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発明の名称 黄銅材の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−89835(P2001−89835A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願平11−267853
出願日 平成11年9月21日(1999.9.21)
代理人
発明者 松原 隆二 / 内田 亨 / 中村 克昭
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 結晶組織中に、少なくともα相および面積比率1%以上のγ相を有する黄銅材に対して、20%以上の加工度で冷間加工を施す冷間加工工程と、この冷間加工工程を経た黄銅材を、300℃以上に加熱する工程を経ることなく所定の長さに切断する切断工程と、を有してなる黄銅材の製造方法。
【請求項2】 前記冷間加工工程と前記切断工程の間に、300℃未満の温度で応力調整のための焼鈍を行う焼鈍工程を有してなる請求項1記載の黄銅材の製造方法。
【請求項3】 前記黄銅材は、少なくとも、見掛け上のZn含有量が33.5〜46wt%、Sn含有量が0.5〜7wt%の組成を有することを特徴とする請求項1または2記載の黄銅材の製造方法。
【請求項4】 前記黄銅材は、Pb含有量が0.5wt%未満であることを特徴とする請求項3記載の黄銅材の製造方法。
【請求項5】 前記冷間加工工程前の前記黄銅材は、結晶組織中のβ相の面積比率が10%以下である請求項1〜4の何れか記載の黄銅材の製造方法。
【請求項6】 前記冷間加工工程前に、前記黄銅材の結晶組織中のβ相の面積比率を低下させるための第1の焼鈍工程を有してなる請求項1〜5の何れか記載の黄銅材の製造方法。
【請求項7】 前記黄銅材は、棒、中空棒、管、線、板、条の何れかである請求項1〜6の何れか記載の黄銅材の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削性に優れる黄銅材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】切削性に優れた黄銅材としては、快削黄銅棒 JIS C3604があるが、これは、鉛を約3%含み、鉛で切削性を付与している材料である。
【0003】また、強度も高いとは言えず、さらに脱亜鉛腐食を発生するため、耐食性を求められる場所には使用できない。
【0004】鉛をほとんど含まない黄銅としては、JIS C2700やC2800があり、機械部品・電機部品に使用されているが、鉛を含まないために切削性が劣り、強度及び耐食性も優れているとは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鉛に依存することなく、良好な切削性を有し、かつ高強度の黄銅材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本発明は、結晶組織中に、少なくともα相および面積比率1%以上のγ相を有する黄銅材に対して、20%以上の加工度で冷間加工を施す冷間加工工程と、この冷間加工工程を経た黄銅材を、300℃以上に加熱する工程を経ることなく所定の長さに切断する切断工程と、を有することにより、良好な切削性を有し、かつ高強度の黄銅材を提供する。
【0007】すなわち、γ相析出により、硬質なγ相がチッフ゜フ゛レーカー的役割を果たすとともに、加工度20%以上の冷間加工を施してα相(マトリックス)が硬化し、切削性を阻害する粘さを低減することにより、強度と切削性が向上する。また、この冷間加工工程後に300℃以上に加熱することがないため、一旦硬化したα相が軟化することがない。
【0008】ここで、冷間加工工程と切断工程の間に、300℃未満の温度で応力調整のための焼鈍を行う焼鈍工程を有してもよい。また、好適な実施形態としては、黄銅材は、少なくとも、見掛け上のZn含有量が33.5〜46wt%、Sn含有量が0.5〜7wt%の組成を有する。
【0009】ここで、「見掛け上のZn含有量」という用語は、AをCu含有量[wt%]、BをZn含有量[wt%]、tを添加した第3元素(例えばSn)のZn当量、Qをその第3元素の含有量[wt%]としたとき、「{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100」の意味で用いる。
【0010】すなわち、Snを添加することにより、無添加に比べα相(マトリックス)自身の強度が若干向上し、切削性を阻害する粘さが低減する。また、Sn添加によりγ相の析出が容易になる。
【0011】さらに、Snは耐食性を向上させる元素であり、わずかではあるが、α相に固溶し、α相そのものの耐食性を向上させると共に、Sn濃度が高く耐食性に優れるγ相が析出するために、耐食性は向上する。
【0012】好適な実施形態として、以上の発明をPb含有量が0.5wt%未満の黄銅材に適用した場合、Pbを含有量が多い黄銅材に匹敵する切削性を確保することができる。
【0013】好適な実施形態としては、結晶組織中のβ相の面積比率が10%以下であれば、冷間加工が行い易く、加工1回当たりの加工度を大きくすることができる。
【0014】すなわち、α相に比べて硬いβ相は、冷間加工の加工度を大きくするのを阻害するからである。なお、γ相も硬いが、微細に分散して存在するため、さほど冷間加工を阻害することはない。
【0015】また、β相の面積比率が大きすぎる場合には、冷間加工工程前にβ相の面積比率を低下させるための第1の焼鈍工程を有することが望ましい。
【0016】以上説明した黄銅材は、棒、中空棒、管、線、板、条の何れの形態でも良い。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を以下詳説する。
【0018】図1に実施例及び比較例の成分を示す。なお、図1中の「見掛け上のZn含有量」という用語は、AをCu含有量[wt%]、BをZn含有量[wt%]、tを添加した第3元素(例えばSn)のZn当量、Qをその第3元素の含有量[wt%]としたとき、「{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100」の意味で用いる。
【0019】また、図2にそれぞれの製造フローを示す。実施例、比較例共にまず、黄銅原料を溶解した後、連続鋳造を行い、ビレットを成形する。
【0020】そして再結晶温度域まで加熱した後、結晶配列を整えて鋳造組織の脆性を除去するために熱間押し出し成形を施す。
【0021】続いて冷間加工として、引き抜きを行うが、従来の棒材(比較例)では、加工度(断面減少率)は約10%程度であった。本発明においては加工度を20%以上で行うことによって、α相がより硬化し、切削性を阻害する粘さをさらに低減するため、切削性が向上する。
【0022】なお、β相を減少させてこの冷間加工(引き抜き)の負荷を低減すると共に、γ相の量を増加させるために、冷間加工(引き抜き)の前に400〜520℃での焼鈍を施すことも可能である。実施例は、この焼鈍前にα相87%、β相10%、γ相3%の結晶相比率であったのが、この焼鈍後にα相96%、γ相4%の結晶相比率となった。
【0023】冷間加工後、残留応力を除去するために応力除去焼鈍を行う。なお応力除去焼鈍を省略することも可能である。そして、最後に、所定長さへの切断を行う。
【0024】以上の方法で作製した実施例及び比較例について、結晶組織の観察、切削性、強度、耐食性について評価した。
【0025】切削性については図3に示すように、旋盤で丸棒状の試料1の周面を100(m/min.)の速度で切削しつつ、主分力Fv、送り分力Ff、背分力Fpを測定し、合力Rを求めた。各試料の切削抵抗指数を、各試料の合力に対する切削性が最も良いといわれる快削黄銅棒(JIS C3604)の合力の百分率として算出し、切削抵抗指数が60以上を○、60未満を×とした。
【0026】強度については引張り試験において引張り強度(σB)が550N/mm2以上を○、550N/mm2未満を×とした。
【0027】耐食性については日本伸銅協会技術標準(JBMA T−303)による脱亜鉛腐食試験で、最大脱亜鉛深さが加工方向と平行な場合は100μm以下を○、100μmを越えるものを×とした。最大脱亜鉛深さが加工方向と直角な場合は70μm以下を○、70μmを越えるものを×とした。
【0028】評価結果をまとめて図4に示す。実施例の結晶組織は図5に示すように、α+γ相の二相組織となっているのに対し、比較例1はα単相(図6)、比較例2はα+βの二相組織(図7)となっている。
【0029】実施例は切削性、強度、耐食性共に優れた結果となったが、比較例1、2は何れの特性も劣る結果となった。
【0030】なお、今回の実施例はCu、ZnにSnを添加したのみであったが、切削性向上に寄与する第四元素として他の元素(Pb、Fe以外)を添加することも可能である。




 

 


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