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有機基材へ光触媒性薄膜を固着させるためのプライマ−組成物、及び光触媒性部材 - 東陶機器株式会社
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発明の名称 有機基材へ光触媒性薄膜を固着させるためのプライマ−組成物、及び光触媒性部材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−89709(P2001−89709A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願平11−268583
出願日 平成11年9月22日(1999.9.22)
代理人
発明者 小島 栄一 / 中西 真
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】有機基材へ光触媒性酸化チタン薄膜を固着させるためのプライマ−組成物であって、有機無機ハイブリッドポリマーのポリシロキサンの構造に環状4量体をリッチ組成にしたことを特徴とするプライマー組成物【請求項2】有機基材へ光触媒性酸化チタン薄膜を固着させるためのプライマ−組成物であって、有機無機ハイブリッドポリマーの構造にスルフォン基を導入したことを特徴とするプライマー組成物【請求項3】有機基材へ光触媒性酸化チタン薄膜を固着させるためのプライマ−組成物であって、複合後の全体を100重量部とした場合に、有機成分と無機成分の比率を、固形物換算で、(a)有機成分を30重量部を越え80重量部以下であって、(b)残部を無機成分、になるように複合することを特徴とする請求項1又は2に記載のプライマー組成物【請求項4】有機基材表面に、請求項1乃至3いずれか1項記載のプライマー組成物を硬化させて形成した層を有し、更にその層上に光触媒性酸化チタン粒子含有層が形成されてなる光触媒性部材。
【請求項5】前記光触媒性酸化チタン粒子含有層には、難分解性の硬化性結着剤が含有されていることを特徴とする請求項4に記載の光触媒性部材。
【請求項6】前記難分解性の硬化性結着剤は、シリコ−ン又はシリカであることを特徴とする請求項4又は5に記載の光触媒性部材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機基材上に親水性・密着性・耐久性の良い光触媒薄膜を低温で形成するためのプライマ−組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒は、バンドギャップ以上の光を照射すると光半導性に基づいて、結晶の価電子帯中の電子が光励起されて伝導電子と正孔を生じる。また光触媒性薄膜を形成した部材は、その薄膜表面で次の2つの作用を示す。
【0003】1つには、その正孔の有する酸化力と、伝導電子の有する還元力に基づいてその量子エネルギ−により、酸化還元反応を生じさせることができる。正孔の有する酸化力を有効に利用した用途としては、例えば、脱臭、NOx、SOx等の汚染気体除去、抗菌、藻類の発生防止、抗菌、藻類の発生防止等に基づく防汚、付着油の分解、フェノ−ルやカルボニル化合物等の合成、有機塩素除去などが提案されている。伝導電子の有する還元力を有効に利用した用途としては、例えば、廃液中の重金属除去、回路基板への金属析出、水素製造、炭酸ガスの還元などが提案されている。
【0004】また、別の反応として、結晶の価電子帯中の電子が光励起されると、上記酸化還元反応だけでなく、部材表面がそれに応じて親水化され、繰り返し、恒久的に親水表面を維持することができることが、特許第2756474号に開示されている。この現象は結晶表面に酸素欠陥を生じるような構造変化を伴っており、その欠陥に水酸基が配位し、吸着水が形成させ高度に親水化されるものであり、前記の酸化分解のメカニズムとは、異なるものと考えられている。このように基材表面が親水化されると、透明部材の防曇や視界確保、可視性を向上することができ、また降雨により機材表面をセルフクリーニングすることもできる。例えば、建物や乗り物の窓、乗り物用のミラー、乗り物の風防、や、建物外壁、乗り物外板、屋外表示装置、など多くの用途でその性能を発揮することができる。
【0005】しかしながら、上記機能を有する光触媒薄膜を、アクリル樹脂等の有機基材に固着させようとすると、両物質間のなじみが悪く、強固な密着性を確保することができなかった。
【0006】一方、紫外線により励起された光触媒は前述の通り酸化還元作用を呈するが、この酸化還元作用は場合によって基材表面を侵してしまうことがある。例えば、基材表面が塗装表面または樹脂表面である場合、光触媒の酸化還元作用によって基材自体を分解させてしまうため、密着低下、外観不良といった不具合が生じる。
【0007】一方、紫外線により励起された光触媒は前述の通り酸化還元作用を呈するが、この酸化還元作用は場合によって基材表面を侵してしまうことがある。例えば、基材表面が塗装表面または樹脂表面である場合、光触媒の酸化還元作用によって基材自体を分解させてしまうため、外観不良や親水不良といった不具合が生じる。
【0008】そこでプラスチック基材へ光触媒薄膜を固着させるためのプライマ−組成物としては、光触媒の酸化還元作用による基材の分解を防ぐ効果を狙って、そのほとんどが無機成分であるシリコーン樹脂、テトラエトキシシラン等のアルキルシリケートが従来技術としてある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シリコーン樹脂はプラスチック基材に密着させるために更にプライマー層が必要であり、また場合によっては、シリコーン樹脂層の上に光触媒層を密着させるためにコロナ放電処理が必要な場合があるが、これらは生産を行うにあたり、工程が増え、コストアップにつながる。
【0010】一方、テトラエトキシシランを加水分解・縮重合させた物はとても硬くかつ脆く、熱膨張や水等による膨潤もプラスチック基材に比べ小さい為、水・酸等に浸漬したり、サンシャインウエザーメーター促進耐候性試験等を行うことによりワレ・クラックを発生し、その結果、外観不良や親水不良を起こしたりする場合がある。
【0011】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、有機基材上に親水性・密着性・耐久性の良い光触媒薄膜を低温で形成するためのプライマ−組成物、及び光触媒性部材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解決すべく、有機基材へ光触媒性酸化チタン薄膜を固着させるためのプライマ−組成物として、複合後の全体の全固形分100重量部に対して、有機成分と無機成分の比率を、有機成分が30重量部を越え80重量部以下(残部を無機成分)、好ましくは有機成分が50重量部を越え80重量部以下(残部を無機成分)、さらに好ましくは有機成分が50重量部を越え70重量部以下(残部を無機成分)、となるように複合することを特徴とするプライマー組成物を提供するものである。
【0013】本発明の好ましい態様においては、有機成分を多くすると(無機成分を少なく)、30重量部を越えるあたりから耐酸性、耐水性、耐溶剤性が向上し、50重量部を越えるあたりから初期密着性は高くなるが、さらに有機成分を増やした70重量部を越えるあたりから、サンシャインウエザオメーター促進耐候性試験において外観に変化が生じ、80重量部を超えると著しく変化を受け、耐候性が低下する。
【0014】逆に無機成分を多くすると(有機成分を少なく)、耐候性が向上するが、50重量部を越えると初期密着性が悪くなり、70重量部を越えると親水性、耐酸性、耐水性、耐溶剤性が低下する。
【0015】さらにこのプライマ−組成物を硬化させて形成した層を介して、光触媒性酸化チタン粒子含有層が形成されていることを特徴とする光触媒性部材を提供する。
【0016】このプライマー組成物は、有機無機ハイブリッドポリマーと呼ばれ、分子量分布として有機成分と無機成分が分裂せずに連続する程度に観測される構造をさし、またDMTAによる粘弾性スペクトルのtanδに有機成分由来のショルダーが観察されない程度に均質に分子レベルに合成されたものである。
【0017】請求項1に記載の発明では、無機成分のポリシロキサンの環構造を制御する。つまり同じ有機無機比率の条件において、無機成分のポリシロキサンの構造に環状4量体構造を実質的にリッチにする。具体的にはハイブリッドポリマーの赤外吸収スペクトルを測定した環状3量体に帰属される1000cm-1の吸収に比べて、環状4量体に帰属される1100cm-1の吸収が強くなるようにハイブリッドポリマーを合成することである。ポリシロキサンの環構造を制御する態様としては、例えば溶媒の種類やその混合比を調整したり、オルガノアルコキシシランの官能基数や、その種類あるいは分子量を制御することができる。
【0018】請求項2に記載の発明では、有機無機ハイブリッド構造にスルフォン基を導入する。例えば有機成分の側鎖にあるいは、主鎖の末端にスルフォン官能基を導入する。具体的にはハイブリッドポリマーの赤外吸収スペクトルに1300cm-1と1185cm-1の吸収が現われる程度にスルフォン酸を導入したハイブリッドポリマーを合成することである。別の態様としては、スルフォン化合物を添加したり、有機無機ハイブリッド構造と複合することもできる。
【0019】上記発明における(a)有機成分としては、例えばポリオキサゾリン、ポリ(N、N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリアクリルアミド系スターバーストデンドリマー、ポリウレア、スクロース誘導体、ポリエチレンオキシド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸および無水マレイン酸などの酸無水物、グリシジル(メタ)アクリレ−トなどのエポキシ化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、アミノエチルビニルエ−テルなどのアミノ化合物、(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、イタコン酸アミド、マレイン酸ジアミドなどのアミド化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど、ビニルポリマー・アクリル系ポリマー、有機のアルコール性又は水溶性のエマルション樹脂、その他の有機高分子、N,N-ジメチルアセトアミド、ポリイミド等といった有機ポリマーを挙げることができる。
【0020】またこれらの有機高分子はモノマーでも良い。そして、末端や側鎖にシラノール基、ケイ素原子を有するシリル基又はアルコキシシリル基等を有する事により、無機成分との結合性を良くしたものもある。有機成分はこれらに限定されるものではない。
【0021】本発明における好ましい有機成分としては、例えば、水酸基または加水分解性基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するシリル基含有ビニル系樹脂であり、本組成の詳細は、次の通りである。
【0022】有機成分であるシリル基含有ビニル系樹脂は、主鎖が炭素骨格のビニル系重合体からなり、末端あるいは、側鎖にシラノ−ル基もしくは加水分解性基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するものであり、該シリル基の多くは、下記一般式(2):−Si(R2)3-nXn(式中、Xは水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノ基、フェノキシ基、アルキルスルフィド基、などの加水分解性基、R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアラルキル基、nは1〜3の正の整数である)で示される。ここでXのうちアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などを、アシロキシ基としてはアセチル基、プロピオニル基などを、アルキルスルフィド基としてはメチルスルフィド、エチルスルフィド基などを挙げることができるが、好ましくは、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基を挙げることができる。
【0023】また、R2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリ−ル基およびベンジル基、フェネチル基、アラルキル基を挙げることができる。これらのなかで好ましい例を挙げると、メチル基、エチル基、フェニル基である。
【0024】かかるシリル基含有ビニル系樹脂は、例えば、下記一般式(3): R3−Si(R2)3-nXn(式中、R2、Xおよびn は前記一般式(2)と同様であり、R3は例えばビニル、2−プロペニル、3−アクリロキシプロピル、3−メタクリロキシプロピル、4−ビニルフェニル、2−(4−ビニル)フェニルエチル、などの重合性2重結合を有する有機基である)で示されるシラン化合物とビニル系化合物を共重合することにより製造することができる。ここでビニル系化合物としては 前記一般式(3)のシラン化合物との付加体が得られる限りとくに制限を受けるものではなく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸および無水マレイン酸などの酸無水物、グリシジル(メタ)アクリレ−トなどのエポキシ化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、アミノエチルビニルエ−テルなどのアミノ化合物、(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、イタコン酸アミド、マレイン酸ジアミドなどのアミド化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれる1種以上のビニル系化合物と前記一般式(3)のシラン化合物とをラジカル発生化合物の存在下、一般的方法により共重合することにより得ることができる。これらビニル系化合物のなかで好ましい例を挙げると、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類であり、さらに好ましくはメタクリル酸アルキルエステル類、特に好ましくはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどを挙げることができる。このようにして製造されるシリル基含有ビニル系樹脂中の前記一般式(3)のシラン化合物の割合はSi元素換算で、通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%であり、0.01重量%未満では耐候性、密着性向上の効果は低く、また20重量%を越えると組成物の保存安定性が低下する場合がある。また、(d)成分のシリル基含有ビニル系樹脂の示差熱分析法により求めたガラス転移温度は通常−60℃〜150℃あるものを用いる。ガラス転移温度が−60℃未満では充分な塗膜硬度が得られない場合があり、一方150℃を越えると成膜性が低下する場合がある。。また、(d)シリル基含有ビニル系樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、通常、5000〜100,000である。重量平均分子量が5000未満または100,000を超える場合には、得られる組成物の粘度が塗装作業に適さない範囲になってしまう。これら有機成分のシリル基含有ビニル系樹脂は、1種単独でも2種以上を混合しても使用することもできる。
【0025】また、本発明における無機成分は、例えば、「一般式(1)RSi(ORl)3で表されるオルガノアルコキシシランの加水分解物またはその部分縮合物であるオルガノポリシロキサン」であり、本組成の詳細は、次の通りである。
【0026】本発明における無機成分は、一般式(1)RSi(ORl)3で表されるオルガノアルコキシシランを加水分解および部分縮合して得られたオルガノポリシロキサンである。かかる一般式(1)中のRは、炭素数1〜8の有機基であり、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの鎖状、分岐状および環状アルキル基、そのほか、γ−クロロプロピル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基、γ−グリシドキしプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−メタクリオキシプロピル基、フェニル基、キシリル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基などの官能性アルキル基、アリ−ル基などが挙げられる。Rの炭素数が8を越える場合、加水分解速度、塗膜の乾燥性、硬度が低下する場合があり好ましくない。
【0027】また、一般式(1)中のRlは、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基であり、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、アセチル基などが挙げられる。Rlの炭素数が5を越える場合、加水分解性、塗膜の硬度が低下する場合があり好ましくない。一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランを挙げることができるが、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランである。
【0028】また、一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランは、1種単独でも2種以上でも使用することができるが、組成物の硬化性、硬度、耐候性、耐薬品性の観点から一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランのうち、80モル%以上が一般式CH3Si(ORl)3で表されるオルガノトリアルコキシシランである場合が好ましい。
【0029】これら、オルガノアルコキシシランの加水分解物および/または部分縮合物であるオルガノポリシロキサンの製造法は既に公知であり、多くの方法が提案されており、例えば、特公昭52−39691に開示される方法によって実施することができる。すなわち、その方法は前記オルガノアルコキシシランに所定量の水を加え、加熱することにより、加水分解、縮合を行わせる工程からなっている。本発明のコ−ティング組成物に用いる(a)オルガノポリシロキサンとしては、以下に示すようにコ−ティング材としての性能が発現し、かつ、本発明の最終組成物の含水量を0.15重量%以下にするのに最小量の脱水剤で達成できる水分量を用いて加水分解、縮合を行ったものが好ましく、その分子量はゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)を用いて評価したポリスチレン換算重量平均分子量として500〜50,000、好ましくは500〜10,000のものである。
【0030】オルガノアルコキシシランの加水分解に使用される水としては蒸留水、イオン交換水、もしくは後述するコロイド状金属酸化物の分散媒体の水を用いることができる。加水分解に用いる水の添加量は前記オルガノアルコキシシラン1モルに対して通常、1〜2モル、好ましくは1.1〜1.5モルである。加水分解に使用される水が1モル未満では組成物の成膜性が悪い場合があり、2モルを越えると最終組成物の含水量を0.15重量%以下にするため多量の脱水剤の添加が必要になり、また、オルガノポリシロキサン自身の保存安定性も低下する傾向にあるため好ましくない。加水分解または縮合においては使用される水は通常、中性、もしくはコロイド状金属酸化物を使用する場合は酸性のものが用いられ、水素イオン濃度としては2〜7の範囲のものを使用する。反応温度は通常20℃以上、溶剤の沸点以下であり、好ましくは40℃以上、150℃未満で実施される。また、反応時間は通常30分以上12時間未満である。
【0031】有機成分と無機成分を複合する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。有機成分であるアルコキシシリル基含有ビニルポリマーと無機成分であるアルコキシシランを特定の触媒を用いて加水分解し、縮重合するとビニルポリマー中のシリル基とポリシロキサンとの間に共有結合が形成されビニルポリマーとポリシロキサンとが一種のグラフト構造を形成した有機無機ハイブリットポリマー構造(複合)体が得られる。
【0032】これらの方法により、前述した課題を同時に解決するためには、請求項1に記載の発明では、無機成分であるポリシロキサンの製造工程で、シロキサン構造に環状4量体構造が多くなるように、加水分解、縮重合を調整し合成する。そのようにして得られた無機成分を有機成分と複合してハイブリッドポリマーが得られる。あるいは、複合反応の過程で環状4量体構造を多く形成するようにしても良い。
【0033】さらに、請求項2に記載の発明では、側鎖にあるいは末端にスルフォン基が導入されたアルコキシシリル基を出発原料にハイブリッドポリマーを合成する。あるは、合成の過程で同時にスルフォンに置換するなどしても良い。
【0034】本発明の好ましい態様においては、有機無機ハイブリッドポリマーの有機成分と無機成分の比率は、有機成分が多いほど基材との密着性を高めることができるが、光触媒層からの酸化分解を受けやすくなる。一方、無機成分が多いと、光触媒層からの酸化分解をバリアする能力を高めることができるが、基材との密着性が低下してしまう。つまり、望ましくは、固形分換算で複合後の全体を100重量部に対して、有機成分は、30〜80重量部であり、無機成分は70〜20重量部にする。さらに望ましくは、有機成分は、40〜70重量部であり、無機成分は50〜60重量部になるようにする。さらに望ましくは、有機成分は、50〜60重量部であり、無機成分は50〜40重量部になるようにする。
【0035】本発明の組成物に利用できる溶媒は、塗膜形成要素が分散するものであれば特に制限されない。例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、その他ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族、芳香族、脂環式の炭化水素、石油類等の一般的な有機溶媒、あるいは水が挙げられ、これらを単独、もしくは混合して用いることができる。
【0036】アルコ−ル類としては例えば1価アルコ−ルまたは2価アルコ−ルを挙げることができる。これらアルコ−ル類の具体例としては、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロピルアルコ−ル、i−プロピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、i−ブチルアルコ−ル、sec−ブチルアルコ−ル、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、エチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノエチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テルなどを挙げることができる。また、芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、などを、またエ−テル類としては、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチレングリコ−ルモノエチルエ−テルなどを、ケトン類としては、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどを、エステル類としては酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。
【0037】本発明の塗料組成物は、さらに必要に応じて分散安定剤、界面活性剤、消泡剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、香料、硬化剤などを添加することが可能である。
【0038】さらに、本発明では、有機基材表面に、請求項1から3に記載のプライマ−組成物を硬化させて形成した層を介して、光触媒性酸化チタン粒子含有層が形成されていることを特徴とする光触媒性部材を提供する。請求項1から3に記載のプライマ−組成物を硬化させて形成した層を介することにより、有機基材への密着性に優れた光触媒性部材を形成できる。
【0039】本発明に用いられる有機基材は、特に限定されるものではなく通常公知のものがあげられる。たとえば、板材、繊維、成形体、などに加工されるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂など、あるいは、塗料面としてのアクリル系塗料、ウレタン系塗料、ポリエステル系塗料、アクリルシリコン系塗料、フッ素系塗料、無機系塗料、ハイブリッド系塗料など公知のものを多数あげることができる。
【0040】アクリル系樹脂の場合、一般的なメタクリル酸メチルエステルを始めとするメタクリル酸エステルの単独重合体や他種類のメタクリル酸エステルとの共重合体、さらにはアクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、アクリルニトリル等との共重合体などで、共重合体における各成分モノマーの割合はその性能に応じて任意のものでよい。また、これら共重合体と耐衝撃性付与剤、たとえばアクリルゴム、ブタジエンゴム等とからなる組成物もあげることができる。
【0041】アクリル系重合体としては、例えばメタクリル酸アルキルエステルまたはアクリル酸アルキルエステルの重合体、これらの共重合体などが挙げられる。
【0042】メタクリル酸アルキルエステルとしてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどが例示される。アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基としては炭素原子数2〜10のアルキル基が好ましく、かかるアクリル酸アルキルエステルとしてはアクリル酸エステル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルなどが例示される。
【0043】アクリル系樹脂としては、例えばポリメタクリル酸メチル(MMA樹脂)、ゴム強化ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メタクリル酸メチル−アクリロニリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS樹脂)及びメタクリル酸メチル60重量%以上と他の共重合体ビニルモノマー40重量%以下とを共重合させて成る重合体などが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記共重合性ビニルモノマーとしては、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
【0044】有機基材表面に、プライマ−組成物を硬化させた層を形成するには、基材表面に、プライマ−組成物を刷け、スプレ−、フロ−コト、ディップ、ロ−ルコ−ト等の方法で塗布し、硬化させることによる。プライマ−組成物の硬化は、熱処理又は常温放置によりプライマ−組成物の加水分解、脱水縮重合により、架橋を形成させて進行させる。
【0045】光触媒としては、高活性、安全、化学的に安定、安価な点から酸化チタンが有用されており、アナタ−ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンが好適に利用できる。 また他の光触媒としては、ZnO、SnO2、SrTiO3、WO3、Bi23、Fe23などの金属酸化物をあげることができる。
【0046】また、光触媒の粒子径としては、小さいほど膜の透明性や硬度が高くなるので良い。好ましい態様によれば、X線回折により求めた結晶子径で1〜30nmであることが好ましく、より好ましくは1〜20nmであり、さらに好ましくは10nm程度である。また成膜後のSEM観察粒子径としては、10〜100nmが好ましく、さらに好ましくは約20〜50nmである。
【0047】光触媒性酸化チタン粒子含有層の膜厚は0.2μm以下にするのが好ましい。そうすれば、光の干渉による層の発色を低減することができる。また表面層が薄ければ薄いほど部材の透明度を確保することができる。更に、膜厚を薄くすれば層の耐摩耗性が向上する。
【0048】上記層の表面に、更に、親水化可能な耐摩耗性又は耐食性の保護層や他の機能膜を設けてもよい。上記層は、基材と比較して屈折率があまり高くないのが好ましい。好ましくは層の屈折率は2以下であるのがよい。そうすれば、プライマ−と層との界面における光の反射を抑制できる。
【0049】上記表面層にはAg、Cu、Znのような金属を添加することができる。前記金属を添加した表面層は、表面に付着した細菌を死滅させることができる。更に、この表面層は、黴、藻、苔のような微生物の成長を抑制する。従って、微生物起因の部材表面の汚れ付着がより有効に抑制されるようになる。上記表面層にはPt、Pd、Rh、Ru、Os、Irのような白金族金属を添加することができる。前記金属を添加した表面層は、光触媒による酸化活性を増強させることができ、部材表面に付着した汚染物質の分解を促進する。
【0050】本発明の好ましい態様においては、光触媒性酸化チタン粒子含有層には、難分解性の硬化性結着剤が含有されているようにする。難分解性の硬化性結着剤で光触媒性酸化チタン粒子含有層を結着することにより、光触媒性酸化チタン粒子の焼結のような高温熱処理によることなく、常温〜150℃程度の低温で、耐摩耗性の光触媒性酸化チタン粒子含有層を形成することが可能となる。
【0051】本発明における難分解性の硬化性結着剤とは、光触媒の酸化作用による分解劣化反応が進行しないか、分解速度が極めて遅い結着剤をいう。難分解性の硬化性結着剤としては、シリコ−ン、シリカ、アクリルシリコン樹脂、フッ素系樹脂、アルミナ、水ガラス等が好適に利用できる。
【0052】シリコ−ンとしては、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリイソプロポキシメチルシラン、トリクロルメチルシラン、トリブロムメチルシラン、トリt−ブトキシメチルシラン、トリクロルエチルシラン、トリブロムエチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリイソプロポキシエチルシラン、トリt−ブトキシエチルシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン、n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン、フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のシラン誘導体の加水分解、脱水縮重合;又は上記シラン誘導体の部分加水分解物の加水分解、脱水縮重合;又は上記シラン誘導体の部分加水分解、脱水縮重合により生成する低分子シリコ−ンの脱水縮重合により生成されるシリコ−ン等が好適に利用できる。
【0053】シリカとしては、テトラクロルシラン、テトラブロムシラン等のテトラハロゲン化シランの加水分解、脱水縮重合;又は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等のテトラアルコキシシランの加水分解、脱水縮重合;又は、メチルシリケ−ト、エチルシリケ−ト、エチルメチルシリケ−ト、プロピルシリケ−ト、ブチルシリケ−ト等のアルキルシリケ−トの加水分解、脱水縮重合により生成されるシリカ等が好適に利用できる。
【0054】アクリルシリコン樹脂としては、シリコ−ン樹脂とアクリル樹脂を複合化し、ブロック共重合させたもの、ポリメタクリレ−ト樹脂とシリコ−ン樹脂を複合化させたもの等である。樹脂中のシリコン成分の含有量は、光触媒による酸化劣化に対し強固であれば良いが、シリコン含有量としては5%から90%が好ましく、さらに好ましくは10%から70%で、中でも30%から60%が特に好ましい。表面強度を高めたり、柔軟性を高める目的で、アクリルシリコン樹脂中にシリカを添加したり、アクリルシリコン樹脂を2種以上混合したり、シリコン系樹脂を添加してもよい。ここでシリコン系樹脂には、シリコ−ン樹脂、アルキド変性シリコ−ン樹脂、ウレタン変性シリコ−ン樹脂、ポリエステル変性シリコ−ン樹脂、エポキシ変性シリコ−ン樹脂等が利用できる。アクリルシリコン樹脂に光安定化剤を混合すると耐久性の向上に効果がある。光安定化剤としては、ヒンダ−ドアミン系等が利用できる。その他トリアゾ−ル系等の紫外線吸収剤を混合してもよい。
【0055】フッ素系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化三フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、エチレン−塩化三フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共重合体、パ−フルオロシクロポリマ−、ビニルエ−テル−フルオロオレフィン共重合体、ビニルエステル−フルオロオレフィン共重合体等が好適に利用できる。
【0056】プライマ−層表面に、光触媒性酸化チタンとシリコ−ンまたはシリカを含有する層を形成する方法は、スプレ−コ−ティング、フロ−コ−ティング、ディップコ−ティング、ロ−ルコ−ティング等の方法で塗布し、硬化させることによる。シリコーンまたはシリカの前駆体の硬化は、熱処理又は常温放置により、加水分解、脱水縮重合により、架橋を形成させて進行させる。また上記光触媒性薄膜をプライマー組成物上へコ−ティングした後、加熱処理することにより速やかに硬化塗膜とすることができるが、常温で乾燥することにより硬化塗膜とすることもできる。硬化温度は通常、室温〜80℃程度で加熱、乾燥することにより硬化塗膜を形成することができる。ここで、乾燥または硬化は、室温放置、強制乾燥、加熱、紫外線照射等によって実施することができる。また、プライマ−組成物が塗布された後、十分な乾燥を行わずにウェット オン ウェットによって続けて光触媒性酸化チタン含有組成物を塗布することもできる。
【0057】本発明の好ましい態様においては、難分解性の硬化性結着剤は、シリコ−ン又はシリカであるようにする。難分解性の硬化性結着剤にシリコ−ン又はシリカを用いるようにすることにより、特に光触媒による光親水化作用において、0゜程度まで高度に親水化させるのが容易となると共に、暗所における親水維持性も発揮されるようになる。
【0058】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例を基に説明する。
【実施例】実施例1有機無機比率が、有機/無機=70/30、固形分濃度10%、PMMAを主な有機成分とし、ポリシロキサンを主な無機成分とする有機無機ハイブリッドポリマーを合成した。無機成分の合成に際しては、環状4量体構造を多く含有するように反応を調整した。これにスズ系の硬化剤を添加し撹拌した。
【0059】次に弱アルカリ洗浄剤、精製水、エタノールによる超音波洗浄を行い表面の油脂分を除去したアクリル板(住友化学工業製スミペックス000クリアキャスト板透明)にスプレーコ−ティング法にてウエット状態にて約20〜25g/m2基材表面に塗布後、温風循環式乾燥炉で80℃30分乾燥させることにより、プライマ−塗膜を硬化させた。
【0060】さらにその後、石原産業製光触媒性コ−ティング液STK01(アナタ−ゼ型酸化チタンとアルキルシリケ−トと水とメタノ−ルとプロパノ−ルからなる組成物)1.5重量部と石原産業製光触媒性コ−ティング液STK03(アナタ−ゼ型酸化チタンとアルキルシリケ−トと水とメタノ−ルとプロパノ−ルからなる組成物)1.5重量部とイソブチルアルコール97重量部を混合・撹拌し、光触媒用組成物を用意した。
【0061】プライマ−塗膜面に同じくスプレーコ−ティング法で光触媒用組成物をウエット状態にて約10〜15g/m2基材表面に塗布後、温風循環式乾燥炉で80℃30分乾燥させて光触媒層を硬化させ、本発明によるポリカ基材へ光触媒性酸化チタン薄膜を固着させるためのプライマ−組成物、及び光触媒性部材を得た。
【0062】試料表面は均一透明であり、ヒビ等の外観不良は観察されなかった。プライマ−塗膜と光触媒層との密着性を調べるために、JIS K5400に従い碁盤目テ−プ剥離試験(2mm□×25マス)を行った。その結果、剥れは認められず、25個すべてのマス目で膜が残っていた。さらに試料の光励起による光親水化について調べた。光励起による光親水化は、試料表面に紫外線照度0.5mW/cm2の光源(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍光灯)を24時間照射し、照射後の試料表面の水との接触角を測定することにより調べた。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから試料表面に水滴を滴下した後10秒後に測定した。その結果、水との接触角は0゜であり、高度に親水化されていることが確認された。また、JISK5400に従いサンシャインウエザオメーターにより促進耐候性試験(SWOM)を700hrまで実施したところ、外観、親水性ともに異常はみられなかった。結果を表1に示す。
【表1】

*1:照射強度BLB0.5mw/cm2 ○=24hr以内に5゜未満 △=5゜未満達成 ×=5゜以上*2:碁盤目剥離試験 ○=剥離無し △=一部剥離 ×=全数剥離*3:SWOM試験 ○=外観、親水性に異常なし 外観×=外観、親水性異常ありこのプライマー組成物が、シロキサンの環状4量体がリッチな構造であるか、IR分析をATR法で評価した。まずテフロンシート上にプライマー組成物をキャストし80℃30分で熱処理し、試料を得た。この赤外線吸収スペクトルをパーキンエルマ社製スペクトラム2000(ZnSeの45°プリズム、ATR補正なし)で測定したところ、図1に示すように1000cm-1シロキサンの環状3量体構造よりも、1100cm-1の環状4量体構造の方が、強い吸収が得られ、環状4量体リッチな構造であることが確認できた。
【0063】比較例1無機成分の合成に際して、環状3量体構造を多く含有するように反応を調整した以外は、実施例と同じにし、光触媒性部材を得た。
【0064】また、実施例1と同様に、このプライマー組成物の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、上記図1に示すように1000cm-1に強い吸収が得られ、環状3量体リッチな構造であることが確認できた。
【0065】実施例と同様に外観、密着性、親水性、SWOM試験を評価した。試料表面は均一透明であり、ヒビ等の外観不良は観察されなかった。また、光照射後の水との接触角は0゜であり、高度に親水化されていることが確認された。また、碁盤目テ−プ剥離試験によると、25個のマスがすべてが残存し密着性は良好であった。また、SWOM試験700hr後は、クラックが発生し、実施例2と比べて耐久性能がやや劣っていた。結果を上記表1に示す。
【0066】実施例2有機無機比率が、有機/無機=50/50、固形分濃度10%、PMMAを主な有機成分とし、ポリシロキサンを主な無機成分とし、スルフォン基を導入した有機無機ハイブリッドポリマーを合成した。それ以外は、実施例1と同じにし、光触媒性部材を得た。
【0067】実施例1と同様に外観、密着性、親水性、SWOM試験を評価した。試料表面は均一透明であり、ヒビ等の外観不良は観察されなかった。また、光照射後の水との接触角は0゜であり、高度に親水化されていることが確認された。また、碁盤目テ−プ剥離試験によると、25個のマスがすべて、残存し密着性は良好であった。また、SWOM試験1500hr後は、外観、親水性ともに良好であった。結果を上記表1に示す。
【0068】このプライマー組成物の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、図2に示すように1300cm-1と1185cm-1に吸収が現われ、スルフォン酸が導入されていることがわかった。
【0069】比較例2有機無機ハイブリッドポリマーにスルフォン基を導入しなかった以外は、実施例2と同じにし、光触媒性部材を得た。
【0070】実施例2と同様に外観、密着性、親水性、SWOM試験を評価した。試料表面は均一透明であり、ヒビ等の外観不良は観察されなかった。また、光照射後の水との接触角は0゜であり、高度に親水化されていることが確認された。また、碁盤目テ−プ剥離試験によると、25個のマスがすべてが残存し密着性は良好であった。ただし、SWOM試験1500hr後は、接触角が上昇し、親水性能に異常が認められるようになった。結果を上記表1に示す。
【0071】
【発明の効果】本発明では、樹脂基材へ光触媒性酸化チタン粒子を固着させるためのプライマ−において、親水性と密着性と耐久性を向上することができ、基材表面を長期にわたり親水性能を発現することができる。




 

 


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