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発明の名称 水の浄化装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−239258(P2001−239258A)
公開日 平成13年9月4日(2001.9.4)
出願番号 特願2000−57765(P2000−57765)
出願日 平成12年3月2日(2000.3.2)
代理人
発明者 常田 昌広 / 坂元 健二 / 大島 功治 / 遠藤 慎良 / 安藤 茂
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 流入した水道水を濁質除去部と有害成分除去部を通過させた後に流出する水の浄化装置において、有害成分除去部がエキシマランプからの紫外線による有害成分分解除去手段であることを特徴とする水の浄化装置。
【請求項2】 流入した水道水を加熱部によって加熱すると共に、濁質除去部と有害成分除去部を通過させた後に流出する水の浄化装置において、有害成分除去部がエキシマランプからの紫外線による有害成分分解除去手段であることを特徴とする水の浄化装置。
【請求項3】 浴槽と接続されて浴槽水を循環する循環経路中に、濁質除去部と有害成分除去部とポンプを備えた水の浄化装置において、有害成分除去部がエキシマランプからの紫外線による有害成分分解除去手段であることを特徴とする水の浄化装置。
【請求項4】 流入した雨水または生活排水を、濁質除去部と有害成分除去部を通過させた後にポンプにより吐水する水の浄化装置において、有害成分除去部がエキシマランプからの紫外線による有害成分分解除去手段であることを特徴とする水の浄化装置。
【請求項5】 前記記載の水の浄化装置において、濁質除去部がエキシマランプからの紫外線による有害成分分解除去部より処理水の流入側に配設されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載の水の浄化装置。
【請求項6】 前記記載の水の浄化装置において、有害成分除去部を通過する処理水の流量を検知する手段を設け、流量に応じてエキシマランプからの紫外線出力を制御することを特徴とする請求項1乃至5に記載の水の浄化装置。
【請求項7】 前記エキシマランプが150nm以上200nm以下の紫外線を主波長に発光するランプであることを特徴とする請求項1乃至6に記載の水の浄化装置。
【請求項8】 前記エキシマランプが172nmの紫外線を主波長に発光するランプであることを特徴とする請求項1乃至7に記載の水の浄化装置。
【請求項9】 前記エキシマランプは紫外線が透過可能な保護管内、またはランプ収納部の一部が紫外線を透過可能な保護板で構成された収納部内に収納され、かつ収納部内の雰囲気が300Torr以下とするか、エキシマランプからの紫外線を吸収しないガスを主成分とした雰囲気であることを特徴とする請求項1乃至8に記載の水の浄化装置。
【請求項10】 前記エキシマランプからの紫外線が照射される有害成分除去部内壁の接液部が、エキシマランプからの紫外線を反射する材質で構成されたことを特徴とする請求項1乃至9に記載の水の浄化装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水、浴槽水、雨水、および生活排水に含まれる濁質除去と有害成分を分解除去する水の浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水道水には、有害有機物や消毒殺菌剤であるカルキ臭等の臭い成分や微細な粒子成分が含まれている。この水道水をより安全で美味しい水にするため、濁質除去部と有害成分除去部を備えた浄水器が用いられている。この種の浄水器は、その設置する形態により据え置き型、蛇口直結型、アンダーシンク型、および水栓内臓型等に分けられているが、その多くが、水道水原水を浄水器に設けられた濾材により浄化した後、浄水として吐出する構造を有している。
【0003】従来、この種の濾材としては、活性炭等の吸着材により水のカルキ臭、カビ臭、トリハロメタン等を除去して、中空糸膜フィルターにより細菌類、濁度成分等を除去する機能を有するものが知られているが、活性炭は吸着材であるため、吸着量が飽和すると性能が低下し、浄化性能を維持するために新品と交換する方法の浄水器(特開平11−656)、または再生する方法の浄水器(特開平11−235276)が提案されている。
【0004】また、水栓内蔵型においては、浄水器と異なり浄化部が水栓内に収納されているため、水栓回りにスペースを必要としない利点があるものの、浄水器と同様に活性炭は吸着材であるため、吸着量が飽和すると性能が低下し、浄化性能を維持するために新品と交換する方法(特開平9−203470、特開平10−195946)が提案されている。
【0005】濁質除去部と有害成分除去部と加熱部を備えた水の浄化装置である電気温水器においては、供給された水が浄水器と同様構成の濾材が配設された浄化部を通過することで、活性炭等の吸着材により水のカルキ臭、カビ臭、トリハロメタン等を除去し、中空糸膜フィルターにより細菌類、濁質成分等を除去している方法が提案されている(特開平9−206747)。
【0006】濁質除去部と有害成分除去部と加熱部を備えた浄化機能付き給湯機においては、給湯機に接続された水道水流入部に浄水器と同様構成の濾材が配設され、活性炭等の吸着材により水のカルキ臭、カビ臭、トリハロメタン等を除去し、中空糸膜フィルターにより細菌類、濁質成分等を除去している。
【0007】また、給湯機内で水道水を加熱する加熱部より後段である加熱部と給湯機出口の間に浄水器と同様構成の濾材が配設され、活性炭等の吸着材により水のカルキ臭、カビ臭、トリハロメタン等を除去し、中空糸膜フィルターにより細菌類、濁質成分等を除去している給湯機も提案されている。
【0008】濁質除去部と有害成分除去部とヒーターとポンプを備えた浴槽水浄化循環装置においては、節水効果とともにいつでもお風呂に入れるという利便性がある一方で、浴槽水中の有機物や濁質を微生物の代謝機能を利用した生物浄化により浄化するため、浴槽水中や浴槽の壁面、更には浴槽水浄化循環装置を構成する各種配管の壁面、浄化槽等で病原菌が繁殖する可能性が指摘されている。
【0009】そのため、オゾンガスを浴槽水に混入させることにより、殺菌効果を高めた浴槽水浄化循環装置(特開平11−19656)や熱水にて浴槽水循環管路を殺菌洗浄する浴槽水浄化循環装置(特開平11−244169)が提案されている。
【0010】濁質除去部と有害成分除去部とポンプを備えた水の浄化装置である生活排水リサイクル装置においては、雨水や生活排水を浄化し、洗濯洗浄水や、散水、および便器洗浄水に利用するため、節水効果がある一方で、雨水や生活排水中の有機物や濁質を微生物の代謝機能を利用した生物浄化により浄化するため、病原菌が浄化水中に混入する可能性がある。そのため、浄化した水に混入、繁殖している菌を殺菌装置により殺菌する方法が提案されている(特開平9−174072)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、濁質除去部と有害成分除去部を備えた上記の浄水器や浄化機能内蔵水栓においては、活性炭は吸着材であるため、吸着量が飽和すると性能が低下し、浄化性能を維持するために新品と交換する必要があるため、経済的ではなく、さらに使用済みの活性炭を処分する手間がかかる。また、活性炭を再生する方式では、装置が複雑になり大型になる。
【0012】さらに、活性炭で吸着できる有害有機物は、一般的に疎水性の有機物や非極性の官能基を有する有機物であるため、親水性や極性の高い有機物は活性炭では吸着除去できない。もしくは吸着除去しにくい。しかし、水道水中には人体に有害な消毒副生成物であるアルデヒド系やカルボン酸系の親水性で極性の高い活性炭では吸着除去できない有害有機物等が含まれている。
【0013】また、有機物が吸着した活性炭は、菌が繁殖するため、活性炭より脱落する菌を除去するため、活性炭より吐水側に菌を除去する中空糸フィルター等が必要となり、浄水機内の構成は水道水流入側から活性炭、次に中空糸フィルターと限定される。そのため、水道水中の微粒子成分が活性炭表面に付着し、活性炭の吸着性能が低下、さらに吸着寿命が短くなるといった問題点がある。
【0014】濁質除去部と有害成分除去部と加熱部を備えた上記の浄化機能付き電気温水器や給湯機においては、浄水器と同様な濾材が使用されているため、上記の問題点がある他に、有害成分除去部の配設位置によっては有害成分除去部を温水、または熱水が通過するため、一旦吸着材に吸着した有害成分の脱離反応が起こる問題が生じる。
【0015】濁質除去部と有害成分除去部と加熱部とポンプを備えた上記の浴槽水浄化循環装置においては、いずれの浴槽水浄化循環装置も浴槽水中の有機物や濁質を浄化するため、生物浄化を利用していることから、生物浄化槽には多量の菌が繁殖している。結果、常に生物浄化槽から病原菌が浴槽水中に流出してくる問題点がある。
【0016】濁質除去部と有害成分除去部とポンプを備えた上記の生活排水リサイクル装置においては、雨水や生活排水を生物浄化により浄化しているため、リサイクル水に菌が繁殖している。そのため、殺菌装置を備える必要があり、装置が大型になる。
【0017】さらに、殺菌を行っているものの菌数を減少させているのみであるため、完全に菌数がゼロにはなってはいない。結果、菌を含むリサイクル水によりリサイクル水を搬送する配管、リサイクル水を使用する洗濯機内部、便器内表面、便器洗浄水を貯水するロータンク内等に水アカやぬめりが付着し、臭気が発生、細菌繁殖の温床となる。そのため、配管の詰まりを取り除く作業や水アカ、ぬめりを洗浄する作業が必要となる。さらに、リサイクル水中に病原菌が繁殖する可能性がある。
【0018】本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、濁質除去部が濁質を除去し、有害成分除去にエキシマランプからの紫外線を利用することで、活性炭等の吸着材が不必要となり、吸着性能低下による吸着材の交換、再生が不必要で、温水、または熱水でも有害成分を分解除去可能、さらに、活性炭等の吸着剤で吸着除去できない有害有機物を分解除去でき、生物浄化方法を用いないため、生物浄化槽から病原菌が処理水中に流出してくることがなく、エキシマランプからの紫外線により有害成分分解除去するのと同時に、紫外線による殺菌も可能な水の浄化装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段および作用・効果】上記課題を解決するためになされた本発明の請求項1は、流入した水道水を濁質除去部と有害成分除去部を通過させた後に流出する水の浄化装置において、有害成分除去部がエキシマランプからの紫外線による有害成分分解除去手段であることを特徴とする水の浄化装置を提供する。
【0020】図1に紫外光の持つ化学的エネルギーを示した。光の波長が短いほど化学的エネルギーは強く、水道水、浴槽水、雨水、および生活排水に含まれる有機物と反応する。また、紫外光により、水中の細菌は殺菌される。図2に種々の有機物分子内原子間結合エネルギーを示した。有機物分子内の原子間の結合は、結合エネルギー以上のエネルギーを外部から与えることにより、原子間結合は切断され酸化分解し、二酸化炭素や水等の無害成分となる。紫外光の持つ化学的エネルギーは、主要な有機物分子内原子間結合エネルギー以上のエネルギーであるため、紫外光を水道水、浴槽水、雨水、および生活排水に照射することにより、水に含まれる有害成分である有機物を分解し、二酸化炭素や水等の無害成分となる。図3に紫外線照射量と有機物分解量の関係の一例を示した。
【0021】紫外線を発光する水銀ランプとエキシマランプの紫外線出力と出力波長の関係を図4に示した。エキシマランプは水銀ランプと比較して、単一波長の紫外線かつ電気的に高い変換効率の紫外線出力が得られる。
【0022】本発明の水の浄化装置により、流入した水道水の濁質を濁質除去部で除去し、有害成分をエキシマランプからの紫外線で分解除去できるため、活性炭等の吸着材が必要なく、性能低下による新品との交換、使用済みの吸着材の処理、および、再生処理が不必要となる。そのため、経済的であり、再生処理装置により水の浄化装置が大型化することもない。さらに、吸着材からの菌の脱落がないため、菌を除去する目的の中空糸フィルター等が不必要となり、エキシマランプの紫外線が有害成分を分解除去するのと同時に殺菌も可能となる。さらに、吸着材で除去できない有害有機物も分解除去できるため、安全で美味しい水を得ることが可能な水の浄化装置である浄水器、浄化機能内蔵水栓等が提供できる。
【0023】本発明に係わる水の浄化装置の一様態としては、流入した水道水を加熱部によって加熱すると共に、濁質除去部と有害成分除去部を通過させた後に流出する水の浄化装置において、有害成分除去部がエキシマランプからの紫外線による有害成分分解除去手段であることを特徴とする水の浄化装置を提供する。
【0024】従来の吸着材を用いる水の浄化装置では、吸着材に温水、または熱水が通過すると、一旦吸着材に吸着した有機物の脱離反応が起き、浄化処理された水に有害成分が混入する問題が生じる。それに対し、エキシマからの紫外線によって有害成分を分解除去する場合、水温によって分解除去性能は変わらない。
【0025】本発明の水の浄化装置により、流入した水道水の濁質を濁質除去部で除去し、有害成分をエキシマランプからの紫外線で分解除去できるため、活性炭等の吸着材が必要なく、性能低下による新品との交換、使用済みの吸着材の処理、および、再生処理が不必要となる。そのため、経済的であり、再生処理装置により水の浄化装置が大型化することもない。さらに、吸着材からの菌の脱落がないため、菌を除去する目的の中空糸フィルター等が不必要となり、エキシマランプの紫外線が有害成分を分解除去するのと同時に殺菌も可能となる。さらに、吸着材で除去できない有害有機物も分解除去でき、温水、熱水使用では一旦吸着した有機物の脱離反応が起こる可能性がある吸着材を使用していないため、温水、熱水の対応も可能となるるため、安全で美味しい水を得ることが可能な水の浄化装置である電気温水器、給湯機等が提供できる。
【0026】本発明に係わる水の浄化装置の一様態としては、浴槽と接続されて浴槽水を循環する循環経路中に、濁質除去部と有害成分除去部とポンプを備えた水の浄化装置において、有害成分除去部がエキシマランプからの紫外線による有害成分分解除去手段であることを特徴とする水の浄化装置を提供する。
【0027】従来の浴槽と接続されて浴槽水を循環する循環経路中に、濁質除去部と有害成分除去部とポンプを備えた水の浄化装置である浴槽水浄化循環装置では、浴槽水を生物浄化により浄化しているため、浴槽水中に菌が繁殖している。そのため、殺菌装置を備える必要があり、装置が大型になる。また、殺菌を行っているものの菌数を減少させているのみであるため、完全に菌数がゼロにはなってはいない。結果、浴槽水中や浴槽の壁面、更には浴槽水浄化循環装置を構成する各種配管の壁面等で病原菌が繁殖する。
【0028】本発明の水の浄化装置により、浴槽水中の濁質を濁質除去部で除去し、エキシマランプからの紫外線で有害成分を分解除去すると同時に殺菌し、浄化した浴槽水をポンプで循環でき、従来の生物浄化手段が不必要となる。そのため、浴槽水に菌が繁殖していなく、浴槽の壁面、更には浴槽水を循環する配管の壁面等に病原菌が繁殖しない。結果、従来の水の浄化装置では必要であった浴槽壁、循環配管、および生物浄化槽の定期的な洗浄が不必要となり、濁質や有害成分を除去し、病原菌がいない安全な浴槽水で入浴が可能となる水の浄化装置を提供できる。
【0029】本発明に係わる水の浄化装置の一様態としては、流入した雨水または生活排水を、濁質除去部と有害成分除去部を通過させた後にポンプにより吐水する水の浄化装置において、有害成分除去部がエキシマランプからの紫外線による有害成分分解除去手段であることを特徴とする水の浄化装置を提供する。
【0030】従来の流入した雨水または生活排水を、濁質除去部と有害成分除去部を通過させた後にポンプにより吐水する水の浄化装置である生活排水リサイクル装置装置では、雨水や生活排水を生物浄化により浄化しているため、リサイクル水に菌が繁殖している。そのため、殺菌装置を備える必要があり、装置が大型になる。さらに、殺菌を行っているものの菌数を減少させているのみであるため、完全に菌数がゼロにはなってはいない。結果、菌を含むリサイクル水によりリサイクル水を搬送する配管、リサイクル水を使用する洗濯機内部、便器内表面、便器洗浄水を貯水するロータンク内等に菌の増殖による水アカやぬめりが付着し、臭気が発生する。
【0031】本発明の水の浄化装置により、生物浄化手段でなく、雨水や生活排水中の濁質を濁質除去部で除去し、エキシマランプからの紫外線で有害成分を分解除去すると同時に殺菌処理し、浄化したリサイクル水をポンプで送水できる。そのため、リサイクル水に菌が繁殖していなく、リサイクル水を搬送する配管、リサイクル水を使用する洗濯機内部、便器内表面、便器洗浄水を貯水するロータンク内等に水アカやぬめりが付着し、臭気が発生、細菌繁殖の温床となることがなくなる。結果、配管の詰まりを取り除く作業や洗濯機、便器、および便器洗浄水を貯水するロータンク内等の水アカ、ぬめりを洗浄する作業が不必要となると同時に臭気発生の防止も可能となる。
【0032】好ましい様態として、濁質除去部がエキシマランプからの紫外線による有害成分分解除去部より処理水の流入側に配設されていることを特徴とする水の浄化装置を提供する。
【0033】エキシマランプを水の有害成分分解処理に使用する場合、長年にわたる使用で水と接するエキシマランプ保護管表面、または保護板表面に濁質成分が付着し、エキシマランプからの紫外線の透過率が低下する。そのため、処理水に照射される紫外線出力が低下し、有害成分の分解除去性能が低下する。
【0034】本発明の水の浄化装置により、濁質除去部で濁質が除去された処理水が有害成分分解除去部を通過するため、保護管表面、または保護板表面に濁質の付着がなくなる。結果、長年にわたる使用においても、保護管、または保護板の紫外線透過率が低下することがなく、有害成分分解除去性能が低下しないため、濁質と有害成分を除去した安全な水を供給できるとともに保護管表面、保護板表面に付着した濁質除去のための洗浄操作が不必要となる。
【0035】さらに好ましい様態として、有害成分除去部を通過する処理水の流量を検知する手段を設け、流量に応じてエキシマランプからの紫外線出力を制御することを特徴とする水の浄化装置を提供する。
【0036】従来の水の浄化装置においては、処理水の流量変化に応じて、吸着剤による吸着除去性能や生物浄化法における生物浄化能力は変化しない。そのため、処理水の流量が適量の場合は、十分な性能が発揮されるが、流量が多くなると有害成分除去性能が不足し、有害成分が満足に除去されていない水となる。
【0037】本発明の水の浄化装置により、有害成分除去部を通過する処理水の流量を検知する手段を設け、流量に応じてエキシマランプからの紫外線出力を制御することができる水の浄化装置であるため、流量が変化しても有害成分分解除去性能が低下しない。結果、水の流量が変化しても濁質と有害成分を除去した安全な水を供給できる。
【0038】さらに好ましい様態として、エキシマランプが150nm以上200nm以下の紫外線を主波長に発光するランプであることを特徴とする水の浄化装置を提供する。
【0039】紫外線は波長が短くなるほど光子のエネルギーが高く、波長200nm以下の光子のエネルギーは有機化合物中の分解しにくい炭素二重結合(C=C)等の結合を用意に切断することができる。また、波長が150nm以下の紫外線は水やエキシマランプの保護管、または保護板に吸収されるため、有害成分分解に寄与する紫外線量が極めて少ない。
【0040】したがって、波長150nm以上200nm以下の紫外線を主波長とするエキシマランプにより処理水中の有害成分を効率よく分解除去できる。
【0041】さらに好ましい様態として、エキシマランプが172nmの紫外線を主波長に発光するランプであることを特徴とする水の浄化装置を提供する。
【0042】172nmの紫外線を主波長とするキセノンエキシマランプは、他のエキシマランプより高出力の紫外線を安定に、電気的に高い変換効率で出力することができるため、処理水中の有害成分を効率良く分解除去できる。
【0043】さらに好ましい様態として、エキシマランプは紫外線が透過可能な保護管内、またはランプ収納部の一部が紫外線を透過可能な保護板で構成された収納部内に収納され、かつ収納部内の雰囲気が300Torr以下とするか、エキシマランプからの紫外線を吸収しないガスを主成分とした雰囲気であることを特徴とする水の浄化装置を提供する。
【0044】エキシマランプから出力される紫外線は、一般的なソーダライムガラス等で形成された保護管、または保護板ではほとんど透過しない。また、天然石英ガラスのようなケイ素と酸素以外の成分を多く含むガラスにおいても透過率は低いが、ケイ素と酸素以外の成分を微量しか含まない合成石英ガラスやフッ化マグネシウムガラスにおいては透過率が高い。また、収納部の雰囲気が酸素を含む雰囲気である場合、酸素分子に吸収され紫外線強度が低下するため、300Torr以下とするか、エキシマランプからの紫外線を吸収しないガスである窒素ガス等が良い。
【0045】したがって、エキシマランプからの紫外線が透過可能な保護管内、またはランプ収納部の一部が紫外線を透過可能な保護板で構成された収納部内に収納され、かつ収納部内の雰囲気が300Torr以下とするか、エキシマランプからの紫外線を吸収しないガスを主成分とした雰囲気とすることにより、処理水中の有害成分を効率良く分解除去できる。
【0046】さらに好ましい様態として、エキシマランプからの紫外線が照射される有害成分除去部内壁の接液部が、エキシマランプからの紫外線を反射する材質で構成されたことを特徴とする水の浄化装置を提供する。
【0047】エキシマランプから出力される紫外線は、有害成分除去部内壁により吸収される。水道水、浴槽水、雨水、および生活排水に含まれる有害成分と反応させ、効率良く分解除去するためには、有害成分除去部内壁に吸収する紫外線量を減らし、反射させることで再度有害成分と反応させることが望ましい。そのため、有害成分除去部内壁の材質を紫外線反射率の高いアルミニウム、ステンレス等で構成することが望ましい。
【0048】したがって、エキシマランプからの紫外線が照射される有害成分除去部部内壁の接液部が、エキシマランプからの紫外線を反射する材質で構成することにより、有害成分を効率良く分解除去し、安全な水を供給できる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。本実施例に用いる濁質除去部には粒状フィルターや金属、または樹脂製の不織布や金属、または樹脂性のメッシュ状フィルターや金属、樹脂、およびセラミックス製の焼結フィルターや中空糸膜フィルターやRO膜等を用いることができる。濁質除去フィルターは、水質(水道水、浴槽水、雨水、および生活排水)や使用形態によって上記から選定する。
【0050】図5は実施例に用いる有害成分除去部1の詳細図である。有害成分除去部1の内部には、紫外線が透過する合成石英ガラス製の保護管3内に172nmの紫外線を出力するエキシマランプ5が収納され、エキシマランプ5と保護管3内の空間7には窒素ガスが封入されている。有害成分除去部1の内壁は、紫外線反射率の高い材質8であるアルミニウムやステンレス等で形成されている。エキシマランプ5は制御装置9と電源部11に電気的に接続されている。被処理水13は有害成分除去部1とエキシマランプ5が収納された保護管3との間の有害成分分解処理部15を通過する。
【0051】図6は実施例に用いる有害成分除去部1の別形態の詳細図である。172nmの紫外線を出力するエキシマランプ5は、被処理水13と接する側が、紫外線が透過する合成石英ガラス製の保護板4と紫外線の反射率の高い材質8であるアルミニウムやステンレス等で形成された有害成分除去部1に収納されている。エキシマランプ5が収納されている空間7は、紫外線を吸収しない窒素ガスが封入されている。被処理水13が接する有害成分除去部1内の接液部17は紫外線の反射率の高い材質であるアルミニウムやステンレス等で形成されている。エキシマランプ5は制御装置9と電源部11に電気的に接続されている。
【0052】図7は実施例に用いる有害成分除去部1のさらに別の詳細図である。有害成分除去部1が処理水を貯水する貯水槽55に配設されている。また、有害成分除去部1には、紫外線が透過する合成石英ガラス製の保護管3内に172nmの紫外線を出力するエキシマランプ5が収納され、エキシマランプ5と保護管3内の空間7には窒素ガスが封入されている。エキシマランプ5は制御装置9と電源部11に電気的に接続されている。被処理水13はエキシマランプ5が収納された保護管3の外壁に接している。
【0053】以下の水の浄化装置の実施例では、有害成分除去部1はエキシマランプ5が収納された保護管3、または保護板4の被処理水との接液部に濁質が付着し、紫外線出力低下を防止するため、被処理水の通水、または循環経路上、濁質除去部19の下流側に配設してある。上記理由より、濁質除去部19と有害成分除去部1の配置は、実施例の順が望ましい。また、流量センサー21を設けることで、エキシマランプの点灯、消灯タイミングや処理水流量に応じた紫外線出力に可変することが可能となる。
【0054】図8は本発明に係る水の浄化装置の実施例1である。水の浄化装置2が水道水給水管23、水栓開閉バルブ25の下流側に配設されている。水の浄化装置2内は、上流の水栓開閉バルブ25側から流量センサー21、濁質除去部19、有害成分除去部1、浄化処理水吐水口27の順で水の流路が配設されている。制御装置9には、有害成分除去部1、電源部11、および流量センサー21とに電気的に接続されている。流量センサー21は、水栓開閉バルブ25から浄化処理水吐水口27間の通水経路のいずれの配置でも良い。
【0055】次に実施例1の動作について説明する。使用者が水栓の開閉バルブ25を開状態にすると、水道水給水管23から水道水が、水の浄化装置2内に流入し、流量センサー21→濁質除去部19→有害成分除去部1の順に流れ、浄化処理水吐水口27から浄化された水が吐水する。
【0056】水栓開閉バルブ25が開栓されたことは流量センサー21によって検知され、電源部11の電気エネルギーが制御装置9を介して有害成分除去部1に流量に応じて給電され、エキシマランプから紫外線が水に照射される。よって、水に含まれる濁質を濁質除去部19で除去し、有害成分を有害成分除去部1で分解処理した浄化処理水が吐水口27を通って吐水される。
【0057】この工程によって、水道水の濁質を除去し、有害成分を分解除去するのと同時に紫外線による殺菌処理をした安全な水を供給できる。
【0058】図9は本発明に係る水の浄化装置の実施例2である。水の浄化装置2が水道水給水管23、水栓開閉バルブ25の下流側に配設されている。水の浄化装置2内は、上流の水栓開閉バルブ25側から流量センサー21、加熱部29、水温測定部31、濁質除去部19、有害成分除去部1、浄化処理水吐水口27の順で水の流路が配設されている。制御装置9には、有害成分除去部1、電源部11、加熱部29、水温測定部31、および流量センサー21とに電気的に接続されている。流量センサー21、加熱部29の水の浄化装置2内配置は、いずれの場所であっても問題ない。また、水温測定部31の配置は、加熱部29より下流側の配置が良い。
【0059】次に実施例2の動作について説明する。使用者が水栓の開閉バルブ25を開状態にすると、水道水給水管23から水道水が、水の浄化装置2内に流入し、流量センサー21→加熱部29→水温測定部31→濁質除去部19→有害成分除去部1の順に流れ、浄化処理水吐水口27から浄化され、かつ温度調節された水が吐水される。
【0060】水栓開閉バルブ25が開栓されたことは流量センサー21によって検知され、電源部11の電気エネルギーが制御装置9を介して加熱部29と有害成分除去部1に流量に応じて給電され、水が加熱され、エキシマランプから紫外線が水に照射される。よって、加熱部29で加熱され、水に含まれる濁質を濁質除去部19で除去し、有害成分を有害成分除去部1で分解処理した浄化処理水が吐水口27を通って吐水される。
【0061】この工程によって、加熱され、水道水の濁質を除去し、有害成分を分解除去するのと同時に紫外線による殺菌処理をした安全な水を供給できる。
【0062】図10は本発明に係る水の浄化装置の実施例3である。浴槽33と接続されて浴槽水35を循環する循環経路中に水の浄化装置2が配設されている。水の浄化装置2内は、流量センサー21、循環ポンプ37、濁質除去部19、および有害成分除去部1が配設されている。制御装置9には、有害成分除去部1、電源部11、循環ポンプ37および流量センサー21とに電気的に接続されている。流量センサー21、循環ポンプ37の水の浄化装置2内配置は、いずれの場所であっても問題ない。
【0063】次に実施例3の動作について説明する。循環ポンプ37が駆動すると、浴槽水35が浴槽33の浴槽水流入口39から水の浄化装置2内に流入し、流量センサー21→循環ポンプ37→濁質除去部19→有害成分除去部1の順に流れ、水の浄化装置2により浴槽水35は浄化され、浴槽水吐水口41から浴槽33に戻る。
【0064】循環流量は流量センサー21によって検知され、電源部11の電気エネルギーが制御装置9を介して有害成分除去部1に流量に応じて給電され、エキシマランプから流量に応じた出力の紫外線が水に照射される。よって、水に含まれる濁質を濁質除去部19で除去し、有害成分を有害成分除去部1で分解処理した浄化処理水が浴槽水吐水口27から浴槽33へ吐水される。
【0065】この工程によって、水道水に含まれる濁質、有害成分や浴槽水に含まれる人体由来の濁質、有機物を除去し、有害成分を分解除去するのと同時に紫外線による殺菌処理をした浴槽水35が得られるため、清澄で安全な浴槽水での入浴が可能となる。
【0066】図11は本発明に係る水の浄化装置の実施例4である。実施例4では、雨水、生活排水を貯水したり、浄化処理されたリサイクル水を貯水する貯水槽55を配設しない形態としたが、水の浄化装置2で処理する処理水や処理したリサイクル水を貯水する貯水槽55を配設し、処理水を水の浄化装置2で循環処理する形態としても良い。また、圧力センサーと送水ポンプ47を連動させ、リサイクル水吐水部49より下流側の水洗便器51、散水部53、洗濯機57等のリサイクル水使用部の開閉バルブが開状態になり、リサイクル水吐水部49とリサイクル水使用部間の配管内圧力が低下した場合に、送水ポンプ47が駆動し、さらに開閉バルブが閉状態になり、配管内圧力が上昇した場合に、送水ポンプが47が駆動停止となる形態としても良い。
【0067】水の浄化装置2が雨水流入口43、生活排水流入口45とリサイクル水吐水部49間に配設されている。リサイクル水吐水部49は水洗便器51、散水部53、洗濯機57等のリサイクル水使用部に接続されている。水の浄化装置2内は、流量センサー21、濁質除去部19、有害成分除去部1、送水ポンプ47が配設されている。制御装置9には、有害成分除去部1、電源部11、送水ポンプ47および流量センサー21とに電気的に接続されている。流量センサー21、送水ポンプ47の水の浄化装置2内配置は、いずれの場所であっても問題ない。
【0068】次に実施例4の動作について説明する。使用者が送水ポンプ47を駆動すると雨水流入口43、生活排水流入口45から処理水が水の浄化装置2内に流入し、流量センサー21→送水ポンプ47→濁質除去部19→有害成分除去部1の順に流れ、水の浄化装置2により処理水は浄化され、リサイクル水吐水部49から水洗便器51、散水部53、洗濯機57等のリサイクル水使用部へ送水される。
【0069】水の浄化装置2で処理される処理水の流量は流量センサー21によって検知され、電源部11の電気エネルギーが制御装置9を介して有害成分除去部1に流量に応じて給電され、エキシマランプから流量に応じた出力の紫外線が水に照射される。よって、水に含まれる濁質を濁質除去部19で除去し、有害成分を有害成分除去部1で分解処理した浄化処理水がリサイクル水吐水部49から水洗便器51、散水部53、洗濯機57等のリサイクル水使用部へ送水される。
【0070】この工程によって、雨水や水道水や生活排水に含まれる濁質、有害成分を除去し、有害成分を分解除去するのと同時に紫外線による殺菌処理をしたリサイクル水が得られるため、菌を含むリサイクル水によりリサイクル水を搬送する配管、リサイクル水を使用する洗濯機内部、便器内表面、便器洗浄水を貯水するロータンク内等に水アカやぬめりが付着し、臭気が発生、細菌繁殖の温床となることがなく、配管の詰まりを取り除く作業や水アカ、ぬめりを洗浄する作業が不必要となる。さらに、リサイクル水中に病原菌が繁殖する可能性もなくなる。




 

 


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