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発明の名称 カレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂、樹脂組成物およびこの成形物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−81256(P2001−81256A)
公開日 平成13年3月27日(2001.3.27)
出願番号 特願平11−263842
出願日 平成11年9月17日(1999.9.17)
代理人
発明者 坂口 隆哉 / 作田 良幸
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】(A)プロピレン50〜100重量%とプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィン50〜0重量%との共重合体で、この共重合体は冷キシレン可溶成分が20〜80重量%であり、かつ冷キシレン可溶成分の極限粘度が0.8〜2.5dl/gであることを特徴とするカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂。
【請求項2】請求項1記載のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂100重量部と一般式(1)で表されるアルキルアシッドホスフェート0.025〜3重量部とを含むことを特徴とするカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
【化1】

【請求項3】炭素数2〜10のα−オレフィンがエチレンであることを特徴とする請求項1〜2記載のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂又は、樹脂組成物。
【請求項4】請求項1〜3記載のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂又は、樹脂組成物から成形されるカレンダー成形物。
【請求項5】カレンダー成形物が、ロール表面温度150〜200℃でカレンダー成形されたカレンダー成形物であることを特徴とする請求項4記載のカレンダー成形物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカレンダー成形に適したポリプロピレン系樹脂又は、樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、カレンダーロールからの離型性が良く、カレンダー成形物の表面平滑性に優れ、厚みむらが少ないなどのカレンダー成形性に適したポリプロピレン系樹脂又は、樹脂組成物に関する。このポリプロピレン系樹脂又は、樹脂組成物はカレンダー成形により、人工レザーや自動車用の床材、天井材などに利用される。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】カレンダー成形法は、2本以上のロール間で樹脂を圧延して、一定の厚みを有するフィルムやシートを連続的に成形する方法であって、通常の押出成形法に比べ、生産能力が大きいため、安価にフィルムやシートが製造できる成形法である。従来、カレンダー成形法では、主として各種可塑剤を含有するポリ塩化ビニルが使用され、レザー、シート、フィルムなどが多量に製造されていた。近年、ポリ塩化ビニル中の可塑剤の毒性問題や廃棄物燃焼時の有毒ガス発生の問題などから、他の材料への転換が迫られている。
【0003】ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系材料は、ポリ塩化ビニルのような問題点が無く、機械的強度などの実用的性質が良好なため、代替材料として期待されている。しかしながら、ポリプロピレンやポリエチレンは本質的に結晶性ポリマーであり、柔軟性が十分でない、溶融すると急激な粘度変化が起り、カレンダー成形の好適な成形条件範囲が狭い、カレンダーロールからの離型性が悪い、又、カレンダー成形物の表面平滑性が悪い、厚みムラが生じ易いなどの問題点があった。
【0004】これらの問題点を解決するために数多くの提案がされている。例えば、特開平6−25439号公報では、結晶性プロピレン系樹脂、エチレン系共重合体、及び無定形エチレン−プロピレン共重合体からなる組成物が開示されている。
【0005】特開平8−67778号公報には、広い分子量を有するポリプロピレンのブレンド物を使用することが開示されている。又、特開昭53−119946号公報には、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体及びプロピレンとエチレンとのブロック共重合体の組成物を使用したカレンダー成形法が開示されている。
【0006】カレンダーロールからの離型性を改善する方法として、特開平8−319382号公報では、ポリプロピレン樹脂と脂肪族モノカルボン酸の金属塩とからなる組成物が開示されている。
【0007】本発明は、カレンダーロールから離型性が良く、表面平滑性に優れ、厚みムラの少ないフィルム、シートなどのカレンダー成形物の製造に適したカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂又は、樹脂組成物の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好ましい性質を有するポリプロピレン系樹脂を開発すべく研究した結果、特定の極限粘度を有する冷キシレン可溶成分を特定量含有するポリプロピレン系樹脂が、本目的に適合することを見出し、本発明に到達した。
【0009】本発明は、(A)プロピレン50〜100重量%とプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィン50〜0重量%との共重合体で、この共重合体は冷キシレン可溶成分が20〜80重量%であり、かつ冷キシレン可溶成分の極限粘度が0.8〜2.5dl/gであることを特徴とするカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂に関する。
【0010】本発明は、カレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂100重量部と一般式(1)で表されるアルキルアシッドホスフェート0.025〜3重量部とを含むことを特徴とするカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
【化2】

【0011】本発明は、炭素数2〜10のα−オレフィンがエチレンであることを特徴とするカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂又は、樹脂組成物に関する。
【0012】本発明は、上記カレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂又は、樹脂組成物から成形されるカレンダー成形物に関する。
【0013】本発明は、カレンダー成形物が、ロール表面温度150〜200℃でカレンダー成形されたカレンダー成形物であることを特徴とするカレンダー成形物に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂は、(A)プロピレン50〜100重量%とプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィン50〜0重量%との共重合体、好ましくはプロピレン55〜100重量%とプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィン45〜0重量%との共重合体、さらに好ましくはプロピレン60〜99.9重量%とプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィン40〜0.1重量%との共重合体、特に好ましくはプロピレン70〜99重量%とプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィン30〜1重量%との共重合体であり、この共重合体は冷キシレン可溶成分が20重量%、好ましくは25重量%、さらに好ましくは30重量%、特に好ましくは35重量%から80重量%、好ましくは70重量%、さらに好ましくは60重量%、特に好ましくは50重量%の範囲であり、かつ、該冷キシレン可溶成分の極限粘度が0.8dl/g、好ましくは0.85dl/g、さらに好ましくは0.9dl/g、特に好ましくは0.95dl/gから2.5dl/g、好ましくは2.1dl/g、さらに好ましくは1.7dl/g、特に好ましくは1.2dl/gの範囲である。
【0015】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂において、(A)プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとの組成割合が上記範囲の以外では、機械的強度が低下したり、単独でフィルムやシートを製造することが難しくなる場合があり好ましくない。
【0016】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂は、冷キシレン可溶成分が上記の範囲より小さい場合、カレンダー成形で得られるフィルムやシートに厚みムラが起り易い。一方、上記の範囲より大きい場合、フィルムやシートにブリード物が析出することがあり、表面平滑性が悪くなることがある。
【0017】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン重合体、プロピレンおよびブテン−1から選ばれる1以上のオレフィン成分とプロピレンおよびブテン−1を除く炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体の場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体を用いることが出来る。
【0018】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂組成物は、カレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、一般式(1)、さらに一般式(2)、特に一般式(3)で表されるアルキルアシッドホスフェート0.025重量部、さらに0.03重量部、特に1重量部から3重量部、さらに2.8重量部、特に好ましくは2.5重量部とを含むことが好ましい。一般式(1)で表されるアルキルアシッドホスフェートとして、例えば、旭電化工業株式会社製アルキルアシッドホスフェートAX−71がある。
【化3】

【化4】

【化5】

【0019】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂組成物は、カレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、アルキルアシッドホスフェートの量が上記の範囲より少ないと、ロールからの離型性の向上が低く、又、上記の範囲より多いと、アルキルアシッドホスフェートがシート表面にブリードする場合があり、カレンダーロールを汚したり、フィルムやシートの表面を白化させたりする場合があり好ましくない。
【0020】炭素数2〜10のα−オレフィンとは、プロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンのことであり、具体例としては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセンー1、4−メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1などが挙げられる。これらのα−オレフィンは一種類又は二種類以上を適宜組合せて用いることができる。これらα−オレフィンの中ではエチレンが好ましい。
【0021】なお、冷キシレン可溶成分の量は以下の方法で求められる。非晶性ポリα−オレフィンを80〜100倍量のキシレンに加え、この溶液を30分間沸騰させた後、その容器を水で冷却し、溶液の温度を20℃にする。次いで、乾燥したグラスフィルター(フィルターの目のサイズ:5G)を用い、減圧濾過により冷キシレンに未溶解の成分(以下、「濾過物」と記載する。)と冷キシレン可溶成分が溶解したキシレン(以下、「濾液」と記載する。)とに濾別する。濾過物の残ったグラスフィルターを減圧乾燥し、ほぼ恒量になるまで乾燥した後、その重量を測定し、式(1)により冷キシレン可溶成分の量は求められる。
【数1】

【0022】冷キシレン可溶成分の極限粘度は次の方法で測定される。極限粘度測定に使用する試料の冷キシレン可溶成分は、上記の濾液をロータリーエバポレーターで約1/10の量に濃縮した後、この濃縮液に約9倍量のアセトンを加え、溶解していた冷キシレン可溶成分を析出、沈殿させ、この沈殿物を濾過回収し、乾燥することにより得られる。極限粘度は、この冷キシレン可溶成分20mgに20mlのデカリンを加え、135℃の恒温油槽中で冷キシレン可溶成分をデカリンに完全に溶解させ、ウベローデ型粘度計を用い、135℃で測定した試料の落下所用時間とデカリン単独の落下所用時間を基に求められる。
【0023】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂は、低結晶性の樹脂であり、JIS K 7112の密度勾配管法で測定した密度を基に、ポリプロピレンの100%結晶の密度を0.936g/cm3、完全非晶の密度を0.855g/cm3として計算される結晶化度が、下限値として0%、さらに0.1%、特に0.2%から上限値として60%、さらに58%、特に55%の範囲が好ましい。
【0024】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂は、耐熱性や機械的性質をより向上させるために、結晶性ポリプロピレンを添加することができる。結晶性ポリプロピレンは、本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂を除く樹脂であり、密度0.890g/cm3以上で、市販されているアイソタクチック構造のプロピレン単独重合体あるいはプロピレンと他のα−オレフィンとからなる結晶性の共重合体などが使用できる。結晶性ポリプロピレンは本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂と混合しても透明性を大きく損なわないという利点がある。本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂と結晶性ポリプロピレンとの混合比は、本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、結晶性ポリプロピレン50〜150重量部の範囲が好ましい。
【0025】結晶性ポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体、エチレン成分を30重量%以下、好ましくは1〜25重量%含有するプロピレン・エチレンのランダム共重合体又はブロック共重合体、ブテン−1を20重量%以下含有するプロピレン・ブテン−1のランダム共重合体又はブロック共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1の三元ランダム共重合体又は三元ブロック共重合体などを挙げることが出来る。
【0026】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂の製造は、公知の製造方法、例えば、特開平4−258609号公報や特開平4−258611号公報記載の方法などで製造できる。具体的には、触媒系としては、ハロゲン化マグネシウム担持基剤とトリハロゲン化アルミニウムからなる触媒担体とテトラハロゲン化チタンとから得られるチタン含有固体触媒と有機アルミニウム助触媒とを配合したものが用いられる。本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂は、所定量の上記触媒系の存在下に、例えば、一段重合法にて、プロピレンの単独重合やブテン−1単独重合あるいはプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとを共重合させることにより製造できる。重合方法は、特に制限は無く、スラリー重合法、気相重合法、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法などが用いられる。重合後、ポリマー中に含まれる未反応モノマーを除くため、窒素気流などを通過させても良い。又、触媒を失活させるため、押出機を用い、ペレット化する際に少量の水やアルコールを添加することもできる。又、本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂としては、市販の非晶性ポリα−オレフィンを使用することもできる。例えば、市販品として米国ハンツマン(Huntsman)社のFPO(Flexible polyolefine)がある。
【0027】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸及び/又はそれらのエステル、酸無水物、金属塩等の誘導体、不飽和物のアミド、アミノ化合物、グリシジルメタアクリレート、ヒドロキシメタアクリレート等を用い、二軸混練機などを用いた公知の方法により変性されたものも使用することができる。これら変性されたものでは、無水マレイン酸、無水イタコン酸により変性されたものが好適である。
【0028】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂には、必要により、本発明の特性を阻害しない範囲で、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、メタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体などのポリエチレン系樹脂を添加することができる。
【0029】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂又は、樹脂組成物には、必要により、本発明の特性を阻害しない範囲で、公知の添加剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素補足剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機物充填材、無機物充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性剤、汚染防止材、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマーなどを発明の効果が損なわれない範囲で添加することができる。
【0030】これら添加剤の例を挙げると、酸化防止剤としては2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−エチルフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、トリオクチルホスファイト、トリストリデシルホスファイトなどの有機ホスファイト系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤がある。光安定剤としてはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどのヒンダードアミン系安定剤がある。紫外線吸収剤としては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]],2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などがある。
【0031】帯電防止剤としてはポリ(オキシエチレン)アルキルアミン、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミドなどのノニオン系帯電防止剤、第4級アンモニウムクロライド、第4級アンモニウムサルフェートなどのカチオン系帯電防止剤、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネートなどのアニオン系帯電防止剤がある。分散剤としてはエチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどのビスアミド系分散剤、マイクロクリスタリンワックスなどのワックス系分散剤、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などの有機金属塩系分散剤がある。
【0032】難燃剤としてはトリクレジルホスフェート、リン酸アンモニウムなどのリン酸系難燃剤、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、マグネシウムの炭酸塩、赤リン等が挙げられる。ブロッキング防止剤としては、シリカ、天然ゼオライト、合成ゼオライト、カオリン、タルク、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、溶融シリカ、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ハドロタルサイト系等の微粒子が挙げられる。スリップ剤としては、ラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの高級脂肪酸アミドが好適である。添加できるその他の樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンワックスなどや、また、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂やこれらの水素添加誘導体などがある。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体とこの水添物のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体とこの水添物のスチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体、エチレンプロピレンゴム、アイオノマーなどがある。
【0033】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂や樹脂組成物をカレンダー成形する成形装置としては、例えば、2本直列カレンダー、3本直列カレンダー、4本直列カレンダー、Z型カレンダー、逆L型カレンダーなど、従来、ポリ塩化ビニルなどのカレンダー成形に使用されている公知の装置を特に制限なく用いることができる。
【0034】この成形条件は、通常、樹脂温度が150℃、さらに160℃、特に170℃から200℃、さらに、190℃、特に185℃の範囲、ロール表面温度が150℃、さらに160℃、特に165℃から200℃、さらに190℃、特に185℃の範囲に設定されることが好ましい。ロール表面温度は、上記範囲より低い場合、カレンダー成形が困難場合があり、上記範囲より高い場合、成形物とロールとの剥離性が悪くなる場合がある。ロールの線速度は、5m/分、さらに7m/分、特に8m/分から60m/分、さらに50m/分、特に40m/分が好ましい。
【0035】本発明のカレンダー成形用ポリプロピレン系樹脂や樹脂組成物は、カレンダー成形物により、文房具、建設資材、車両用資材や食品、化粧品、医薬品などの包装材料に使用する各種のフィルム、シートなどを製造できる。車両用資材では、特に、自動車用の床材、天井材、インストルメントパネル、ドアトリム、内装シートがある。さらに、カレンダー成形の際、ロールに紙や布などを送り、人工レザー、防水布や各種ラミネート製品を成形することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例および比較例中に記載した特性値の測定は下記の方法で行った。
【0037】・カレンダー成形によるシートの作成カレンダーロールとして径6インチの2本ロールを用い、ロール表面温度150〜200℃、ロール速度10m/分、厚さが約0.3mmとなるようロール間隔を調整し、樹脂約100gを圧延加工してシートを作成した。カレンダーロール成形時でのロールと樹脂との離型を目視で観察し、評価した。得られたシートの表面平滑性を目視で観察し、評価した。得られたシートの厚みムラを評価した。
【0038】・カレンダー成形及びシートの評価(1)ロールからの離型性の評価方法カレンダーロール成形時のロールと樹脂との離型を目視で観察し、評価した。
○:ロールへの粘着が無く、容易に離型する。
×:成形初期から粘着性が高く、離型は困難。
【0039】(2)表面平滑性の評価方法得られたシートの表面平滑性を目視で観察し、評価した。
○:シート表面の平滑性は良好。
×:シート表面に凹凸が認められる。
【0040】(3)厚みムラの評価方法得られたシートの中央部から縦(成形方向)10cm、横3cmの試験片を切出し、厚み計で任意の10点を測定した。測定値の上下の各2点を除外し、残った6点の値から、(最大の厚み)/(最小の厚み)を計算し、下記により評価した。
○:1.0〜1.2×:1.2を超える【0041】(実施例1)径6インチの2本ロール(カレンダーロール)を用い、ロール表面温度175℃、ロール速度10m/分、厚さが約0.3mmとなるようロール間隔を調整し、プロピレン−エチレン共重合体(エチレン含有量1.5重量%、冷キシレン可溶成分:39.3重量%、冷キシレン可溶成分の極限粘度:1.0dl/g)100重量部、炭酸カルシウム(ソフトン)11重量部、酸化防止剤(AO−50)0.56重量部およびアルキルアシッドフォスフェート(旭電化工業:アデカスタブAX−71)1.7重量部とからなる樹脂組成物を溶融混練機で溶融させ、カレンダーロールに供給し、表1に示した樹脂の温度及びロールの表面温度として、シートを成形した。得られたシートのロール剥離性、表面平滑性及び厚みムラを評価し、表1に示した。
【0042】
【表1】

【0043】
【発明の効果】本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、カレンダー成形が可能で、表面平滑性が優れ、厚みムラの少ないシートを得ることが出来る。




 

 


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