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発明の名称 ポリエチレン粉体およびこれを用いた粉体成形物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−64448(P2001−64448A)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
出願番号 特願平11−237075
出願日 平成11年8月24日(1999.8.24)
代理人
発明者 米元 孝雄 / 足立 正一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】下記特性(A)のメタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部、下記特性(B)の高圧法低密度ポリエチレン0〜30重量部および、(C)エラストマー1〜50重量部とを含むポリエチレン組成物からなる下記の特性(D)を有するポリエチレン粉体。
(A)メタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A1)密度:0.880〜0.960g/cm3(A2)メルトフローレート(MFR):0.1〜200g/10分(B)高圧法低密度ポリエチレン(B1)密度:0.900〜0.940g/cm3(B2)メルトフローレート(MFR):0.1〜100g/10分(D)ポリエチレン粉体(D1)嵩密度:0.20〜0.50(g/cm3
【請求項2】 請求項1記載のポリエチレン粉体を用いた粉体成形物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体成形に好適なポリエチレン粉体およびこれを用いた粉体成形物に関する。詳しくは、粉体成形品の製造に好適であり、特に、粉体の流動性、取扱性に優れ、皮膜外観に優れ、耐衝撃性に優れ、耐薬品性に優れ、引張り強度等の機械的物性、定ひずみ環境応力き裂性(ESCR)、接着性に優れたメタロセン触媒により製造されたポリエチレン、エラストマーとを含むポリエチレン粉体およびこれを用いた粉体成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】メタロセン系ポリエチレンおよびゴム成分を用いた接着性樹脂粉体として、特開平9−169824号公報に、特定の特性を持つ(A)エチレン(共)重合体20重量%以上、(B)(A)成分のエチレン(共)重合体以外のポリオレフィン系樹脂80重量%以下、(C)ゴム30重量%以下よりなる組成物(A+B+C=100重量%)であって、該組成物中の(A)成分、(B)成分、(C)成分の少なくとも一種が前記グラフト変性用モノマーの少なくとも一種でグラフト変性され、かつそのグラフトモノマー量が、該組成物1g当り10-8〜10-3molである組成物からなる接着性樹脂粉体が開示されている。
【0003】特開平9−176522号公報に、(A)(イ)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下にエチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させることにより得られる、(ロ)密度が0.86〜0.97g/cm3、(ハ)メルトフローレートが0.01〜100g/10分、(ニ)分子量分布Mw/Mnが1.5〜5.0、(ホ)組成分布パラメーターCbが1.2以下であるエチレン(共)重合体20重量%以上、(B)(A)成分のエチレン(共)重合体以外のポリオレフィン系樹脂80重量%以下、(C)ゴム30重量%以下よりなる組成物(A+B+C=100重量%)であって、該組成物中の(A)成分、(B)成分、(C)成分の少なくとも一種がカルボン酸基、酸無水基、エステル基、ヒドロキシル基、アミノ基およびシラン基から選択された官能基を含有する少なくとも一種のモノマーでグラフト変性され、かつそのグラフトモノマー量が、樹脂成分1g当り10-8〜10-3molである組成物からなることを特徴とする接着性樹脂粉体が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粉体成形に好適な、特に、引張り強度等の機械的物性に優れ、定ひずみ環境応力き裂性(ESCR)に優れ、耐薬品性に優れ、接着強度に優れ、流動性が良く、皮膜外観の優れたメタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体とエラストマーとを主体とするポリエチレン組成物を含むポリエチレン粉体およびこれを用いた粉体成形物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記特性(A)のメタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部、下記特性(B)の高圧法低密度ポリエチレン0〜30重量部および、(C)エラストマー1〜50重量部を含むポリエチレン組成物からなる下記の特性(D)を有するポリエチレン粉体に関する。
(A)メタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A1)密度:0.880〜0.960g/cm3(A2)メルトフローレート(MFR):0.1〜200g/10分(B)高圧法低密度ポリエチレン(B1)密度:0.900〜0.940g/cm3(B2)メルトフローレート(MFR):0.1〜100g/10分(D)ポリエチレン粉体(D1)嵩密度:0.20〜0.50(g/cm3
【0006】さらに本発明は、本発明のポリエチレン粉体を用いた粉体成形物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に含まれる(A)のメタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体、(B)の高圧法低密度ポリエチレンおよび(C)エラストマーと本発明の粉体成形用ポリエチレン粉体に含まれるその他の樹脂成分は、カルボン酸基、酸無水基、エステル基、ヒドロキシル基、アミノ基およびシラン基から選択された官能基を含有する少なくとも一種のモノマーでグラフト変性されていないものである。
【0008】本発明のポリエチレン粉体は、下記特性(A)のメタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部、下記特性(B)の高圧法低密度ポリエチレン0、好ましくは0.1重量部、さらに好ましくは0.5重量部、特に好ましくは3重量部から30重量部、好ましくは25重量部、さらに好ましくは20重量部、特に好ましくは10重量部の範囲および、(C)エラストマー1重量部、好ましくは2重量部、さらに好ましくは3重量部、特に好ましくは5重量部から50重量部、好ましくは40重量部、さらに好ましくは30重量部、特に好ましくは15重量部の範囲とを含むポリエチレン組成物からなる下記の特性(D)を有することを特徴とするポリエチレン粉体である。
(A)メタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A1)密度:0.880g/cm3、好ましくは0.905g/cm3、さらに好ましくは0.925g/cm3、特に好ましくは0.930g/cm3から0.960g/cm3、好ましくは0.955g/cm3、さらに好ましくは0.950g/cm3、特に好ましくは0.945g/cm3の範囲(A2)メルトフローレート(MFR):0.1g/10分、好ましくは0.5g/10分、さらに好ましくは1g/10分、特に好ましくは2g/10分から200g/10分、好ましくは20g/10分、さらに好ましくは10g/10分、特に好ましくは5g/10分の範囲(B)高圧法低密度ポリエチレン(B1)密度:0.900g/cm3、好ましくは0.915g/cm3、さらに好ましくは0.920g/cm3、特に好ましくは0.923g/cm3から0.940g/cm3、好ましくは0.937g/cm3、さらに好ましくは0.935g/cm3、特に好ましくは0.933g/cm3の範囲(B2)メルトフローレート(MFR):0.1g/10分、好ましくは0.2g/10分、さらに好ましくは0.3g/10分、特に好ましくは0.5g/10分から200g/10分、好ましくは20g/10分、さらに好ましくは10g/10分、特に好ましくは5g/10分の範囲(D)粉体成形用ポリエチレン粉体(D1)嵩密度:0.20(g/cm3)、好ましくは0.30(g/cm3)、さらに好ましくは0.32(g/cm3)、特に好ましくは0.35(g/cm3)から0.50(g/cm3)、好ましくは0.48(g/cm3)、さらに好ましくは0.45(g/cm3)、特に好ましくは0.43(g/cm3)の範囲【0009】メタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体としては、さらに下記特性を少なくとも1つ以上有することが好ましい。
(A)メタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)190℃、10.0kg荷重におけるメルトフローレート(MFR10.0)と190℃、2.16Kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2.16)との比 (MFR10.0)/(MFR2.16)が3、好ましくは4、さらに好ましくは5から10、好ましくは9、さらに好ましくは8、特に好ましくは7の範囲(A4)分子量分布(Mw/Mn)が2.0、好ましくは2.2、さらに好ましくは2.4、特に好ましくは2.6から4.0、好ましくは3.7、さらに好ましくは3.5、特に好ましくは3.4の範囲(A5)190℃におけるスウェル比(SR)が、(SR)<1.35、好ましくは(SR)≦1.25、特に好ましくは(SR)≦1.20【0010】粉体成形用ポリエチレン粉体としては、さらに下記特性を少なくとも1つ以上有することが好ましい。
(D)粉体成形用ポリエチレン粉体(D2)流動安息角が30°、さらに33°、特に37°から45°、さらに44°、特に43°の範囲(D3)平均粒径が、100μm、さらに130μm、特に150μmから300μm、さらに270μm、特に250μmの範囲(D4)均一度は、1.5、さらに1.6、特に1.7から2.5、さらに2.3、特に2.1の範囲【0011】上記の特性のうち、(A1)密度が上記の範囲より小さいと、粉体成形品の皮膜が損傷を受けやすくなり、その商品価値を低下させる。
【0012】(A2)MFR2.16が上記の範囲より小さいと、流動性が悪く粉体成形が困難になる。また、上記の範囲より大きいと、得られる皮膜の機械的特性が低下する。
【0013】(D1)嵩密度が、上記の範囲を外れると、粉体の流動性が悪く、粉体成形が困難になる。
【0014】上記の特性のうち、(A3)(MFR10.0)/(MFR2.16)が上記の範囲より大きいと、粉体成形品の皮膜の厚みのバラツキが大きくなる場合があり、好ましくない。
(A4)分子量分布(Mw/Mn)が上記の範囲より大きいと、粉体成形品の皮膜の厚みのバラツキが大きくなる場合があり、好ましくない。
(A5)スウェル比(SR)が上記の範囲より大きいと、粉体成形品の皮膜の厚みのバラツキが大きくなり、また表面平滑性が低下する場合があり、好ましくない。
【0015】上記の特性のうち、(D2)流動安息角が、上記の範囲を外れると、粉体の流動性が悪く、粉体成形が困難になる場合があり、好ましくない。
(D3)平均粒径が、上記の範囲を外れると粉末の流動性が悪化したり、粉体成形品の皮膜に未溶融部分が残り、製品外観を悪化させたり、表面平滑性が低下する場合があり、好ましくない。
(D4)均一度が、上記の範囲を外れると、粉体の流動性が悪く、粉体成形が困難になる場合があり、好ましくない。
【0016】メタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、メタロセン触媒を用いた公知の重合方法、例えば気相重合反応、液相重合反応などの方法により製造することが出来る。気相重合反応より製造されたメタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることが出来る。
【0017】メタロセン触媒は、公知のメタロセン系触媒を用いることができる。例えば、メタロセン系触媒として、周期律表第IV又はV族遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せを用いることが出来る。
【0018】周期律表第IV又はV族遷移金属としては、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)などが好ましい。
【0019】エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンを主成分として、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などの炭素数2〜8の直鎖状α−オレフィンや、シクロペンテン、シクロヘキセンなどの環状α−オレフィンなどのα−オレフィンあるいはこれらの混合物とメタロセン触媒より製造された共重合体を用いることが出来る。さらにエチレン50モル%以上、さらに60モル%以上、特に70モル%以上と炭素数3〜8のオレフィンとのエチレン−α−オレフィン共重合体を好ましく用いることができる。特に、エチレンとα−オレフィンとの共重合体中のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位は、通常、10モル%以下の範囲、さらに0.1〜9モル%の範囲で、特に0.1〜4モル%の範囲で含まるエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
【0020】高圧法低密度ポリエチレン(B)は、高圧法ラジカル重合により製造することができる。
【0021】高圧法低密度ポリエチレン(B)としては、エチレンの単独重合体の他、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の他のモノマーとの共重合体を用いることができる。エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる場合は、共重合体中の酢酸ビニルから誘導される繰り返し単位は、通常、20wt%以下であることが好ましい。
【0022】エラストマーとして、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴムなどのゴム成分、ポリスチレン・ポリブタジエンブロック共重合体、ポリスチレン・ポリイソプレンブロック共重合体、ポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレンブロック共重合体(SBS)、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレンブロック共重合体(SIS)、ポリスチレン・ポリエチレン/ブチレン・ポリスチレンブロック共重合体(SEBS)、ポリスチレン・ポリエチレン/プロピレン・ポリスチレンブロック共重合体(SEPS)などのスチレン系熱可塑性エラストマーを用いることができる。エラストマーとして、ポリスチレン・ポリブタジエンブロック共重合体、ポリスチレン・ポリイソプレンブロック共重合体、ポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレンブロック共重合体(SBS)、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレンブロック共重合体(SIS)、ポリスチレン・ポリエチレン/ブチレン・ポリスチレンブロック共重合体(SEBS)、ポリスチレン・ポリエチレン/プロピレン・ポリスチレンブロック共重合体(SEPS)などのスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0023】本発明のポリエチレン組成物には、用途に応じて、メタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体、高圧法低密度ポリエチレン及びエラストマーを除く、高密度ポリエチレンなどポリオレフィン系ポリマーを添加することができる。
【0024】本発明のポリエチレン粉体は、上記ポリエチレン組成物を、粉砕機、例えば、高速回転式粉砕機を用いて粉砕する方法、後処理により粉体形状を改良する方法などにより製造することが好ましい。特に、常温下で高速回転式粉砕機を用いて粉砕し、振動篩により分級する方法により製造された粉体成形用ポリエチレン粉体は、粉体の流動性が良く、この粉体の粉体成形物は表面平滑性の優れたものが得られる。
【0025】本発明のポリエチレン粉体やポリエチレン組成物には、用途に応じて、滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機・有機充填剤、顔料、帯電防止剤などを添加することができる。
【0026】本発明のポリエチレン粉体は、粉体成形法に好適に用いることができる。粉体成形法として回転成形法、流動浸漬法、プローバック法、さらに融着被覆法などが好ましい。
【0027】本発明のポリエチレン粉体は、粉体成形法により、薬品や飲料水等の液体、気体、固体の輸送や保存用のタンク類、椅子、すべり台、カートなどの遊具、ローリーコンテナ、道具箱などのコンテナ、ボックス類、フラワースタンド、鑑賞用池、生ゴミ処理器などの家庭雑貨などの成形物を製造できる。
【0028】本発明のポリエチレン粉末は、粉体成形法により鋼管に防食機能を付与する薬液、海水、上下水道、さらにガスパイプライン等の分野に広く使用することが可能な粉体ポリエチレンライニング鋼管に好適に用いることができる。
【0029】本発明のポリエチレン粉体およびこれを用いた粉体成形物は、800時間以上、さらに900時間以上、特に1000時間を超える定ひずみ環境応力き裂時間(ESCR)を有することが好ましい。該定ひずみ環境応力き裂時間を有することにより、得られた粉体成形物の置かれた環境雰囲気下で発生する危険性のある耐亀裂性が優れているため、好ましく用いられる。
【0030】本発明のポリエチレン粉体は、ガソリン浸漬による耐薬品性が17.5wt%以下、さらに17.3wt%以下、特に17.1wt%以下の粉体成形品を得ることが出来る。
【0031】本発明のポリエチレン粉体は、引張強度が22MPa以上、さらに22.5MPa以上、特に23MPa以上の粉体成形品を得ることが出来る。
【0032】本発明のポリエチレン粉体は、接着強度が100N/10mm以上、さらに103N/10mm以上、特に107N/10mm以上の粉体成形品を得ることが出来る。
【0033】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】特性値は次のようにして測定した。
・ポリエチレンの特性の測定方法[1]密度(g/cm3): JIS K7112に準拠して、190℃での2.16Kg荷重におけるMFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、1時間かけて室温まで徐冷したサンプルを密度勾配管を用いて測定した。
[2]メルトフローレート(MFR2.16)(g/10min): JIS K7210に準拠して、メルトインデクサを用いて190℃における2.16Kg荷重での10分間にストランド状に押し出される樹脂の重量を測定することにより求めた。
[3]メルトフローレート比(MFR10.0)/(MFR2.16): 上記[2]の方法と同様に10.0Kg荷重で求めたMFR10.0をMFR2.16で除した値。
【0035】[4]分子量分布:ポリエチレン組成物の分子量分布(Mw/Mn)の測定は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)で行った。下記に測定方法を示す。
(1)測定装置: WATERS 150CV を使用した。
(2)測定サンプル: ポリエチレン組成物を温度145℃、濃度1mg/mlで溶媒(o−ジクロルベンゼン)に溶解させた。
(3)分子量分布測定:上記(2)の測定サンプル0.4mlをGPCカラムAT−806MS×2本に注入し、溶媒o−ジクロルベンゼン、温度145℃、1.0ml/分の流速で行った。GPCによる測定は35分間行った。GPCカラムにより分離された溶液中のポリマー濃度は、示差屈折計(RI)で測定した。分子量は、ポリスチレンスタンダードにより換算した。
(4)データ処理:データ処理は、VAX−STATION3100を用いた。上記(3)の測定で得られたGPCクロマトグラムにベースラインを引くと、装置付属のデータ処理ソフトを用いて、面積が積分され、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Mw/Mnが自動で計算される。GPCクロマトグラムは、装置の画面上、図の大きさとして、横軸に測定時間20分当たり125mm、縦軸に全積分溶出量を100に規格し、20当たり13mmで行った。
【0036】[5]スウェル比: 東洋精機キャピログラフ1Cを用い、温度190℃、径2.09mmφ、長さ8mm(テーパー付き)のオリフィスで、10mm/minの速度で樹脂を押し出した際のノズル下7mmの溶融ストランドの径(Ds)をレーザーで測定し、オリフィス径(Do)で割ったもの(Ds/Do)。
【0037】・ポリエチレン粉体の特性の測定方法[1]嵩密度(g/cm3):JIS K6721に準拠して測定した。
[2]流動安息角(°):筒井理化学機械製の三輪式流動表面角測定器を用いて行った。測定は、(1)500mlの円筒形測定ビンに試料粉体を200cm3程度入れた後、ビンに蓋をした。(2)(1)で作成した粉体を入れた測定ビンを三輪式流動表面角測定器の台車の上に乗せ、回転速度3rpmで回転させながら、三輪式流動表面角測定器付属の角度計により、測定ビン中の試料粉体の流動安息角を測定した。
[3]中位粒度(μm):粉体50gをロータップ式篩振とう機にて、回転数300rpm、打数162回/分で10分間処理した。使用した篩は、45、50、60、70、80、100、120、140、170、200および230メッシュの11種類を用いた。各篩の上に残った粉体の重量を測定し、粒径の小さな篩(230メッシュ)から大きな篩(45メッシュ)まで順次、小さな篩側よりその篩の上に残った粉体重量を積分し、各々の篩での積分値を求めた。この積分値を粉体の全重量で除した値に100を掛け、累積重量(%)を求めた。各篩の目開き(μm)を横軸にとり、累積重量(%)を縦軸にとって、目開きと累積重量(%)の曲線を作図した。この曲線より、累積重量が50%での目開き値を求め、この値を中位粒度とした。
【0038】[4]均一度:上記[3]の測定で得られた曲線上で、累積重量が60%と10%の目開き値を求め、この値を60%篩下粒径と10%篩下粒径とした。均一度は、60%篩下粒径を10%篩下粒径で除した値とした。
[5]粉体流動性:流動槽中におけるポリエチレン粉体の動きを目視で観察し、評価した。
良好:槽内の粉体が均一に流動する、不良:槽内の粉体が均一に流動せず、流動層がチャンネリングやスラッキングを起こす。
【0039】・粉体より成形したシートの評価[1]定ひずみ環境応力き裂時間(ESCR)(hr):粉体より成形した厚み3mmのシートを用いて、JIS K6760 4.7項の定ひずみ環境応力き裂試験を行い、定ひずみ環境応力き裂時間はシートの50%がき裂を生じた時間とした。
[2]表面硬度:粉体より成形した厚み3mmのシートを用いて、JIS K6760 4.4項のデュロメータD硬さ試験により表面硬度を求めた。
[3]引張特性:粉体より成形した厚み2mmのシートを用いて、JIS K6760 4.3項の引張試験により引張強度と伸びを求めた。
[4]耐薬品性:粉体より成形した厚み3mmのシートを用いて、JIS K7114のプラスチックの耐薬品性試験方法に準拠して、ガソリン中に23℃の温度で30日間浸漬した。耐薬品性は、数式(1)に従い算出した。
【数1】

【0040】・粉体より成形した試験片(ライニング品)の皮膜特性の測定方法[1]衝撃強度:JIS G3469に準拠して行った。試験片を平らな木製台に置き、この試験片上に、質量770gの鋼球を2050mmの高さから垂直に落下させた。この衝撃を加えた後、ホリデーディテクタによってライニング品の皮膜にピンホールが発生したか否かを調べた。破壊せずとは、ホリデーディテクタによる12KVの印加電圧で、皮膜にピンホールが検知されないことである。
[2]接着強度(N/10mm):試験片の皮膜にカッターナイフを用いて鋼板に達するまで、10mm幅で切れ目を入れる。皮膜を傷つけないように片端を剥がし、90°の角度で50mm/分の速度にて剥離強度を測定した。接着強度は、この剥離強度とした。
[3]皮膜外観:粉体成形で得られたライニング品の外観を目視で観察し、評価した。
良好:皮膜表面が平滑で光沢がある、不良:皮膜表面に凸凹が目立つ。
【0041】実施例1〜3及び比較例1〜2において、用いたエチレン−α−オレフィン共重合体及び高圧法低密度ポリエチレンの特性を表1に示した。
【0042】(実施例1〜3及び比較例1〜2)
・ポリエチレン粉体の製造表1に示したエチレン−α−オレフィン共重合体及び高圧法低密度ポリエチレン、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレンブロック共重合体(SIS)[シェルジャパン製、品名:カリフレックスTR]及び添加剤として低密度ポリエチレンマスターバッチ(滑剤、顔料、酸化防止剤含有低密度ポリエチレン)とを表2に示した組成でブレンドし、溶融混練機を用いてペレットに造粒した。このペレットを常温下で高速回転式粉砕機を用いて粉砕し、振動篩による分級法により表3に示したポリエチレン粉体を製造した。得られたポリエチレン粉体を165℃の温度で圧縮成形法により厚さ2mmと、3mmのシートに成形した。得られたシートの特性を評価し、結果を表4に示した。
【0043】(実施例4〜6及び比較例3〜4)
・ポリエチレン粉体による粉体成形品の製造表3に示したポリエチレン粉体を充填し、流動させた流動槽に、予め275℃の温度に加熱した厚み6mmの鋼板を30秒間浸漬して、厚み約1mmのポリエチレン粉体を皮膜した試験片(ライニング品)を作成した。得られた試験片を用い、皮膜の特性を評価し、結果を表5に示した。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

【0048】
【表5】

【0049】
【発明の効果】本発明のポリエチレン粉体は、流動性が良いものであり、この粉体を用いた粉体成形物が表面平滑性が優れている。
【0050】本発明のポリエチレン粉体は、皮膜外観に優れ、表面硬度に優れ、引張り強度や衝撃強度等の機械的物性、定ひずみ環境応力き裂性(ESCR)および耐ガソリン性などの耐薬品性、接着強度に優れた粉体成形物を得ることが出来る。
【0051】本発明のポリエチレン粉体は、鋼管などの基材金属に対して成形被覆することにより、強い接着性を有していることから長期にわたり安定した防食性能が発揮できる。




 

 


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