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発明の名称 複合構造物の作製方法および作製装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−181859(P2001−181859A)
公開日 平成13年7月3日(2001.7.3)
出願番号 特願2000−310585(P2000−310585)
出願日 平成12年10月11日(2000.10.11)
代理人
発明者 明渡 純 / 横山 達郎 / 清原 正勝 / 鳩野 広典 / 麻生 雄二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 セラミック超微粒子を高速で基板に衝突させて複合構造物を作製する方法において、前記セラミック超微粒子を衝突により破砕して微細断片粒子を生成し、次いで前記微細断片粒子を前記基板へ接合あるいは微細断片粒子同士を接合させることにより、高密度の緻密質セラミック構造物を形成することを特徴とする複合構造物の作製方法。
【請求項2】 セラミック超微粒子を高速で基板に衝突させて複合構造物を作製する方法において、前記セラミック超微粒子を衝突させてその衝撃により変形を起こさしめて、あるいは一部に新生面を形成させて、次いで前記セラミック超微粒子を前記基板へ接合あるいは前記セラミック超微粒子同士を接合させることにより、高密度の緻密質セラミック構造物を形成することを特徴とする複合構造物の作製方法。
【請求項3】 セラミック超微粒子を高速で基板に衝突させて複合構造物を作製する方法において、前記セラミック超微粒子を衝突により破砕して微細断片粒子を生成し、次いで前記微細断片粒子を前記基板へ接合あるいは微細断片粒子同士を接合させることにより、焼成させることなく高密度の緻密質セラミック構造物を形成することを特徴とする複合構造物の作製方法。
【請求項4】 セラミック超微粒子を高速で基板に衝突させて複合構造物を作製する方法において、前記セラミック超微粒子を衝突させてその衝撃により変形を起こさしめて、あるいは一部に新生面を形成させて、次いで前記セラミック超微粒子を前記基板へ接合あるいは前記セラミック超微粒子同士を接合させることにより、焼成させることなく高密度の緻密質セラミック構造物を形成することを特徴とする複合構造物の作製方法。
【請求項5】 前記セラミック超微粒子を高速で基板に衝突させるには、前記セラミック超微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを高速で基板に衝突させる方法を用いることを特徴とする請求項1〜4に記載の複合構造物の作製方法。
【請求項6】 前記セラミック超微粒子の平均粒径が0.1から5μmであり、前記基板に衝突する際の前記エアロゾル中の前記セラミック微粒子の速度が50から450m/sであることを特徴とする請求項5に記載の複合構造物の作製方法。
【請求項7】 前記セラミック超微粒子の平均粒径が0.1から5μmであり、前記基板に衝突する際の前記エアロゾル中の前記セラミック微粒子の速度が150から400m/sであることを特徴とする請求項5に記載の複合構造物の作製方法。
【請求項8】 前記セラミック超微粒子は、粗大な凝集状態にある前記セラミック粒子を、セラミック構造物の作製に好適な粒径に解砕してすることを特徴とする請求項1〜7に記載の複合構造物の作製方法。
【請求項9】 前記セラミック構造物の堆積高さが50μm以上であることを特徴とする請求項1〜8に記載の複合構造物の作製方法。
【請求項10】 前記セラミックの構造物の堆積高さが500μm以上であることを特徴とする請求項9に記載の複合構造物の作製方法。
【請求項11】 セラミック超微粒子をガス中に分散させて発生させたエアロゾルを基板に高速で噴射・衝突させて基板表面にセラミック構造物を作成する複合構造物作製装置において、前記エアロゾルを発生させるエアロゾル発生器と、エアロゾルを噴射するノズルと、エアロゾル中のセラミック超微粒子を分級する分級器とを備えたことを特徴とする複合構造物作製装置。
【請求項12】 セラミック超微粒子をガス中に分散させて発生させたエアロゾルを基板に高速で噴射・衝突させて基板表面にセラミック構造物を作成する複合構造物作製装置において、前記エアロゾルを発生させるエアロゾル発生器と、エアロゾルを噴射するノズルと、エアロゾル中のセラミック超微粒子の凝集を解砕する解砕器とを備えたことを特徴とする複合構造物作製装置。
【請求項13】 セラミック超微粒子をガス中に分散させて発生させたエアロゾルを基板に高速で噴射・衝突させて基板表面にセラミック構造物を作成する複合構造物作製装置において、前記エアロゾルを発生させるエアロゾル発生器と、エアロゾルを噴射するノズルと、エアロゾル中のセラミック超微粒子の凝集を解砕する解砕器と、エアロゾル中のセラミック超微粒子を分級する分級器とを備えたことを特徴とする複合構造物作製装置。
【請求項14】 前記基板と前記ノズルとの相対位置を制御する位置制御手段を備えた請求項11乃至13に記載の複合構造物作製装置。
【請求項15】 前記位置制御手段が、前記ノズルを先端に備えた屈曲自在な可動アームであることを特徴とする請求項14に記載の複合構造物作製装置。
【請求項16】 前記エアロゾル発生器が、前記セラミック超微粒子を収容する容器及び、この容器に機械的振動作用を与える振動装置、電界を付与する電界発生装置の少なくとも何れかを備え、前記容器は前記ガスを導入する導入部と、前記エアロゾルを導出する導出部とを有することを特徴とする請求項11乃至15記載の複合構造物作製装置。
【請求項17】 前記分級器が前記エアロゾル発生器の前記導出部であることを特徴とする請求項16に記載の複合構造物作製装置。
【請求項18】 前記容器に篩を設けると共に、容器に機械的振動作用を与える振動装置を備えた事を特徴とする請求項16に記載の複合構造物作製装置。
【請求項19】 前記解砕器が、前記エアロゾルを夫々導入、導出する導入部及び導出部と、前記エアロゾルを衝突させる衝撃板とを備え、前記セラミック構造物を作成する速度よりも低速でエアロゾルを衝撃板に衝突させて、粗大な凝集状態にある超微粒子を解砕することを特徴とする請求項12乃至18の何れかに記載の複合構造物作製装置。
【請求項20】 前記解砕器が複数の導入部を備え、この導入部から噴射される複数のエアロゾル流を互いに衝突させて解砕することを特徴とする請求項19に記載の複合構造物作製装置。
【請求項21】 前記解砕器は、前記エアロゾルに超音波及び/又はマイクロ波を照射するものであることを特徴とする請求項12乃至20の何れかに記載の複合構造物作製装置。
発明の詳細な説明
【0001】警告 1 : 段落番号が昇順になっていません【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック超微粒子を高速で基板に衝突させて基板上にこれを堆積させる方法に関し、特にこのうちセラミック超微粒子を含むエアロゾルを基板に吹き付け、セラミック超微粒子を基板上に堆積させることによって、セラミックス構造物と基板との複合構造物を形成させる複合構造物作製方法および作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属などの超微粒子をガス中に分散させてエアロゾル化し、これをノズルから高速で噴射して基板上に堆積させて成膜する方法は、超微粒子ビーム堆積法(Ultra-fine particles beam deposition method)、ガスデポジション法あるいはジェットプリンティング法と呼ばれている。
【0003】このうちセラミック超微粒子を用いて基板上にセラミックの厚膜層を作成する技術として、特開平4−188503が開示されており、セラミックコンデンサーの誘電体部分を形成させるために、ガスデポジション法が用いられている。ここでは膜形成室内において、膜形成が行われる基板を、加熱系を備えた基板ホルダに配置し、これに対向して噴射ノズルを設ける。噴射ノズルは搬送管を介して膜形成室外のチタン酸バリウムなどの粒径1μm以下のセラミック超微粒子の入った混合容器に連結され、さらに混合容器には乾燥空気ボンベが連結される。また、ビームを用いて基板表面を加熱する炭酸ガスレーザ発振器を備える。セラミック超微粒子は、乾燥空気ボンベから導入されるガスにより浮上してエアロゾルとなり、搬送管を通って膜形成室に導入され、噴射ノズルより高速で噴射され、基板に堆積する。同時に炭酸ガスレーザ発振器を用いて加熱ビームを堆積層に照射し、900℃の加熱を行い、堆積層を焼成する。これにより厚さ1〜20μmのセラミックの焼成膜を得ている。
【0004】警告 2 : 段落番号が昇順になっていませんこの方法では、粒径1μm以下のセラミックの超微粒子を使用しているので、セラミックの焼成温度を下げることができ、またバインダを使用せずにドライプロセスでの膜形成が可能となっている。
【0005】警告 3 : 段落番号が昇順になっていません【発明が解決しようとする課題】従来法においては、ガスデポジション法によって基板上に圧粉体の膜を形成した後に、これを焼成することによってセラミック焼成膜を得るものであった。すなわち従来のガスデポジション法でも堆積膜を得ることは可能であるものの、このままでは脆弱ですぐ基板から剥離するなど、十分な機械的強度が得られなかったため、硬度、耐摩耗性、耐衝撃性などを向上させて実用的な膜を得るには加熱操作による焼き締め工程が不可欠であった。
【0006】超微粒子のセラミックスを用いることにより焼成温度を下げる努力がなされてはいるが、それでも数百℃の加熱工程は必要であり、そのため基板ホルダに加熱装置を設けたり、あるいは外部から堆積層に加熱レーザを照射したりなどの操作が必要であった。特にヒータなどの伝熱作用を用いた基板ホルダの加熱装置を用いる場合は、大面積の基板にセラミック膜を形成させるに際して成膜部分のみをスポット的に加熱することは困難であり、加熱装置の大型化は避けられなかった。
【0007】また加熱工程が避けられないため、プラスチックなどの有機素材や、アルミニウムなどの低融点金属、ガラス、紙などの加熱により変質、溶解、燃焼を引き起こす素材にセラミック膜を形成することが出来ず、限定された用途にしか利用できなかった。
【0008】このように、特にセラミック超微粒子を用いたガスデポジション法による成膜操作で、脆弱な圧粉体による堆積膜(構造体)しか得られなかった主な原因は、セラミック超微粒子同士がエアロゾル中で凝集して比較的粒径の大きい二次粒子を生成していたことが考えられる。
【0009】本発明はこれらの課題を解決するためになされた複合構造物作製方法および作製装置であって、セラミック超微粒子の凝集によって形成される二次粒子の解砕や、エアロゾル中のセラミック超微粒子濃度の安定化を図るなどの努力で、焼成工程を経ず、セラミック焼成体と同程度の密度、硬さを保有するセラミック構造物を基板上に形成させた複合構造物を、セラミック超微粒子から作成することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用、効果】本発明における複合構造物の作製方法では、セラミック超微粒子を高速で基板に衝突させて複合構造物を作製する方法において、前記セラミック超微粒子を衝突により破砕して微細断片粒子を生成し、あるいはセラミック超微粒子を衝突させてその衝撃により変形を起こさしめて、その一部に新生面を形成させるなどし、次いで前記微細断片粒子を前記基板へ接着あるいは微細断片粒子同士を接合させることにより、焼成させることなく高密度の緻密質のセラミック構造物を基板上に形成した複合構造物を作製することを特徴とする。セラミック超微粒子を加速して高速で基板に衝突させる方法としては、静電力を用いた方法、微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを用いた方法(超微粒子ビーム堆積法、ガスデポジション法、溶射法、コールドスプレー法)、クラスターイオンビーム法などが挙げられる。上述の形成メカニズムを達成できるのであれば、セラミック超微粒子を加速させる手段はいずれでも良いが、特にエアロゾルを用いる方法はこれを簡便に達成させるに好適な手段である。
【0011】一般にセラミックスは、共有結合性あるいはイオン結合性の原子結合状態にあり、硬度は高いが衝撃に弱い脆性材料である。またセラミック超微粒子は、通常、いくつかの結晶子が集まった多結晶体からできている場合が多い。セラミック超微粒子に衝撃を与えた場合、上述の理由から破砕されやすく、特に結晶子同士の界面から劈開し分割されやすい。本発明で使用されるセラミック超微粒子は、その一次粒子径が0.1μmから5μmの範囲のものであるが、この超微粒子が基板表面などに非常に高速で衝突した場合、その運動エネルギーによって発生する衝撃でさらに細かく破砕され、表面エネルギーが極度に大きな微細断片粒子が多数生成する。この高活性の微細断片粒子同士が生成後瞬時に基板と接着あるいは互いに再接合し、焼成を行った場合と類似した緻密質のセラミック構造物を形成する。あるいは衝突の衝撃により粒子がへき開面に沿って変形して、粒子の一部に新生面を形成し、次いで衝突してきた粒子と再接合したり、粒子間の空孔を埋めて緻密化する。セラミック微粒子の基板に衝突する際の速度は、現実的には50から450m/s好ましくは150から400m/sの範囲内が適当であり、これより遅い場合では超微粒子の破砕や変形が起こりにくく、ただ超微粒子が堆積する圧粉体の形成にとどまる。これより速い場合では、構造物形成が行なわれるものの、一方で衝突してくる微粒子が形成された構造物を削り取るエッチング現象も同時に起こり、構造物形成速度の低下が見られるようになる。またこの速度範囲においては、セラミック超微粒子が衝突する際に、熱がほとんど発生しないことが確認されており、衝突時のエネルギーによる焼成は起こっていないと言って良い。
【0012】本発明において使用されるセラミック超微粒子には、たとえば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化ハフニウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化珪素などの酸化物、ダイヤモンド、炭化硼素、炭化珪素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化クロム、炭化タングステン、炭化モリブデン、炭化タンタルなどの炭化物、窒化硼素、窒化チタン、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ニオブ、窒化タンタルなどの窒化物、硼素、硼化アルミニウム、硼化珪素、硼化チタン、硼化ジルコニウム、硼化バナジウム、硼化ニオブ、硼化タンタル、硼化クロム、硼化モリブデン、硼化タングステンなどの硼化物、あるいはこれらの混合物や多元系の固溶体、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸リチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸アルミニウム、PZT、PLZTなどの圧電性・焦電性セラミックス、サイアロン、サーメットなどの高靭性セラミックス、水酸アパタイト、燐酸カルシウムなどの生体適合性セラミックス、ふっ化セリウムなどが考えられる。セラミック超微粒子以外でも、シリコン、ゲルマニウムなどのへき開性の強い脆性材料を使用することも可能である。
【0013】本発明において使用される基板には、各種セラミックス、各種半金属、各種金属のほか、各種樹脂材料、紙など、加熱に適さない材料も選択できる。
【0014】本発明において使用されるガスは、乾燥空気、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素などが考えられる。
【0015】本発明における複合構造物の作製方法では、セラミック超微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを高速で基板に衝突させて複合構造物を作製する方法において、粗大な凝集状態にある前記セラミック超微粒子を、セラミック構造物の作製に好適な粒径に解砕して一次粒子を生成し、次いで前記セラミック超微粒子の一次粒子を衝突により破砕して微細断片粒子を生成し、あるいはセラミック超微粒子を衝突させてその衝撃により変形を起こさしめて、その一部に新生面を形成させるなどし、次いで前記微細断片粒子を前記基板へ接着あるいは微細断片粒子同士を接合させることにより、焼成させることなく高密度の緻密質セラミック構造物を基板上に形成した複合構造物を作製することを特徴とする。
【0016】本発明に用いられる粒子径が数μm以下の超微粒子(一次粒子)は、通常、お互いにファンデルワールス力、静電気力あるいは水分の架橋効果により凝集し、そのほとんどが数十〜数百μmの径を持つ二次粒子を形成している。この二次粒子は、高速ガス流に分散されたエアロゾルになっても、その質量が大きいため一次粒子に比較して加速されにくく、十分な運動エネルギーを得ることができない。しかるにこれら二次粒子がノズルより噴射され基板に衝突しても、運動エネルギーが小さく、また粒子同士の解砕にエネルギーが消費されるため、一次粒子が破砕されるに必要な衝突エネルギーを得ることができず、焼成されたと同様な特性を持つ緻密質のセラミック構造物が形成されることはなく、圧粉体として基板上に堆積するのみであった。このため従来法では、前記したように、堆積膜に加熱ビームを照射したり、あるいは基板を加熱するなどの補助手段により、堆積膜を焼成して、セラミック焼成体を形成させる必要があった。
【0017】従って、エアロゾルをノズルから噴射させて基板に衝突させる前に、これに含まれるセラミック超微粒子の二次粒子を解砕し、一次粒子の粒径まで細かくしておくことにより、緻密質のセラミック構造物を生成し易くすることが可能となる。
【0018】本複合構造物作製方法により作成されたセラミック構造物の堆積高さは、基板上に形成される場合においては50μm以上である。
【0019】本発明によって作成されたセラミック構造物は、その表面は微視的に平滑ではない。たとえば金属の表面に高硬度のセラミックを被覆した耐摩耗性の摺動部材を作成する場合などは、平滑表面が要求されるため、後工程において表面の切削あるいは研磨を必要とする。このような用途においてはセラミック構造物の堆積高さは50μm程度以上とするのが望ましい。平面研削を行う場合においては、研削機の機械的制約のため、堆積高さ50μm以上が望ましく、この場合は数十μmの研削が行われるため、50μm以下の表面が平滑な薄膜を形成させることになる。
【0020】また場合によっては、本複合構造物作製方法により作成されたセラミック構造物の堆積高さは、500μm以上であることが望ましい。
【0021】本発明では、高硬度、耐摩耗性、耐熱性、耐食性、耐薬品性、電気的絶縁性などの機能を持ち、金属材料などの基板上に形成されるセラミック膜を作成することのみならず、それ単体で利用できるセラミック構造物の作製も目的としている。セラミック材質の機械的強度は様々であるが、500μm以上の厚みの構造物であれば、例えば、セラミック基板等の用途においては、材質を選べば、十分利用可能な強度が得られる。
【0022】たとえば、基板ホルダ上に設置された金属箔の表面にセラミック超微粒子を堆積させて一部あるいは全部が500μm以上の厚みを持つ緻密質のセラミック構造物を形成させた後、金属箔の部分を除去するなどすれば、室温にてセラミック材質の機械構成部品を作成することが可能である。
【0023】本発明にかかる複合構造物作製装置の一態様では、セラミック超微粒子をガス中に分散させて発生させたエアロゾルを基板に高速で噴射・衝突させてセラミック超微粒子の構造物を作成する複合構造物作製装置において、前記エアロゾルを発生させるエアロゾル発生器と、エアロゾルを噴射するノズルと、エアロゾル中のセラミック超微粒子を分級する分級器とを備える。
【0024】セラミック超微粒子は、エアロゾル発生器内でガス中に分散されてエアロゾルとなる。エアロゾルは搬送管を通じて分級器へ輸送され、分級器内で分級されて堆積にあずかる粒子のみが選抜される。この微粒子は搬送管を通じてノズルから高速で基板に向かって噴射され、微粒子は基板に衝突して堆積し、セラミック構造物を形成する。ガスの流速は毎秒数十〜数百mの亜音速〜超音速の領域である。ガス流を作成するには、ガスボンベやエアコンプレッサーを装置の前段に設置した加圧によっても可能であるし、真空ポンプを装置の後段に設置した引圧によってもよく、これらの組み合わせでもよい。また、搬送管の内径や長さを調節することにより、エアロゾル発生室内と基板近傍の絶対圧および差圧を自在に設定できる。
【0025】前述のように、エアロゾル中の二次粒子は、基板に衝突しても緻密質のセラミック構造物を形成できず、圧粉体となるだけである。本発明で用いられる分級器によって、あらかじめセラミック構造物の形成に障害となる粗大な二次粒子を排除して一次粒子のみを選抜し、十分な運動エネルギーを与えることができるこれらの粒子のみをノズルより噴射させることによって、焼成を行うことなくセラミック構造物を形成できるようになった。
【0026】また本発明にかかる複合構造物作製装置の別の一態様では、セラミック超微粒子をガス中に分散させて発生させたエアロゾルを基板に高速で噴射・衝突させてセラミック超微粒子の構造物を作成する複合構造物作製装置において、前記エアロゾルを発生させるエアロゾル発生器と、エアロゾルを噴射するノズルと、エアロゾル中のセラミック超微粒子の凝集を解砕する解砕器とを備える。
【0027】セラミック超微粒子は、エアロゾル発生器内でガス中に分散されてエアロゾルとなるが、そのほとんどが粗大な二次粒子を形成している。
【0028】分級器を設けても、エアロゾル中の二次粒子の存在割合が一次粒子に比較して著しく大きな場合には、エアロゾル発生器によって発生させたエアロゾル中のセラミック超微粒子の量に対して、ノズルから噴射されるエアロゾル中のセラミック超微粒子の量が非常に少なくなり、このためセラミック構造物を形成させる時間が長くなったり、あるいはガスの使用量が膨大になるなど、実用化に際しての懸念がある。
【0029】この粉体利用効率の低さを解消するために、エアロゾル発生器で発生させたエアロゾルを搬送管にて輸送し、解砕器に導入して、二次粒子を一次粒子に解砕する。この一次粒子のエアロゾルが搬送管を通じて十分に加速されてノズルから噴射し、基板に衝突して緻密質のセラミック構造物を形成する。
【0030】本発明にかかる別の一態様では、セラミック超微粒子をガス中に分散させて発生させたエアロゾルを基板に高速で噴射・衝突させてセラミック超微粒子の構造物を作成する複合構造物作製装置において、前記エアロゾルを発生させるエアロゾル発生器と、エアロゾルを噴射するノズルと、エアロゾル中のセラミック超微粒子の凝集を解砕する解砕器と、エアロゾル中のセラミック超微粒子を分級する分級器とを備える。
【0031】セラミック超微粒子は、エアロゾル発生器内でガス中に分散され二次粒子を多く含むエアロゾルとなり、解砕器に導入されて一次粒子に解砕されるが、この場合でもすべての二次粒子を一次粒子に変換することは現実的に困難であり、多少の二次粒子を混在させたまま搬送管へ導出することになる。粗大な二次粒子が存在すると、セラミック構造物形成時に、一部が緻密質とならないまま内部に取り込まれたり、構造物表面に付着して、それ以降の構造物形成を妨げたり、あるいは、形成された構造物を削り取ったりするなどの弊害を及ぼす。
【0032】そこで、解砕器の後段に分級器を設置することにより、混在している二次粒子を排除し、セラミック構造物の形成にあずかる微細な一次粒子のみをノズルから噴射させることができる。
【0033】本発明にかかる複合構造物作製装置の一態様では、基板とノズルの相対位置を制御する位置制御手段を備える。
【0034】基板は、たとえば上下(Z)、前後左右(XY)、角度(θ)方向の位置を制御できるステージに設置され、構造物作製中に、基板位置を前後左右に移動させればノズルの開口部より大きな堆積部面積の構造物を作成することができる。堆積厚さについては、ノズルからのセラミック超微粒子の噴射量と、基板の固定時間あるいは移動速度を調節することにより自在に設定できる。堆積厚さに追随して上下方向の位置を制御すれば、ノズルとセラミック構造物との距離を常に一定にすることができる。
【0035】また、ノズルをコンピュータ制御などによる屈曲自在な可動アームの先に取り付け、上下(Z)、前後左右(XY)、角度(θ)方向の位置を制御しつつ、曲面や角を持つ複雑形状物の表面をなぞりながら堆積操作を行えば、複雑形状物にセラミック構造物の被覆を行うことができる。
【0036】本発明にかかるエアロゾル発生器の一態様では、セラミック超微粒子を収容する容器及び、この容器に機械的振動作用を与える振動装置、電界を付与する電界発生装置の少なくとも何れかを備え、前記容器は前記ガスを導入する導入部と、前記エアロゾルを導出する導出部とを有する。
【0037】セラミック超微粒子は、粉体として容器内に充填される。導入部から導入されたガスは、セラミック超微粒子を巻き上げ、容器内にエアロゾルを発生させる。エアロゾルは、導出部から導出される。導入部は、たとえば管状となっており、セラミック超微粒子粉体内部に挿入埋没され、粉体内部からガスを放出する。容器に与えられる機械的振動作用は、セラミック超微粒子を巻き上げるための運動エネルギーの付与に使われるのみならず、導入部がセラミック超微粒子粉体内部に埋没される場合は、導入部の開口近傍に周囲の粉体を新たに供給し、安定的にエアロゾルを発生させる作用を持つ。また、振動装置の振幅、振動速度を自在に設定して舞い上がる超微粒子の量を調節することができ、好適である。
【0038】一方、誘電体材質の容器内に充填され接触帯電しているセラミック超微粒子粉体周囲に、交流電圧を印加する電界発生装置あるいは摩擦によって静電気を発生する電界発生装置を用いて電界を形成すると、セラミック超微粒子は、クーロン力を受けて容器壁面から浮上し、これが導入部より導入されたガス流に取り込まれてエアロゾルとなり、導出部より導出される。電界発生装置の出力を調整して与える電界の強度を調節することにより、エアロゾル中に含まれるセラミック超微粒子の量を制御でき好適である。またセラミック超微粒子の帯電電荷を、一方の電荷に強制的に揃えておくことも有効な手段である。これには、あらかじめ帯電処理を行なっておくことも考えられるし、帯電処理と並行して電界付与を行なうことも考えられる。例えばセラミック超微粒子粉体にコロナ放電あるいはγ線などの放射線を照射して電子を付加あるいは剥奪し、一次粒子を帯電させつつ直流電圧を印加すれば、セラミック超微粒子を次々と浮上させてエアロゾルとすることができるとともに、静電気力によって凝集していた二次粒子の解砕をも期待できる。
【0039】本発明にかかる分級器の一態様では、エアロゾル発生器の導出部である。すなわち、エアロゾル発生器内に分級器が設置される。
【0040】たとえば容器内の粉体内部に管状の導入部を埋没させ、容器の上方に管状の導出部を設置した上述の構成のエアロゾル発生器を用いて、容器内に巻き上げられたセラミック超微粒子は、容器内の空間に分散するとき、その重量により高さ方向で存在割合を異にする。二次粒子のような比較的重量の大きい粒子は高く舞い上がることができないのに対し、一次粒子のような比較的重量の小さい粒子は重力の影響が小さく、またガスによる抵抗を受けやすいため、比較的高く巻き上げられる。そのため、導出部の位置を高さ方向で適切に設定することにより、セラミック構造物の形成にあずかる一次粒子のみを選抜することができる。選抜され、量を調節された一次粒子を含むエアロゾルは、搬送管を通じてノズルより噴射されて基板に堆積し、緻密質のセラミック構造物を形成する。
【0041】本発明にかかるエアロゾル発生器の別の一態様では、前記容器に篩を設けると共に、容器に機械的振動作用を与える振動装置を備える。
【0042】たとえばこのエアロゾル発生器では、容器の上方に篩が設置され、ここにセラミック超微粒子粉体が充填される。振動装置により機械的振動を与えられたセラミック超微粒子は、設定された篩の開口径以下に篩分けされたもののみが、重力により落下し、容器の下方に設置された導入部と導出部の間を流れるガス流中に取り込まれてエアロゾルとなり導出部から導出される。篩の開口径および開口面積を調節し、振動装置の振幅、振動速度を調節することにより、落下するセラミック超微粒子の最大粒径や量を調節し、安定したエアロゾルを発生し供給することができるという利便性があり、このようなエアロゾル発生器を備えた複合構造物作製装置は、エアロゾルをノズルより基板に向けて噴射堆積させる際、基板を一定速度で前後左右に移動させて一定堆積厚さのセラミック構造物を得るのに好適である。
【0043】本発明にかかる解砕器の一態様では、前記エアロゾルを夫々導入、導出する導入部及び導出部と、前記エアロゾルを衝突させる衝撃板とを備え、前記セラミック超微粒子の構造物を作成する速度よりも低速でエアロゾルを衝撃板に衝突させて、粗大な凝集状態にある超微粒子を解砕することを特徴とする。
【0044】上述のように、セラミック超微粒子はほとんど凝集粒の二次粒子として存在するが、エアロゾル発生器により発生させた二次粒子を含むエアロゾルを、解砕器の導入部より加速されたジェット状のエアロゾル流として導入し、下流に設けた衝撃板に衝突させる。このときのエアロゾル流中のセラミック超微粒子の速度は、毎秒200m以下が適当である。衝突した二次粒子は、その衝撃により解砕されて微細な粒子(一次粒子)となり、反射してガス流中に再び取り込まれ、結果として一次粒子を多く含むエアロゾルへと変換される。この一次粒子を多く含むエアロゾルは、緻密質のセラミック構造物を形成するのに好適である。
【0045】なお、導入されるエアロゾル流の進行方向に対して、衝撃板の角度を30から60度とすると粒子の反射方向を揃えやすく、好適である。特に、反射方向を重力ベクトルの逆方向に設定した場合などは、衝突するセラミック超微粒子の速度と、解砕器内の圧力を適当に設定することにより、セラミック超微粒子の反射後の空間中への舞い上がりを制御することができ、例えば衝撃板より高い位置に導出部を設ければ、この舞い上がり高さを利用して解砕器に分級作用を付与することが容易である。
【0046】複合構造物作製装置は、前段側のガスボンベあるいはエアコンプレッサー、後段側の真空ポンプにより、装置内の圧力を真空から大気圧以上の範囲までで自在に制御できるが、例えば解砕器内の圧力を100Paから大気圧までで制御すれば、セラミック超微粒子の反射方向を精度良くそろえることが可能で、微粒子の利用効率向上や解砕器のコンパクト化が期待でき、大気圧以上で制御すれば、セラミック超微粒子はガスの抵抗を受けやすく、分級効果の向上が期待できる。
【0047】本発明にかかる解砕器の別の一態様では、解砕器が複数の導入部を備え、この導入部から噴射される複数のエアロゾル流を互いに衝突させて解砕することを特徴とする。
【0048】エアロゾル発生器により発生させた二次粒子を含むエアロゾルを、解砕器の複数の導入部より加速されたジェット状のエアロゾル流として導入し、この複数のエアロゾル流同士を互いに衝突させて、含まれる二次粒子に衝撃を与えて解砕する。これにより一次粒子を多く含むエアロゾルへと変換される。この一次粒子を多く含むエアロゾルは、緻密質のセラミック構造物を形成するのに好適である。
【0049】本発明にかかる解砕器の別の一態様では、前記エアロゾルに超音波及び/又はマイクロ波を照射するものであることを特徴とする。
【0050】たとえば、エアロゾル発生器からノズルへと通ずる管状の搬送管の途中に超音波照射部を設置し、二次粒子を多く含むエアロゾルに超音波を照射する。超音波は、圧電振動子により電気的に発生させ、共振体である超音波ホーンを用いて増幅するなどして、超音波照射部へ伝達してエアロゾルへ照射させる。エアロゾル中の二次粒子は、超音波の機械的微振動により解砕されて、一次粒子へと変換される。この一次粒子を多く含むエアロゾルは、緻密質のセラミック構造物を形成するのに好適である。
【0051】一方、セラミック超微粒子が凝集し、粗大な二次粒子を形成する一つの要因として、水分による粒子同士の付着があげられる。そのため、搬送管の途中にマイクロ波発生器を設置し、エアロゾルに水の高周波誘電加熱で用いられる振動数2450MHzかその近傍のマイクロ波を照射することにより、二次粒子中の水分を加熱して瞬時に蒸発させ、凝集の要因を排除することができ、一次粒子へと解砕が可能となる。この一次粒子を多く含むエアロゾルは、緻密質のセラミック構造物を形成するのに好適である。
【0052】上述した各種解砕器は、これらを組み合わせることによりさらに効果を増大させることができる。
【0053】
【発明の実施の態様】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0054】(実施例1)図1は、本発明の実施例1としての複合構造物作製装置の装置図であり、ヘリウムを内蔵するガスボンベ11は、搬送管12を介してエアロゾル発生器13に連結され、さらに搬送管を通じて構造物形成室14内に5mm×0.5mmの長方形の開口を持つノズル15が設置される。コンピュータにより上下(Z)、前後左右(XY)に制動できる基板ホルダ17に金属アルミニウム(Al)の平板状の基板16がノズルに対向して10mmの間隔をあけて配置される。構造物形成室14は排気ポンプ18に接続している。
【0055】図2は実施例1で使用されるエアロゾル発生器13の断面模式図である。エアロゾル発生器13は、容器131内にあらかじめ真空乾燥により十分に吸着水分を除去した、平均一次粒子径が0.5μmの酸化アルミニウム(Al23)のセラミック超微粒子粉体132を内蔵し、図2では図示しない搬送管12に接続された導入部133がセラミック超微粒子粉体132に埋没するように設置される。容器131の上方には上下にスライドできる導出部134が配置され、図2では図示しない搬送管12に接続される。容器131には、機械的振動作用を与える振動器135が接続される。なお、図中の矢印は、ガスおよびエアロゾル136の流れる向きを示す。
【0056】以上の構成からなる複合構造物作製装置の作用を次に述べる。ガスボンベ11を開き、ヘリウムガスを流量2.5リットル/分で搬送管12を通じてエアロゾル発生器13の導入部133から導入し、セラミック超微粒子粉体132を容器131内に巻き上げ、エアロゾル136を発生させる。このとき振動器135の機械的振動作用によりセラミック超微粒子粉体132は、次々と導入部133の開口近傍に供給されるため、安定的にエアロゾル136が発生可能である。エアロゾル136中のセラミック超微粒子のうち、凝集して二次粒子を形成しているものは、その重量が比較的大きいため高く舞い上がることができない。これに対して、重量の小さい一次粒子あるいはそれに準じた比較的小さい粒子は、容器内の上方まで舞い上がることができる。そのため導出部134は高さ方向の位置をスライドさせて適当に設定すれば分級器として働き、所望の粒径のセラミック超微粒子を選抜して導出させることができる。導出したエアロゾル136は、搬送管12を通じてノズル15より基板16に向けて高速で噴射される。エアロゾル136の噴射速度は、ノズル15の形状、搬送管12の長さ、内径、ガスボンベ11のガス圧、排気ポンプ18の排気量などにより制御される。これらの制御によりたとえばエアロゾル発生器13の内圧を数万Pa、構造物形成室14の内圧を数百Paにしてこれらの間に差圧をつけることにより、噴射速度は亜音速から超音速の領域まで加速できる。十分に加速されて運動エネルギーを得たエアロゾル136中のセラミック超微粒子は、基板16に衝突し、その衝撃のエネルギーで細かく破砕され、これら微細断片粒子が基板に接着したり、また互いが接着接合して緻密質のセラミック構造物を形成する。基板16は10分間の構造物形成操作中に基板ホルダ17により前後5mmの往復運動をさせる。この制御により酸化アルミニウムのセラミック構造物の堆積厚さは約50μmが達成される。さらに構造物形成時間を延長させれば、それに比例して堆積厚さを増加させることができる。このセラミック構造物は、すでに焼成体と同程度の硬度を保有しているため、その後の加熱操作などによる焼き締めは必要ない。
【0057】(実施例2)図3は、本発明の実施例2としての複合構造物作製装置20の装置図であり、圧縮空気を発生させるエアコンプレッサー21が、搬送管22を介してエアロゾル発生器23へと接続され、さらに下流側に解砕器24が設置され、10mm×0.5mmの長方形の開口を持つノズル25へ接続されている。大気圧開放雰囲気下において、上下(Z)、前後左右(XY)に移動できる基板ホルダ26に金属アルミニウム(Al)の基板27がノズルに対向して、その先端から2mmの間隔をあけて配置される。
【0058】図4は、実施例2で使用されるエアロゾル発生器23の断面模式図で、容器231に、図4では図示しない搬送管22に接続された導入部232と、同じく図示しない搬送管22に接続された導出部233が水平に配置される。導入部232および導出部233の上部にはあらかじめ真空乾燥により吸着水分を十分に除去した、平均一次粒子径が0.5μmの酸化アルミニウム(Al23)のセラミック超微粒子粉体234を収容した開口径100μmの篩235が配置される。また容器231は機械的振動作用を与える振動器236に接続されている。
【0059】図5は、実施例2で使用される解砕器24の断面模式図で、容器241の下方に図5では図示しない搬送管22に連結する円管状の導入部242が設置され、その下流側にエアロゾルの導入方向に対して45度の角度で衝撃板243が配置される。衝撃板243の上方には図5では図示しない搬送管22に連結する、上下にスライド可能な導出部244が設置される。なお、図中の矢印は、エアロゾル245の流れる向きを示す。
【0060】以上の構成からなる複合構造物作製装置20の作用を次に述べる。エアコンプレッサー21を作動させ、圧縮された空気を流量15リットル/分で搬送管22を通じてエアロゾル発生器23の導入部232から導入する。下流側に平行に配置された導出部233との間にはガス流が形成されている。振動器236により容器23を振動させ、セラミック超微粒子粉体234の収容された篩235から、粒径100μm以下に篩い分けされたセラミック超微粒子を落下させる。セラミック超微粒子はガス粒中に取り込まれ、二次粒子を多く含むエアロゾル237となり搬送管22を通じて解砕器24に導入される。解砕器24の導入部242は、開口が絞られており、エアロゾル237はジェット状で衝撃板243に衝突し、含有される二次粒子が一次粒子あるいはそれに準じる粒径まで解砕され、エアロゾル245として反射して容器241の上方へ巻き上げられる。導出部244はスライドさせて高さ方向の位置を適当に設定すれば分級器として働き、所望の粒径のセラミック超微粒子を選抜して導出させることができる。
【0061】解砕器24から導出された一次粒子を多く含むエアロゾル245は、ノズル25から基板27に向けて高速で噴射される。エアロゾルの噴射速度は、エアコンプレッサー21からのガス流量により亜音速から超音速の領域で制御される。十分に加速されて運動エネルギーを得たエアロゾル中のセラミック超微粒子は、基板16に衝突し、その衝撃のエネルギーで細かく破砕され、これら微細断片粒子が基板に接着したり、また互いが接着接合して緻密質の酸化アルミニウムセラミック構造物を形成する。上述の操作で、形成されるセラミック構造物の堆積厚さは1分あたり約0.5μmであり、時間に伴い堆積厚さは増加する。また、基板ホルダ26を適宜作動させて基板27を移動させれば、所望の形状のセラミック構造物が作製できる。
【0062】(実施例3)図6は、本発明の実施例3としての複合構造物作製装置30の装置図であり、ノズル31は可撓な材質でできた搬送管32を通じて図示しないエアロゾル発生器に連結されている。また、ノズル31はコンピュータ33により制動される屈曲自在な可動アーム34の先端にて保持され、基板である複雑形状物35に対向している。
【0063】以上の構成からなる複合構造物作製装置30の作用を次に述べる。図示しないエアロゾル発生器からセラミック超微粒子が搬送管32を通じて搬送され、ノズル31より高速で複雑形状物35の表面に噴射され堆積する。可動アーム34は複雑形状物35のセラミック構造物被覆対象表面から一定の距離を隔てて、その表面をなぞるように移動するようコンピュータ33により制動される。従って、複雑形状物35表面にセラミック構造物が一定堆積厚みで被覆される。
【0064】(実施例4)図7は、本発明の複合構造物作製装置に使用される実施例4としてのエアロゾル発生器40の断面模式図であり、テフロン(登録商標)材質の容器41に図示しない搬送管に連結する導入部42と導出部43が設置され、周囲に電界発生装置である円管状の電極44が複数離間して配置される。電極は、導線45により交流電源46と連結されている。容器41内には、酸化アルミニウム(Al23)のセラミック超微粒子粉体47が収容されている。なお、図中の矢印は、ガスおよびエアロゾルの流れる方向を示す。
【0065】以上の構成からなるエアロゾル発生器40の作用を次に述べる。電気抵抗の高い酸化アルミニウムなどの場合、自然状態において粒子相互の接触帯電などにより超微粒子が両極性に帯電していることが多い。交流電源46をオンにして、電極44間に交流電圧を印加して粉体周囲に強力な電界を発生させると、セラミック超微粒子粉体47が、その帯電電荷に応じてクーロン力を受けて容器41内に浮遊する。この状態で、図示しない搬送管を通じて導入部42からガスを導入することによってエアロゾル48となり導出部43より導出させる。容器41内に発生する電界の強度を適当に設定することにより、セラミック超微粒子の浮遊量を制御でき、従って所望のエアロゾル48の濃度に設定することが容易である。
【0066】(実施例5)図8は、本発明の複合構造物作製装置に使用される実施例5としての解砕器50の断面模式図であり、容器51の下部には図示しない搬送管に連結する導入部52と、導入部53がお互いのエアロゾル導入方向の延長線が接するように設置され、上部には図示しない搬送管に連結し、上下にスライド可能な導出部54が設置される。なお、図中の矢印はエアロゾルの流れる方向を示す。
【0067】以上の構成からなる解砕器50の作用を次に述べる。搬送管より搬送されたエアロゾル55は、導入部52および導入部53より一度分割されて容器51内にジェット状となって導入され、衝突する。このときエアロゾル55中のセラミック超微粒子の二次粒子同士が衝突により解砕され、一次粒子あるいはそれに準じる粒径の粒子に変換される。その後エアロゾル55は容器51内に巻き上げられる。導出部54はスライドさせて高さ方向の位置を適当に設定すれば分級器として働き、所望の粒径のセラミック超微粒子を選抜して導出させることができる。
【0068】(実施例6)図9は、本発明の複合構造物作製装置に使用される実施例6としての解砕器60の断面模式図であり、円管状の超音波照射部61が搬送管62の途中に配置され、超音波ホーン63を介して圧電振動子64に接続されている。圧電振動子64は、導線65により超音波発振器66に接続されている。超音波発振器66は図示しない電源と接続されている。なお、図中の矢印はエアロゾルの流れる方向を示す。
【0069】以上の構成からなる解砕器60の作用を次に述べる。超音波発振器66により圧電振動子64が振動し、高周波数超音波を発生する。高周波数超音波は、超音波ホーン63により増幅されて超音波照射部61へと伝播され、円管の中心に向かって高周波数超音波が収束して大きな音圧で照射される。一方、搬送管62よりエアロゾル67が超音波照射部61へと導入され、含有される二次粒子は、高周波数超音波の微細振動を与えられて、一次粒子あるいはそれに準じる粒径の粒子に解砕される。空気中の超音波は、ガス圧力が高いほうがより音圧レベルを減衰させずに伝播しやすいため、エアロゾル67のガス圧力を大気圧以上に設定して、解砕効率を上げることが望ましい。
【0070】(実施例7)図10は、本発明の複合構造物作製装置に使用される実施例7としての解砕器70の断面模式図であり、円管状のマイクロ波照射部71が搬送管72の途中に配置され、これを囲んでマイクロ波発振器73が配置され、導線74を介して電源75に接続されている。
【0071】以上の構成からなる解砕器70の作用を次に述べる。電源75によりマイクロ波発振器73が振動数2450MHzのマイクロ波を発振する。一方、搬送管72よりエアロゾル76がマイクロ波照射部61へと導入されて、マイクロ波が照射される。含有される二次粒子に含まれ、凝集の要因となっている極性分子である水分は、マイクロ波照射の誘電損失により発熱し瞬時に蒸発する。そのため、一次粒子同士が離脱して解砕される。
【0072】
【発明の効果】上述のように、本発明による複合構造物作製方法を用いれば、焼成することなく高密度の緻密質のセラミック構造物を形成することができる。また、本発明による複合構造物作製装置を用いて、セラミック超微粒子のエアロゾルを安定的に発生させ、エアロゾル中の二次粒子を解砕させてのち堆積させることによって、緻密質のセラミック構造物を形成するに好適となり、基板あるいはノズルを一定速度で移動させても、一定堆積厚みを保持させることができる。




 

 


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