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発明の名称 熱硬化性組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−115006(P2001−115006A)
公開日 平成13年4月24日(2001.4.24)
出願番号 特願平11−300586
出願日 平成11年10月22日(1999.10.22)
代理人
発明者 三輪 孔之 / 国村 勝
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物100重量部、アクリル(コ)ポリマー0.1〜100重量部、及び熱カチオン重合開始剤0.1〜20重量部から成る熱硬化性組成物。
【請求項2】 分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物が式(1)で表される化合物である、請求項1記載の熱硬化性組成物。
【化1】

(式中、R1、R2は水素原子叉は炭素数1〜6のアルキル基であり、xは0〜12の整数を表す。Aは、x=1の場合はアルキレン基(炭素鎖内部に、不飽和結合、脂肪族炭化水素環、又は芳香環を形成していてもよい)を表し、x=2〜12の整数の場合はエチレン基を表す。)
【請求項3】 アクリル(コ)ポリマーが(メタ)アクリル酸エステル(コ)ポリマーである、請求項1記載の熱硬化性組成物。
【請求項4】 分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物100重量部、アクリル(コ)ポリマー0.1〜100重量部、及び熱カチオン重合開始剤0.1〜20重量部から成る光学分野用熱硬化性組成物。
【請求項5】 請求項1記載の熱硬化性組成物を熱硬化させて得られる熱硬化物。
【請求項6】 分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物100重量部に対してアクリル(コ)ポリマーを0.1〜100重量部溶解させ、次いで、オキセタン環を有する化合物100重量部に対して熱カチオン重合開始剤を0.1〜20重量部添加し、オキセタン環を有する化合物を開環重合させることを特徴とする熱硬化物の製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性組成物(特にオキセタン環を有する化合物を含んで成る熱硬化性組成物)、その製造法、及びその硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物に関する。このような熱硬化性組成物は、鉄等の金属や、プラスチック、コンクリート、木材などの基材表面に、硬度、透明性等に優れた塗膜を形成させることができ、例えば、光学分野、コーティング用途、塗料分野、印刷分野などに有用である。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性組成物、特にオキセタン環を有する化合物を含んで成る熱硬化性組成物としては、特開平11−43540号公報に、オキセタン環を有する化合物と2個以上のカルボキシル基を有する化合物とから成る熱硬化性オキセタン組成物が開示され、特開平11−60702号公報に、オキセタン環を有する化合物と官能性酸無水物又は遊離酸酸無水物とから成る熱硬化性オキセタン組成物が開示されている。しかし、これら公報には、オキセタン環を有する化合物とアクリル(コ)ポリマーを含んで成る熱硬化性組成物は記載されていない。
【0003】一方、特開平8−245783号公報には、重合性化合物の収縮が少なく、医療用及び歯科用を目的とする使用に適している、オキセタン環を有する化合物とポリアルキルメタクリレートを含有する重合硬化性材料が開示されている。しかしながら、この公報には、得られる重合硬化物に透明性が要求される、光ディスク、ICカード(光コード)、プラスチックレンズ、プラスチック光ファイバー、光ファイバーコーティング材等の光学分野の重合硬化性材料については何ら記載されていない。
【0004】特開平10−212343号公報には、(A)エポキシ基を有する化合物、(B)オキセタン環を有する化合物、(C)グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(グリシジルメタクリレート等)とその他の重合性モノマー(メチルメタクリレート等)との共重合体、及び(D)紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤を含有する紫外線硬化型缶用塗料組成物が開示されている。しかし、このような組成物は、得られる重合硬化物の透明性などの点で充分に満足できるものではない。
【0005】また、前記のような紫外線硬化性組成物は、紫外線を照射できない大型部品や紫外線を照射できない構造をもつ物品に対しては適用が困難であり、高価な紫外線照射装置が必要になるなどの問題も有していた。そこで、前記問題を解決できると共に、紫外線照射によらない硬化性組成物が熱望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性に優れた重合硬化物を与える、紫外線照射を必要としない重合硬化性材料(即ち、熱硬化性組成物、特に光学分野用熱硬化性組成物)を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、オキセタン環を有する化合物100重量部、アクリル(コ)ポリマー0.1〜100重量部、及び熱カチオン重合開始剤0.1〜20重量部から成る熱硬化性組成物(又は光学分野用熱硬化性組成物)、その製造法、及び該組成物を熱硬化させて得られる熱硬化物により解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】〔分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物〕本発明で使用されるオキセタン環を有する化合物としては、分子中に1〜4個のオキセタン環を有する下記化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が好適に挙げられる。
【0009】このうち、分子中に1個のオキセタン環を有する化合物としては、式(2)で表されるモノオキセタン化合物が挙げられる。
【0010】
【化2】

(式中、R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
【0011】式(2)において、R3としては、水素原子や、メチル基、エチル基、n−(又はiso−)プロピル基、n−(又はiso−、sec−)ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられるが、中でも、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、その中でも、メチル基、エチル基が更に好ましい。
【0012】前記モノオキセタン化合物としては、例えば、3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどが挙げられるが、中でも、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが好ましい。なお、モノオキセタン化合物は、1,1,1−トリメチロールアルカンと炭酸ジアルキルから環状カーボネートを生成させ、次いで脱炭酸する方法により合成される(J.Am.Chem.Soc.,1957,79参照)。
【0013】分子中に2個のオキセタン環を有する化合物としては、式(1)で表されるビスオキセタン化合物が好適に挙げられる。このような化合物としては、次のものが挙げられる。
■x=0である、モノエーテルビスオキセタン類■x=1で、Aがアルキレン基(炭素鎖内部に、不飽和結合、脂肪族炭化水素環、又は芳香環を含んでいてもよい)である、ジエーテルビスオキセタン類■x=2〜12の整数で、Aがエチレン基である、ポリエーテルビスオキセタン類【0014】
【化3】

(式中、R1、R2は水素原子叉は炭素数1〜6のアルキル基であり、xは0〜12の整数を表す。Aは、x=1の場合はアルキレン基(炭素鎖内部に、不飽和結合、脂肪族炭化水素環、又は芳香環を形成していてもよい)を表し、x=2〜12の整数の場合はエチレン基を表す。)
【0015】式(1)で表される化合物において、R1、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。該化合物の中では、R1、R2が互いに同一であるものが好ましいが、中でも、R1、R2が互いに同一で、水素原子、メチル基、エチル基のいずれかであるものが好ましく、その中でも、R2、R3が互いに同一で、メチル基、エチル基のいずれかであるものが更に好ましい。
【0016】前記の■モノエーテルビスオキセタン類としては、例えば、ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エーテル、ビス[(3−メチル−3−オキセタニル)メチル]エーテルなどが挙げられる。なお、モノエーテルビスオキセタン類は、例えば、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンのp−トルエンスルホニルクロライドを反応させることにより合成される。
【0017】前記の■ジエーテルビスオキセタン類において、アルキレン基(X)は、炭素鎖内部に、不飽和結合、脂肪族炭化水素環、又は芳香環を形成しているものであってもよい。即ち、アルキレン基としては、エチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜12のアルキレン基が挙げられるが、更に、式(3)で表される基などの炭素鎖内部に不飽和結合(炭素−炭素二重結合等)を形成している炭素数4〜6のアルキレン基や、式(4)で表される基などの炭素鎖内部に脂肪族炭化水素環(シクロヘキサン環等)を形成している炭素数2〜6(環の炭素原子を除く)のアルキレン基や、キシリレン基及び式(5)で表される基などの炭素鎖内部に芳香環(ベンゼン環等)を形成している炭素数2〜6(環の炭素原子を除く)のアルキレン基(o−、m−、p−等の各異性体を含む)なども挙げることができる。
【0018】
【化4】

【0019】ジエーテルビスオキセタン類としては、例えば、1,2−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エタン、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサンや、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)−2−ブテンや、1,4−[ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]シクロヘキサンや、1,4−[ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4,4’−[ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ビフェニル、4,4’−[ビス(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ビフェニルなどが挙げられる。
【0020】なお、ジエーテルビスオキセタン類は、例えば、相当するジブロマイド(キシリレンジブロマイド、エチレンジブロマイド等)と3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを反応させることによって合成される。
【0021】前記の■ポリエーテルビスオキセタン類としては、例えば、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルなどが挙げられる。なお、ポリエーテルビスオキセタン類は、例えば、相当するポリエチレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等)と3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンのp−トルエンスルホニルクロライドを反応させることにより合成される。
【0022】分子中に3又は4個のオキセタン環を有する化合物としては、式(6)で表される化合物が好適に挙げられる。
【0023】
【化5】

(式中、R4は前記R1と同様であり、Zは3価又は4価の基を表し、nは3又は4である。なお、Zは、置換基を有していてもよい3価又は4価の炭化水素基、式(7)で表される3価又は4価の基、又は式(8)で表される3価又は4価の基を表す。)
【0024】
【化6】

(式中、Y1は置換基を有していてもよい3価又は4価の炭化水素基で、pは3又は4である。)
【0025】
【化7】

(式中、Y2は置換基を有していてもよい3価又は4価の炭化水素基で、qは3又は4である。)
【0026】前記Zのうち、置換基を有していてもよい3価又は4価の炭化水素基としては、例えば、式(9)〜(11)等で表される炭素数1〜12の3価又は4価の脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
【0027】
【化8】

(式中、R5は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0028】前記Zのうち、式(7)で表される3価又は4価の基としては、例えば、Y1が3価又は4価の芳香族炭化水素基であるものが挙げられる。Y1としては、次式で表される3価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
【0029】
【化9】

【0030】前記Zのうち、式(8)で表される3価又は4価の基としては、例えば、Y2が、3価又は4価の、脂肪族又は芳香族炭化水素基が挙げられる。Y2としては、次式で表される3価の脂肪族又は芳香族炭化水素基などが挙げられる。
【0031】
【化10】

【0032】分子中に3又は4個のオキセタン環を有する化合物としては、式(6)において、R4が前記アルキル基で、Zが式(9)で表される炭素数1〜12の3価の脂肪族炭化水素基であるものや、R4が前記アルキル基で、Zが式(7)で表される3価又は4価の基であるものが好ましい。更には、式(6)において、R4がエチル基で、Zが式(9)で表される炭素数1〜12の3価の脂肪族炭化水素基で、R5がエチル基であるものや、R4がエチル基で、Zが式(7)で表される3価又は4価の基であるものの中で下記式で表されるもので、かつq=3であるものがより好ましい。
【0033】
【化11】

【0034】なお、前記式(6)で表される、分子中に3又は4個のオキセタン環を有する化合物は、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを出発原料として、式(1)で表されるビスオキセタン化合物と同様の方法により合成される。
【0035】〔アクリル(コ)ポリマー〕本発明で使用されるアクリル(コ)ポリマー、即ち、熱可塑性アクリル(コ)ポリマーとしては、アクリルモノマーとして(メタ)アクリル酸エステルを使用して得られるアクリル(コ)ポリマー、即ち、(メタ)アクリル酸エステルを重合させて生成する(メタ)アクリル酸エステル(コ)ポリマーが好適に挙げられる。なお、(コ)ポリマーはポリマー又はコポリマーを表し、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸を表す。
【0036】前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数が1〜20(好ましくは1〜16)でかつオキセタン環又はエポキシ基を置換基として有していないアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルや、炭素数が5〜12(好ましくは5〜7)でかつオキセタン環又はエポキシ基を置換基として有していないシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸シクロアルキルなどが挙げられる。前記のアルキル基やシクロアルキル基はハロゲン原子等で更に置換されていてもよい。また、前記アルキル基は、2−エトキシエチル基等の、アルキル基を構成する炭素鎖が少なくとも1個のエーテル結合を介して形成されているものであっても差し支えない。
【0037】前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、パーフルオロブチル基、2−(パーフルオロイソノニル)エチル基等が具体的に挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基等が具体的に挙げられる。そして、前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸パーフルオロブチル、(メタ)アクリル酸2−(パーフルオロイソノニル)エチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が具体的に挙げられる。また、前記(メタ)アクリル酸エステル(コ)ポリマーとしては、これら(メタ)アクリル酸エステルの(コ)ポリマー等が具体的に挙げられる。
【0038】アクリル(コ)ポリマーの中では、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等のポリ(メタ)アクリル酸アルキルが好ましいが、その中でも、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のポリメタクリル酸アルキルが更に好ましい。なお、アクリル(コ)ポリマーは単独又は複数で使用できる。
【0039】本発明では、アクリル(コ)ポリマーは、前記アクリル(コ)ポリマーに加えて、エポキシ基含有アクリル(コ)ポリマーを含んでいてもよい。即ち、アクリル(コ)ポリマーは、前記アクリルモノマーに加えて、エポキシ基含有アクリルモノマーを(コ)ポリマーの構成単位として含んでいてもよく(前記アクリルモノマーとエポキシ基含有アクリルモノマーとの共重合物であってもよく)、前記アクリル(コ)ポリマーとエポキシ基含有アクリル(コ)ポリマーとの混合物であってもよい。エポキシ基含有アクリルモノマー又はエポキシ基含有アクリル(コ)ポリマーは、これらエポキシ基含有のアクリルモノマー又はアクリル(コ)ポリマーも含めたアクリル(コ)ポリマー全量中に0〜90重量%、更には0〜80重量%の割合で含有されていることが好ましく、単独又は複数で使用できる。
【0040】前記エポキシ基含有アクリルモノマーとしては、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(即ち、エポキシ基含有アルコールの(メタ)アクリル酸エステル)が好適に挙げられ、エポキシ基含有アクリル(コ)ポリマーとしては、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(コ)ポリマーが好適に挙げられる。
【0041】前記エポキシ基含有アルコールとしては、アルキル基の炭素数が1〜4(好ましくは1〜2)で、かつそのアルキル基がエポキシ基を置換基として有するエポキシアルキルアルコールや、シクロアルキル基の炭素数が5〜12(好ましくは5〜7)で、かつそのシクロアルキル基がエポキシ基を置換基として有するエポキシシクロアルキルアルコールなどが挙げられる。なお、この場合のアルキル基やシクロアルキル基はハロゲン原子等で更に置換されていてもよい。
【0042】前記エポキシ基含有アルコールとしては、例えば、グリシジルアルコール、3,4−エポキシシクロヘキシルメタノール等が具体的に挙げられる。そして、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等が具体的に挙げられる。また、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(コ)ポリマーとしては、これらエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルの(コ)ポリマー等が具体的に挙げられる。
【0043】エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルの中では、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましいが、その中でも、メタクリル酸グリシジルが更に好ましい。そして、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(コ)ポリマーの中では、ポリ(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましいが、その中でも、ポリメタクリル酸グリシジルが更に好ましい。
【0044】アクリル(コ)ポリマーがエポキシ基含有アクリルモノマーを構成単位として含んでいる(即ち、エポキシ基含有アクリルモノマーとの共重合物である)場合、アクリル(コ)ポリマーは、例えば、前記割合になるように(メタ)アクリル酸エステルとエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを公知の方法で共重合(ラジカル重合)させることにより得られる。また、アクリル(コ)ポリマーがエポキシ基含有アクリル(コ)ポリマーとの混合物である場合、アクリル(コ)ポリマーは、例えば、前記割合で(メタ)アクリル酸エステル(コ)ポリマーとエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(コ)ポリマーを混合すれば得ることができる。
【0045】なお、本発明では、前記アクリル(コ)ポリマーは、ポリ塩化ビニル又はポリフッ化ビニリデンと透明なポリマーアロイを形成しているものや、分散相中にアクリルエラストマーを含有するものであってもよい。
【0046】〔熱カチオン重合開始剤〕本発明で使用される熱カチオン重合開始剤としては、熱(加熱)によりオキセタン環の開環及びカチオン重合を開始させることができる化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。このような化合物としては、以下に示すような各種オニウム塩、例えば、式(12)で示される第四級アンモニウム塩、式(13)で示されるホスホニウム塩、式(14)〜(15)で示されるスホニウム塩などを挙げることができる。
【0047】
【化12】

(式中、R6〜R9は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、叉は炭素数1〜20のアルコキシ基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい。また、R6〜R9のうちの2個が互いに結合して、N、P、O、叉はS原子を含む複素環を形成していてもよい。X-は対イオンを表し、BF4-、AsF6-、SbF6-、SbCl6-、(C654-、SbF5(OH)-、HSO4-、p−CH364SO3-、HCO3-、H2PO4-、CH3CO2-、ハロゲンイオン(Cl-、Br-、I-等)などから選ばれる。)
【0048】
【化13】

(式中、R6〜R9、X-は前記と同様である。)
【0049】
【化14】

(式中、R6〜R8、X-は、それぞれ、前記のR6〜R9、X-と同様である。また、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
【0050】
【化15】

(式中、R6〜R7、X-、Arは、それぞれ、前記のR6〜R9、X-、Arと同様である。)
【0051】
【化16】

(式中、R6〜R9、X-、Arはそれぞれ前記と同様である。)
【0052】前記第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムp−トルエンスルホネート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−ベンジルトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウムヘキサフルオロアンチモネートなどが具体的に挙げられる。また、前記ホスホニウム塩としては、例えば、エチルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどが具体的に挙げられる。
【0053】そして、前記スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルシネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアルシネート、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアルシネートや、【0054】アデカオプトンSP−150(以下、旭電化製)、アデカオプトンSP−170、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77や、サンエイドSI−60L(以下、三新化学製)、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100Lや、CYRACURE UVI−6974(以下、ユニオン・カーバイド製)、CYRACURE UVI−6990や、UVI−508(以下、ゼネラル・エレクトリック製)、UVI−509や、FC−508(以下、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング製)、FC−509や、CD−1010(以下、サーストマー製)、CD−1011や、CIシリーズの製品(日本曹達製)などが具体的に挙げられる。
【0055】更に、本発明では、式(17)で示されるジアゾニウム塩や、式(18)で示されるヨードニウム塩も熱カチオン重合開始剤として使用できる。
【0056】
【化17】

(式中、Ar、Xはそれぞれ前記と同様である。)
【0057】
【化18】

(式中、R6〜R7、X-はそれぞれ前記と同様である。)
【0058】前記ジアゾニウム塩としては、AMERICURE(アメリカン・キャン製)、ULTRASET(旭電化製)などが挙げられる。また、前記ヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルシネート、ビス(4−クロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルシネート、ビス(4−ブロモフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルシネート、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルシネート、UV−9310C(東芝シリコーン製)、Photoinitiator2074(ローヌ・プーラン製)、UVEシリーズの製品(ゼネラル・エレクトリック製)、FCシリーズの製品(ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング製)などが挙げられる。
【0059】〔熱硬化性組成物〕本発明の熱硬化性組成物(又は光学分野用熱硬化性組成物)は、分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物100重量部、アクリル(コ)ポリマー0.1〜100重量部、及び熱カチオン重合開始剤0.1〜20重量部から成る。その中では、分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物100重量部、アクリル(コ)ポリマー0.1〜100重量部、及び熱カチオン重合開始剤を0.1〜10重量部から成る熱硬化性組成物(又は光学分野用熱硬化性組成物)が好ましい。なお、分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物、アクリル(コ)ポリマー、熱カチオン重合開始剤は前記のものがそれぞれ好ましい。
【0060】前記組成物は、例えば、分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物100重量部に対してアクリル(コ)ポリマーを所定割合で混合・溶解させ、次いで、熱カチオン重合開始剤を所定割合で添加して混合・溶解させることによって調製される。このときの温度は熱カチオン重合を引き起こさない温度、例えば、50℃未満、更には10〜30℃であることが好ましい。通常、該組成物は常温で調製される。調製時の圧力や雰囲気は特に制限されず、通常は常圧でよい。
【0061】〔熱硬化物〕本発明の熱硬化物は、前記熱硬化性組成物(又は光学分野用熱硬化性組成物)を加熱して熱硬化させることにより得ることができる。このとき、加熱によって、オキセタン環を有する化合物の開環重合が進行すると共に熱硬化が進行する。この加熱(熱硬化反応)温度は、前記組成物が溶融状態を維持できる温度であることが好ましい。即ち、加熱温度は50℃以上、更には50〜200℃、特に60〜160℃の範囲であることが好ましい。
【0062】熱硬化反応の時間は熱硬化物の組成や熱硬化反応の条件によって異なるが、通常1分〜50時間、好ましくは5分〜10時間、更に好ましくは10分〜5時間程度であればよい。また、熱硬化反応の圧力は前記の溶融状態が維持できれば特に制限されず、常圧、加圧、減圧のいずれでもよい。反応雰囲気は乾燥下(特に乾燥空気下)であることが好ましい。
【0063】熱硬化反応は、例えば、予め調製した前記組成物を反応容器に入れて加熱することによって行うこともでき、該組成物を反応容器の中で調製して引き続き加熱することによって行うこともできる。また、前記組成物を、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属や、ゴム、プラスチック(成形部品、フィルムを含む)、紙、木材、ガラス、布、コンクリート、セメントモルタル、セラミック(フィルム、プレート、成形部品、その他の造形品を含む)などの基材表面に塗布した後、加熱することによって行うこともできる。基材表面への熱硬化性組成物の塗布は、刷毛塗り、スピンコート、スプレーコート、キャスティング、ディッピング、ロールコート、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などの通常用いられる方法で行えばよい。
【0064】反応容器中で熱硬化を行った場合、熱硬化物は得られた反応混合物から取り出して100℃以下で2〜16時間乾燥して得ることができる。基材表面で熱硬化を行った場合、熱硬化物は基材表面に形成された皮膜(塗膜)として得られる。
【0065】以上のようにして得られる本発明の熱硬化物は、透明性、硬度等に優れていて、臭気性や刺激性も低いものである。また、熱硬化物を皮膜(塗膜)として得る場合、該硬化物は膜厚が0.1〜600μm、好ましくは1〜500μmであり、基材表面の保護膜(コーティング材)として厚膜を形成できるものである。本発明の熱硬化物はこのように優れた特性を有するが、特に透明性に優れていることから、透明性が要求される、光ディスク、ICカード(光コード)、プラスチックレンズ、プラスチック光ファイバー、光ファイバーコーティング材等の光学分野に好適である。即ち、前記熱硬化性組成物は光学分野用熱硬化性組成物として有用である。
【0066】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、熱硬化物の評価は下記の方法により行った。
【0067】(1)塗膜の厚さガラス板の表面に形成された塗膜の厚さ(μm)は、ガラス板と塗膜の総厚さ(μm)からガラス板の厚さ(μm)を差し引いて求めた。
【0068】(2)塗膜の透明性目視により判定した。(○:無色透明、×:不透明)
【0069】(3)塗膜の硬度(鉛筆硬度)
塗膜の硬さをJIS K 5400に基く鉛筆硬度試験により評価した。
【0070】(4)塗膜の接着性塗膜の接着性をJIS K 1990に基く碁盤目テープ法により評価した。
【0071】参考例1〔ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エーテルの合成〕温度計、攪拌機、精留塔、冷却器、窒素ガス導入管、及び滴下ロートを備えた内容積2L(リットル)の四つ口フラスコに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(以下、EHOと称する)511.1g(4.4モル)、トリエチルアミン(以下、TEAと称する)222.6g(2.2モル)、トルエン1100gを入れ、窒素ガス雰囲気下で、反応温度を10℃以下に維持しながら、メタンスルホニルクロライド(以下、MSCと称する)229.1g(2.0モル)を滴下ロートから滴下した。その後、室温で更に2時間反応を続けて反応を終了させ、生成した沈殿を濾過により除去した。
【0072】沈殿をトルエン100gで洗浄した洗液と濾液を併せて反応器に戻し、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド(以下、TABAと称する)32.2gを添加した後、攪拌下、60℃で、水酸化ナトリウムペレット60.0g(1.5モル)を1時間で添加した。添加終了後、2時間反応を続け、更に70℃で5時間反応を続けた。反応終了後、純水300gを加えて有機層を分離した。次いで、この有機層から、目的のビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エーテル(以下、DOEと称する)307.5g(1.4モル:収率71%)を蒸留分離した(200℃/6mmHg)。このもののガスクロマトグラフィー分析による純度(面積百分率)は98.9%で、蒸気圧は約140℃で10mmHgであった。
【0073】参考例2〔1,2−[ビス(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]エタンの合成〕参考例1と同様の四つ口フラスコに、EHO220.7g(1.9モル)、TEA222.6g(2.2モル)、トルエン1100gを入れ、参考例1と同様に、MSC229.1g(2.0モル)の滴下、反応、及び分離を行った。洗液と濾液を反応器に戻して、TABA32.2gとエチレングリコール68.3g(1.1モル)を添加した後、参考例1と同様に水酸化ナトリウムペレット(1.5モル)を添加して反応を行った。反応終了後も参考例1と同様の操作を行って、目的の1,2−[ビス(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]エタン(以下、EDOEと称する)102.8g(0.63モル:収率63%)を蒸留分離した(200℃/6mmHg)。このもののガスクロマトグラフィー分析による純度(面積百分率)は98.6%で、蒸気圧は約140℃で3mmHgであった。
【0074】実施例1内容積30mlのフラスコに、分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物(以下、オキセタン化合物と称する)として参考例1で得られたDOEを10重量部、そしてアクリル(コ)ポリマーとしてパラペットGH(クラレ製)を0.5重量部入れ、130〜150℃で2時間攪拌して混合・溶解させた。この混合物を室温まで冷却した後、熱カチオン重合性触媒としてSI−60L(三新化学製)を0.2重量部加えて混合・溶解させ、熱硬化性組成物を調製した。
【0075】次いで、スペーサを貼り付けたガラス板(100mm×100mm×1.7mm)上に前記熱硬化性組成物を室温下でキャストした後、空気中、110℃で1時間加熱して、厚さ70μmの透明な塗膜を得た。この塗膜の鉛筆硬度は>2Hで、碁盤目テープ法による評価は100であった。
【0076】実施例2〜7熱硬化性組成物の組成を表1記載のように変え(実施例2〜7)、加熱(熱硬化)温度を表1記載のように変えた(実施例5〜7)ほかは、実施例1と同様にして塗膜を得た。得られた塗膜は透明で、鉛筆硬度が>2H、碁盤目テープ法による評価が100であった。
【0077】
【表1】

【0078】比較例1〜4オキセタン化合物に代えて、エポキシ化合物:サイラキュアUVR−6110(ユニオンカーバイド製)10重量部を使用して熱硬化性組成物の組成を表2記載のように変えたほかは、実施例1と同様にして塗膜を得た。得られた塗膜は、いずれも、鉛筆硬度が>2H、碁盤目テープ法による評価が0で、不透明であった。
【0079】比較例5〜8アクリル(コ)ポリマーを使用することなく熱硬化性組成物の組成を表2記載のように変え、加熱(熱硬化)温度を表2記載のように変えたほかは、実施例1と同様にして塗膜を得た。得られた塗膜はいずれも透明であったが、鉛筆硬度が比較例5,6で<B、碁盤目テープ法による評価が比較例7,8で70であった。
【0080】
【表2】

【0081】
【発明の効果】本発明により、硬度、透明性等に優れ、臭気性や刺激性が低く、厚膜を形成できる熱硬化物(加熱により重合・硬化して生成する硬化物)を製造することができる。特に、本発明の熱硬化物は透明性に優れていることから、透明性が要求される、光ディスク、ICカード(光コード)、プラスチックレンズ、プラスチック光ファイバー、光ファイバーコーティング材等の光学分野に好適であり、本発明の熱硬化性組成物は光学分野用熱硬化性組成物として有用である。




 

 


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