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発明の名称 変性エポキシ樹脂の製造方法、及び該変性エポキシ樹脂の利用
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−59012(P2001−59012A)
公開日 平成13年3月6日(2001.3.6)
出願番号 特願平11−234889
出願日 平成11年8月23日(1999.8.23)
代理人
発明者 池田 秀和
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとを反応させ、前記燐酸化合物(b)由来の−OHを有する中間生成物(1)を得た後、前記中間生成物(1)中の前記−OHと、アミノ基を有する化合物(c)のアミノ基とを反応させることを特徴とする変性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項2】 エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとの反応を水酸基含有溶剤中で行うことを特徴とする請求項1記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項3】 エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基の一部と、カルボキシル基を有する化合物(d)中のカルボキシル基とを反応させ中間生成物(2)を得た後、前記中間生成物(2)中の未反応のエポキシ基と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとを反応させ、前記燐酸化合物(b)由来の−OHを有する中間生成物(3)を得た後、前記中間生成物(3)中の前記−OHと、アミノ基を有する化合物(c)中のアミノ基とを反応させることを特徴とする変性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項4】 中間生成物(2)中の未反応のエポキシ基と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとの反応を水酸基含有溶剤中で行うことを特徴とする請求項3記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項5】 エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基と、カルボキシル基を有する化合物(d)中のカルボキシル基との反応を水酸基含有溶剤中で行うことを特徴とする請求項3又は4記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項6】 中間生成物(2)及び(3)がカルボキシル基を有し、中間生成物(3)中のカルボキシル基と、アミノ基を有する化合物(c)中のアミノ基とを反応させることを特徴とする請求項3ないし5いずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項7】 エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基の一部と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとを反応させ、前記燐酸化合物(b)由来の−OHを有する中間生成物(4)を得た後、前記中間生成物(4)中の未反応のエポキシ基と、カルボキシル基を有する化合物(d)中のカルボキシル基とを反応させ、前記燐酸化合物(b)由来の−OHを有する中間生成物(5)を得た後、前記中間生成物(5)中の前記−OHと、アミノ基を有する化合物(c)中のアミノ基とを反応させることを特徴とする変性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項8】 エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基の一部と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとの反応を水酸基含有溶剤中で行うことを特徴とする請求項7記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項9】 中間生成物(4)中の未反応のエポキシ基と、カルボキシル基を有する化合物(d)中のカルボキシル基との反応を水酸基含有溶剤中で行うことを特徴とする請求項7又は8記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項10】 中間生成物(5)がカルボキシル基を有し、該カルボキシル基と、アミノ基を有する化合物(c)中のアミノ基とを反応させることを特徴とする請求項7ないし9いずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項11】 請求項1ないし10いずれか1項に記載の製造方法によって得られる変性エポキシ樹脂。
【請求項12】 請求項11記載の変性エポキシ樹脂を含有してなる被覆剤組成物。
【請求項13】 イミノ基型のアミノ樹脂を含有することを特徴とする請求項12記載の被覆剤組成物。
【請求項14】 請求項12又は13記載の被覆剤組成物で被覆してなる被覆金属。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属に対する密着性に優れる被覆剤組成物を提供し得る変性エポキシ樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属は、家電、自動車、土木、建築分野で幅広く使われているが、腐食を防止するためにその表面にはなんらかのコ−ティングが施されている。特にエポキシ樹脂を主成分とする被覆剤は、加工性、密着性、硬度等の塗膜物性に優れるため、飲料や食品を収容する缶の被覆剤として使用されている。ところで、飲料や食品を収容する缶は、被覆剤層(塗膜)を設けた後に種々の加工をすることが一般的である。しかし、従来のエポキシ樹脂を主成分とする被覆剤で金属缶を被覆しても、加工後缶が種々の環境におかれた場合にその加工部の被覆剤層が経時的に割れたり、浮いたり、脱落したりする等の問題があった。係る問題を解決するためには、被覆剤層(塗膜)の金属に対する密着性を向上しつつ、耐沸騰水性、加工性、硬度とのバランスをとることが重要である。
【0003】このような問題を解決する方法として、特告昭62−3857号公報に開示されているようにリン酸変性エポキシ樹脂を被覆剤組成物中に配合する方法がある。しかし、リン酸変性エポキシ樹脂は、被覆剤組成物の主成分たるアクリル樹脂等と相溶性が悪く、その結果、被覆剤組成物が経時で増粘したり、塗膜の透明性やグロスが損なわれ易い。また、被覆剤組成物中に酸化チタン等の白色顔料を含む場合、変性エポキシ樹脂中のリン酸に由来する部分が前記白色顔料に吸着し易く、その結果凝集物を生じ、塗膜のグロスが損なわれ易い。そこで、リン酸変性エポキシ樹脂を被覆剤組成物中に配合する際には、配合量を少量に制限せざるを得ず、その結果、塗膜と金属との密着性はさほど向上できないという欠点があった。
【0004】密着性の向上に寄与する成分と被覆剤組成物の主たる成分との相溶性を向上する被覆剤組成物として、特開平4−236279号公報には、エポキシ樹脂とリン酸との反応生成物を、カルボキシル基含有アクリル系樹脂と反応させてなるアクリル変性リン酸化エポキシ樹脂と、アミノ樹脂とを含有する水性塗料組成物が提案されている。また、特開平7−242854号公報には、エポキシ樹脂とカルボン酸とリン酸とを反応させてなる変性エポキシ樹脂と、アミノ樹脂とを含有する水性塗料組成物が提案されている。
【0005】ところで、アミノ樹脂を官能基の面から分類すると、(1) アミノ基(−NH2)を完全にメチロール化したもの、(2) 上記(1)のメチロール基の一部をアルキルアルコールでエーテル化してなるN−メチロール基とN−アルコキシメチル基とを有するもの、(3) 上記(1)のN−メチロール基の全部をアルキルアルコールでエーテル化してなるN−アルコキシメチル基のみ有するもの、(4) アミノ基(−NH2)の一部をN−メチロール化したもの、(5) 上記(4)のN−メチロール基の一部をアルキルアルコールでエーテル化してなるイミノ基(−NH)とN−メチロール基とN−アルコキシメチル基とを有するもの、(6) 上記(4)のN−メチロール基の全部をアルキルアルコールでエーテル化してなるイミノ基(−NH)とN−アルコキシメチル基とを有するもの、があり、(4)(5)(6)は、−NHを有するので「イミノ基型」アミノ樹脂と呼ばれる。缶用の被覆剤組成物としては、(2)(3)(5)(6)が好適に使用される。(2)(3)のアミノ樹脂は、(5)(6)のアミノ樹脂に比して極性が小さく、塗膜表面近傍に配向し易い。その結果、(2)(3)のようなイミノ基を有しないアミノ樹脂は、(5)(6)のイミノ基型のアミノ樹脂に比して、フュームが発生し易いという欠点を有している。「フューム」とは、被覆剤組成物を基材に塗工後、焼き付け硬化する際に、被覆剤組成物から揮発した成分が、焼き付け用のオーブン内に付着したものをいう。付着物が硬化途中の塗膜上に付着すると、不良品の発生の原因となるので、「フューム」は極力発生しないことが望ましく、また「フューム」が発生する場合には、付着物が硬化途中の塗膜上に落ちる前にオーブン内を清掃し、付着物を除去する必要がある。
【0006】フュームの発生が少ないという点では、(2)(3)のような非イミノ基タイプに比して(5)(6)のようなイミノ基タイプのアミノ樹脂は好適ではある。しかし、(5)(6)のようなイミノ基タイプのアミノ樹脂と、上述のアクリル変性リン酸化エポキシ樹脂又はエポキシ樹脂とカルボン酸とリン酸とを反応させてなる変性エポキシ樹脂とを含有する被覆剤組成物を用いる場合、アクリル変性リン酸化エポキシ樹脂又は前記変性エポキシ樹脂中のリン酸に由来する部分が、イミノ基タイプのアミノ樹脂の反応触媒として作用する。その結果、アミノ樹脂の分子内反応や自己縮合といった反応を促進してしまい、塗膜を形成し得る他の成分との反応に関与しなかった低分子量アミノ樹脂は、結晶性の高い物質となる。これが塗膜中から飛散すると、その結晶性の高さ故にオーブン内に強固に付着してしまい、その清掃除去が極めて困難であるという新たな欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗膜形成時にフュームの発生が少なく、金属に対する強力な密着力を有し、耐水性、加工性、硬度等に優れた塗膜を形成し得る被覆剤組成物を提供することを目的とし、係る機能を発揮し得る成分の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、前記密着性向上成分中のリン酸由来の−OHをアミノ基を有する化合物と反応させることにより、前記リン酸由来部分のイミノ基型のアミノ樹脂に対する触媒効果を抑制し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、第1の発明は、エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとを反応させ、前記燐酸化合物(b)由来の−OHを有する中間生成物(1)を得た後、前記中間生成物(1)中のP−OHと、アミノ基を有する化合物(c)のアミノ基とを反応させることを特徴とする変性エポキシ樹脂の製造方法であり、【0009】第2の発明は、エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとの反応を水酸基含有溶剤中で行うことを特徴とする第1の発明に記載される変性エポキシ樹脂の製造方法である。
【0010】第3の発明は、エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基の一部と、カルボキシル基を有する化合物(d)中のカルボキシル基とを反応させ中間生成物(2)を得た後、前記中間生成物(2)中の未反応のエポキシ基と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとを反応させ、前記燐酸化合物(b)由来の−OHを有する中間生成物(3)を得た後、前記中間生成物(3)中の前記−OHと、アミノ基を有する化合物(c)中のアミノ基とを反応させることを特徴とする変性エポキシ樹脂の製造方法である。
【0011】第4の発明は、中間生成物(2)中の未反応のエポキシ基と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとの反応を水酸基含有溶剤中で行うことを特徴とする第3の発明記載の請求項3記載の変性エポキシ樹脂の製造方法である。
【0012】第5の発明は、エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基と、カルボキシル基を有する化合物(d)中のカルボキシル基との反応を水酸基含有溶剤中で行うことを特徴とする第3又は第4の発明記載の変性エポキシ樹脂の製造方法である。
【0013】第6の発明は、中間生成物(2)及び(3)がカルボキシル基を有し、中間生成物(3)中のカルボキシル基と、アミノ基を有する化合物(c)中のアミノ基とを反応させることを特徴とする第3ないしは第5の発明いずれかに記載の変性エポキシ樹脂の製造方法である。
【0014】第7の発明は、 エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基の一部と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも−OHとを反応させ、前記燐酸化合物(b)由来の−OHを有する中間生成物(4)を得た後、前記中間生成物(4)中の未反応のエポキシ基と、カルボキシル基を有する化合物(d)中のカルボキシル基とを反応させ、前記燐酸化合物(b)由来の−OHを有する中間生成物(5)を得た後、前記中間生成物(5)中の前記−OHと、アミノ基を有する化合物(c)中のアミノ基とを反応させることを特徴とする変性エポキシ樹脂の製造方法である。
【0015】第8の発明は、エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基の一部と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとの反応を水酸基含有溶剤中で行うことを特徴とする第7の発明記載の変性エポキシ樹脂の製造方法である。
【0016】第9の発明は、中間生成物(4)中の未反応のエポキシ基と、カルボキシル基を有する化合物(d)中のカルボキシル基との反応を水酸基含有溶剤中で行うことを特徴とする第7又は第8の発明記載の変性エポキシ樹脂の製造方法である。
【0017】第10の発明は、中間生成物(5)がカルボキシル基を有し、該カルボキシル基と、アミノ基を有する化合物(c)中のアミノ基とを反応させることを特徴とする第7ないし第9の発明いずれかに記載の変性エポキシ樹脂の製造方法である。
【0018】第11の発明は、第1ないしは第10の発明いずれかに記載の製造方法によって得られる変性エポキシ樹脂である。
【0019】第12の発明は、第11の発明記載の変性エポキシ樹脂を含有してなる被覆剤組成物である。
【0020】第13の発明は、イミノ基型のアミノ樹脂を含有することを特徴とする第12の発明記載の被覆剤組成物である。
【0021】第14の発明は、第12又は第13の発明記載の被覆剤組成物で被覆してなる被覆金属である。
【0022】
【発明の実施の形態】イミノ基型のアミノ樹脂を含有する被覆剤組成物中に配合した場合に、イミノ基型のアミノ樹脂に対する触媒効果を抑制しつつ、基材金属に対する優れた密着性を確保する成分は、第1〜2の発明、第3〜6の発明、第7〜10の発明に記載されるように、3つに大別される製造方法で得ることができる。第1の発明及び第2の発明について説明する。イミノ基型のアミノ樹脂に対する触媒としての機能を発揮しない密着性向上成分は、■ エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとを反応させ、前記燐酸化合物(b)由来の−OH、即ち−P−OHを有する中間生成物(1)を得る工程と、■ 前記中間生成物(1)中の前記−OHと、アミノ基を有する化合物(c)のアミノ基とを反応させる工程によって得ることができる。
【0023】上記 ■の工程において、エポキシ基1モルに対して、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の−OHを0.01〜3モル反応させることができる。中間生成物(1)としては酸価60(mg KOH/g)以下が好ましく、酸価30(mg KOH/g)以下がより好ましい。また、上記 ■の工程においては、エポキシ基を残すことも、殆ど全部反応せしめてしまうことも可能ではあるが、エポキシ基を残しておくと、次の 2の工程においてアミノ基とエポキシ基とが反応してなるアミン変性エポキシ樹脂を生じ得ることとなる。アミン変性エポキシ樹脂は、塗膜の黄変の原因となるので、上記 ■の工程においては極力エポキシ基を残さないようにエポキシ樹脂(a)と燐酸化合物(b)とを反応させることが好ましい。
【0024】エポキシ基とリン酸(−P−OH)との反応は、エステル化反応であり、40〜180℃で行うことが好ましく、80〜120℃で行うことがより好ましい。触媒の存在下に反応させることも、触媒の不存在下に反応させることもでき、また、無用剤下もしくは溶剤下で行うこともできる。
【0025】上記 ■の工程において用いられるエポキシ樹脂(a)としては、例えば、ビスフェノ−ルA型、F型、S型等のビスフェノ−ル型ジグリシジルエ−テル、ナフタレン型ジグリシジルエ−テル、ビフェニルジグリシジルエ−テル、フェノールノボラック型やO−クレゾールノボラック型グリシジルエ−テル、レゾルシン型グリシジルエーテル等の芳香族系またはこれらを水添した脂環族エポキシ樹脂、シクロヘキサン−1,2エポキシド等の脂環式エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1、6ーヘキサンジオールジグリシジルエーテル、脂肪族型(モノ、ジ、トリ、テトラ)グリシジルエ−テル、フタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられ、これらは単独又は適宜2種以上を使用することができる。
【0026】上記 ■の工程において用いられる一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)としては、五酸化二燐を水和してできるオルト燐酸、ピロリン酸、メタ燐酸、三燐酸、四燐酸等やそれらのC1 〜C12のアルキルエステル、亜燐酸、次亜燐酸等が挙げられ、これらは単独又は適宜2種以上を混合して使用することができる。
【0027】上記 ■の工程において用いられる触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物、ナフテン酸コバルト、オクチル酸亜鉛等の金属石鹸、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン、テトラ−i−プロピルチタネート等の有機金属等が挙げられる。
【0028】上記 ■の工程において用いられる溶剤としては、沸点が120℃以上のものが望ましい。例えば、水酸基を有しない溶剤としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキレンエーテル類、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類、イソホロン等のケトン類が挙げられる。また、水酸基を有する溶剤としては、ヘプタノール、オクタノール等のアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、または数平均分子量(以下Mnという)が400程度のポリエチレングリコールや、Mnが400程度のポリプロピレングリコールやMnが650程度のポリテトラメチレングリコールが挙げられる。尚、これら水酸基を有する溶剤は、一般にMnが大きくなると、室温程度では半固体状になることもあるが、加熱した場合に融け、その溶融液にエポキシ樹脂(a)等を溶解できれば、「水酸基を有する溶剤」として用いることができる。O=P(OH)3は、エポキシ基との反応に預かる−OHを3個有するので、反応中にゲル化する危険性があるが、水酸基含有溶剤中でエポキシ樹脂(a)と燐酸化合物(b)との反応をさせることにより、ゲル化を抑制・防止できる。また、水酸基を有する溶剤自体が変性エポキシ樹脂中に取り込まれるため、該変性エポキシと被覆剤組成物中に含まれる他の樹脂との相溶性を向上することもできるので、水酸基含有溶剤中でエポキシ樹脂(a)と燐酸化合物(b)との反応をすることが好ましい。
【0029】上記 ■の工程は、■の工程で導入した、金属との密着性に寄与する部分であって、かつ、イミノ基型のアミノ樹脂に対して触媒として機能してしまう部分である−P−OHを、アミノ基と反応させ、脱水せしめ、−P−N−を形成する工程である。燐酸化合物(b)に由来する−OH、つまり−P−OHを、−P−N−とすることにより、イミノ基型のアミノ樹脂の分子内反応を抑制しつつ、金属との密着性を確保し得る。被覆剤組成物中に含有されるイミノ基型のアミノ樹脂及び上記 ■の工程によって得られる変性エポキシ樹脂の含有量によっても、イミノ基型のアミノ樹脂の分子内反応は影響を受けるので、 ■の工程においてどの程度まで−P−OHとアミノ基とを反応せしめるかということは一概にはいえないが、おおよそ酸価40(mg KOH/g)まで反応させることが好ましく、酸価20(mg KOH/g)以下まで反応させることがより好ましい。中間生成物(1)中の−P−OHを完全にアミノ基とを反応せしめることもできる。中間生成物(1)とアミノ基を有する化合物(c)とは、140〜240℃で脱水縮合することが好ましく、160〜200℃で脱水縮合することがより好ましい。140℃未満では反応速度が遅く、240℃を越えると脱水縮合と競争して生成した変性エポキシ樹脂の劣化が生じやすい。
【0030】上記■の工程において用いられるアミノ基を有する化合物(c)としては、エチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノ−ルアミン、アニリン、メラミン、ベンゾグアナミン等の一級アミンや、ジブチルアミン、ジエタノ−ルアミン、モルホリン、ピペリジン、ピリドン、ピロリドン、ピラゾリン、イミダゾ−ル、トリアゾ−ル、ジシクロヘキシルアミン等の二級アミノ化合物が挙げられ、これらは単独又は適宜2種以上を混合して使用することができる。
【0031】次に、第3〜6の発明について説明する。イミノ基型のアミノ樹脂に対する触媒としての機能を発揮しない密着性向上成分は、() エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基の一部と、カルボキシル基を有する化合物(d)とを反応させ中間生成物(2)を得る工程と、() 中間生成物(2)中の未反応のエポキシ基と、一分子中に−OHを2個以上有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとを反応させ、前記燐酸化合物(b)由来の−OHを有する中間生成物(3)を得る工程と、() 前記中間生成物(3)中の前記−OHと、アミノ基を有する化合物(c)のアミノ基とを反応させる工程によって得ることができる。第3〜6の発明における()()の工程は、上記第1及び第2の発明における■の工程に相当する。即ち、未変性のエポキシ樹脂とカルボキシル基を有する化合物(d)とを反応させてなるカルボキシル基変性エポキシ樹脂を、燐酸化合物(b)との反応に供するエポキシ樹脂(a)として用いるのが、第3〜6の製造方法であると換言することもできる。エポキシ基と燐酸化合物(b)との反応に先んじてエポキシ基の一部をカルボキシル基と反応せしめておくことによって、第3〜6の発明の製造方法によって得られる変性エポキシと被覆剤組成物中に含まれる他の樹脂との相溶性をさらに向上することができる。
【0032】上記() の工程において、エポキシ基とカルボキシル基含有化合物(d)との反応は、エポキシ基1モルに対して、カルボキシル基を1モル未満反応させることができ、次工程()のために未反応のエポキシ基が残るように反応せしめればよく、中間生成物(2)は、未反応のエポキシ基の他に、エポキシ基と反応しなかった未反応のカルボキシル基を有していてもよい。
【0033】エポキシ基とカルボキシル基との反応は、上記第1〜2の発明の■の工程におけるエポキシ基と−P−OHとの反応と同様にエステル化反応であり、反応温度としては80〜180℃で行うことが好ましく、120〜150℃で行うことがより好ましい。触媒の有無、溶剤の有無についても上記■の場合と同様である。
【0034】上記()の工程において用いられるカルボキシル基を有する化合物(d)としては、酢酸、カプリル酸、ラウリン酸等の脂肪族モノカルボン酸化合物、ジメチロ−ルプロピオン酸、(12−ヒドロキシ)ステアリン酸等の水酸基とカルボキシル基とを有する化合物、(無水)マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和二重結合を含有したカルボン酸化合物、(無水)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族系の多価カルボキシル基を有する化合物、イソフタル酸、テレフタル酸、(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸等の芳香族系の多価カルボキシル基を有する化合物やこれらを水添した脂環族系の多価カルボキシル基を有する化合物系が挙げられる。
【0035】()の工程は、上記()の工程で得た中間生成物(2)中の未反応のエポキシ基と、燐酸化合物(b)とを反応させ、中間生成物(3)に前記燐酸化合物に由来する水酸基、即ち、−P−OHを導入する工程であり、使用される燐酸化合物(b)、反応条件等は、上記第1〜2の発明の■の工程の場合と同様である。例えば、中間生成物(2)中の未反応のエポキシ基と、燐酸化合物(b)とを反応させる際にも、ゲル化を防止し、得られる変性エポキシと被覆剤組成物中に含まれる他の樹脂との相溶性を向上するために、上記第1〜2の発明の■の工程の場合と同様に、第3〜6の発明の()の工程も、水酸基含有溶剤中で行うことが好ましい。また、()の工程を水酸基含有溶剤中で行う場合には、()に先行する()の工程も、水酸基含有溶剤中で行うことが好ましい。
【0036】()の工程は、()の工程で導入した、金属との密着性に寄与する部分であって、かつ、イミノ基型のアミノ樹脂に対して触媒として機能してしまう部分である−P−OHと、アミノ基とを反応させ、脱水せしめ、−P−Nを形成する工程である。燐酸化合物(b)に由来する−OH、つまり−P−OHを、−P−N−とすることにより、イミノ基型のアミノ樹脂の分子内反応を抑制しつつ、金属との密着性を確保し得る。中間生成物(3)が、カルボキシル基をも有する場合には、()の工程でカルボキシル基もアミノ基と反応し、アミド化され得る。
【0037】被覆剤組成物中に含有されるイミノ基型のアミノ樹脂及び上記()の工程によって得られる変性エポキシ樹脂の含有量によっても、イミノ基型のアミノ樹脂の分子内反応は影響を受けるので、()の工程においてどの程度まで−P−OH及びカルボキシル基とアミノ基とを反応せしめるかということは一概にはいえないが、おおよそ酸価40(mg KOH/g)以下まで反応させることが好ましく、酸価20(mg KOH/g)以下まで反応させることがより好ましい。()の工程によって得られる変性エポキシ樹脂の酸価は、−P−OH及びカルボキシル基を合計した状態で把握される値であるが、カルボキシル基は、−P−OHに比して、イミノ基型のアミノ樹脂に対する触媒としての機能が小さいため、()の工程では、両者を合わせた酸価を上記の程度になるまで反応させることが好ましい。尚、中間生成物(3)中の−P−OH及びカルボキシル基を完全にアミノ基とを反応せしめることもできる。
【0038】次に、第7〜10の発明について説明する。イミノ基型のアミノ樹脂に対する触媒としての機能を発揮しない密着性向上成分は、(i) エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基の一部と、一分子中に2個以上−OHを有する燐酸化合物(b)中の少なくとも1個の−OHとを反応させ、前記燐酸化合物(b)に由来する−OHを有する中間生成物(4)を得る工程と、(ii) 中間生成物(4)中の未反応のエポキシ基と、カルボキシル基を有する化合物(d)中のカルボキシル基とを反応させ燐酸化合物(b)に由来する−OH、即ち−P−OHを有する中間生成物(5)を得る工程と、(iii) 前記中間生成物(5)中の燐酸化合物由来の−OHと、アミノ基を有する化合物(c)のアミノ基とを反応させる工程によって得ることができる。第7〜10の発明における(i)(ii)の工程は、エポキシ樹脂(a)に燐酸化合物(b)を反応させた後、カルボキシル基を有する化合物(d)を反応させるという点で、エポキシ樹脂(a)にカルボキシル基を有する化合物(d)を反応させた後、燐酸化合物(b)を反応させるという第3〜6の発明における()()の工程と反応の順番を置き換えたものである。また、(iii)の工程は、第3〜6の発明における()の工程に相当する。即ち、中間生成物(5)中の−P−OHと、アミノ基を有する化合物(c)のアミノ基とを反応させることによって、イミノ基型アミノ樹脂に対する触媒効果を抑制するための工程である。
【0039】尚、燐酸化合物(b)は、水との混合物の状態で反応に供されるので、エポキシ樹脂(a)に燐酸化合物(b)を先に反応させる第7〜10の発明の(i)の工程で、水とエポキシ基とが反応してしまうこともあり、次の(ii)の行程でカルボキシル基と反応させるべきエポキシ基を殆ど消失してしまうこともある。従って、エポキシ樹脂(a)と、燐酸化合物(b)及びカルボキシル基を有する化合物(d)とを反応させる場合には、エポキシ樹脂(a)と燐酸化合物(b)とを先に反応させる第7〜10の発明よりも、エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基を有する化合物(d)とを先に反応させる第3〜6の発明の方が好ましい。
【0040】第7〜10の発明において用いられるエポキシ樹脂(a)、燐酸化合物(b)、アミノ基を有する化合物(c)、カルボキシル基を有する化合物(d)、その他触媒、溶剤等としては、それぞれ上記第3〜6の発明の場合に例示してものを同様に例示することができる。反応条件に関しても、上記第3〜6の発明の同様の工程の場合と同様にすることができる。
【0041】上記第1〜10の発明の製造方法によって得られる変性エポキシ樹脂は、他の樹脂及び当該他の樹脂の硬化剤(以下、硬化剤という)等と混合することによって被覆剤組成物として用いることができる。本発明の被覆剤組成物に用いられる他の樹脂としては、従来公知の種々の樹脂を用いることができる。例えば、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアルキレングリコ−ル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、フラン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等を単独又は適宜二種以上を混合して使用することができる。
【0042】本発明の被覆剤組成物に用いられる硬化剤としては、アミノ樹脂、イソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。尚、本発明の被覆剤組成物に用いられる硬化剤は、上記した他の樹脂と反応すればよく、第1〜10の発明の製造方法によって得られる変性エポキシ樹脂とは、反応しても良いし、反応しなくとも良い。
【0043】硬化剤として用いられるアミノ樹脂としては、例えばメラミン、ベンゾグアナミン、尿素等の窒素化合物とホルムアルデヒドと水酸基含有溶剤との縮合物であって、一分子中にN−メチロ−ル基を有していても良いし、該N−メチロ−ル基を上記水酸基含有溶剤と反応させてなるN−アルコキシメチル基を有していても良く、また−NH2 や−NH−等のイミノ基を含んでいても良く(ここでは、−NH2 は−NHを2個有するものとする)、イミノ基を有するアミノ樹脂を含む場合に、塗膜として顕著な効果を奏する。イミノ基型のアミノ樹脂としては、メチロール化前の−NHの全量(−NH2は、−NHとしては2倍量と換算する)の少なくとも25%以上がメチロール化されずに−NHとして存在することが好ましく、特にイミノ基型のベンゾグアナミン樹脂が好ましい。N−メチロ−ル基をN−アルコキシメチル化する際に供される水酸基含有溶剤としては、メタノ−ル、ブタノ−ル等のアルキルアルコール、もしくはプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル等のアルキレングリコ−ルモノアルキルエ−テル等を例示できる。
【0044】硬化剤として用いられるイソシアネート基を有する化合物としては、一分子中にイソシアネート基を2個以上有しているものであれば良く、該イソシアネート基はブロック剤でブロックされていても良いし、ブロックされていなくても良い。また、イソシアネート基を有する化合物は低分子量のものでも、比較的高分子量のものでもよく、その構造中にイソシアヌレ−ト環を有していたり、比較的高分子量のものの場合、その主たる骨格としてはポリエステル、ポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリカ−ボネ−トポリオ−ル、ポリウレタン、(メタ)アクリル系ポリオ−ル等が挙げられる。イソシアネ−ト基のブロック剤としては、例えばMEKオキシム、アセチルアセトン、アルコ−ル類等が挙げられ、これらは常法によりイソシアネ−ト基と反応させることができる。
【0045】本発明の被覆剤組成物には、従来公知の酸化防止剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、老化防止剤、難燃剤、導電剤、シリコーン系レベリング剤、消泡剤等の添加剤、酸化チタン、キナクリドン、フタロシアニンに代表される無機若しくは有機顔料、その他充填剤等を添加することができる。
【0046】本発明の被覆剤組成物は、種々の基材を被覆するために用いることができ、特に金属の被覆に好適である。基材として用いられる金属は、鉄、アルミニウム、チタン等を主成分とする金属が好適に用いられ、0.01〜2.0mm厚の冷延鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板等に好適に用いられる。これらの金属の表面は、一般的にはジルコニウム、アルマイト、リン酸処理等が施されているが、場合によってはクロム、錫、亜鉛、ニッケル等の無機金属またはその酸化物でメッキされたり、これらを蒸着したり、あるいはシリコ−ンに代表されるケイ素化合物を蒸着したり、テトラフルオロエチレンに代表されるフッ素化合物等で処理されていても良いし、あるいはスプレ−、ラミネ−ト等の方法で、金属の表面はアクリル樹脂やポリエステル樹脂等で被覆されていても良い。
【0047】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳細に説明する。例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表す。平均分子量はGPCにて測定し、ポリスチレン換算した値である。酸価の単位はmgKOH/gである。
製造例1 変性エポキシ樹脂(A1)の製造温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、分離管を備えたフラスコに、 エポキシ当量470のビスフェノ−ルAジグリシジル型エポキシ樹脂 237 部 エチレングリコールモノヘキシルエーテル 263 部 アジピン酸 29.2 部 25%水酸化ナトリウム水溶液 0.1 部を仕込み、140℃に加熱し、酸価30、エポキシ当量が2000になるまで反応させた。その後100℃まで冷却し、リン酸(純度85%)8.3 部を添加し、酸価33、エポキシ当量が10万以上になるまで反応させた。次に、これにジエタノ−ルアミン18部を添加し、165℃に加熱して、留出液を分離しつつ酸価が17になるまで脱水縮合反応させ、固形分59%、重量平均分子量2200の変性エポキシ樹脂(A1)溶液を得た。
【0048】
製造例2 変性エポキシ樹脂(A2)の製造製造例1と同様の装置に、 エポキシ当量470のビスフェノ−ルAジグリシジル型エポキシ樹脂 253 部 1,4-シクロヘキシルジカルボン酸 34.4部 ブチルセロソルブ 263 部を仕込み、150℃に加熱し、酸価が29、エポキシ当量が2200になるまで反応させた。次いで冷却し、リン酸(純度85%)7.4部添加し、エポキシ当量が10万以上になるまで反応させ、酸価が28、固形分が57%の樹脂溶液を得た。次に、これにジエタノ−ルアミン10部を添加し、165℃に加熱して、留出液を分離しつつ酸価が26以下になるまで脱水縮合反応させ、固形分58%、重量平均分子量2200の変性エポキシ樹脂(A2)溶液を得た。
【0049】
製造例3 変性エポキシ樹脂(A3)の製造製造例1と同様の装置に、 エポキシ当量470のビスフェノ−ルAジグリシジル型エポキシ樹脂 253 部 ブチルセロソルブ 263 部を仕込み、150℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解し、冷却した後、リン酸(純度85%)13.7部添加し、エポキシ当量が10万以上になるまで反応させ、酸価が20、固形分が52%の樹脂溶液を得た。次に、これにジエタノ−ルアミン11部を添加し、165℃に加熱して、留出液を分離しつつ酸価が10以下になるまで脱水縮合反応させ、固形分54%、重量平均分子量2300の変性エポキシ樹脂(A3)溶液を得た。
【0050】
製造例4 アクリル樹脂(B1)溶液の製造製造例1と同様の装置を使用し、フラスコにエチレングリコールモノブチルエーテル800部を入れ105℃に加熱し、 エチルアクリレ−ト 320部 N−イソブトキシメチルアクリルアミド 240部 スチレン 120部 メチルメタクリレ−ト 72部 アクリル酸 48部 過酸化ベンゾイル 40部の混合物を4時間かけて滴下した。4時間反応せしめ、重量平均分子量9000、固形分50%のアクリル樹脂(B1)溶液を得た。
【0051】
製造例5 アクリル樹脂(B2)溶液の製造製造例1と同様の装置を使用し、フラスコにエチレングリコールモノブチルエーテル707部を入れ105℃に加熱し、 エチルアクリレ−ト 561部 ブチルアクリレ−ト 330部 メチルメタクリレ−ト 165部 2−ヒドロキシメタクリレ−ト 165部 アクリル酸 79部 過酸化ベンゾイル 52部の混合物を4時間かけて滴下した。4時間反応せしめ、重量平均分子量18000、固形分65%のアクリル樹脂(B2)溶液を得た。
【0052】
製造例6 ポリエステル樹脂(B3)溶液の製造製造例1の装置を使用し、フラスコに イソフタル酸 249部 1,4−シクロヘキシルジカルボン酸 430部 アジピン酸 146部 数平均分子量650のポリテトラメチレングリコ−ル 400部 トリメチロ−ルプロパン 74部 ネオペンチルグリコ−ル 220部 1,4−シクロヘキシルジメチロ−ル 118部を仕込み、220℃に加熱し、留出液を分離しつつ酸価が15以下になるまで脱水縮合反応させ、冷却した後、ブチルセロソルブ600部を添加して、重量平均分子量1万、固形分70%のポリエステル樹脂(B3)溶液を得た。
【0053】
比較製造例1 変性エポキシ樹脂(A4)溶液の製造製造例1と同様の装置に、 エポキシ当量470のビスフェノ−ルAジグリシジル型エポキシ樹脂 235 部 エチレングリコールモノブチルエーテル 235 部を仕込み140℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解後、80℃まで冷却し、リン酸(純度85%)19.2部を添加し、エポキシ当量が10万以上になるまで反応させ、酸価34、固形分56%の変性エポキシ樹脂(A4)溶液を得た。
【0054】
比較製造例2 変性エポキシ樹脂(A5)の製造製造例1と同様の装置に、 エポキシ当量470のビスフェノ−ルAジグリシジル型エポキシ樹脂 237 部 エチレングリコールモノヘキシルエーテル 263 部 アジピン酸 29.2部 25%水酸化ナトリウム水溶液 0.1部を仕込み140℃に加熱し、酸価30、エポキシ当量が2000になるまで反応させた。100℃まで冷却した後、リン酸(純度85%)8.3部を添加し、エポキシ当量が10万以上になるまで反応させ、固形分56%、酸価33の変性エポキシ樹脂(A5)溶液を得た。
【0055】
比較製造例3 変性エポキシ樹脂(A6)の製造製造例1と同様の装置に、 エポキシ当量470のビスフェノ−ルAジグリシジル型エポキシ樹脂 237 部 エチレングリコールモノヘキシルエーテル 267 部 アジピン酸 29.2部 25%水酸化ナトリウム水溶液 0.1部を仕込み140℃に加熱し、酸価30、エポキシ当量が2000になるまで反応させ、固形分54%の変性エポキシ樹脂(A6)溶液を得た。
【0056】
比較製造例4 変性エポキシ樹脂(A7)の製造製造例1と同様の装置に、 エポキシ当量470のビスフェノ−ルAジグリシジル型エポキシ樹脂 237 部 エチレングリコールモノブチルエーテル 193 部を仕込み140℃に加熱溶解した後、80℃に冷却した後、ジエタノールアミン53部を添加しエポキシ当量が10万以上になるまで反応させ、固形分60%の変性エポキシ樹脂(A7)溶液を得た。
【0057】実施例1〜6、比較例1〜4表1に示す処方(固形分換算の重量%)に従って、エチレングリコールモノブチルエーテルで粘度を調整し、被覆剤組成物を得た。板厚0.23mmの電気メッキブリキ板に乾燥膜厚が10μmになるように得られた各被覆剤組成物を塗布した後、190℃−10分で乾燥させて被覆金属板(試験片)を得た。各試験片について以下の物性を調べた。結果を表1に示す。
【0058】尚、表中アミノ樹脂(C1)は、ベンゾグアナミン1個当たり当たりの官能基(−NH2が2個、−NHとしては4個)100%中、イミノ基が50%、メトキシメチレン基が40%、メチロール基が5%、縮合部が5%のベンゾグアナミン樹脂である。アミノ樹脂(C2)は、ベンゾグアナミン1個子当たりの官能基(−NH2が2個、−NHとしては4個)100%中、イミノ基が25%、メトキシメチレン基が65%、メチロール基が5%、縮合部が5%のベンゾグアナミン樹脂である【0059】[塗膜のグロス及び黄変性]実施例1、2、5、6及び比較例2〜4の場合は、表1に示す処方にさらにそれぞれCR−95(石原産業社製酸化チタン)を100重量部、配合・分散せしめた被覆剤組成物を用い、上記と同様の条件で試験片を得た。実施例3、4及び比較例1、の場合は、表1に示す被覆剤組成物を用いた。各試験片被覆剤について、塗膜のグロスを目視で評価した。黄変性については、各試験片を再度190℃−10分で加熱し、再加熱の前後で塗膜の黄変状態を目視で評価した。
【0060】[密着性試験]試験片を130℃の蒸気中に30分間放置した後、塗膜をナイフでクロスカットし、その部分にセロハン粘着テ−プを圧着させた後剥離し、その剥離面積を目視で評価する。
○・・・0%△・・・20%前後×・・・40%以上【0061】[耐沸騰水性試験]試験片を130℃の水蒸気中に30分間放置した後、塗膜の白化状態を目視で評価した。
○・・・変化なし。
△・・・部分的にうっすら白化する。
×・・・部分的または全体的に濃く白化する。
【0062】[加工性試験(デュポン式)]撃芯径1/2インチ、荷重300gの重りを30cmの高さから試験片の塗膜面に落下させた後、試験片を130℃の水蒸気中に30分間放置した。その後塗膜の状態を観察した。
○・・・変化なし。
△・・・多少ヒビが入る。
×・・・全体にヒビが入る。
【0063】[鉛筆硬度]JIS規格(JISNo.K5400)に準じて行った。
【0064】[加熱減量率]重さ既知のブリキ板に表1に示す各被覆剤組成物を乾燥被膜が約10μmになるように塗装し、120℃で30分間乾燥した後、その塗膜量Xを秤量する。次いで、この塗装板を230℃で10分間加熱した後、塗膜量Yを秤量する。230℃での加熱前後での塗膜量の変化率Zを下式によって求める。
Z={(X−Y)/X}×100塗膜構成成分が揮散し、フューム成分となってオーブン内を汚染する可能性が大きいほど、Zが大きい。
○・・・0以上2未満 △・・・2以上3未満 ×・・・3より大【0065】
【表1】

【0066】
【発明の効果】本発明により、塗膜形成時にヒュームの発生が少なく、金属に対する強力な密着力を有し、耐水性(耐沸騰水性)、加工性、硬度等に優れた塗膜を形成し得る被覆剤組成物を提供することができる。




 

 


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