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発明の名称 変性ポリブタジエン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−72726(P2001−72726A)
公開日 平成13年3月21日(2001.3.21)
出願番号 特願2000−206549(P2000−206549)
出願日 平成12年7月7日(2000.7.7)
代理人
発明者 鈴木 通典 / 村上 真人 / 浅野 之彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】下記の特性を有するポリブタジエンに高分子反応させたものであることを特徴として得られる変性ポリブタジエン。ポリブタジエンの特性:(1)ブタジエンモノマ−ユニットのうち、1,2−構造ユニットの含有率が4〜30モル%、シス−1,4−構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトランス−1,4−構造ユニットの含有率が5モル%以下。
(2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3〜6。
【請求項2】該高分子反応が該ポリブタジエンに不飽和カルボン酸あるいはその誘導体を反応させるものであることを特徴として得られる請求項1に記載の変性ポリブタジエン。
【請求項3】 該不飽和カルボン酸あるいはその誘導体が、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体であることを特徴とする請求項1〜2に記載の変性ポリブタジエン。
【請求項4】該高分子反応が該ポリブタジエンにハロゲン系化合物を反応させるものであることを特徴として得られる請求項1に記載の変性ポリブタジエン。
【請求項5】該ハロゲン系化合物が分子状のハロゲン、スルフリルハロゲン化物、ハロゲン化コハク酸イミド、またはハロゲン化カプロラクタムのいずれかであることを特徴とする請求項1または4に記載の変性ポリブタジエン。
【請求項6】 該ポリブタジエンが、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて製造されたものであることを特徴とする請求項1〜5に記載の変性ポリブタジエン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制御されたミクロ構造及び分子のリニアリティの高いポリブタジエンの変性体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をとる。
【0003】重合触媒によって、上記のミクロ構造が異なったポリブタジエンが製造されることが知られており、それらの特性によって種々の用途に使用されている。特に、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造を有し、且つ、分子のリニアリティ(線状性)の高いポリブタジエンは、耐摩耗性、耐発熱性、反発弾性の優れた特性を有する。リニアリティの指標としては、Tcp/ML1+4 が用いられる。Tcpは、濃厚溶液中での分子の絡合いの程度を示し、Tcp/ML1+4 が大きい程、分岐度は小さく線状性は大きい。
【0004】特開平9−291108号公報などで開示されているように、バナジウム金属化合物のメタロセン型錯体及び非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンからなる重合触媒により、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造を有し且つ分子のリニアリティ(線状性)の高いポリブタジエンが製造されることが、本出願人により見出されている。このポリブタジエンは優れた特性を有することから、耐衝撃性ポリスチレン樹脂などへの応用が検討されている。しかしながら、このポリブタジエンは、官能基がないため、接着剤や粘着剤、接着性を持つ改質剤に用いるのが不適当であった。
【0005】また、ハロゲン化ポリブタジエンとしては、特開昭63−51403号公報には、希土類金属元素系触媒を用いて製造されたジエン系重合体をハロゲン化する方法が開示されている。希土類金属元素系触媒を用いて製造されたジエン系重合体のミクロ構造としては、ほとんどがハイシス1,4−構造を有していており、特定の用途には、ミクロ構造として適度に1,2−構造を有している重合体のハロゲン化物が求められる場合がある。また、塩素化によって微細な粉末になりにくく、見かけの比重も小さく、輸送に際しても不利になる問題がある。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造及び分子のリニアリティの高いポリブタジエンについて、接着性などの特性が改善されたポリブタジエンを提供する。
【0007】
【課題解決のための手段】本発明は、下記の特性を有するポリブタジエンに高分子反応させたものであることを特徴として得られる変性ポリブタジエンに関する。ポリブタジエンの特性:(1)ブタジエンモノマ−ユニットのうち、1,2−構造ユニットの含有率が4〜30モル%、シス−1,4−構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトランス−1,4−構造ユニットの含有率が5モル%以下。
(2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3〜6。
【0008】また、本発明は、該高分子反応が該ポリブタジエンに不飽和カルボン酸あるいはその誘導体を反応させるものであることを特徴として得られる上記の変性ポリブタジエンに関する。
【0009】また、本発明は、該不飽和カルボン酸あるいはその誘導体が、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体であることを特徴とする上記の変性ポリブタジエンに関する。
【0010】また、本発明は、該高分子反応が該ポリブタジエンにハロゲン系化合物を反応させるものであることを特徴として得られる上記の変性ポリブタジエンに関する。
【0011】また、本発明は、該ハロゲン系化合物が分子状のハロゲン、スルフリルハロゲン化物、ハロゲン化コハク酸イミド、またはハロゲン化カプロラクタムのいずれかであることを特徴とする上記の変性ポリブタジエンに関する。
【0012】また、本発明は、該ポリブタジエンが、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて製造されたものであることを特徴とする上記の変性ポリブタジエンに関する。
【発明の実施の形態】本発明で反応に用いられる原料のポリブタジエンは、1,2−構造含有率が4〜30%、好ましくは5〜25%、より好ましくは7〜15%、シス−1,4−構造含有率が65〜95%、好ましくは70〜85%、トランス−1,4−構造含有率が5%以下、好ましくは4.5%以下、特に好ましくは0.5〜4.0%である。
【0013】ミクロ構造が上記の範囲外であると、ポリマ−の反応性(グラフト反応や架橋反応性など)が適当でなく、添加剤などに用いたときのゴム的性質が低下し、物性のバランスや外観などに影響を与え好ましくない。
【0014】また、ポリブタジエンのトルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3〜6、好ましくは3〜5である。
【0015】また、ポリブタジエンのトルエン溶液粘度(Tcp)は、20〜500が好ましく、30〜300が特に好ましい。
【0016】本発明のポリブタジエンのム−ニ−粘度(ML1+4)は、10〜200が好ましく、25〜100が特に好ましい。
【0017】本発明のポリブタジエンの分子量は、トルエン中30℃で測定した固有粘度[η]として、0.1〜10が好ましく、0.1〜3が特に好ましい。
【0018】また、本発明のポリブタジエンの分子量は、ポリスチレン換算の分子量として下記の範囲のものが好ましい。
数平均分子量(Mn):0.2×105〜10×105より好ましくは0.5×105〜5×105重量平均分子量(Mw):0.5×105〜20×105、より好ましくは1×105〜10×105また、本発明のポリブタジエンの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3.5、より好ましくは1.6〜3である。
【0019】本発明のポリブタジエンは、例えば、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて、ブタジエンを重合させて製造できる。
【0020】あるいは、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、(C)周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物、及び、(D)水から得られる触媒を用いたブタジエンを重合させて製造できる。
【0021】(A)成分の遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、周期律表第4〜8族遷移金属化合物のメタロセン型錯体が挙げられる。
【0022】例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期律表第4族遷移金属のメタロセン型錯体(例えば、CpTiCl3など)、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体、クロムなどの第6族遷移金属メタロセン型錯体、コバルト、ニッケルなどの第8族遷移金属のメタロセン型錯体が挙げられる。
【0023】中でも、周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体が好適に用いられる。
【0024】上記の周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、(1) RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金属化合物(2) Rn MX2-n ・La、すなわち、少なくとも1個のシクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+2の周期律表第5族遷移金属化合物(3) Rn MX3-n ・La(4) RMX3 ・La(5) RM(O)X2 ・La(6) Rn MX3-n (NR' )
などの一般式で表される化合物が挙げられる(式中、nは1又は2、aは0,1又は2である)。
【0025】中でも、RM・La、RMX3 ・La 、RM(O)X2 ・La などが好ましく挙げられる。
【0026】Mは、周期律表第5族遷移金属化合物が好ましい。具体的にはバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、またはタンタル(Ta)であり、好ましい金属はバナジウムである。
【0027】Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基又は置換フルオレニル基を示す。
【0028】置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基又は置換フルオレニル基における置換基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジルなど芳香族炭化水素基、トリメチルシリルなどのケイ素原子を含有する炭化水素基などが挙げられる。さらに、シクロペンタジエニル環がXの一部と互いにジメチルシリル、ジメチルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、エチレン、置換エチレンなどの架橋基で結合されたものも含まれる。
【0029】置換シクロペンタジエニル基の具体例としては、メチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジ(t−ブチル)シクロペンタジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル基、5−テトラメチルシクロペンタジエニル基などが挙げられる。
【0030】置換インデニル基の具体例としては、1,2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデニル基などが挙げられる。以上の中でも、Rとしてシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、1,2,3−トリメチルインデニル基などが好ましい。
【0031】Xは水素、ハロゲン、炭素数1から20の炭化水素基、アルコキシ基、又はアミノ基を示す。Xは同じであっても、異なってもよい。
【0032】ハロゲンの具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0033】炭素数1から20の炭化水素基の具体例としては、メチル、ベンジル、トリメチルシリルメチルなどが好ましい。
【0034】アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、プロポキシ、ブトキシなどが挙げられる。
【0035】アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノなどが挙げられる。
【0036】以上の中でも、Xとしては、水素、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル、エチル、ブチル、メトキシ、エトキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどが好ましい。
【0037】Lは、ルイス塩基であり、金属に配位できるルイス塩基性の一般的な無機、有機化合物である。その内、活性水素を有しない化合物が特に好ましい。具体例としては、エ−テル、エステル、ケトン、アミン、ホスフィン、シリルオキシ化合物、オレフィン、ジエン、芳香族化合物、アルキンなどが挙げられる。
【0038】NR'はイミド基であり、R'は炭素数1から25の炭化水素置換基である。R' の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ネオペンチルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニル−2−プロピル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニルなどの芳香族炭化水素基などが挙げられる。さらにトリメチルシリルなどのケイ素原子を含有する炭化水素基も含まれる。
【0039】(A)周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、中でも、Mがバナジウムであるバナジウム化合物が好ましい。例えば、RV・La、RVX・La、R2V・La、RVX2 ・La 、RVX3 ・La 、RV(O)X2・La などが好ましく挙げられる。特に、RV・La、RVX3 ・La、RV(O)X2 ・Laが好ましい。
【0040】RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金属化合物としては、シクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(トルエン)バナジウム、シクロペンタジエニル(キシレン)バナジウム、シクロペンタジエニル(トリメチルベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(ヘキサメチルベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(ナフタレン)バナジウム、シクロペンタジエニル(アントラセン)バナジウム、シクロペンタジエニル(フェロセン)バナジウム、メチルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、1−ブチル−3−メチルシクロペタジエニル(ベンゼン)バナジウム、テトラメチルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、ペンタメチルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、トリメチルシリルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、1,2−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、インデニル(ベンゼン)バナジウム、2−メチルインデニル(ベンゼン)バナジウム、2−トリメチルシリルインデニル(ベンゼン)バナジウム、フルオレニル(ベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(エチレン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニル(ブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニル(1,4−ジフェニルブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニル(1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニル(2,3−ジメチルブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニル(2、4−ヘキサジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジエニルテトラカルボニルバナジウム、インデニルテトラカルボニルバナジウムなどを挙げることができる。
【0041】RMX3 ・Laで示される具体的な化合物としては、以下の(i)〜(xvi)のものが挙げられる。
【0042】(i) シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライドが挙げられる。モノ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、メチルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、エチルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、プロピルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、イソプロピルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、t−ブチルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、(1,1−ジメチルプロピル)シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、(ベンジル)シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0043】(ii) 1,2−ジ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−エチル−2−メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−プロピルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−ビス(トリメチルシリル)メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、1,2−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−フェニルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0044】(iia) 1,3−ジ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−プロピルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−ビス(トリメチルシリル)メチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0045】(iii) 1,2,3−トリ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0046】(iv) 1,2,4−トリ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0047】(v) テトラ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0048】(vi) ペンタ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1,2,3,4−テトラメチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0049】(vii)インデニルバナジウムトリクロライドが挙げられる。
(viii)置換インデニルバナジウムトリクロライド、例えば、(2−メチルインデニル)バナジウムトリクロライド、(2−トリメチルシリルインデニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0050】(ix) (i)〜(viii)の化合物の塩素原子をアルコキシ基で置換したモノアルコキシド、ジアルコキシド、トリアルコキシドなどが挙げられる。例えば、シクロペンタジエニルバナジウムトリt−ブトキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムi−プロポキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジメトキシクロライド、トリメチルシリルシクロペンタジエニルバナジウムジi−プロポキシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムジt−ブトキシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムジフェノキシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムi−プロポキシジクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムt−ブトキシジクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムフェノキシジクロライドなどが挙げられる。
【0051】(x) (i)〜(ix)の塩素原子をメチル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0052】(xi) Rが炭化水素基、シリル基によって結合されたものが挙げられる。例えば、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シランバナジウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(トリメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランバナジウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランバナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0053】(xii) (xi)の塩素原子をメチル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0054】(xiii)(xi)の塩素原子をアルコキシ基で置換したモノアルコキシ体、ジアルコキシ体が挙げられる。
【0055】(xiv) (xiii)のモノクロル体をメチル基で置換した化合物が挙げられる。
【0056】(xv) (i)〜(viii)の塩素原子をアミド基で置換したアミド体が挙げられる。例えば、シクロペンタジエニルトリス(ジエチルアミド)バナジウム、シリルシクロペンタジエニルトリス(i−プロピルアミド)バナジウム、シクロペンタジエニルトリス(n−オクチルアミド)バナジウム、シクロペンタジエニルビス(ジエチルアミド)バナジウムクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(i−プロピルアミド)バナジウムクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(n−オクチルアミド)バナジウムクロライド、シクロペンタジエニル(ジエチルアミド)バナジウムジクロライド、シクロペンタジエニル(i−プロピルアミド)バナジウムジクロライド、シクロペンタジエニル(n−オクチルアミド)バナジウムジクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)トリス(ジエチルアミド)バナジウムなどが挙げられる。
【0057】(xvi) (xv)の塩素原子を、メチル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0058】RM(O)X2 で表される具体的な化合物としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(1−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライドなどが挙げられる。上記の各化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体も挙げられる。
【0059】RとXが炭化水素基、シリル基によって結合されたものも含まれる。例えば、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シランオキソバナジウムクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランオキソバナジウムクロライドなどのアミドクロライド体、あるいはこれらの化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体などが挙げられる。
【0060】シクロペンタジエニルオキソバナジウムジメトキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジi−プロポキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジt−ブトキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジフェノキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムメトキシクロライドなどが挙げられる。上記の各化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体も挙げられる。
【0061】(シクロペンタジエニル)ビス(ジエチルアミド)オキソバナジウム、(シクロペンタジエニル)ビス(ジi−プロピルアミド)オキソバナジウム、(シクロペンタジエニル)ビス(ジn−オクチルアミド)オキソバナジウムなどが挙げられる。
【0062】(B)成分のうち、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テトラ(フルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレ−ト、テトラ(トリイル)ボレ−ト、テトラ(キシリル)ボレ−ト、トリフェニル(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、トリス(ペンタフルオロフェニル)(フェニル)ボレ−ト、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレ−ト、テトラフルオロボレ−ト、ヘキサフルオロホスフェ−トなどが挙げられる。
【0063】一方、カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。
【0064】カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンを挙げることができる。
【0065】アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
【0066】ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリ−ルホスホニウムカチオンを挙げることができる。
【0067】該イオン性化合物は、上記で例示した非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合わせたものを好ましく用いることができる【0068】中でも、イオン性化合物としては、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、トリフェニルカルボニウムテトラキス(フルオロフェニル)ボレ−ト、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが好ましい。イオン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0069】また、(B)成分として、アルモキサンを用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/ 又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物などが挙げられる。
【0070】トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好適に用いることができる。
【0071】また、縮合剤としては、典型的なものとして水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸着水やジオ−ルなどが挙げられる。
【0072】(A)成分及び(B)成分に、さらに(C)成分として周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物を組合せて共役ジエンの重合を行ってもよい。(C)成分の添加により重合活性が増大する効果がある。周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化合物などが挙げられる。
【0073】具体的な化合物としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチウム、ネオペンチルリチウム、トリメチルシリルメチルリチウム、ビストリメチルシリルメチルリチウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリフッ化ホウ素、トリフェニルホウ素などを挙げられる。
【0074】さらに、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドのような有機金属ハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライドのような水素化有機金属化合物も含まれる。また有機金属化合物は、二種類以上併用できる。
【0075】上記の触媒各成分の組合せとして、(A)成分としてシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(CpVCl3)などのRMX3、あるいは、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド(CpV(O)Cl3)などのRM(O)X2、(B)成分としてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、(C)成分としてトリエチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムの組合せが好ましく用いられる。
【0076】また、(B)成分としてイオン性化合物を用いる場合は、(C)成分として上記のアルモキサンを組み合わせて使用してもよい。
【0077】各触媒成分の配合割合は、各種条件及び組合せにより異なるが、(A)成分のメタロセン型錯体と(B)成分のアルミノキサンのモル比は、好ましくは 1:1〜1:100000、より好ましくは1:10〜1:10000である。
【0078】(A)成分のメタロセン型錯体と(B)成分のイオン性化合物とのモル比は、好ましくは1:0.1〜1:10である。
【0079】(A)成分のメタロセン型錯体と(C)成分の有機金属化合物とのモル比は、好ましくは1:0.1〜1:10000である。
【0080】触媒成分の添加順序は、特に、制限はないが、例えば次の順序で行うことができる。
■重合すべきブタジエンモノマ−と(B)成分との接触混合物に(A)成分を添加する。
■重合すべきブタジエンモノマ−と(B)成分及び(C)成分を任意の順序で添加した接触混合物に(A)成分を添加する。
■重合すべきブタジエンモノマ−と(C)成分の接触混合物に(B)成分、次いで(A)成分を添加する。
【0081】また、本発明においては、触媒系として 更に、(D)成分として水を添加することが好ましい。(C)成分の有機アルミニウム化合物と(D)成分の水とのモル比(C)/(D)は、好ましくは0.66〜5であり、より好ましくは0.7〜1.5である。
【0082】触媒成分の添加順序は、特に、制限はないが、例えば次の順序で行うことができる。
■重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と溶媒の混合物に(D)成分を添加し、(C)成分を添加した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
■重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と溶媒の混合物に(D)成分と(C)成分を添加した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
【0083】また重合時に、必要に応じて水素を共存させることができる。
【0084】水素の存在量は、共役ジエン1モルに対して、好ましくは500ミリモル以下、あるいは、20℃1気圧で12L以下であり、より好ましくは50ミリモル以下、あるいは、20℃1気圧で1.2L以下である。
【0085】ここで重合すべきブタジエンモノマ−とは、全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるいは残部のモノマ−溶液と混合することができる。
【0086】ブタジエンモノマ−以外にイソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3− ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタジエン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエンなどの共役ジエン、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ブテン−2、イソブテン、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の非環状モノオレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン等の環状モノオレフィン、及び/又はスチレンやα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,5−ヘキサジエン等の非共役ジオレフィン等を少量含んでいてもよい。
【0087】重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、又は、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒として用いる塊状重合などを適用できる。トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0088】本発明においては、上記の触媒を所定の温度で予備重合を行うことが好ましい。予備重合は、気相法、スラリ−法、塊状法などで行うことができる。予備重合において得られた固体は分離してから本重合に用いる、あるいは、分離せずに本重合を続けて行うことができる。
【0089】重合温度は−100〜200℃の範囲が好ましく、 −50〜120℃の範囲が特に好ましい。重合時間は2分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜6時間の範囲が特に好ましい。
【0090】所定時間重合を行った後、アルコ−ルなどの停止剤を注入して重合を停止した後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
【0091】本発明で用いられる不飽和カルボン酸あるいはその誘導体としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体が挙げられる。それらの誘導体としては、たとえば、無水マレイン酸、無水フタル酸のような酸無水物、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートのようなアルキルエステル、メトキシアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレートのようなアルコキシアルキルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N'−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのN−置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。特に好ましいのは、無水マレイン酸、アクリル酸、メチルメタクリル酸である。
【0092】本発明の変性反応において、ポリブタジエンに対する不飽和カルボン酸あるいはその誘導体の使用量は、ポリブタジエン1モルにつき不飽和カルボン酸あるいはその誘導体2〜100モルが好ましい。あるいはポリブタジエン100重量部あたり、1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%が好ましい。上記の範囲より少ないと接着効果が劣り、上記範囲より多いと機械的強度が劣るので好ましくない。酸変性反応は、30〜90℃の温度で、0.1〜3時間行うことが好ましい。
【0093】変性反応は、ポリブタジエンを溶媒に溶解して行うことが好ましい。溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、重合溶液をそのまま変性反応に用いてもよい。
【0094】反応を促進するために、有機過酸化物を添加することが好ましい。有機過酸化物は、1時間半減温度100℃までのものが好ましい。例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ビス−3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、p−クロロベンジルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが好ましい。有機過酸化物の量は、ポリブタジエンに対して、0.05〜2重量%が好ましい。
【0095】反応終了後、酸化防止剤を含んだメタノールで停止させ、その後、溶媒をスチームなどで除去する、または貧溶媒で凝固したのち、乾燥して酸変性ポリブタジエンを得ることできる。
【0096】本発明のポリブタジエンとの反応で用いられるハロゲン系化合物としては、例えば、分子状のハロゲン、スルフリルハロゲン化物、ハロゲン化コハク酸イミド、ハロゲン化カプロラクタムなどが挙げられる。本発明のポリブタジエンのハロゲン化方法は、以下の通りである。たとえば、ポリブタジエン重合体をn−ヘキサン、n−ヘプタンのような炭化水素、または四塩化炭素、テトラクロルエチレン、クロルベンゼンのようなハロゲン化炭化水素等の溶剤に溶解し、均一な溶液状態とし、次いで塩素化の場合は分子状の塩素ガスと反応させるか、またはスルフリルコロリド、N−クロロコハク酸イミドなどの有機塩素化剤を添加することによって行われる。また臭素化の場合は塩素化と同様に溶媒に溶解した重合体を分子状の臭素と接触させるか、または、N−ブロモコハク酸イミド、N−ブロモシモトアミド、N−ブロモフタルイミド、N−ブロモカプロラクタムなどの有機臭素化剤と接触させることによって行うことができる。また、ハロゲン化反応は、原料ポリブタジエンの重合溶液からポリブタジエンを分離せずに溶液をそのまま用いてもよい。
【0097】これらのハロゲン化反応の際、反応を促進させるため、紫外線を照射するか、あるいは過酸化物を加えてもよい。
【0098】ハロゲン化の反応温度は、0〜150℃であり、反応時間は5分〜10時間の範囲で任意で選ぶことができる。
【0099】本発明のハロゲン化ポリブタジエンのハロゲン含有量は5〜80重量%が好ましい。より好ましくは10〜75重量%である。
【0100】反応終了後、溶媒の沸点以上に保持した熱風炉に、噴射ノズルから反応液を噴射して、乾燥した粉末状のハロゲン化ポリブタジエンを得ることができる。さらに、かさ密度を上げるためにボールミルで粉砕してもよい。
【0101】
【実施例】実施例、比較例における試験・評価方法は次に示すとおりである。
【0102】ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm-1、トランス967cm-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
【0103】[η]は、トルエン溶液で30℃の温度で測定した。トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
【0104】ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、JIS6300に準じた。
【0105】接着強度は、JISK6256に準じた。加硫ゴムと真鍮板との接着強度を90度はく離試験によって評価した(R;ゴム部の破損、M;金属とゴム間の破損)。加硫は、ゴム100重量部に対して、カーボンブラック(HAF)50重量部、プロセスオイル 10重量部、亜鉛華3重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤(N-フェニル-N'-イソプロピル-p-フェニレンジアミン)1重量部、加硫促進剤(N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)0.5重量部、硫黄2.5重量部を配合しておこなった。
【0106】ハロゲン含有量は元素分析法によって測定した。
【0107】(実施例1)
(ポリブタジエンの製造)
内容量20Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、1,3−ブタジエン4Lを仕込んで攪拌する。次いで、20℃、1気圧換算で2000ccの水素を積算マスフロメーターで計量して注入した。次いで、トリエチルアルミニウム(TEA)1mol/Lのトルエン溶液、シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(CpVCl3 )5mmol/Lのトルエン溶液、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C654)2.5mmol/Lのトルエン溶液をそれぞれ表1に示す量だけ加え、重合温度40℃で30分間重合を行った。重合後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含有するエタノールを注入して反応を停止させた後、溶媒を蒸発させ乾燥した。表2〜4に重合結果を示した。
【0108】(酸変性反応)上記の重合で得られた溶液(ポリブタジエン量300g)を70℃に保ち、30gの無水マレイン酸とベンゾイルパーオキサイド0.3gを添加し、その後、60分間放置し、2,4−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1.5gを含むメタノール溶液を添加し、反応停止後、スチームストリッピングにより、脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、ポリマーを得た。ムーニー粘度及び真鍮との接着強度の評価結果を表5に示した。
【0109】(実施例2)実施例1で、重合終了後、重合体に反応させる化合物を、メチルメタクリル酸20gに代えた以外は、実施例1と同様にして酸変性物を得た。結果を表5に示す。
【0110】
【表1】

【0111】
【表2】

【0112】
【表3】

【0113】
【表4】

【0114】(比較例1)実施例1のポリブタジエンを酸変性しなかった他は、実施例1と同様にして接着強度の評価を行った。結果を表5に示す。
【0115】
【表5】

【0116】(実施例3)
(ハロゲン化ポリブタジエンの製造)撹拌機付き反応槽に四塩化炭素3Lを入れ、比較例1で得られたポリブタジエン150gを加熱溶解した。窒素雰囲気下で、ベンゾイルパーオキサイドを3g添加して、撹拌し、反応槽底部より塩素ガスを吹き込んで四塩化炭素の沸点(77℃)で塩素化した。塩素が61.5重量%に達したところで反応を停止した。次いで、反応液を、130℃の熱風炉中で、20kg/cm2の圧力で直径1mmの噴射孔を備えたノズルから噴射して乾燥粉末を得た。これをさらに、直径2.5mmのボール90ヶを入れた3Lの磁性ボールミルで60分間粉砕した。得られた塩素化ポリブタジエン粉末は、見かけ比重および粒度範囲は表6に示す。粉砕性に優れたハロゲン化ポリブタジエンであった。
【0117】(比較例2)比較例1のポリブタジエンに代えて、市販のポリブタジエン(宇部興産製ウベポ−ル150:シス97.7%、トランス1.2%、1,2−、1.1%、[η]2.1)を使用したほかは、実施例3と同様にしてハロゲン化ポリブタジエンを得た。結果を表6に示す。粉砕性が実施例に比べて劣っていた。
【0118】
【表6】

【0119】
【発明の効果】ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造及び分子のリニアリティの高いポリブタジエンについて、不飽和カルボン酸で変性された接着性が優れたポリブタジエンを提供する。また、ハロゲン化することにより、かさ比重が大きな、粒径の細かい粉末状のハロゲン化ポリブタジエンの製造を提供できる。これらは塗料、インキ、接着剤、粘着剤の用途に好適である。




 

 


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