米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 東陶機器株式会社

発明の名称 光半導体の光励起に応じて親水化される部材及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−89752(P2001−89752A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願2000−227055(P2000−227055)
出願日 平成8年6月20日(1996.6.20)
代理人 【識別番号】100085257
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 有
発明者 小島 栄一 / 早川 信 / 則本 圭一郎 / 渡部 俊也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 基材表面に、光半導体と、それ以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、ルテニウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリアの1群から選ばれた少なくとも1種を含む層が形成されており、前記光半導体の光励起に応じて部材表面が水との接触角が20度以下まで親水化され、水洗または降雨により表面付着堆積物が洗い流されるようになる防汚性部材。
【請求項2】 前記防汚性部材が防汚性タイルである請求項1記載の防汚性部材。
【請求項3】 光半導体と、それ以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、ルテニウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリアの1群から選ばれた少なくとも1種を含む組成物であって、該組成物を基材表面に塗布し前記層を形成することにより、前記光半導体の光励起に応じて層の表面が水との接触角が20度以下まで親水化され、水洗または降雨により表面付着堆積物が洗い流されるようになる防汚性コーティング組成物。
【請求項4】 光半導体ゾルと、それ以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、ルテニウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリアの1群から選ばれた少なくとも1種を含む物質とを混合する工程、前記混合物を基材表面に塗布し焼成することにより基材上に層を形成する工程からなる、前記光半導体の光励起に応じて前記層の表面が水との接触角が20度以下まで親水化され、水洗または降雨により表面付着堆積物が洗い流されるようになる防汚性部材の製造方法。
【請求項5】 前記防汚性部材が防汚性タイルである請求項4記載の防汚性部材の製造方法。
【請求項6】 基材表面に、光半導体と、それ以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、ルテニウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリアの1群から選ばれた少なくとも1種を含む層が形成されており、前記光半導体の光励起に応じて部材表面が水との接触角が20度以下まで親水化され、付着水が一様に広がって乾燥されやすくなる易乾燥性部材。
【請求項7】 前記易乾燥性部材が易乾燥性タイルである請求項6記載の易乾燥性部材。
【請求項8】 光半導体と、それ以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、ルテニウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリアの1群から選ばれた少なくとも1種を含む組成物であって、該組成物を基材表面に塗布し前記層を形成することにより、前記光半導体の光励起に応じて層の表面が水との接触角が20度以下まで親水化され、付着水が一様に広がって乾燥されやすくなる易乾燥性コーティング組成物。
【請求項9】 光半導体ゾルと、それ以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、ルテニウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリアの1群から選ばれた少なくとも1種を含む物質とを混合する工程、前記混合物を基材表面に塗布し焼成することにより基材上に層を形成する工程からなる、前記光半導体の光励起に応じて前記層の表面が水との接触角が20度以下まで親水化され、付着水が一様に広がって乾燥されやすくなる易乾燥性部材の製造方法。
【請求項10】 前記易乾燥性部材が易乾燥性タイルである請求項9記載の易乾燥性部材の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材の表面を高度の親水性になし、かつ、維持する技術に関する。より詳しくは、本発明は、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面を高度に親水化することにより、表面が汚れるのを防止し、又は表面を自己浄化(セルフクリーニング)し若しくは容易に清掃する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】基材表面が親水化されると、付着水滴が基材表面に一様に拡がるようになるので、都市煤塵、自動車等の排気ガスに含有されるカーボンブラック等の燃焼生成物、油脂、シーラント溶出成分等の疎水性汚染物質が付着しにくく、付着しても降雨や水洗により簡単に落せるようになるので便利である。
【0003】このような事情から特に外装防汚塗料の分野において、従来から親水性樹脂が提案されている(例えば、実開平5−68006号や、「高分子」、44巻、1995年5月号、p.307)。また、親水化するための表面処理方法も提案されている(例えば、実開平3−129357号)。
【0004】しかしながら、従来提案されている親水性樹脂は水との接触角に換算して30〜50゜程度までしか親水化されず、無機粘土質からなる汚染物質の付着及び降雨、水洗による清浄性が充分でない。また従来提案されている親水化するための表面処理方法(エッチング処理、プラズマ処理等)では、一時的に高度に親水化できてもその状態を長期間維持することができない。
【0005】本発明者は、PCT/JP96/00733号において、基材表面に光半導体含有層を形成すると、光半導体の光励起に応じて表面が高度に親水化されることを発明し、この技術をガラス、レンズ、鏡、外装材、水回り部材等の種々の複合材に適用すれば、これら複合材に優れた防曇、防汚等の機能を付与できることを提案した。この方法によれば、疎水性汚染物質及び無機粘土質からなる汚染物質の付着及び降雨、水洗による清浄性が飛躍的に向上する。また光半導体の光励起に応じて親水化された状態が維持、回復される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実質的に耐摩擦性に優れた光半導体のみからなる層を、施釉タイル基材やガラス基材等の平滑な表面を有する基材に直接光半導体ゾル塗布法で塗布し、焼成する場合には、光半導体の光励起に応じて10゜以下程度まで親水化されない。また、例えば光半導性酸化チタンのみからなる層をガラス基材上に形成するのに、アルコキシド法、スパッタリング法等にて無定型酸化チタン層を形成後、焼成して無定型酸化チタンを結晶化させる方法等ならば、光半導体の光励起に応じて10゜以下程度まで親水化されるが、この場合もさらに親水化が進めばより高い防曇、防汚等の性能が発揮されると考えられる。そこで、本発明では、光半導体のみからなる層と比較して、光半導体の光励起に応じて、より高度に親水化される部材、より具体的には、より汚染物質が付着しにくく、かつ降雨、水洗による清浄性に優れた防汚性部材、より表面の乾燥しやすい部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を解決すべく、光半導体の光励起に応じて部材表面が親水化される親水性部材、防曇性部材、防汚性部材、易乾燥性部材において、基材表面に、光半導体と、それ以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、ルテニウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリアの1群から選ばれた少なくとも1種を含む層が形成されているようにした。本発明の好ましい態様においては、上記部材表面は、光半導体の光励起に応じ、水との接触角に換算して10゜以下、より好ましくは5゜以下まで親水化されるようにする。このようにすることで、特に汚染物質の付着防止性及び降雨、水洗による清浄性の飛躍的に優れた部材となる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の構成要素について説明する。ここでいう光半導体とは、価電子帯中の電子の励起によって生成する正孔或いは伝導電子を介する反応により、おそらくは表面に極性を付与して吸着水層を形成することにより、基材表面を親水化できるものをさし、より具体的には、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等が使用できる。
【0009】ここでいう親水化とは、水濡れ性が向上する状態の変化をいう。都市煤塵、自動車等の排気ガスに含有されるカーボンブラック等の燃焼生成物、油脂、シーラント溶出成分等の疎水性汚染物質が付着しにくく、付着しても降雨や水洗により簡単に落せるようにするには、基材表面は水との接触角に換算して50゜以下、より好ましくは30゜以下程度まで親水化するのがよい。さらに無機粘土質汚染物質が付着しにくく、付着しても降雨や水洗により簡単に落せるようにするには、基材表面は水との接触角に換算して20゜以下、好ましくは10゜以下、より好ましくは5゜以下程度まで親水化するのがよい。
【0010】本発明に使用できる基材としては、降雨による自己浄化が期待できる屋外用途においては、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの塗装体等である。より具体的には、外壁や屋根のような建物外装;窓枠;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、自転車、オートバイのような乗物の外装及び塗装;窓ガラス;看板、交通標識、防音壁、ビニールハウス、碍子、乗物用カバー、テント材、反射板、雨戸、網戸、太陽電池用カバー、太陽熱温水器等の集熱器用カバー、街灯、舖道、屋外照明、人工滝・人工噴水用石材・タイル、橋、温室、外壁材、壁間や硝子間のシーラー、ガードレール、ベランダ、自動販売機、エアコン室外機、屋外ベンチ、各種表示装置、シャッター、料金所、料金ボックス、屋根樋、車両用ランプ保護カバー、防塵カバー及び塗装、機械装置や物品の塗装、広告塔の外装及び塗装、構造部材、及びそれら物品に貼着可能なフィルム等を含む。
【0011】本発明に使用できる基材としては、水洗による清浄化が期待できる用途においては、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの塗装体等である。より具体的には、上記屋外用途部材が含まれることは勿論、その他に、建物の内装材、窓ガラス、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、台所用品、食器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇、窓レール、窓枠、トンネル内壁、トンネル内照明、及びそれら物品に貼着可能なフィルム等を含む。
【0012】本発明に使用できる基材としては、乾燥促進が期待できる用途においては、例えば、窓サッシ、熱交換器用放熱フィン、舖道、浴室用洗面所用鏡、洗面化粧台、ビニールハウス天井及びそれら物品に貼着可能なフィルム等を含む。
【0013】本発明に使用できる基材は上記以外にも着雪防止、気泡付着防止、生体親和性向上等に利用できる。着雪防止性は特に表面粗さ1μm以下の表面層を設けると顕著に優れた特性が得られ、例えば、雪国用屋根材、アンテナ、送電線及びそれら物品に貼着可能なフィルム等を含む基材に適用可能である。
【0014】光半導体の光励起は、光半導体結晶の伝導電子帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)を有する光を光半導体に照射して行う。より具体的には、光半導体がアナターゼ型酸化チタンの場合には波長387nm以下、ルチル酸化チタンの場合には波長413nm以下、酸化錫の場合には波長344nm以下、酸化亜鉛の場合には波長387nm以下の光を含有する光線を照射する。上記光半導体の場合は、紫外線光源により光励起されるので、光源としては、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内照明、太陽光や、それらの光源を低損失のファイバーで誘導した光源等を利用できる。複合材表面の親水化に必要な、光半導体を光励起するために必要な光の照度は、0.001mW/cm2以上、より好ましくは0.01mW/cm2以上である。
【0015】本発明において、基材表面に、光半導体以外に添加する物質にアルミナ又はイットリアを選ぶと、0.01mW/cm2未満程度の微弱な励起光照射下、あるいは暗所での親水維持性がよりよく発揮されるようになる。
【0016】また、本発明における、さらに好ましい態様においては、光半導体含有層にはさらに、シリカ、及び/又はシリコン原子に結合された有機基の少なくとも一部が水酸基に置換されたシリコーン樹脂が添加されているようにする。こうすることにより光半導体の光励起に応じて生じる複合材表面の親水化はより高度に進むようになると共に、一旦親水化された複合材を暗所に放置した場合でも、長期にわたり親水性が維持されるようになる。
【0017】光半導体含有層の膜厚は0.2μm以下にするのが好ましい。そうすれば、光の干渉による光半導体含有層の発色を防止することができる。また光半導体含有層の膜厚が薄ければ薄いほど基材の透明度を確保することができる。更に、膜厚を薄くすれば光半導体含有層の耐摩耗性が向上する。光半導体含有層上に、更に、親水化可能な耐摩耗性又は耐食性の保護層や他の機能膜を設けてもよい。
【0018】光半導体含有層の屈折率は、基材の屈折率より小さいか、あまり大きくないほうがよい。例えば基材がガラス基材(屈折率1.5)である場合は、光半導体含有層の屈折率は2以下であるのが好ましい。そうすれば、複合材表面での可視光の反射を防止でき、透明材における視界確保、意匠性外装又は塗装におけるギラギラ感の防止に役立つ。光半導体含有層の屈折率を2以下にするには、例えば光半導体がアナターゼ型酸化チタン(屈折率2.5)のように屈折率が2をこえる物質の場合には、光半導体以外に屈折率2未満の物質を添加する。屈折率2未満の物質としては、例えば、アルミナ(屈折率1.6)、シリカ(屈折率1.5)、酸化錫(屈折率1.9)、シリコン原子に結合された有機基の少なくとも一部が水酸基に置換されたシリコーン樹脂(屈折率1.4〜1.6)が好適に利用できる。
【0019】基材表面に、光半導体と、それ以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、白金、パラジウム、ルテニウム等の金属を含む層を形成する方法は以下のような方法がある。(1)基材表面に、光半導体粒子層を形成後、上記金属含有物を塗布し、乾燥固定する。(2)基材表面に、光半導体粒子層を形成後、上記金属含有物を塗布し、さらに光半導体の光励起により金属を還元固定する。(3)基材表面に、光半導体粒子と上記金属含有物を塗布後焼成する。(4)基材表面に、光半導体粒子と上記金属含有物と、光半導体の光励起により親水化しうる硬化性結着剤とを塗布後、硬化性結着剤を硬化させ、さらに光半導体の光励起により結着剤を親水化させる。
【0020】光半導体粒子層の形成方法は、例えば、ゾル塗布焼成法、アルコキシド法、スパッタリング法等がある。ゾル塗布焼成法とは、光半導体ゾルを、スプレーコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング、フローコーティングその他のコーティング法により、基材表面に塗布し、焼成する方法である。アルコキシド法とは、例えば光半導体が結晶性酸化チタンの場合には、チタンのアルコキシド(例えば、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン)に、塩酸又はエチルアミンのような加水分解抑制剤を添加し、エタノールやプロパノール等の希釈剤で希釈した後、部分的に加水分解を進行させながら又は完全に加水分解を進行させた後、混合物をスプレーコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング、フローコーティングその他のコーティング法により、基材表面に塗布し、乾燥させて無定型酸化チタン層を形成し、その後、焼成により無定型酸化チタンを、アナターゼ型酸化チタン或いはルチル型酸化チタンに変換させる方法である。尚、チタンのアルコキシドに代えて、チタンのキレート又はチタンのアセテートのような他の有機チタン化合物を用いてもよい。スパッタリング法とは、例えば光半導体が結晶性酸化チタンの場合には、金属チタン又は酸化チタンをターゲットとし、酸素雰囲気で、基材表面に無定型酸化チタン層を形成し、その後、焼成により無定型酸化チタンを、アナターゼ型酸化チタン或いはルチル型酸化チタンに変換させる方法である。
【0021】また金属含有物とは、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、白金、パラジウム、ルテニウム等の金属化合物(塩化リチウム、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム二水塩、硝酸カルシウム、塩化ストロンチウム六水塩、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化白金酸六水塩、塩化パラジウム、塩化ルテニウム水和塩等)を溶質とする溶液等をさす。
【0022】光半導体の光励起により親水化しうる硬化性結着剤とは、シリコーン樹脂、脱水縮重合すればシリコーン樹脂になるオルガノシラノール、加水分解・脱水縮重合すればシリコーン樹脂になるオルガノアルコキシシラン等が挙げられる。結着剤の親水化方法は光半導体の光励起により行うことができる。
【0023】基材表面に、光半導体と、それ以外にアルミナ、ジルコニア、セリア、イットリア等の酸化物を含む層を形成する方法は以下のような方法がある。(5)基材表面に、光半導体粒子と上記酸化物を塗布後焼成する。(6)基材表面に、光半導体の前駆体と上記酸化物を塗布後、焼成等の方法で光半導体の前駆体を光半導体に変換させる。(7)基材表面に、光半導体粒子と上記酸化物と、光半導体の光励起により親水化しうる硬化性結着剤とを塗布後、硬化性結着剤を硬化させ、さらに光半導体の光励起により結着剤を親水化させる。
【0024】光半導体の前駆体とは、例えば光半導体が結晶性酸化チタンの場合には、チタンのアルコキシド(例えば、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン)、チタンのキレート又はチタンのアセテートのような他の有機チタン化合物を用いてもよい。光半導体の前駆体を光半導体に変換するとは、光半導体が結晶性酸化チタンの場合には、加水分解、脱水縮重合、焼成等の過程により、アナターゼ型酸化チタン或いはルチル型酸化チタンに変換させる方法である。
【0025】
【実施例】比較例115cm角の施釉タイル(東陶機器製、AB02E01)表面に、アンモニア解膠型の酸化チタンゾル(石原産業製、STS−11)をスプレー・コーティング法にて塗布し、800℃で焼成し試料を得た。このときの酸化チタン層の膜厚は0.3μmとなるようにした。焼成直後の試料表面の水との接触角を接触角測定器(協和界面科学製、形式CA−X150)により測定した。接触角は、マイクロシリンジから試料表面に水滴を滴下した後30秒後に測定した。焼成直後の試料表面の水との接触角は8゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、21゜まで上昇した。この上昇は吸着水の試料表面からの離脱や、大気中の汚れ物質の付着によると考えられる。この試料に紫外線照度0.3mW/cm2のBLB蛍光灯(三共電気製、ブラックライトブルー、FL20BLB)を2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は15゜までしか親水化しなかった。
【0026】実施例1(カルシウム添加、後添加)
比較例1と同様の方法で、膜厚0.3μmの酸化チタン層被覆施釉タイル試料を得た。この試料表面にカルシウム金属濃度50μmol/gの硝酸カルシウム水溶液を0.3g塗布後、0.4mW/cm2のBLB蛍光灯を10分照射して試料を得た。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は38゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、22゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.3mW/cm2のBLB蛍光灯(三共電気製、ブラックライトブルー、FL20BLB)を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は5゜まで親水化された。
【0027】実施例2(カルシウム添加、混合添加)
アンモニア解膠型の酸化チタンゾル(石原産業製、STS−11)18gと、カルシウム金属濃度77μmol/gの硝酸カルシウム水溶液27gとを混合し、15cm角の施釉タイル表面に、スプレー・コーティング法にて塗布し、800℃で焼成し試料を得た。このときの酸化チタン層の膜厚は0.3μmとなるようにした。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は22゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、25゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.15mW/cm2のBLB蛍光灯(三共電気製、ブラックライトブルー、FL20BLB)を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は8゜まで親水化された。
【0028】実施例3(カリウム添加、後添加)
比較例1と同様の方法で、膜厚0.3μmの酸化チタン層被覆施釉タイル試料を得た。この試料表面にカリウム金属濃度50μmol/gの塩化カリウム水溶液を0.3g塗布後、0.4mW/cm2のBLB蛍光灯を10分照射して試料を得た。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は37゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、27゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.15mW/cm2のBLB蛍光灯を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は8゜まで親水化された。
【0029】実施例4(ナトリウム添加、後添加)
比較例1と同様の方法で、膜厚0.3μmの酸化チタン層被覆施釉タイル試料を得た。この試料表面にナトリウム金属濃度50μmol/gの硝酸ナトリウム水溶液を0.3g塗布後、0.4mW/cm2のBLB蛍光灯を10分照射して試料を得た。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は37゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、26゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.3mW/cm2のBLB蛍光灯を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は7゜まで親水化された。
【0030】実施例5(ナトリウム添加、混合添加)
アンモニア解膠型の酸化チタンゾル(石原産業製、STS−11)18gと、ナトリウム金属濃度77μmol/gの硝酸ナトリウム水溶液27gとを混合し、15cm角の施釉タイル表面に、スプレー・コーティング法にて塗布し、800℃で焼成し試料を得た。このときの酸化チタン層の膜厚は0.3μmとなるようにした。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は17゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、22゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.15mW/cm2のBLB蛍光灯(三共電気製、ブラックライトブルー、FL20BLB)を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は6゜まで親水化された。
【0031】実施例6(マグネシウム添加、後添加)
比較例1と同様の方法で、膜厚0.3μmの酸化チタン層被覆施釉タイル試料を得た。この試料表面にマグネシウム金属濃度50μmol/gの塩化マグネシウム二水塩水溶液を0.3g塗布後、0.4mW/cm2のBLB蛍光灯を10分照射して試料を得た。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は37゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、22゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.3mW/cm2のBLB蛍光灯を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は8゜まで親水化された。
【0032】実施例7(マグネシウム添加、混合添加)
アンモニア解膠型の酸化チタンゾル(石原産業製、STS−11)18gと、ナトリウム金属濃度77μmol/gの塩化マグネシウム二水塩水溶液27gとを混合し、15cm角の施釉タイル表面に、スプレー・コーティング法にて塗布し、800℃で焼成し試料を得た。このときの酸化チタン層の膜厚は0.3μmとなるようにした。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は20゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、25゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.15mW/cm2のBLB蛍光灯(三共電気製、ブラックライトブルー、FL20BLB)を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は7゜まで親水化された。
【0033】実施例8(リチウム添加、後添加)
比較例1と同様の方法で、膜厚0.3μmの酸化チタン層被覆施釉タイル試料を得た。この試料表面にリチウム金属濃度50μmol/gの塩化リチウム水溶液を0.3g塗布後、0.4mW/cm2のBLB蛍光灯を10分照射して試料を得た。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は36゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、28゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.3mW/cm2のBLB蛍光灯を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は8゜まで親水化された。
【0034】実施例9(亜鉛添加、後添加)
比較例1と同様の方法で、膜厚0.3μmの酸化チタン層被覆施釉タイル試料を得た。この試料表面に亜鉛金属濃度50μmol/gの塩化亜鉛水溶液を0.3g塗布後、0.4mW/cm2のBLB蛍光灯を10分照射して試料を得た。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は43゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、23゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.15mW/cm2のBLB蛍光灯を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は8゜まで親水化された。
【0035】実施例10(ストロンチウム添加、後添加)
比較例1と同様の方法で、膜厚0.3μmの酸化チタン層被覆施釉タイル試料を得た。この試料表面にストロンチウム金属濃度50μmol/gの塩化ストロンチウム六水塩水溶液を0.3g塗布後、0.4mW/cm2のBLB蛍光灯を10分照射して試料を得た。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は33゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、23゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.3mW/cm2のBLB蛍光灯を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は7゜まで親水化された。
【0036】実施例11(ストロンチウム添加、混合添加)
アンモニア解膠型の酸化チタンゾル(石原産業製、STS−11)18gと、ストロンチウム金属濃度77μmol/gの塩化ストロンチウム六水塩水溶液27gとを混合し、15cm角の施釉タイル表面に、スプレー・コーティング法にて塗布し、700℃で焼成し試料を得た。このときの酸化チタン層の膜厚は0.3μmとなるようにした。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は8゜であった。この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、14゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.15mW/cm2のBLB蛍光灯(三共電気製、ブラックライトブルー、FL20BLB)を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は5゜まで親水化された。
【0037】実施例12(ルテニウム添加、混合添加)
アンモニア解膠型の酸化チタンゾル(石原産業製、STS−11)18gと、ルテニウム金属濃度77μmol/gの塩化ルテニウム水和塩水溶液27gとを混合し、15cm角の施釉タイル表面に、スプレー・コーティング法にて塗布し、700℃で焼成し試料を得た。このときの酸化チタン層の膜厚は0.3μmとなるようにした。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は15゜であった。 この試料を暗所に1週間放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、18゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.15mW/cm2のBLB蛍光灯(三共電気製、ブラックライトブルー、FL20BLB)を0.2日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は7゜まで親水化された。
【0038】実施例13(アルミニウム添加、混合添加)
アンモニア解膠型の酸化チタンゾル(石原産業製、STS−11)と、アルミニウム金属濃度50μmol/gの塩化アルミニウム水溶液とを、酸化チタンとアルミニウム金属量のモル比が87:13となるように混合し、15cm角の施釉タイル表面に、スプレー・コーティング法にて塗布し、700℃で焼成し試料を得た。このときの酸化チタン層の膜厚は0.7μmとなるようにした。この試料作製直後の試料表面の水との接触角は11゜であった。この試料を暗所に1日放置し、その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、13゜になった。さらにこの試料に紫外線照度0.15mW/cm2のBLB蛍光灯(三共電気製、ブラックライトブルー、FL20BLB)を1日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は3゜まで親水化された。
【0039】実施例14(イットリア添加)
硝酸解膠型酸化チタンゾル(石原産業製、CS−N)と酢酸解膠型酸化イットリウムゾル(多木化学製、溶質濃度15重量%、平均結晶子径4nm、pH7.6)を、酸化チタンと酸化イットリウムとのモル比が88:12になるように混合した後、15cm角の施釉タイル表面に、スプレーコーティング法にて塗布し、800℃で1時間焼成し試料を得た。このときの膜厚は0.3μmになるようにした。焼成直後の試料表面の水との接触角は21゜であった。得られた試料を、2週間暗所に放置した。その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、25゜になった。その後、紫外線照度0.3mW/cm2のBLB蛍光灯を13日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は2゜まで親水化された。その後紫外線照度0.004mW/cm2の白色灯を4日間照射し、室内照明下での親水維持性を調べた。その結果、試料表面は9゜程度に維持された。
【0040】実施例15(アルミナ添加)
硝酸解膠型酸化チタンゾル(石原産業製、CS−C)と、酸化アルミニウムゾル(日産化学製、アルミナゾル−100)を、酸化チタンと酸化アルミニウムとのモル比が88:12になるように混合した後、15cm角の施釉タイル表面に、スプレーコーティング法にて塗布し、800℃で1時間焼成し試料を得た。このときの膜厚は0.3μmになるようにした。焼成直後の試料表面の水との接触角は2゜であった。得られた試料を、2週間暗所に放置した。その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、20゜になった。その後紫外線照度0.3mW/cm2のBLB蛍光灯を13日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は再び2゜まで親水化された。その後紫外線照度0.004mW/cm2の白色灯を2日間照射し、室内照明下での親水維持性を調べた。その結果、試料表面は9゜程度に維持された。
【0041】実施例16(ジルコニア添加)
アンモニア解膠型酸化チタンゾル(石原産業製、STS−11)と、酸化ジルコニウムゾル印産化学製、NZS−30B)を、酸化チタンと酸化ジルコニウムとのモル比が88:12になるように混合した後、15cm角の施釉タイル表面に、スプレーコーティング法にて塗布し、800℃で1時間焼成し試料を得た。このときの膜厚は0.3μmになるようにした。焼成直後の試料表面の水との接触角は23゜であった。得られた試料を、1週間暗所に放置した。その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、35゜になった。その後紫外線照度0.3mW/cm2のBLB蛍光灯を13日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は4゜まで親水化された。
【0042】実施例17(セリア添加)
アンモニア解膠型酸化チタンゾル(石原産業製、STS−11)と、酸化セリウムゾル(多木化学製W−15)を、酸化チタンと酸化セリウムとのモル比が88:12になるように混合した後、15cm角の施釉タイル表面に、スプレーコーティング法にて塗布し、800℃で1時間焼成し試料を得た。このときの膜厚は0.3μmになるようにした。焼成直後の試料表面の水との接触角は22゜であった。得られた試料を、1週間暗所に放置した。その後再び試料表面の水との接触角を測定したところ、38゜になった。その後紫外線照度0.3mW/cm2のBLB蛍光灯を13日間照射した後、水との接触角を測定したところ、光励起に応じて試料表面は6゜まで親水化された。
【0043】実施例18(水との接触角と防汚性との関係)
種々の試料を以下に示す汚泥試験に付した。調べた試料は、以下に示す#1〜#6試料である。#1試料:アナターゼ型酸化チタンゾル(石原産業製、STS−11)とコロイダルシリカゾル(スノーテックス20)との混合物(固形分におけるシリカの割合が10重量%)を固形分換算で4.5mgだけ、15cm四角の施釉タイル(東陶機器製、AB02E01)に塗布し、880℃の温度で10分焼成して、#0試料を得た。この#0試料に、BLB蛍光灯を用いて0.5mW/cm2の紫外線照度で3時間紫外線を照射して、#1試料を得た。#2試料:#0試料に、さらに銅濃度50μmol/gの酢酸銅一水塩水溶液を0.3g塗布後、BLB蛍光灯を用いて0.4mW/cm2の紫外線照度で10分照射することにより銅を固定した。その後、BLB蛍光灯を用いて0.5mW/cm2の紫外線照度で3時間紫外線を照射して、#2試料を得た。#3試料:施釉タイル(東陶機器製、AB02E01)。#4試料:アクリル樹脂(PMMA)板。#5試料:人造大理石板(東陶機器製、ML03)。#6試料:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)板。汚泥試験は以下の要領で行った。まず、汚泥スラリーを以下のようにして調製した。すなわち、イエローオーカー64.3重量%、焼成関東ローム21.4重量%、疎水性カーボンブラック4.8重量%、シリカ粉4.8重量%、親水性カーボンブラック4.7重量%を含む粉体混合物を1.05g/リッターの濃度で水に懸濁させたスラリーを調製した。45度に傾斜させた#1〜#6試料に、上記スラリー150mlを流下させて15分間乾燥させ、次いで蒸留水150mlを流下させて15分間乾燥させ、このサイクルを25回反復した。試験前後の色差変化と光沢度変化を調べた。色差変化は、試験後の試料表面の色差から試験前の試料表面の色差を引くことにより求めた。色差は日本工業規格(JIS)H0201に従い、ΔE*表示を用いた。光沢度の測定は日本工業規格(JIS)Z8741の規定に従って行い、光沢度変化は試験後の試料表面の光沢度を試験前の試料表面の光沢度で割ることにより求めた。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】更に#1試料、#3試料、#4試料、#6試料及び下記に示す#7試料について、屋外汚れ加速試験を行った。#7試料:10cm角のアルミニウム基板に、シリカゾル(日本合成ゴム製、グラスカA液)とトリメトキシシラン(日本合成ゴム製、グラスカB液)を、重量比が3:1となるように混合した液状物を塗布し、150℃で硬化させ、膜厚3μmのシリコーン被覆板(#7試料)を得た。屋外汚れ加速試験は、以下の要領で行った。すなわち、茅ケ崎市所在の建物の屋上に図1(a)及び図1(b)に示す屋外汚れ加速試験装置を設置した。図1(a)及び図1(b)を参照するに、この装置は、フレーム20に支持された傾斜した試料支持面22を備え、試料24を取り付けるようになっている。フレームの頂部には前方に傾斜した屋根26が固定してある。この屋根は波形プラスチック板からなり、集まった雨が試料支持面22に取り付けた試料24の表面に筋を成して流下するようになっている。この装置の試料支持面22に上記#1試料、#3試料、#4試料、#6試料及び#7試料を取り付け、1か月間屋外に暴露した。この試験における汚れの付着は雨天の流路である縦筋部に多量の汚れが付着する傾向がある。そこで、試料表面の汚れ具合を、試験後の縦筋汚れ部の色差から試験前の色差を引くことにより評価した。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】

【0047】理解を容易にするため、表1と表2に示した水との接触角及び色差変化を図2のグラフにプロットした。図2のグラフにおいて、カーブAは汚れ加速試験における大気中のカーボンブラックなどの燃焼生成物や都市塵埃のような汚れによる色差変化と水との接触角との関係を示し、カーブBは汚泥試験における汚泥による色差変化と水との接触角との関係を示す。図2のグラフを参照するに、カーブAから良く分かるように、基材の水との接触角が増加するにつれて燃焼生成物や都市塵埃による汚れが目立つようになる。これは、燃焼生成物や都市塵埃のような汚染物質は基本的に疎水性であり、従って、疎水性の表面に付着しやすいからである。これに対して、カーブBは、汚泥による汚れは水との接触角が20゜から50゜の範囲でピーク値を呈することを示している。これは、泥や土のような無機物質は、本来、水との接触角が20゜から50゜程度の親水性を有し、類似の親水性を有する表面に付着しやすいからである。従って、表面を水との接触角が20゜以下の親水性にするか、或いは、水との接触角が60゜以上に疎水化すれば、表面への無機物質の付着を防止することができることが分かる。水との接触角が20゜以下になると汚泥による汚れが減少するのは、表面が水との接触角で20゜以下の高度の親水性になると、無機物質に対する親和性よりも水に対する親和性の方が高くなり、表面に優先的に付着する水によって無機物質の付着が阻害されると共に、付着しようとする無機物質が水によって容易に洗い流されるからである。以上から、建物などの表面に疎水性の汚れ物質と親水性の汚れ物質のいずれもが付着しないようにするため、或いは、表面に堆積した汚れが降雨により洗い流されて表面がセルフクリーニングされるようにするには、表面の水との接触角が20゜以下、好ましくは10゜以下、更に好ましくは5゜以下にすればよいことが分かる。上記実施例1〜17はいずれも光励起に応じて水との接触角が10゜以下になることから、いずれも優れた降雨又は水洗による清浄性が発揮されると考えられる。
【0048】
【発明の効果】基材表面に、光半導体以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、ルテニウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリアのうちの少なくとも1種を含む層を形成することにより、ゾル塗布焼成法で基材表面に光半導体含有層を形成した場合においても、太陽光、室内照明等の日常よく使用されている光源による光半導体の光励起に応じて10゜以下まで親水化されるようになる。また、ゾル塗布焼成法以外の、アルコキシド法、スパッタリング法、シリカ、シリコーンなどの結着剤の硬化を利用した方法等で基材表面に光半導体含有層を形成した場合においても、光半導体の光励起に応じた親水性能の向上が期待できる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013