米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 旭化成株式会社

発明の名称 強化ポリアミド樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−115015(P2001−115015A)
公開日 平成13年4月24日(2001.4.24)
出願番号 特願平11−301213
出願日 平成11年10月22日(1999.10.22)
代理人
発明者 渡辺 春美 / 西帯野 勝家
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 下記(A)〜(D)を含む強化ポリアミド樹脂組成物であって、(A)を30〜70重量部と(B)を70〜30重量部含有し、かつ(A)100重量部に対し(C)を0.05〜0.5重量部及び(D)を0.05〜0.5重量部含有することを特徴とする強化ポリアミド樹脂組成物。(A)少なくともその構造中に芳香環含有ポリマー単位を3〜90モル%含有するポリアミド(B)無機充填剤(C)トリアジン誘導体(D)ホスファイト化合物【請求項2】 空気中で測定した熱重量分析曲線における310℃での重量減少率が20重量%未満であるホスファイト化合物を用いることを特徴とする請求項1記載の強化ポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】 ホスファイト化合物がペンタエリスリトール型ホスファイトである請求項1記載の強化ポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】 トリアジン誘導体がヒドロキシフェニルトリアジン類であることを特徴とする請求項1記載の強化ポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】 銅化合物を銅を基準として(A)ポリアミドに対して10〜1000ppm含有することを特徴とする請求項1記載の強化ポリアミド樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や住宅の外装及び内装部品に適した組成物に関し、更に詳しくは、紫外線に曝される環境下においても黄変の少ない成形品を得ることができる強化ポリアミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、機械的および熱的性質並びに耐油性に優れているため、自動車や電気・電子製品等の部品に広く用いられている。また、近年、その構成単位に芳香環を含む半芳香族ポリアミド樹脂、又は脂肪族ポリアミド樹脂と半芳香族ポリアミド樹脂とをブレンドしたものにガラス繊維等の無機充填剤を配合した強化ポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂単独に比べ、機械的特性、耐熱性、耐薬品性等が大きく向上することにより、従来金属製であった部品を、軽量化および工程の合理化等の観点から強化ポリアミド樹脂製とすることも可能となり、近年積極的にその採用が進められている。
【0003】しかしながら、強化ポリアミド樹脂組成物から得られた成形品を、屋外又は屋内で紫外線の照射を受ける環境下で用いる場合、紫外線に対する安定性が充分でなく、成形品の変色を生じ、その利用が制限される。特に、その構造単位に芳香環を含むポリアミドを含む組成物を利用した場合には、変色、特に黄変が著しく、その利用が更に大きく制限される。
【0004】これらの課題を解決する方法として、特開平1−156364号公報では、ポリアミド樹脂に無機系着色剤、硫化亜鉛、ハロゲン化銅、ハロゲン化カリウム、及びトリアジン誘導体からなる組成物により耐退色性の優れた着色成形品が得られることが開示されている。しかしながら、その構成単位に芳香環を含むポリアミド樹脂を用いた例に関しては、何等開示されていない。
【0005】また、特開平3−181561号公報ではナイロン樹脂、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト化合物、ヒンダードアミン光安定剤、及びベンゾトリアゾール紫外線吸収剤を含むポリアミド樹脂組成物が優れた紫外線安定性を示すことが開示されている。この例においても、その構成単位に芳香環を含むポリアミド樹脂を用いた例に関しては、何等開示されていない。その構成単位に芳香環を含むポリアミドを用いた強化ポリアミド樹脂においても紫外線による退色を抑えることができる技術の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、屋外及び屋内にて紫外線に曝される使用条件下でも、黄変の少なく良好な表面光沢を維持した成形品が得られる芳香環含有強化ポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のトリアジン誘導体とホスファイト化合物とを併用することにより前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は下記の通りである。
【0008】1)(A)少なくともその構造中に芳香環含有ポリマー単位を3〜90モル%含有するポリアミド30〜70重量部と(B)無機充填剤を70〜30重量部含有し、かつ(A)100重量部に対し(C)トリアジン誘導体を0.05〜0.5重量部及び(D)ホスファイト化合物を0.05〜0.5重量部含有することを特徴とする強化ポリアミド樹脂組成物。
2)空気中で測定した熱重量分析曲線における310℃での重量減少率が20重量%未満であるホスファイト化合物を用いることを特徴とする上記1記載の強化ポリアミド樹脂組成物。
【0009】3)ホスファイト化合物がペンタエリストリトール型ホスファイトである上記1記載の強化ポリアミド樹脂組成物。
4)トリアジン誘導体がヒドロキシフェニルトリアジン類であることを特徴とする上記1記載の強化ポリアミド樹脂組成物。
5)銅化合物を銅を基準として(A)ポリアミドに対して10〜1000ppm含有することを特徴とする上記1記載の強化ポリアミド樹脂組成物。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に用いられる(A)ポリアミドは、ポリアミド中の芳香環含有ポリマー単位濃度が3〜90モル%であるポリアミドである。本発明におけるポリアミド中の芳香環含有ポリマー単位とは、芳香環を含むアミノカルボン酸由来の単位、及びジカルボン酸又はジアミンのいずれかに芳香環を含む、ジカルボン酸とジアミンとの塩由来の単位を意味する。
【0011】例えばテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから得られるヘキサメチレンテレフタラミド塩単独で重合し得られる半芳香族ポリアミド樹脂においてはヘキサメチレンテレフタラミドからなる繰り返し単位のみで構成されており、すなわち芳香環含有ポリマー単位濃度として100モル%と表される値である。
【0012】芳香環含有ポリマー単位濃度が3モル%より少ない場合には、金属代替可能な機械的強度や寸法変化等の特性を満たす材料が得られず、更に降雨が伴うような屋外暴露では水分による劣化の影響が大きく好ましくない場合が多い。また、90モル%より多い場合は耐黄変性が充分改善されないばかりか、成形性や耐衝撃性が低下し、好ましくない場合が多い。
【0013】ポリアミド中の芳香環含有ポリマー単位濃度の測定方法としては、例えばNMRを用いて、重硫酸や重水素化トリフロロ酢酸等を溶媒として、試料であるポリアミドを溶解し測定する方法が利用できる。又、ポリアミド成分を加水分解等により化学分解し、得られたモノマーをガスクロマトグラフィー等の分析手段を用いて同定する方法を利用することもできる。本発明においては試料濃度2重量%、溶媒として重水素化トリフロロ酢酸を用い、Brucker社製FT−NMRDPX400を用いて1H−NMRを測定した。化学シフト値を決定するに際しては、テトラメチルシランを基準物質として用い決定した。
【0014】本発明におけるポリアミドとしては、半芳香族ポリアミド単独、結晶性半芳香族ポリアミドと非晶性半芳香族ポリアミドとの混合物、半芳香族ポリアミドと脂肪族ポリアミドとの混合物のいずれも、全ポリアミド中その芳香環含有ポリマー単位濃度が本発明の範囲内にあれば問題なく用いることができる。本発明に用いることのできる脂肪族ポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、またはこれらの共重合体等を用いることができる。
【0015】具体的な結晶性半芳香族ポリアミドの例としては、例えばテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから得られるヘキサメチレンテレフタラミド単位(以下6Tポリマー単位と記す)、イソフタル酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンイソフタラミド単位(以下6Iポリマー単位と記す)、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるメタキシリレンアジパミド単位(以下MXD6ポリマー単位と記す)、テレフタル酸とノナンジアミンとから得られるノナンジアミンテレフタラミド単位(以下9Tポリマー単位と記す)等が例示でき、これらから選ばれた少なくとも1つの単位とアジピン酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンアジパミド単位(以下66ポリマー単位と記す)、カプロラクタム単位(以下6ポリマー単位と記す)、ヘキサメチレンドデカミド単位(以下612ポリマー単位と記す)等との共重合体が挙げられる。
【0016】また、非晶性半芳香族ポリアミドの例としては、テレフタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンとから得られるポリアミド、ビス(4−アミノ−メチルヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、イソフタル酸、カプロラクタムから得られるポリアミド、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−メチル−5−エチルシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、イソフタル酸、カプロラクタムから得られる非晶性ポリアミド等が挙げられる。
【0017】本発明において特に好ましい芳香環含有ポリマー単位を有するポリアミドとしては、66成分が70〜95重量%、および6I成分が5〜30重量%であるポリアミド66/6I共重合体であり、さらに特に好ましいのは、66成分が72〜93重量%、6I成分が7〜28重量%である共重合体である。6I成分が5重量%より少ないと、優れた成形外観を有し、耐候性に優れた成形品が得られず、6I成分が30重量%より多いと、金型内で十分な冷却時間を取らなければ、優れた表面外観を有する成形品が得られなかったり、あるいは成形品が金型から離型し難くなり、生産性が悪くなる、という懸念がある。
【0018】本発明におけるポリアミドの製造は、例えばアジピン酸、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの塩から溶融重合法、固相重合法、塊状重合法、溶液重合法、またはこれらを組み合わせた方法等によって、重縮合を行う方法を利用してよい。また、例えば、アジピン酸クロライド、イソフタル酸クロライドとヘキサメチレンジアミンから溶液重合、界面重合等の方法によってもよい。これらの中で、溶融重合もしくは溶融重合と固相重合の組み合わせによる方法が、本発明においては経済上の観点からもより好ましく用いられる。
【0019】本発明に用いるポリアミドの分子量は、硫酸溶液粘度ηr(ポリマー1gに対して95.5%硫酸100mlを使用し、25℃で測定する。)で1.5〜3.5であることが好ましく、より好ましくは1.8〜3.0、更に好ましくは、2.0〜2.8である。ηrが1.5より低いと樹脂組成物が脆くなり、更に、成形時にシリンダーのノズル先端からのドローリングが激しくなり成形できなくなる恐れがある。 またηrが3.5より高いと樹脂の溶融粘度が高くなり過ぎて成形時に金型のデザインによっては、部分的に無機充填剤の浮き上がりが見られるようになり、表面光沢性が低下し易くなる。
【0020】ポリアミド(A)の配合量としては30〜70重量部の範囲であり、好ましくは35〜67重量部である。30重量部より配合量が少ない場合には樹脂の流動性が悪くなり薄肉部への樹脂の充填が困難となるばかりでなく、表面光沢性の良い成形品を得ることが困難となる。又、70重量部より多いと金属代替可能な材料として強度剛性が不足する。
【0021】本発明に用いられる(B)無機充填剤は、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維、ミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸水素カルシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、炭素繊維、カオリン、ワラストナイト、タルク、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母系鉱物及びマイカ等の無機充填剤が例示できる。
【0022】またこれらを2種類以上組み合わせて用いることもできる。好ましいガラス繊維の例としては、通常熱可塑性樹脂に使用されているものを使うことができ、繊維径や長さに特に制限はないが、例えば直径が5〜25μのチョップドストランド、ロービング、ミルドファイバーのいずれを使用しても良い。チョップドストランドを用いる場合には、その長さが0.1から6mmの範囲で適宜選択して用いることができる。
【0023】無機充填剤は、その表面に通常公知のシラン系カップリング剤を付着させたものを用いても良い。シランカップリング剤の例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが利用できる。
【0024】無機充填剤(B)の配合量としては70〜30重量部であり、好ましくは65〜33重量部である。70重量部より多いと樹脂の流動性が悪くなり薄肉部への樹脂の充填が困難となるばかりでなく、表面光沢性の良い成形品を得ることが困難となる。又、30重量部より配合量が少ない場合には金属代替可能な材料として強度剛性が不足する。
【0025】本発明の(C)トリアジン誘導体としては、ヒドロキシフェニルトリアジン類が好ましく、その例としては、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシ−フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシ−フェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、【0026】2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシ−フェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシ−フェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシ−フェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2’−ヒドロキシ−4’−イソプロピルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2’−ヒドロキシ−4’−n−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2,4,6−トリス(2’−ヒドロキシ−4’−エトキシカルボニルメトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0027】上記トリアジン誘導体の添加量としては(A)ポリアミド100重量部に対して0.05〜0.5重量部、好ましくは0.08〜0.3重量部である。添加量が0.05重量部未満の場合にはその効果が充分ではない場合がある。添加量が0.5重量部を超える場合にはその配合効果が飽和してしまい経済的ではなく、また成形品の外観を損なう場合がある。
【0028】本発明で用いる(D)ホスファイト化合物としては特に制限はないが、例えば、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルージフェニルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、【0029】トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4ージーtーブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、テトラトリデシルー4,4’ーブチリデンビス(3ーメチルー6ーtーブチルフェノール)ージホスファイト、4,4’ーイソプロピリデンージフェノールアルキルホスファイト(但し、アリキルは炭素数12〜15程度)、【0030】4,4’ーイソプロピリデンビス(2ーtーブチルフェノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)1,1,3ートリス(2ーメチルー5ーtーブチルー4ーヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(トリデシル)ー4,4’ーブチリデンビス(3ーメチルー6ーtーブチルフェノール)ジホスファイト、テトラ(C1〜C15混合アルキル)ー4,4’ーイソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、【0031】4,4’ーイソプロピリデンビス(2ーtーブチルフェノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10ージーヒドロー9ーオキサー9ーオキサー10ーホスファフェナンスレンー10ーオキサイド、トリス(3,5ージーtーブチルー4ーヒドロキシフェニル)ホスファイト、水素化ー4,4’ーイソプロピリデンジフェンールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス(4,4’ブチリデンビス(3ーメチルー6ーtーブチルフェノール))・1,6ーヘキサンオールジフォスファイト、【0032】ヘキサトリデシルー1,1,3ートリス(2ーメチルー4ーヒドロキシー5ーtーブチルフェノール)ジホスファイト、トリス(4、4’ーイソプロピリデンビス(2ーtーブチルフェノール))ホスファイト、トリス(1,3ーステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、2、2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、【0033】2,2−メチレンビス(3−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト、テトラキス(2,4ージーtーブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイトおよびテトラキス(2,4ージーtーブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイトなどが挙げられる。
【0034】さらに、好ましいホスファイト化合物としてペンタエリスリトール型ホスファイト化合物が挙げられる。ペンタエリストール型ホスファイト化合物の具体的な例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・メチル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−エチルヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、【0035】2,6−ジーtーブチルー4ーメチルフェニル・ラウリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソトリデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ステアリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・シクロヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ベンジル・ペンタエリスリトールジホスファイト、【0036】2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・エチルセロソルブ・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ブチルカルビトール・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ノニルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、【0037】ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,6−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、【0038】2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−シクロヘキシルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリストリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
【0039】中でも、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2、6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられ、特にビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
【0040】本発明において、空気中で測定した熱重量分析曲線における310℃における重量減少率が20重量%未満、特に好ましくは10重量%未満であるホスファイト化合物を用いることが特に好ましい。熱重量分析曲線は、リガクデンキ(株)製の熱分析装置TG−DTAを用いて、20℃/分の昇温速度条件で測定して得られた曲線をいう。空気中で測定した熱重量分析曲線における310℃での重量減少率は室温から上記条件にて昇温し、310℃到達時点での重量減少率を意味し、この値が20重量%を超える場合にはコンパウンドを調製する際、あるいは成形体を製造する際の加熱によって分解するので充分な改良効果が得られない。
【0041】上記ホスファイト化合物の添加量としては(A)ポリアミド100重量部に対して0.05〜0.5重量部、好ましくは0.08〜0.3重量部である。添加量が0.05重量部未満の場合にはその効果が充分ではない場合がある。添加量が0.5重量部を超える場合にはその配合効果が飽和してしまい経済的ではなく、また成形品の外観を損なう場合がある。
【0042】本発明に用いる銅化合物としては、例えば、塩化銅、臭化銅、フッ化銅、ヨウ化銅、チオシアン酸銅、硝酸銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、カプリン酸銅、ラウリン酸銅、ステアリン酸銅、アセチルアセトン銅、酸化銅(I)、及び酸化銅(II)等が挙げられ、本発明で特に好ましいのは、ヨウ化銅等のハロゲン化銅、及び酢酸銅である。
【0043】上記銅化合物の添加量はポリアミド樹脂に対して、銅化合物中の銅を基準として10〜1000ppmであり、特に好ましくは50〜800ppmである。添加量が10ppm未満の場合には、耐候性改良の効果を充分に発揮させることが困難となり、また添加量が1000ppmを超える場合には、耐候性改良効果が飽和してしまい、添加量増加効果が得られず、逆に、例えば重合反応器、押出機、成形機等の金属に対する腐食、成形品内にインサートされた金属の腐食等が起こり易くなる。
【0044】また、本発明における銅化合物は、ヨウ素化合物と併用して用いることがより好ましい。ヨウ素化合物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化アンモニウムなどを例示でき、ヨウ素単体でも良い。より好ましくはヨウ化カリウムである。ヨウ素化合物の好ましい配合量は、ポリアミド樹脂に対してヨウ素元素と銅元素のグラム原子比率([ヨウ素]/[銅])が5〜30、より好ましくは10〜25である。5より小さくなると十分な耐候性改善効果が得られず、30より大きくなると、例えば重合反応器、押出機、成形機等の金属に対する腐食、成形品内にインサートされた金属の腐食等が起こり易くなる。
【0045】本発明における強化ポリアミド樹脂を製造する際の、配合、混合、及び混練方法やそれらの順序には特に制限はなく、通常用いられる混合機、例えばヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンブレンダー等で混合すればよい。混練機としては、通常、単軸又は2軸の押出機が用いられる。 本発明による成形品は、上述の押出機により組成物ペレットとして製造し、このペレットを圧縮成形、射出成形、押出成形等により任意の形状に成形することによって得られる。
【0046】その場合、例えば射出成形では、その条件として、例えば、成形温度が250〜310℃の範囲、金型温度が40〜120℃の範囲にて成形する方法が例示できる。本発明の強化ポリアミド樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、1種またはそれ以上の通常の添加剤、例えば、酸化、熱、および紫外線劣化に対する安定剤及び禁止剤、潤滑剤および離型剤、染料及び顔料を含む着色剤、核形成剤、発泡剤、可塑剤、無機充填材、難燃剤、帯電防止剤などを適宜添加することができる。
【0047】本発明による成形体は、例えば、アウタードアハンドル、ホイールキャップ、ルーフレール、ドアミラーベース、ルームミラーアーム、サンルーフデフレクター、等の自動車部品用成形品、ドアハンドル、クレセント、フランス落とし、等の住宅部品用成形品に特に好ましく利用できる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。尚、評価方法は下記の通りである。
[ポリアミド中の芳香環含有ポリマー単位濃度の決定]芳香環含有ポリマー単位濃度は、試料濃度を2重量%とし、溶媒として重水素化トリフロロ酢酸を用い、Brucker社製FT−NMR DPX400を用いて1H−NMRを測定した。測定の諸条件を以下に記す。
【0049】
測定温度 30℃パルス幅 2.5μsecパルス繰返し時間 3.0 sec積算回数 128回化学シフト値を決定するに際しては、テトラメチルシランを基準物質として用い決定した。
【0050】[機械的物性]東芝機械(株)製IS−50EP射出成形機を用いて、スクリュー回転数200rpm、樹脂温度290℃の成形条件にて、厚さ3mmのASTMタイプ1を成形し、この成形片を物性測定用試料とし、それぞれASTM D638及びD790に従って引張破断強さ、及び曲げ弾性率を測定した。
【0051】[紫外線黄変性]SPECTRONICS CORPORATION社製ENF−260C/J紫外線照射装置を用いて評価した。照射面は145×45mmの範囲で紫外線波長254μm、紫外線強度420μW/cm2、試料と紫外線ランプの距離15cmの条件にて室温下8時間暴露した。暴露前後の成形板色調を測定し、日本電色社製色差計ND−300Aを用いてb値の変化を求めた。色差(Δb)が小さい程耐黄変性が良好であると判断できる。
【0052】[紫外線暴露後の光沢保持率]東芝機械(株)社製IS150E射出成形機を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度120℃で、充填時間が約1.5秒になるように射出圧力、及び射出速度を適宜調整し、100×90×3mmの射出成形板を得た。 この射出成形板をキセノンアーク式促進耐候試験機(アトラス社製XENOTEST 1200CPS)を用いてブラックパネル温度83℃にて600時間暴露した。光沢保持率の評価方法としては、暴露前後の成形板グロスを測定し、暴露前の値に対する暴露後の値の比を百分率にて表す。光沢値は得られた試験片の中央部を堀場製ハンディー光沢計IG320を用いてJIS−K7150に準じてGs60°を測定した。
【0053】[重量減少率]リガクデンキ(株)製の熱分析装置TG−DTAを用いて、空気中、室温から20℃/分の昇温速度条件にて昇温し、得られた熱重量分析曲線での310℃における重量減少率を評価する。単位は百分率で表す。
【0054】[実施例及び比較例にて使用したポリアミド及び無機充填剤](a)ポリアミドa1:ナイロン66/6I共重合体:製造例1に従って作成した。
【0055】芳香環含有ポリマー単位濃度 17.6モル%a2:非晶ナイロン;EMS社製XE−3038芳香環含有ポリマー単位濃度 100モル%a3:ナイロン66;旭化成工業(株)社製レオナ1300a4:ナイロン6;宇部興産(株)社製SF1013Aa5:ナイロンMXD6;三菱エンジニアリングプラスチック(株)社製レニー6002芳香環含有ポリマー単位濃度 100モル%【0056】(b)無機充填剤b1:ガラス繊維 旭ファイバーグラス(株)社製商品名 CS03JA416 平均繊維径 10μmb2:ワラストナイト 林化成(株)社製商品名 VM−8Nb3:焼成カオリン エンゲルハルト社製商品名 トランスリンク445【0057】(c)トリアジン誘導体c1:2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン商品名 TINUBIN 1577FFc2:1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン商品名 アデカスタブ A0−20【0058】(d)ホスファイト化合物d1:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト商品名 アデカスタブ PEP−36310℃での重量減少率 5%d2:ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト商品名 アデカスタブ PEP−24G310℃での重量減少率 10%【0059】d3:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト商品名 P−EPQ310℃での重量減少率 15%d4:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト商品名 イルガフォス168310℃での重量減少率 36%【0060】
【製造例1】(ナイロン66/6I共重合体の製造)アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩2.0kgとイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.5kg及び純水2.5kgを5リットルオートクレーブに仕込み良く攪拌しながら、充分に窒素置換した。攪拌を継続しながら温度を室温から220℃まで約1時間で昇温した。
【0061】この後、オートクレーブの内圧を1.77MPaになるよう水を反応系外に除去しながら約2時間かけて温度を260℃に昇温した。その後加熱をやめ、オートクレーブを密閉し、約8時間かけて室温まで冷却し、約2kgのポリマーを得た。得られたポリマーを粉砕し、10リットルのエバポレータを用い、窒素気流下200℃で10時間固相重合して分子量をさらに上げた。固相重合によって硫酸相対粘度(ηr:ポリマー1g/95.5%硫酸100ml 25℃測定)は、1.38から2.30になった。
【0062】
【実施例1】ポリアミドとしてa1を50重量部、トリアジン誘導体としてc1を0.1重量部、ホスファイト化合物としてd1を0.1重量部とを混合して、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填剤としてb1を50重量部を供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0063】得られた組成物を成形し、紫外線照射後の黄変性及び光沢保持率を評価した結果を表1に示す。本発明の組成物を用い得られる成形品は紫外線照射後も変色が少なく、高い光沢保持率を有することが判る。
【0064】
【実施例2〜5】実施例1において強化ポリアミド樹脂組成物を製造する際に、ポリアミド、無機充填剤、及びホスファイト化合物の種類及び配合量をそれぞれ表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に実施した。その評価結果を表1に示す。結果からも明らかなように、無機充填剤を含む強化ポリアミド樹脂組成物においては、熱重量減少率の小さいd1及びd2を使用した場合に、より優れた耐紫外線黄変性や光沢保持性を示すことが判る。
【0065】
【比較例1〜3】実施例1において強化ポリアミド樹脂組成物を製造する際に、比較例1においてはトリアジン誘導体及びホスファイト化合物を共に用いず、比較例2においてはトリアジン誘導体のみを用い、比較例3においてはホスファイト化合物のみを用いた以外は、実施例1と同様にし、強化ポリアミド樹脂組成物を得た。その組成及び評価結果を表2に示す。このように、トリアジン誘導体とホスファイト化合物のいずれが欠けても本発明のように優れた耐紫外線変色性や光沢保持性が得られないことが判る。
【0066】
【実施例6】実施例1において強化ポリアミド樹脂組成物を製造する際に、更にポリアミドa1に対してヨウ化銅を銅基準で100ppm、及びヨウ化カリウムを5000ppm配合した以外は実施例1と同様に実施した。その評価結果を表2に示す。結果からも判るように銅化合物を更に用いることにより、耐紫外線黄変性や光沢保持性が更に向上することが判る。
【0067】
【実施例7】実施例1において使用するトリアジン誘導体をc2に変更し、更に着色剤として酸化チタン0.5部、カーボンブラック0.007部、ベンガラ0.009部及びチタンイエロー0.057部を追加して配合した以外は同様に実施し、強化ポリアミド樹脂組成物を得た。 その評価結果を表2に示す。このように本発明の樹脂組成物は着色して用いる場合にも良好な耐紫外線変色性や光沢保持性が発揮できることが判る。
【0068】
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
【発明の効果】本発明の強化ポリアミド樹脂組成物は、成形体となした際、従来のものに比較して優れた耐黄変性及び光沢保持性を有しており、特に従来金属製品であったアウタードアハンドル、ホイールキャップ、ルーフレール、ドアミラーステイ、ルームミラーアーム、ワイパーアーム、サンルーフデフレクター、モーターカバー、ドア用レバー、窓用レバー、椅子や机脚等の自動車外装部品や工業備品等幅広い分野に好適に利用できる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013