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発明の名称 シクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−97900(P2001−97900A)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
出願番号 特願平11−271583
出願日 平成11年9月27日(1999.9.27)
代理人
発明者 松崎 徳雄 / 真鍋 卓美
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】白金族触媒の存在下、エポキシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンに水素ガスを接触させてシクロアルカノンとシクロアルカノールの混合物を製造する方法において、白金族触媒の担体としてα−アルミナを用いることを特徴とするシクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の製造法。
【請求項2】水素圧が1〜100kg/cm2、反応温度が100〜280℃の条件下に反応させる請求項1記載のシクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の製造法。
【請求項3】エポキシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンの炭素数が6〜12である請求項1または2記載のシクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の製造法。
【請求項4】エポキシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンの炭素数が12のエポキシシクロドデカン、エポキシシクロドデカジエンおよびエポキシシクロドデセンである請求項3記載のシクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の製造法に関するものである。例えば、シクロヘキサノンとシクロヘキサノールの混合物を、シクロドデカノンとシクロドデカノールの混合物から効率的に製造することができる。シクロヘキサノンとシクロヘキサノールの混合物はカプロラクタムを製造するための原料として用いられ、シクロドデカノンとシクロドデカノールの混合物はラウロラクタムを製造するための原料として用いられる。すなわちシクロドデカノンとシクロドデカノールの混合物は脱水素することによりシクロドデカノンに変換され、さらにヒドロキシルアミンとの反応によりシクロドデカノンオキシムが合成される。シクロドデカノンオキシムはベックマン転位によりラウロラクタムに変換される。ラウロラクタムは12ナイロン原料として使用される。従って、ラウロラクタムの原料となるシクロドデカノン、シクロドデカノールを効率的に製造する方法の提供は産業上有用である。
【0002】
【従来技術】シクロアルカノンとシクロアルカノールの混合物は、例えば、ホウ酸触媒存在下シクロアルカンの空気酸化法により製造される。ところで、このような空気酸化法は、逐次反応であり、反応の際に多くの副生成物が生成するため、シクロアルカンの転化率は低く抑えざるを得なくなり、目的生成物であるシクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の収率は、概して低いというのが現状である。例えば、ホウ酸触媒存在下、シクロドデカンの空気酸化法では、シクロドデカノンとシクロドデカノール混合物の収率は20〜25%と言われている。また、シクロヘキサンの空気酸化法によるシクロヘキサノンとシクロヘキサノールの収率は数パーセントである。
【0003】これに対して、エポキシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンは対応するシクロアルケンのエポキシ化反応により、高い収率で製造することが可能である。よって、このようなエポキシド化合物をさらに効率的にシクロアルカノンとシクロアルカノールの混合物に変換すれば高い収率で目的物が得られる。
【0004】しかしながら、このようなエポキシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンをシクロアルカノンとシクロアルカノールの混合物に変換する報告例はあまり多くない。例えば、J.Mol.Catal.,vol.69,p.95〜103(1991) には、エポキシシクロドデカジエンの水添に関する反応が報告されている。その反応事例では、エポキシシクロドデカジエンをγ−アルミナ担持パラジウム触媒の存在下、水素ガス1.3MPa、反応温度90℃で反応させ、シクロドデカノールの収率は20%以下、シクロドデカノン収率は0%であれる。チタニア担持パラジウム触媒やシリカ担持パラジウム触媒についても報告されているが、いずれもさらに低いシクロドデカノール収率となっている。第24回“反応と合成の進歩シンポジウム”(1998年、11月5,6日、講演予稿集p.68)には、C(炭素質)担持パラジウム触媒の存在下でのエポキシシクロドデカジエンの水添反応例が報告されているが、シクロドデカノールの収率は5%、シクロドデカノンの収率は0%となっている。このように従来報告例では、エポキシシクロドデカジエンを水素ガスで水添する方法でのシクロドデカノールとシクロドデカノンの収率は極めて低い。
【0005】なお類似反応として、エポキシシクロヘキサンを水添し、シクロヘキサノールを合成する方法が、Synthetic Communications,25(15),p.2267-2273(1995) に報告されている。この文献では、活性炭担持パラジウム触媒の存在下、ギ酸アンモニウム(HCOONH4)でエポキシシクロヘキサンを還元し、シクロヘキサノールが50%、シクロヘキサノンの収率が0%であったと報告している。しかしながら、この方法では水素源のギ酸アンモニウム(HCOONH4)が高価であること、さらにこのような高価な水素源を使用するにも拘わらずシクロヘキサノールとシクロヘキサノンの混合物の収率が低いこと等より、ラクタム原料の製造に供するシクロアルカノン、シクロアルカノール類の製法としては実用的な反応技術ではなかった。
【0006】このように、水素源として安価な水素ガスを用い、エポキシシクロドデカン、エポキシシクロドデカジエン及び/またはエポキシシクロドデセンを水添し高収率でシクロドデカノンとシクロドデカノールの混合物を合成する技術はいまだに開発されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、白金族触媒の存在下、エポキシシクロアルカン及び/またはエポキシアルケンと水素ガスより対応するシクロアルカノンとシクロアルカノールの混合物を高収率で製造する技術を確立することにある。例えば、エポキシシクロドデカジエンと水素ガスよりシクロドデカノンとシクロドデカノールの混合物を高収率で製造する方法を確立することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、白金族触媒の存在下、エポキシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンに水素ガスを接触させてシクロアルカノンとシクロアルカノールの混合物を製造する方法において、白金族触媒の担体としてα−アルミナを用いることにより高収率でシクロアルカノンとシクロアルカノールの混合物を製造する方法を見出し、本発明を完成させた。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いるエポキシシクロアルカンは、炭素数5〜20の脂環式飽和炭化水素のエポキシドであり、一部メチル基あるいはエチル基で置換されていてもよい。好ましくは炭素数6〜12の脂環式炭化水素のエポキシド、より好ましくは炭素数12の脂環式炭化水素のエポキシドである。また、エポキシシクロアルケンは、炭素数5〜20の脂環式不飽和炭化水素のエポキシドで、少なくとも分子内に二重結合を1個以上を有する化合物であり、一部メチル基あるいはエチル基で置換されていてもよい。好ましくは炭素数6〜12の脂環式炭化水素のエポキシド、より好ましくは炭素数12の脂環式炭化水素のエポキシドである。エポキシシクロアルカンとエポキシシクロアルケンの具体例としては、エポキシシクロヘキサン、エポキシシクロヘキセン、エポキシシクロオクタン、エポキシシクロオクテン、エポキシシクロドデカン、エポキシシクロドデセン、エポキシシクロドデカジエン等のエポキシ化合物を挙げることができる。これらエポキシ化合物は単独で用いても混合物で用いてもよい。また、これらのエポキシ化合物に種々の異性体が存在する場合、異性体の構造には特に制約されるものではない。
【0010】本発明において使用する白金族触媒とは、白金族元素であるルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミニウム、イリジウム、白金から選ばれた少なくとも1つの元素を不活性支持体に担持した固体触媒、好ましくは、パラジウム又はロジウム触媒であり、より好ましくはパラジウム触媒である。
【0011】前記不活性支持体としては、α−アルミナ(以下α−Al23と記載することもある)を触媒担体とする。触媒担体として用いるα−アルミナは、X線回折によりα−アルミナ結晶構造の存在が認められるものである。ここで用いるα−アルミナ担体にはNa、Mg、Fe、SiO2などが微量含まれる場合があるが、数%以下であれば触媒性能に大きな影響を与えるものではない。アルカリ金属やアルカリ土類金属の含有は触媒性能に好結果を与える場合もある。
【0012】α−アルミナ担体の表面特性、細孔特性は特に限定するものではないが、通常、比表面積は20m2/g以下、好ましくは20m2/g〜1m2/gであり、平均細孔径は500〜5000Åのものを用いる。
【0013】このα−アルミナに担持する白金族元素の担持量は、α−アルミナに対して0.1〜20重量%であるのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。担持量があまりに低いと触媒活性が充分発揮できない。担持量が多すぎる場合、反応の点においては特に問題はないが、高価な白金族元素を効率よく使用しているとは言い難い。白金族元素の担体上での平均粒径は、数Å〜数千Åのサイズのものが用いられる。このような白金族元素は、α−アルミナ担体の全体に担持されていてもよいし、内部に担持されていてもよいし、又、担体の表面部分にリッチに担持されていてもよく担持部位は特に限定されるものではない。
【0014】エポキシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンに水素ガスを接触させるα−アルミナを担体とする白金族触媒の形態は、粉末状であっても成形したペレット状であってもよい。一般に、粉末状のα−アルミナ担持パラジウム触媒の場合は、液相懸濁床触媒反応に供され、成形したペレット状の場合では、固定床触媒反応に供される。固定床触媒反応としては、条件によりトリクル反応、液相反応、気相反応などで行うことができる。
【0015】液相懸濁床反応に用いる粉末状触媒の場合では、その粒子径は平均で数μm〜数百μmの触媒を用いるのが好適である。固定床触媒反応に用いる成形したペレット状の場合では、ペレットの平均長さは、1〜10mmのサイズのものが好適に用いられる。
【0016】液相懸濁床反応、固定床反応ともに、溶媒を用いても用いなくても良い。溶媒を用いる場合には、副生成物の生成など反応に悪影響を及ぼさない溶媒が好ましい。溶媒としては、例えばアルカン類、エーテル類、アルコール類、エステル類などがある。溶媒を用いることにより反応制御が容易になる場合もある。また、反応原料にはエポキシド類の他にシクロアルカノン、シクロアルカノール等の反応生成物が共存してもよい。
【0017】使用する触媒量は、エポキシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンに対して白金族触媒が、モル比で1/1000以上となるように、上記α−アルミナに担持させた白金族触媒を共存させる。
【0018】本発明の反応条件は、使用するエポキシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンの種類および使用割合により多少ことなるが、水素圧1〜100kg/cm2、反応温度100〜280℃であり、好ましくは水素圧1〜50kg/cm2、反応温度100〜250℃、あるいは水素圧1〜100kg/cm2、反応温度140〜280℃であり、より好ましくは水素圧1〜40kg/cm2、反応温度100〜230℃あるいは水素圧5〜90kg/cm2、反応温度150〜250℃である。
【0019】水素圧があまりに低い場合や反応温度があまりに低い場合では、エポキシ基の水添反応や異性化反応あるいは二重結合の水添反応が充分に進まず、シクロアルカノンとシクロアルカノールの混合物の収率は低い。水素圧があまりに高い場合や反応温度があまりに高くなると、高沸物等の副生成物の生成が増大し、シクロアルカノンとシクロアルカノールの混合物の収率が低下する。なお、反応時間、接触時間は特に限定しするものではないが、通常は3時間以内で充分である。
【0020】
【実施例】以下に本発明の技術について具体的な実施例をもって示すが、本発明はこれら事例に限定されるものではない。
【0021】実施例1平均粒径が15ミクロンである活性アルミナ粉末を空気中1300℃、3時間焼成し比表面積が8m2/g、であるアルミナ粉末を得た。これはX線回折よりα−Al23であることが確認された。なお平均細孔径は1600Åであった。このα−Al23粉末を水に懸濁させα−Al23に対してパラジウム(Pd)が5wt%になるよう所定量の塩化パラジウム(PdCl2)水溶液を加え攪拌しながら水分を蒸発除去した。これを300℃で水素還元処理し、α−Al23にPdが5wt%担持された触媒を調製した。エポキシシクロドデカジエン10.0g、シクロヘキサン10.0 g及び上記粉末触媒0.20 gを容積100mlのオートクレーブに入れ、水素ガスで9kg/cm2加圧下、撹拌しながら160℃で1時間反応させた。反応終了後、触媒をろ別し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところシクロドデカノールが仕込みエポキシシクロドデカジエンに対して6モル%の収率で生成していた。シクロドデカノンは76モル%の収率で生成していた。したがってシクロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は82%であった。なお、このときエポキシシクロドデカンが16モル%の収率で生成していた。
【0022】実施例2エポキシシクロドデカジエン10.0 g、シクロヘキサン10.0 g及び実施例1で調製した触媒0.20 gを容積100 mlのオートクレーブに入れ、水素ガスで50kg/cm2加圧下、撹拌しながら200℃で2時間反応させた。反応終了後、触媒をろ別し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、シクロドデカノールが仕込みシクロドデカンエポキシドに対して53モル%の収率で生成していた。またシクロドデカノンも20モル%の収率で生成していた。したがってシクロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は73モル%であった。
【0023】実施例3実施例1と同様な方法でα−Al23にパラジウムが3wt%担持された触媒を調製した。この触媒を用い実施例1と同じ条件で反応した。その結果、シクロドデカノールが4モル%の収率で生成していた。またシクロドデカノンは71モル%の収率で生成していた。したがってシクロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は75モル%であった。
【0024】実施例4実施例1と同様にして反応を行い、その後、さらに反応温度を200℃に、水素圧を50kg/cm2に上げ2時間反応した。このようにして得られた反応液を触媒ろ過後分析した結果、シクロドデカノールが18モル%の収率で生成しシクロドデカノンが75モル%の収率で生成していた。シクロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は93モル%であった。
【0025】比較例1実施例1の触媒調製において活性アルミナを焼成せずそのまま使用し、活性アルミナにパラジウムが5wt%担持された触媒を得た。この触媒を使用して、実施例1と同様な条件で反応を行った結果、シクロドデカノールの収率は7モル%であり、またシクロドデカノンの収率は56モル%であった。したがって、シクロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は63%であった。
【0026】比較例2実施例1の触媒調製においてα−Al23粉末の代わりにマグネシア(MgO)粉末を使用し、マグネシアにパラジウムが5wt%担持された触媒を得た。この触媒を使用して、実施例1と同様な条件で反応を行った結果、シクロドデカノールの収率は5モル%であり、またシクロドデカノンの収率は47モル%であった。したがって、シクロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は52%であった。
【0027】比較例 3実施例1の触媒調製においてα−Al23粉末の代わりにチタニア(TiO2)粉末を使用し、チタニアにパラジウムが5wt%担持された触媒を得た。この触媒を使用して実施例1と同様な条件で反応を行った結果、シクロドデカノールの収率は5モル%であり、またシクロドデカノンの収率は58モル%であった。したがって、シクロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は63モル%であった。
【0028】比較例 4実施例1の触媒調製においてα−Al23粉末の代わりにシリカ(SiO2)粉末を使用し、シリカにパラジウムが5wt%担持された触媒を得た。この触媒を使用して、実施例1と同様な条件で反応を行った結果、シクロドデカノールの収率は20モル%であり、またシクロドデカノンの収率は45モル%であった。したがって、シクロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は65モル%であった。
【0029】実施例1から4および比較例1から4の結果を表1にまとめて示した。
【表1】

【0030】
【発明の効果】エポキシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンと水素ガスを接触させてシクロアルカノールとシクロアルカノンの混合物を高収率で製造する方法は従来知られていなかったが、α−アルミナを担体とした白金族触媒の存在下、水素圧1〜100kg/cm2、反応温度100〜280℃の条件で製造すればシクロアルカノールとシクロアルカノンの混合物が高収率で得られることが可能となった。




 

 


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