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発明の名称 高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−146533(P2001−146533A)
公開日 平成13年5月29日(2001.5.29)
出願番号 特願2000−155888(P2000−155888)
出願日 平成12年5月26日(2000.5.26)
代理人 【識別番号】100094709
【弁理士】
【氏名又は名称】加々美 紀雄 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4F070
4J002
【Fターム(参考)】
4F070 AA04 AA12 AA15 AC32 AC56 AC65 AE08 GA05 GA06 GB08 GC07 
4J002 AA012 AC083 BB001 BB031 BB051 BB061 BB071 BB121 BB141 BB151 BB153 BB213 BC022 BC032 BC062 BC072 BC112 BG105 BN033 BN053 BN063 BN203 BP011 BP013 CB002 CF052 CF062 CF072 CG002 CH072 CK022 CL012 CL032 DA016 DA036 DA076 DC006 DE076 DE136 DE146 DE186 DE236 DG046 DJ016 DJ047 DJ056 DK006 DL006 FA045 FA046 FD015 FD016 FD203 GG01 GL00 GN00 GQ00
発明者 木下 秀雄 / 大谷 郁二 / 安井 武
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも(A)部分的または完全に架橋された飽和ゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂よりなる熱可塑性エラストマー:95〜5重量部、(B)熱可塑性樹脂(ポリオレフィン系樹脂を除く):5〜95重量部及び(C)相溶化剤:(A)成分と(B)成分100重量部に対して0.1〜50重量部よりなる組成物で有って且つ該組成物中の飽和ゴム状重合体が1〜40重量%であることを特徴とする高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物。
【請求項2】 (A)成分である熱可塑性エラストマーは、飽和ゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂との動架橋熱可塑性エラストマー若しくは飽和ゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂との動架橋熱可塑性エラストマーとポリオレフィン系樹脂との混合物である請求項1記載の高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】 (A)成分中の飽和ゴム状重合体はスチレン系エラストマー及び/またはオレフィン系エラストマーである請求項1〜2記載の高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】 スチレン系エラストマーは、水素添加芳香族族ビニル/共役ジエンブロック共重合体である請求項3記載の高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物。
【請求項5】 オレフィン系エラストマーは、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを主体としたエチレン・α−オレフィン系共重合体である請求項3記載の高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物。
【請求項6】 (A)成分中のポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂を主とするものである請求項1〜5記載の高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物。
【請求項7】 (B)成分である熱可塑性樹脂は、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂及びポリエステル系樹脂から選ばれる請求項1〜6記載の高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物。
【請求項8】 (C)成分である相溶化剤は、A−B型ブロック共重合体、Aグラフト化B共重合体、Bグラフト化A共重合体及びA重合体成分にBの単量体成分があるいはB重合体成分にAの単量体成分がランダムに導入された共重合体から選ばれた一種又は二種以上の共重合体[ここで、Aはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを主体としたエチレン・α−オレフィン系共重合体、水素化ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンから選ばれた一種又は二種以上の重合体。Bは主に熱可塑性樹重合体若しくは熱可塑性樹脂と相溶性のある重合体]からなる請求項1〜7記載の高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物。
【請求項9】 更に組成物中にガラス繊維若しくは炭素繊維を含む熱可塑性樹脂組成物であって、組成物中のガラス繊維若しくは炭素繊維の含有量は、1〜50重量%である請求項1〜8記載の高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物。
【請求項10】 更に組成物中にタルクを含む熱可塑性樹脂組成物であって、組成物中のタルクの含有量は、1〜50重量%である請求項1〜9記載の高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分的または完全に架橋された飽和ゴム状重合体と熱可塑性樹脂よりなる高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは、部分的または完全に架橋された飽和ゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂及びポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂よりなる高耐衝撃性・高機能性熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂としては、一般にポリプロピレン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等多くの樹脂が知られている。これらの樹脂は、自動車用材料、家電製品材料、食品容器・包装材料、情報機器材料、建築用材料等に幅広く使用されている。しかしながら、これらの樹脂は、用途によっては樹脂の持つ性能に限界があり、表面処理する等特殊な処理をしないと使用出来ないあるいは全く使用出来ない等の問題点がある。例えば、ポリプロピレン系樹脂は、耐熱性、耐薬品性等の性能に優れバンパー等の自動車用材料に使用されている。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂そのものは耐衝撃性が充分ではないし、又、ポリプロピレン系樹脂をバンパーに使用するに当たっては塗装が必要であるが塗料として使用されるウレタン塗料等とポリプロピレン系樹脂は極性基を持たない為に密着しない。その為、例えば極性基を持つポリマーでプライマー処理し、この後塗装すると言った煩雑な操作でバンパーとしている等の問題点がある。又、スチレン系樹脂は、剛性が高く且つ成形加工性に良好なことから家電製品材料、食品容器・包装材料に使用されている。ポリスチレンそのものは脆い。その為にポリブタジエンをゴム成分とした耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)も幅広く使用されている。耐衝撃性ポリスチレンは、ゴム成分の架橋及びゴム成分にスチレンモノマーのグラフト反応をさせないと耐衝撃性を付与することが出来ない。一般的な製造方法では、二重結合を分子内に持つゴムでないと架橋及びグラフト反応は起こらない。従って、耐衝撃性ポリスチレンは、ゴム成分としてポリブタジエンが使用されている。その為、耐候性が悪く屋外用途である建材等には使用出来ない等の問題点がある。又、ポリスチレンそのものは、耐溶剤性が悪い。その為、例えば冷蔵庫内の中敷等に使用した場合は、食品油等でクラックが入る。あるいは、クーラーのハウジング等に使用した場合、飛散してくるオイル等によりクラックが入る等の問題点がある。更に、ポリアミドは、それ単独では耐衝撃性が悪い等の問題がある。この様に単一の熱可塑性樹脂では種々の問題があり、樹脂によって異なるが、更に総合的な機能付与、例えば耐衝撃性、耐薬品性、耐候性、塗装性、印刷性等の機能付与が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような現状に鑑み、耐衝撃性、耐薬品性、耐候性、塗装性、印刷性等に優れた高機能性の熱可塑性樹脂を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を進めた結果、耐候性に優れた飽和ゴムを使用し且つ耐薬品性に優れたポリプロピレンをベースとして、更に各種熱可塑性樹脂と組み合わせると種々の機能を付与することが可能となることを見出し本発明を完成するに至った。例えば、ポリスチレンと組み合わせると耐衝撃性、耐候性、耐薬品性に優れたポリスチレン系樹脂とできるあるいはポリアミドまたはポリウレタン等と組み合わせるとポリオレフィン系樹脂に耐衝撃性を付与した上に更に塗装性、印刷性等を付与でき自動車用途ではプライマーレス塗装が可能となるあるいはポリカーボネート樹脂と組み合わせると耐薬品性を改良することができる等である。
【0005】即ち、本発明は、少なくとも(A)部分的または完全に架橋された飽和ゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂よりなる熱可塑性エラストマー:95〜5重量部、(B)熱可塑性樹脂(ポリオレフィン系樹脂を除く):5〜95重量部及び(C)相溶化剤:(A)成分と(B)成分100重量部に対して0.1〜50重量部よりなる組成物で有って且つ該組成物中の飽和ゴム状重合体が1〜40重量%であることを特徴とする高耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0006】以下、本発明に関して詳しく述べる。まず本発明の各成分について詳細に説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物の(A)成分中の部分的または完全に架橋された飽和ゴム状重合体について述べる。
【0007】本発明の飽和ゴム状重合体としては、例えば、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系等の部分的または完全に架橋されたエラストマーを挙げることが出来る。この中でもポリスチレン系エラストマー及びポリオレフィン系エラストマーが特性・価格の面で好ましい。この中でも更にポリオレフィン系エラストマーが架橋性等にも優れ特に好ましい。
【0008】ポリスチレン系エラストマーとしては、例えば、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位からなるブロックポリマーあるいはランダムポリマーの共役ジエン成分の二重結合を水素添加したものを挙げることができる。ブロックポリマーについて具体的に述べると、このブロックポリマーは、少なくとも一個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(S)と少なくとも1個の水素添加された共役ジエンを主体とする重合体ブロック(B)からなるブロック共重合体であり、その構造は例えばS−B,S−B−S,B−S−B−S,(S−B−)nSiなどである。共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。なお、スチレン系エラストマーが、水素添加芳香族ビニル/共役ジエンブロックあるいはランダム共重合体である場合は、二重結合が100%水素添加されている必要はない。少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上である。水素添加することにより、その水素添加が100%でなくても耐候性が大きく改善される。本発明の飽和ゴム状重合体は、それがスチレン系エラストマー、特にこれが水素添加芳香族ビニル/共役ジエンブロツクあるいはランダム共重合体である場合は、その二重結合が少なくとも50%以上水素添加されたゴム状重合体と定義する。
【0009】ポリオレフィン系エラストマーとしては、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、あるいは結果的にポリオレフィン系となる水素添加共役ジエン重合体等を挙げることができる。
【0010】エチレン・α−オレフィン系共重合体を詳しく述べると、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを主体としたエチレン・α−オレフィン系共重合体が好ましい。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。これらα−オレフィンは単独で用いても良いし、又、2種以上を組み合わせても良い。更に第3成分として共重合成分を含むこともできる。第3成分の共重合成分としては1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエン等が挙げられる。
【0011】これら共役ジエン、非共役ジエンを共重合したエチレン・α−オレフィン系共重合体(例えば、EPDM)は、ポリブタジエンに比較して、分子内に存在するジエン成分が少ない為、耐候性に優れる。本発明での(A)成分中の飽和ゴム状重合体は、それが共役ジエン及び/または非共役ジエンを共重合したエチレン・α−オレフィン系共重合体である場合、該共重合体中のその含有量は、少なくとも50重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。本発明の飽和ゴム状重合体は、それが共役ジエン及び/または非共役ジエンを共重合したエチレン・α−オレフィン系共重合体である場合、該共重合体中のその含有量は少なくとも50重量%以下のゴム状重合体と定義する。
【0012】上述の如くポリオレフィン系エラストマーとしては、共役ジエン若しくは非共役ジエンを共重合したエチレン・α−オレフィン系共重合体も含む。しかしながら、共役ジエン及び/または非共役ジエンを含まないエチレン・α−オレフィン系共重合体は耐候性に優れ、より好ましい。中でもエチレン・オクテン−1共重合体は、架橋させることも容易で最も好ましい。
【0013】この(A)成分中の飽和ゴム状重合体として好適に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、メタロセン系触媒を用いて製造されたものが好ましい。
【0014】一般にはメタロセン系触媒は、チタン、ジルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒からなり、重合触媒として高活性であるだけではなく、チーグラー系触媒と比較して、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体中のコモノマーである炭素数3〜20のα−オレフインの分布が均一である。その為にメタロセン系触媒で得られた重合体の方が架橋は均一であり、優れたゴム弾性を示す。
【0015】本発明にて好適に用いられる(A)成分中のゴム状重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体は、α−オレフィンの共重合比率が、1〜60重量%であることが好ましく、更に好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは20〜45重量%である。α−オレフィンの共重合比率が50重量%を越えると、本発明組成物より得られる成形品の引張強度等の低下が大きく好ましくない。又、1重量%未満では本発明組成物より得られる成形品の耐衝撃性向上効果が出ず好ましくない。
【0016】エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.800〜0.900g/cm3、更に0.850〜0.900g/cm3の範囲にあることが好ましい。この範囲の密度を有するゴム状重合体を用いることにより、耐衝撃性に優れた成形品とすることができる。
【0017】本発明にて好適に用いられる(A)成分中の飽和ゴム状重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体は、長鎖分岐を有していることが好ましい。長鎖分岐が存在することで、機械的強度を落とさずに、共重合されているα−オレフィンの比率(重量%)に比して、密度をより小さくすることが可能となり、低密度、低硬度、高強度のゴム状重合体を得ることができる。なお、長鎖分岐を有するエチレン・α−オレフィン共重合体は、USP5278272等に記載されている。
【0018】また、エチレン・α−オレフィン共重合体は、室温以上にDSCの融点ピークを有することが望ましい。融点ピークを有する時、融点以下の温度範囲では形態が安定しており、取り扱い性に優れ、ベタツキも少ない。
【0019】また、本発明にて好適に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体のメルトインデックスは、0.01〜100g/10分(190℃、2.016kg)の範囲にあるものが好ましく用いられ、更に好ましくは0.2〜20g/10分である。100g/10分を越えるとゴム状重合体の架橋性が不十分であり、また0.01/10分より小さいと組成物の流動性が悪く、加工性が低下して望ましくない。
【0020】本発明組成物の(A)成分中の飽和ゴム状重合体は、複数の種類のものを混合して用いても良い。この様な場合には、加工性の更なる向上を図ることが可能となる。
【0021】(A)成分中の飽和ゴム状重合体は、部分的または完全に架橋していることが必要である。本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品は、架橋した場合、架橋していない場合と比較すると、耐衝撃性・耐熱性等が大きく向上する。本発明の熱可塑性樹脂組成物中の全ゴム状重合体中の架橋しているゴム状重合体(溶媒に溶解しないゴム状重合体)の比率を架橋度で定義すると、架橋度は、30%以上、更に50%以上であることが好ましい。
【0022】次に本発明の熱可塑性樹脂組成物の(A)成分中のポリオレフィン系樹脂について述べる。ポリオレフィン系樹脂は、大きく分けてポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂あるいはポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の混合物を使用することができる。
【0023】ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アクリル系ビニルモノマーとエチレンとの共重合体(EEA、EMMA等)あるいは酢酸ビニルモノマーとエチレンとの共重合体(EVA)等を挙げることができる。しかしながら、これらの中でも高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が、安価に入手できる為、特に好ましい。これらのポリエチレン系樹脂は、単独で用いても良いし、又、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0024】高密度ポリエチレン(HDPE)を使用する場合、その密度は、一般に、0.930〜0.970g/cm2の範囲であり、190℃、2.16kg荷重で測定されたメルトフローレート(MFR)は、0.05〜100g/10分の範囲であることが好ましい。低密度ポリエチレン(LDPE)あるいは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用する場合、その密度は、一般に、0.900〜0.930g/m2の範囲であり、190℃、2.16kg荷重で測定されたメルトフローレート(MFR)は、0.05〜100g/10分の範囲であることが好ましい。メルトフローレートが100g/10分を越えると、本発明の組成物から得られる成形品の機械的強度、耐熱性が不十分であり、また0.05g/10分より小さいと本発明の組成物を成形する際、流動性が悪く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0025】一方、ポリエチレン系樹脂として、超低密度ポリエチレンを使用することもできる。その密度は、0.850〜0.900g/m2の範囲であり、一般には超低密度ポリエチレン又はプラストマー及びエラストマーと呼ばれるものである。これらは、エチレンとプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1あるいはオクテン−1等のα−オレフィンとの共重合体であり、本発明の(A)成分中の飽和ゴム状重合体の架橋されていない部分でもあると同時に飽和ゴム状重合体の働きを補足する目的で用いても良い。
【0026】ポリプロピレン系樹脂としては、ホモのポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとの共重合樹脂(ブロック、ランダムを含む)等を挙げることができる。ポリプロピレン系樹脂の230℃、2.16kg荷重で測定されたメルトフローレート(MFR)は、0.1〜100g/10分の範囲であることが好ましい。メルトフローレートが100g/10分を越えると、本発明の組成物から得られる成形品の機械的強度、耐熱性が不十分であり、また0.1g/10分より小さいと本発明の組成物を成形する際、流動性が悪く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0027】本発明で使用するポリオレフィン系樹脂は、上述の如くポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂からなるが、ポリプロピレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂と比較して耐熱性が高く好ましい。中でもホモのポリプロピレン系樹脂は最も耐熱性が高くより好ましい。しかしながら、ホモのポリプロピレンは一般に酸化分解し易く長期使用時分子量低下により機械的強度が低下する傾向にある。一方、ポリエチレン系樹脂は一般に酸化分解せず架橋し機械的強度を維持あるいは向上する傾向がある。この為、ポリプロピレン系樹脂を使用する際、特に、耐久性が要求される用途に使用する場合は、ホモのポリプロピレンとポリエチレン系樹脂と併用するかあるいはプロピレンとエチレン系のランダムあるいはブロックポリマーを使用することもある。
【0028】次に(B)成分である熱可塑性樹脂について述べる。この熱可塑性樹脂は、ポリオレフイン系樹脂を除く。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系以外の樹脂であれば特に限定はされないが、その例として、例えばポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂等を挙げることができる。
【0029】この中で、ポリスチレン系樹脂は、基本的には、スチレン単量体の重合体、即ち、ポリスチレン若しくはスチレン単量体と他の単量体との共重合体である。共重合の単量体としては、例えば、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等のスチレン系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸等の有機酸単量体等を挙げることができる。これらの中でも、ポリスチレンは、安価であり最も好ましい。また、ポリアミド系樹脂は、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12及びこれらの混合物または共重合体等を挙げることができる。ポリエステル系樹脂は、PET(テレフタル酸とエチレングリコールとの共重合体)、PTT(テレフタル酸とトリメチレンジオールとの共重合体)、PBT(テレフタル酸とブタンジオールとの共重合体)等を含み更にポリアセタール系樹脂は単独重合体及び共重合体も含む。
【0030】これらの中でも、ポリスチレン系樹脂は、これを(B)成分として使用した場合、ポリスチレン成分が多い範囲では耐候性に優れた高耐衝撃性ポリスチレン系樹脂となると同時にポリスチレン成分が少ない範囲では塗装性、印刷性に優れたポリプロピレン系樹脂とすることができる。ポリアミド系樹脂あるいはポリウレタン系樹脂は、これを(B)成分として使用した場合、ポリアミド系樹脂あるいはポリウレタン系樹脂が多い範囲では耐衝撃性に優れたポリアミド系樹脂あるいはポリウレタン系樹脂となると同時にポリアミド系樹脂あるいはポリウレタン系樹脂が少ない範囲では塗装性、印刷性に優れたポリプロピレン系樹脂とすることができる。また、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂は、これを(B)成分として使用した場合、高耐衝撃性及び耐薬品性に優れたポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂とすることができる。(B)成分である熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系以外の種々のものを使用することが可能であるが、中でも、特に詳しく述べたポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂及びポリエステル系樹脂は、上述の如く本発明組成物の特徴を有効に生かすことが可能となり、特に好ましい。
【0031】なお、(B)成分である熱可塑性樹脂は、一種であっても良いし、また二種以上であってもよい。二種以上の組み合わせとしては、例えばポリスチレン系樹脂/ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂/ポリフェニレンエーテル系樹脂等の組み合わせを挙げることができる。この二種を共存させた本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性、難燃性あるいは塗装性等にレベルが高い高耐衝撃性の材料とすることができる。
【0032】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の(C)成分である相溶化剤について述べる。本発明組成物の(A)成分である飽和ゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂よりなる熱可塑性エラストマーと(B)成分である熱可塑性樹脂とは本質的に構造が異なる為に均一に混ざり合わない。その為、単に両者のみをブレンドした組成物を成形した場合には相剥離現象を生じ機械的強度が低く、その両者の界面接着機能の付与、即ち、両者の相溶性を向上する必要がある。この為に、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、(C)成分である相溶化剤が必要不可欠である。
【0033】(C)成分の相溶化剤としては、(A)成分中の飽和ゴム状重合体あるいはポリオレフィン系樹脂、特にポリオレフィン系樹脂と(B)成分である熱可塑性樹脂と相溶化させるものであれば特に限定されない。(A)成分中のポリオレフィン系樹脂と(B)成分である熱可塑性樹脂と相溶化させるものが特に好ましい理由は、以下の様になる。即ち、飽和ゴム状重合体は、架橋されている為に、通常0.2〜2μmの粒径を持ち、その架橋飽和ゴム状重合体がポリオレフィン系樹脂中に微分散されている為に(A)成分と(B)成分を混合した際、架橋飽和ゴム状重合体含むポリオレフイン系樹脂相と熱可塑性樹脂相との二種の相(アロイ)からなる。その為に、(A)成分中のポリオレフィン系樹脂と(B)成分である熱可塑性樹脂と相溶化させることにより相剥離現象を抑制することが可能となる。ここで相溶化という意味は、親和性があり混ざり合うあるいは反応性がある等のことをいう。
【0034】本発明の(C)成分である相溶化剤の例として、例えば、分子内にポリオレフィン系成分と熱可塑性成分あるいは熱可塑性樹脂と相溶性のある成分とを合わせもつものを挙げることができる。詳しくは、A−B型ブロック共重合体、Aグラフト化B共重合体、Bグラフト化A共重合体及びA重合体成分にBの単量体成分があるいはB重合体成分にAの単量体成分がランダムに導入された共重合体から選ばれた一種又は二種以上の共重合体が好ましい。ここで、Aはポリオレフィン系成分であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを主体としたエチレン・α−オレフィン系共重合体、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンから選ばれた一種又は二種以上の重合体等を挙げることができる。Bは主に熱可塑性樹重合体若しくは熱可塑性樹脂と相溶性のある重合体である。
【0035】(B)成分がポリスチレン系樹脂の場合を例にして更に詳しく説明すると、Aがポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを主体としたエチレン・α−オレフィン共重合体、水素化ポリブタジエン、水素化ポリイソプレン等、Bがポリスチレンあるいはポリスチレンとの共重合体、好ましくはポリスチレンよりなるA−B型ブロック共重合体、Aグラフト化B共重合体及びBグラフト化A共重合体等を挙げることができる。更に、A重合体成分にBがランダムに導入された共重合体、具体的には、ポリエチレンからなるA重合体成分にB単量体成分、即ちスチレンモノマーがランダムに導入された共重合体や逆にB重合体成分にAがランダムに導入された共重合体、具体的には、ポリスチレンからなるB重合体成分にA単量体成分、即ち、例えばエチレンモノマーがランダムに導入された共重合体等も挙げることができる。ここで、A及びBは、分子内に単一であっても良いし、また、2個以上の組み合わせであっても良い。
【0036】(B)成分がポリスチレン系樹脂である場合の具体的な例としては、例えばポリスチレングラフトポリプロピレン、スチレン−共役ジエン(ブタジエン、イソプレン等)ブロックあるいはランダム共重合体、スチレン−水素添加共役ジエン(ブタジエン、イソプレン等)ブロックあるいはランダム共重合体、エチレン−スチレンランダム共重合体等を挙げることができる。これらの中でスチレン−水素添加共役ジエンブロックあるいはランダム共重合体は、それが架橋している場合は、本発明の熱可塑性樹脂組成物の(A)成分中の飽和ゴム状重合体となる。相溶化剤としての機能を果たす為には架橋していないことが必要である。その為、(C)成分がスチレン−水素添加共役ジエンブロックあるいはランダム共重合体である場合は、これは(A)成分中の飽和ゴム重合体成分でもあるが、(A)成分中の飽和ゴム重合体成分は架橋したものであるに対して(C)成分は架橋していないことで区別する。
【0037】(B)成分がスチレン系樹脂の場合は、上述の様に相溶化剤は、(A)成分中のポリオレフィン系樹脂と(B)成分であるスチレン系樹脂と両者に混ざり合う成分を持つものを選ぶことが多いが、(B)成分がポリアミド樹脂である場合は、ポリアミドが官能基を持つ為に、(A)成分中のポリオレフィン系樹脂と混ざり合う成分とポリアミドと反応する成分を一つの分子内に持つ相溶化剤を選ぶことが多い。この具体的な例としては、無水マレイン化したポリプロピレン、無水マレイン化あるいはエポキシ化した芳香族ビニル−水素添加共役ジエン共重合体等が挙げられる。これ以外、当然、同一分子内にポリアミド成分とポリオレフィン成分を持つ物であってもよい。
【0038】(B)成分がポリスチレン系樹脂及びポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂である場合は、上記ポリスチレン系樹脂及びポリアミド系樹脂と同じ考え方で相溶化剤を選ぶ。
【0039】(B)成分がポリウレタン系樹脂である場合は、例えばポリアミド系樹脂とほぼ同じ無水マレイン化したポリプロピレン、無水マレイン化あるいはエポキシ化した芳香族ビニル−水素添加共役ジエン共重合体等が挙げられる。
【0040】(B)成分がポリカーボネート系樹脂である場合は、例えば、ポリカーボネートと親和性のあるアクリロニトリル−スチレン共重合体グラフトポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレン−プロピレン)あるいはポリ(エチレン−プロピレン−共役ジエン)等を挙げることができる。また、組成分布を持つアクリロニトリル−スチレン共重合体と芳香族ビニル−水素添加共役ジエン共重合体の組み合わせ等もある。この場合は、組成分布を持つアクリロニトリル−スチレン共重合体がポリカーボネート系樹脂と芳香族ビニル−水素添加共役ジエン共重合体と相溶し更に芳香族ビニル−水素添加共役ジエン共重合体とポリオレフィン系樹脂と相溶し結果として2成分の相溶化剤により(A)成分中のポリオレフィン系樹脂と(B)成分であるポリカーボネート系樹脂とが相溶化する。
【0041】(B)成分がポリフェニレンエーテル系樹脂である場合は、この樹脂がポリスチレン系樹脂と相溶性がある為に、ポリスチレン系樹脂と同じ相溶化剤を挙げることができる。
【0042】(B)成分がポリエステル系樹脂である場合は、これはアクリロニトリル−スチレン共重合体と親和性があり、アクリロニトリル−スチレン共重合体グラフトポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレン−プロピレン)あるいはポリ(エチレン−プロピレン−ジエン)等を挙げることができる。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂組成物中の(C)成分である相溶化剤は上記の通りであるが、この相溶化剤は一種で有っても良いし、又、複数の組み合わせであっても良い。
【0044】本発明の熱可塑性樹脂組成物中の組成は、(A)成分である部分的または完全に架橋された飽和ゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂よりなる熱可塑性エラストマーは95〜5重量部、(B)成分である熱可塑性樹脂(ポリオレフィン系樹脂を除く)は5〜95重量部及び(C)成分である相溶化剤は(A)成分と(B)成分100重量部に対して0.1〜50重量部よりなり、且つ組成物中の飽和ゴム状重合体は1〜40重量%よりなる。好ましくは、(A)成分である部分的または完全に架橋された飽和ゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂よりなる熱可塑性エラストマーは90〜10重量部、(B)成分である熱可塑性樹脂(ポリオレフィン系樹脂を除く)は10〜90重量部及び(C)成分である相溶化剤は(A)成分と(B)成分100重量部に対して0.1〜30重量部よりなり、且つ組成物中の飽和ゴム状重合体は1〜30重量%よりなる。
【0045】(A)成分である熱可塑性エラストマーが95重量部を超えると、(B)成分の持つ機能付与の効果が低い。5重量部未満の場合は、耐衝撃性付与の効果が低く且つポリオレフィン系樹脂の持つ耐薬品性等の優れた機能も失われる。(B)成分である熱可塑性樹脂が5重量部未満の場合は、(B)成分の持つ機能付与の効果が低い。95重量部を超える場合は、(A)成分の持つ耐衝撃性付与の効果が低く且つ耐薬品性等の優れた機能も失われる。(C)成分である相溶化剤が(A)成分と(B)成分100重量部に対して0.1重量部未満の場合は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品が(A)成分と(B)成分と相剥離することにより機械的強度が低い。50重量部を超える場合、本来(A)成分と(B)成分とを複合化することにより発現される機能を充分に生かすことが出来ない。
【0046】全組成物中の飽和ゴム状重合体の量は、1〜40重量%よりなるが、飽和ゴム状重合体の量が1%未満の場合は、耐衝撃性付与の効果が低い。40重量%を超える場合は、樹脂ではなくエラストマーとなり本発明の意図する用途の範囲からはずれる。
【0047】なお、特開平9−25370号公報には、エンジニアリングレジン、熱可塑性オレフィン系ポリマーとエラストマーコポリマーとの動的に加硫されたアロイ及び前記エンジニアリングレジンとアロイの相溶化剤のトリブレンドを含む熱可塑性エラストマーが開示されている。成分は、本発明の熱可塑性樹脂組成物と酷似しているが、本発明は硬質樹脂を範囲としており、該公報はエラストマーを範囲としていることで大きな差がある。全樹脂中に含まれる架橋ゴム状重合体の量は、該公報の実施例で50重量%であり、本発明の熱可塑性樹脂組成物は1〜40重量%としていることで異なる。
【0048】次に本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法について述べる。本発明の熱可塑性樹脂組成物の好ましい製造方法としてはいくつかの方法がある。下記の方法に限定されるわけでは無いが、その方法について記載する。
【0049】第一の方法は、(I)(A)成分中のポリオレフィン系樹脂、飽和ゴム状重合体、架橋剤及び架橋助剤を二軸押出機、バンバリーミキサー等で熱処理しゴム状重合体をラジカル開始剤、架橋助剤共存下部分的にまたは完全に動架橋し、得られた熱可塑性エラストマー(動架橋熱可塑性エラストマー)、(II)必要に応じてポリオレフィン系樹脂、(III)(B)成分である熱可塑性樹脂及び(IV)(C)成分である相溶化剤とを二軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練し本発明の組成物とする方法である。この際、(C)成分である相溶化剤は、その相溶化剤がラジカル開始剤、架橋助剤により架橋反応を起こさないものであれば熱可塑性エラストマー製造時にポリオレフイン系樹脂と飽和ゴム重合体に共存させても良い。ここで(II)のポリオレフィン系樹脂は、主として成分調整用であり、入れる場合と入れない場合とがある。熱可塑性エラストマー製造時に使用するポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂単独を用いた場合は、マトリックスも架橋し得られた熱可塑性エラストマーが熱可塑性を示さない場合もある。その為、ポリオレフィン系樹脂は、架橋しないポリプロピレン系樹脂を主体とするあるいはポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合物とすることが好ましい。なお、(I)〜(IV)の各ペレットをペレットブレンドし本発明の組成物とすることもできるし、更に(I)及び(II)とを溶融混練しペレット化しこのペレットと(III)及び(IV)のペレットをブレンドし本発明の組成物とするあるいは(I)、(II)及び(IV)を溶融混練しペレット化しこのペレットと(III)のペレットをブレンドし本発明の組成物とする等種々の組み合わせで本発明の組成物とすることもできる。
【0050】第二の方法は、(A)成分中のポリオレフィン系樹脂、飽和ゴム状重合体、(B)成分である熱可塑性樹脂、(C)成分である相溶化剤、架橋剤及び架橋助剤を二軸押出機、バンバリーミキサー等で熱処理しゴム状重合体をラジカル開始剤、架橋助剤共存下部分的にまたは完全に動架橋させ一段で本発明の熱可塑性樹脂組成物とすることもできる。この際、(C)成分である相溶化剤がラジカル開始剤、架橋助剤により架橋反応を起こす場合は、例えば二軸押出機のバレル中央部に注入口を設け相溶化剤を追添する方法等をとることができる。但し、この第二の方法は、飽和ゴム状重合体の濃度が低い時そのゴム状重合体の架橋効率が低く所望の架橋をさせることが困難となる場合もあり、第一の方法と第二の方法とを比較する第一の方法の方が好ましいが、本発明の組成物は、この様な一段で製造する方法であっても、結果として本発明組成物の組成となるものも含む。
【0051】上記の如く本発明組成物の(A)成分は、動架橋し製造することが主であるが、この製造方法で製造する場合、使用する開始剤としては、有機過酸化物、有機アゾ化合物等のラジカル開始剤が挙げられる。具体的な例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドおよびm−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、およびクミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類;ならびに、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類を挙げることができる。
【0052】これらの化合物の中では、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
【0053】前記第一あるいは第二の方法で飽和ゴム状重合体を架橋させる場合、これらの開始剤は、ゴム状重合体100重量部に対し0.02〜3重量部、好ましくは0.05〜1重量部の量で用いられる。架橋のレベルは、主としてこの量で決まる。0.02重量部未満では架橋が不十分であり、3重量部を越えても大きく架橋率が向上することは無い為、好ましい方向ではない。
【0054】架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好ましく用いられる。これらの架橋助剤は複数のものを併用して用いてもよい。
【0055】架橋助剤は、飽和ゴム状重合体100重量部に対し0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の量で用いられる。0.1重量部未満では架橋率が低く好ましくない。5重量部を越えても架橋率が大きく向上することはなく、又、過剰の架橋助剤が残存し、好ましい方向ではない。
【0056】架橋の方法として上記の様にラジカル開始剤と架橋助剤を使用することが好ましいが、これ以外にフェノール樹脂あるいはビスマレイミド等を架橋剤として使用することもできる。
【0057】本発明組成物の(A)成分中の飽和ゴム状重合体を部分的または完全に架橋する為の設備としては、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、二軸押出機等が使用できる。とりわけ効率的に架橋を達成する為には、二軸押出機が好ましく用いられる。二軸押出機は、飽和ゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂とを均一且つ微細に分散させ、更に架橋剤及び架橋助剤による架橋反応も好ましく実施でき、架橋体を連続的に製造するのに適している。
【0058】上述の如く、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、基本的には、(A)成分である部分的または完全に架橋された飽和ゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂よりなる熱可塑性エラストマー、(B)である熱可塑性樹脂及び(C)である相溶化剤とからなるが、これ以外の成分として、ガラス繊維、炭素繊維あるいはポリアクリロニトリル繊維等の繊維状フィラー、銅あるいは黄銅等の金属繊維、チタン酸カリウム、マグネシウムオキシサルフェート、硼酸アルミニウム等のウイスカー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カーボンブラック、酸化チタン、クレー、マイカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の粉末状の無機フィラー、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート(DOP)等の可塑剤の他、有機・無機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッキング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等の添加剤等を併用することもできる。
【0059】これらの中でも、特にガラス繊維及び/または炭素繊維、更にタルクは、本発明組成物より得られる成形品の剛性あるいは耐熱性を大幅に向上させることができ好ましい。また、軟質剤は、本発明組成物の耐衝撃性を上げることができ好ましい。
【0060】ガラス繊維及び/または炭素繊維を本発明組成物の一部とする場合、大きく分けて2種類の方法がある。即ち、通常(a)短繊維法と言われる方法、即ち、樹脂にガラス繊維若しくは炭素繊維(チョプドストランド)を混合して押出機で混練し、得られたペレットを射出成形し成形品とする方法及び(b)長繊維法と言われる方法、即ち、例えばガラス繊維若しくは炭素繊維のロービングを張力下で引き揃えながら熱可塑性樹脂を押出機によりサイドより押出し、ガラス繊維あるいは炭素繊維の表面に熱可塑性樹脂を押出被覆し、ペレット化し、このペレットとガラス繊維若しくは炭素繊維を含まない通常の熱可塑性樹脂ペレットとをブレンドし、このブレンド品を直接射出成形し成形品とする方法がある。後者の長繊維法による成形品は、成形品中の繊維長が長く短繊維法に比べて高剛性・高強度となりより好ましい。本発明の組成物にガラス繊維若しくは炭素繊維を含む場合、全組成物(ガラス繊維若しくは炭素繊維を含む)中のガラス繊維若しくは炭素繊維の含有量は、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%である。
【0061】タルクも上記の様に本発明組成物より得られる成形品の剛性あるいは耐熱性を大幅に向上させることができ特に好ましいが、このタルクを本発明組成物の一部とする場合、全組成物(タルクを含む)中のガラス繊維若しくは炭素繊維の含有量は、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%である。
【0062】軟質剤を本発明組成物の一部とする場合、軟質剤としては、パラフィン系、ナフテン系などのプロセスオイルを挙げることができる。この軟質剤の全組成物(軟質剤を含む)中の含有量は、0.1〜100重量%、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
【0063】この様にして得られた本発明の熱可塑性樹脂組成物は、任意の成形方法で各種の成形品の製造が可能である。成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡成形等が好ましく用いられる。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これら実施例および比較例において、各種物性の評価に用いた試験法、原材料及び配合に使用した熱可塑性エラストマーの製造方法は以下の通りである。
【0065】1.試験法(1)引張強度JIS K6251に準拠した方法で23℃で測定した。
(2)引張伸びJIS K6251に準拠した方法で23℃で測定した。
(3)曲げ強度JIS K6758に準拠した方法で23℃で測定した(4)曲げ弾性率JIS K6758に準拠した方法で23℃で測定した。
(5)Izod衝撃強度JIS K6758に準拠した方法で23℃で測定した。(Vノッチ、1/4インチ試験)
(6)耐熱性(HDT)
JIS K7207に準拠した方法で測定した。
【0066】(7)耐候性サンシヤインウエザーメーター(65℃、雨有り)で評価した。500時間経過後のアイゾツト衝撃強度の保持率で評価した。保持率80%以下を×、80〜90%を○、90%以上を◎で表示する。
【0067】(8)耐薬品性(耐油性)
幅65mm×65mm、高さ45mmの容器を成形した。この容器中に椰子を10cc入れ、110℃、60分加熱し、容器の変形を評価した。変形大を×、変形小を○、変形なしを◎で表示する。
【0068】(9)塗装性ウレタン塗料を厚み30μmになる様に塗装し80℃で約30分間焼き付けを行った。密着性はカッターナイフで1mm幅の碁盤目を100個作りセロテープ剥離で剥がれた個数をカウントするいわゆる碁盤目試験で評価した。100/100は、100個中100個剥離し全く密着しないことを示す。0/100は、100個中0個の剥離で完全密着していることを示す。
【0069】(10)架橋度架橋熱可塑性エラストマー0.5gを、キシレン200ml中で4時間リフラックスさせる。溶液を定量用濾紙で濾過し、濾紙上の残さを真空乾燥後定量し、架橋熱可塑性エラストマー中のゴム状重合体の重量に対する残さの重量の比率(%)として算出した。
【0070】2.原材料(1)ゴム状重合体(a)エチレン・オクテン−1共重合体特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/28(重量比)であった(TPE−1と称する)
【0071】(b)エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエンの組成比は、72/24/4(重量比)であった。(TPE−2と称する)
【0072】(c)水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体クラレ(株)製 セプトン(商品名2023)(SEPSと称する)
【0073】(2)オレフィン系樹脂(a)ポリプロピレン日本ポリオレフィン(株)製、アイソタクチックホモポリプロピレン(商品名 PM900A)(PPと称する)
【0074】(b)エチレン(E)−プロピレン(PP)共重合樹脂日本ポリオレフィン(株)製、ブロックE−PP樹脂[E/PP=6/94](重量比)(商品名 PM970A)](EPと称する)
【0075】(c)高密度ポリエチレン旭化成工業(株)製、サンテックHD(商品名 B470)(HDPEと称する)
【0076】(3)ラジカル開始剤日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン( 商品名パーヘキサ25B)(POXと称する)
(4)架橋助剤和光純薬製、ジビニルベンゼン(DVBと称する)
(5)軟化剤(パラフィンオイル)
出光興産製、ダイアナプロセスオイル(商品名PW−380)
【0077】(6)熱可塑性樹脂(a)ポリスチレン系樹脂・旭化成工業(株)製 ポリスチレン(商品名:GP685)(PSと称する)
・旭化成工業(株)製 耐衝撃性ポリスチレン(商品名:HIPS492R)(HIPSと称する)
・旭化成工業(株)製 ポリ(アクリロニトリル−スチレン)(試作品 AN8%)(ASと称する)
【0078】(b)ポリアミド系樹脂・三菱エンジニアリングプラスチック(株)製 6ナイロン(商品名:1007J)(PA6と称する)
・旭化成工業(株)製 6,6ナイロン(商品名:1200S)(PA6,6と称する)
【0079】(c)ポリウレタン系樹脂・大日本インキ化学(株)製ポリウレタン(アジピン酸系)(商品名:T−1198)(PUと称する)
(d)ポリカーボネート系樹脂・住友ダウ(株)製ポリカーボネート(商品名:カリバー13)(PCと称する)
(e)ポリフェニレンエーテル系樹脂・旭化成工業(株)製 ザイロンパウダー(PPEと称する)
【0080】(f)ポリエステル系樹脂・リサイクルポリエチレンテレフタレート(PETと称する)
・東レ(株)製ポリブチレンテレフタレート(1401X06)(PBTと称する)
・テレフタル酸とトリメチレンジオールを通常ポリトリメチレンテレフタレート(パイロットプラント品)(PTTと称する)
【0081】(7)相溶化剤(a)水素添加スチレン−ブタジエンブロッ共重合体・旭化成工業(株)製、タフテック(スチレン含有量60%)(HTRと称する)
(b)スチレングラフトポリプロピレン・日本油脂(株)製、モディパー(スチレン含有量30%)(商品名:A3100)(SGPと称する)
【0082】(c)エチレン−スチレンランダム共重合体・特開平7−70223号公報に記載の方法により製造した。共重合体のエチレン/スチレンの組成比は、40/60(重量比)であった(ESPと称する)
【0083】(d)無水マレイン化ポリプロピレン・三井化学(株)製(商品名:アドマ−QF305)(M−PPと称する)
(e)エポキシ化スチレン/水素添加共役ジエン共重合体・ダイセル(株)製(商品名:エポフレンドA1020)(E−HTRと称する)
(f)アクリロニトリル−スチレングラフトエチレン/プロピレン/共役ジエン共重合体・ユニロイヤルケミカル(株)製(商品名ロイヤルタフ372P20)(AS−EPDMと称する)
【0084】3.架橋熱可塑性エラストマーの製造方法(1)TPV−1押出機として、バレル中央部に注入口を有した2軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いた。スクリューとしては注入口の前後に混練部を有した2条スクリューを用いた。TPE−1/PP/POX/DVB=6/44.4/0.38/0.74(重量比)を混合しシリンダー温度220℃とし溶融押出を行った。この溶融押出する際、中央部にある注入口よりTPE−1とPPの合計量100重量部に対して軟化剤(パラフィンオイル)を33重量部注入した。得られた架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、85%であった。
【0085】(2)TPV−2TPE−1/PP/POX/DVBの組成及び比率をTPE−1/EP/POX/DVB=69.4/30.6/0.23/0.46(重量比)とし、押出機の中央部にある注入口よりTPE−1とEPの合計量100重量部に対して軟化剤(パラフィンオイル)を42重量部注入すること以外(1)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、62%であった。
【0086】(3)TPV−3TPE−1/PP/POX/DVBをTPE−1/PP/HDPE/POX/DVBとし、その比率を55.6/33.3/11.1/0.19/0.37(重量比)とすること以外(1)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、85%であった。
【0087】(4)TPV−4TPE−1/PP/POX/DVBをTPE−2/PP/POX/DVBとすること以外(1)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、ほぼ100%であった。
【0088】(5)TPV−5TPE−1/PP/POX/DVBをTPE−3/PP/POX/DVBとすること以外(1)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、ほぼ81%であった。
【0089】(6)TPV−6軟化剤の注入をしないこと以外(1)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、83%であった。
【0090】4.非架橋熱可塑性エラストマーの製造方法(1)TPO−1TPV−1の製造条件で、配合をPOX及びDVBなしで押出した。
【0091】実施例1〜14、比較例1〜42軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いて表1、2に示す配合でPS、架橋熱可塑性エラストマー、相溶化剤及び必要により成分調整の為のポリオレフィン系樹脂を溶融混練押出ペレタイズした。シリンダー温度は220℃で行った。得られたペレットを射出成形機(東芝IS45PNV)により成形し成形品を得た。成形品の特性を表1、2に示す。なお、比較としてHIPSも同一条件で成形し成形品を得た。成形品の特性を表2に併記する。これらの成形品は、耐候性、耐薬品性に優れた高耐衝撃性スチレン系樹脂となる。
【0092】
【表1】

【0093】
【表2】

【0094】実施例15〜17、比較例52軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いて表3に示す配合で、PS、PA及びPU、架橋熱可塑性エラストマー、相溶化剤及び成分調整の為のポリオレフィン系樹脂を溶融混練押出ペレタイズした。シリンダー温度は220℃で行った。得られたペレットを実施例1〜14と同一条件で成形し成形品を得た。成形品の特性を表3に示す。なお、比較として架橋熱可塑性エラストマー及び成分調整の為のポリオレフィン系樹脂を溶融混練押出ペレタイズし同一条件で成形し成形品を得た。成形品の特性を表3に併記する。これらの成形品は、塗装性に優れた耐衝撃性ポリプロピレン系樹脂となる。
【0095】
【表3】

【0096】実施例18〜272軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いて表4に示す配合で、各種樹脂、架橋熱可塑性エラストマー及び必要により成分調整の為のポリオレフィン系樹脂を溶融混練押出ペレタイズした。シリンダー温度は各種樹脂に最適の温度に設定した。得られたペレットを各種樹脂に適した温度に設定、成形し成形品を得た。成形品の特性を表4に示す。なお、配合に使用した各種樹脂のアイゾット衝撃強度は、PC:17.3、AS:1.5、PA6:4.0、PA6,6:3.4、PPE:2.0、PET:3.7、PTT:4.8、PBT:4.5(単位はkg・cm/cm)で有った。なお、この各種樹脂に相溶剤をブレンドしてもアイゾツト衝撃強度は上昇せず、架橋熱可塑性エラストマーを一成分とすることによって大きく耐衝撃性が改良された。これらの成形品は、耐衝撃性が高く且つポリオレフィン系樹脂が成分として含まれる為、耐薬品性、耐候性にも優れる。
【0097】
【表4】

【0098】実施例2813μmの太さのガラス繊維のロービングを張力下で引き揃えながら5%M−PP/95%PPを押出機でサイドから押出し、ガラス繊維の表面にポリオレフィン系樹脂を押出被覆し、長さ7mmのペレットにカットし、長繊維ペレット(GF−1と称する)を製造した。この長繊維ペレットのガラス/ポリオレフィン系樹脂との比率は、56/44(重量比)であった。GF−1、TPV−6、PP、PA、M−PPの各ペレットを17.9/36.0/25.2/15.3/5.6(重量比)で混合した。この組成物中の組成は以下の通りである。なお、( )内数値は、(A)成分+(B)=100とした時の数値である。
【0099】
(A)成分 ゴム状重合体 :20.0重量%(23.8重量部)
ポリオレフィン系樹脂:48.7重量%(58.0重量部)
(B)成分 PA :15.3重量%(18.2重量部)
(C)成分 : 6.0重量%( 7.1重量部)
(D)ガラス繊維 :10.0重量%(11.9重量部)
【0100】この組成物を240℃とし射出成形機(東芝IS45PNV)により成形し、成形品を得た。成形品の特性は、引張強度:650kg/cm2、引張伸び:4%、曲げ弾性率:25000kg/cm2、アイゾット衝撃強度:28.5kg・cm/cmであった。又、この成形品の塗装性評価の結果、その碁盤目試験は、0/100であった。なお、比較として上の組成から(B)成分と(C)成分を省いたものの碁盤目試験は100/100であった。
【0101】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性、耐薬品性、耐候性、塗装性、印刷性等に優れた高機能性の熱可塑性樹脂を提供できる。この材料は、自動車用材料(バンパー、インパネ、ボデーパネル等)、OA機器用材料、包装材料、住宅関連材料、工具、日用品等を始めとする種々の用途に展開することができ、産業界に果たす役割は大きい。




 

 


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