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発明の名称 便器殺菌装置及び殺菌水生成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−232369(P2001−232369A)
公開日 平成13年8月28日(2001.8.28)
出願番号 特願2000−47192(P2000−47192)
出願日 平成12年2月24日(2000.2.24)
代理人
発明者 西山 修二 / 輪島 尚人
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 水洗便器への便器洗浄水給水路に設ける便器殺菌装置において、電気エネルギーを生成する発電手段と、生成した電気エネルギーを貯蔵する蓄電手段と、電気エネルギーで駆動する殺菌成分供給手段とを設け、便器洗浄水の給水時に前記蓄電手段から前記殺菌成分供給手段に給電し、洗浄水中に殺菌成分を供給することを特徴とする便器殺菌装置。
【請求項2】 便器が一定時間使用されないと、洗浄水が自動的に吐水され、同時に前記蓄電手段からの通電によって殺菌成分供給手段から殺菌成分が溶出することを特徴とする請求項1に記載の便器殺菌装置。
【請求項3】 前記殺菌成分供給手段とは、電極反応によって銀イオンを生成するものであり、少なくとも一対の電極の材質が銀であることを特徴とする請求項1、2に記載の便器殺菌装置。
【請求項4】 前記発電手段とは、前記便器洗浄水給水路の内部に設けた翼車と、翼車により駆動される発電機であり、前記便器洗浄水給水路の水流により前記翼車を回転させ、この回転により発電機が発電することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の便器殺菌装置。
【請求項5】 前記蓄電手段は、便器洗浄水が吐水されるたびごとに、前記発電手段で生成された電気エネルギーを逐一貯蔵し、この貯蔵エネルギーを、便器洗浄水の吐水に関わる制御部と、前記殺菌成分供給手段で利用することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の便器殺菌装置。
【請求項6】 前記発電手段となる翼車が、前記殺菌成分供給手段となる対向した電極の間に配設されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の便器殺菌装置。
【請求項7】 前記水洗便器が小便器であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の便器殺菌装置。
【請求項8】 水路に設けられる殺菌水生成装置において、前記水路中を流れる水流によって電気エネルギーを生成する発電手段と、生成した電気エネルギーを貯蔵する蓄電手段と、電気エネルギーで駆動する殺菌成分供給手段とを設け、給水時に前記蓄電手段から前記殺菌成分供給手段に給電し、水路中の流水へ殺菌成分を供給することを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項9】 給水が一定時間止まると、該給水が自動的に吐水され、同時に前記蓄電手段からの通電によって殺菌成分供給手段から殺菌成分が溶出することを特徴とする請求項8に記載の殺菌水生成装置。
【請求項10】 前記殺菌成分供給手段とは、電極反応によって銀イオンを生成するものであり、少なくとも一対の電極の材質が銀であることを特徴とする請求項8、9に記載の殺菌水生成装置。
【請求項11】 前記発電手段とは、前記給水路の内部に設けた翼車と、翼車により駆動される発電機であり、前記給水路の水流により前記翼車を回転させ、この回転により発電機が発電することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載の殺菌水生成装置。
【請求項12】 前記蓄電手段は、水が吐水されるたびごとに、前記発電手段で生成された電気エネルギーを逐一貯蔵し、この貯蔵エネルギーを、水の吐水に関わる制御部と、前記殺菌成分供給手段で利用することを特徴とする請求項8から請求項11のいずれかに記載の殺菌水生成装置。
【請求項13】 前記発電手段となる翼車が、前記殺菌成分供給手段となる対向した電極の間に配設されることを特徴とする請求項8から請求項12のいずれかに記載の殺菌水生成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水洗便器への便器洗浄水給水路に設ける殺菌装置や水路に設けられる殺菌水生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、便器の日常的洗浄は、使用者のボタン操作等による手動洗浄装置、あるいは、便器の前に人が立ったことを検出し、便器の使用が終了した時点で自動的に上水又は中水を流すという動作を行なう自動洗浄装置により行なわれていた。
【0003】しかし、便器使用後に単に水を流すのみでは、徐々に便器に水アカやぬめりが付着したり臭気が発生することを防止することができない。また、小便器においては尿石が配管内に付着して汚水の通過路を狭くしたり、便器の表面に付着して外観を損ね、細菌繁殖の温床となって臭気を放つようになる。このように一旦付着してしまった尿石は通常の清掃では除去することは難しく、ブラシで強く擦らないと取れない。このため、尿石除去は専門の業者に依頼する必要があり、大きな負担となっていた。
【0004】この問題に対し、便器洗浄水に殺菌力を有する成分を生成し供給させることによって対処する方法もいくつか開示されている。
【0005】例えば、本願出願人は、水道水は塩素イオンを含有するということに着目し、この水を電気分解して得られる遊離塩素含有水を便器に供給して尿石等便器の汚れや臭気の原因となる細菌を効果的に殺菌する便器洗浄装置を提案した。(PCT/JP95/01650)
【0006】また別の例としては、水洗便器に対する便器洗浄水給水路と、この便器洗浄水給水路内に銀イオンを混入させる銀極板を有するイオン発生器と、前記便器洗浄水給水路に設けた開閉弁の開弁動作に連動して閉成し銀極板に給電する電源装置とを備えた便器洗浄水の殺菌浄化装置も知られている。(実開平7−17391)
【0007】これらの発明では、いずれも電気エネルギーは家庭用電源などの商用電源から供給する方式をとっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの商用電源による従来の方式には、停電時の器具の作動ができない、感電のおそれがある、といった欠点があった。また上記商用電源以外に、人体検知センサーなどを駆動する動力源には電池が用いられる場合もあり、この場合は、定期的に電池を交換しなければならなかった。
【0009】本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、水アカ、ぬめりの付着や臭気の発生を防止する機能を備え、さらに小便器においては、尿石の付着にともなう汚水の通過路の狭小化や美観の損傷、臭気の発生をも防止する機能も兼ね備えるとともに、これらのあらゆる機能が停電時でも使用でき、かつランニングコスト不要の便器殺菌装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用・効果】本発明は、水洗便器への便器洗浄水給水路に設ける便器殺菌装置において、電気エネルギーを生成する発電手段と、生成した電気エネルギーを貯蔵する蓄電手段と、電気エネルギーで駆動する殺菌成分供給手段とを設け、便器洗浄水の給水時に前記蓄電手段から前記殺菌成分供給手段に給電し、洗浄水中に殺菌成分を供給することを特徴とする。
【0011】これにより、この電気エネルギーで殺菌成分供給手段を駆動させ、便器洗浄水中に殺菌成分を供給する。その結果、商用電源への接続が不要であり、停電時でも殺菌成分を含んだ便器洗浄水を供給できる。また、電気エネルギーを貯蔵する蓄電手段を設けることで、洗浄水の吐水に伴って生成された電気エネルギーを直接、殺菌成分供給手段に通電する必要がなくなり、殺菌成分供給手段への電気エネルギー供給が自在にできるようになる。その結果、洗浄水吐水と殺菌成分供給のための電解のやり方をさまざまに組み合わせることができる。
【0012】また本発明は、便器が一定時間使用されないと、洗浄水が自動的に吐水され、同時に前記蓄電手段からの通電によって殺菌成分供給手段から殺菌成分が溶出することを特徴とする。
【0013】便器表面に付着するぬめりや、排水配管にできる尿石は、菌の活動によって生成が促進される。よって菌の増殖を抑制することが前記汚れ対策には適している。本発明は菌の増殖するのが、人による便器使用がなくなる夜間や休日であることを見いだし、その時間帯を検出して殺菌成分を含んだ水を吐水する。殺菌成分による殺菌と同時に、トラップや排水配管内の水を新しく置換することで、菌の増殖を抑えることができる。
【0014】本発明の好ましい様態として、前記殺菌成分供給手段は、電極反応によって銀イオンを生成するものであり、少なくとも一対の電極の材質が銀であることが挙げられる。
【0015】これにより、銀電極から銀イオンを溶解させ、便器洗浄水中に供給する。殺菌に必要な銀イオン濃度は2μg/L以上であり、他の殺菌成分である次亜塩素酸(本発明の請求項2の構成の一例であるイリジウム−白金合金製の電極を用いた場合、電極反応により、水道水中の塩素イオンから次亜塩素酸を発生させることができる。)では、一般に500μg/L以上とされているのに比べ、少ない濃度で殺菌効果が得られる。さらにこれらの電極反応効率(すなわち電極間を流れた電子の当量に対する、生成した殺菌成分の当量の割合。)は、銀から銀イオンを生成する反応では極めて高い。このことから、電極の材質に銀を用いた場合、非常に少ない電子量、すなわち電流値で殺菌効果が得られる。電流値が低いことから、同一の電極形状(電極面積および電極間距離)の条件下では、他の殺菌成分を供給する場合に比べて消費電力を少なくすることができる。また、同一の消費電力の条件下では、電極間距離を広く、あるいは電極面積を小さくすることができる。前者の場合、通水による圧力損失が軽減されるので、時間あたりに洗浄水供給流路を流れる水量(ここではこの値を「流量」と呼ぶ。)が低下するという不便がない。また、後者の場合、殺菌成分供給手段が小型化でき、使用の際に邪魔にならない。銀イオンは前述したように低濃度で殺菌効果を発揮するため、生成に必要な電力が数十ミリW程度ですむため、本発明における電気エネルギーを自前でまかなう機構においては、最適な殺菌成分となる。
【0016】また、本発明の好ましい様態として、上記の各々の構成における発電手段は、前記便器洗浄水給水路の内部に設けた翼車と、翼車により駆動される発電機からなり、前記便器洗浄水給水路の水流により前記翼車を回転させ、この回転により発電機が発電するものを挙げることができる。
【0017】これにより、便器洗浄水給水路を水が流れる際に、水のエネルギーが発電機により電気エネルギーに変換され前記蓄電手段に給電される。時間あたりに発電される電気エネルギー(単位は「ワット」など)は、流量(単位は「リットル/分」など)に比例する。この場合、エネルギーの元となるのは、給水管を流れる水の運動エネルギーであり、発電に要するランニングコストが不要となる。
【0018】本発明の好ましい様態として、前記蓄電手段は、便器洗浄水が吐水されるたびごとに、前記発電手段で生成された電気エネルギーを逐一貯蔵し、この貯蔵エネルギーを、便器洗浄水の吐水に関わる制御部と、前記殺菌成分供給手段で利用することが挙げられる。
【0019】給水管中を流れる水の運動エネルギーを、前記発電手段によって電気エネルギーに変換し、逐一蓄電手段に貯蔵することで、エネルギーの利用率が高まる。貯蔵された電気エネルギーは、便器洗浄水の吐水に関わる制御部と、殺菌成分供給手段の駆動に転用されるため、商用電源が不要となり、エネルギー供給が自前でできるようになる。前記制御部では、主に人体検知センサー、人の使用に伴って吐水される洗浄水給水弁の開閉、制御回路の駆動電源に電気エネルギーが使用される。前記殺菌成分供給手段では、対向配置した銀電極の間を便器洗浄水が通過する際の、電極間の通電に電気エネルギーが利用され、その結果洗浄水中に銀イオンが溶出される。
【0020】さらに好ましくは、前記発電手段となる翼車が、前記殺菌成分供給手段となる対向した電極の間に配設されることが挙げられる。
【0021】これによって、発電と殺菌成分生成を水路内の同一空間でできるため、装置がコンパクトになる。また、発電のために翼車が回ることで、水流を乱す効果が生じ、電極付近のイオン濃度勾配がなくなるため、電極から殺菌成分が生成されやすくなる。
【0022】本発明を小便器に適用した場合において、小便器の防汚性という点で秀逸な効果を発揮する。その理由を以下に記す。
【0023】小便器への尿石の付着のメカニズムは次のようなものと考えられている。小便器に排尿をすると、小便器表面に尿が付着するとともに、小便器内のトラップ部に尿が滞留する。一般に小便器には多数の細菌が存在する。尿には多量の尿素が含有されているが、小便器表面やトラップ部の滞留水に細菌が存在すると、尿素は細菌の有する酵素ウレアーゼの作用によりアンモニアと二酸化炭素に分解される。この時生成するアンモニア量が多いと臭気の一因となる。またアンモニアが生成すると、小便器表面に付着した液体やトラップ部の滞留水に溶解し、その液体のpHが上昇する。pHが上昇すると、小便器表面に付着した液体やトラップ部の滞留水に含まれるカルシウムイオンが炭酸塩やリン酸塩へと変化して析出し、尿石として便器に付着し、着色汚れの原因となる。
【0024】以上から、本発明に係る便器殺菌装置を小便器に適応した様態では、生成された殺菌成分を小便器に流すことにより、小便器内に存在する細菌を殺菌するため、このような尿石付着の原因が排除され、小便器は常に清浄な状態に保たれて美観を損ねることもなく、尿石の配管内への付着による汚水通過路の狭小化が防止され、また、アンモニア等による臭気の発生も防止される。
【0025】以上は小便器に限定して記載したが、本発明は小便器に限定されるものではない。小便器同様に、吐水先の細菌汚れを防止したい局部洗浄装置等の水路中や、細菌汚れを防止したい浴槽水循環流路等の水路に適用される。この第二の発明の態様に係る構成としては、水路に設けられる殺菌水生成装置において、前記水路中を流れる水流によって電気エネルギーを生成する発電手段と、生成した電気エネルギーを貯蔵する蓄電手段と、電気エネルギーで駆動する殺菌成分供給手段とを設け、給水時に前記蓄電手段から前記殺菌成分供給手段に給電し、給水中に殺菌成分を供給することを特徴とする。これにより、この電気エネルギーで殺菌成分供給手段を駆動させ、水中に殺菌成分を供給する。その結果、商用電源への接続が不要であり、停電時でも殺菌成分を含んだ水を供給できる。また、電気エネルギーを貯蔵する蓄電手段を設けることで、水の吐水に伴って生成された電気エネルギーを直接、殺菌成分供給手段に通電する必要がなくなり、殺菌成分供給手段への電気エネルギー供給が自在にできるようになる。その結果、洗浄水吐水と殺菌成分供給のための電解のやり方をさまざまに組み合わせることができる。
【0026】また本発明は、給水が一定時間止まると、該給水が自動的に吐水され、同時に前記蓄電手段からの通電によって殺菌成分供給手段から殺菌成分が溶出することを特徴とする。水路表面に付着するぬめりなどの細菌性汚れは、菌の活動によって生成が促進される。よって菌の増殖を抑制することが前記汚れ対策には適している。本発明は菌の増殖するのが、人による使用がなくなる時であることを見いだし、その時間帯を検出して殺菌成分を含んだ水を吐水する。殺菌成分による殺菌と同時に、水路内の水を新しく置換することで、菌の増殖を抑えることができる。
【0027】本発明の好ましい様態として、前記殺菌成分供給手段は、電極反応によって銀イオンを生成するものであり、少なくとも一対の電極の材質が銀であることを特徴とする。これにより、銀電極から銀イオンを溶解させ、水中に供給する。殺菌に必要な銀イオン濃度は2μg/L以上であり、他の殺菌成分である次亜塩素酸(本発明の請求項2の構成の一例であるイリジウム−白金合金製の電極を用いた場合、電極反応により、水道水中の塩素イオンから次亜塩素酸を発生させることができる。)では、一般に500μg/L以上とされているのに比べ、少ない濃度で殺菌効果が得られる。さらにこれらの電極反応効率(すなわち電極間を流れた電子の当量に対する、生成した殺菌成分の当量の割合。)は、銀から銀イオンを生成する反応では極めて高い。このことから、電極の材質に銀を用いた場合、非常に少ない電子量、すなわち電流値で殺菌効果が得られる。電流値が低いことから、同一の電極形状(電極面積および電極間距離)の条件下では、他の殺菌成分を供給する場合に比べて消費電力を少なくすることができる。また、同一の消費電力の条件下では、電極間距離を広く、あるいは電極面積を小さくすることができる。前者の場合、通水による圧力損失が軽減されるので、時間あたりに洗浄水供給流路を流れる水量(ここではこの値を「流量」と呼ぶ。)が低下するという不便がない。また、後者の場合、殺菌成分供給手段が小型化でき、使用の際に邪魔にならない。銀イオンは前述したように低濃度で殺菌効果を発揮するため、生成に必要な電力が数十ミリW程度ですむため、本発明における電気エネルギーを自前でまかなう機構においては、最適な殺菌成分となる。
【0028】また、本発明の好ましい様態として、前記発電手段は、前記給水路の内部に設けた翼車と、翼車により駆動される発電機であり、前記給水路の水流により前記翼車を回転させ、この回転により発電機が発電することを特徴とする。これにより、給水路を水が流れる際に、水のエネルギーが発電機により電気エネルギーに変換され前記蓄電手段に給電される。時間あたりに発電される電気エネルギー(単位は「ワット」など)は、流量(単位は「リットル/分」など)に比例する。この場合、エネルギーの元となるのは、給水管を流れる水の運動エネルギーであり、発電に要するランニングコストが不要となる。
【0029】本発明の好ましい様態として、前記蓄電手段は、水が吐水されるたびごとに、前記発電手段で生成された電気エネルギーを逐一貯蔵し、この貯蔵エネルギーを、水の吐水に関わる制御部と、前記殺菌成分供給手段で利用することを特徴とする。給水管中を流れる水の運動エネルギーを、前記発電手段によって電気エネルギーに変換し、逐一蓄電手段に貯蔵することで、エネルギーの利用率が高まる。貯蔵された電気エネルギーは、水の吐水に関わる制御部と、殺菌成分供給手段の駆動に転用されるため、商用電源が不要となり、エネルギー供給が自前でできるようになる。前記制御部では、主に人体検知センサー、人の使用に伴って吐水される洗浄水給水弁の開閉、制御回路の駆動電源に電気エネルギーが使用される。前記殺菌成分供給手段では、対向配置した銀電極の間を水が通過する際の、電極間の通電に電気エネルギーが利用され、その結果洗浄水中に銀イオンが溶出される。
【0030】さらに好ましくは、前記発電手段となる翼車が、前記殺菌成分供給手段となる対向した電極の間に配設されることを特徴とする。これによって、発電と殺菌成分生成を水路内の同一空間でできるため、装置がコンパクトになる。また、発電のために翼車が回ることで、水流を乱す効果が生じ、電極付近のイオン濃度勾配がなくなるため、電極から殺菌成分が生成されやすくなる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。なお、本実施例では主として本発明の便器殺菌装置を小便器に適用した例を示したが、大便器に用いても同様の効果を発揮することができる。
【0032】図1は本発明に係る便器殺菌装置の第一の実施例である。電解槽7が便器洗浄用給水管3のフラッシュバルブ等からなる給水弁4よりも下流に設けられている。給水弁4は公知の便器自動洗浄システム2に接続されている。便器洗浄用給水管3は小便器1に接続されている。給水弁4と小便器1の間の給水管3には、電気エネルギーを自成する発電機5と、発電で得られた電気エネルギーを蓄える蓄電機6が設けられる。また、蓄電機6からの電気で銀イオンを溶出する電解槽7が備えられる。電解槽7の内部には、殺菌成分供給手段である金属銀の平板を向かい合わせて配置した一対の電極8a、8bが設けられる。
【0033】図2は発電機5の詳細な図面である。給水管を流れる便器洗浄水によって回転する翼車10を有し、翼車10の回転による力学エネルギーが、磁界との相互作用を経て電気エネルギーに変換される。発生した電気エネルギーは、電気配線をへて蓄電機6に蓄えられ、逐一洗浄水吐水や殺菌成分溶出のために出力される。
【0034】次に動作について説明する。便器自動洗浄システム2の作動により給水弁4が開き、便器洗浄用給水管3を通り水道水が発電機5内に流入する。この流入水は翼車10を高速で回転させ、発電機5が水の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。発電された電気エネルギーは蓄電機6に蓄えられる。殺菌成分を洗浄水中に供給する場合は、制御装置9を介して電解槽7内の一対の電極8a、8bに給電され、電極8a、8bのいずれかアノード側から銀イオンが溶出し、銀イオンを含んだ便器洗浄水が便器洗浄用給水管3を通って小便器1に供給される。
【0035】電極8a、8bの極性(すなわちアノードとカソード)は、制御装置9が定期的に反転させており、カソード側に炭酸カルシウムなどのスケールが付着するのを防いでいる。この際、銀イオンの供給にともない、電極8a、8bは消耗していくので、電極がアノードである時間とカソードである時間とは均等にしておくことで一対の電極8a、8bを均等に消耗させることができ、最後まで無駄なく電極8a、8bを使い切ることができる。電極8a、8bは、それ自身から銀イオンを溶出させるため、寿命を長くできるという点で、純銀の板材が好ましいが、銀を含む合金や銀メッキであっても構わない。
【0036】なお、一対の電極8a、8bのうち少なくとも一方が銀であればよい。一方に銀以外の電極を用いる場合は、制御装置9によって銀電極側の極性をアノードに切り替えることで銀イオンを供給することができる。また、この少なくとも一方が銀である対の電極を複数対設けてもよい。
【0037】本発明の第二の実施例である、一定時間便器の使用がないときに、強制的に洗浄水の吐水と、電解を行う制御に関するフローチャートを図3に示す。人の使用を人体センサーなどで検知すると、給水弁4が開き、洗浄水が給水管3を通って小便器1に流れる。給水管2を通る際に、発電機5内の翼車10を高速で回転させ、電磁作用で電流が発生する。その電流を蓄電機6内に取込み、1度の吐水毎に電気エネルギーが蓄積される。吐水に伴い、蓄電機6から電解槽7に電流を流し、電解槽7内の銀電極8a、8bのいずれか側から、銀イオンが溶出する。Ta秒後電解槽7への通電は終了し、続くTb秒後給水弁が閉じられ、洗浄水の供給が止まる。その後、夜間や休日などで人の使用が途絶えたときは、自動的に便器洗浄システム2が給水弁4を開き、強制的に洗浄水を流す。同時に電解槽で電解を行い、銀イオンを供給する。この場合の電力も、蓄電機6から供給される。人の使用が所定時間空いたことは、便器洗浄システム2内もしくは制御装置9内にタイマーを内蔵させ、次の便器の使用までの時間を機器がカウントするなどの方法が考えられる。
【0038】また、便器の使用様態によっては、必ずしも上記のごとき毎回の便器洗浄の時に銀イオンを供給するという動作には限られない。すなわち、銀の消耗を極力抑えたい場合には、数回おきの便器洗浄時にのみ銀イオンを供給する様態でもよい。また、銀の時間的な消耗を一定にしたい場合には、制御装置9の出力信号を便器自動洗浄システム2に入力するように接続させ、便器使用後の便器洗浄時には銀イオンは供給させず、一定時間おきに制御装置9が便器自動洗浄システム2を介して給水弁4を開閉させることで自動的に便器洗浄を行い、この際にのみ銀イオンを供給する様態でもよい。以上の動作は、便器の使用様態に応じて、制御装置9の出力信号を便器自動洗浄システム2に入力するように接続させ、制御装置9のプログラムを変更することで対応できる。
【0039】次に本発明の効果を発揮させるのに必要な銀イオン濃度と電流について説明する。便器洗浄水に含有させる銀イオンの濃度は、一般的に銀イオンが殺菌効果を発揮するとされている2μg/リットル以上にすることが好ましい。また、銀イオン濃度が過剰になると、小便器1のボウル面やトラップ部に酸化銀あるいは金属銀の析出物による黒ずみが生じることがあるので、20μg/リットル以下に維持することが好ましい。
【0040】便器洗浄水の流量は、一般的には10リットル/分(=0.17リットル/秒)程度であり、この時に、電解槽7内の電極8a、8b間に電流としてわずか0.003Aを通電させた場合、電極反応効率(電極8a、8b間に流れた電気量のうち、銀イオンの生成に用いられた量の割合)を仮に100%とし、ファラデー定数を96500とすると、一対の電極8a、8bのうちのアノード側から流出する銀イオン(原子量107.9)濃度は下式のごとく、約20μg/リットルとなる。
(0.003×107.9/96500/0.17)=0.197×10-4g/リットル=19.7μg/リットル電極反応効率は電解槽7の設計(電極面積、電極間距離、電極間流路の断面積、電圧、電流など)や便器洗浄水の水質(電気伝導度、塩素イオン濃度、pHなど)によって変化するが、本願出願人の実験により確認したところによると、日本の水道水の範囲であれば、いかなる条件においても、50〜100%であるので、生成される銀イオン濃度は10〜20μg/リットルであると予想され、好適な銀イオン濃度範囲に入る。
【0041】次に必要な電力について説明する。電極8a、8bにそれぞれ縦40mm横90mmの銀の平板を用い、電極間の距離を10mmに設計した電解槽に茅ヶ崎市の水道水(電気伝導度20μS/m、塩素イオン濃度10mg/L、pH7.2)を10リットル/分で通水させた場合、0.003Aの電流を流すのに必要な電圧は9.2Vの電圧であった。この時必要な電力は約0.028Wであり、これは給水管に設けた発電機の発電量で十分に賄える電力である。、【0042】図4、5は本発明に係る便器殺菌装置の第三の実施例である。図4、5においては、発電手段と殺菌成分供給手段とが、水路内の同一空間を利用して設置されている。図5は、電解槽7と発電機5の詳細な図面である。電解槽7の内部には、殺菌成分供給手段である金属銀の平板を向かい合わせて配置した一対の電極8a、8bと、この電極間に形成された電極間流路11と、この電極間流路11に設けられた翼車10とが設けられ、電極間流路11に連通する液体流入口と液体流出口とを有する。この翼車10と、これに連結された電機子(図示せず)から発電手段である発電機5が構成されている。また、制御装置9が発電機5と電極8a、8bとに接続されている。以上の構成からなり、動作機構については、前述した第一の実施例の内容をそのまま適用できる。
【0043】図6は本発明に係る便器殺菌装置の第四の実施例である。この第四の実施例は本発明を大便器に用いた場合である。大便器12に接続されたロータンク13には、便器洗浄用給水管14が接続されており、ロータンク13内のロータンク内給水管15に連通し、便器洗浄用給水路を構成している。ロータンク内給水管15には、ボールタップ16、発電部17、電解槽19がこの順に設けられ、発電部17には蓄電部18が電気的に接続される。
【0044】次に動作について説明する。ロータンク13に貯留されていた水は、使用後に洗浄コック20を回転させることで玉鎖21が引き上げられ、その先端に結合されている開閉弁22が動作することにより、大便器12に流入する。ロータンク13内部の水位が下がるとボールタップ16が作動し、便器洗浄用給水管14からの水道水がボールタップ16、発電部17、電解槽19の順に通水され、蓄電部18から電気エネルギーが制御装置9を介して電解槽19内の一対の電極8a、8bに給電され、電極8a、8bのいずれかアノード側から銀イオンが溶出し、銀イオンを含んだ便器洗浄水がロータンク13に貯留され、次回の便器洗浄時に大便器12に供給される。
【0045】なお、電解槽19、発電部17と蓄電部18の少なくとも一方を、ロータンク13の外部の便器洗浄用給水管14の途上に設けてもよい。
【0046】以上に説明した本発明の実施例は、いずれも殺菌成分供給手段として銀の電極を用い、この電極反応で殺菌成分である銀イオンを供給したが、本発明における殺菌成分供給手段はこれには限られない。
【0047】例えば、電極に塩素発生電極を用いた場合、電極反応により、便器洗浄水中の塩素イオンから次亜塩素酸を発生させることができる。この塩素発生用電極とは次亜塩素酸発生反応を起こすことのできる電極であり、例えば、フェライト等の鉄系電極、パラジウム系電極、ルテニウム系電極、イリジウム系電極、白金系電極、ルテニウム−スズ系電極、パラジウム−白金系電極、イリジウム−白金系電極、ルテニウム−白金系電極、イリジウム−白金−タンタル系電極等がある。
【0048】これらの塩素発生電極を用いた場合、電極反応効率が銀電極の場合よりも低く、かつ殺菌効果を発揮するためには銀の場合よりも高濃度の次亜塩素酸を必要とすることから、銀電極の場合よりも多くの電流を必要とする。この時、消費電力の増大を抑える方法として、便器洗浄水に例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の塩素化合物である水溶性塩を混入させた後に電極反応を起こさせることが有効である。すなわち、この塩を混入させることで、便器洗浄水中の塩素イオンの存在比率が上がり、電極反応効率が向上するとともに、便器洗浄水の電気抵抗が低下し、同じ電流を流すのに必要な電圧を低下させることができる。
【0049】さらに、本発明における殺菌成分供給手段は電極を用いるものには限られず、電気エネルギーによって駆動し、便器洗浄水に殺菌成分を供給するものであればよい。
【0050】例えば、タンクに収容した殺菌薬剤を電動ポンプにした構成であっても、本発明の解決しようとする課題を逸するものではない。殺菌薬剤としては、例えば、硝酸銀溶液、次亜塩素酸ナトリウム溶液、塩酸溶液、メチレンブルー溶液、エタノール溶液、過炭酸ナトリウム溶液等を用いることができる。
【0051】また、本明細書においては、自蔵エネルギー供給手段として、水流による発電手段、あるいは乾電池を例に挙げて本発明の効果を説明したが、これ以外でも、商用電力を用いないものであれば本発明の効果は発揮され、例えば、室温と水温の差を利用したペルチェ素子による発電、水圧を開放した際の圧力差を利用した圧電素子による発電、便所内照明等を利用した太陽電池による発電でもよい。
【0052】以上、本発明により、水アカ、ぬめりの付着や臭気の発生を防止する機能を備え、さらに小便器においては、尿石の付着にともなう汚水の通過路の狭小化や美観の損傷、臭気の発生をも防止する機能も兼ね備えるとともに、これらのあらゆる機能が停電時でも使用でき、かつ機構を作動させる動力源を機器自身が発電して賄うため、ランニングコストがかからない便器殺菌装置を提供することができる。




 

 


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