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発明の名称 光触媒性親水性コート剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−89706(P2001−89706A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願平11−266652
出願日 平成11年9月21日(1999.9.21)
代理人
発明者 山本 政宏 / 高塩 稔 / 久保園 茂 / 平岡 純治 / 平野 一雄 / 堀本 幹夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】水と光触媒性金属酸化物(A)、アルキルシリケート(B)及びアルカリ珪酸塩(C)を含有し、光触媒性金属酸化物(A)とアルキルシリケート(B)の固形分比率がTiO2/SiO2=2/8〜8/2であり、全固形分100重量%のうち、アルカリ珪酸塩を10〜40重量%含む光触媒性親水性コート剤。
【請求項2】前記請求項1記載の光触媒性親水性コート剤の全固形分100重量%のうち、アルカリ珪酸塩を10〜20重量%含む光触媒性親水性コート剤。
【請求項3】前記請求項1〜2のいずれか一項記載の光触媒性親水性コート剤の固形分濃度が0.1〜1重量%である光触媒性親水性コート剤。
【請求項4】前記請求項1〜3のいずれか一項記載の光触媒性親水性コート剤中の光触媒性金属酸化物(A)がアナタ−ゼ型酸化チタンまたはブルッカイト型酸化チタンであり、平均結晶子径1〜100nmの粒子である光触媒性親水性コート剤。
【請求項5】前記請求項1〜4のいずれか一項記載のチタニアゾルが中性またはアルカリ性である光触媒性親水性コート剤。
【請求項6】表面がシリカで覆われたチタニアゾルを含有する前記請求項1〜5のいずれか一項記載記載の光触媒性親水性コート剤。
【請求項7】前記請求項1〜6のいずれか一項記載の光触媒性親水性コート剤中のアルカリ珪酸塩(C)がアルカリ金属珪酸塩である光触媒性親水性コート剤。
【請求項8】溶媒にアルコール(D)を5〜20重量%含むことを特徴とする前記請求項1〜7のいずれか一項記載の光触媒性親水性コート剤。
【請求項9】界面活性剤(E)を0.001〜0.3重量%含むことを特徴とする前記請求項1〜8のいずれか一項記載の光触媒性親水性コート剤。
【請求項10】高分子増粘剤(F)を0.005〜0.3重量%含むことを特徴とする前記請求項1〜9のいずれか一項記載の光触媒性親水性コート剤。
【請求項11】防腐剤または防黴剤(G)を含むことを特徴とする前記請求項1〜10のいずれか1項記載の光触媒性親水性コート剤。
【請求項12】前記請求項1〜11の何れか1項に記載の光触媒性親水性コート剤を塗布する方法。
【請求項13】前記請求項12に記載の光触媒性親水性コート剤の塗布方法において光触媒性親水性コート剤を一定量不織布に含浸させて塗布する方法。
【請求項14】前記請求項13の光触媒性親水性コート剤を一定量不織布に含浸させたものを封入した包装材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現場で簡単に部材表面を高度の親水性になし、かつ維持する光触媒性親水性コート剤に関する。より詳しくは、本発明は、鏡、レンズ、ガラス、プリズムその他の透明部材の表面を透明性の高いまま高度に親水化することにより、部材の曇りや水滴形成を防止できる光触媒性親水性被膜を形成するコート剤に関する。本発明は、また、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面を透明性の高いまま高度に親水化することにより、表面が汚れるのを防止し、又は表面を自己浄化(セルフクリーニング)し若しくは容易に清掃できる光触媒性親水性被膜を形成するコート剤に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒に励起光源を照射すると、水酸ラジカルやス−パ−オキサイドイオン等の活性酸素種を生成し、それに基づいて有機物の酸化分解、金属イオンの還元等の酸化還元作用を生じることは周知である(例えば、特開昭60−187322号や特開昭60−155678号)。さらに光触媒性親水性被膜に励起光源を照射すると、それに応じて被膜表面が親水性を呈するようになることも提案されている(PCT/WO96/29375号)。また、基材表面に光触媒性酸化チタンと、アモルファス酸化物を含有する層を形成することにより、表面を恒久的に高度の親水性に維持できるようになるとともに、遮光時にも親水性がある程度維持できるようになることも提案されている(特開平9−227160)。しかし、親水性にしたい対象基材に対して現場で簡単に透明性の高い光触媒性親水性被膜を成膜できる光触媒性コート剤は開発されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、現場で簡単に部材表面を透明性の高いまま高度の親水性になし、かつ維持する光触媒性親水性コート剤の開発にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、現場で簡単に部材表面を透明性の高いまま高度の親水性になし、かつ維持する光触媒性親水性コート剤を開発した。
【0005】即ち本発明は、現場で簡単に部材表面を透明性の高いまま高度の親水性になし、かつ維持する光触媒性親水性コート剤であって、前記光触媒性親水性コート剤は水と光触媒性金属酸化物(A)、アルキルシリケート(B)及びアルカリ珪酸塩(C)を含有し、光触媒性金属酸化物(A)とアルキルシリケート(B)の固形分比率がTiO2/SiO2=2/8〜8/2であり、全固形分100重量%のうち、アルカリ金属珪酸塩を10〜40重量%含むことを特徴とする。
【0006】前記光触媒性親水性コート剤はとくに透明性を必要とする場合に、全固形分100重量%のうち、アルカリ金属珪酸塩を10〜20重量%であることが好ましい。
【0007】本発明の光触媒性親水性コート剤にはレベリング性向上や凍結防止のためにアルコール類(D)を含むことができる。
【0008】本発明の光触媒性親水性コート剤にはレベリング性向上や粘性を上げるために界面活性剤(E)を含むことができる。
【0009】本発明の光触媒性親水性コート剤には粘性を上げるために高分子増粘剤(F)を含むことができる。
【0010】本発明の光触媒性親水性コート剤には防腐・防黴のためにを防腐・防黴剤(G)を含むことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における光触媒性金属酸化物(A)としては、アナタ−ゼ型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウムの群から選ばれる1種又は2種以上等が使用できる。この光触媒粒子の平均結晶子径は、好ましくは100nm以下である。その上限は好ましくは50nm程度以下であり、より好ましくは20nm程度以下である。また、その下限は好ましくは1nm程度以上である。光触媒粒子の平均結晶子径が上記範囲にあることで、親水化作用を充分に発揮し、かつ組成物を適用した表面が粒子による可視光の散乱により透明性を失ってしまうことを防止できる。なお、光触媒粒子の平均結晶子径は、粒子の粉末X線回折の2θ=25.3°付近の最強ピークの積分幅からScherrer式によって求めることができる。
【0012】光触媒性金属酸化物(A)としてはチタニアが特に好ましく、その中でも中性またはアルカリ性のチタニアゾルが特に好ましい。その中でも、アルキルシリケートの添加されたチタニアゾルが特に好ましく、中性の場合は凝集を防ぎ分散安定性を向上させるため表面がシリカで被覆されたチタニアゾルが好ましい。酸性のチタニアゾルはアルカリ珪酸塩と混合すると凝集沈殿を起こすため使用に適さない。
【0013】アルキルシリケート(B)としてはテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシランが好ましい。光触媒性金属酸化物(A)とアルキルシリケート(B)の固形分比はTiO2/SiO2=2/8〜8/2が好ましい。透明性を重視する場合は表面凹凸を小さくするためにバインダーであるアルキルシリケート(B)が一定比率以上必要であるため、TiO2/SiO2=2/8〜5/5が特に好ましい。
【0014】アルカリ珪酸塩(C)の好ましい具体例としては、一般式Me2O・nSiO2(ここでMeはアルカリ金属を表す)で表されるアルカリシリケート(例えば、水ガラス、珪酸カリウム、珪酸リチウム、及び珪酸ナトリウム)が挙げられる。また、前記アルカリ金属珪酸塩は、混合あるいは複合させて用いても良い。本発明において、アルカリ金属珪酸塩含有溶液は、Fr、Cs、Rb、K、Na、およびLiからなる群から選択される金属を少なくとも一つ含んでなる。また、アルカリ金属塩の代わりにアンモニウムシリケートなどのアルカリ珪酸塩を用いても良い。アルカリ珪酸塩(C)は全固形分100重量%のうち、10〜40重量%含むのが好ましい。アルカリ金属珪酸塩は常温で塗布直後に硬化するため、加熱することができない現場塗工などに適しており、硬化速度の遅いアルキルシリケート(B)の欠点を補うことができる。塗布30分後に水をかけたり、指で触ったりしても膜が壊れないようにするためには、アルカリ珪酸塩(C)を全固形分100重量%のうち、10重量%以上含むのが好ましい。また、アルカリ珪酸塩(C)は非架橋酸素が多く、光の当たらない状態での親水性を維持する機能があり、塗布直後直ちに親水性にするためや暗所において親水性を維持するためにも10重量%以上含むのが好ましい。また、不織布に本発明の光触媒性親水性コート剤を含浸させて基材に塗りのばす場合はアルカリ珪酸塩(C)が多すぎると乾燥時に液が筋状に集まるため外観が悪くなる。高い透明性を保つためには全固形分中40重量%未満が好ましい。特にガラス基材など高い透明性と親水性の維持を両立させるためにはアルカリ金属珪酸塩(C)は全固形分100重量%のうち、10〜20重量%含むのが特に好ましい。
【0015】アルコール類(D)にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、t−ブタノール、2−ブタノール、1−ブタノールなどが挙げられる。これらは単独もしくは複数組み合わせて用いることができる。これらのうち、乾燥時にアルカリ珪酸塩による塩析効果で水と分離し難い極性の高いエタノール、メタノール及び2−プロパノールが特に好ましく、凍結防止のためには5重量%以上添加するのが好ましい。また、アルカリ珪酸塩のゲル化を起こさせないためにはアルコール添加量20重量%以下が好ましい。
【0016】界面活性剤(E)としては、多価アルコール型非イオン界面活性剤(グリセロールの脂肪酸モノエステル、ソルビタンエステル、砂糖の脂肪酸エステルなど)、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤(高級アルコールのポリオキシアルキレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのポリオキシアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸のポリオキシアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンのポリオキシアルキレンオキサイド付加物、プルロニック型非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤のポリオキシアルキレンオキサイド付加物、ポリエーテル変性オルガノシロキサンなど)、脂肪酸アルカノールアミドなどの非イオン性界面活性剤、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー(例えば、「メガファック」大日本インキ化学工業(株)製など)、パーフルオロアルケニルオキシベンゼンスルホン酸塩、パーフルオロアルケニルオキシベンゼンスルホニルサルコシンナトリウム、パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルケニルオキシベンゼンスルホンアルキルアンモニウムヨージド、パーフルオロアルケニルオキシベンズアミドアルキルアンモニウムヨージド、パーフルオロアルケニルオキシアラルキルベタイン、パーフルオロアルケニルオキシアラルキルホスホン酸、ジグリセリンテトラキス(パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエーテル)(例えば、「フタージェント」(株)ネオス製など)などのフッ素系界面活性剤、脂肪酸塩(脂肪酸石けんなど)、硫酸エステル塩(α−オレフィン硫酸エステル塩、高級アルコール硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、硫酸化油、高級アルコールAOAの硫酸エステル塩、アルキルフェノールAOAの硫酸エステル塩など)、スルホン酸塩(α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、α−スルホン化脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、イゲポンA型、エアロゾルOT型、ポリスチレンスルホン酸塩など)、リン酸エステル塩(高級アルコールのリン酸エステル塩、高級アルコールAOAのリン酸エステル塩など)などのアニオン性界面活性剤、アミン塩型カチオン界面活性剤(高級脂肪族アミンの塩酸塩など)、第4級アンモニウム塩型界面活性剤(アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩など)などのカチオン性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど)、ベタイン型両性界面活性剤(ラウリルジメチルベタインなど)、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤、リン酸エステル塩型両性界面活性剤などの両性界面活性剤、が挙げられる。界面活性剤(E)の添加量としては0.001〜0.3重量%が好ましい。0.001重量%以下の添加ではレベリング性や増粘性向上の効果がなく、0.3重量%以上では塗膜が白化をおこし、外観不良を起こすので好ましくない。
【0017】高分子増粘剤(F)としては、水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、寒天、デキストリン、デンプン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ゼラチン、リグニンスルフォン酸塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテート鹸化物、アクリル酸エステル系重合体、イソブチルマレイン酸共重合物、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、等が使用できる。高分子増粘剤(F)の添加量としては0.005〜0.3重量%が好ましい。0.005重量%以下の添加では増粘性向上の効果がなく、0.3重量%以上では塗膜が白化をおこし、外観不良を起こすので好ましくない。
【0018】防腐・防黴剤(G)としては水溶性のものであれば何でも使用できる。その中でも硫酸銅などの銅イオンを含んだ塩類、アジ化ナトリウムなどイオン性のものが特に好適に使用できる。銅イオンはアルカリ化では析出しやすく、200ppm未満で好適に使用でき、アジ化ナトリウムは毒性の点から0.1重量%以下が好ましい。
【0019】本発明の光触媒性親水性コート剤には、必要により香料、酸化防止剤、キレート剤、消泡剤などを混合または併用してもよい。
【0020】本発明による組成物の基材表面への適用方法は適宜選択されて良いが、例えばスプレーコーティング法、エアロゾルコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り、不織布塗りなどの方法が好適に利用できる。
【0021】本発明の光触媒性親水性コート剤の製品形態としては、エアゾールスプレー、ハンドスプレーや、塗布用の不織布やスポンジがボトルと一体となり、ボトルから前述の不織布などを通じて液が浸出する容器形態、などが挙げられる。また、不織布、スポンジ、布帛、紙などに本組成物を含浸させたものを、樹脂やラミネートフィルムにて形成したパックに封入して製品とすることもできる。
【0022】本発明の光触媒性親水性コート剤の製品形態としては、塗布液量を一定に保つために不織布に一定液量を含浸させてユーザーに塗布させるのが、特に好ましい。その際、不織布の材質としては保水性の良い再生セルロース繊維、例えばビスコースレーヨン、キュプラアンモニュームレーヨン、リヨセル等が特に好ましい。また、ユーザーが簡便に利用すべく、一定液量の光触媒性親水性コート剤を不織布に含浸させ、樹脂やラミネートフィルムにて形成したパックに封入して製品とすることもできる。その際、フィルムには強度を持たせるためにアルミ箔の層を含んだものが望ましい。接液面には光触媒性金属酸化物(A)の吸着ロスを防ぐためにポリアクリロニトリルやポリオレフィン系の層が特に望ましい。
【0023】本発明の親水性回復剤は汚染物質の付着により親水性が損なわれた光触媒性親水性被膜に対して使用でき、防曇用途において対象となる基材としては、ガラス、透明プラスチック、レンズ、プリズム、鏡等の透明性の基材である。より具体的には、浴室用又は洗面所用鏡、車両用バックミラ−、歯科用歯鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡レンズ、光学レンズ、写真機レンズ、内視鏡レンズ、照明用レンズ、半導体製造用レンズのようなレンズ;プリズム;建物や監視塔の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、ロ−プウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗り物の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、スノ−モ−ビル、オ−トバイ、ロ−プウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラのような乗り物の風防ガラス;防護用又はスポ−ツ用ゴ−グル又はマスク(潜水用マスクを含む)のシ−ルド;ヘルメットのシ−ルド;冷凍食品陳列ケ−スのガラス;計測機器のカバ−ガラス、及びそれら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等である。
【0024】降雨による自己浄化が期待できる屋外用途において対象となる基材としては、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの塗装体等である。より具体的には、外壁や屋根のような建物外装;窓枠;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、自転車、オ−トバイのような乗物の外装及び塗装;窓ガラス;看板、交通標識、防音壁、ビニ−ルハウス、碍子、乗物用カバ−、テント材、反射板、雨戸、網戸、太陽電池用カバ−、太陽熱温水器等の集熱器用カバ−、街灯、舗道、屋外照明、人工滝・人工噴水用石材・タイル、橋、温室、外壁材、壁間や硝子間のシ−ラ−、ガ−ドレ−ル、ベランダ、自動販売機、エアコン室外機、屋外ベンチ、各種表示装置、シャッタ−、料金所、料金ボックス、屋根樋、車両用ランプ保護カバ−、防塵カバ−及び塗装、機械装置や物品の塗装、広告塔の外装及び塗装、構造部材、及びそれら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等である。
【0025】水洗による清浄化が期待できる用途に対象となる基材としては、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの塗装体等である。より具体的には、上記屋外用途部材が含まれることは勿論、その他に、建物の内装材、窓ガラス、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、台所用品、食器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフ−ド、換気扇、窓レ−ル、窓枠、トンネル内壁、トンネル内照明、及びそれら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等である。
【0026】乾燥促進が期待できる用途に対象となる基材としては、例えば、窓サッシ、熱交換器用放熱フィン、舗道、浴室用洗面所用鏡、ビニ−ルハウス天井、洗面化粧台、自動車ボディ及びそれら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等である。
【0027】光半導体の光励起は、光半導体結晶の伝導電子帯と価電子帯との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−(すなわち短い波長)を有する光を光半導体に照射して行う。より具体的には、光半導体がアナタース型酸化チタンの場合には波長387nm以下、ルチル酸化チタンの場合には波長413nm以下、酸化錫の場合には波長344nm以下、酸化亜鉛の場合には波長387nm以下の光を含有する光線を照射する。上記光半導体の場合は、紫外線光源により光励起されるので、光源としては、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内照明、太陽光や、それらの光源を低損失のファイバ−で誘導した光源等を利用できる。複合材表面の親水化に必要な、光半導体を光励起するために必要な光の照度は、0.0001mW/cm2以上、好ましくは0.001mW/cm2以上、より好ましくは0.01mW/cm2以上である。
【0028】光触媒コーティング組成物は、銀、銅、パラジウム、白金、ロジウム、プラチウム、ルテニウム、金、亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、ナトリウム、リチウム、ストロンチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又はそれら金属の化合物の群から選ばれる1種以上が添加してもよい。銀、銅、亜鉛又はそれら金属の化合物の群から選ばれる1種以上を添加することで、抗菌性を付与することができる。パラジウム、白金、ロジウム、プラチウム、ルテニウム、金、コバルト、鉄、ニッケル又はそれら金属の化合物の群から選ばれる1種以上を添加することで、光半導体の光励起による酸化還元触媒性能を向上させることができる。
【0029】光触媒コーティング組成物は、屈折率2以下である物質を含むことができる。屈折率2以下の物質の添加によって、適用された表面において可視光の反射を有効に防止できるとの利点が得られる。光触媒コーティング組成物に添加が可能な屈折率2以下の物質としては、シリカ(屈折率1.5)、酸化錫(同1.9)、炭酸カルシウム(同1.6)、水酸化カルシウム(同1.6)、炭酸マグネシウム(同1.5)、炭酸ストロンチウム(同1.5)、ドロマイト(同1.7)、フッ化カルシウム(同1.4)、フッ化マグネシウム(同1.4)、アルミナ(同1.6)、ケイ砂(同1.6)、ゼオライト(同1.5)、モンモリロナイト(同1.5)、カオリン(同1.6)、セリサイト(同1.6)、酸化第二鉄(同1.8)、酸化イットリウム(同1.9)等が挙げられる。
【0030】上記方法で部材表面に塗膜を形成すると、部材表面は光触媒の光励起に応じて親水性を呈するようになる。ここで、光触媒の光励起により、基材表面が高度に親水化されるためには、励起光の照度は0.001mW/cm2以上あればよいが、0.01mW/cm2以上だと好ましく、0.1mW/cm2以上だとより好ましい。光触媒性酸化物が、アナタ−ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウムの場合には、光触媒の光励起に用いる光源としては、太陽光、室内照明、蛍光灯、水銀灯、白熱電灯、キセノンランプ、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、BLBランプ等が好適に利用できる。 また、光触媒性酸化物が酸化錫の場合には、殺菌灯、BLBランプ等が好適に利用できる。
【0031】部材表面に塗膜により形成される表面層の膜厚は、0.4μm以下にするのが好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止することができ、表面層は実質的に透明となる。さらに、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ましい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどその透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層の耐摩耗性が向上する。
【0032】
【実施例】(実施例1)以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例、比較例中の%は重量%を示す。
【0033】表1に本発明の光触媒性親水性コート剤#1〜#4及び比較例1〜3の組成を示す。組成物作成における混合方法としては#1〜#4及び比較例1〜2はT1の急激なpH変化を避けるためにS1を水(脱イオン水または蒸留水)で希釈し、T1に徐々に添加して混合した。添加する際T1はマグネチックスターラーで常に攪拌し続けた。比較例3はT2に1−プロパノールを徐々に添加して混合した。添加する際T2はマグネチックスターラーで常に攪拌し続けた。
【0034】
【表1】

【0035】表1の注T1 「STS−200」石原産業(株)製(アナタース型二酸化チタン及びメチルシリケート計4.8重量%、水、メタノール及び2−プロパノールが計95.2重量%、二酸化チタン/シリカ重量比=5/5、pH6.1)
T2 「ST−K03」石原産業(株)製(アナタース型二酸化チタン及びエチルシリケート計10重量%、2−プロパノール、水、メタノール及び硝酸が計90重量%、二酸化チタン/シリカ重量比=5/5、酸性)
S1 「1Kケイ酸カリ」日本化学工業(株)製(SiO2=27〜29重量%、K2O=21〜23重量%)
【0036】(評価1;塗布直後の親水性)ソーダライムガラス上(サイズ:100mm×100mm×2mm)の表面に表1記載の組成物#1〜4及び比較例1〜3を旭化成(株)製キュプラ不織布「ベンリーゼTS−100」(サイズ:200mm×265mm)に14g含浸させ、30cm/sの速度で一方方向にスライドさせて塗りつけて塗布した。コーティング処理を施したガラスを室温(25℃)で30分乾燥させた後、塗膜の水との接触角を測定し、塗布直後の水との接触角とした。
【0037】
【表2】

【0038】塗布直後の塗膜表面の水との接触角を表2に示す。全固形分100重量%のうち、アルカリ珪酸塩を10〜40重量%含む光触媒性親水性コート剤#1〜#4は接触角10度以下になった。一方、アルカリ珪酸塩を10重量%以下である、比較例1〜3は10度以上であり、特にアルカリケイ酸塩を含まない比較例2〜3は20度以上になった。
【0039】(評価2;暗所におけるの親水性の維持性)評価1と同様な条件で表1記載の組成物#1〜4及び比較例1〜2をソーダライムガラス上(サイズ:100mm×100mm×2mm)の表面に塗布し、室温(25℃)にて30分間乾させた。塗布後からの暗所における塗膜表面の水との接触角経時変化を図1に示す。全固形分100重量%のうち、アルカリ珪酸塩を10〜40重量%含む光触媒性親水性コート剤#1〜#4は塗布後168時間接触角30度以下を維持した。また、アルカリ珪酸塩を8.7重量%含む比較例1もほぼ同様の結果となった。一方、アルカリケイ酸塩を含まない比較例2は40度以上になった。
【0040】(評価3;膜の物理強度向上効果)評価1と同様な条件で表1記載の組成物#1〜4及び比較例1〜2をソーダライムガラス上(サイズ:100mm×100mm×2mm)の表面に塗布した。塗布後室温(25℃)にて24時間乾燥させた後、塗膜表面を指で擦り塗膜外観の目視観察を行った結果を表3に示す。全固形分100重量%のうち、アルカリ珪酸塩の濃度が高いほど、膜の物理的高度が高くなった。アルカリ珪酸塩を10〜40重量%含む光触媒性親水性コート剤#1〜#4では指で擦ってもほとんど白化しないかかすかに白化する程度であったが、比較例1〜2では膜の物理強度が弱く、はっきりと白化した。
【0041】
【表3】

【0042】(評価4;膜の耐水性向上効果)評価1と同様な条件で表1記載の組成物#1〜4及び比較例1〜2をソーダライムガラス上(サイズ:100mm×100mm×2mm)の表面に塗布した。塗布後室温(25℃)にて30分間乾燥させた後、水道水を6L/分で20分間シャワーし、膜の剥がれ状態を観察した結果を表4に示す。光触媒性親水性コート剤#1〜#4は目視外観の変化なく、接触角も低いままであったので膜の剥がれはないと判断した。比較例1〜2はシャワーかけ直後に白化し膜が流れるのが観察され、膜が剥がれたと判断した。
【0043】
【表4】

【0044】(評価5;塗膜外観)評価1と同様な条件で表1記載の組成物#1〜4及び比較例1〜2をソーダライムガラス上(サイズ:100mm×100mm×2mm)の表面に塗布した。塗布後室温(25℃)にて30分間乾燥させた後、目視にて塗膜表面を観察した結果を表5に示す。光触媒性親水性コート剤#1〜#2の目視外観は塗布前とほとんど変わりなく非常に良好であった。光触媒性親水性コート剤#3〜#4はやや塗り筋が目立った。極めて高い透明性を必要とする基材に対しては全固形分100重量%のうち、アルカリ珪酸塩を10〜20重量%含む光触媒性親水性コート剤#1〜#2が適しており、塗り筋が多少出ても問題なく親水維持性を優先する場合はアルカリ珪酸塩を20〜40重量%含む光触媒性親水性コート剤#3〜#4が適していた。比較例1〜2の塗膜外観は良好であった。
【0045】
【表5】

【0046】表5の注◎:非常に良好○:良好△:やや塗り筋目立つ×:悪い【0047】
【実施例2】表6に本発明の光触媒性親水性コート剤#5〜#9及び比較例4〜5の組成を示す。
【0048】
【表6】

【0049】表6の注T1 「STS−200」石原産業(株)製(アナタース型二酸化チタン及びメチルシリケート計4.8重量%、水、メタノール及び2−プロパノールが計95.2重量%、二酸化チタン/シリカ重量比=5/5、pH6.1)
S1 「1Kケイ酸カリ」日本化学工業(株)製(SiO2=27〜29重量%、K2O=21〜23重量%)
【0050】表6の組成物を室温(25℃)にて1週間保存した後の凝集沈殿の有無と−10℃で1週間保存した後の凍結の有無の結果を表7に示す。エタノールを0〜20重量%含む本発明の光触媒性親水性コート剤#5〜#9では凝集沈殿しなかった。一方、エタノールを25重量%以上含む比較例4〜5ではアルカリケイ酸塩の水和水をエタノールが脱水するためゲル化し凝集沈殿を起こした。エタノールを5〜20重量%含む本発明の光触媒性親水性コート剤#6〜#9は−10℃でも凍結しなかった。
【0051】
【表7】

【0052】
【発明の効果】本発明によれば、現場で簡単に部材表面を透明性の高いまま高度の親水性になし、かつ維持する光触媒性親水性コート剤を提供可能になる。




 

 


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