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発明の名称 紫外線硬化型塗料組成物及びその利用
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−31905(P2001−31905A)
公開日 平成13年2月6日(2001.2.6)
出願番号 特願平11−208645
出願日 平成11年7月23日(1999.7.23)
代理人
発明者 中嶋 由元 / 佐藤 哲章 / 山本 進
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 アルミ顔料(A)、脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)、水酸基を有する化合物(C)、カチオン光開始剤(D)を含有し、(B)のエポキシ基数と(C)の水酸基数の比率が(エポキシ基数)/(水酸基数)=1.0〜2.0であることを特徴とする紫外線硬化型塗料組成物。
【請求項2】 (C)が2個以上の水酸基を有する化合物である請求項1記載の紫外線硬化型塗料組成物。
【請求項3】 金属、プラスチック、プラスチックフィルム被覆金属から選ばれる少なくとも1種を被覆することを特徴とする請求項1及び2の何れか1項記載の紫外線硬化型塗料組成物。
【請求項4】 金属、プラスチック、プラスチックフィルム被覆金属が、缶またはボトルであることを特徴とする請求項3項記載の紫外線硬化型塗料組成物。
【請求項5】 基材を請求項1及び2の何れか1項記載の紫外線硬化型塗料組成物で被覆してなる被覆物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線の照射によって硬化する顔料を含有する塗料組成物に関し、特に、金属、プラスチック、プラスチックフィルム被覆金属の被覆剤として好適に用いられる紫外線硬化型塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料又は食品を収容する飲料缶や食缶(以下飲料缶等という)の外面は、缶基材の腐食を防止し、美的商品価値を高めるべく、塗膜によって被覆されているが、かかる塗料には食品殺菌処理時の熱処理工程に対する耐性が要求される。従来これらの塗膜は、エポキシ/アミノ系樹脂、アクリル/アミノ系樹脂、ポリエステル/アミノ系樹脂等の有機溶剤型塗料をロールコートにて塗装し、焼き付け硬化することによって形成されてきた。しかし、これらの塗料は、焼き付け時に、多量の溶剤を揮散するので、大気汚染を防止すべく特別の回収装置が必要である。そこで最近では、大気汚染の原因となりにくく、特別の回収装置のいらない水性塗料が種々提案されている。しかし、この水性塗料においても、200℃以上の高温と分単位の焼き付け時間を要するため、エネルギーコスト及び生産性、さらには設備のスペース等の点で改良が望まれている。
【0003】大気を汚染しにくく省エネルギー、省資源、省スペースの点では紫外線硬化型樹脂組成物の利用が好ましい。紫外線の照射により短時間で架橋硬化する樹脂組成物としては、ラジカル重合型とカチオン重合型とがあり、ラジカル重合型としては(メタ)アクリロイル基を有する樹脂組成物、不飽和ポリエステル系樹脂組成物、ポリエン−チオール系樹脂組成物等の不飽和二重結合を有する化合物、カチオン重合型としてはエポキシ樹脂組成物等が知られており、それぞれ適当な重合開始剤と共に使用される。これらの樹脂組成物はコーティング剤、印刷インキ、接着剤等に用いられている。しかし、紫外線硬化型樹脂組成物のうちラジカル重合性組成物の様に不飽和二重結合を有する化合物を含む組成物は、アルミ顔料を含む塗料には、不適切なものであった。これは、アルミが不飽和二重結合を有する化合物の重合触媒となり、時間の経過にともなって塗料粘度が上昇してしまい保存安定性に問題が出てしまうためである。
【0004】一方、カチオン重合性組成物は、アルミ顔料含有系においても保存安定性が良いが、硬化が遅いため高速塗装を鑑みた場合、十分な硬化性能を得ることが困難となる。缶やボトル等の円筒状胴部分に顔料を含有する塗料組成物を塗布する場合、塗膜表面近傍の速硬化性に優れると共に塗膜の内部の速硬化性に優れることが求められる。即ち、缶やボトル等の胴部分は、塗料組成物を塗布した後、紫外線を照射され、10秒程度後には缶やボトルは次の加工行程に搬送されることとなるが、この搬送行程で硬化塗膜同士が接触したり、塗膜と搬送設備とが接触したりする。従って、紫外線硬化直後には係る搬送行程に耐え得る程度の硬度まで、塗膜の表面近傍が速やかに硬化する必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記の様な問題点を解決し、飲料や食品等を収容する金属製、プラスチック製、プラスチックフィルム被覆金属製の缶やボトル等の表面に塗布して、これらを被覆するためのアルミ顔料を含有する紫外線硬化型塗料組成物であって、塗膜表面近傍の速硬化性に優れる紫外線硬化型の塗料組成物を提供することを目的とする。具体的は、硬化後の膜厚が5μ程度に塗装した場合に、紫外線照射後10秒後までには塗膜表面硬度が鉛筆硬度でHB以上となる塗膜を形成し得る紫外線硬化型塗料組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、第1の発明は、アルミ顔料(A)、脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)、水酸基を有する化合物(C)、カチオン光開始剤(D)を含有し、(B)のエポキシ基数と(C)の水酸基数の比率が(エポキシ基数)/(水酸基数)=1.0〜2.0であることを特徴とする紫外線硬化型塗料組成物である。
【0007】第2の発明は、(C)が2個以上の水酸基を有する化合物である請求項1記載の紫外線硬化型塗料組成物である。
【0008】第3の発明は、金属、プラスチック、プラスチックフィルム被覆金属から選ばれる少なくとも1種を被覆することを特徴とする請求項1及び2の何れか1項記載の紫外線硬化型塗料組成物である。
【0009】第4の発明は、基材を請求項1及び2の何れか1項記載の紫外線硬化型塗料組成物で被覆してなる被覆物である。
【0010】第5の発明は、基材を請求項1及び2の何れか1項記載の紫外線硬化型塗料組成物で被覆してなる被覆物である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の紫外線硬化型塗料組成物は、飲料や食品等を収容する金属製、プラスチック製、プラスチックフィルム被覆金属製の缶やボトル等の表面に塗布する塗料として主として用いられ、特にベースコートとして好適に用いられ、アルミ顔料を配合することによりシルバーベースコートとして用いられる。アルミ顔料としてはアルミニウム粉末が挙げられ、これをミネラルスピリットやソルベントナフサ等でペースト状にしたアルミペーストが好適に用いられる。アルミ顔料(A)は、(A)+(B)+(C)+(D)=100重量%とした場合に、1〜50重量%であることが好ましい。より好ましくは、5〜30重量%である。
【0012】脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)としては、少なくとも1個のシクロヘキサンオキサイドをその分子構造中に含有するものであり、必要に応じて、単独あるいは混合して用いることが出来る。望ましくは、2個以上のシクロヘキサンオキサイドをその分子構造中に含有するものを1種以上混合して用いる。脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)としては、下記式(1)〜(17)に示されるようなものが例示でき、【0013】
【化1】

【0014】
【化2】

【0015】
【化3】

【0016】
【化4】

【0017】具体的には、CHXO、セロキサイド3000、セロキサイド2000、ETHB、HD−300(以上ダイセル化学社製)、UVR−6110、UVR−6199(以上UCC社製)、セロキサイド2083、セロキサイド2085、エポリードGT−302、エポリードGT−303、エポリードGT−401、エポリードGT−402(以上ダイセル化学社製)等を使用することができる。
【0018】水酸基を有する化合物(C)としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、n−ノニルアルコール、ウンデシルアルコール、n−ドデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、n−テトラデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、ラクトン変性エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、グリシドール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等の一価のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ブテンジオール、ブチンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、トリメチルペンタンジオール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジパンタエリスリトール、ジグリセリン等の2価以上のアルコールを使用することができるが、水酸基を有する化合物(C)としては、単官能のものよりも2個以上の水酸基を有する化合物の方が望ましい。2個以上の水酸基を有することでエポキシ基との反応に於いて、分子量が大きくなりやすく、これによって加工性の良好な塗膜を得やすいためである。
【0019】本発明の塗料組成物は、脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)のエポキシ基数と水酸基を持った化合物(C)の水酸基数との比率、即ち(エポキシ基数)/(水酸基数)が1.0〜2.0であることが極めて重要である。その理由は不明ではあるが、(エポキシ基数)/(水酸基数)の比率が上記範囲の時に、紫外線照射後10秒程度後までにその表面硬度が鉛筆硬度でHB以上となる硬化被膜を得ることが出来る。この比率が1.0未満でも2.0より大きくても必要とされる鉛筆硬度を確保することは出来ない。
【0020】カチオン光開始剤(D)としては、アリールジアゾニウム塩(例えば、旭電化工業社製P−33)、アリールヨードニウム塩(例えば、3M社製FCー509、ローヌ・プーラン社製2074)、アリールスルホニウム塩(ユニオン・カーバイド社製サイラキュアUVI−6974、UVI−6970、UVI−6990、UVI−6950、旭電化工業社製SP−150、SP−170、三新化学工業社製サンエイドSI−110L、SI−180L、SI−100L、日本曹達社製CI−2855)アレン−イオン錯体(チバガイギー社製CG−24−61)等があげられる。カチオン重合開始剤(D)は、脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)と水酸基を持った化合物(C)の合計量100重量部に対して、1〜10重量部の範囲で配合されることが望ましい。1%未満では硬化に要する紫外線の照射時間が長くなり生産性が悪い。10%を越えると硬化塗膜が脆弱になる傾向にある。
【0021】本発明の塗料組成物には、更に光増感剤を併用することが出来る。特に水素引き抜き型の光増刊剤が望ましく、紫外線の長波長域、例えば300nm以上の長波長域に特性吸収を有するものが好適である。例えば、KAYACUREシリーズ(日本化薬社製)よりITX、QTX、CPTX、DETX−S、アデカオプトマーSP−100(旭電化工業社製)等が挙げられる。
【0022】本発明の紫外線硬化型塗料組成物は、プラスチック、プラスチック被覆金属、紙、木材、ガラス等の種々の基材に適用(塗装・硬化)でき、プラスチック、プラスチック被覆金属に適用(塗装・硬化)されることが好ましい。プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリカーボネート等が用いられる。プラスチックフィルム被覆金属とは、スチールやアルミニウム等の金属板にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリカーボネート等のプラスチックフィルムを貼り合わせたものである。プラスチック、プラスチック被覆金属は、缶又はボトルであることが望ましい。板状の基材に本発明の紫外線硬化型塗料組成物を適用(塗装・硬化)してから缶又はボトル状にしても良いし、あらかじめ缶状、ボトル状になった基材に適用しても良い。板状とは、比較的短いシート状のものであっても、比較的長尺のロール状のものであっても、平たい板状のものであればよい。又、缶状とは底、蓋の有無を問わず、また2ピース、3ピースを問わず、円筒状の曲面を有する形状をいう。これらの缶又はボトルは主として、清涼飲料水、コーヒー飲料、アルコール飲料、紅茶、ウーロン茶等の飲食料品を収納する容器として用いられる。
【0023】本発明の紫外線硬化型塗料組成物の塗装方法としては、ロールコート、グラビアコート、グラビアオフセットコート、カーテンフローコート、リバースコート、スクリーン印刷、スプレー塗装、及び浸漬塗装等の方法で塗装される。本発明の紫外線硬化型塗料組成物を光硬化させるための光源としては、通常、波長が200〜500nmの範囲の光を含む光源、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等を使用することが出来る。又、 又、これらの光源と、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱を併用しても良い。
【0024】本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の慣用の成分、例えば有機又は無機顔料、体質顔料、染料、非反応性の樹脂、有機溶剤、分散助剤、レベリング剤、クレーター防止剤、界面活性剤、消泡剤、滑り剤、紫外線吸収剤、反応性又は非反応性希釈剤等の塗料用添加剤を配合することが出来る。非反応性の樹脂としては、エポキシ、ポリエステル、アクリル、ウレタン等が挙げられる。反応性希釈剤としては、4員環の環状エーテル構造を有するオキセタン化合物、ラクトン化合物等が挙げられる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明について実施例及び比較例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。使用した材料は、以下の通りである。
(A)アルミ顔料:アルミペースト(固形分=70%、配合溶剤=ミネラルスピリット)
(B)脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(サイラキュアUVR−6110、UCC社製)
(C)水酸基を持った化合物:エチレングリコール、ブテンジオール(D)カチオン光開始剤(サイラキュアUVI−6990、UCC社製)
上記の(B)、(C)を溶解混合した後、(A)を加え十分攪拌し、その後、(D)を加え再度十分攪拌し、本発明の紫外線硬化型塗料組成物を得た。
【0026】
【実施例1〜6】表−1の処方にて、上記の方法で、紫外線硬化型塗料組成物を得た。
【0027】
【比較例1〜9】表−2の処方にて、実施例と同様の方法で、紫外線硬化型塗料組成物を得た。
【0028】実施例1〜6、比較例1〜9の紫外線硬化型塗料組成物をティンフリースチール板にポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートした素材のフィルム上に塗膜量60mg/dm2 になるように塗装し、フュージョン社製Vバルブ(240W/cm)下をコンベア速度40m/minの速度で通過させて紫外線照射を行い試験用試料板を得た。この試料板について次の試験を行い評価した。
【0029】1.密着性JIS K5400に準拠し、ゴバン目カット後セロハンテープ剥離試験により、塗膜が残存した面積で表示。
2.鉛筆硬度JIS K5400に準拠し、常温で三菱鉛筆「ユニ」により塗膜が剥離しない最高硬度を表示。紫外線照射の5〜10秒後の鉛筆硬度を測定。
3.加工性紫外線硬化させた試験用試料に水性熱硬化型のトップコートを塗装し熱硬化させた塗装板をデュポン衝撃試験機にて1/2インチロッドを使用し、塗膜面の裏側より500gの錘を高さ50cmから落下させ、塗膜に生じたクラックを目視で評価した。
◎:異常なし○:若干のクラック発生△:多少のクラック発生×:全面にクラック発生評価結果を表−3に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
【表2】

【0032】
【表3】

【0033】
【発明の効果】本発明により、十分実用性のある紫外線硬化性と塗膜物性を有し、特に、プラスチックボトル、プラスチックフィルム被覆金属缶を被覆する場合において、紫外線硬化型ベースコート用塗料として有用な被覆剤を与えることができる。




 

 


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