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発明の名称 塗料組成物および該塗膜被覆物品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−31913(P2001−31913A)
公開日 平成13年2月6日(2001.2.6)
出願番号 特願平11−209350
出願日 平成11年7月23日(1999.7.23)
代理人
発明者 千國 真 / 高橋 一雄 / 下吹越 光秀
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 (A)光触媒性半導体材料、(B)難分解性結着剤、(C)難分解性着色料が溶媒中に分散してなる塗料組成物。
【請求項2】 (C)難分解性着色料が耐酸化性と耐還元性を有する無機顔料であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】 (C)難分解性着色料が難分解性材料で被覆された顔料であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項4】 (C)難分解性着色料が難分解性の体質顔料に着色料を吸収させた顔料であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項5】 (C)難分解性着色料が難分解性の体質顔料に着色料を吸収させた顔料をさらに難分解性材料で被覆した顔料であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項6】 (C)難分解性着色料が変色防止剤を混合した顔料であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の塗料組成物。
【請求項7】 (B)難分解性結着剤がシリコン系化合物を含むことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の塗料組成物。
【請求項8】 溶媒が水であることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の塗料組成物。
【請求項9】 請求項1から請求項8の何れかに記載の塗料組成物で塗布、成膜されたことを特徴とする該塗膜被覆物品。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は部材表面に着色された光触媒性塗膜を形成するための塗料組成物および該塗膜被覆物品に関する。特に建造物や構造物などの表面を親水化することにより、表面が汚れることを防止し、または表面を水を用いて容易に清浄化することの可能な耐久性に優れた着色塗膜を形成するための塗料組成物および該塗膜被覆物品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築及び塗料の分野においては、環境汚染に伴い、建築外装材料や屋外建造物、あるいは構造物や車両等の塗膜の汚れが問題となっている。大気中に浮遊する煤塵や粒子は晴天時には建物の屋根や外壁、構造物の表面に堆積する。堆積物は降雨に伴い雨水により流され、建物の外壁や構造物の表面を流下する。更に、雨天時には浮遊煤塵は雨によって持ち運ばれ、建物の外壁や構造物の表面を流下する。その結果、表面には、雨水の道筋に沿って汚染物質が付着する。表面が乾燥すると、表面には縞状の汚れが現れる。建築外装や屋外構造物の塗膜の汚れは、カーボンブラックのような燃焼生成物、都市煤塵、粘土粒子のような無機質物質の汚染物質からなる。このような汚染物質の多様性が防汚対策を複雑にしているものと考えられる(橘高義典著、”外壁仕上材料の汚染の促進試験方法”、日本建築学会構造系論文報告集、第404号、1989年10月、p.15−24)。従来の通念では、上記建築外装などの汚れを防止するためにはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような撥水性の塗料が好ましいと考えられていたが、最近では、疎水性成分を多く含む都市煤塵に対しては、塗膜の表面を出来るだけ親水性にするのが望ましいと考えられている(高分子、44巻、1995年5月号、p.307)。
【0003】一方、基材表面を親水性にする方法として、半導体光触媒の光励起作用により物品の表面を高度に親水化する方法がある(特許公報第275647)。この方法に従えば、光触媒性半導体組成物で被覆された物品の表面は紫外線が照射されることにより高度に親水化され、かつ維持される。
【0004】しかし、光触媒性半導体にそのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光が照射されると、光励起により伝導帯に電子を、価電子帯に正孔を生じる。この光励起により生じた電子や正孔は強い酸化力や還元力を持つことが知られている。したがって、光触媒性半導体を含む塗料組成物に着色料を添加すると紫外線を含む光の照射により、該着色料が分解または化学変化を起し、意図した色彩が変化、あるいは退色、着色料の分解が原因となる塗膜の劣化を生じ、塗膜の長期にわたる耐久性が問題となる。現状では、光触媒性半導体が固有にもつ色、例えば酸化チタンの場合の白色を許容できる場合の用途に限った適用、あるいは、光触媒性半導体の組成や膜厚を制限して透明な光触媒性塗膜を形成し、ガラスなどの透明、透光性の用途への適用、あるいは、既存の着色層上に透明な難分解性の塗膜を介して、透明な光触媒性塗膜を成膜する方法がある。しかし、いずれの手段も意匠に対する品質、汎用性、用途の制限、煩雑な塗膜構造や成膜工程になる等の問題がある。塗膜構造、成膜工程を簡便にして広範な用途に適用するためには、光触媒性塗膜自体を任意の色に着色し意匠性をもたせる手段が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術における前記問題点を背景になされたもので、その課題は、防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された光触媒性の塗料組成物および該塗膜被覆物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決すべく、(A)光触媒性半導体材料、(B)難分解性結着剤、(C)難分解性着色料が溶媒中に分散してなる塗料組成物を基材にコーティングして防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された塗膜を形成する。
【0007】本発明の好ましい態様においては、(C)難分解性着色料が耐酸化性と耐還元性を有する無機顔料であることを特徴とする塗料組成物を基材にコーティングして防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された塗膜を形成する。
【0008】本発明の好ましい態様においては、(C)難分解性着色料が難分解性材料で被覆された顔料であることを特徴とする塗料組成物を基材にコーティングして防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された塗膜を形成する。顔料の表面を難分解性材料で被覆することにより、有機顔料などの公知の顔料を使用して種々の彩色をすることができる。また耐酸化性と耐還元性を有する無機顔料も難分解性材料で被覆することにより、よりいっそう優れた耐久力を持つことができる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、(C)難分解性着色料が難分解性の体質顔料に着色料を吸収させた顔料であることを特徴とする塗料組成物を基材にコーティングして防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された塗膜を形成する。着色料を難分解性の体質顔料に吸収させることにより、水溶性の有機顔料や染料を使用することができ、彩色の幅を広げることができる。また、着色料を難分解性の体質顔料に吸収させた顔料は、さらに難分解性材料で被覆することにより、よりいっそう優れた耐久力を持つことができる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、(C)難分解性着色料が変色防止剤を混合した顔料であることを特徴とする塗料組成物を基材にコーティングして防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された塗膜を形成する。変色防止剤を混合することにより、着色料はよりいっそう優れた耐久力を持つことができる。
【0011】本発明の好ましい態様においては、(B)難分解性結着剤がシリコン系化合物を含むことを特徴とする塗料組成物を基材にコーティングして防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された塗膜を形成する。シリコン系化合物を光触媒性半導体と併用して含有することにより、光触媒性半導体により親水化された塗膜は暗所においてもより長く親水性を維持することができる。
【0012】本発明の好ましい態様においては、溶媒が水であることを特徴とする塗料組成物を基材にコーティングして防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された塗膜を形成する。溶媒が水であることにより溶剤の揮発がなく、火災などの危険もなく、臭気もなく、衛生的であり、省資源化、環境保全に適す。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な構成要素について説明する。
【0014】(A)光触媒性半導体材料としては、光触媒活性を有するものであれば特に制限はないが、アナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられ、1種又は2種以上が使用できる。なかでも、アナタース型二酸化チタンが好ましい。
【0015】(B)難分解性結着剤としては、加水分解性シラン、アルキルシリケ−ト、ポリオルガノシロキサン、アクリルシリコーン樹脂、シリカ、コロイダルシリカ、水溶性シリカ、シラノ−ル、水ガラス、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムなどのシリコン系化合物、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム等のリン酸塩、重リン酸塩、セメント、石灰、セッコウ、長石、釉薬、プラスタ−、ほうろう用フリット、層状酸化物、粘土、ホウ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、有機チタネ−ト、アルミナ、チタニア、過酸化チタン、有機ジルコニウム化合物、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム、ジルコニアなどの無機系化合物、フッ素系ポリマ−、フッ素系モノマ−などの有機系化合物などが使用できる。
【0016】ここで加水分解性シランとしては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、n−プロピルブトキシシラン、イソプロピルブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等の加水分解性オルガノシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等のテトラアルコキシシランなどが使用できる。
【0017】ここでアルキルシリケ−トとしては、メチルシリケ−ト、エチルシリケ−ト、プロピルシリケ−ト、ブチルシリケ−トなどが使用できる。
【0018】ここでポリオルガノシロキサンとしては、上記加水分解性シラン、アルキルシリケ−ト、それらの(部分)加水分解物、加水分解・縮合物などが使用できる。
【0019】ここでアクリルシリコーンとしては、主鎖がシリル基含有ビニル重合体または共重合体からなる分子末端あるいは側鎖に加水分解性基と結合したケイ素基を1分子中に少なくとも1個有する樹脂を使用できる。
【0020】ここでセメントとしては、早強セメント、普通セメント、中庸熱セメント、耐硫酸塩セメント、ホワイトセメント、油井セメント、地熱井セメントなどのポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高硫酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメントなどの混合セメント、アルミナセメントなどを使用できる。ここでプラスタ−としては、セッコウプラスタ−、石灰プラスタ−、ドロマイトプラスタ−などを使用できる。
【0021】ここでフッ素系ポリマ−としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化三フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレンコポリマ−、エチレン−ポリ四フッ化エチレンコポリマ−、エチレン−塩化三フッ化エチレンコポリマ−、四フッ化エチレン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テルコポリマ−などの結晶性フッ素樹脂、パ−フルオロシクロポリマ−、ビニルエ−テル−フルオロオレフィンコポリマ−、ビニルエステル−フルオロオレフィンコポリマ−などの非結晶性フッ素樹脂、各種のフッ素ゴムなどを使用できる。
【0022】特に(B)難分解性結着剤がシリコン系化合物を含有することが好ましい。シリコン系化合物としては、前記のシリコン系化合物が挙げられる。より好ましくは、シロキサン結合(≡Si−O−Si≡)が主成分であることが望ましく、加水分解性シラン、ポリオルガノシロキサン、アルキルシリケ−ト、シリカ、コロイダルシリカ、水ガラス、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムなどが挙げられる。
【0023】(C)難分解性着色料としては、光触媒性半導体と併用しても変色、変質、分解しない無機顔料中の耐酸化性と耐還元性を有する無機顔料、あるいは難分解性に加工した顔料の中から選ばれ、単独または2種以上を併用して適宜用いる。
【0024】耐酸化性と耐還元性を有する無機顔料としては、「白色系」としてチタン白(TiO2)、亜鉛華(ZnO)、鉛白(2PbCO3・Pb(OH)2)、リトポン(BaSO4・xZnS)、バライト(BaSO4)、白亜(CaCO3)、クレー(カオリン、白土、Al2O3・2SiO2・2H2O)、「黄色系」として黄鉛(クロム黄、PbCrO4・PbO)、亜鉛黄(ZnCrO4)、アンチモンイエロー(ネーブルスイエロー、Pb(SbO3)2)、黄土(オーカー、Fe2O3・xAl2O3・ySiO2)、黄色酸化鉄(マース黄、フェリット黄、Fe2O3・xH2O)、チタンイエロー(TiO2・xNiO・ySb2O5)、チタン・アンチモン・クロムイエロー(クロムチタンイエロー、TiO2・xCr2O3・ySb2O5)、「赤・橙色系」としてベンガラ(Fe2O3)、鉛丹(光明丹、Pb3O4)、モリブデートオレンジ(クロムバーミリオン、モリブデンレッド、PbCrO4・xPbMoO4・yPbSO4)「紫色系」としてマース紫(Fe2O3)、マンガン紫(ニュルンベンク紫、コバルト紫(Co3(PO4)2、Co3(AsO4)2)、「青色系」として群青(ウルトラマリン、アルミノ・ケイ酸)、紺青(ベルリン青、ミロリー青、プルシャン青、Fe(NH4)(Fe(CN)6)、FeK(Fe(CN)6)、コバルト青(テナール青、CoO・xAl2O3)、コバルト・アルミ・クロムブルー(CoO・xAl2O3・yCr2O3)、「緑色系」としてクロム緑(黄鉛と紺青とバライトの混合物)、酸化クロム(Cr2O3)、コバルト緑(CoO・10ZnO)、コバルト・チタン・ニッケル・亜鉛グリーン(CoO・xTiO2・yNiO・zZnO)、コバルト・アルミ・クロムグリーン(CoO・xAl2O3・yCr2O3)、「黒色系」としてカーボンブラック(C)、鉄黒(Fe3O4)、銅・クロム系ブラック(CuCr2O4)、銅・鉄・マンガン系ブラック((Cu・Mn)Fe2O4・(Cu・Fe)Mn2O4)、コバルト・鉄・クロム系ブラックが挙げられる。また「体質・骨材系」として炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、ケイ藻土、含水微粉けい酸、タルク(滑石)、バライト、硫酸バリウム、炭酸バリウム、ケイ砂、ケイ石粉、石英粉、シリカ、ウオラストナイト、ガラスビーズが挙げられる。
【0025】難分解性に加工した顔料としては、顔料を難分解性材料で被覆することにより光触媒性半導体材料と併用して使用することができる。難分解性材料で被覆できる顔料としては無機顔料および有機顔料が使用できる。
【0026】ここで無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、酸化クロム、コバルトブルー、鉄黒などの金属酸化物系、アルミナホワイト、黄色酸化鉄などの金属水酸化物系、紺青などのフェロシアン化合物系、黄鉛、ジンクロメート、モリブデンレッドなどのクロム酸鉛系、硫化亜鉛、朱、カドミウムイエロー、カドミウムレッドなどの硫化物、セレン化合物系、バライト、沈降性硫酸バリウムなどの硫酸塩系、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウムなどの炭酸塩系、含水珪酸塩、クレー、群青などの珪酸塩系、カーボンブラックなどの炭素系、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末粉などの金属粉系、雲母・酸化チタン系などのパール顔料系などが挙げられる。
【0027】ここで有機顔料としては、ナフトールグリーンBなどのニトロソ系顔料、ナフトールSなどのニトロ顔料系、リソールレッド、ウォッチングレッド、レーキレッドC、ファストエロー、ナフトールレッドなどのアゾ顔料系、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料、ペレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレッド、イソインドリノンエローなどの縮合多環顔料系などが挙げられる。
【0028】ここで顔料を被覆する難分解性材料としては、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウムなどの不活性な酸化物や水酸化物、シリコーン系化合物、リン酸金属塩などであり、例えばアルミナ、シリカ、ジルコニア、加水分解性シラン、アルキルシリケ−ト、ポリオルガノシロキサン、アクリルシリコーン樹脂、シラノ−ル、水ガラス、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウム、リン酸アルミニウムなどが挙げられる。
【0029】難分解性材料は顔料を核ににしてその表面上に緻密に、または多孔質状に被覆する。あるいは難分解性材料と顔料を混合または分散させて硬化させた後に粉砕し、実質的に顔料を被覆する。また、難分解性材料は1種あるいは2種以上を併用して被覆することができる。2種以上の難分解性材料を併用して被覆する場合は、それぞれ別々に層を重ねて形成して被覆、または2種以上を共沈して一つの被覆層を形成して被覆する。
【0030】また、別の手段として、難分解性に加工した顔料としては、着色料を難分解性の体質顔料に吸収させることにより光触媒性半導体材料と併用して使用することができる。
【0031】ここで着色料としては溶性の有機顔料や染料が使用でき、有機顔料としてはアルカリブルーレッド、ローダミンキレートなどの染め付けレーキ顔料系、染料としては分散染料、油溶染料、塩基性染料、直接染料、酸性染料が挙げられる。
【0032】ここで難分解性の体質顔料としては、前記した耐酸化性と耐還元性を有する無機顔料の中の「体質・骨材系」が挙げられる。
【0033】ここで着色料を難分解性の体質顔料に吸収させる方法としては、水溶性の有機顔料や染料を体質顔料に吸収させ、つぎに金属塩類等を沈殿剤として加え、水溶性の着色料を不溶性に変えて固定する方法などが挙げられる。
【0034】着色剤を難分解性の体質顔料に吸収させた顔料は、さらに難分解性材料で被覆することにより、よりいっそう優れた耐久力を持つことができる。
【0035】着色料に変色防止剤を混合することにより、着色料の耐久性をあげることができる。変色防止剤としては、紫外線や光触媒反応で生じるラジカルなど活性種から着色料を保護するもので、紫外線吸収剤、ヒンダーアミン光安定剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0036】ここで紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン、例えばドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、スルホン酸を含んでいるヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルベンゾフェノン、ジカルボン酸の2,2',4'−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル、2−ヒドロキシ−4−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、2,2',4'−トリヒドロキシ−4'−アルコキシベンゾフェノンの脂肪族モノエステル、および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン。トリアゾール、例えば2−フェニル−4−(2'4'−ジヒドロキシベンゾイル)−トリアゾール、置換ベンゾトリアゾール、例えば2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−オクチルフェニル)−ナフトトリアゾールのようなヒドロキシフェニルトリアゾール。トリアジン、例えばトリアジンの3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル誘導体、ジアリル−4−ヒドロキシフェニルトリアジンの硫黄含有誘導体、ヒドロキシフェニル−1,3,5−トリアジンおよびスルホン酸基を含んでいるこのようなトリアジン、アリール−1,3,5−トリアジン、オルトヒドロキシアリール−s−トリアジン。ベンゾエート、例えばジフェニロールプロパンのジベンゾエート、ジフェニロールプロパンのt−ブチルベンゾエート、ノニルフェニルベンゾエート、オクチルフェニルベンゾエート、レゾルシノールベンゾエート。低級アルキルチオメチレン含有フェノール、置換ベンゼン、例えば1,3−ビス−(2'−ヒドロキシベンゾイル)−ベンゼン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸の金属誘導体、不斉シュウ酸ジアリールアミド、アルキルヒドロキシフェニルチオアルカン酸エステル、ジおよびトリペンタエリトリオールのジアルキルヒドロキシフェニルアルカン酸エステル、シュウ酸ジアミド、例えば4,4'−ジオクチルオキシ−5,5'−ジ−t−ブチルオキサニリド、2,2'−ジドデシルオキシ−5,5'−ジ−t−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2'−エチルオキサニリド、N,N'−ビス−(3−ジメチルアミノプロピル)−オキサニリド、および2−エトキシ−5−t−ブチル−2'−エチルオキサニリド、フェニルおよびナフタレンで置換されたシュウ酸ジアミド、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチル、α,α−ビス−(2−ヒドロキシフェノール)−ジイソプロピルベンゼン、3,5'−ジブロモ−2'−ヒドロキシアセトフェノン、その芳香族ヒドロキシ基に対してオルト位が少なくとも1つは未置換である4,4−ビス−(4'−ヒドロキシフェニル)−ペンタン酸のエステル誘導体、有機リン硫化物、例えばビス−(ジフェニルホスフィノチオイル)−一硫化物およびビス−(ジフェニルホスフィノチオイル)−二硫化物、4−ベンゾイル−6−(ジアルキルヒドロキシベンジル)−レゾルシノール、ビス−(3−ヒドロキシ−4−ベンゾイルフェノキシ)−ジフェニルシラン、ビス−(3−ヒドロキシ−4−ベンゾイルフェノキシ)−ジアルキルシラン、1,8−ナフタルイミド、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸誘導体、ビス−(2−ベンゾオキサゾールイル)−アルカン、ビス−(2−ナフトオキサゾールイル)−アルカン、アリールおよび複素環の置換基を含んでいるメチレンマロニトリル、アルキレンビスジチオカルバメート、メタクリル酸4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシエチル、アリールまたはアルキルで置換されたアクリロニトリル、3−メチル−5−イソプロピルフェニル−6−ヒドロキシクマロンなどが挙げられる。
【0037】ここでヒンダーアミン光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−セバケート、ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ブチルマロネート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ(4.5)−デカン−2,4−ジオン、トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ニトリロトリアセテート、1,2−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−3−オキソピペラジン−4−イル)−エタン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソジスピロ(5.1.11.2)ヘンエイコサン、2,4−ジクロロ−6−t−オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4'−ヘキサメチレンビス−(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)との重縮合生成物1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンと琥珀酸との重縮合生成物、4,4'−ヘキサメチレンビス−(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)と1,2−ジブロモエタンとの重縮合生成物、テトラキス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンと4,4'−ヘキサメチレンビス−(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)との重縮合生成物、N,N',N'',N'''−テトラキス((4,6−ビス−(ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−アミノ−s−トリアジン−2−イル)−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、混合(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル/β,β,β',β'−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)−ウンデカン)ジエチル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、混合(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル/β,β,β',β'−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)−ウンデカン)ジエチル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、オクタメチレンビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−カルボキシレート)、4,4'−エチレンビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン)、N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、N−1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、1−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ(4.5)−デカン−2,4−ジオン、ジ−(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−セバケート、ジ−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−スクシネート、1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン、ポリ−(6−t−オクチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)(2−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−イミノ)−ヘキシルメチレン−(4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−イミノ)、2,4,6−トリス−(N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ)−s−トリアジンなどが挙げられる。
【0038】ここで酸化防止剤としては、テトラキスアルキレン−(ジアルキルヒドロキシアリール)−アルキルエステルアルカン、例えばテトラキスメチレン−(3,3',5−ジブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートメタン、メタクリル酸グリシジルとp−アミノジフェニルアミンまたはn−ヘキシル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、ペンタエリトリトールテトラキス−(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス−(チオグリコレート)、トリメチロールエタントリス−(チオグリコレート)、N−(4−アニリノフェニル)−アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)−マレアミド酸、N−(4−アニリノフェニル)−マレイミド、イミドジカルボニル基またはイミドジチオカルボニル基を含んでいる複素環式窒素化合物へのカルボアルコキシ結合を有するアルキルヒドロキシフェニル基、3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシシンナモニトリル、エチル−ジ−t−ヘキシル−4−ヒドロキシキシナミド、β置換ヒドロキシフェニルプロピオン酸の置換ベンジルエステル、ビス−(ヒドロキシフェニルアルキレン)−アルキルイソシアヌレート、単独のまたはジアルキルチオジアルカノエートと組み合わせたハロゲン化テトラキスヒドロキシベンジルホスホニウム、単独のまたはジアルキルチオジアルカノエートと組み合わせたチオジメチリジンテトラキスフェノール、ホスフィットまたはホスホネート、ジヒドロキシカルビルヒドロキシフェニルアリールまたはアルキルのホスホナイト、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィット、ホスフィネートホスフィニット、ホスホロチオネート、またはホスフィノチオネート、ジフェニルビス−(35−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−シラン、ヒドロカルビルヒドロキシフェニルジヒドロカルビルジチオカルバメート、例えば3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルジメチルジチオカルバメートおよびアミノベンジルチオエーテルなどが挙げられる。
【0039】本発明の(C)難分解性着色料は、溶媒への分散、分散後の安定性を向上させるためシランカップリング剤、アルミキレート化合物、有機物などで表面処理を施すことができる。有機物による表面処理剤としてはトリメチロールメタン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリノール、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
【0040】本発明の塗料組成物に利用できる溶媒は、塗料組成物の(A)光触媒性半導体材料、(B)難分解性結着剤、(C)難分解性着色料とが分散するものであれば特に制限されない。例えば、アルコール類、エーテル類、アセトン、2−ブタノン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族、芳香族、脂環式の炭化水素、石油類等の一般的な有機溶媒や水が挙げられ、これらを単独、もしくは混合して用いることができる。中でも水及び/又は水溶性溶媒が好ましい。特に水が好ましい。
【0041】本発明の塗料組成物は、さらに必要に応じて分散安定剤、界面活性剤、消泡剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、香料、硬化剤などを添加することが可能である。
【0042】本発明の塗料組成物は、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、羽根式攪拌機、マグネチックスターラー、高速分散機、乳化機などにて混合、分散処理を行う。
【0043】本発明の塗料組成物を被覆可能な基材としては、無機材料、金属材料、有機材料あるいはそれらの複合体であり、特に限定されるものではない。例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの塗装体等である。
【0044】本発明の塗料組成物は着色を必要とするもので防汚効果、親水効果を期待される物品に適用される。着色効果は完全隠ぺいのものから着色ガラスのように透光性を有するものまで調整して適用できる。該塗膜被覆物品としては、建築物や構造物や車輌の外装や内装などが挙げられ、より具体的には、屋根材、瓦、カラートタン、カラー鉄板、窯業系建材、サイディング材、ケイカル板、セメント壁、アルミサイディング、カーテンウォール、塗装鋼板、石材、ALC、タイル、ガラスブロック、サッシ、ビルサッシ、網戸、雨戸、門扉、出窓、天窓、窓枠、トップライト、カーポート、サンルーム、ベランダ、ベランダ手すり、屋根樋、板ガラス、着色ガラス、ガラス用フィルム、太陽熱温水器等の集熱器用カバ−、エアコン室外機、店舗看板、サイン、広告塔、ショーケース、ショーウィンドウ、冷蔵・冷凍ショーケース、シャッタ−、屋外ベンチ、自動販売機、遮音壁、防音壁、道路化粧板、ガードフェンス、桁美装板、トンネル内装板、道路反射鏡、標識板、碍子、保護板、保護膜、料金所、料金ボックス、街灯、道路、舗装路、舗道、プラント外壁、プラント内壁、石油貯蔵タンク、煙突、機械装置、農業用ガラス、ガラス温室、ビニールハウス、テント、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、自転車、オ−トバイ、自動車用ガラス、キッチン設備部材、浴室設備部材、衛生陶器、陶磁器、便器、浴槽、洗面台、照明器具、台所用品、食器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフ−ド、換気扇、フィルム、ワッペンなどが挙げられる。
【0045】本発明による塗料組成物を塗布する手段はとくに限定されず、刷毛塗り、スポンジ塗り、スプレーコーティング、ロールコーティング、フローコーティング、スピンコーティング、ディップコーティングなどの方法が挙げられる。
【0046】本発明による塗料組成物は、その表面を着色し、防汚性または親水性としたい基材の表面に塗布され、その後乾燥または硬化されて被膜とされる。乾燥または硬化は、室温放置、強制乾燥、加熱、紫外線照射等によって実施することができる。
【0047】本発明の塗料組成物が適用される基材表面は清浄であることが好ましい。特に乗物筐体や建築物の外壁等、既設の基材に塗布する場合には、予め洗浄剤の使用など、公知の方法にて洗浄することが望ましい。
【0048】本発明による組成物を適用する前に、基材表面にアンダーコート層を設けることができる。アンダーコート層を設けることにより、本発明による塗料組成物に対する濡れ性を改善し、基材表面に均一に適用することができ、その結果、良好な光触媒性被膜を形成することができる。また、アンダーコート層は基材と光触媒性被膜とを強固に密着させる効果、基材の吸水や吸湿を抑える効果、基材の防錆の効果、立体的な凹凸模様を形成して特殊な意匠を付加する効果などを有することができる。
【0049】本発明の光触媒性半導体材料の光励起は、光半導体結晶の伝導電子帯と価電子帯との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−(すなわち短い波長)を有する光を光半導体に照射して行う。より具体的には、光半導体がアナタース型酸化チタンの場合には波長387nm以下、ルチル酸化チタンの場合には波長413nm以下、酸化錫の場合には波長344nm以下、酸化亜鉛の場合には波長387nm以下の光を含有する光線を照射する。
【0050】上記光半導体の場合は、紫外線光源により光励起されるので、光源としては、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内照明、太陽光や、それらの光源を低損失のファイバ−で誘導した光源等を利用できる。
【0051】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(調合例1)ベンガラ(戸田工業社製、140ED、酸化鉄Fe2O3、平均粒子径0.21μm)60部、分散剤(BASFジャパン社製、ピグメントディスパーザーMD−20)2.4部、消泡剤(サンノプコ社製、SNデフォーマー477)0.6部、蒸留水28部、プロピレングリコール9部の混合物をペイントシェーカーにて1時間分散させて着色材分散液を得た。この着色材分散液29.2部、光触媒性半導体材料としてアナタース型酸化チタンスラリー(石原産業社製、STS−21、固形分濃度40%、水溶媒、pH=9、平均粒子径=20nm)43.8部、難分解性結着材としてシリコーンアクリルエマルジョン溶液(信越化学工業社製、X−41−7001、固形分濃度42%、pH=7)83.3部、蒸留水33.8部、塩基性硬化触媒(信越化学工業社製、CAT−AS)10部の混合物をペイントシェーカーにて1時間分散させて塗料組成物Aを得た。塗料組成物Aの不揮発分濃度は35%、不揮発分中の着色材/光触媒/結着剤の重量比は1/1/2、不揮発分中のシリカ換算シリコン化合物の含有重量比は25%、揮発分中の水分の重量比は90%である。
【0052】(調合例2)調合例1において60部のベンガラに変えてチタン白(石原産業社製、タイペークCR−97、ルチル型酸化チタン、平均粒子径0.25μm)60部とし、あとは調合例1と同様に調合して塗料組成物Bを得た。塗料組成物Bの不揮発分濃度、不揮発分中の着色材/光触媒/結着剤の重量比、不揮発分中のシリカ換算シリコン化合物の含有重量比、揮発分中の水分の重量比は塗料組成物Aと同じである。
【0053】(調合例3)キナクリドンレッド(クラリアントジャパン社製、ホスタパームレッドE3B)10部、テトラエトキシシラン31.2部、シランカップリング剤(日本ユニカー社製、A−1120)1.5部、蒸留水22.2部、イソプロピルアルコール135部を攪拌しながら室温から徐々に温度を上げ80℃に保ち5時間攪拌後、120℃で3時間乾燥して固形物とし、さらにこの固形物を粉砕して表面被覆処理を施した着色材を得た。この着色材10部、光触媒性半導体材料としてアナタース型酸化チタンゾル(日産化学工業社製、TA−15、固形分濃度15%、水溶媒、pH=1、平均粒子径=12nm)66.7部、イソプロピルアルコール54.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテル16部の混合物をペイントシェーカーにて1時間分散させた後、マグネチックスターラーで攪拌しながら難分解性結着材としてメチルトリエトキシシラン53.1部を添加して、さらに室温で6時間攪拌を続けて塗料組成物Cを得た。塗料組成物Cの着色材中の有機顔料とシリコン系被覆物の重量比は1/1、不揮発分濃度は20%、不揮発分中の着色材/光触媒/結着剤の重量比は1/1/2、不揮発分中のシリカ換算シリコン化合物の含有重量比は63%、揮発分中の水分の重量比は30%である。
【0054】(調合例4)キナクリドンレッド(大日精化工業社製、アクアファインカラー AF Red E−17、固形分濃度40%、pH=9.0)43.8部、光触媒性半導体材料としてアナタース型酸化チタンスラリー(石原産業社製、STS−21)43.8部、難分解性結着材としてシリコーンアクリルエマルジョン溶液(信越化学工業社製、X−41−7001)83.3部、蒸留水18.6部、塩基性硬化触媒(信越化学工業社製、CAT−AS)10部、消泡剤(サンノプコ社製、SNデフォーマー477)0.6部の混合物をペイントシェーカーにて1時間分散させて塗料組成物Dを得た。塗料組成物Dの不揮発分濃度は35%、不揮発分中の着色材/光触媒/結着剤の重量比は1/1/2、不揮発分中のシリカ換算シリコン化合物の含有重量比は25%、揮発分中の水分の重量比は92%である。
【0055】(調合例5)ウォッチングレッド(冨士色素社製、SP Red 5357、固形分濃度24%、pH=9.569.2部、光触媒性半導体材料としてアナタース型酸化チタンスラリー(石原産業社製、STS−21)41.5部、難分解性結着材としてシリコーンアクリルエマルジョン溶液(信越化学工業社製、X−41−7001)79.1部、塩基性硬化触媒(信越化学工業社製、CAT−AS)9.5部、消泡剤(サンノプコ社製、SNデフォーマー477)0.6部の混合物をペイントシェーカーにて1時間分散させて塗料組成物Eを得た。塗料組成物Eの不揮発分濃度は33%、不揮発分中の着色材/光触媒/結着剤の重量比は1/1/2、不揮発分中のシリカ換算シリコン化合物の含有重量比は25%、揮発分中の水分の重量比は93%である。
【0056】(調合例6)キナクリドンレッド(大日精化工業社製、アクアファインカラー AF Red E−17)58.3部、難分解性結着材としてシリコーンアクリルエマルジョン溶液(信越化学工業社製、X−41−7001)111.1部、蒸留水16.6部、塩基性硬化触媒(信越化学工業社製、CAT−AS)13.3部、消泡剤(サンノプコ社製、SNデフォーマー477)0.6部の混合物をペイントシェーカーにて1時間分散させて塗料組成物Fを得た。塗料組成物Fの不揮発分濃度は35%、不揮発分中の着色材/結着剤の重量比は1/2、不揮発分中のシリカ換算シリコン化合物の含有重量比は33%、揮発分中の水分の重量比は89%である。
【0057】(調合例7)キナクリドンレッド(クラリアントジャパン社製、ホスタパームレッドE3B)10部、光触媒性半導体材料としてアナタース型酸化チタンゾル(日産化学工業社製、TA−15)66.7部、イソプロピルアルコール54.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテル16部の混合物をペイントシェーカーにて1時間分散させた後、マグネチックスターラーで攪拌しながら難分解性結着材としてメチルトリエトキシシラン53.1部を添加して、さらに室温で6時間攪拌を続けて塗料組成物Gを得た。塗料組成物Gの不揮発分濃度は20%、不揮発分中の着色材/光触媒/結着剤の重量比は1/1/2、不揮発分中のシリカ換算シリコン化合物の含有重量比は50%、揮発分中の水分の重量比は35%である。
【0058】(実施例1)150mm×65mmに裁断した厚さ3mmの石綿セメントけい酸カルシウム板(JIS−A5418に準拠したもの)に樹脂系プライマー(日本ペイント社製、ニッペウルトラシーラーII)を刷毛塗りで塗布し、室温にて24時間乾燥した。ついで調合例1で作製した塗料組成物Aを上記したプライマー塗装を行った石綿セメントけい酸カルシウム板上に刷毛塗りで塗布し、室温にて1週間乾燥し、被覆物試験板aを得た。
【0059】(実施例2)実施例1と同様にして、調合例2で作製した塗料組成物Bを前記したプライマー塗装を行った石綿セメントけい酸カルシウム板上に塗工し、被覆物試験板bを得た。
【0060】(実施例3)150mm×65mmに切断した厚さ1mmのガラス板をあらかじめ500℃に昇温し10分間加熱してガラス板表面に付着している汚れを焼き飛ばした後、室温まで徐冷した。ついで調合例1で作製した塗料組成物Aを刷毛塗りで塗布し、室温にて1週間乾燥し、被覆物試験板cを得た。
【0061】(実施例4)実施例3と同様にして、調合例2で作製した塗料組成物Bを前記したガラス板上に塗工し、被覆物試験板dを得た。
【0062】(実施例5)実施例3と同様にして、調合例3で作製した塗料組成物Cを前記したガラス板上に塗布し、120℃で2時間加熱し、被覆物試験板eを得た。
【0063】(比較例1)実施例1と同様にして、調合例4で作製した塗料組成物Dを前記したプライマー塗装を行った石綿セメントけい酸カルシウム板上に塗工し、被覆物試験板fを得た。
【0064】(比較例2)実施例1と同様にして、調合例5で作製した塗料組成物Eを前記したプライマー塗装を行った石綿セメントけい酸カルシウム板上に塗工し、被覆物試験板gを得た。
【0065】(比較例3)実施例3と同様にして、調合例4で作製した塗料組成物Dを前記したガラス板上に塗工し、被覆物試験板hを得た。
【0066】(比較例4)実施例3と同様にして、調合例6で作製した塗料組成物Fを前記したガラス板上に塗工し、被覆物試験板iを得た。
【0067】(比較例5)実施例5と同様にして、調合例7で作製した塗料組成物Gを前記したガラス板上に塗工し、被覆物試験板jを得た。
【0068】(評価)実施例および比較例に記載した被覆物試験板aから被覆物試験板jを、南向きの外壁で降雨が伝って流れ落ちる垂直面に固定し、屋外暴露試験を行った。暴露後10ケ月経過した後の評価結果を表1に示す。
【表1】

【発明の効果】本発明の塗料組成物は光触媒性半導体の機能をもつ耐久性に優れた着色塗膜を形成することができ、防汚性、耐久性、意匠性に優れた該塗膜被覆物品を提供することができる。




 

 


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