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発明の名称 ポリブタジエン変性体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−98013(P2001−98013A)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
出願番号 特願2000−187634(P2000−187634)
出願日 平成12年6月22日(2000.6.22)
代理人
発明者 鈴木 通典 / 村上 真人 / 浅野 之彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 下記の特性を有するポリブタジエンをヘテロ三員環化合物で変性させたことを特徴とするポリブタジエン変性体。
ポリブタジエンの特性:(1)ブタジエンモノマ−ユニットのうち、1,2−構造ユニットの含有率が4〜30モル%、シス−1,4−構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトランス−1,4−構造ユニットの含有率が5モル%以下。
(2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3〜6。
【請求項2】 該ヘテロ三員環化合物がエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリブタジエン変性体。
【請求項3】下記の特性のポリブタジエンに、カルボン酸エステルまたは炭酸エステルを反応させたことを特徴とするポリブタジエン変性体。
ポリブタジエンの特性:(1)ブタジエンモノマ−ユニットのうち、1,2−構造ユニットの含有率が4〜30モル%、シス−1,4−構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトランス−1,4−構造ユニットの含有率が5モル%以下。
(2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3〜6。
【請求項4】 該ポリブタジエンが(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて製造されたものであることを特徴とする請求項1〜3に記載のポリブタジエン変性体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御されたミクロ構造及び分子のリニアリティの高いポリブタジエンから得られるポリブタジエン変性体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をとる。
【0003】重合触媒によって、上記のミクロ構造が異なったポリブタジエンが製造されることが知られており、それらの特性によって種々の用途に使用されている。特に、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造を有し、且つ、分子のリニアリティ(線状性)の高いポリブタジエンは、耐摩耗性、耐発熱性、反発弾性の優れた特性を有する。リニアリティの指標としては、Tcp/ML1+4 が用いられる。Tcpは、濃厚溶液中での分子の絡合いの程度を示し、Tcp/ML1+4 が大きい程、分岐度は小さく線状性は大きい。
【0004】特開平9−291108号公報などで開示されているように、バナジウム金属化合物のメタロセン型錯体及び非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンからなる重合触媒により、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造を有し且つ分子のリニアリティ(線状性)の高いポリブタジエンが製造されることが、本出願人により見出されている。このポリブタジエンは優れた特性を有することから、耐衝撃性ポリスチレン樹脂やタイヤなどへの応用が検討されている。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造及び分子のリニアリティの高いポリブタジエンを変性させて得られる、ポリブタジエン変性体を提供する。
【0006】
【課題解決のための手段】本発明は、下記の特性を有するポリブタジエンをヘテロ三員環化合物で変性させたことを特徴とするポリブタジエン変性体に関する。
ポリブタジエンの特性:(1)ブタジエンモノマ−ユニットのうち、1,2−構造ユニットの含有率が4〜30モル%、シス−1,4−構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトランス−1,4−構造ユニットの含有率が5モル%以下。
(2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3〜6。
【0007】また、本発明は、上記のヘテロ三員環化合物がエポキシ化合物であることを特徴とする上記のポリブタジエン変性体に関する。
【0008】また、本発明は、下記の特性のポリブタジエンに、カルボン酸エステルまたは炭酸エステルを反応させたことを特徴とするポリブタジエン変性体に関するポリブタジエンの特性:(1)ブタジエンモノマ−ユニットのうち、1,2−構造ユニットの含有率が4〜30モル%、シス−1,4−構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトランス−1,4−構造ユニットの含有率が5モル%以下。
(2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3〜6。
【0009】また、本発明は、上記のポリブタジエンが(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて製造されたものであることを特徴とする上記のポリブタジエン変性体に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で反応に用いられる原料のポリブタジエンは、1,2−構造含有率が4〜30%、好ましくは5〜25%、より好ましくは7〜15%、シス−1,4−構造含有率が65〜95%、好ましくは70〜85%、トランス−1,4−構造含有率が5%以下、好ましくは4.5%以下、特に好ましくは0.5〜4.0%である。
【0011】ミクロ構造が上記の範囲外であると、ポリマ−の反応性(グラフト反応や架橋反応性など)が適当でなく、添加剤などに用いたときのゴム的性質が低下し、物性のバランスや外観などに影響を与え好ましくない。
【0012】また、ポリブタジエンのトルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3〜6、好ましくは3〜5である。
【0013】また、ポリブタジエンのトルエン溶液粘度(Tcp)は、20〜500が好ましく、30〜300が特に好ましい。
【0014】本発明のポリブタジエンのム−ニ−粘度(ML1+4)は、10〜200が好ましく、25〜100が特に好ましい。
【0015】本発明のポリブタジエンの分子量は、トルエン中30℃で測定した固有粘度[η]として、0.1〜10が好ましく、0.1〜3が特に好ましい。
【0016】また、本発明のポリブタジエンの分子量は、ポリスチレン換算の分子量として下記の範囲のものが好ましい。
数平均分子量(Mn):0.2×105〜10×105、より好ましくは0.5×105〜5×105重量平均分子量(Mw):0.5×105〜20×105、より好ましくは1×105〜10×105また、本発明のポリブタジエンの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3.5、より好ましくは1.6〜3である。
【0017】本発明のポリブタジエンは、例えば、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて、ブタジエンを重合させて製造できる。
【0018】あるいは、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、(C)周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物、及び、(D)水から得られる触媒を用いたブタジエンを重合させて製造できる。
【0019】(A)成分の遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、周期律表第4〜8族遷移金属化合物のメタロセン型錯体が挙げられる。
【0020】例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期律表第4族遷移金属のメタロセン型錯体(例えば、CpTiCl3など)、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体、クロムなどの第6族遷移金属メタロセン型錯体、コバルト、ニッケルなどの第8族遷移金属のメタロセン型錯体が挙げられる。
【0021】中でも、周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体が好適に用いられる。
【0022】上記の周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、(1) RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金属化合物(2) Rn MX2-n ・La、すなわち、少なくとも1個のシクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+2の周期律表第5族遷移金属化合物(3) Rn MX3-n ・La(4) RMX3 ・La(5) RM(O)X2 ・La(6) Rn MX3-n (NR' )
などの一般式で表される化合物が挙げられる(式中、nは1又は2、aは0,1又は2である)。
【0023】中でも、RM・La、Rn MX2-n ・La、R2 M・La、RMX3 ・La、RM(O)X2 ・La などが好ましく挙げられる。
【0024】Mは、周期律表第5族遷移金属化合物が好ましい。具体的にはバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、またはタンタル(Ta)であり、好ましい金属はバナジウムである。
【0025】Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基又は置換フルオレニル基を示す。
【0026】置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基又は置換フルオレニル基における置換基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジルなど芳香族炭化水素基、トリメチルシリルなどのケイ素原子を含有する炭化水素基などが挙げられる。さらに、シクロペンタジエニル環がXの一部と互いにジメチルシリル、ジメチルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、エチレン、置換エチレンなどの架橋基で結合されたものも含まれる。
【0027】置換シクロペンタジエニル基の具体例としては、メチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジ(t−ブチル)シクロペンタジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、1−エチル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基などが挙げられる。
【0028】置換インデニル基の具体例としては、1,2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデニル基などが挙げられる。
【0029】置換フルオレニル基の具体例としては、メチルフルオレニル基などが挙げられる。
【0030】以上の中でも、Rとしてシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、1,2,3−トリメチルインデニル基などが好ましい。
【0031】Xは水素、ハロゲン、炭素数1から20の炭化水素基、アルコキシ基、又はアミノ基を示す。Xは同じであっても、異なってもよい。
【0032】ハロゲンの具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0033】炭素数1から20の炭化水素基の具体例としては、メチル、ベンジル、トリメチルシリルメチルなどが好ましい。
【0034】アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、プロポキシ、ブトキシなどが挙げられる。
【0035】アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノなどが挙げられる。
【0036】以上の中でも、Xとしては、水素、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル、エチル、ブチル、メトキシ、エトキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどが好ましい。
【0037】Lは、ルイス塩基であり、金属に配位できるルイス塩基性の一般的な無機、有機化合物である。その内、活性水素を有しない化合物が特に好ましい。具体例としては、エ−テル、エステル、ケトン、アミン、ホスフィン、シリルオキシ化合物、オレフィン、ジエン、芳香族化合物、アルキンなどが挙げられる。
【0038】NR'はイミド基であり、R'は炭素数1から25の炭化水素置換基である。R' の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ネオペンチルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニル−2−プロピル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニルなどの芳香族炭化水素基などが挙げられる。さらにトリメチルシリルなどのケイ素原子を含有する炭化水素基も含まれる。
【0039】(A)周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、中でも、Mがバナジウムであるバナジウム化合物が好ましい。例えば、RV・La、RVX・La、R2 M・La、RMX2 ・La 、RMX3 ・La 、RM(O)X2・La などが好ましく挙げられる。特に、RV・La、RMX3 ・La、RM(O)X2が好ましい。
【0040】RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金属化合物としては、シクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(トルエン)バナジウム、シクロペンタジエニル(キシレン)バナジウム、シクロペンタジエニル(トリメチルベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(ヘキサメチルベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(ナフタレン)バナジウム、シクロペンタジエニル(アントラセン)バナジウム、シクロペンタジエニル(フェロセン)バナジウム、メチルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、1−ブチル−3−メチルシクロペタジエニル(ベンゼン)バナジウム、テトラメチルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、ペンタメチルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、トリメチルシリルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、1,2−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、インデニル(ベンゼン)バナジウム、2−メチルインデニル(ベンゼン)バナジウム、2−トリメチルシリルインデニル(ベンゼン)バナジウム、フルオレニル(ベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(エチレン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニル(ブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニル(1,4−ジフェニルブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニル(1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニル(2,3−ジメチルブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニル(2、4−ヘキサジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニルテトラカルボニルバナジウム、インデニルテトラカルボニルバナジウムなどを挙げることができる。
【0041】RMX3 ・Laで示される具体的な化合物としては、以下の(i)〜(xvi)のものが挙げられる。
【0042】(i) シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライドが挙げられる。モノ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、メチルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、エチルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、プロピルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、イソプロピルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、t−ブチルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、(1,1−ジメチルプロピル)シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、(ベンジル)シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0043】(ii) 1,2−ジ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−エチル−2−メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−プロピルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−ビス(トリメチルシリル)メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、1,2−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−フェニルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0044】(iia) 1,3−ジ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−プロピルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−ビス(トリメチルシリル)メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0045】(iii) 1,2,3−トリ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0046】(iv) 1,2,4−トリ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0047】(v) テトラ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0048】(vi) ペンタ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1,2,3,4−テトラメチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0049】(vii)インデニルバナジウムトリクロライドが挙げられる。(viii)置換インデニルバナジウムトリクロライド、例えば、(2−メチルインデニル)バナジウムトリクロライド、(2−トリメチルシリルインデニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0050】(ix) (i)〜(viii)の化合物の塩素原子をアルコキシ基で置換したモノアルコキシド、ジアルコキシド、トリアルコキシドなどが挙げられる。例えば、シクロペンタジエニルバナジウムトリt−ブトキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムi−プロポキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジメトキシクロライド、トリメチルシリルシクロペンタジエニルバナジウムジi−プロポキシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムジt−ブトキシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムジフェノキシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムi−プロポキシジクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムt−ブトキシジクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムフェノキシジクロライドなどが挙げられる。
【0051】(x) (i)〜(ix)の塩素原子をメチル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0052】(xi) Rが炭化水素基、シリル基によって結合されたものが挙げられる。例えば、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シランバナジウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(トリメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランバナジウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランバナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0053】(xii) (xi)の塩素原子をメチル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0054】(xiii)(xi)の塩素原子をアルコキシ基で置換したモノアルコキシ体、ジアルコキシ体が挙げられる。
【0055】(xiv) (xiii)のモノクロル体をメチル基で置換した化合物が挙げられる。
【0056】(xv) (i)〜(viii)の塩素原子をアミド基で置換したアミド体が挙げられる。例えば、シクロペンタジエニルトリス(ジエチルアミド)バナジウム、シリルシクロペンタジエニルトリス(i−プロピルアミド)バナジウム、シクロペンタジエニルトリス(n−オクチルアミド)バナジウム、シクロペンタジエニルビス(ジエチルアミド)バナジウムクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(i−プロピルアミド)バナジウムクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(n−オクチルアミド)バナジウムクロライド、シクロペンタジエニル(ジエチルアミド)バナジウムジクロライド、シクロペンタジエニル(i−プロピルアミド)バナジウムジクロライド、シクロペンタジエニル(n−オクチルアミド)バナジウムジクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)トリス(ジエチルアミド)バナジウムなどが挙げられる。
【0057】(xvi) (xv)の塩素原子を、メチル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0058】RM(O)X2 で表される具体的な化合物としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(1−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライドなどが挙げられる。上記の各化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体も挙げられる。
【0059】RとXが炭化水素基、シリル基によって結合されたものも含まれる。例えば、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シランオキソバナジウムクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランオキソバナジウムクロライドなどのアミドクロライド体、あるいはこれらの化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体などが挙げられる。
【0060】シクロペンタジエニルオキソバナジウムジメトキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジi−プロポキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジt−ブトキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジフェノキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムメトキシクロライドなどが挙げられる。上記の各化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体も挙げられる。
【0061】(シクロペンタジエニル)ビス(ジエチルアミド)オキソバナジウム、(シクロペンタジエニル)ビス(ジi−プロピルアミド)オキソバナジウム、(シクロペンタジエニル)ビス(ジn−オクチルアミド)オキソバナジウムなどが挙げられる。
【0062】(B)成分のうち、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テトラ(フルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレ−ト、テトラ(トリイル)ボレ−ト、テトラ(キシリル)ボレ−ト、トリフェニル(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、トリス(ペンタフルオロフェニル)(フェニル)ボレ−ト、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレ−ト、テトラフルオロボレ−ト、ヘキサフルオロホスフェ−トなどが挙げられる。
【0063】一方、カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。
【0064】カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンを挙げることができる。
【0065】アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
【0066】ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリ−ルホスホニウムカチオンを挙げることができる。
【0067】該イオン性化合物は、上記で例示した非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合わせたものを好ましく用いることができる【0068】中でも、イオン性化合物としては、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、トリフェニルカルボニウムテトラキス(フルオロフェニル)ボレ−ト、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが好ましい。イオン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0069】また、(B)成分として、アルモキサンを用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/ 又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物などが挙げられる。
【0070】トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好適に用いることができる。
【0071】また、縮合剤としては、典型的なものとして水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸着水やジオ−ルなどが挙げられる。
【0072】(A)成分及び(B)成分に、さらに(C)成分として周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物を組合せて共役ジエンの重合を行ってもよい。(C)成分の添加により重合活性が増大する効果がある。周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化合物などが挙げられる。
【0073】具体的な化合物としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチウム、ネオペンチルリチウム、トリメチルシリルメチルリチウム、ビストリメチルシリルメチルリチウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリフッ化ホウ素、トリフェニルホウ素などを挙げられる。
【0074】さらに、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドのような有機金属ハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライドのような水素化有機金属化合物も含まれる。また有機金属化合物は、二種類以上併用できる。
【0075】上記の触媒各成分の組合せとして、(A)成分としてシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(CpVCl3)などのRMX3、あるいは、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド(CpV(O)Cl3)などのRM(O)X2、(B)成分としてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、(C)成分としてトリエチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムの組合せが好ましく用いられる。
【0076】また、(B)成分としてイオン性化合物を用いる場合は、(C)成分として上記のアルモキサンを組み合わせて使用してもよい。
【0077】各触媒成分の配合割合は、各種条件及び組合せにより異なるが、(A)成分のメタロセン型錯体と(B)成分のアルミノキサンのモル比は、好ましくは 1:1〜1:100000、より好ましくは1:10〜1:10000である。
【0078】(A)成分のメタロセン型錯体と(B)成分のイオン性化合物とのモル比は、好ましくは1:0.1〜1:10である。
【0079】(A)成分のメタロセン型錯体と(C)成分の有機金属化合物とのモル比は、好ましくは1:0.1〜1:10000である。
【0080】触媒成分の添加順序は、特に、制限はないが、例えば次の順序で行うことができる。
■重合すべきブタジエンモノマ−と(B)成分との接触混合物に(A)成分を添加する。
■重合すべきブタジエンモノマ−と(B)成分及び(C)成分を任意の順序で添加した接触混合物に(A)成分を添加する。
■重合すべきブタジエンモノマ−と(C)成分の接触混合物に(B)成分、次いで(A)成分を添加する。
【0081】また、本発明においては、触媒系として 更に、(D)成分として水を添加することが好ましい。(C)成分の有機アルミニウム化合物と(D)成分の水とのモル比(C)/(D)は、好ましくは0.66〜5であり、より好ましくは0.7〜1.5である。
【0082】触媒成分の添加順序は、特に、制限はないが、例えば次の順序で行うことができる。
■重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と溶媒の混合物に(D)成分を添加し、(C)成分を添加した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
■重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と溶媒の混合物に(D)成分と(C)成分を添加した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
【0083】また重合時に、必要に応じて水素を共存させることができる。
【0084】水素の存在量は、共役ジエン1モルに対して、好ましくは500ミリモル以下、あるいは、20℃1気圧で12L以下であり、より好ましくは50ミリモル以下、あるいは、20℃1気圧で1.2L以下である。
【0085】ここで重合すべきブタジエンモノマ−とは、全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるいは残部のモノマ−溶液と混合することができる。
【0086】ブタジエンモノマ−以外にイソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3− ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタジエン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエンなどの共役ジエン、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ブテン−2、イソブテン、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の非環状モノオレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン等の環状モノオレフィン、及び/又はスチレンやα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,5−ヘキサジエン等の非共役ジオレフィン等を少量含んでいてもよい。
【0087】重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、又は、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒として用いる塊状重合などを適用できる。トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0088】本発明においては、上記の触媒を所定の温度で予備重合を行うことが好ましい。予備重合は、気相法、スラリ−法、塊状法などで行うことができる。予備重合において得られた固体は分離してから本重合に用いる、あるいは、分離せずに本重合を続けて行うことができる。
【0089】重合温度は−100〜200℃の範囲が好ましく、 −50〜120℃の範囲が特に好ましい。重合時間は2分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜6時間の範囲が特に好ましい。
【0090】所定時間重合を行った後、アルコ−ルなどの停止剤を注入して重合を停止した後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
【0091】本発明で用いられるヘテロ三員環化合物としては、エポキシ化合物、エチレンイミン誘導体、チイラン化合物などが挙げられる。エポキシ化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。エチレンイミン誘導体としては、エチレンイミン、プロピレンイミン、N−フェニルエチレンイミン、N−(β−シアノエチル)エチレンイミンなどが挙げられる。チイラン化合物としては、チイラン、メチルチイラン、フェニルチイランなどが挙げられる。
【0092】本発明の変性反応において、ポリブタジエンに対する三員環化合物の使用量は、ポリブタジエン1モルにつき三員環化合物2〜10モルが好ましい。変性反応は、30〜90℃の温度で、0.1〜2時間行うことが好ましい。変性反応は、ポリブタジエンを溶媒に溶解して行うことが好ましい。溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、重合溶液をそのまま変性反応にもちいてもよい。
【0093】反応終了後、溶媒をスチームなどで除去する、または貧溶媒で凝固したのち、乾燥して変性体を得ることできる。
【0094】また、本発明の変性体は、ブタジエン重合反応が所定の重合率を達成した後、カルボン酸エステルまたは炭酸エステルを添加し、反応させることによって重合体分子量を増大もしくはポリマー鎖を分岐化させて得られる。カルボン酸エステルまたは炭酸エステルの使用量は重合活性末端量に対して当量となるような量が分子量最大増加もしくは最大枝分れに最適の量と考えられる。
【0095】本発明のカルボン酸エステルまたは炭酸エステルとしては、例えば、カルボン酸とアルコールまたはフェノールとのエステル化合物、炭酸とアルコールまたはフェノールとのエステル化合物などが挙げられる。その具体例としては、酢酸エチル、ステアリン酸ブチル、アジピン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、安息香酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、フタール酸ジエチル、イソフタール酸ジエチル、テレフタール酸ジエチル、トリメリット酸トリブチル、ピロメリット酸テトラオクチル、メリット酸ヘキサエチル、酢酸フェニル、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート等のカルボン酸エステル、あるいは、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジヘキシル、炭酸ジシクロヘキシル、炭酸ジフェニル等の炭酸エステルを挙げることができる。そのうち特に好ましいのは、トリメリット酸メチル、アジピン酸ジエチル、炭酸ジフェニルである。
【0096】本発明のカルボン酸エステルまたは炭酸エステルの添加量は、ポリブタジエン1モルあたり、0.1〜2モルが適当である。
【0097】本発明で得られた分岐ポリブタジエンは、トルエン溶液粘度(Tcp)が好ましくは30〜100であり、Tcp/ML1+4 は、好ましくは1.2〜2である。
【0098】
【実施例】ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm-1、トランス967cm-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
【0099】[η]は、1g/lトルエン溶液を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.75を使用して、30℃の温度で測定した。
【0100】トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
【0101】ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、JIS6300に準拠して測定した。
【0102】実施例1(ポリブタジエンの製造)内容量2Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、ブタジエン400mLを仕込んで攪拌する。次いで、20℃、1気圧換算で200ccの水素を積算マスフロメーターで計量して注入した。次いで、トリエチルアルミニウム(TEA)1mol/Lのトルエン溶液、シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(CpVCl3 )5mmol/Lのトルエン溶液、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C654 )2.5mmol/Lのトルエン溶液をそれぞれ表1に示す量だけ加え、重合温度40℃で30分間重合を行った。重合後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含有するエタノールを注入して反応を停止させた後、溶媒を蒸発させ乾燥した。表1、2に重合結果を示した。
【0103】(エポキシ変性反応)実施例1の重合液を50℃に保ち、0.57g(4.8mmol)のスチレンオキシドを添加し、その後、40分間放置し、2,4−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1.5gを含むメタノール溶液を添加し、反応停止後、スチームストリッピングにより、脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、ポリマーを得た。結果を表3に示す。
【0104】実施例2実施例1で、重合終了後、重合体に反応させる化合物を、グリシジルメタクリレート(4.8mmol)に代えた以外は、実施例1と同様にして変性物を得た。結果を表3に示す。
【0105】実施例3実施例1で、重合終了後、重合体に反応させる化合物を、グリシジルメタクリレート(9.6mmol)に代えた以外は、実施例1と同様にして変性物を得た。結果を表3に示す。
【0106】実施例4(分岐ポリブタジエンの製造)実施例1のポリブタジエン(60g)を含む重合混合物溶液を、トリメリット酸ブチル0.03ミリモル添加し、温度50℃、60分撹拌後、酸化防止剤(2,6−t−ブチル−p−クレゾール)1%溶液を添加した後、10wt%のエタノール/トルエン混合溶液10mlで反応を停止させ、その後、大量のエタノールでポリマーを分離し、真空乾燥した。結果を表3に示す。分岐構造によってTcp/ML1+4 が低下した。
【0107】
【表1】

【0108】
【表2】

【0109】
【表3】

【0110】
【発明の効果】ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造及び分子のリニアリティの高いポリブタジエンを用いて、分岐構造を有したポリブタジエンを提供する。




 

 


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