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発明の名称 めっき製品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−89897(P2001−89897A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願2000−214244(P2000−214244)
出願日 平成12年7月14日(2000.7.14)
代理人
発明者 河本 理之 / 今本 光男
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 製品表面及び/又は製品内蔵部品に、マトリックスめっき被膜中にフッ素化合物が共析しためっき層を施したことを特徴とするめっき製品。
【請求項2】 製品表面及び/又は製品内蔵部品に、マトリックスめっき被膜中にフッ素化合物が共析した第1のめっき層を施したあと、第2のめっき層を施したことを特徴とするめっき製品。
【請求項3】 マトリックスめっき被膜がニッケル又はニッケル合金であることを特徴とする請求項1又は2記載のめっき製品。
【請求項4】 フッ素化合物がポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1又は2記載のめっき製品。
【請求項5】 第2のめっき層がクロムであることを特徴とする請求項2記載のめっき製品。
【請求項6】 上記めっき製品が水栓であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のめっき製品。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品表面や内蔵部品にめっきを施した製品、例えば水栓や水廻り器具、自動車、バイク、自転車、家具、手すり、住宅部材等の摺動部品や外装部品などに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水栓の表面には外観を良くし、かつ腐食しにくくするためニッケルクロム、金等のめっきが施されている。
【0003】また、水栓の内蔵部品は銅合金素材を一般的に使用しているが、それを素材のまま使用すると、表面が腐食して機能障害を起こす場合があるため、特開平5−125584号公報に見られるように内蔵部品表面にスズニッケル合金めっきを施している。また、水栓以外の各種摺動部品や外装部品にも摺動性や外観向上のため、ニッケルやクロムなどのめっきが施される例が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水栓や各種外装部品の表面のめっき面に水や雨がかかると、この水に含まれているカルシウムやシリカなどの水垢がめっき金属全面にわたり、めっき金属と化学結合し強固に付着するので、表面を常に清潔で汚れのない状態に保つには、水垢が固着する前に頻繁に手入れをする必要があり手間が大変である。また長期間手入れをしないと汚れが硬くこびりついてしまい、汚れを除去するためクレンザー等の洗剤を使用してめっき面を傷つけてしまうという欠点があった。
【0005】また、水栓金具内蔵部品にスズニッケル合金めっきを施すと確かに腐食は低減できているが、水中の汚れが付着して、例えば摺動部品においては滑りが悪くなる欠点がある。このことは水栓や水廻り器具以外の各種摺動部材についても同様である。たとえば、摺動部材にクロムめっきを施した場合、確かに硬度の高いクロム金属により耐摩耗性は向上するが、摩擦係数が大きいため、滑り性が悪いという問題点があった。
【0006】本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、めっき金属と水垢成分の化学結合を散在させて水垢の付着力を低減させ、表面や内蔵部品に水垢などの汚れが付着することを阻止し、また、摺動性、滑り性などが増しためっき製品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のめっき製品は、上記課題を解決すべくなされたもので、請求項1は製品表面及び/又は製品内蔵部品に、マトリックスめっき被膜中にフッ素化合物が共析しためっき層を施したことを特徴としている。
【0008】このようにすることで、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと略す)を代表とするフッ素化合物は、表面エネルギーがきわめて低く分子構造が非常に緻密であって表面摩擦係数が非常に小さいため、水垢成分であるカルシウムやシリカと化学結合しにくくて、水垢の付着力が低減される。さらにその撥水性、撥油性という機能により水系及び油系の両方の水垢等の汚れが付着しにくい。よって、めっき製品表面にフッ素化合物共析めっきを施した場合には、水垢がめっき製品表面に付着したとしても高すべり性、低摺動性であるため、クレンザー等の洗剤を必要とせず、水で濡らしたやわらかい布やスポンジなどで軽くこする程度でその除去が容易にできる。さらに、フッ素化合物共析めっきを施した内蔵部品は、その撥水性、撥油性という機能により、水系及び油系両方の水垢等の汚れが付着しにくく、腐食も起こりにくく、さらに、摺動性、滑り性などが増すため、固着、止水不良等の機能障害が低減できる。
【0009】又、請求項2のめっき製品は、製品表面及び/又は製品内蔵部品に、マトリックスめっき被膜中にフッ素化合物が共析した第1のめっき層を施したあと、第2のめっき層を施したことを特徴としている。
【0010】このように、第2のメッキ層を設ける事により、フッ素化合物の上にはめっきが析出せずフッ素化合物が露出している状態となるためフッ素化合物の効果が保持でき、同時に種々の色調のめっきが可能となる。
【0011】請求項3は、マトリックスめっき被膜をニッケル又はニッケル合金であることを特徴とするめっき製品である。めっき製品の場合、外観及び耐食性、耐摩耗性等の機能を確保するため、下地にニッケルめっき又はニッケル合金めっきを施し、その上にクロムめっきや金めっき等を施している例が多い。そのため、フッ素化合物を共析させるマトリックスめっき被膜はニッケル又はニッケル合金にする事が好ましい。但し、フッ素化合物を共析できるめっきであればなんら問題はない。
【0012】請求項4は、フッ素化合物がポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とするめっき製品である。フッ素化合物としては、コスト的に廉価でめっき皮膜中に共析し易いポリテトラフルオロエチレンを用いることが好ましい。
【0013】請求項5は、第2のめっき層がクロムであることを特徴とするめっき製品である。第2のめっき層としては、耐食性、耐摩耗性に優れ、古くから幅広く利用されているクロムを用いる事が好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明について説明する。
【0015】ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと略す)を代表とするある種のフッ素化合物は、表面エネルギーがきわめて低く分子構造が非常に緻密であることから、表面摩擦係数が非常に小さいため、撥水性、撥油性、低摺動性、低摩擦性、高滑り性などの機能を有している。ここで撥水性とは、素材表面に水を滴下したときに水をはじく性質をいい、具体的には水滴と表面との接触角が90°以上の場合、撥水性を示すという。発明者は、表面及び内蔵部品にこれらの性質を有するフッ素化合物を共析させためっきを施し、防汚性、易掃性、高すべり性、低摺動性等を評価してその性能が非常に優れることを見いだした。
【0016】本発明において、フッ素化合物としてはPTFEが最も一般的だが、他にもフッ化黒鉛、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビリニデン樹脂、フッ化ビニル樹脂等を単独又は混合して使用できる。
【0017】フッ素化合物共析めっきは、電気めっきまたは無電解めっきのどちらの手法でも可能であり、電気めっきの場合のめっきマトリックスは、ニッケル、ニッケルリン合金、ニッケル鉄合金、銅、鉄、亜鉛、亜鉛ニッケル合金等が使用できる。無電解めっきの場合のめっきマトリックスは、ニッケルリン合金、ニッケルホウ素合金、ニッケルコバルト合金、ニッケルタングステン合金等が使用できる。
【0018】フッ素化合物の粒径は0.01〜10μmのものが使用される。めっき厚みについては使用するフッ素化合物の粒径より厚くすることが必要であり、あまり厚くつけすぎるとコスト高になるため、通常は1μm〜20μm程度行う。
【0019】めっき後、フッ素化合物の融点以上で熱処理することによって撥水性能等を上げることもできる。例えば、PTFEの融点は327℃であるが、それ以上の温度、例えば350℃で数分から1時間程度熱処理することによりPTFEを溶解して、ゼリー状に広げて、PTFEの露出面積を増すこともできる。
【0020】めっきを施す素材としては、銅合金、鉄などの金属、更にはABSなどの樹脂等、めっきが施せる素材であれば何でも良い。
【0021】第1のめっき層としてマトリックスめっき皮膜中にフッ素化合物が共析しためっきを施したあと、第2のめっき層を施しても良い。フッ素化合物は非導電性であるため、フッ素化合物の上には第2のめっき層は析出せず、結果的にフッ素化合物が露出している状態のため、撥水性能等が保持できる。このように第2のめっき層を施すことにより、種々の色調のめっきが可能となる。もちろん、第1のめっき層の前に各種めっきを施すこともなんら制限されることではない。
【0022】第2のめっき層は、クロム、金、スズ、スズコバルト合金、スズニッケル合金、銀、銅スズ合金、銅亜鉛合金等の装飾用めっきが幅広く利用できる。
【0023】第2の表面処理層として、上記した湿式めっきという手法以外に、PVD(物理蒸着)やCVD(化学蒸着)の気相蒸着法を使用する事ができる。具体的には、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマCVD等があり、被膜の種類としては窒化チタン、炭化チタン、窒化ジルコニウムが一般的だが、アルミナ、炭化珪素、窒化クロム、炭窒化チタン等も用いることが出来る。
【0024】第2のめっき層を施す場合には、第2のめっき層を施したあとに、フッ素化合物の融点以上で熱処理することによって、第2のめっき層表面にPTFE等のフッ素化合物をゼリー状に広げて、フッ素化合物の露出面積を増し、撥水性能等を上げることができるのは言うまでもない。
【実施例】
【0025】図1に示す水栓金具Aは青銅或いは黄銅製素材であってその表面に第1のめっき層としてPTFE含有のニッケルめっきを施したあと第2のめっき層としてクロムめっきを施して、最後に熱処理をしている。即ちその素材1には図2に示すようにフッ素化合物としてPTFE3が共析した約10μm厚さのニッケルめっき皮膜2が形成されており、最上層にクロムめっき4が約0.5μm施されている。
【0026】尚、図3はクロムめっき4を施した後、熱処理することによりPTFE3の露出面積が増した断面模倣図も記載した。
【0027】その手順は図4に示すように、前処理工程10、PTFE共析ニッケルめっき工程11、クロムめっき工程12、熱処理工程13の順でめっきが施される。
【0028】それらのめっき内容について説明すると、前処理工程10の条件は次の通りである。
浸漬脱脂 :メタケイ酸ナトリウム50g/L−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5g/Lの混合浴。温度60℃。浸漬時間5分。
活性化 :100g/L硫酸の浴。温度常温。浸漬時間60秒。
【0029】PTFE共析ニッケルめっき工程11の条件は次の表1の通りである。
【0030】
【表1】

【0031】クロムめっき工程12の条件は次の表2通りである。
【0032】
【表2】

【0033】熱処理工程13の条件は次の通りである。
【0034】
熱処理 :温度350℃ 焼き付け時間60分これらのめっき工程で得られた水栓金具をサンプル■、また、比較として通常の光沢ニッケルクロムめっき工程で得られた水栓金具をサンプル■として、各種性能を評価した。その評価方法及び結果を表3に示す。
【0035】
【表3】

【0036】このようにマトリックスめっき皮膜中にフッ素化合物が共析しためっきを施した水栓金具をはじめとするめっき製品は、優れた撥水性能を有し、汚れ付着低減及び易掃性、高すべり性、低摺動性も向上する。
【0037】以上本発明の実施例に付いて説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論であり、例えば物品Aとして自動車、バイク、自転車、家具、水栓以外の水廻り器具、手すり、住宅部材等の摺動部品、外装部品などに適用できる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、マトリックスめっき皮膜中にフッ素化合物を共析させる方法で、表面の汚れ付着低減、易掃性、高すべり性、低摺動性等の効果が充分に発揮されためっき製品を提供することができる。
【0039】さらに、マトリックスめっき皮膜中にフッ素化合物を共析させる方法で、内蔵部品の汚れ付着低減、高摺動性、高滑り性の効果が充分に発揮され、止水不良、固着等の機能障害を低減するめっき製品を提供することができる。
【0040】また、マトリックスめっき皮膜中にフッ素化合物を共析させた第1のめっき層を施したあと、第2のめっき層を施す方法で、上記機能を付与するのみならず、種々の色調を有しためっき製品を提供することができる。
【0041】表面及び/又は内蔵部品に、マトリックスめっき被膜中にフッ素化合物が共析したため、表面の汚れ付着低減、易掃性、高すべり性、低摺動性等の効果が充分に発揮されためっき製品を提供することができる。また、内蔵部品の汚れ付着低減、高摺動性、高滑り性の効果が充分に発揮され、止水不良、固着等の機能障害を低減するめっき製品を提供することができる。
【0042】表面及び/又は内蔵部品に、マトリックスめっき被膜中にフッ素化合物が共析した第1のめっき層を施したあと、第2のめっき層を施したため、上記機能を付与するのみならず、種々の色調を有しためっき製品を提供することができる。
【0043】マトリックスめっき被膜がニッケル又はニッケル合金であるため、従来のニッケルクロムめっき工程のニッケルめっき浴を一部変更するのみで対応可能であり、ニッケルめっき本来の耐食性を維持しつつ、上記機能を付与することができる。
【0044】フッ素化合物がポリテトラフルオロエチレンであるため、フッ素化合物の中でもコスト的に廉価であり、入手しやすくまた、めっき皮膜中にも共析し易い。
【0045】第2のめっき層がクロムであるため、従来の水栓のニッケルクロムめっき装置を利用でき、また、クロムめっき特有の耐食性、耐摩耗性も同時に付与することができる。




 

 


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