における反射濃度が高く、高い画像濃度を有する画像が得られるようになった。
【0054】(実施例11〜15)これらの実施例においては、上記の実施例5と同様に、前記の合成例5に示すようにして調製した側鎖に糖類を有する高分子化合物が20wt%含有された水溶液を用い、記録用インク中に含有させるこの高分子化合物の固形分濃度を変更させ、この高分子化合物の記録用インク中における固形分濃度を、下記の表2に示すように、実施例11においては2wt%に、実施例12においては3wt%に、実施例13においては4wt%に、実施例14においては6wt%に、実施例15においては8wt%になるようにし、それ以外は、上記の実施例1〜10の場合と同様にして、実施例11〜15の各記録用インクを調製した。
【0055】そして、これらの実施例11〜15の各記録用インクについても、上記の実施例1〜10及び比較例1〜5の場合と同様にして、記録紙上にベタ画像を印字し、各ベタ画像における反射濃度を測定し、その結果を前記の実施例5の結果と合わせて下記の表2に示した。
【0056】
【表2】

【0057】この結果から明らかなように、記録用インク中に含有させる側鎖に糖類を有する高分子化合物の固形分濃度を2〜8wt%の範囲で変化させた実施例5,11〜15の各記録用インクにおいても、高分子化合物にカルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩やアルギン酸ナトリウムを含有させた比較例1〜3の各記録用インクのようにインクの粘度が高くなり過ぎるということがなく、また高分子化合物としてポリアクリル酸ナトリウムを含有させた比較例4の記録用インクや、高分子化合物を含有させなかった比較例5の記録用インクに比べて、形成されたベタ画像における反射濃度が高く、高い画像濃度を有する画像が得られるようになった。
【0058】また、実施例5,11〜15の各記録用インクを比較すると、記録用インク中に含有させる側鎖に糖類を有する高分子化合物の固形分濃度を高くするに従って形成されたベタ画像における反射濃度が高くなっていた。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における記録用インクにおいては、前記の化1に示す構造式(a)及び/又は(b)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物を含有させるようにしたため、多糖類や単糖類等の糖類の塩を含有させた従来の記録用インクのように、記録用インクの粘度が大きく増加するということがなく、また水溶性のアクリル樹脂等のバインダー樹脂を添加した場合のように、記録用インク中における着色剤が記録媒体の内部に浸透するのも抑制されて、記録用インク中における着色剤が上記の高分子化合物によって記録媒体の表面に十分に定着されるようになった。
【0060】この結果、この発明の記録用インクを用いて記録媒体上に画像を形成した場合に、この記録用インク中における着色剤が記録媒体の表面に十分に定着されて、高い画像濃度を有する画像が得られるようになった。




 

 


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