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発明の名称 衛生陶器の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−220270(P2001−220270A)
公開日 平成13年8月14日(2001.8.14)
出願番号 特願2000−27009(P2000−27009)
出願日 平成12年2月4日(2000.2.4)
代理人
発明者 林 浩一 / 堀内 智 / 笠原 慎吾 / 川上 克博 / 上野 徹 / 中島 靖 / 松本 幸成 / 須田 稔光 / 山田 茂幸 / 岡本 良平
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 陶器素地表面に着色性の第一の釉薬層が形成され、さらにその上に透明性の第二の釉薬層が形成されており、かつ前記第二の釉薬層表面の表面粗さは、触針式表面粗さ測定装置(JIS−B0651)により、0.07μm未満である衛生陶器の製造方法であって、陶器素地表面に顔料及び/又は乳濁剤と顔料及び/又は乳濁剤以外の釉薬成分からなる着色性の第一の釉薬を適用する工程、透明性の第二の釉薬を適用する工程、800〜1300℃の温度で焼成する工程を含んでなり、かつ前記第二の釉薬は、熔融粘性が高く広範囲な溶融温度域を持つ非晶質釉薬を含むことを特徴とする衛生陶器の製造方法。
【請求項2】 前記非晶質釉薬中に含有される全金属成分に対するSi成分の重量比及びAl成分の重量比は、前記顔料及び/又は乳濁剤以外の釉薬成分中に含有される全金属成分に対するSi成分の重量比及びAl成分の重量比よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の衛生陶器の製造方法。
【請求項3】 前記第二の釉薬には、SiO2成分の供給原料として、前記非晶質釉薬、或いは前記非晶質釉薬に加え、溶融シリカ、微粉砕されたけい砂、微粉砕された長石の群から選ばれる1種以上を用いることを特徴とする請求項1乃至2に記載の衛生陶器の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期に亘って汚れを容易に除去できる機能を維持する、大便器・小便器・手洗い器・洗面器などの衛生陶器の製造方法に関し、より詳しくは、焼成条件の変動・違いに拘らず、外観不良等の生じ難い上記機能を維持しうる衛生陶器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、以前、陶器表面の表面粗さ(Ra)が触針式表面粗さ測定装置(JIS−B0651)により、0.07μm未満である汚れの付着しにくく、また汚れを容易に除去可能な衛生陶器を提案した(WO99/61392号)。上記の一実施態様においては、衛生陶器素地上に着色性の第一の釉薬層を設け、さらにその上に透明性の第二の釉薬層を設けていた。そして、上記第二の釉薬層は、予め溶融された非晶質釉薬原料を含有し、かつジルコン等乳濁剤や顔料粒子を含有しない釉薬を塗布後焼成することにより作製していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記方法では、焼成条件により外観不良を生じる場合があった。そこで、本発明では、汚れを容易に除去可能な性質を有するとともに、焼成条件により外観不良を生じ難い衛生陶器の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を解決すべく、陶器素地表面に着色性の第一の釉薬層が形成され、さらにその上に透明性の第二の釉薬層が形成されており、かつ前記第二の釉薬層表面の表面粗さは、触針式表面粗さ測定装置(JIS−B0651)により、0.07μm未満である衛生陶器の製造方法であって、陶器素地表面に顔料及び/又は乳濁剤と顔料及び/又は乳濁剤以外の釉薬成分からなる着色性の第一の釉薬を適用する工程、透明性の第二の釉薬を適用する工程、800〜1300℃の温度で焼成する工程を含んでなり、かつ前記第二の釉薬は、熔融粘性が高く広範囲な溶融温度域を持つ非晶質釉薬を含むことを特徴とする衛生陶器の製造方法を提供する。第二の釉薬に、熔融粘性が高く広範囲な溶融温度域を持つ非晶質釉薬を含むことにより、焼成条件の変動・違いから発生するおそれのある外観上のマット、斑点、流れ模様等の問題を起こすこと無く、広範囲な焼成条件において、第二の釉薬層表面の表面粗さを0.07μm未満に制御しうる。
【0005】本発明の好ましい態様においては、前記非晶質釉薬中に含有される全金属成分に対するSi成分の重量比及びAl成分の重量比は、前記顔料及び/又は乳濁剤以外の釉薬成分中に含有される全金属成分に対するSi成分の重量比及びAl成分の重量比よりも大きいようにする。非晶質釉薬中に含有される全金属成分に対するSi成分の重量比のみでなく、Al成分の重量比も前記顔料及び/又は乳濁剤以外の釉薬成分中に含有される全金属成分に対するSi成分の重量比及びAl成分の重量比よりも大きいようにすることにより、適度な熔融粘性を有する温度域が広く設定可能となる。それにより、焼成条件の変動・違いに拘らず、マット、斑点、流れ模様等の外観不良が生じ難くなる。
【0006】本発明の好ましい態様においては、第二の釉薬層中のSiO2成分の供給原料には、前記非晶質釉薬、或いは前記非晶質釉薬に加え、溶融シリカ、微粉砕されたけい砂、微粉砕された長石の群から選ばれる1種以上を用いるようにする。第二の釉薬層中のSiO2成分の供給原料として、前記非晶質釉薬、或いは前記非晶質釉薬に加え、溶融シリカ、微粉砕されたけい砂、微粉砕された長石の群から選ばれる1種以上を用いることにより、製造上第二の釉薬層表面の表面粗さを0.07μm未満にしやすくなる。かつまた、このような原料を用いることにより、焼成条件の変動・違いに拘らず、マット、斑点、流れ模様等の問題が無い外観状態をつくりやすくするために、第二の釉薬層の粘性、及び溶融温度域の微調整としてSiO2成分を少し増加させる必要があった場合でも、第二の釉薬層中にガラス化されない石英粒子がほとんど残存しなくなるので、不均質な粒界の増加が無く、耐アルカリ性が良好な状態に保たれる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば、大便器、小便器、洗面器、手洗器等の衛生陶器に利用できる。また大便器においては、ボール面、トラップ部、リム裏等、小便器においては、ボール面、トラップ部、サナ等、洗面器、手洗器においては、ボール面等の汚れの付着しやすい一部分への適用も有効である。
【0008】本発明において、着色性の第一の釉薬層を形成するための釉薬には、珪砂、長石、石灰石等の天然鉱物粒子の混合物及び/又は非晶質釉薬に顔料及び/又は乳濁剤を添加したものが利用できる。第一の釉薬の固形分の基本的組成は、SiO2:52〜80重量部、Al2O3:5〜14重量部、CaO:6〜17重量部、MgO:0.5〜4.0重量部、ZnO:3〜11重量部、K2O:1〜5重量部、Na2O:0.5〜2.5重量部、乳濁剤:0.1〜15重量部、顔料:0.001〜20重量部である。第一の釉薬中には、その他に糊剤、分散剤、防腐剤、抗菌剤等が含有されていてもよい。
【0009】本発明において、顔料とは、例えば、コバルト化合物、鉄化合物等であり、乳濁剤とは、例えば、ジルコン、酸化錫等である。また、非晶質釉薬とは、上記のような天然鉱物粒子等の混合物からなる釉薬原料を高温で溶融し、ガラス化させた釉薬をいい、例えば、フリット釉薬が好適に利用可能である。
【0010】また、透明性の第二の釉薬層を形成するための釉薬には、上記第一の釉薬層を形成するための釉薬中に含有される顔料及び/又は乳濁剤以外の全金属成分に対するSi成分の重量比及びAl成分の重量比よりも、釉薬中に含有される全金属成分に対するSi成分の重量比及びAl成分の重量比の大きな非晶質釉薬、或いは非晶質釉薬に、(1)微粒化された珪砂、長石、石灰石等の天然鉱物粒子の混合物、及び/又は(2)珪砂、長石、石灰石等の天然鉱物粒子の混合物を加えたものが利用できる。
【0011】本発明においては、まず着色性の第一の釉薬を用意する。これには、上記第一の釉薬ををボールミル等で混合し、必要に応じて粉砕することによってもよいし、顔料及び/又は乳濁剤が添加されている市販品の着色性釉薬を購入してもよい。
【0012】次に顔料および乳濁剤を含まない透明性の第二の釉薬を用意する。これには、例えば、珪砂、長石、石灰石等の天然鉱物粒子の混合物と、非晶質釉薬とを、両者の合計和に対する非晶質釉薬の割合が望ましくは50〜99重量%、より望ましくは60〜90%になるように混合し、これをボールミル等で混合し、必要に応じて粉砕して得る。
【0013】次いで、着色性釉薬を衛生陶器成形体の表面に被覆し、さらに透明性釉薬を少なくともその一部分に施釉することにより、第二の釉薬層を形成する。ここで着色性釉薬被覆層の少なくとも一部分とは、例えば、大便器におけるボール面、トラップ部、リム裏等の汚れやすい一部分への適用、および大便器等の全体への適用の双方をさす。また適用方法は、スプレーコート、フローコート、印刷等の周知の方法が利用できる。
【0014】その後、800〜1300℃の温度で焼成することにより、成形素地が焼結するとともに、2つの釉薬層が固着し、優れた表面平滑性を有する衛生陶器となる。
【0015】
【実施例】(比較例1)
【0016】
【表1】

【0017】表1の組成からなる釉薬原料2Kgと水1Kg及び球石4Kgを、容積6リットルの陶器性ポットに入れ、レーザー回折式粒度分布計を用いた粉砕後の着色性釉薬スラリーの粒度測定結果が、10μm以下が65%、50%平均粒径(D50)が6.5μm程度になるように、ボールミルにより粉砕を行った。ここで得られた釉薬スラリーを、釉薬Aとする。
【0018】次に、珪砂、長石、粘土等の天然鉱物粒子の混合物を原料として調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、大便器を2個作製し、釉薬Aをスプレーコーティング法により塗布し、その後、それぞれ1個ずつを、焼成温度の差が約30℃ある2種類の窯A、Bにて、1100〜1250℃で焼成することにより試料を得た。ここで、窯Bは焼成温度が窯Aより約30℃低い窯である。
【0019】得られた大便器について、釉薬表面粗さ(Ra)の測定、および製造上の外観欠点の確認を行った。表面粗さは触針式表面粗さ測定器(JIS−B0651)を用い、中心線表面粗さ(Ra)を測定した。製造上の外観欠点は、目視により確認を行った。(比較例2)
【0020】
【表2】

【0021】表2の組成からなる天然鉱物粒子の混合物からなる原料と、表2の組成からなる非晶質釉薬とを、両者の合計和に対する非晶質釉薬の割合が50〜99重量%になるように調整した釉薬原料2Kgと水1Kg及び球石4Kgを、容積6リットルの陶器性ポットに入れ、レーザー回折式粒度分布計を用いた粉砕後の透明性釉薬スラリーの粒度測定結果が、10μm以下が67%、50%平均粒径(D50)が6.0μmになるように、ボールミルにより粉砕を行った。ここで得られた釉薬スラリーを、釉薬Bとする。
【0022】次に、珪砂、長石、粘土等を原料として調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、大便器を2個作製し、下層として釉薬Aをスプレーコーティング法により塗布し、更にその上に上層として釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布を行った。その後、それぞれ1個ずつを、焼成温度の差が約30℃ある2種類の窯A、Bにて、1100〜1250℃で焼成することにより試料を得た。ここで、窯Bは焼成温度が窯Aより約30℃低い窯である。
【0023】得られた大便器について、釉薬表面粗さ(Ra)の測定、および製造上の外観欠点の確認を行った。表面粗さは触針式表面粗さ測定器(JIS−B0651)を用い、中心線表面粗さ(Ra)を測定した。製造上の外観欠点は、目視により確認を行った。
【0024】(実施例1)表2の組成からなる天然鉱物粒子の混合物からなる原料と、比較例2の組成よりもSiO2を1重量%増加し、Al23を0.5重量%増加し、他の成分を表2と同様の比率で減少させた組成からなる非晶質釉薬とを、両者の合計和に対する非晶質釉薬の割合が50〜99重量%になるように調整した釉薬原料2Kgと水1Kg及び球石4Kgを、容積6リットルの陶器性ポットに入れ、レーザー回折式粒度分布計を用いた粉砕後の透明性釉薬スラリーの粒度測定結果が、10μm以下が67%、50%平均粒径(D50)が6.0μmになるように、ボールミルにより粉砕を行った。ここで得られた釉薬スラリーを、釉薬Cとする。
【0025】次に、珪砂、長石、粘土等を原料として調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、大便器を2個作製し、下層として釉薬Aをスプレーコーティング法により塗布し、更にその上に上層として釉薬Cをスプレーコーティング法により塗布を行った。その後、それぞれ1個ずつを、焼成温度の差が約30℃ある2種類の窯A、Bにて、1100〜1250℃で焼成することにより試料を得た。ここで、窯Bは焼成温度が窯Aより約30℃低い窯である。
【0026】得られた大便器について、釉薬表面粗さ(Ra)の測定、および製造上の外観欠点の確認を行った。表面粗さは触針式表面粗さ測定器(JIS−B0651)を用い、中心線表面粗さ(Ra)を測定した。製造上の外観欠点は、目視により確認を行った。
【0027】(実施例2)表2の組成からなる天然鉱物粒子の混合物からなる原料と、比較例2の組成よりもSiO2を2重量%増加し、Al23を1.5重量%増加し、他の成分を表2と同様の比率で減少させた組成からなる非晶質釉薬とを、両者の合計和に対する非晶質釉薬の割合が50〜99重量%になるように調整した釉薬原料2Kgと水1Kg及び球石4Kgを、容積6リットルの陶器性ポットに入れ、レーザー回折式粒度分布計を用いた粉砕後の透明性釉薬スラリーの粒度測定結果が、10μm以下が67%、50%平均粒径(D50)が6.0μmになるように、ボールミルにより粉砕を行った。ここで得られた釉薬スラリーを、釉薬Dとする。
【0028】次に、珪砂、長石、粘土等を原料として調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、大便器を2個作製し、下層として釉薬Aをスプレーコーティング法により塗布し、更にその上に上層として釉薬Dをスプレーコーティング法により塗布を行った。その後、それぞれ1個ずつを、焼成温度の差が約30℃ある2種類の窯A、Bにて、1100〜1250℃で焼成することにより試料を得た。ここで、窯Bは焼成温度が窯Aより約30℃低い窯である。
【0029】得られた大便器について、釉薬表面粗さ(Ra)の測定、および製造上の外観欠点の確認を行った。表面粗さは触針式表面粗さ測定器(JIS−B0651)を用い、中心線表面粗さ(Ra)を測定した。製造上の外観欠点は、目視により確認を行った。
【0030】(実施例3)表2の組成からなる天然鉱物粒子の混合物からなる原料(SiO2成分の供給原料には、微粉砕されたけい砂、及び微粉砕された長石を用いている)と、実施例2と同様の組成の非晶質釉薬とを、両者の合計和に対する非晶質釉薬の割合が50〜99重量%になるように調整した釉薬原料2Kgと水1Kg及び球石4Kgを、容積6リットルの陶器性ポットに入れ、レーザー回折式粒度分布計を用いた粉砕後の透明性釉薬スラリーの粒度測定結果が、10μm以下が67%、50%平均粒径(D50)が6.0μmになるように、ボールミルにより粉砕を行った。ここで得られた釉薬スラリーを、釉薬Eとする。
【0031】次に、珪砂、長石、粘土等を原料として調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、大便器を2個作製し、下層として釉薬Aをスプレーコーティング法により塗布し、更にその上に上層として釉薬Eをスプレーコーティング法により塗布を行った。その後、それぞれ1個ずつを、焼成温度の差が約30℃ある2種類の窯A、Bにて、1100〜1250℃で焼成することにより試料を得た。ここで、窯Bは焼成温度が窯Aより約30℃低い窯である。
【0032】得られた大便器について、釉薬表面粗さ(Ra)の測定、および製造上の外観欠点の確認を行った。表面粗さは触針式表面粗さ測定器(JIS−B0651)を用い、中心線表面粗さ(Ra)を測定した。製造上の外観欠点は、目視により確認を行った。
【0033】各々の結果は表3に示したように、実施例1〜3では、良好な表面平滑性を有しつつ、約30℃の差がある焼成温度のいずれにおいても外観上の不具合がほとんど無くなくなった。さらに、実施例2と3との比較から、非晶質釉薬と併用する原料のSiO2成分の供給原料に、微粉砕されたけい砂、及び微粉砕された長石を用いると、約30℃の差がある焼成温度のいずれにおいても外観上の不具合が完全に無い状態のまま表面粗さがより良好になる傾向が認められた。
【0034】
【表3】

【0035】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、汚れを容易に除去可能な性質を有するとともに、焼成条件により外観不良を生じ難い衛生陶器を提供することが可能となる。




 

 


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