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発明の名称 耐凍害性及び加工特性に優れた珪酸カルシウム系成形体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−206762(P2001−206762A)
公開日 平成13年7月31日(2001.7.31)
出願番号 特願2000−12796(P2000−12796)
出願日 平成12年1月21日(2000.1.21)
代理人
発明者 澤邊 則彦 / 三上 浩 / 長井 正明
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】20〜27%(重量%、以下同じ)のポルトランドセメント、消石灰に換算して13〜18%の生石灰又は消石灰、43〜50%の、珪藻土と珪酸質中空体より成り珪酸質中空体が20%以上である珪酸質材料、4〜9%のパーライト、4〜7%のパルプ、0.2〜1%の有機質繊維と、適量の混和剤と水とを混合しスラリーとし、次にこのスラリーをプレスにより脱水成型して成形体を製造し、更に該成形体をオートクレーブ養生および乾燥してなる、耐凍害性及び加工特性に優れた珪酸カルシウム系成形体。
【請求項2】珪酸質中空体が、CFビーズ及び/又はシラスバルーンである、請求項1に記載の、耐凍害性及び加工特性に優れた珪酸カルシウム系成形体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内、外装材として使用される耐凍害性及び加工特性に優れた珪酸カルシウム系成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築材料としての珪酸カルシウム系成形体には、軽量性、耐凍害性、加工性、加工時寸法安定性及び不燃性を具備すること、更には建築用材料として低価格であることが要求される。これらの要求特性を付与する手段として、例えば、成形体の吸水率を低減し耐凍害性を向上させ且つ軽量化を図るため、無機質軽量骨材としてパーライト、ガラスバルーン、有機質軽量骨材としてポリスチレンビーズ、ポリ塩化ビニリデンバルーン、ポリプロピレンバルーン、フェノールバルーン、発泡ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル等の各種軽量骨材の使用が検討されてきた。
【0003】しかしながら、これらの軽量骨材は、内、外装材などの建築材料用成形材に要求される前記複数の要求特性を満足するものではなかった。例えば、パーライト以外は、建築用材料として汎用的に使用されるには高価過ぎ、また、有機質系軽量骨材は可燃性であるため不燃性において満足の行く成形体を与えず、更に、どの軽量骨材も十分な耐凍害性を示す成形体を与えないのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強度特性の点では従来品と同程度の性能を示し且つ、汎用的使用が十分可能なコストで製造可能な、耐凍害性及び加工性に優れていることは勿論のこと、軽量性、不燃性にも優れた珪酸カルシウム系成形体の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、無機系軽量骨材として従来使用されていた珪藻土が耐凍害性を阻害する事を見出し、それに代わるものの検討を行ったところ、中空球状フライアッシュビーズ(以下、CFビーズと称す)等の珪酸質中空体を使用したものが、前記課題を解決した成形体を与えることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、20〜27%(重量%、以下同じ)のポルトランドセメント、消石灰に換算して13〜18%の生石灰又は消石灰、43〜50%の、珪藻土と珪酸質中空体より成り珪酸質中空体が20重量%以上である珪酸質材料、4〜9%のパーライト、4〜7%のパルプ、0.2〜1%の有機質繊維と、適量の混和剤と水とを混合しスラリーとし、次にこのスラリーをプレスにより脱水成型して成形体を製造し、更に該成形体をオートクレーブ養生および乾燥してなる、耐凍害性及び加工特性に優れた珪酸カルシウム系成形体に関するものである。以下に、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、ポルトランドセメントの使用量は、20〜27%(重量%、以下同じ)とする。ポルトランドセメント量が20%より少ないと、製品の耐久性や曲げ強度が小さくなる。一方、ポルトランドセメント量が27%より大であると、製品比重が大きくなるだけでなく、釘打ち、鋸引き等の加工性の低下に繋がる。ポルトランドセメントは、普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩、低熱等のポルトランドセメントが使用出来るが、普通ポルトランドセメントの使用で十分である。
【0007】珪酸質原料としては珪藻土と、珪酸質中空体としてCFビーズまたはシラスバルーンを使用するが、珪酸質中空体はそれぞれ単独又は混合物として使用することが出来る。珪石粉の使用は製品軽量化の面から好ましくない。尚、CFビーズは、フライアッシュを加熱発泡させて製造される、珪酸カルシウムより成る中空球状粒子であり、各種粒径のものが市販されており、当該市販品を利用することが出来るが、強度の維持と耐凍害性向上とを両立させるには、20〜300μm粒径のものの使用が好ましい。一方、シラスバルーンは、シラスを加熱発泡させて製造される、CFビーズと同じく珪酸カルシウムを主成分として成る中空球状粒子である。
【0008】生石灰または消石灰を消石灰換算で13〜18%使用した場合における、珪藻土とCFビーズの合量、または、珪藻土とシラスバルーンの合量で示される珪酸質量は、43〜50%となるようにする。珪酸質量が43%より少ないと、珪酸カルシウム形成用のシリカ源が不足することになり、製品の曲げ強度の低下をもたらす。一方、珪酸質量が50%を越えると、未反応のシリカ分が成形体中で欠陥として存在する事になり、製品の曲げ強度が小さくなり、且つ脆くなる。
【0009】CFビーズまたはシラスバルーンによる珪藻土の置換率は、20〜60%、好ましくは、30〜50%の範囲にある様にする。CFビーズまたはシラスバルーンによる珪藻土の置換率が20%より小であると、耐凍害性改善効果が十分に発現せず、一方、置換率が60%より大となると、製品の曲げ強度の低下を招くだけでなく、製造コストの上昇にも繋がり、好ましくない。
【0010】生石灰または消石灰は、ポルトランドセメントの水和反応で生成する水酸化カルシウム(刺激剤)の不足を補い、珪藻土とのポゾラン反応に寄与する。生石灰または消石灰の量は消石灰換算で13〜18%とする。
【0011】パーライトの添加量は4〜9%とする。パーライトは、製品の軽量化とスラリー脱水成形工程におけるろ過助材の役割を担っているので、添加量が少ないと脱水成形時に層剥離が生じ易くなり、所定の比重を有する製品が得られない。一方、添加量が多すぎると、材料分離が生じ易くなり、スラリー上面にパーライトが浮き、そのままプレス成形すると製品表面の美観が損なわれるだけでなく、所定の比重、曲げ強度を持つ製品が得られなくなる。
【0012】本発明では、製品の強度向上と軽量化を図るため、更にパルプとパルプ以外の有機質繊維を添加する。パルプは、予め綿状に解繊したものを水と混合し、パルプ−水混合物として使用する。パルプは、強度特性の点から、麻パルプまたはサイザルパルプの使用が好ましい。パルプは、添加量が少ないと製品の釘引抜き抵抗性や釘打ち、鋸引き等の加工性が低下し、多すぎると、製品の不燃性が損なわれる事から、その量は4〜7%とする。
【0013】有機質繊維は、市販されている通常の繊維が使用できるが、添加目的からして、強度的に優れたものが当然、好ましい。また、添加効果の向上には、分散性の良好なものが好ましく、且つ、アルカリ雰囲気下でのオートクレーブ養生に耐えるものが好ましい。この条件を満たす繊維としては、ポリプロピレン繊維またはアクリル繊維を挙げる事が出来る。有機質繊維の添加量は、0.2〜1%とする。少なすぎると十分な添加効果が発現せず、多すぎると、製品の不燃性の低下を招く。本発明で使用する有機質繊維の繊維長は、3〜20mm、好ましくは6〜12mmの範囲のものを使用することにより、無機材料との混合性に優れているだけでなく、特性的に優れた成形体を得ることが可能となる。
【0014】本発明の珪酸カルシウム系成形体の製造においては、上述した成分原料に加えて、セメント製品製造の際に一般的に使用されている、AE剤、AE減水剤、高性能減水剤等の混和剤を、それぞれ単独でもしくは併用して使用する。単独で使用する場合の添加量は、水と混和剤を除くスラリー原料の総重量に対してAE剤が0.05〜0.15%、AE減水剤が0.2〜1%、高性能減水剤が0.5〜3%である。
【0015】本発明の珪酸カルシウム系成形体を製造する第一工程は、原材料を水と混合してスラリーを調製する工程である。該工程では、パルプと水とを所定量混合してパルプ濃度約2%のパルプ−水混合物を先ず調製し、次いで、該パルプ−水混合物に、所定量のポルトランドセメント、生石灰又は消石灰、珪藻土、CFビーズ、パーライト、有機質繊維、更に混和剤を加えて3〜5分間混合し、スラリーを調製する。成形はプレス成形で行うが、スラリーをプレス成型機に移し、成形圧力20〜40Kg/cm2で60〜180秒間プレス成形して、成形体が製造される。成形後の成形体はプレス成型機から取り出し、20時間以上静置後、温度150〜180℃、圧力5〜10Kg/cm2の条件下で4〜8時間オートクレーブによる養生を行う。養生物は、100〜120℃で24時間以上乾燥し、製品である、一般的には板状の、珪酸カルシウム系成形体が製造される。
【0016】
【実施例】実施例及び比較例以下に、具体例を示して、本発明の珪酸カルシウム系成形体を更に詳しく説明する。
(1)組成水170リットルに麻パルプ3.5Kgを加え、約2%濃度のパルプ−水混合物を調製した。該パルプ−水混合物を混合槽に移し、普通ポルトランドセメント、消石灰、珪藻土または珪藻土+珪藻土置換材料、パーライト、ポリプロピレン繊維、更に混和剤等の普通一般に使用される少量の添加材を加えて攪拌混合し、スラリーを調製した。各成分の比は、普通ポルトランドセメント:約25%、消石灰約:16%、珪藻土または珪藻土+珪藻土置換材料:約44%、パーライト:約8%、麻パルプ:約7%、及び、ポリプロピレン繊維:約1%となるようにしたが、事例毎の割合は、表1に示す通りである。珪藻土は平均粒径23μmのものを使用し、それを置換する材料として、CFビーズ(粒径80〜100μm)、シリカヒューム(粒径0.1〜0.2μm)、EVA粉末(粒径0.3mm以下)を用いた。これ等は何れも市販品である。置換材料による珪藻土置換率X(%)は、材料全体中において珪藻土置換材料が占める割合が、44*X/100重量%であることを示す。尚、エチレンと酢酸ビニル共重合体よりなる中空球状粒子であるEVAは珪酸質中空体ではないが、表中では便宜上、SiO2成分欄に示されている。
【0017】添加材としては、水と添加材を除くスラリー原料の総重量に対して、AE剤(商品名:ヴィンソル、山宗化学社製)を0.1重量%使用した。
【0018】
【表1】

【0019】(2)成形ここでは、機械的特性評価及び凍結融解試験用成形体の製造方法について説明し、加工性評価用成形体の製造法については後述する。前記スラリーを100tプレス成型機に移し、成形圧力40/cm2で60秒間プレスし、成形体を得た。成型機から取り出された成形体は、室温で24時間静置後、180℃、10kg/cm2の条件下で5時間オートクレーブ養生を行った後、105℃で24時間乾燥し、320mm×320mm×20mmの成形体を得た。
【0020】(3)成形体の機械的特性は、次の方法に則り測定した。
・嵩比重 :JIS A5418・曲げ強度 :JIS A1408・硬さ :JIS Z2117・引張り強度:JIS Z5536機械的特性評価の結果を表3に示す。
【0021】(4)凍結融解試験は、表2に示すように、ASTM C666A法に則って実施した。凍結融解試験の結果は図1に示す。
【0022】
【表2】

【0023】(5)加工性評価加工性については、■モールダーによる加工性試験、及び■NCルーターによる加工性試験を行った。
■モールダーによる加工性試験は、1200tプレスを用いて成形した1020mm×3100mm×20mmの成形体について、モールダー(桑原製作所製)を使用して図2に示す形状の規格品に切削加工し、加工可能な本数を測定した。切削条件は、軸回転数:6000rpm、送り速度:10m/分 である。
■NCルーターによる加工性試験は、上述の方法で成形した成形体から切出された幅500mm×長さ2900mm大きさのボードについて、NCルーター(庄田鉄鋼製)を用いて、回転数:1000rpm、送り速度:4m/分 の切削条件下で、図3に示す幅12mm×深さ10mm×長さ60000mmの溝加工を行い、切削性、刃物摩耗性を測定した。加工性評価結果は表4に示す。
【0024】
【表3】

【0025】
【表4】

【0026】図1に示されるように、ここに示した代替物で珪藻土を置き換えることにより、凍結融解サイクルに伴う厚み変化率は低下する、すなわち、耐凍害性が向上する。CFビーズにおいて、対珪藻土置換率の増加に伴って耐凍害性は向上し、20%の置換では、比較として示した、優れた耐凍害性を有する製品として知られている市販の押出し成形板と同程度の耐凍害性を示すものを与える。シリカヒュームも耐凍害性に関する限り、CFビーズと同程度の効果を示す。一方、EVAの耐凍害性改善効果は、CFビーズ、シリカヒュームに劣る。
【0027】機械的特性、加工特性も珪藻土置換物質の影響を受ける。CFビーズ置換では、引張強度がわずかに低下するが、実用的には問題のない範囲である。シリカヒューム置換では、機械的特性は改善されるが、後述するように、この改善が加工特性の低下に繋がり、また、軽量化ではマイナス要因として働く。EVA20%置換品では、曲げ強度の低下傾向が見られるだけでなく、EVA自体が高価であることから、CFビーズ置換に比して材料費の大幅な上昇を招きこの点からも好ましいものではない。
【0028】CFビーズ置換体は、今回測定した全ての項目において優れた加工特性を示す。一方、シリカヒューム置換体は、硬度が増したことにより加工特性の低下が発現し、本発明の課題を解決するものではない。
【0029】
【発明の効果】本発明の珪酸カルシウム系成形体は、従来の珪酸カルシウム系成形体に比して耐凍害性が大幅に改善されているのは勿論のこと、加工特性も大幅に改善されている。また、機械的特性についても、従来品に比して遜色のない値を示す。すなわち、本発明の成形体は、耐久性と共に良好な加工特性の要求される建築物内外装板の提供を可能にした。




 

 


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