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発明の名称 自動車ボディー用光触媒性親水性コーティング剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−106972(P2001−106972A)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
出願番号 特願平11−288041
出願日 平成11年10月8日(1999.10.8)
代理人
発明者 岡 典秀 / 仙洞田 典雄 / 讓原 正義
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 自動車の車体を構成する基材表面に、自動車用ベースコート層を介してコーティングした場合にその表面を親水化する組成物であって、金属酸化物からなる光触媒粒子と、シリコーン樹脂皮膜を形成可能なシリコーン樹脂皮膜前駆体、及びシリカ皮膜を形成可能なシリカ皮膜前駆体からなる群から選択される少なくとも1種と、平均粒径が1〜100nmであるシリカ微粒子と溶媒とを少なくとも含んでなり、該組成物中の前記光触媒粒子及び前記前駆体及び前記シリカ微粒子の重量の合計量が0.01〜5重量%であることを特徴とする自動車ボディー用光触媒性親水性コーティング剤。
【請求項2】 前記シリカ微粒子の重量が、全固形分の重量に対して20〜80%であることを特徴とする請求項1記載の自動車ボディー用光触媒性親水性コーティング剤。
【請求項3】 シランカップリング剤をさらに含んでなる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の自動車ボディー用光触媒性親水性コーティング剤。
【請求項4】 チタネート系カップリング剤をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車ボディー用光触媒性親水性コーティング剤。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のコーティング剤によるコーティング層を形成してなることを特徴とする自動車。
【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のコーティング剤によるコーティング層をトップコート層とし、該コーティング層と自動車用ベースコート層との間に難分解性物質からなる層を介在させた自動車。
【請求項7】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のコーティング剤を用いた、自動車への光触媒性親水膜形成方法。
【請求項8】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のコーティング剤によるコーティング層をトップコート層とし、該コーティング層と自動車用ベースコート層との間に難分解性物質からなる層を介在させた、自動車への光触媒性親水膜形成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それが適用された部材の表面を高度の親水性になし、かつ維持することを可能にする光触媒性親水性コーティング剤に係り、特に自動車の車体の表面の防汚、易洗浄性に好適な自動車ボディー用光触媒性親水性コーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特登2756474号、特開平9−225392号、WO98/03607に見られるものを詳述すると、以下の通りである。
【0003】光触媒に励起光源を照射すると、水酸ラジカルやスーパーオキサイドイオン等の活性酸素種を生成し、それに基づいて有機物の酸化分解などの酸化還元作用を生じることは周知である。
【0004】さらに光触媒皮膜に励起光源を照射すると、それに応じて皮膜表面が親水性を呈するようになることも本発明者らにより提案されている。(特登2756474号)
【0005】この作用を利用して、光触媒性親水性を有する光触媒粒子と、基材を保護するために光触媒の酸化還元反応を阻害するシリカなどのバインダーから成るコーティング組成物が提案されている。(特開平9−225392号、WO98/03607)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の光触媒性親水性コーティング剤を自動車ボディー表面のアクリル・メラミン焼付け塗装面などに適用する場合、基材の樹脂の酸化還元による分解を防止するには、その阻害物質を添加するが、その場合逆に親水性を阻害する場合がある。そのため、初期親水性が悪かったり、光照射時の親水化速度も遅くなるという欠点があった。また、その阻害物質がシリカ、アルミナ、ジルコニアなどのバインダーである場合、加水分解・重合の進行に伴って体積収縮によるクラックが発生し、外観を損なうという欠点があった。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、親水性を阻害せずに基材の酸化還元による分解を防止することによって初期親水性・親水化速度を損なわず、かつクラックなどの発生・成長を防止することによって初期外観を維持することが可能な自動車ボディー用光触媒性親水性コーティング剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、自動車の車体を構成する基材表面に、自動車用ベースコート層を介してコーティングした場合にその表面を親水化する組成物であって、1)金属酸化物からなる光触媒粒子と、2)シリコーン樹脂皮膜を形成可能なシリコーン樹脂皮膜前駆体、及びシリカ皮膜を形成可能なシリカ皮膜前駆体からなる群から選択される少なくとも1種と、3)平均粒径が1〜100nmであるシリカ微粒子と4)溶媒とを少なくとも含んでなり、該組成物中の前記光触媒粒子及び前記前駆体及び前記シリカ微粒子の重量の合計量が0.01〜5重量%である組成物である。このシリコーン樹脂皮膜前駆体、シリカ皮膜前駆体及びシリカ微粒子は、光触媒粒子を基材に固定するバインダーであると共に、その酸化還元反応を阻害する物質である。特にポーラスな非晶質シリカ微粒子を含むことによって、光触媒粒子の疎密化による初期親水性・親水化速度の低下を補うことができる。また、シリコーン樹脂皮膜前駆体、シリカ皮膜前駆体などが加水分解・重合の進行に伴って体積収縮するのに対し、シリカ微粒子は既に高度に縮合した物質であるため、それ以上の体積収縮が極端に少なく、クラックを発生することが少ない。僅かにクラックを発生したとしても、クラックが成長して外観を損なうことが無い。
【0009】請求項2は、前記シリカ微粒子の重量が、全固形分の重量に対して20〜80%であることが好ましい。より好ましくは40〜80%であり、最も好ましくは60〜80%である。20%以下では初期親水性・親水化速度の低下を十分に補うことができず、またシリコーン樹脂皮膜前駆体、シリカ皮膜前駆体などの体積収縮によるクラックを十分に抑止することができない。また80%以上では、光触媒粒子を基材に固定する密着力が弱く、粒子脱落によって外観を損なう場合がある。
【0010】請求項3は、溶媒に可溶なシランカップリング剤をさらに含むことによって、シリカ微粒子の末端を化学的に修飾して基材と反応し、シリカ微粒子を基材に固定する密着力を増すことができる。
【0011】請求項4は、溶媒に可溶なチタネート系カップリング剤をさらに含むことによって、光触媒粒子の末端を化学的に修飾して分散性を向上し、比重が重い光触媒粒子が基材側に集まったり凝集することを防止しすることによって、基材を保護すると共に、光触媒粒子を効率良く光励起することができる。
【0012】請求項5の自動車は、前記コーティング剤によるコーティング層を形成してなることを特徴とする。
【0013】請求項6の自動車は、前記コーティング剤によるコーティング層をトップコート層とし、該コーティング層と自動車用ベースコート層との間に難分解性物質からなる層を介在させることによって、さらに基材を保護することができる。
【0014】請求項7の自動車への光触媒性親水膜形成方法は、前記コーティング剤を自動車表面へ均一に、膜厚が1μm以下になるように形成することを特徴とする。
【0015】請求項8の自動車への光触媒性親水膜形成方法は、前記コーティング剤によるコーティング層をトップコート層とし、該コーティング層と自動車用ベースコート層との間に難分解性物質からなる層を介在させた層を自動車表面へ均一に、膜厚がそれぞれ1μm以下になるように形成することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の構成原料として必要な光触媒粒子としては、アナターゼ型酸化チタン、酸化錫、三酸化タングステン、三酸化二ビスマス、酸化第二鉄などの金属酸化物が挙げられる。
【0017】シリコーン樹脂皮膜を形成可能なシリコーン樹脂皮膜前駆体、シリカ皮膜を形成可能なシリカ皮膜前駆体としては、4官能シロキサン、3官能シロキサンのモノマー、ポリマーおよびその誘導体などが挙げられる。
【0018】平均粒径が1〜100nmであるシリカ微粒子の重量は、全固形分の重量に対して20〜80%であることが好ましい。
【0019】該組成物中の前記光触媒粒子及び前記前駆体及び前記シリカ微粒子の重量の合計量は、0.01〜5重量%であることが好ましい。
【0020】溶媒としては、基材への濡れ性がよく、乾燥時間が短いものがよく、常温で液体のアルコールの利用が好ましい。好ましい具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。また、高温乾燥した状態で基材への濡れ性をよくするためには、乾燥時間を適度に遅らせる低蒸気圧のアルコールの添加が好ましい。好ましい具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0021】基材に固定する密着力を増すシランカップリング剤としては、ビニル系、メタクリル系及びポリマー系シランカップリング剤などが挙げられる。好ましい具体例としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。添加量としては、全固形分の重量に対して50%以下が好ましく、より好ましくは30%以下、最も好ましくは0.1〜10%である。
【0022】光触媒粒子の末端を化学的に修飾して分散性を向上する為のチタネート系カップリング剤としては、溶媒に可溶な疎水基を有する、1ないし2官能加水分解性チタネート系カップリング剤などが挙げられる。好ましい具体例としては、イソプロピルトリイソデシルベンゼンスルフォニルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネートなどが挙げられる。添加量としては、光触媒の重量に対して500%以下が好ましく、より好ましくは100%以下、最も好ましくは10〜50%である。
【0023】本発明による組成物には、基材への濡れ性をよくするために、界面活性剤をさらに含むことができる。界面活性剤は光触媒粒子の酸化還元反応による分解過程で親水阻害をおこすため、その添加量としては、0.5%以下が好ましい。
【0024】本発明のトップコート層の膜厚はできるだけ薄くする方がよい。1μm以下、より好ましくは0.2μm以下がよい。そうすれば、耐摩耗性、透明性の維持ができる。
【0025】
【実施例】(実施例1)n−プロパノールに、石原産業株式会社製酸化チタンゾルST―K20を5重量%分散後、日産化学株式会社製シリカゾルIPA―ST(粒子径10〜20nm)を混合し、シリカ微粒子の濃度が、全固形分重量に対してそれぞれ0重量%、20重量%、40重量%、60重量%の試料A1〜A4を得た。
【0026】自動車用黒塗装鋼板に試料A1〜A4をスプレーし、常温硬化後、透明かつ均一な塗膜を得た。それぞれの塗膜に、紫外線照度0.25mW/cm2の光源(三共電気、BLB(ブラックライトブルー)蛍光灯)を照射後、接触角測定器(ERMA社製、型式G−I−1000)を用いて試料と水との接触角を測定した。結果を図1に示す。その結果、光触媒粒子濃度が一定の場合、シリカ微粒子の濃度が濃いもの程、初期接触角が低く、親水化速度が速いことがわかった。
【0027】(実施例2)n−プロパノールに、石原産業株式会社製酸化チタンゾルST―K08を0.8重量%分散後、日産化学株式会社製シリカゾルIPA―ST(粒子径10〜20nm)を混合し、全固形分重量が0.4%、シリカ微粒子の濃度が、全固形分重量に対して80重量%の試料B1を得た。
【0028】n−プロパノールに、石原産業株式会社製酸化チタンゾルST―K20を4重量%分散し、全固形分重量が0.4%、シリカ微粒子をまったく含まない試料B2を得た。
【0029】自動車用黒塗装鋼板に試料B1〜B2をスプレーし、常温硬化後、透明かつ均一な塗膜を得た。それぞれをサンシャインウェザーメーター(スガ試験機製、WEL−SUN−HC)に取り付けて、カーボンアーク灯による光照射をしながら、60分中12分雨噴霧、温度40℃の条件で促進対候性試験を行い、500および2500倍の光学顕微鏡を用いて、表面のクラックの有無を観察した。その結果は、以下の表1に示されるとおりであった。
【表1】

【0030】(実施例3)n−プロパノールに、石原産業株式会社製酸化チタンゾルST―K20を1.8重量%分散後、日産化学株式会社製シリカゾルIPA―ST(粒子径10〜20nm)を混合し、全固形分重量が0.25%、シリカ微粒子の濃度が、全固形分重量に対して30重量%の試料C1を得た。
【0031】更に試料C1に、日本ユニカー株式会社製シランカップリング剤MAC2101を混合し、シランカップリング剤の濃度が、全固形分重量に対して1重量%の試料C2を得た。
【0032】自動車用黒塗装鋼板に試料C1〜C2をスプレーし、常温硬化後、透明かつ均一な塗膜を得た。それぞれをサンシャインウェザーメーター(スガ試験機製、WEL−SUN−HC)に取り付けて、カーボンアーク灯による光照射をしながら、60分中12分雨噴霧、温度40℃の条件で促進対候性試験を行い、外観を観察した。その結果は、以下の表2に示されるとおりであった。
【表2】

【0033】(実施例4)n−プロパノールに、石原産業株式会社製酸化チタンゾルST―K20を1.8重量%分散後、日産化学株式会社製シリカゾルIPA―ST(粒子径10〜20nm)を混合し、全固形分重量が0.25%、シリカ微粒子の濃度が、全固形分重量に対して30重量%の試料D1を得た。
【0034】更に試料D1に、味の素ファインテクノ株式会社製チタネート系カップリング剤KR9SAを混合し、チタネート系カップリング剤の濃度が、酸化チタン重量に対して25重量%の試料D2を得た。
【0035】自動車用黒塗装鋼板に試料D1〜D2をスプレーし、常温硬化後、透明かつ均一な塗膜を得た。それぞれを接触角測定器(ERMA社製、型式G−I−1000)を用いて試料と水との接触角を測定した。その結果は、以下の表3に示されるとおりであった。
【表3】

【0036】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。本発明の自動車ボディー用光触媒性親水性コーティング剤によって、自動車ボディー表面を高度の親水性になし、かつ維持することができ、クラックなどを発生することなく長期に外観を維持することができる。




 

 


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