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発明の名称 ケイ素系難燃樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−152005(P2001−152005A)
公開日 平成13年6月5日(2001.6.5)
出願番号 特願2000−323884(P2000−323884)
出願日 平成10年5月22日(1998.5.22)
代理人 【識別番号】100094709
【弁理士】
【氏名又は名称】加々美 紀雄 (外2名)
発明者 西原 一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート単独、または芳香族ポリカーボネートを主体とする熱可塑性樹脂及び(B)下記式(1)で表されるケイ素含有化合物を含有する難燃樹脂組成物であって、(A)と(B)の溶解性パラメーター(SP値)の差ΔSPが2.5(cal/cm30.5以下であることを特徴とするケイ素系難燃樹脂組成物。
【化1】

(但し、R2、R3は炭素数1〜20の炭化水素であり、R1、R4は炭素数1〜20の炭化水素または該炭化水素置換ケイ素である。p、qは0または1であり、nは数平均で表され、1以上である。)
【請求項2】 更に難燃剤を含有した請求項1記載のケイ素系難燃樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はケイ素系難燃樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の樹脂は、金属またはガラスに比較して、軽量で、耐衝撃性に優れていることから、自動車部品、家電部品、OA機器部品を始めとする多岐の分野で使用されているが、樹脂の易燃性のためにその用途が制限されている。
【0003】樹脂の難燃化の方法としては、ハロゲン系、リン系、無機系の難燃剤を樹脂に添加することが知られており、それによりある程度難燃化が達成されている。しかしながら、近年火災に対する安全性の要求がとみにクローズアップされ、更に高度な難燃化技術の開発と共に、環境上の問題や機械的性質の低下のない技術開発が強く望まれている。
【0004】一方、有機ケイ素化合物として、ジメチルシリコーンを含有する難燃性樹脂組成物が開示されている(特公昭63−10184、特開昭64−4656、米国特許4497925、4387176、特開平2−133464号公報)。上記公報のシリコーンは、樹脂との相溶性が低く樹脂と相分離するために、難燃性、機械的特性が充分ではなく、実用的使用に耐えることができない。
【0005】また油拡散ポンプ用オイルとしてメチルフェニルシリコーンが知られているが、上記シリコーンは熱可塑性樹脂、特にスチレン系樹脂との相溶性に優れる結果として、優れた難燃性を付与可能であることを本発明者が発見した。しかし上記シリコーンは油拡散ポンプ用オイルであって難燃剤ではなく、従来より難燃性向上効果は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち卓越した難燃性を有する樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは難燃性の卓越した難燃樹脂組成物を鋭意検討した結果、樹脂に対して、特定の相溶性を有するケイ素化合物を配合する事により、驚くべきことに難燃性が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち本発明は、(A)芳香族ポリカーボネート単独、または芳香族ポリカーボネートを主体とする熱可塑性樹脂及び(B)下記式(1)で表されるケイ素含有化合物を含有する難燃樹脂組成物であって、(A)と(B)の溶解性パラメーター(SP値)の差ΔSPが2.5(cal/cm30.5以下であることを特徴とするケイ素系難燃樹脂組成物【0009】
【化2】

【0010】(但し、R2、R3は炭素数1〜20の炭化水素であり、R1、R4は炭素数1〜20の炭化水素または該炭化水素置換ケイ素である。p、qは0または1であり、nは数平均で表され、1以上である。)を提供するものである。
【0011】以下、本発明を詳しく説明する。本発明は、(A)樹脂及び(B)特定のケイ素化合物とからなる難燃樹脂組成物である。
【0012】ここで、(B)はケイ素原子を有することが重要である。ケイ素原子の存在により、燃焼時にシリカ被膜を形成し難燃性が向上する。
【0013】次いで、(A)と(B)のSP値の差が2.5(cal/cm30.5以下であることが必須である。上記SP値差が2.5(cal/cm30.5以下であることにより、従来相分離傾向にある(B)が(A)に微分散する結果、飛躍的に難燃性が向上することを見出し、本発明を完成した。
【0014】本発明において(A)樹脂は、芳香族ポリカーボネート単独、または芳香族ポリカーボネートを主体とする熱可塑性樹脂である。ここで、(A)は、(B)と相溶もしくは均一分散し得るものであればとくに制限はない。
【0015】本発明における(A)芳香族ポリカーボネートは、芳香族ホモポリカーボネートと芳香族コポリカーボネートより選ぶことができる。製造方法としては、2官能フェノール系化合物に苛性アルカリ及び溶剤の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン法、あるいは、例えば、二官能フェノール系化合物と炭酸ジエチルとを触媒の存在下でエステル交換させるエステル交換法を挙げることができる。該芳香族ポリカーボネートは粘度平均分子量が1万〜10万の範囲が好適である。ここで、上記2官能フェノール系化合物は、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等であり、特に2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が好ましい。本発明において、2官能フェノール系化合物は、単独で用いてもよいし、あるいはそれらを併用してもよい。
【0016】前記芳香族ポリカーボネートと混合する熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート系等の単独もしくは二種以上を混合したものを使用することができる。特に芳香族ポリカーボネートと混合する熱可塑性樹脂としてポリフェニレンエーテル系、ポリスチレン系の熱可塑性樹脂が好ましい。
【0017】上記(A)芳香族ポリカーボネートと混合して用いる熱可塑性樹脂としてのスチレン系樹脂(A−1)は、ゴム変性スチレン系樹脂及び/またはゴム非変性スチレン系樹脂であり、特にゴム変性スチレン系樹脂単独またはゴム変性スチレン系樹脂とゴム非変性スチレン系樹脂からなることが好ましく、(B)と相溶もしくは均一分散し得るものであれば特に制限はない。また、ゴム変性スチレン系樹脂は、ビニル芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなる重合体をいい、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体及び必要に応じ、これと共重合可能なビニル単量体を加えて単量体混合物を公知の塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法により得られる。
【0018】このような樹脂の例としては、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)等が挙げられる。
【0019】ここで、前記ゴム状重合体は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であることが好ましく、−30℃を越えると耐衝撃性が低下する傾向にある。
【0020】このようなゴム状重合体の例としては、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体(EPDM)等を挙げることができ、特にジエン系ゴムが好ましい。
【0021】上記のゴム状重合体の存在下に重合させるグラフト重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
【0022】また、(A−1)の中のゴム変性スチレン系樹脂の成分として必要に応じて、芳香族ビニル単量体に共重合可能な単量体成分を一種以上導入することができる。耐油性を高める必要のある場合は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体を用いることができる。
【0023】そして、ブレンド時の溶融粘度を低下させる必要のある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基からなるアクリル酸エステルを用いることができる。また更に、樹脂組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合は、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−置換マレイミド等の単量体を共重合してもよい。単量体混合物中に占める上記ビニル芳香族単量体と共重合可能なビニル単量体の含量は0〜40重量%である。
【0024】ゴム変性スチレン系樹脂におけるゴム状重合体は、好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは10〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混合物は、好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは90〜50重量%の範囲にある。この範囲内では、目的とする樹脂組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが向上する。更には、スチレン系重合体のゴム粒子径は、0.1〜5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.0μmが好適である。上記範囲内では、特に耐衝撃性が向上する。
【0025】ゴム変性スチレン系樹脂の分子量の尺度である樹脂部分の還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、30℃測定:マトリックス樹脂がポリスチレンの場合はトルエン溶液、マトリックス樹脂が不飽和ニトリル−芳香族ビニル共重合体の場合はメチルエチルケトン)は、0.30〜0.80dl/gの範囲にあることが好ましく、0.40〜0.60dl/gの範囲にあることがより好ましい。ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度ηsp/cに関する上記要件を満たすための手段としては、重合開始剤量、重合温度、連鎖移動剤量の調整等を挙げることができる。
【0026】本発明において、(A)芳香族ポリカーボネートと混合して用いる熱可塑性樹脂としてのポリフェニレンエーテル(A−2)は、下記式(2)で示される結合単位からなる単独重合体及び/又は共重合体である。
【0027】
【化3】

【0028】(但し、R1、R2、R3、R4は、それぞれ水素、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群から選択されるものであり、互いに同一でも異なっていてもよい。)
【0029】このポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体等が好ましく、中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。かかるポリフェニレンエーテルの製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第3,306,874号明細書記載の方法による第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例えば2,6キシレノールを酸化重合することにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3,306,875号明細書、米国特許第3,257,357号明細書、米国特許3,257,358号明細書、及び特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報に記載された方法で容易に製造できる。本発明にて用いる上記ポリフェニレンエーテルの還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.20〜0.70dl/gの範囲にあることが好ましく、0.30〜0.60dl/gの範囲にあることがより好ましい。ポリフェニレンエーテルの還元粘度ηsp/cに関する上記要件を満たすための手段としては、前記ポリフェニレンエーテルの製造の際の触媒量の調整などを挙げることができる。
【0030】本発明において、(B)特定のケイ素化合物は、(A)と(B)のSP値の差が2.5(cal/cm30.5以下の条件を満足する下記式(1)で示されるポリオルガノシロキサンまたはポリオルガノシリケートである。
【0031】
【化4】

【0032】(但し、R2、R3は炭素数1〜20の炭化水素であり、R1、R4は炭素数1〜20の炭化水素または該炭化水素置換ケイ素である。p、qは0または1であり、nは数平均で表され、1以上である。)
【0033】ここで、R1〜R4の炭化水素は炭素数1〜20の炭化水素であり、特にフェニル基、アルキル基置換フェニル基が(A)との相溶性の観点から好ましい。またR1〜R4は同一でも異なっていても良い。
【0034】本発明において更に高度な難燃性を付与する場合は、(C)難燃剤として、ハロゲン系、リン系または無機系難燃剤を配合することができる。
【0035】上記(C)としてのハロゲン系難燃剤は、ハロゲン化ビスフェノール、芳香族ハロゲン化合物、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化芳香族ビニル系重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポリフェニレンエーテル等が挙げられ、好ましくはデカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAのオリゴマー、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカーボネート、ブロム化ポリスチレン、ブロム化架橋ポリスチレン、ブロム化ポリフェニレンオキサイド、ポリジブロムフェニレンオキサイド、デカブロムジフェニルオキサイドビスフェノール縮合物、含ハロゲンリン酸エステル及びフッ素系樹脂等である。
【0036】前記(C)の中のリン系難燃剤としては、有機リン化合物、赤リン、無機系リン酸塩等が挙げられる。
【0037】上記有機リン化合物の例としては、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エステル等である。より具体的には、トリフェニルフォスフェート、メチルネオペンチルフォスファイト、ヘンタエリスリトールジエチルジフォスファイト、メチルネオペンチルフォスフォネート、フェニルネオペンチルフォスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、ジネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカテコールフォスファイト、エチルピロカテコールフォスフェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェートである。
【0038】ここで、特に有機リン化合物として、下記式(4)で示される芳香族系リン酸エステル単量体、下記式(5)で示される芳香族系リン酸エステル縮合体が好ましい。
【0039】
【化5】

【0040】
【化6】

【0041】(但し、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar7、Ar8はそれぞれ独立に無置換または炭素数1〜10の炭化水素基で少なくとも一つ置換されたフェニル基から選ばれる芳香族基である。Ar6は炭素数6〜20の二価の芳香族基である。mは1以上の整数を表わす。)
【0042】上記芳香族系リン酸エステル単量体の中でも、特にヒドロキシル基含有芳香族系リン酸エステル単量体、例えば、トリクレジルフォスフェートやトリフェニルフォスフェート等に1個または2個以上のフェノール性水酸基を含有したリン酸エステル単量体、または下記式(6)に示した芳香族リン酸エステル単量体が好ましい。
【0043】
【化7】

【0044】(式中、a、b、cは1から3、R1、R2、R3は水素または炭素数が1から30のアルキル基であり、化合物全体として、置換基R1、R2、R3の炭素数の合計が平均12から30である。ここで、異なった置換基を有する、複数の芳香族リン酸エステルからなる場合には、上記難燃剤の置換基R1、R2、R3の炭素数の合計は、数平均で表し、上記難燃剤中の各芳香族リン酸エステル成分の重量分率と、各成分の置換基の炭素数の合計との積の和である。)
【0045】本発明において、芳香族リン酸エステル単量体の中でも、置換基R1、R2、R3の炭素数合計の数平均は、15〜30が好ましく、さらには20〜30が好ましく、25〜30が最も好ましい。
【0046】具体的な置換基として、ノニル基、t−ブチル基等のブチル基、t−アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オタデシル基、ノナデシル基、オクタドデシル基等が挙げられ、特開平1−95149号公報、特開平3−294284号公報等に開示された公知の方法により製造することができる。例えば、アルキルフェノールとオキシ塩化リンと触媒の無水塩化アルミニウムを加熱下に反応する方法、または亜リン酸トリエステルを酸素で酸化して、対応する芳香族リン酸エステルに転換する方法がある。
【0047】また前記芳香族リン酸エステル縮合体の中でも、特にビスフェノールA ビス(ジフェニルフォスフェート)、ビスフェノールA ビス(ジクレジルフォスフェート)等が好ましい。
【0048】本発明において前記(C)として使用する、もう一つの好ましい芳香族リン酸エステル縮合体は、下記式(7)で示される。
【0049】
【化8】

【0050】(式中、a,b,c,d,eは0から3であり、R1からR5は炭素数が1から10の炭化水素であり、nは1〜3の整数を表す。)
【0051】上記難燃剤は、特に2,6位に置換された芳香族リン酸エステル縮合体が好ましく、特開平5−1079号公報等に開示された公知の方法により製造することができる。例えば、2,6位に置換された単官能フェノールとオキシハロゲン化リンとルイス酸触媒の存在下で反応させ、ジアリールホスホロハライドを得、次いでこれと二官能フェノールをルイス酸触媒の存在下で反応する方法がある。
【0052】前記(C)において、リン系難燃剤の一つの赤リンは、一般の赤リンの他に、その表面をあらかじめ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンよりえらばれる金属水酸化物の被膜で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物及び熱硬化性樹脂よりなる被膜で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物の被膜の上に熱硬化性樹脂の被膜で二重に被覆処理されたものなどである。
【0053】前記(C)において、リン系難燃剤の一つの無機系リン酸塩は、ポリリン酸アンモニウムが代表的である。
【0054】そして、前記(C)としての無機系難燃剤は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水和物等の無機金属化合物の水和物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、ムーカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。これらは、1種でも2種以上を併用してもよい。この中で特に、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトからなる群から選ばれたものが難燃効果が良く、経済的にも有利である。
【0055】本発明における前記(C)の添加量は,(A)100重量部に対して、1〜100重量部であり、好ましくは1〜50重量部、更に好ましくは、3〜20重量部、最も好ましくは、5〜15重量部である。
【0056】本発明において、特に難燃性と耐熱性の更なる向上が必要な場合には、(D)ノボラック樹脂を配合することができる。(D)は、芳香族リン酸エステルと併用する場合には、流動性と耐熱性の向上剤でもあり、樹脂成分と芳香族リン酸エステルとの間の相溶性をやや低下させる。そして、その樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を硫酸または塩酸のような酸触媒の存在下で縮合して得られる熱可塑性樹脂であり、その製造方法は、「高分子実験学5『重縮合と重付加』p.437〜455(共立出版(株))」に記載されている。ノボラック樹脂製造の一例を下記式(8)、(9)に示す。
【0057】
【化9】

【0058】上記フェノール類は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−ジメチル−、3,5−ジメチル−、2,3,5−トリメチル−、3,4,5−トリメチル−、p−t−ブチル−、p−n−オクチル−、p−ステアリル−、p−フェニル−、p−(2−フェニルエチル)−、o−イソプロピル−、p−イソプロピル−、m−イソプロピル−、p−メトキシ−、及びp−フェノキシフェノール、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、サリチルアルデヒド、サルチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、メチル p−ヒドロキシベンゾエート、p−シアノ−、及びo−シアノフェノール、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、p−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド、シクロヘキシルp−ヒドロキシベンゼンスルホネート、4−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸、メチル 4−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィネート、4−ヒドロキシフェニルホスホン酸、エチル 4−ヒドロキシフェニルホスホネート、ジフェニル 4−ヒドロキシフェニルホスホネート等である。
【0059】上記アルデヒド類は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、n−プロパナール、n−ブタナール、イソプロパナール、イソブチルアルデヒド、3−メチル−n−ブタナール、ベンズアルデヒド、p−トリルアルデヒド、2−フェニルアセトアルデヒド等である。
【0060】本発明において必要に応じて、飽和高級脂肪族のカルボン酸またはそれらの金属塩、カルボン酸エステル系ワックス、オルガノシロキサン系ワックス、ポリオレフィンワックス、ポリカプロラクトンから選ばれる一種または二種以上の化合物等の(E)離型剤を配合することができる。
【0061】上記(E)の中でも、飽和高級脂肪族のカルボン酸またはそれらの金属塩から選ばれた1種または2種以上の化合物が好ましい。
【0062】飽和高級脂肪酸のカルボン酸としては炭素数12〜42の直鎖飽和モノカルボン酸が好ましい。例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等が挙げられる。これらの金属塩の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛等があり、特にステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムが特に好ましい。
【0063】(E)の量は、(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、更に好ましくは、0.1〜5重量部、最も好ましくは、0.3〜1重量部である。
【0064】本発明において、必要に応じて、トリアジン骨格含有化合物、含金属化合物、シリカ、アラミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、フッ素系樹脂から選ばれる一種以上の難燃助剤(F)を配合することができる。
【0065】(F)の量は、(A)100重量部に対して、好ましくは0.001〜40重量部、更に好ましくは、1〜20重量部、最も好ましくは、5〜10重量部である。
【0066】(F)としてのトリアジン骨格含有化合物は、リン系難燃剤の難燃助剤として一層の難燃性を向上させるための成分である。その具体例としては、メラミン、下記式(10)で示されるメラム、下記式(11)で示されるメレム、メロン(600℃以上でメレム3分子から3分子の脱アンモニアによる生成物)、下記式(12)で示されるメラミンシアヌレート、下記式(13)で示されるリン酸メラミン、下記式(14)で示されるサクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチルグルタログアナミン、下記式(15)で示されるメラミン樹脂、下記式(16)で示されるBTレジンを挙げることができるが、低揮発性の観点から特にメラミンシアヌレートが好ましい。
【0067】
【化10】

【0068】
【化11】

【0069】
【化12】

【0070】
【化13】

【0071】
【化14】

【0072】
【化15】

【0073】
【化16】

【0074】(F)としての含金属化合物は、金属酸化物及び/または金属粉である。上記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等の単体または、それらの複合体(合金)であり、上記金属粉は、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ、アンチモン等の単体または、それらの複合体である。
【0075】(F)としてのシリカは、無定形の二酸化ケイ素であり、特にシリカ表面に炭化水素系化合物系のシランカップリング剤で処理した炭化水素系化合物被覆シリカが好ましく、更にはビニル基を含有した炭化水素系化合物被覆シリカが好ましい。
【0076】上記シランカップリング剤は、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニル基含有シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、及びN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランである。ここで、特に熱可塑性樹脂と構造が類似した単位を有するシランカップリング剤が好ましく、例えば、スチレン系樹脂に対しては、p−スチリルトリメトキシシランが好適である。
【0077】シリカ表面へのシランカップリング剤の処理は、湿式法と乾式法に大別される。湿式法は、シリカをシランカップリング剤溶液中で処理し、その後乾燥させる方法であり、乾式法は、ヘンシェルミキサーのような高速撹はん可能な機器の中にシリカを仕込み、撹はんしながらシランカップリング剤液をゆっくり滴下し、その後熱処理する方法である。
【0078】(F)としてのアラミド繊維は、平均直径が1〜500μmで平均繊維長が0.1〜10mmであることが好ましく、イソフタルアミド、またはポリパラフェニレンテレフタルアミドをアミド系極性溶媒または硫酸に溶解し、湿式または乾式法で溶液紡糸することにより製造することができる。
【0079】(F)としてのポリアクリロニトリル繊維は、平均直径が1〜500μmで平均繊維長が0.1〜10mmであることが好ましく、ジメチルホルムアミド等の溶媒に重合体を溶解し、400℃の空気流中に乾式紡糸する乾式紡糸、または硝酸等の溶媒に重合体を溶解し水中に湿式紡糸する湿式紡糸法により製造される。
【0080】(F)としてのフッ素系樹脂は、樹脂中にフッ素原子を含有する樹脂である。その具体例として、ポリモノフルオロエチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等を挙げることができる。また、必要に応じて上記含フッ素モノマーと共重合可能なモノマーとを併用してもよい。
【0081】これらのフッ素系樹脂の製造方法は、米国特許第2,393,697号明細書及び米国特許第2,534,058号明細書に開示され、例えばテトラフルオロエチレンを水性媒体中で過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等のラジカル開始剤を用いて、7〜70kg/cm2の加圧下、0〜200℃の温度で重合し、次いで懸濁液、分散液または乳濁液から凝析により、または沈殿によりポリテトラフルオロエチレン粉末が得られる。
【0082】フッ素系樹脂の配合方法は、フッ素系樹脂と熱可塑性樹脂と必要に応じて分散剤を、溶融混練してマスターバッチを作製してから、熱可塑性樹脂、難燃剤と溶融混練する二段プロセス法、または、サイドフィード可能な二ゾーンからなる押出機を用い、前段で熱可塑性樹脂とフッ素系樹脂と必要に応じて分散剤を、溶融混練し、後段で溶融温度を下げて難燃剤をフィード、溶融混練する一段プロセス法、またはフッ素系樹脂を含む全成分をメインフィーダーにフィード、溶融混練する一段プロセス等がある。ここで、難燃性の観点からマスターバッチを作製する二段プロセスが好ましい。
【0083】本発明において、必要に応じて、芳香族ビニル単位とアクリル酸エステル単位からなる共重合樹脂、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪族アルコール、または金属石鹸から選ばれる一種または二種以上の流動性向上剤(G)を配合することができる。
【0084】(G)の量は、(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、更に好ましくは、0.5〜10重量部、最も好ましくは、1〜5重量部である。
【0085】(G)としての共重合樹脂の芳香族ビニル単位は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。そして、アクリル酸エステル単位は、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等の炭素数が1〜8のアルキル基からなるアクリル酸エステルである。
【0086】ここで、共重合樹脂中のアクリル酸エステル単位の含量は、3〜40重量%が好ましく、更には、5〜20重量%が好適である。また、上記共重合樹脂の分子量の指標である溶液粘度(樹脂10重量%のMEK溶液、測定温度25℃)が、2〜10cP(センチポアズ)であることが好ましい。溶液粘度が2cP未満では、衝撃強度が低下し、一方、10cPを越えると流動性の向上効果が低下する。
【0087】(G)としての脂肪族炭化水素系加工助剤は、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、ポリオレフィンワックス、合成パラフィン、及びこれらの部分酸化物、あるいはフッ化物、塩化物等である。
【0088】(G)としての高級脂肪酸は、(E)離型剤の項で述べたもの以外の飽和脂肪酸、及びリシノール酸、リシンベライジン酸、9−オキシ12オクタデセン酸等の不飽和脂肪酸等である。
【0089】(G)としての高級脂肪酸エステルは、フェニルステアリン酸メチル、フェニルステアリン酸ブチル等の脂肪酸の1価アルコールエステル、及びフタル酸ジフェニルステアリルのフタル酸ジエステル等の多塩基酸の1価アルコールエステルであり、さらに、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のソルビタンエステル、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド等のグリセリン単量体の脂肪酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンラウリン酸エステル等のポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレート等のポリアルキレンエーテルユニットを有する脂肪酸エステル、及びネオペンチルポリオールジステアリン酸エステル等のネオペンチルポリオール脂肪酸エステル等である。
【0090】(G)としての高級脂肪酸アミドは、フェニルステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等の飽和脂肪酸のモノアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、及びヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のN,N’−2置換モノアミド等であり、さらに、メチレンビス(12−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス(12−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス(12−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド、及びm−キシリレンビス(12−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド等の芳香族系ビスアミドである。
【0091】(G)としての高級脂肪族アルコールは、ステアリルアルコールやセチルアルコール等の1価のアルコール、ソルビトールやマンニトール等の多価アルコール、及びポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンボクタデシルアミン等であり、さらに、ポリオキシエチレンアリル化エーテル等のポリアルキレンエーテルユニットを有するアリル化エーテル、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリドデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエピクロルヒドリンエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル、ポリオキシエチレンエチレングリコール、ポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールエーテル等のポリアルキレンエーテルユニットを有する2価アルコールである。
【0092】(G)としての金属石鹸は、上記ステアリン酸等の高級脂肪酸の、バリウムやカルシウムや亜鉛やアルミニウムやマグネシウム等の金属塩である。
【0093】本発明において、必要に応じて、熱可塑性エラストマー(H)を配合することができ、例えば、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、1,2−ポリブタジエン系、ポリ塩化ビニル系等であり、特にポリスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0094】(H)の量は、(A)100重量部に対して、好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは、1〜10重量部、最も好ましくは、2〜5重量部である。
【0095】上記ポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位からなるブロック共重合体、または上記共役ジエン単位部分が部分的に水素添加されたブたブロック共重合体である。
【0096】上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
【0097】また、上記ブロック共重合体を構成する共役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。
【0098】そして、ブロック共重合体のブロック構造は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加された単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整数)、S(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)のリニア−ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ化合物等のカップリング剤残基。)で表示される、B部分を結合中心とする星状(スター)ブロック共重合体であることが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3型、SBSBの4型のリニア−ブロック共重合体が好ましい。
【0099】本発明において、耐光性が要求される場合には、必要に応じて、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、ハロゲン捕捉剤、遮光剤、金属不活性剤、または消光剤から選ばれる一種または二種以上の耐光性改良剤(I)を配合することができる。
【0100】(I)の量は、(A)100重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量部、更に好ましくは、0.1〜10重量部、最も好ましくは、1〜5重量部である。
【0101】本発明の一つの難燃性樹脂組成物の好ましい組成の一例としては次のものを挙げることができる。(A)芳香族ポリカーボネート50〜99重量部と、(B)末端が炭化水素置換ケイ素であるメチルフェニルシリコーンオイル1〜50重量部。上記組成の場合には、優れた難燃性を有している。
【0102】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。尚、実施例、比較例における測定は、以下の方法もしくは測定機を用いて行なった。
【0103】(1)芳香族ポリカーボネート住友ダウ(株)製[ビスフェノールA型 商品名カリバー13]
SP値は12.2[cal/cm30.5(以下PCと称する)
【0104】(2)ゴム変性スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテルの還元粘度ηsp/Cゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン18mlとメタノール2mlの混合溶媒を加え、25℃で2時間振とうし、5℃、18000rpmで30分間遠心分離する。上澄み液を取り出しメタノールで樹脂分を析出させた後、乾燥した。
【0105】このようにして得られた樹脂0.1gを、ゴム変性ポリスチレンの場合はトルエンに溶解し、ゴム変性アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂の場合はメチルエチルケトンに溶解し、濃度0.5g/dlの溶液とし、この溶液10mlをキャノン−フェンスケ型粘度計に入れ、30℃でこの溶液落下時間T1(秒)を測定した。一方、別に同じ粘度計で純トルエンまたは純メチルエチルケトンの落下時間T0(秒)を測定し、以下の数式により算出した。
【0106】ηsp/C=(T1/T0−1)/CC:ポリマー濃度(g/dl)
【0107】一方、ポリフェニレンエーテルの還元粘度ηsp/Cについては、0.1gをクロロホルムに溶解し、濃度0.5g/dlの溶液とし、上記と同様に測定した。
【0108】(2)組成物の分析樹脂組成物5gを100mlのメチルエチルケトンに溶解し、超遠心分離機を用いて分離する(20000rpm、1時間)。次いで、分離して得られた上澄み液に2倍量のメタノールを添加して樹脂成分を析出させ、溶液部分と樹脂部分を超遠心分離機を用いて分離した。溶液部分については、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)〔日本国東ソー(株)製、装置本体(RI屈折率検出器付き) HLC−8020;カラム 東ソー(株)製、G1000HXL2本;移動相 テトラヒドロフラン;流量 0.8ml/分;圧力 60kgf/cm2;温度 INLET 35℃,OVEN 40℃,RI 35℃;サンプルループ 100ml;注入サンプル量 0.08g/20ml 〕で分析し、クロマトグラム上の各成分の面積比を各成分の重量分率と仮定し、面積比からリン酸エステルの組成と量を求めた。一方、上記の樹脂部分については、フーリエ変換核磁気共鳴装置(プロトン−FT−NMR)を用いて、芳香族プロトンまたは脂肪族プロトンの積分値の比を求め、ゴム変性スチレン系樹脂及びポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂の量を求めた。
【0109】(3)SP値(δ)〔溶解性パラメーター(Solubility Parameter)〕と平均SP値SP値は Polymer Engineering and Science、14、(2)、147 (1974)に記載の Fedors 式、及び該文献に纏められているΔe1とΔv1のデータから算出した。
【0110】δ=√〔Σ(Δe1)/Σ(Δv1)〕
[ここで、Δe1は各単位官能基当たりの凝集エネルギー、Δv1は各単位官能基当たりの分子容を示し、δの単位は(cal/cm31/2である。]
【0111】尚、共重合体またはブレンド物のSP値は、加成則が成立すると仮定し、共重合体の場合は単量体ユニット、またはブレンド物の場合は各成分のSP値の重量比の比例配分により算出し、これを平均SP値とした。
【0112】(4)難燃性UL−94に準拠したVB(Vertical Burning)法により、自己消火性の評価を行った。(1/8インチ厚み試験片)
実施例、比較例で用いる各成分は以下のものを用いた。
【0113】(イ)メチルフェニルシリコーン信越化学工業(株)製の油拡散ポンプ用メチルフェニルシリコーン(商品名信越シリコーン HIVAC シリーズ)を用いた。ここで下記式(17)のR1〜R8はメチル基(Me)またはフェニル基(Ph)であり、Meが3個、Phが5個をMPh(5)シリコーンと称し、Meが7個、Phが1個をMPh(1)シリコーンと称する。またMPh(5)、MPh(1)のSP値はそれぞれ9.9、7.9(cal/cm30.5である。
【0114】
【化17】

【0115】(ロ)シリコーン信越化学工業(株)製のポリジメチルシロキサン(商品名 信越シリコーンKF96シリーズ 動粘度100CS)を用いた(MEシリコーンと称する)。SP値は7.4(cal/cm30.5である。
【0116】(ハ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)
ポリブタジエン{(シス1,4結合/トランス1,4結合/ビニル1,2結合重量比=95/2/3)(日本ゼオン(株)製、商品名Nipol 122 OSL)}を、以下の混合液に溶解し、均一な溶液とした。
【0117】
ポリブタジエン 10.5重量% スチレン 74.2重量% エチルベンゼン 15.0重量% α−メチルスチレン2量体 0.27重量% t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート 0.03重量%【0118】次いで、上記混合液を撹拌機付の直列4段式反応機に連続的に送液して、第1段は撹拌数190rpm、126℃、第2段は50rpm、133℃、第3段は20rpm、140℃、第4段は20rpm、155℃で重合を行った。引き続きこの固形分73%の重合液を脱揮装置に導き、未反応単量体及び溶媒を除去し、ゴム変性芳香族ビニル樹脂を得た(HIPSと称する)。得られたゴム変性芳香族ビニル樹脂を分析した結果、ゴム含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5μm、還元粘度ηsp/cは0.53dl/gであった。SP値は10.3(cal/cm30.5である。
【0119】(ニ)ポリフェニレンエーテル(PPE)
酸素吹き込み口を反応機底部に有し、内部に冷却用コイル、撹拌羽根を有するステンレス製反応機の内部を窒素で充分置換したのち、臭化第2銅54.8g、ジ−n−ブチルアミン1110g、及びトルエン20リットル、n−ブタノール16リットル、メタノール4リットルの混合溶媒に2,6−キシレノール8.75kgを溶解して反応機に仕込んだ。撹拌しながら反応機内部に酸素を吹き込み続け、内温を30℃に制御しながら90分間重合を行った。重合終了後、析出したポリマーを濾別した。これにメタノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー中の残存触媒を分解し、さらにメタノールを用いて充分洗浄した後乾燥し、粉末状のポリフェニレンエーテルを得た(PPEと称する)。還元粘度ηsp/Cは0.41dl/gであった。SP値は11.2(cal/cm30.5である。
【0120】(ホ)難燃剤:1,3−フェニレン ビス(ジフェニルホスフェート)(FR)
市販の、レゾルシン由来の芳香族縮合リン酸エステル{大八化学工業(株)製、商品名 CR733S(FR−1と称する)}を用いた。また、上記芳香族縮合リン酸エステルは、GPC分析によると、下記式(18)で表わされるTPPダイマー(n=1)とTPPオリゴマー(n≧2)とからなり、重量比でそれぞれ65/35であった。
【0121】
【化18】

【0122】実施例1〜2、比較例1〜3、参考例1〜9表1、2記載の量比で機械的に混合し、東洋精機製作所製ラボプラストミルを用いて、溶融温度230℃、回転数50rpmで5分間溶融した。このようにして得られた樹脂組成物から圧縮成形法により1/8インチ厚の試験片を作製し、難燃性の評価を行なった。その結果を表1、2に記載した。
【0123】
【表1】

【0124】
【表2】

【0125】
【表3】

【0126】表1、2によると、有機ケイ素化合物の中でフェニル基を含有するシリコーンは樹脂との相溶性が高いために難燃性に優れていることが分かる。
【0127】
【発明の効果】本発明はケイ素系難燃樹脂組成物に関するものである。本発明の樹脂組成物は、VTR、分電盤、テレビ、オーディオプレーヤー、コンデンサ、家庭用コンセント、ラジカセ、ビデオカセット、ビデオディスクプレイヤー、エアコンディショナー、加湿機、電気温風機械等の家電ハウジング、シャーシまたは部品、CD−ROMのメインフレーム(メカシャーシ)、プリンター、ファックス、PPC、CRT、ワープロ複写機、電子式金銭登録機、オフィスコンピューターシステム、フロッピーディスクドライブ、キーボード、タイプ、ECR、電卓、トナーカートリッジ、電話等のOA機器ハウジング、シャーシまたは部品、コネクタ、コイルボビン、スイッチ、リレー、リレーソケット、LED、バリコン、ACアダップター、FBT高圧ボビン、FBTケース、IFTコイルボビン、ジャック、ボリュウムシャフト、モーター部品等の電子・電気材料、そして、インスツルメントパネル、ラジエーターグリル、クラスター、スピーカーグリル、ルーバー、コンソールボックス、デフロスターガーニッシュ、オーナメント、ヒューズボックス、リレーケース、コネクタシフトテープ等の自動車材料等に好適であり、これら産業界に果たす役割は大きい。




 

 


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