米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 三共株式会社

発明の名称 光学活性なピロロピリダジン化合物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−58993(P2001−58993A)
公開日 平成13年3月6日(2001.3.6)
出願番号 特願2000−174775(P2000−174775)
出願日 平成12年6月12日(2000.6.12)
代理人 【識別番号】100081400
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 彰夫
発明者 萩原 昌彦 / 柴川 信彦 / 松延 圭二 / 藤原 寛 / 伊藤 圭一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】一般式【化1】

[式中、R1は、C1−C6アルキル基を示し、R2及びR3は、同一又は異なって、C1−C6アルキル基を示し、R4は、C1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択される置換基で置換されてもよいC6−C10アリール基を示し、Aは、イミノ基、酸素原子又は硫黄原子を示す。]を有する光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項2】R1が、C1−C4アルキル基である請求項1に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項3】R1が、メチル基である請求項1に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項4】R2及びR3が、同一又は異なって、C1−C4アルキル基である請求項1乃至3に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項5】R2及びR3が、同一で、メチル基である請求項1乃至3に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項6】R4が、C1−C4アルキル、ハロゲノC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1−C4アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から選択される1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基である請求項1乃至5に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項7】R4が、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から選択される1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基である請求項1乃至5に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項8】R4が、弗素及び塩素からなる群から選択される1乃至2個の置換基で、2位、4位及び6位からなる群から選択される1乃至2の置換位が置換されたフェニル基である請求項1乃至5に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項9】R4が、弗素及び塩素からなる群から選択される1乃至2個の置換基で、4位又は2,4−位の置換位が置換されたフェニル基である請求項1乃至5に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項10】Aが、酸素原子又は硫黄原子である請求項1乃至9に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項11】Aが、酸素原子である請求項1乃至9に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項12】7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン及び7−(4−クロロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジンからなる群から選択される光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。
【請求項13】請求項1乃至12に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項14】請求項1乃至12に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する潰瘍性疾患の予防剤又は治療剤。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた胃酸分泌抑制作用及び胃粘膜保護作用並びにヘリコバクターピロリー(Helicobacter pylori)に対する優れた抗菌作用を有し、医薬(特に、潰瘍疾患の予防剤又は治療剤)として有用な光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩或はそれらを有効成分として含有する医薬(特に、潰瘍性疾患の予防剤又は治療剤)に関する。
【0002】
【従来の技術】消化性潰瘍は、胃粘膜に対する攻撃因子と防御因子とのバランスが崩れることにより発生すると言われており、攻撃因子である胃酸の分泌を抑制することは、潰瘍の予防、治療に有用である。これまで、胃酸の分泌を抑制するのに有効な薬剤として、抗コリン剤、シメチジン等のヒスタミンH2受容体拮抗剤、オメプラゾール等のプロトンポンプ阻害剤が広く臨床に用いられている。しかしながら、上記薬剤は、優れた潰瘍治療効果を有するものの、使用中断後の潰瘍再発が大きな問題となっている。最近、潰瘍再発とヘリコバクター ピロリー(Helicobacter pylori)との関連が指摘されており、実際に、胃酸分泌抑制剤と抗生剤との併用による治療が試みられている。
【0003】従って、攻撃因子である胃酸分泌を強力に抑制するとともに胃粘膜保護作用を有し、且つ、ヘリコバクター ピロリー(Helicobacter pylori)に対する抗菌作用を有する化合物は優れた潰瘍性疾患の予防剤又は治療剤として期待される。
【0004】胃酸分泌抑制作用及び胃粘膜保護作用を有する化合物としていくつかのピロロピリダジン誘導体が知られ(例えば、WO 91/17164、WO 92/06979、WO 93/08190等)、又、ヘリコバクター ピロリー(Helicobacter pylori)に対する抗菌作用を併有するピロロピリダジン誘導体も知られている(例えば、特開平7−247285号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、攻撃因子である胃酸分泌を強力に抑制し、胃粘膜を保護し、更にヘリコバクター ピロリー(Helicobacter pylori)に対する優れた抗菌作用を有する抗潰瘍剤の開発を目指して、ピロロピリダジン誘導体の合成とその薬理活性について長年にわたり鋭意研究を行った結果、ある種の光学活性のトランス−アルキルシクロプロピルメチル基を有するピロロピリダジン誘導体が、強力な胃酸分泌抑制作用及び胃粘膜保護作用と共に、ヘリコバクター ピロリー(Helicobacter pylori)に対する優れた抗菌作用を有し、更に、対応するラセミ体と比較して、医薬品としての優れた性質を有することを見出し、本発明を完成した。
【0006】本発明は、光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩或はそれらを有効成分として含有する医薬(特に、潰瘍性疾患の予防剤又は治療剤)を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光学活性なピロロピリダジン化合物は、一般式【0008】
【化2】

を有する。
【0009】上記式中、R1は、C1−C6アルキル基を示し、R2及びR3は、同一又は異なって、C1−C6アルキル基を示し、R4は、C1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択される置換基で置換されてもよいC6−C10アリール基を示し、Aは、イミノ基、酸素原子又は硫黄原子を示す。
【0010】上記一般式(I)において、R1、R2及びR3のC1−C6アルキル基、R4に含まれるC1−C6アルキル又はR4に含まれるハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ若しくはハロゲノC1−C6アルコキシのC1−C6アルキル部分は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル又はヘキシル基であり得、好適には、C1−C4アルキル基であり、更に好適には、メチル又はエチル基であり、最も好適には、メチル基である。
【0011】R4に含まれるハロゲン原子は、例えば、弗素、塩素、臭素又は沃素原子であり得、好適には、弗素、塩素又は臭素原子であり、更に好適には、弗素又は塩素原子である。
【0012】R4のC6−C10アリール基は、例えば、フェニル又はナフチル基であり得、好適には、フェニル基である。
【0013】置換されたアリール基の置換基の数は、例えば、1乃至5個であり、好適には、1乃至3個であり、更に好適には、1乃至2個であり、特に好適には、1個である。
【0014】C1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択される置換基で置換されてもよいC6−C10アリール基は、好適には、フェニル、メチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、メトキシフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、ジフルオロメトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、ジフルオロフェニル、クロロフルオロフェニル、ジクロロフェニル、トリフルオロフェニル、トリクロロフェニル、ナフチル、メチルナフチル、メトキシナフチル、フルオロナフチル、クロロナフチル又はブロモナフチル基であり、更に好適には、フェニル、4−メチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル、2−、3−若しくは4−フルオロフェニル、2−、3−若しくは4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、2,4−若しくは2,6−ジフルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2,4−若しくは2,6−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル又は2,4,6−トリクロロフェニル基であり、更により好適には、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル又は2,4−ジクロロフェニル基であり、最も好適には、4−フルオロフェニル又は4−クロロフェニル基である。
【0015】Aは、好適には、酸素又は硫黄原子であり、更に好適には、酸素原子である。
【0016】本発明の化合物(I)の薬理上許容し得る塩は、酸付加塩であり、例えば、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩;硝酸塩;過塩素酸塩;硫酸塩;燐酸塩;炭酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ペンタフルオロエタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ブタンスルホン酸塩、ペンタンスルホン酸塩、ヘキサンスルホン酸塩のようなフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1乃至6個のアルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のような炭素数6乃至10個のアリールスルホン酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、安息香酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マロン酸塩のようなカルボン酸塩;又は、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり得、好適には、塩酸塩、硫酸塩又はカルボン酸塩であり、更に好適には、塩酸塩である。又、本発明の化合物(I)又はその塩は、水和物として存在することができ、本発明は、それらの水和物をも包含する。
【0017】一般式(I)を有する化合物において、好適には、(1)R1が、C1−C4アルキル基である化合物、(2)R1が、メチル基である化合物、(3)R2及びR3が、同一又は異なって、C1−C4アルキル基である化合物、(4)R2及びR3が、同一で、メチル基である化合物、(5)R4が、C1−C4アルキル、ハロゲノ1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1−C4アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から選択される1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基である化合物、(6)R4が、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から選択される1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基である化合物、(7)R4が、弗素及び塩素からなる群から選択される1乃至2個の置換基で、2位、4位及び6位からなる群から選択される1乃至2の置換位が置換されたフェニル基である化合物、(8)R4が、弗素及び塩素からなる群から選択される1乃至2個の置換基で、4位又は2,4−位の置換位が置換されたフェニル基である化合物、(9)Aが、酸素原子又は硫黄原子である化合物、(10)Aが、酸素原子である化合物をあげることができる。
【0018】又、上記(1)−(2)、(3)−(4)、(5)−(8)又は(9)−(10)の群においては、番号が多くなるに従って、より好適な化合物を示し[以下の群(11)−(14)においても同じ。]、R1を群(1)−(2)から、R2及びR3を群(3)−(4)から、R4を群(5)−(8)から、そして、Aを群(9)−(10)からそれぞれ選択し、これらのを任意の組合せて得られる化合物も好適であり、例えば、以下のものをあげることができる。
【0019】(11)R1が、C1−C4アルキル基であり、R2及びR3が、同一又は異なって、C1−C4アルキル基であり、R4が、C1−C4アルキル、ハロゲノC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1−C4アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から選択される1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基であり、Aが、酸素原子又は硫黄原子である化合物、(12)R1が、メチル基であり、R2及びR3が、同一で、メチル基であり、R4が、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から選択される1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基であり、Aが、酸素原子又は硫黄原子である化合物、(13)R1が、メチル基であり、R2及びR3が、同一で、メチル基であり、R4が、弗素及び塩素からなる群から選択される1乃至2個の置換基で、2位、4位及び6位からなる群から選択される1乃至2の置換位が置換されたフェニル基であり、Aが、酸素原子である化合物、(14)R1が、メチル基であり、R2及びR3が、同一で、メチル基であり、R4が、弗素及び塩素からなる群から選択される1乃至2個の置換基で、4位又は2,4−位の置換位が置換位が置換されたフェニル基であり、Aが、酸素原子である化合物。
【0020】一般式(I)における好適な化合物として、次の表1に示す化合物を具体的に例示することができる。
【0021】
【化3】

【0022】
【表1】
表1 例示化合物 例示化合物番号No. A R4 1 O Ph2 O 2-FPh3 O 3-FPh4 O 4-FPh5 O 2,4-diFPh6 O 2,6-diFPh7 O 2,4,6-triFPh8 O 2-ClPh9 O 4-ClPh10 O 2,4-diClPh 11 O 2,4,6-triClPh12 O 4-MePh13 O 4-CF3Ph14 O 4-OMePh15 O 4-OCHF2Ph16 O 2-Cl-6-FPh17 O 2-Cl-4-FPh18 O 4-Cl-2-FPh19 S Ph20 S 2-FPh21 S 4-FPh22 S 2,4-diFPh23 S 2,4,6-triFPh24 S 4-ClPh25 S 2,4-diClPh 26 S 2,4,6-triClPh27 S 4-CF3Ph28 S 2-Cl-4-FPh29 S 4-Cl-2-FPh30 NH Ph31 NH 4-FPh32 NH 2,4-diFPh33 NH 2,4,6-triFPh34 NH 4-ClPh35 NH 2,4-diClPh36 NH 4-CF3Ph37 NH 2-Cl-4-FPh38 NH 4-Cl-2-FPh39 O 4-OCF3Ph40 O 3-ClPh41 O 4-BrPh42 O 2,6-diClPh43 S 4-OCF3Ph44 S 4-OCHF2Ph45 S 3-FPh46 S 2-ClPh47 S 4-BrPh48 S 2,6-diFPh49 S 2,6-diClPh50 NH 4-OCF3Ph51 NH 2-FPh52 NH 2-ClPh53 NH 2,6-diFPh54 NH 2,6-diClPh 55 NH 2,4,6-triClPh 上記表において、略号は以下の基を示す。
Me ・・・ メチルPh ・・・ フェニル。
【0023】上記表1において、好適には、例示化合物番号1、2、4、5、7、9、10、11、13、17、18、19、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、34、37又は38の化合物であり、更に好適には、例示化合物番号1、4、5、7、9、10、17、18、21、22、24、25、31、32又は34の化合物であり、更により好適には、例示化合物番号4、5、9、10、21、22又は24の化合物であり、特に好適には、化合物番号4:7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、化合物番号5:7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン又は化合物番号9:7−(4−クロロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジンの化合物である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明のピロロピリダジン誘導体は、以下に記載する方法によって、容易に製造することができる。
【0025】
【化4】

上記式中、R1、R2、R3、R4及びAは、前述したものと同意義を示し、R5は、C1−C6アルキル基を示し、R6は、水素原子又はホルミル基を示し、Xは、ハロゲン原子(好適には、クロロ、ブロモ又はヨード原子)又はメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ブタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、ナフタレンスルホニルオキシ基のようなC1−C6アルカン若しくはC6−C10アリールスルホニルオキシ基(好適には、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ又はp−トルエンスルホニルオキシ基)を示し、Yは、ハロゲン原子(好適には、クロロ、ブロモ又はヨード原子)を示す。
【0026】第1工程は、一般式(IV)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒中、塩基の存在下、一般式(II)を有する化合物と一般式(III)を有する化合物を反応させ、R6が水素原子の場合には、得られた化合物を更にホルミル化することにより達成される。
【0027】化合物(II)と化合物(III)の反応に使用される塩基は、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミドのようなアルカリ金属アミド;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;又はトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−エチルモルホリン、ピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような有機アミンであり得、好適には、アルカリ金属水素化物(特に、水素化ナトリウム)又はアルカリ金属アルコキシド(特に、カリウムt−ブトキシド)である。
【0028】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンのようなケトン類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類;又はこれらの混合溶媒であり得、好適には、エーテル類(特に、テトラヒドロフラン又はジオキサン)である。
【0029】反応温度は、通常、0℃乃至250℃(好適には、室温乃至150℃)であり、反応に要する時間は、反応温度等によって異なるが、1分間乃至50時間(好適には、10分間乃至30時間)である。
【0030】又、本反応を効果的に行わせるために、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミドのような第4級アンモニウム塩類;又は18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6のようなクラウン類を添加することもできる。
【0031】R6が水素原子の場合に、化合物(II)と化合物(III)の反応で得られた化合物をホルミル化する反応は、不活性溶媒の存在下又は不存在下、相当する化合物をビールスマイヤー(Vilsmeier)試薬と反応させることによって行なわれる。
【0032】使用されるビールスマイヤー(Vilsmeier)試薬は、公知であり、例えば、オキシ塩化リン−ジメチルホルムアミド、オキシ臭化リン−ジメチルホルムアミド、オギザリルクロリド−ジメチルホルムアミドのようなハロゲン化剤−ジメチルホルムアミド類であり、好適には、オキシ塩化リン−ジメチルホルムアミドである。
【0033】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;又はジメチルホルムアミドのようなアミド類であり得、好適には、ハロゲン化炭化水素類(特に、メチレンクロリド、クロロホルム又はジクロロエタン)である。
【0034】反応温度は、通常、-20℃乃至150℃(好適には、0℃乃至100℃)であり、反応に要する時間は、反応温度等によって異なるが、15分間乃至12時間(好適には、30分間乃至5時間)である。
【0035】第2工程は、一般式(V)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒中、化合物(IV)とヒドラジン又はその水和物を反応させることにより達成される。
【0036】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールのようなアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレンような芳香族炭化水素類;酢酸、プロピオン酸のようなカルボン酸類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;トリエチルアミン、ピリジンのようなアミン類;水;又はこれらの混合溶媒であり得、好適には、アルコール類(特に、エタノール)又はカルボン酸類(特に、酢酸)である。
【0037】反応温度は、通常、−50℃乃至150℃(好適には、−10℃乃至120℃)であり、反応に要する時間は、反応温度等によって異なるが、10分間乃至12時間(好適には、30分間乃至5時間)である。
【0038】第3工程は、一般式(VI)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒の存在下又は非存在下、化合物(V)とハロゲン化剤を反応させることにより達成される。
【0039】使用されるハロゲン化剤は、例えば、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、塩化チオニル、臭化チオニル、オギザリルクロリド、五塩化リン又は五臭化リンであり得、好適には、オキシ塩化リン又は塩化チオニルであり、溶剤を兼ねて、大過剰に使用することもできる。
【0040】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンのようなアミド類;又はジメチルスロホキシドのようなスルホキシド類であり得、好適には、ハロゲン化炭化水素類(特に、メチレンクロリド又はジクロロエタン)である。
【0041】反応温度は、通常、0℃乃至150℃(好適には、室温乃至120℃)であり、反応に要する時間は、反応温度等によって異なるが、30分間乃至12時間(好適には、1時間乃至6時間)である。
【0042】又、本反応を効果的に行わせるために、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−エチルモルホリン、ピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンのような有機アミン類を添加することもできる。
【0043】第4工程は、目的化合物(I)を製造する工程であり、不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(VI)と一般式(VII)を有する化合物を反応させることにより達成され、本工程は、前記第1工程と同様に行われる。
【0044】上記記載の各工程において、各反応の目的化合物は、常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、不溶物が存在する場合には、適宜濾去して、溶媒を留去することによって、又は溶媒を留去した後、残留物に水を加え、適当な水不混和性溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することによって目的化合物を分離することができる。また、必要ならば、常法に従って、例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィー等により精製することができる。
【0045】又、上記第1工程において、光学活性の原料化合物(III)(1S,2S−体)の代わりに、対応するラセミ体(IIIa、1S,2S−体と1R,2R−体の混合物)
【0046】
【化5】

を用いて同様に反応を行って得られる相当するラセミ体化合物(化合物(I)、(IV)、(V)又は(VI)に対応するラセミ体のいずれか)を光学分割することによっても、所望の光学活性体(1S,2S−体)を製造することができる。光学分割の方法としては、通常の方法、例えば、光学分割カラムを用いるカラムクロマトグラフィー法、優先晶析法、ジアステレオマー塩で分割する方法等を適宜選択して行こなうことができる。
【0047】更に又、化合物(I)は、常法に従って、酸で処理することによって薬理上許容される塩に変換することができる。例えば、不活性溶媒(好適には、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;又はメチレンクロリド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類)中、相当する酸と室温で5分間乃至1時間反応させ、溶媒を留去することによって目的の塩を得ることができる。
【0048】原料化合物(II)、(III)及び(IIIa)は、公知であるか公知の方法(例えば、特開平7−247285号、Monatschefte fur Chemie(1973),104,925、J. Chem. Soc., Perkin.Trans. II (1979) 287等)に従って、製造される。
【0049】本発明の前記一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩は、優れた胃酸分泌抑制作用及び胃粘膜保護作用並びにヘリコバクター ピロリー(Helicobacter pylori)に対する優れた抗菌作用を有し、更に、医薬品としての優れた性質を有することから、温血動物(特に、ヒト)の医薬、特に、消化性潰瘍、急性又は慢性胃潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃食道反射疾患、消化不良、胃酸過多症、ゾーリンガー・エリソン症候群等の潰瘍性疾患の予防若しくは治療剤(特に、治療剤)又はヘリコバクター ピロリー(Helicobacter pylori)の感染症の予防若しくは治療剤(特に、治療剤)として有用である。
【0050】本発明の化合物(I)およびその薬理上許容される塩類を、医薬、特に、上記疾患の予防若しくは治療剤として使用する場合には、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口的又は注射剤等による非経口的(好適には、経口的)に投与することができる。 これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビットのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプンのようなデンプン誘導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;リン酸カルシウムのようなリン酸塩誘導体;炭酸カルシウムのような炭酸塩誘導体;硫酸カルシウムのような硫酸塩誘導体等)、結合剤(例えば、前記の賦形剤;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マグロゴール等)、崩壊剤(例えば、前記の賦形剤;クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾された、デンプン、セルロース誘導体等)、滑沢剤(例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイロウのようなラックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸のようなカルボン酸類;安息香酸ナトリウムのようなカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウムのような硫酸類塩;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;前記の賦形剤におけるデンプン誘導体等)、安定剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;無水酢酸;ソルビン酸等)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等)、希釈剤、注射剤用溶剤(例えば、水、エタノール、グリセリン等)等の添加剤を用いて周知の方法で製造される。その使用量は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、1回当り1日下限1mg(好適には、5mg)、上限1000mg(好適には、500mg)を、静脈内投与の場合には、1回当り1日下限0.1mg(好適には、1mg)、上限500mg(好適には、300mg)を成人に対して、1日当り1乃至6回症状に応じて投与することが望ましい。
【0051】次に実施例、試験例及び製剤例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0052】
【実施例】実施例17-(4-フルオロベンジルオキシ)-2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)−2-メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3-d]ピリダジン(a)3-ホルミル-4,5-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチル]ピロール-2-カルボン酸メチル3-ホルミル-4,5-ジメチルピロール-2-カルボン酸メチル5.79g(31.9ミリモル)及び18-クラウン-6 0.41g(1.55ミリモル)のテトラヒドロフラン(130ml)溶液にカリウムt-ブトキシド3.94g(35.1ミリモル)を添加し、室温で1時間撹拌した。次いで、50℃で、(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチルブロミド5.71g(38.3ミリモル)を30分間かけて滴下した後、還流下で3時間加熱した。その後、カリウムt-ブトキシド0.36g(3.22ミリモル)と(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチルブロミド0.48g(3.21ミリモル)を追加し、更に、1時間加熱した。反応液を氷水中に注加し、酢酸エチルで抽出し、抽出液を水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去して、標題化合物8.26g (100%)を淡茶色油状物として得た。
【0053】マススペクトル(CI,m/z):250(M++1)。
【0054】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.25(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.48(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.71-0.80(m,1H),0.82-0.89(m,1H),1.00(d;J=6Hz,3H),2.20(s,3H), 2.26(s,3H),3.89(s,3H),4.25(d;J=7Hz,2H),10.43(s,1H)。
【0055】旋光度:[α]D20=+17.6°(C=1.02,EtOH)。
【0056】(b)2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)−2-メチルシクロプロピルメチル]-6,7-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリダジン-7-オン3-ホルミル-4,5-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチル]ピロール-2-カルボン酸メチル7.96g(31.9ミリモル)の酢酸(38ml)溶液に、室温で、ヒドラジン一水和物1.92g(38.4ミリモル)を加え、90℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、氷水に注加した。生成した粗結晶をろ取し、水洗した後、クロロホルム/メタノール(=9/1)溶液に溶解した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。濃縮液にトルエン/ヘキサンを加え、析出した結晶をろ取して、標題化合物7.02g(95.0%)を淡黄白色粉末晶として得た。
【0057】マススペクトル(CI,m/z):232(M++1)。
【0058】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.22(dt;J=8Hz,5Hz,1H), 0.64(dt,J=8Hz,5Hz,1H),0.86-0.95(m,2H),0.98(d;J=5Hz,3H),2.21(s,3H),2.35(s,3H),4.44(d;J=7Hz,2H),8.05(s,1H),9.97(s,1H)。
【0059】旋光度:[α]D20=+11.2°(C=0.50,EtOH)。
【0060】(c)7-クロロ-2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)−2-メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3-d]ピリダジン2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチル]-6,7-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリダジン-7-オン6.95g(30.1ミリモル)にオキシ塩化リン55ml(590ミリモル)を添加し、90℃で3.5時間加熱撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、氷水に滴下した。この水溶液を5規定水酸化ナトリウム水溶液で中和し、塩化メチレンで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に減圧濃縮した。濃縮液にヘキサンを加え、析出した結晶をろ取して、標題化合物6.90g(92.0%)を淡黄色粉末晶として得た。
【0061】マススペクトル(CI,m/z):250(M++1)。
【0062】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.29(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.54(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.73-1.02(m,5H),2.30(s,3H),2.43(s,3H),4.44(d;J=6Hz,2H),9.15(s,1H)。
【0063】旋光度:[α]D20=+12.3°(C=1.01,EtOH)。
【0064】(d)7-(4-フルオロベンジルオキシ)-2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)−2-メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3-d]ピリダジン水素化ナトリウム0.26g(10.8ミリモル)のテトラヒドロフラン(6ml)溶液にp-フルオロベンジルアルコール1.45g(11.5ミリモル)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を滴下し、室温で30分間撹拌した。次いで、7-クロロ-2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)−2-メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3-d]ピリダジン2.50g(10.0ミリモル)のテトラヒドロフラン(13ml)溶液を室温で滴下し、還流下で3時間加熱した。反応終了後、反応液を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた濃縮液にヘキサンを注加し、析出した結晶をろ取し粗結晶を得た。この粗結晶を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、標題化合物2.25g(66.4%)を淡褐色結晶として得た。
【0065】融点:114−115℃。
【0066】マススペクトル(CI,m/z):340(M++1)。
【0067】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.14(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.39(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.59-0.65(m,1H),0.76-0.85(m,1H),0.89(d;J=6Hz,3H),2.26(s,3H),2.36(s,3H),4.13(dd;J=15Hz,7Hz,1H),4.27(dd;J=15Hz,6Hz,1H),5.63(d;J=12Hz,1H),5.68(d;J=12Hz,1H),7.05-7.12(m,2H),7.47-7.52(m,2H),8.96(s,1H)。
【0068】旋光度:[α]D20=+17.9(C=0.50,EtOH)。
実施例23-ホルミル-4,5-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチル]ピロール-2-カルボン酸メチル(a)4,5-ジメチル-1-〔(E)−2-メチルシクロプロピルメチル〕ピロール-2-カルボン酸メチル4,5-ジメチルピロール-2-カルボン酸メチル25.02g (163ミリモル)及び18-クラウン-6 3.19g(12.1ミリモル)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液にカリウムt-ブトキシド18.33g(164ミリモル)を添加し、室温で1時間撹拌した。次いで、(E)−2-メチルシクロプロピルメチルブロミド(ラセミ体)12.70g(85.2ミリモル)を加え、還流下で7時間加熱した。反応終了後、反応液を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残さをカラムクロマトグラフィー(溶媒:トルエン)に付し、標題化合物(ラセミ体)13.50g(71.6%)を茶色油状物として得た。
【0069】マススペクトル(CI,m/z):222(M++1)。
【0070】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.20(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.48(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.67-0.93(m,2H),0.98(d;J=6Hz,3H),2.01(s,3H),2.18(s,3H),3.76(s,3H),4.21(d;J=7Hz,2H),6.76(s,1H)。
【0071】(b)4,5-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチル]ピロール-2-カルボン酸メチル(E)−4,5-ジメチル-1-(2-メチルシクロプロピルメチル)ピロール-2-カルボン酸メチル10.00gを下記条件にて高速液体クロマトグラフィーに付し、標題化合物[(S,S)体]3.33g及びその対掌体[(R,R)体]3.97gをそれぞれ得た。
【0072】分離条件カラム:CHIRALCEL OJ(50Φ*500mm、ダイセル化学製)
溶媒:ヘキサン/2−プロパノール(1000/1)
流速:25ml/min標題化合物[(S,S)体]
マススペクトル(CI,m/z):222(M++1)。
【0073】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.20(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.48(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.66-0.80(m,1H),0.82-0.91(m,1H),0.98(d;J=6Hz,3H),2.01(s,3H),2.18(s,3H),3.76(s,3H),4.21(d;J=7Hz,2H),6.76(s,1H)。
【0074】旋光度:[α]D20=+17.6°(C=1.00,EtOH)。
対掌体[(R,R)体]
マススペクトル(CI,m/z):222(M++1)。
【0075】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.20(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.48(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.66-0.80(m,1H),0.82-0.91(m,1H),0.98(d;J=6Hz,3H), 2.01(s,3H),2.18(s,3H),3.77(s,3H),4.21(d;J=7Hz,2H),6.76(s,1H)。
【0076】旋光度:[α]D20=-17.0°(C=1.01,EtOH)。
【0077】(c)3-ホルミル-4,5-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチル]ピロール-2-カルボン酸メチルジメチルホルムアミド1.10g(15.0ミリモル)のトルエン(2ml)溶液にオキシ塩化リン2.15g(14.0ミリモル)を添加し、室温で30分間攪拌した。次いで、4,5-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチル]ピロール−2−カルボン酸メチル2.21g(10.0ミリモル)のトルエン(6ml)溶液を添加し、80℃で10時間加熱した。反応終了後、反応液を水に注加し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残さをカラムクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=10/1)に付し、標題化合物1.95g(78.2%)を淡黄色油状物として得た。
実施例37-(4-フルオロベンジルオキシ)-2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)−2-メチルシクロプロピルメチル]ピロロ [2,3-d]ピリダジン(a)7-(4-フルオロベンジルオキシ)-1-〔(E)-2-メチルシクロプロピルメチル〕-2,3-ジメチルピロロ[2,3-d]ピリダジン(ラセミ体)
(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチルブロミドの代わりに(E)-2-メチルシクロプロピルメチルブロミド(ラセミ体)を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、標題化合物を収率56%で得た。
【0078】融点:120−122℃。
【0079】マススペクトル(CI,m/z): 340(M++1)。
【0080】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.14(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.39(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.59-0.65(m,1H),0.76-0.85(m,1H),0.89(d;J=6Hz,3H),2.26(s,3H),2.36(s,3H),4.13(dd;J=15Hz,7Hz,1H),4.27(dd;J=15Hz,6Hz,1H),5.63(d;J=12Hz,1H),5.68(d;J=12Hz,1H),7.05-7.12(m,2H),7.47-7.52(m,2H),8.96(s,1H)。
【0081】(b)7-(4-フルオロベンジルオキシ)-2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)−2-メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3-d]ピリダジン7-(4-フルオロベンジルオキシ)-1-〔(E)-2-メチルシクロプロピルメチル〕-2,3-ジメチルピロロ[2,3-d]ピリダジン(ラセミ体)25.00gを下記条件にて高速液体クロマトグラフィーに付し、酢酸エチルより再結晶して、標題化合物[(S,S)体]8.54g 及びその対掌体[(R,R)体]7.60gを得た。
【0082】分離条件カラム:CHIRALCEL OJ(50Φ*500mm、ダイセル製)
溶媒:ヘキサン/エタノール(90/10)
流速:25ml/min標題化合物[(S,S)体]
融点:114−115℃。
【0083】マススペクトル(CI,m/z):340(M++1)。
【0084】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.14(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.39(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.59-0.65(m,1H),0.76-0.85(m,1H),0.89(d;J=6Hz,3H),2.26(s,3H),2.36(s,3H),4.13(dd;J=15Hz,7Hz,1H),4.27(dd;J=15Hz,6Hz,1H),5.63(d;J=12Hz,1H),5.68(d;J=12.2Hz,1H),7.05-7.12(m,2H),7.47-7.52(m,2H),8.96(s,1H)。
【0085】旋光度:[α]D20=+19.0°(C=0.99,MeOH)。
対掌体[(R,R)体]
融点:114−115℃。
【0086】マススペクトル(CI,m/z):340(M++1)。
【0087】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.15(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.39(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.58-0.66(m,1H),0.78-0.85(m,1H),0.89(d;J=6Hz,3H),2.26(s,3H),2.37(s,3H),4.13(dd;J=15Hz,7Hz,1H),4.27(dd;J=15Hz,6Hz,1H),5.63(d;J=12Hz,1H),5.68(d;J=12Hz,1H),7.06-7.11(m,2H),7.49-7.52(m,2H),8.97(s,1H)。
【0088】旋光度:[α]D20=-18.8°(C=0.98,MeOH)。
試験例1プロトン・カリウムーアデノシントリホスファターゼ(H+・K+−ATPase)活性試験ザックス(Sachs)らの方法[J.Bio.,Chem.,251,7690(1976)]に従い、新鮮なブタの胃粘膜層をホモジナイズおよび密度勾配超高速遠心法により調製したミクロソーム画分をプロトン・カリウムーアデノシントリホスファターゼ標品として用いた。タンパク濃度に換算して、30−80μg/mlの酵素標品を含む70mMトリス塩酸緩衝液(塩化マグネシウム5mM、塩化カリウム20mM、pH=6.85)0.75mlに、ジメチルスルホキシドに溶解した被検化合物溶液10μlを加えて、37℃、振盪回数200回/分で、45分間インキュベートした。8mMのアデノシントリホスフェート 2ナトリウム塩溶液0.25mlを加えることにより酵素反応を開始した。20分間酵素反応を行い、10%トリクロロ酢酸ー活性炭(100mg)溶液1mlを加え、反応を停止させた。反応液を遠心分離(4℃、3000rpm、15分間)した後、上清中のアデノシントリホスフェートの加水分解により生成した無機リン酸をヨダ(Yoda)らの方法[Biochem.Biophys.Res.Commun.,40,880(1970)]で比色定量した。また、塩化カリウムの存在しない反応溶液中の無機リン酸量も同様に測定し、塩化カリウム存在下での無機リン酸量から差し引くことによって、プロトン・カリウムーアデノシントリホスファターゼ活性を測定した。コントロール活性値と被検化合物各濃度における活性値から阻害率(%)を求め、プロトン・カリウムーアデノシントリホスファターゼに対する50%阻害濃度(IC50 μg/ml)を求めた。その結果、実施例1の化合物は、IC50〈0.1 μg/mlの優れた活性を示した。
試験例2ヘリコバクター ピロリに対する抗菌作用抗菌力評価は、ヘリコバクター ピロリ(Helicobacter pylori)9470,9472及び9474株を用い、本発明化合物のヘリコバクター ピロリに対するMIC(Minimum Inhibitory Concentration:最小発育阻止濃度)値を求めることによった。
【0089】ヘリコバクター ピロリを平板培地上で4日間培養した。培地にはブレインハートインヒュージョン寒天(Difco社製)を規定量の蒸留水に溶解し、オートクレーブで滅菌した後、ウマ血液(日本生物材料社製)を7%となるように分注して固化したものを用いた。
【0090】微好気条件下、37℃で4日間培養したヘリコバクター ピロリを生理食塩水中で菌量が約108CFU/mlとなるように懸濁した。懸濁液を100倍希釈し、その約10μlをMIC測定用培地上に接種した。MIC測定用培地には、前培養用培地と組成が同じものを用いた。本発明化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し滅菌蒸留水で2倍希釈系列にした溶液と培地とを1:99の割合で混合し、シャーレ上で固化したものをMIC測定用培地とした。前培養と同様にしてヘリコバクター ピロリを微好気条件下、37℃において3日間培養した。培養終了後、接種部分の菌の生育を肉眼で観察し、菌の生育のみられなかった本発明化合物の最小濃度をMIC(μg/ml)とした。その結果、実施例1の化合物は、MIC〈12.5 μg/mlの優れた抗菌活性を示した。
試験例3胃酸分泌抑制作用一群3乃至5匹のラットを一晩絶食した後、エーテル麻酔下、腹部正中切開し幽門を結紮した。胃及び十二指腸を体内の元の位置に復し、腹部切開部を閉腹した。カルボキシメチルセルローズナトリウム塩0.5%及びトゥイン80(ポリソルベート80)0.4%水溶液に一定量の試験化合物を懸濁させ、その懸濁液を経口でラットに投与した。又、対照として、カルボキシメチルセルローズナトリウム塩0.5%及びトゥイン80(ポリソルベート80)0.4%水溶液(懸濁溶媒)を経口でラットに投与した。試験化合物又は懸濁溶媒の投与から4時間後に、ラットに二酸化炭素ガスを吸引させ、安楽死させて、腹部を切開して胃を摘出した。ガラス製目盛り付き遠心管に胃の内容物を採取した後、遠心分離し、上清の容量(ml)と沈渣の容量(ml)を測定した。沈渣の容量が0.5ml以上のものは食糞としてデータから除外した。上清100μlを試験管に採り、蒸留水4mlを加え、0.01規定水酸化ナトリウムで、pH7.0まで滴定した。標準酸濃度液として、0.1規定塩酸100μlに蒸留水4mlを加えたものを同時に滴定した。胃液酸濃度(mEq/l)、胃酸排出量(AO,μEq/hr)及び抑制率(%)は、以下の式に従い計算した。
【0091】胃液酸濃度(mEq/l)=A/B X 100A:上清100μlの滴定に要した水酸化ナトリウム量(ml)
B:0.1規定塩酸100μlの滴定に要した水酸化ナトリウム量(ml)
胃酸排出量(AO,μEq/hr)=胃液上清量(ml) X胃液酸濃度(mEq/l)/4抑制率(%)=(C−D)/C X 100C:懸濁溶媒投与群のAO(μEq/hr)
D:試験化合物投与群のAO(μEq/hr)
各投与量(0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg及び10mg/kg)における抑制率を対数用量に対する最小二乗法によって引いた用量−抑制率直線から、50%抑制用量(ID50 mg/kg)を求め、以下の表2に示した。
【0092】
【表2】
表2 胃酸分泌抑制効果 試験化合物 胃酸分泌50%抑制用量(ID50 mg/kg) 実施例1の化合物 0.52化合物A 1.64 化合物A:実施例1の化合物及びその対掌体の1:1混合物(ラセミ体:特開平7−247285号の実施例57の化合物)
表2の結果から、胃酸分泌抑制作用に関し、実施例1の化合物は、そのラセミ体より、約3倍強い効果を示すことが分かった。
【0093】
製剤例1 錠剤 実施例1の化合物 30.0mg 乳糖 144.0 トウモロコシデンプン 25.0 ステアリン酸マグネシウム 1.0 200.0mg上記処方の粉末を混合し、打錠機により打錠して、1錠200mgの錠剤とする。この錠剤は必要に応じて糖衣又はコーティグを施すことができる。
【0094】
【発明の効果】本発明の前記一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩は、優れた胃酸分泌抑制作用及び胃粘膜保護作用並びにヘリコバクター ピロリー(Helicobacter pylori)に対する優れた抗菌作用を有し、更に、医薬品としての優れた性質を有することから、温血動物(特に、ヒト)の医薬、特に、消化性潰瘍、急性又は慢性胃潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃食道反射疾患、消化不良、胃酸過多症、ゾーリンガー・エリソン症候群等の潰瘍性疾患の予防若しくは治療剤(特に、治療剤)又はヘリコバクター ピロリ(Helicobacter pylori)の感染症の予防若しくは治療剤(特に、治療剤)として有用である。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013