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発明の名称 変性ジエン系ゴム組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−114938(P2001−114938A)
公開日 平成13年4月24日(2001.4.24)
出願番号 特願平11−292169
出願日 平成11年10月14日(1999.10.14)
代理人 【識別番号】100065226
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
4J002 AC111 DJ016 FD010 FD200 FD206 GC00 GM01 GN01 
4J100 AB02Q AB02R AM02Q AS02P AS03P AS03Q BA77H CA01 CA04 CA31 HC78 HC79 JA29
発明者 八木 則子 / 村岡 清繁 / 井上 篤司 / 中島 哲司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 下記一般式(1)および/または(2)
k(R′O)lSi (1)
m(R′O)nSiH (2)
(式中、RおよびR′は、各々、同一もしくは異なる炭素数1〜20の一価炭化水素基であり、kは0〜3の整数、lは1〜4の整数、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数であって、k+l=4、m+n=3である。)で表わされるアルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物で変性した変性ジエン系ゴムを含むゴム成分100重量部に対して、シリカを5〜100重量部含有するゴム組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性を低下させることなく、転がり摩擦抵抗特性(燃費特性)、ウェットスキッド特性やウェットオンアイス特性(雪氷上性能)、耐摩耗性にとくに優れた変性ジエン系ゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の低燃費化の要求と、水上、雪上および氷上における走行安全性の要求が高まり、自動車のタイヤトレッドゴムとして、転がり抵抗が小さく、水上、雪上および氷上における路面グリップの大きな材料の開発が望まれるようになってきた。
【0003】しかし、ブタジエンゴム(BR)のように反発弾性の大きな(転がり抵抗の小さな)ゴムは、ウェットスキッド抵抗が小さく、スチレンブタジエンゴム(SBR)のように反発弾性が小さな(転がり抵抗が大きな)ゴムは、ウェットスキッド抵抗も大きいという特性があり、これらはお互いに二律背反の関係にあった。
【0004】従来から、このような問題を解決する手段として、リチウム系触媒により、低シス共役ジエン系ゴムを変性剤により、化学変性する方法が数多く提案されている。たとえば、低シスBRをベンゾフェノン化合物で変性する方法が、特開昭58−162604号公報、特開昭59−117514号公報に提案されており、自動車タイヤの転がり抵抗が小さく、ウェットスキッド抵抗が大きくなるという改善効果が認められている。また、リチウム触媒で製造した低シスBRを、ケイ素またはスズ化合物と特定のアミノシラン化合物で反応させて、変性ジエン系ゴムを製造する方法が特開平1−284503号公報に開示されており、反発弾性が高く、低温でのJIS硬度が低く、加工性に優れることが述べられている。
【0005】しかしながら、低シスBRは、高シスBRと比較して、耐摩耗性と反発弾性が不充分であり、変性によっても、この問題点は解決することができなかった。
【0006】一方、近年、低発熱化を目的としてシリカとシランカップリング剤を使用する方法が多数報告されている。シリカはその表面官能基であるシラノール基が水素結合するために、シリカ粒子同士が凝集する傾向にあり、シランカップリング剤はこれらのシラノール基と結合してシリカ同士の凝集を防ぎ、加工性を改善すると考えられている。一方、性能面においてはシリカとポリマーがシランカップリング剤と化学的に結合することにより、転がり抵抗の低減や摩耗性が改善されると考えられている。
【0007】しかし、これらの目的を達成するためにはシリカとシランカップリング剤を混練りし、加工中に化学的に反応させる必要があり、シリカとシランカップリング剤を充分に反応させるためには高温でよく練る方がよいとされている。ところが、シランカップリング剤中のゴムと反応をする官能基部分が混練りなどの加工中にかかる温度によって一部ゴムとの反応を起こしてしまうため、ゲル化といわれるゴム焼けの現象が起こる。一方、ゴム焼けが起こらないような低温で混練りすると、シリカとシランカップリング剤の反応が不充分となるという矛盾点が生じる。
【0008】前記問題を解決する一つの手法として、特開昭62−50346号公報、特開昭62−6568号公報、特開昭63−175001号公報などに記載されているように、ポリマー末端をあらかじめシリカと反応しやすい官能基アルコキシシラン変性を行なう方法や、特開平8−53576号公報の末端エポキシ基変性などが提案されている。
【0009】しかし、いずれの公報もポリマー末端にこれらの官能基を付加する程度なので、加工性および性能面どちらにおいても充分な効果は得られなかった。
【0010】そこで、シリカと反応しやすい官能基をあらかじめジエン系ゴムの二重結合部分に付加させ、官能基を数多くもつ変性ジエン系ゴムを用いることにより、加工性と性能を両立することを考えた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記課題を鑑みて、ジエン系ゴムをあらかじめアルコキシ基を含有するケイ素化合物で変性することにより、加工性を低下させることなく、耐摩耗性、転がり抵抗、ウェットグリップ性能に優れた変性ジエン系ゴム組成物を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの諸問題も改善すべく鋭意検討した結果、ジエン系ゴムをあらかじめアルコキシ基を含有するケイ素化合物で変性することにより、ゴム成分とシリカとの相互作用を高め、加工性を低下させることなく、耐摩耗性、転がり抵抗特性、グリップ性能に優れた特性を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち本発明は、下記一般式(1)および/または(2)
k(R′O)lSi (1)
m(R′O)nSiH (2)
(式中、RおよびR′は、各々、同一もしくは異なる炭素数1〜20の一価炭化水素基であり、kは0〜3の整数、lは1〜4の整数、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数であって、k+l=4、m+n=3である。)で表わされるアルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物で変性した変性ジエン系ゴムを含むゴム成分100重量部に対して、シリカを5〜100重量部含むゴム組成物に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明する。
【0015】ジエン系ゴムの具体例としては、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン(SIBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などがあげられる。一般的に商業生産されたものを用いてもよいし、また適宜合成したものを用いてもよい。
【0016】ジエン系ゴムを変性する変性剤としては、分子中にアルコキシ基を含有するケイ素化合物であり、下記一般式(1)および/または(2)で表わされる。
【0017】Rk(R′O)lSi (1)
m(R′O)nSiH (2)
(式中、RおよびR′は、各々、同一もしくは異なる炭素数1〜20の一価炭化水素基であり、kは0〜3の整数、lは1〜4の整数、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数であって、k+l=4、m+n=3である。)
このような変性剤でジエン系ゴムを処理することによって、シリカと反応しやすい官能基をあらかじめジエン系ゴムの二重結合部分に付加させ、官能基を数多くもつ変性ジエン系ゴムを調製することができる。
【0018】具体的にはテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、トリメチルブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、トリエチルブトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、エチルジメトキシシラン、ジエチルメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、エチルジエトキシシラン、ジエチルエトキシシラン、トリブトキシシラン、メチルジブトキシシラン、ジメチルブトキシシラン、エチルジブトキシシラン、ジエチルブトキシシランなどがあげられる。これらの中では、とくにテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランが好適に使用される。変性剤は、1種類単独、または数種類、組み合わせて使用することもできる。
【0019】前記変性剤の使用量は、共役ジエン系ゴム100gに対して、0.01〜150ミリモル、好ましくは1.0〜100ミリモルが好ましい。変性剤の使用量が少ないと、変性ジエン系ゴム中に導入されるアルコキシ基を含有するケイ素化合物の変性量が少なくなり、満足すべき変性効果が現れない。一方、変性剤の使用量が多すぎると、変性ジエン系ゴム中に未反応変性剤が残存し、その除去に手間がかかり、変性剤の無駄にもなり、さらに顕著な物性の改善効果が現れにくい。
【0020】また、変性ジエン系ゴム中のケイ素含有量は、10〜5000ppmであることが好ましい。10ppm未満の場合、変性剤による変性の効果が得られず、5000ppmをこえる場合、高価な変性剤を多く使用するにもかかわらず、顕著な改善効果が現れにくい傾向がある。
【0021】ジエン系ゴムの変性方法としては、前記変性剤とジエン系ゴムを有機溶媒中で接触変性反応させることによって行なってもよいし、ジエン系ゴムの重合溶液に直接変性剤を添加して行なうこともできる。その他の方法としては、押し出し混練り機などにより直接混練り変性することも可能である。
【0022】変性反応が遅い場合には、反応速度を大きくするために、ハロゲン化アルミニウムやハロゲン化アルキルを触媒として使用することができる。ハロゲン化アルミニウムとしては塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウムなどがあげられる。ハロゲン化アルキルとしては臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化ブチル、臭化ブチル、ヨウ化ブチルなどの炭素原子数1〜6のアルキルハロゲン化物があげられる。とくに塩化アルミニウム、臭化エチルが好適に用いられる。
【0023】また、触媒の添加量は、共役ジエン系ゴム100gに対して、0.01〜100ミリモルであることが好ましい。0.01ミリモル未満の場合、反応性が低く時間がかかり、100ミリモルをこえる場合、残存する触媒の量が多くなりゴム物性に悪影響を与える傾向がある。
【0024】変性反応に使用する有機溶剤としては、それ自身がジエン系ゴムと反応しないものであれば自由に使用できる。通常はジエン系ゴムの重合溶媒と同じものが用いられ、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素やn−ヘプタン、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、テトラリン、デカリンなどの脂肪族炭化水素などが好適に使用される。また、塩化メチレンやテトラヒドロフランなども使用することができる。
【0025】変性反応の温度は0〜100℃の範囲が好ましく、とくに室温〜70℃の範囲がよリ好ましい。温度が低すぎると変性反応の進行が遅く、温度が高すぎると重合体がゲル化するので好ましくない。
【0026】変性反応時間はとくに制限はないが、通常は0.5〜6時間の範囲が好ましい。変性時間が短かすぎると反応が充分に進行せず、時間が長すぎると重合体がゲル化するおそれがあるの好ましくない。
【0027】変性反応溶液におけるジエン系ゴムの量は、溶媒1リットル当たり5〜500g、好ましくは20〜200g、さらに好ましくは30〜100gの範囲である。
【0028】本発明により得られる変性ジエン系ゴムは、単独でまたは他の合成ゴムおよび/または天然ゴムとブレンドして使用してもよい。また、必要ならばプロセスオイルで油展の形で用いてもよい。
【0029】前記他の合成ゴムとしては、たとえばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴムや、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどがあげられる。
【0030】なお、ゴム成分中の前記変性ジエン系ゴムの含有量は、ゴム成分中5重量%以上であることが好ましい。5重量%未満の場合、変性ジエン系ゴム添加の効果が得られない傾向がある。
【0031】つぎに、本発明のゴム組成物は、シリカを含有する。かかるシリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は50〜300m2/gであることが好ましい。シリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g未満では分散性改良効果や補強効果が小さくなり、300m2/gを越えると分散性が悪く、発熱性が増大するために好ましくない。
【0032】本発明のゴム組成物に使用できるシリカとしては、とくに制限はないが、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などがあげられ、湿式法シリカがとくに好ましい。湿式法シリカの好適例としては、テグサ社製Ultrasil NV3(商品名)、日本シリカ社製ニップシールVN3 AQ(商品名)などがあげられる。
【0033】かかるシリカの配合量は、前記ゴム成分100重量部に対して5〜100重量部であるが、好ましくは10〜85重量部、さらに好ましくは20〜65重量部である。シリカの配合量が5重量部未満では、補強効果が小さく、100重量部をこえると、作業性が悪化するために好ましくない。低発熱性、作業性の面からは、シリカの配合量は20〜65重量部が好ましい。
【0034】本発明のゴム組成物は、シランカップリング剤を含んでいてもよい。シランカップリング剤はシリカとゴム成分の結合を強め、耐摩耗性を向上させる作用を有している。前記シランカップリング剤としては、従来からシリカ充填剤と併用される任意のシランカップリング剤があげられる。具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどがあげられる。これらの中では、カップリング剤添加効果とコストの両立の観点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどが好ましい。
【0035】シランカップリング剤の配合量は前記シリカに対して0〜15重量%が好ましい。シランカップリング剤の配合量が15重量%を越えると、コストが上がる割にカップリング効果が得られず好ましくない。分散効果、カップリング効果の面から、シランカップリング剤の配合量は0.5〜12重量%であることが望ましい。
【0036】さらに、本発明のゴム組成物は、チッ素吸着比表面積(N2SA)が30〜200m2/g、圧縮ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP吸油量)が30〜150ml/100gの範囲であるカーボンブラックを含んでいてもよい。チッ素吸着比表面積(N2SA)および圧縮ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP吸油量)が各々の下限値より小さい場合には、分散性改良効果や補強効果が小さく、また上限値を超える場合には、分散性が悪く、発熱性が増大するため好ましくない。使用できるカーボンブラックの例としては、HAF、ISAF、SAFなどがあげられるが、とくに限定されるものではない。
【0037】なお、本発明のゴム組成物においては、前記のゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、カーボンブラック以外に、必要に応じて、軟化剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤などの通常のゴム工業で使用される配合剤を適宜配合することができ、タイヤ、ホース、ベルトその他の各種工業用品などの機械的特性および耐摩耗性が要求されるゴム組成物として適用される。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
【0039】アルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物で変性した変性ジエン系ゴムの製造方法について説明する。
【0040】製造例1(ポリマー1)
2リットルの撹拌機および温度調節器付きガラス製セパラブルフラスコに、スチレン−ブタジエンゴム1502(日本合成ゴム(株)製、SBR1502、スチレン含量23.5重量%)100gとトルエン1.0リットルを加えて撹拌下に60℃に昇温して、スチレン−ブタジエンゴムを完全に溶解させた。つぎに、あらかじめテトラヒドロフランに溶解させた変性剤テトラメトキシシラン2.0ミリモル、触媒として塩化アルミニウム20ミリモルを添加して60℃、2時間変性反応させた。
【0041】反応終了後、室温に冷却して、この反応液を250メッシュの金網で濾過し、メタノール2リットルを加え変性SBRを沈殿させた。その後、再度トルエンによる溶解、メタノールによる沈殿の操作を繰り返して残存の変性剤を除去し、酸化防止剤としてテトラキス−(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン(日本チバガイギー(株)製、Irganox1010)を、SBRに対して1000ppm練り込んで100℃で1時間真空乾燥させて変性スチレン−ブタジエンゴム(ポリマー1)を得た。
ML1+4、100℃=55ケイ素含有量=75ppm【0042】製造例2(ポリマー2)
変性剤をメチルトリエトキシシランに代えた以外は、製造例1と同様にして、変性SBR(ポリマー2)を製造した。
ML1+4、100℃=56ケイ素含有量=64ppm【0043】製造例3(ポリマー3)
変性剤をテトラエトキシシランに代えた以外は、製造例1と同様にして、変性SBR(ポリマー3)を製造した。
ML1+4、100℃=56ケイ素含有量=70ppm【0044】製造例4(ポリマー4)
変性剤であるテトラメトキシシランの添加量を3ミリモルに代えた以外は、製造例1と同様にして、変性SBR(ポリマー4)を製造した。
ML1+4、100℃=57ケイ素含有量=110ppm【0045】実施例1〜5および比較例1〜2下記の表1に示す配合成分とその添加量を基本配合割合とした。60ccのバンバリータイプのプラストミルを用いて、表2に示す配合内容で各成分を混練りし(加硫剤はロールを用いて混練りした)、170℃で20分間プレス加硫して各種ゴム組成物を調製した。
【0046】
各種薬品の説明SBR :SBR1502(日本合成ゴム(株)製)
シリカ :Ultrasil VN3(テグッサ製)
チッ素吸着比表面積(N2SA)210m2/gシランカップリング剤:Si69(テグッサ製)
(化学名:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤 :ノクラック 6C(大内新興化学工業(株)製)
(化学名:N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレ ンジアミン)
加硫促進剤A :ノクセラー NS(大内新興化学工業(株)製)
(化学名:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド)
加硫促進剤B :ノクセラー D(大内新興化学工業(株)製)
(化学名:N,N′−ジフェニル・グアニジン)
【0047】なお、下記の実施例において得られた変性ジエン系ゴムのムーニー粘度、ケイ素含有量は下記の方法により測定した。
【0048】(ムーニー粘度(ML1+4、100℃))JIS K6300にしたがい実施した。100℃で1分予熱した後、4分間測定してゴムのムーニー粘度(M1+4、100℃)として表示した。
【0049】(ケイ素含有量)白金るつぼに試料約1gを採取し、硫酸を加えた後、ホットプレート上で加熱、溶解、分解させ、乾固した。それを、ブンゼンバーナーで加熱し、炭化させた後、電気炉で灰化させ、炭酸ナトリウムを添加した。再び電気炉中でアルカリ溶融させた後、純水を加え、ホットプレート上で加熱溶出させた試料を適当な濃度に希釈し、ICP測定により変性ジエン系ゴム中のケイ素元素含有量を求めた。
【0050】以下の実施例および比較例において、ゴム組成物の引張強度(M300)、転がり抵抗指数、ランボーン摩耗指数およびウェットスキッド指数を以下の方法により測定した。その結果を表2に示す。
【0051】(引張試験)JIS K6251に準拠して測定し、300%のモジュラスで示した。数値が大きいほど反発弾性に優れる。
【0052】(転がり抵抗指数)粘弾性試験粘弾性スペクトロメーターVES(岩本製作所(株)製)を用いて、測定温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件で各配合のtanδを測定し、比較例1のtanδを100とし、下記計算式で指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗特性が優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100【0053】(ランボーン摩耗指数)ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、スリップ率20%、試験時間5分間の測定条件で各組成物の容積損失を計算し、比較例1の損失量を100として、下記計算式で指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性が優れていることを示す。
(摩耗指数)=(比較例1の損失量)/(各配合の損失量)×100【0054】(ウェットスキッド指数)スタンレー社製のポータブルスッキドテスターを用いてASTM E303−83の方法にしたがって測定し、下記計算式で指数表示した。指数が大きいほど、ウェットスキッド性能が優れることを示す。
(ウェットスキッド指数)=(各配合の数値)/(比較例1の数値)×100【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ジエン系ゴムをあらかじめアルコキシ基を含有するケイ素化合物で変性しているため、ゴム成分とシリカとの相互作用を高め、加工性を低下させることなく、耐摩耗性、転がり抵抗特性、グリップ性能に優れた特性を有するジエン系ゴム組成物が得られる。




 

 


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