米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 東陶機器株式会社

発明の名称 耐摩耗性高強度銅合金部品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−11551(P2001−11551A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−179243
出願日 平成11年6月25日(1999.6.25)
代理人
発明者 久塚 清和 / 東 洋司 / 内尾 健司 / 成田 進
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 見かけ上のZn含有量を以下に示す意味で用いた場合、Zn含有量を37〜50wt%、Snを0.5〜7wt%含むことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品。
{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100A:Cu含有量(wt%)、B:Zn含有量(wt%)、t:SnのZn当量、Q:Sn含有量(wt%)
【請求項2】 銅合金部品は、以下の結晶組織のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品。
■結晶組織は、少なくともγ相を含み、その面積比率が、1〜50%■結晶組織は、少なくともβ相、γ相を含み、β相の面積比率が25〜45%、γ相の面積比率が25〜45%■結晶組織は、α相、β相、γ相を含み、α相の面積比率が30〜75%、β相の面積比率が0〜55%、γ相の面積比率が1〜50%■結晶組織は、γ相の短軸の平均結晶粒径が5μm以下【請求項3】 見かけ上のZn含有量を以下に示す意味で用いた場合、Zn含有量を37〜50wt%、Snを0.5〜7wt%含み、{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100A:Cu含有量(wt%)、B:Zn含有量(wt%)、t:SnのZn当量、Q:Sn含有量(wt%)
以下の結晶組織のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品。
■結晶組織は、少なくともγ相を含み、その面積比率が、1〜50%■結晶組織は、少なくともβ相、γ相を含み、β相の面積比率が25〜45%、γ相の面積比率が25〜45%■結晶組織は、α相、β相、γ相を含み、α相の面積比率が30〜75%、β相の面積比率が0〜55%、γ相の面積比率が1〜50%■結晶組織は、γ相の短軸の平均結晶粒径が5μm以下【請求項4】 銅合金部品は、以下の結晶組織のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品。
■結晶組織は、常温でα相面積比率が40〜94%、β相の面積比率が0〜30%、γ相の面積比率が3〜30%、α相及びβ相の平均結晶粒径が15μm以下、γ相の短軸の平均結晶粒径が8μm以下■480〜750℃の温度領域で平均結晶粒径が15μm以下、β相の面積比率30〜90%【請求項5】 見かけ上のZn含有量を以下に示す意味で用いた場合、Zn含有量を37〜46wt%、Snを0.5〜7wt%含み、{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100A:Cu含有量(wt%)、B:Zn含有量(wt%)、t:SnのZn当量、Q:Sn含有量(wt%)
以下の結晶組織のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品。
■結晶組織は、常温でα相面積比率が40〜94%、β相の面積比率が0〜30%、γ相の面積比率が3〜30%、α相及びβ相の平均結晶粒径が15μm以下、γ相の短軸の平均結晶粒径が8μm以下■480〜750℃の温度領域で平均結晶粒径が15μm以下、β相の面積比率30〜90%【請求項6】 請求項1から5記載の耐摩耗性高強度銅合金部品は、軸受け部品、軸などの摺動部品であることを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品。
【請求項7】 請求項1から6記載の耐摩耗性高強度銅合金部品表面の一部が表面改質されていることを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金。
【請求項8】 見かけ上のZn含有量を以下に示す意味で用いた場合、Zn含有量を37〜50wt%、Snを0.5〜7wt%含み、300〜550℃にて鍛造することを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品の製造方法。
{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100A:Cu含有量(wt%)、B:Zn含有量(wt%)、t:SnのZn当量、Q:Sn含有量(wt%)
【請求項9】 請求項8において、鍛造前の素材は、以下の結晶組織のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品の製造方法。
■結晶組織は、少なくともγ相を含み、その面積比率が、1〜50%■結晶組織は、少なくともβ相、γ相を含み、β相の面積比率が25〜45%、γ相の面積比率が25〜45%■結晶組織は、α相、β相、γ相を含み、α相の面積比率が30〜75%、β相の面積比率が0〜55%、γ相の面積比率が1〜50%■結晶組織は、γ相の短軸の平均結晶粒径が5μm以下【請求項10】 見かけ上のZn含有量を以下に示す意味で用いた場合、Zn含有量を37〜46wt%、Snを0.5〜7wt%含み、480〜750℃にて鍛造することを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品の製造方法。
{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100A:Cu含有量(wt%)、B:Zn含有量(wt%)、t:SnのZn当量、Q:Sn含有量(wt%)
【請求項11】 請求項1から6記載の耐摩耗性高強度銅合金を更に表面の少なくとも1部分に浸炭、窒化、イオン注入などの拡散による表面改質を行うことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品の製造方法。
【請求項12】 請求項1から6記載の耐摩耗性高強度銅合金を更に表面の少なくとも1部分を加熱後、水冷することにより表面改質を行うことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、民生機器に組み込まれるディスク回転装置やファンモータに使われる軸受け等に好適に用いられる耐摩耗性に優れた高強度の銅合金部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、黄銅は、加工性に優れているが、金属材料としては柔らかい部類に入り、耐摩耗性に劣っている為、AlやMnなどの元素を添加して、耐摩耗性を向上させるものが提案されていた。例えば、特公昭62―34823号に上記の金属に加え、金属間化合物をα相とβ相に添加させる高力黄銅系合金を鋳造により成形した部品が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した高力黄銅系の材料は、耐摩耗性に優れた面を持つ一方、一般の黄銅材料に比べかなり高価なものとなってしまう為、適用できる部品に制約を受けることになってしまったり、また、鋳造により成形することによるピンホールやひけなどの欠陥による製品歩留、直行率が悪いという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであって、見かけ上のZn含有量を以下に示す意味で用いた場合、Zn含有量を37〜50wt%、Snを0.5〜7wt%含むことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品である。
【0005】
{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100A:Cu含有量(wt%)、B:Zn含有量(wt%)、t:SnのZn当量、Q:Sn含有量(wt%)。
【0006】また、銅合金部品は、以下の結晶組織のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品である。
【0007】■結晶組織は、少なくともγ相を含み、その面積比率が、1〜50%■結晶組織は、少なくともβ相、γ相を含み、β相の面積比率が25〜45%、γ相の面積比率が25〜45%■結晶組織は、α相、β相、γ相を含み、α相の面積比率が30〜75%、β相の面積比率が0〜55%、γ相の面積比率が1〜50%■結晶組織は、γ相の短軸の平均結晶粒径が5μm以下。
【0008】また、銅合金部品は、以下の結晶組織のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品である。
【0009】■結晶組織は、常温でα相面積比率が40〜94%、β相の面積比率が0〜30%、γ相の面積比率が3〜30%、α相及びβ相の平均結晶粒径が15μm以下、γ相の短軸の平均結晶粒径が8μm以下■480〜750℃の温度領域で平均結晶粒径が15μm以下、β相の面積比率30〜90%。
【0010】また、見かけ上のZn含有量を以下に示す意味で用いた場合、Zn含有量を37〜50wt%、Snを0.5〜7wt%含み、300〜550℃にて鍛造することを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品の製造方法である。
【0011】
{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100A:Cu含有量(wt%)、B:Zn含有量(wt%)、t:SnのZn当量、Q:Sn含有量(wt%)。
【0012】また、見かけ上のZn含有量を以下に示す意味で用いた場合、Zn含有量を37〜46wt%、Snを0.5〜7wt%含み、480〜750℃にて鍛造することを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品の製造方法である。
【0013】
{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100A:Cu含有量(wt%)、B:Zn含有量(wt%)、t:SnのZn当量、Q:Sn含有量(wt%)。
【0014】また、上記耐摩耗性高強度銅合金を更に表面の少なくとも1部分に浸炭、窒化、イオン注入などの拡散による表面改質を行うことを特徴とする耐摩耗性高強度銅合金部品の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に示すような音響機器、家電機器の駆動モータ軸受けとして利用される動圧軸受け1は、図示しない回転軸が収まる貫通口2を有し、該貫通口内壁には、円周方向に複数の溝3が形成されている。この溝3は、対向する回転軸の外周面との間に作動流体(オイルなど)が封入され、この作動流体の動圧により径方向への荷重が支持されるような役割を担う。尚、本発明は、回転軸にも適用できることもちろんであり、溝は、この回転軸に設けてもよい。
【0016】次に、製造方法について説明する。図2は、鍛造の前の型を開放した図であり、図示しない制御手段により上ダイス4の案内孔4Aを移動可能な第1パンチ5が後退位置に配置されている。上ダイス4の対向位置には、下ダイス6が設けられ、更に、この下ダイス6の案内孔6Aを移動可能な第2パンチ7が、背圧をかけた状態にて下ダイス6内に位置している。8は、鍛造前の素材である。
【0017】まず、はじめに上ダイス4を下降させ下ダイス6と接触させ型締めを完了する。次に、第1パンチ5を素材へ向け挿入パンチする。この際、第1パンチ5の素材への荷重圧より小さな背圧を掛けている第2パンチ7は、若干下降することになり、素材は、下ダイス6内へ導かれる。第1パンチ5は、図示しない当り面により移動を阻止され、成形段階が終了する。
【0018】次に、第1パンチ5を上昇させた後(図5参照)、上ダイス4を上昇させ型を開放する(図6参照)。最後に、図7に示すように第2パンチ7を上昇させ、成形体を下ダイス6より取り出す。取り出された成形体は、切削加工を施すことにより最終部品1を成形する。
【0019】尚、貫通口2は、上記の鍛造工程において、貫通口2形成の工程を追加するようにしてもよい。
【0020】鍛造成形する素材としては、見掛け上のZn含有量が37〜50wt%、Sn含有量が0.5〜7wt%である組成のものを用いることができる。
【0021】ここで、「見掛け上のZn含有量」という用語は、AをCu含有量〔wt%〕、BをZn含有量〔wt%〕、tを添加した第3元素(例えばSn)のZn当量、Qをその第3元素の含有量〔wt%〕としたとき、「{(B+t・Q)/(A+B+t・Q)}×100」の意味で用いる。
【0022】また、素材は、以下の結晶構造の少なくとも一つを有する(後述する実施例1)。
【0023】■結晶組織は、少なくともγ相を含み、その面積比率が、1〜50%■結晶組織は、少なくともβ相、γ相を含み、β相の面積比率が25〜45%、γ相の面積比率が25〜45%■結晶組織は、α相、β相、γ相を含み、α相の面積比率が30〜75%、β相の面積比率が0〜55%、γ相の面積比率が1〜50%■結晶組織は、γ相の短軸の平均結晶粒径が5μm以下。
【0024】このような結晶構造とすることにより、鍛造温度300〜550℃の低温においても低温度域で再結晶を起こさせながら塑性変形させても、十分な延性を確保することができ、複雑な形状のものも成形できるようになる。すなわち、最終形状に近い成形が可能となるので、加工の少ない成形体を提供できる。このことは、切削性の向上の為に一般に添加していたPbをなくすことができることになり、環境に配慮した部品を提供できる。
【0025】また、見掛け上のZn含有量が37〜46wt%、Sn含有量が0.5〜7wt%である組成を用い、鍛造温度480〜750℃の温度で鍛造することで少なくとも以下の結晶組織をもつものも利用することもできる。この組織を持つものは、上記のものに比べ切削性を向上させることができる(後述する実施例2)。
【0026】■結晶組織は、常温でα相面積比率が40〜94%、β相の面積比率が0〜30%、γ相の面積比率が3〜30%、α相及びβ相の平均結晶粒径が15μm以下、γ相の短軸の平均結晶粒径が8μm以下■480〜750℃の温度領域で平均結晶粒径が15μm以下、β相の面積比率30〜90%。
【0027】次に、上記の方法にて成形した部品の特性を、図8に記載の実施例1及び実施例2の部品と同じ成分、結晶組織を持つ試験片を用いて、以下の試験方法にて評価した結果を図9に示す。
【0028】尚、比較例として、一般的に用いられる黄銅(C3771)を利用した〔試験方法〕。
【0029】
■摩耗量(耐摩耗性)、摩擦係数(耐摺動性):ピンオンディスク型摩擦摩耗試験 試験片形状:Φ11.29mmの円柱(接触面積1cm2)
相手材 :浸炭鋼(硬度650Hv)
条件 :雰囲気 ギヤオイル中 押しつけ圧力 10Kg/mm2 速度 60、1000m/min.。
【0030】

【0031】以上のように図9より本発明の実施例は、黄銅に比べ耐摩耗性、耐疲労性、硬度に優れた材料であることを示している。
【0032】このような特性は、上述した軸受けの溝部の金属疲労によるかけや摩耗を防ぎ製品寿命を向上させるのもである。従って、軸受けのような摺動部品や歯車等に好適に利用できる。
【0033】また、以上の結晶組織によれば、以下の■に示す特性が得られる。
【0034】■日本伸銅協会技術標準(JBMA T−303)による脱亜鉛腐食試験で最大脱亜鉛深さが、加工方向と平行な場合は100μm以下、加工方向と直角な場合は70μm以下という耐食性。
【0035】■円筒形試料を14%アンモニア水溶液上のアンモニア雰囲気中に応力180N/mm2の荷重を加えながら24時間暴露したとき試料が割れない、という耐SCC性。
【0036】この耐SCC性試験は、図10に示すように、ガラスデジケータ9内で円筒状の試料10に垂直に荷重を加えた状態で、NH3蒸気雰囲気中に24時間暴露した後、割れの発生を調査した。
【0037】■250N/mm2以上の0.2%耐力又は降伏応力。
【0038】■耐エロージョン腐食性。図11は、その耐エロージョン腐食性試験の方法を示している。耐エロージョン腐食性試験では、図11に示すように、オリフィス11を内部に有する円筒状試料12を用い、そのオリフィス11に水を流速40m/secで所定時間流した後、4.9×105Pa(5Kg/cm2)の水圧下でオリフィス11をシールするのに要する樹脂栓13への締めつけトルクを測定した。
【0039】図11の試験の結果は図12に示す通りであり、上記の結晶組織を有する黄銅材は従来公知の黄銅材よりも良好な特性を得た。
【0040】更に、上記した部品の一部(例えば、摺動面)に浸炭、窒化、浸硫といった拡散などによる表面改質処理を施してもよい。特に、本発明の組織は、表面を高周波などの加熱手段を用いて、水冷することで、強度や伸延性などの諸特性が向上する性質を有するので、前記した他の成分の拡散を利用することをしないので、簡便に表面改質を図ることができる。尚、この性質は、一般の黄銅では、見られないものである。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、一般の黄銅とほぼ同じ金属を用いて、その成分、結晶を制御することで、高強度で、耐摩耗性、耐摺動性、耐疲労性に優れた銅合金を提供でき、しかも、量産性に優れる鍛造が低温で好適に利用できるので、経済的も優れた部品の提供をすることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013