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発明の名称 高強度ポリオレフィン系樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−106835(P2001−106835A)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
出願番号 特願平11−285626
出願日 平成11年10月6日(1999.10.6)
代理人 【識別番号】100094709
【弁理士】
【氏名又は名称】加々美 紀雄 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002 AB014 AC03X AC06X AC07X AC08X AC09X AE05Y BB03W BB06W BB07W BB12W BB14W BB15X BC04X BD044 BG104 BP02W CF004 CL004 CL064 DA016 DJ026 DL006 FA044 FA046 FD010 FD014 FD016 FD20Y 
発明者 木下 秀雄 / 大谷 郁二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 繊維状フィラーで強化された熱可塑性樹脂組成物よりなり、その組成物が、少なくとも(A)ポリオレフィン系樹脂 94〜30重量部、(B)ゴム状重合体 5〜40重量部、(C)ゴム用軟化剤 1〜30重量部 及び(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量100重量部に対して(D)平均の直径が1〜50μmであり且つ平均のアスペクト比(長さ/直径)が50〜2500の繊維状フィラー 5〜100重量部よりなることを特徴とする高強度ポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項2】 (A)成分であるポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂を主とする請求項1記載の高強度ポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項3】 (B)成分であるゴム状重合体は、部分的または完全な架橋ゴム重合体である請求項1〜2記載の高強度ポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項4】 (B)成分であるゴム状重合体は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを主体としたエチレン・α−オレフィン系共重合体である請求項1〜3記載の高強度ポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項5】 (D)成分である繊維状フィラーは、ガラス繊維及び/または炭素繊維である請求項1〜4記載の高強度ポリオレフィン系樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維状フィラー及び軟化剤を含むゴム状重合体、好ましくは部分的または完全に架橋されたゴム状重合体で強化された高強度ポリオレフィン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維等の繊維状フィラーで補強した耐衝撃性の熱可塑性樹脂は、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、スチレン系樹脂等多くの樹脂が知られている。この中でも特にガラス繊維で補強されたポリアミド系樹脂は、ラジエータタンク等の自動車用材料、電動ドリル等の工具ハウジング材料、事務用椅子等の事務機器等に使用されている。しかしながら、このガラス繊維強化されたポリアミド系樹脂は、母体であるポリアミド系樹脂が比重が高い為、例えば燃費向上の為に軽量化が必要な自動車用途あるいは軽いことが好ましい電動ドリル等の工具ハウジング用途等においては、より比重の低い材料の開発が要望されている。更に、ラジエータタンク用途では、高温のクーラントでポリアミド系樹脂が加水分解し、分子量低下による強度低下があり耐久性に劣る問題点も有り、耐薬品性に優れた材料の開発が要望されている。又、更にポリアミド系樹脂は、吸水性が高く、成形時乾燥が必要あるいは吸水による寸法変化があることも問題点となっている。これに代わる材料としてポリオレフィン系の材料が候補としてある。
【0003】ガラス繊維強化されたポリオレフィン系樹脂は、例えば特開昭61−97344号公報、特開平8−302103号公報に開示されている。特開昭61−97344号公報は、ガラス繊維と部分的に架橋されたオレフィン系共重合体ゴムとで補強されたエチレン−プロピレンブロック共重合体を母体としたフェイッシャー用オレフィン系樹脂組成物に関するものである。この特許では成形品の表面平滑性を重視し、平均のアスペクト比(長さ/直径)が30以下のガラス繊維を使用している。しかしながら、この様な短繊維を使用した場合には、例えば、本発明の狙いの用途であるラジエータタンク等の自動車用材料、電動ドリル等の工具ハウジング材料、事務用椅子等の事務機器等に使用した場合、耐衝撃性が低く使用できない問題点がある。又、特開平8−302103号公報は、無機充填剤と部分的にあるいは完全に架橋されたオレフィン系共重合体ゴムとで補強されたプロピレンのホモ共重合体あるいはエチレン−プロピレンブロック共重合体を母体とした熱可塑性樹脂組成物に関するものであるが、無機充填剤としてガラス繊維も開示されている。しかしながら、ガラス繊維の例は実施例に記載されておらず、主体はタルクである。ガラス繊維による効果は明確に記載されていないのみならず、チョップドガラスが好適に用いられるとの記載がある様にそのガラス繊維の概念は短繊維であり、本発明の狙いである用途には適さない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち、機械的強度、特に耐衝撃性、耐熱性等に優れた高強度ポリオレフィン系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、機械的強度、特に耐衝撃性に優れた高強度ポリオレフィン系樹脂組成物を開発すべく鋭意検討した。
【0006】まず、ポリオレフィン系樹脂単独では、機械的強度、特に耐衝撃性が無い為、ガラス繊維、特に高強度化が期待できる長いガラス繊維、即ちアスペクト比の大きなガラス繊維を共存させ強度を大幅にアップする検討を進めたが、耐衝撃性及び耐熱性は確かに向上する。しかしながら、単にポリオレフィン系材料とガラス繊維を共存させたのみでは、実用的な意味での機械的強度の特性を付与することが出来なかった。この理由は、ポリオレフィン系材料とガラス繊維のみの組成物から材料を成形加工する時、ガラス繊維、特にアスペクト比の大きなガラス繊維では、成形品中でガラス繊維が配向し成形方向に対して縦と横方向で機械的強度が異なり、機械的強度に方向性が生じる。例えばその成形品を電動工具のハウジング等に使用し、それを使用時落下させた場合割れが発生し実用的な特性を有する材料とすることが出来ないことが判明した。
【0007】この結果を受けて更に鋭意検討した結果、ポリオレフィン系材料、アスペクト比の大きなガラス繊維に更にゴム状重合体、好ましくは部分的あるいは完全に架橋したゴム状重合体を共存させれば、機械的強度、特に耐衝撃性が更に大きく向上し実用的な意味で充分な強度とすることができる。即ち、落下等による破損も軽微となり実用可能な特性の材料となることを見出した。しかしながら、この組成でも充分な実用特性を持つに至らなかった。即ち、このポリオレフィン系材料、アスペクト比の大きなガラス繊維及びゴム状重合体、好ましくは部分的または完全に架橋したゴム状重合体よりなる組成物では、落下時の破損は軽微となるが、落とす、物にあたるあるいは飛んでくるもの、例えば自動車用途では石ころがあたる等の衝撃により白化現象が生ずる問題点があることも判明した。この白化現象は、衝撃により母体であるポリオレフィン系樹脂の結晶配向により生ずると推定されるが、この白化現象は、製品価値を無くしてしまい好ましくない。この為、更に鋭意検討を進めた結果、驚くべきことにポリオレフィン系材料、アスペクト比の大きなガラス繊維及びゴム状重合体に第4成分として軟化剤を添加すると問題である白化現象も大きく改良されることを見出し本発明を完成するに至った。更に、ガラス繊維以外にカーボン繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)繊維等の繊維状フィラーでも同様の効果があることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、繊維状フィラーで強化された熱可塑性樹脂組成物よりなり、その組成物が、少なくとも(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)ゴム状重合体、(C)ゴム用軟化剤 及び(D)平均の直径が1〜50μmであり且つ平均のアスペクト比(長さ/直径)が50〜2500の繊維状フィラーよりなることを特徴とする高強度ポリオレフィン系樹脂組成物に関するものである。その量比は、(A)成分が94〜30重量部、(B)成分が5〜40重量部、(C)成分が1〜30重量部 及び(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量100重量部に対して(D)成分が5〜100重量部よりなることを特徴とする高強度ポリオレフィン系樹脂組成物に関するものである。
【0009】なお、特開平8−302103号公報とは、本発明はアスペクト比の大きなガラス繊維を用いているのに比して、該特許は短繊維を用いることで異なると同時に、本発明は、軟化剤を必須成分としているのに比して、該特許は軟化剤を使用しない方が好ましいとしている点でも大きく異なる。又、特開昭61−97344号公報では、アスペクト比の大きなガラス繊維を原料とすると成形品の表面平滑性が失われるとされているが、下記の述べる様な特殊な成形方法を採ることによって、アスペクト比の大きなガラス繊維を使用しても表面平滑性に優れた成形品とすることができる。むしろ、アスペクト比の小さなガラス繊維は、表面に出て手で触る時毛羽立ち感を感ずるが、アスペクト比の大きなガラス繊維を使用した場合、これが無くなり逆に好ましい結果も得られている。
【0010】以下、本発明に関して詳しく述べる。まず、本発明の各成分について詳細に説明する。最初に、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物中の(A)成分であるポリオレフィン系樹脂について述べる。
【0011】本発明においてポリオレフィン系樹脂は、大きく分けてポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂あるいはポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の混合物からなる。
【0012】ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アクリル系ビニルモノマーとエチレンとの共重合体(EEA、EMMA等)あるいは酢酸ビニルモノマーとエチレンとの共重合体(EVA)等を挙げることができる。しかしながら、これらの中でも高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、耐熱性が高く且つ安価に入手できる為、特に好ましい。これらのポリエチレン系樹脂は、単独で用いても良いし、又2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0013】高密度ポリエチレン(HDPE)を使用する場合、その密度は、一般に、0.930〜0.970g/cm2の範囲であり、190℃、2.16kg荷重で測定されたメルトフローレート(MFR)は、0.05〜100g/10分の範囲であることが好ましい。低密度ポリエチレン(LDPE)あるいは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用する場合、その密度は、一般に、0.900〜0.930g/cm2の範囲であり、190℃、2.16kg荷重で測定されたメルトフローレート(MFR)は、0.05〜100g/10分の範囲であることが好ましい。メルトフローレートが100g/10分を越えると、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物から成形される成形品の機械的強度、耐熱性が不十分であり、また0.05g/10分より小さいと本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形する際、流動性が悪く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0014】ポリプロピレン系樹脂としては、ホモのポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとの共重合樹脂(ブロック、ランダムを含む)等を挙げることができる。
【0015】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の原料として使用するポリプロピレン系樹脂の230℃、2.16kg荷重で測定されたメルトフローレート(MFR)は、0.1〜100g/10分の範囲であることが好ましい。メルトフローレートが100g/10分を越えると、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物から成形される成形品の機械的強度が不十分であり、また0.1g/10分より小さいと本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形する際、流動性が悪く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0016】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物に使用するポリオレフィン系樹脂は、上述の如くポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂からなるが、例えばその組成物をラジエータタンクに使用する場合は、クーラントの温度が瞬間的に130℃付近まで上昇する。あるいはその組成物を電動工具ハウジングに使用する時、内蔵するモーターの発熱によりハウジングそのものも高温となり耐熱性が要求される。従って本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、耐熱性が高いことが好ましく、ポリプロピレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂に比較して耐熱性が高い為、(A)成分であるポリオレフィン系樹脂としてはポリプロピレン系樹脂がより好ましい。しかしながら、ホモのポリプロピレンは一般に酸化分解し易く長期使用時分子量低下により機械的強度が低下する傾向にある。一方、ポリエチレンは一般に酸化分解せず架橋し機械的強度を維持あるいは向上する傾向がある。この為、ポリプロピレン系樹脂を使用する際、特に、本発明の耐久性が要求される工具では、ホモのポリプロピレンとポリエチレン系樹脂と併用するかあるいはプロピレンとエチレン系のランダムあるいはブロックポリマーを使用あるいは併用することもある。
【0017】次に本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の(B)成分であるゴム状重合体について述べる。
【0018】本発明のゴム状重合体は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であることが好ましく、このようなゴム状重合体は、例えば、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及びエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム等を挙げることができる。これらの中でも、特にエチレンとα−オレフィンを主体としたエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムが最も好ましい。この理由は、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムは、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の(A)成分として使用するポリオレフィン系樹脂と相溶性が良く、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムがポリオレフィン系樹脂と界面接着し耐衝撃性等の機械的強度の高いものとなることによる。
【0019】このエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムを更に詳しく述べると、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを主体としたエチレン・α−オレフィン系共重合体がより好ましい。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。これらα−オレフィンは単独で用いても良いし、又2種以上を組み合わせても良い。更に第3成分として共重合成分を含むこともできる。第3成分の共重合成分としては1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエン等が挙げられる。第3成分の共重合成分を含むエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとしては、エチレン−プロピレンン−共役若しくは非共役ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)等を挙げることができる。しかしながら、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の成形品は屋外で使用されることが多く耐候性が要求される為、共役若しくは非共役ジエンを含むエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムは、共役若しくは非共役ジエンを含まないエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムに比較して耐候性に劣り好ましくない。
【0020】本発明は、共役若しくは非共役ジエンを含むエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムを排除するものではないが、共役若しくは非共役ジエンを含まないエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの方がより好ましい。この例としては、エチレンとヘキセン−1、4−メチルペンテン−1あるいはオクテン−1との共重合体ゴム等を好ましい例として挙げることができる。これらの中でも、特にエチレンとオクテン−1との共重合体ゴムが好ましい。理由は、耐候性に優れ且つ少量でもゴム弾性に優れることによる。
【0021】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の(B)成分として好適に用いられるエチレン・オクテン−1共重合体ゴムは、メタロセン系触媒を用いて製造されたものが好ましい。
【0022】(B)成分であるゴム状重合体は、部分的または完全に架橋していることが好ましい。本発明は、繊維状フィラー、特にアスペクト比の大きな繊維状フイラー及びゴム状重合体を共存させることにより機械的強度、特に耐衝撃強度を大幅に改良することができる。しかしながら、ゴム状重合体を部分的または完全に架橋した時、架橋しない時に比較してその改良効果は更に大きくなる。この理由は、ゴム状重合体が架橋されていない場合は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形加工する際、樹脂組成物の流動方向に引き伸ばされ繊維状フィラーと同様にゴム状重合体も配向するが、このゴム状重合体が架橋されている場合、流動方向に引き伸ばされることなく組成物中のゴム状重合体の形状を成形品中でも維持する為、ガラス繊維が配向していてもゴム状重合体は配向しない。その為大幅な機械的強度、特に耐衝撃性アップにつながる為と推定している。更に、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の(C)成分である軟化剤の保持率、即ち、ブリードアウトすることなく樹脂内部にどじ込める量が、架橋しないゴム状重合体に比較して架橋したゴム状重合体の方が高いことにもよる。
【0023】架橋させる場合は、熱可塑性樹脂成形品中に存在する全ゴム状重合体中の架橋しているゴム状重合体(溶媒に溶解しないゴム状重合体)の比率を架橋度で定義すると、架橋度は、20%以上が好ましい。更に、50%以上であることがより好ましい。
【0024】次に本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の(C)成分であるゴム用軟化剤について述べる。
【0025】ゴム用軟化剤には、鉱物油系軟化剤又は合成系軟化剤がある。一般には鉱物油系軟化剤を用いることが多いが、この種類としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等がある。本発明に用いるゴム用軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系が好ましい。
【0026】次に本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の(D)成分である繊維状フィラーについて述べる。
【0027】(D)成分である繊維状フィラーは、平均の直径が1〜50μmであり、好ましくは5〜30μm、又、平均のアスペクト比(長さ/直径)が50〜2500であり、好ましくは50〜1000であるものであれば特に限定されない。平均の直径が1μm未満では、補強効果が小さく、機械的強度改良の効果が充分ではない。50μmを越えると分散性が低下し、同様に機械的強度改良の効果が充分ではない。又、平均のアスペクト比(長さ/直径)が50未満では、異方性が不足し補強効果が小さく、一方、それが2500を越えると成形加工時流動性が充分でなく成形加工で問題を起こす。
【0028】繊維状フィラーとしては、例えば、綿、絹、羊毛あるいは麻等の天然繊維、レーヨンあるいはキュプラ等の再生繊維、アセテートあるいはプロミックス等の半合成繊維、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、アラミド、ポリオレフィン、炭素あるいは塩化ビニル等の合成繊維、ガラスあるいは石綿等の無機繊維またはSUS、銅あるいは黄銅等の金属繊維等を挙げることが出来る。
【0029】本発明の繊維状フィラーは、上述の材料を任意に選定して1種あるいは複数の組み合わせで使用することが出来るが、これら材料の中でも、フィラーとしてガラス繊維及び炭素繊維が衝撃強度、剛性、耐熱性の点で好ましい。これらは単独で使用しても良いし、又組み合わせて使用しても良い。
【0030】本発明の(D)成分である繊維状フィラーは、上記の通りであるが、性能面で好ましいガラス繊維と炭素繊維の中でもガラス繊維は安価に市場から入手が出来、特に好ましい。ガラス繊維を使用する場合は、通常の市販のものを使用する。市販されているガラス繊維は、Eガラス、Sガラス、Cガラス、ARガラス等があるが、この何れも使用することができる。ガラス繊維の場合の直径は一般に10〜30μmが好ましい。なお、使用するガラスは、樹脂との接着性を上げる為に、例えばシランカップリング剤等前処理したものが好ましい。
【0031】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、少なくとも(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)ゴム状重量体、好ましくは部分的または完全に架橋されたゴム状重合体、(C)ゴム用軟化剤及び(D)平均の直径が1〜50μmであり且つ平均のアスペクト比が50〜2500の繊維状フィラーからなるが、必要に応じてその他の成分、例えばポリオレフィン系樹脂以外のポリマー、粉末状無機フィラーおよび可塑剤等を含有することが可能である。他のポリマーとして、特に繊維状フィラーとポリオレフイン系樹脂との界面接着性を向上させるものは耐衝撃性向上に有効である。この様な材料としては、例えばマレイン酸変成あるいは共重合ポリオレフイン、アクリル酸変成あるいは共重合ポリオレフィン、フマル酸変成あるいは共重合ポリオレフィン等を共存させることが好ましい。この材料は、繊維としてガラス繊維を使用した時に特に有効である。
【0032】この様なフィラーとポリオレフィン系樹脂との接着性を向上させるポリマー以外に、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の特性を阻害しないレベルで他のポリマーを共存させることが可能である。
【0033】粉末状の無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カーボンブラック、酸化チタン、クレー、マイカ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタル酸エステル等が挙げられる。また、その他の添加剤、例えば、有機・無機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッキング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使用される。
【0034】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上記の如く、少なくとも(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)ゴム状重合体、好ましくは部分的または完全に架橋されたゴム状重合体(C)ゴム用軟化剤及び(D)平均の直径が1〜50μmであり且つ平均のアスペクト比が50〜2500の繊維状フィラーからなるが、その熱可塑性樹脂成形品中の各成分の比率は、(A)成分が、94〜30重量部、(B)成分が、5〜40重量部、(C)成分が、1〜30重量部及び(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量100重量部に対して(D)成分が、5〜100重量部、好ましくは、(A)成分が、88〜45重量部、(B)成分が、10〜30重量部、(C)成分が、2〜25重量部及び(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量100重量部に対して(D)成分が、10〜75重量部、特に好ましくは、(A)成分が、85〜55重量部、(B)成分が、10〜25重量部、(C)成分が、5〜20重量部及び(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量100重量部に対して(D)成分が、20〜60重量部である。
【0035】(A)成分であるポリオレフィン系樹脂が、94重量部を超える場合は、結果的にゴム状重合体及び繊維状フィラーの量が少なく機械的強度が低い。30重量部未満の場合は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形加工する際に流動性が低く成形加工が困難となる。
【0036】(B)成分であるゴム状重合体が、5重量部未満の場合は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られる成形品の機械的強度、特に耐衝撃性が実用領域に至らない。30重量%を超える場合は、結果としてゴム状弾性が大きくなり、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られる成形品の剛性等が低くなる。
【0037】(C)成分であるゴム用軟化剤が、1重量部未満の場合は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られる成形品の落下試験で白化現象が大きく、好ましくない。30重量部を越える場合、成形品が軟質化し剛性が低く好ましくない。
【0038】(D)成分である繊維状フィラーが、(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量100重量部に対して5重量部未満の場合は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られる成形品の剛性、耐熱性等が低く好ましくない。40重量部を超える場合は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られる成形品の剛性は高くなり且つ耐衝撃性も高く好ましい方向ではあるが、成形加工時流動性が低下するあるいは成形品の外観が低下し商品価値が低下し好ましくない。
【0039】次に本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の好ましい製造方法及びその好ましい成形方法について述べる。
【0040】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、一般には(I)(A)成分であるポリオレフィン系樹脂、(B)成分であるゴム状重合体、好ましくは部分的または完全に架橋されたゴム状重合体及び(C)成分であるゴム用軟化剤とよりなる熱可塑性エラストマー、好ましくは架橋熱可塑性エラストマーと(II)(C)成分である繊維状フィラー、特に好ましくはガラス繊維及び(III)必要に応じてゴム重合体とフィラーの濃度を調整する為のポリオレフィン系樹脂等を予め二軸押出機等で溶融押出しペレット化し、得られたペレットを原料として射出成形等で加工して製造する。
【0041】しかしながら、この様に予め二軸押出機等で溶融押出する方法では、押出機を通す際に繊維状フィラーが破砕されアスペクト比が小さくなる。この場合、目的とする機械的強度の成形品とならないことも有る。この為、次の様な方法を好ましく採用する。
【0042】即ち、(I)(A)成分であるポリオレフィン系樹脂、(B)成分であるゴム状重合体、好ましくは部分的または完全に架橋されたゴム状重合体及び(C)成分であるゴム用軟化剤よりなる熱可塑性エラストマー、好ましくは架橋熱可塑性エラストマーのペレットと(II)繊維状フィラーそのものあるいはラテックス等の収束剤等で固めた繊維状フィラーあるいはポリオレフイン系樹脂等で固めた繊維状フィラー等及び(III)必要に応じてゴム重合体とフィラーの濃度を調整する為のポリオレフィン系樹脂のペレットをブレンドし、このブレンド品を直接射出成形する等の方法で成形品を得る。
【0043】この場合は、混練が一度で済む為、二軸押出機で熱可塑性エラストマー、好ましくは架橋熱可塑性エラストマーと繊維状フィラーとを溶融押出しペレツト化し、更にこのペレットを原料として射出成形する方法に比較してアスペクト比が原料のアスペクト比により近いものとなり、高い機械的強度の成形品となる。
【0044】好ましい方法としては、ポリオレフィン系樹脂、ゴム状重量体、好ましくは部分的または完全に架橋されたゴム状重合体及びゴム用軟化剤よりなる熱可塑性エラストマー、好ましくは架橋熱可塑性エラストマーのペレット及びガラス繊維の束にポリオレフィン系樹脂を含浸あるいは押出し被覆しペレット化して得られたペレット長と同じ長さの繊維状フィラーを含む樹脂で被覆された繊維状フィラーペレット(長繊維ペレットと称す)及び必要に応じて組成調整の為にポリオレフィン系樹脂ペレットをブレンドし、本発明の組成物とし、このペレットブレンド品を射出成形して製造する。繊維状フィラー、特にガラス繊維の場合、ポリオレフィン系樹脂との接着性を上げる為に添加する酸変成ポリオレフィン系樹脂は、長繊維ペレット製造時ガラス繊維に被覆するポリオレフィン系樹脂、熱可塑性エラストマー若しくは架橋熱可塑性エラストマーあるいはポリオレフィン系樹脂ペレットのいずれかあるいは二つ以上にまたがって添加したものを用いる。しかしながら、長繊維ペレット製造時ガラス繊維に被覆するポリオレフィン系樹脂に添加する方法が繊維と樹脂との密着性が高く最も好ましい。
【0045】ここで好適に用いられる部分的または完全架橋されたゴム状重合体とポリオレフィン系樹脂及びゴム用軟化剤とよりなる架橋熱可塑性エラストマーは、例えば次の様にして製造する。
【0046】好ましくは、エチレンとα−オレフィンを主体としたエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム、ポリオレフィン系樹脂、架橋剤及び架橋助剤を二軸押出機、バンバリーミキサー等で熱処理することにより製造する。ゴム用軟化剤は、二軸押出機の中間から注入する等で添加する。この際、好ましく使用する架橋剤は、有機過酸化物、有機アゾ化合物等のラジカル開始剤が挙げられる。ラジカル開始剤の具体的な例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドおよびm−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、およびクミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類;ならびに、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類を挙げることができる。
【0047】これらの化合物の中では、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
【0048】これらのラジカル開始剤は、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂100重量部に対し0.02〜3重量部、好ましくは0.05〜1重量部の量で用いられる。架橋のレベルは、主としてこの量で決まる。0.02重量部未満では架橋が不十分であり、3重量部を越えても大きく架橋率が向上することは無い為、好ましい方向ではない。
【0049】架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好ましく用いられる。これらの架橋助剤は複数のものを併用して用いてもよい。
【0050】架橋助剤は、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂100重量部に対し0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の量で用いられる。0.1重量部未満では架橋率が低く好ましくない。5重量部を越えても架橋率が大きく向上することはなく好ましい方向ではない。
【0051】架橋の方法として上記の様に架橋剤と架橋助剤を使用することが好ましいが、これ以外にフェノール樹脂あるいはビスマレイミド等を架橋剤として使用することもできる。
【0052】次に長繊維ペレット、即ちペレット長と同じ長さ繊維状フィラーを含む樹脂で被覆された繊維状フィラーペレットの製造方法をガラス繊維を例にして述べる。
【0053】その製造方法は、例えば溶融したポリオレフィン系樹脂の中にガラス繊維のロービングを浸漬しその後所定の長さにペレタイズする方法あるいは一般にプルトルージョン法といわれる方法であるが、ガラス繊維のロービングを張力下で引き揃えながらポリオレフィン系樹脂を押出機により繊維をほぐしつつサイドより押出し、ガラス繊維の表面にポリオレフィン系樹脂を押出被覆し、ペレット化する方法等がある。
【0054】この様にして得られた長繊維ペレットは、通常、2〜100mm、好ましくは3〜50mm、より好ましくは5〜20mm、特に好ましくは5〜10mmの長さである。この長繊維ペレットの中には、ペレット長と同じ長さのガラス繊維が含まれる。この様な長いガラス繊維を含むペレットと熱可塑性エラストマー若しくは架橋熱可塑性エラストマーのペレット、必要に応じてポリオレフィン系樹脂のペレットとを混合して射出成形すると、成形品中のガラス繊維の平均繊維長は、結果として0.5〜10mmとなる。又、上記長繊維ペレットの製造方法の中でもプルトルージョン法で製造した場合、繊維をほぐしつつ繊維状フィラーにポリオレフィン系樹脂を押出被覆する為、繊維一本一本の間に樹脂が存在することになる。従って、この長繊維ペレットを原料として成形加工する時、成形品中の繊維は分散し易く、アスペクト比の大きな繊維を原材料として使用しても、成形品の平面平滑性は良好となる。
【0055】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物から成形品を得る為には、上述の射出成形の他、押出成形、圧縮成形等で成形加工することも可能である。
【0056】この様に製造された本発明のポリオレフィン系樹脂組成物から得られる成形品は、機械的強度、特に耐衝撃性、剛性、耐熱性、耐薬品性等に優れた製品となる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これら実施例および比較例において、各種物性の評価に用いた試験法、原材料及び配合に使用した熱可塑性エラストマーの製造方法は以下の通りである。
【0058】1.試験法(1)引張強度JIS K6251に準拠した方法で23℃で測定した。
(2)曲げ強度JIS K6758に準拠した方法で23℃で測定した。
(3)曲げ弾性率JIS K6758に準拠した方法で23℃で測定した。
【0059】(4)アイゾット衝撃強度JIS K6758に準拠した方法で23℃で測定した。(Vノッチ、1/4インチ試験片)
(5)落錘衝撃強度落錘衝撃試験機(東洋精機製作所製)を使用し、落錘先端径:13.6mm、重量:6.5kg、落下高さ:100cm、ホルダー直径:50mm、試験片厚さ:3mm、温度:23℃、湿度50%の条件で全吸収エネルギーを測定した。値が大きい方が割れ難い。
【0060】衝撃による白化も同時評価した。白化しやすいものは、中心部より周辺に広がって白化する。白化のレベルを目視で観察し次の格付けとした。
◎:白化なし○:わずか白化△:全体が白化しているが比較的薄い白化×:全体が白化(6)耐熱性(HDT)
JIS K7207に準拠した方法で測定した。荷重は18.6kgである。
【0061】(7)フイラーの平均直径、アスペクト比電子顕微鏡によりフィラーの数平均粒子直径を求め、一方光学顕微鏡によりフィラーの長さを求め、長さ/直径の比からアスペクト比を算出した。即ち、各フィラーの断面を円と仮定し、長径と短径の算術平均を各フィラーの平均直径とする。そして、100個のフィラーの平均直径の算術平均により数平均粒子直径を求めた。上記フイラーの平均長さも数平均長さとして同様に求めた。
【0062】(8)架橋度架橋熱可塑性エラストマー0.5gを、キシレン200ml中で4時間リフラックスさせる。溶液を定量用濾紙で濾過し、濾紙上の残さを真空乾燥後定量し、架橋熱可塑性エラストマー中のゴム状重合体の重量に対する残さの重量の比率(%)として算出した。
【0063】2.原材料(1)ゴム状重合体(a)エチレン・オクテン−1共重合体特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/28(重量比)であった(TPE−1と称する)。
【0064】(b)エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエンの組成比は、72/24/4(重量比)であった(TPE−2と称する)。
【0065】(2)オレフィン系樹脂(a)ポリプロピレン日本ポリケム(株)製、アイソタクチックホモポリプロピレン(商品名 MA03)(PPと称する)
(b)エチレン(E)−プロピレン(PP)共重合樹脂−1日本ポリオレフィン(株)製、ブロックE−PP樹脂[E/PP=6/94(重量比)(商品名 PM970A)](EP−1と称する)
(c)エチレン(E)−プロピレン(PP)共重合樹脂−2日本ポリオレフィン(株)製、ランダムE−PP樹脂[E/PP=7/93(重量比)(商品名 PM940M](EP−2と称する)
(d)マレイン化ポリプロピレン三井化学(株)製、マレイン化ポリプロピレン(商品名 アドマーGF305)(M−PPと称する)。
【0066】(3)高密度ポリエチレン旭化成工業(株)製、サンテックHD(商品名 B470)(HDPEと称する)
(4)ラジカル開始剤日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25B)(POXと称する)
(5)架橋助剤和光純薬製、ジビニルベンゼン(DVBと称する)
(6)ゴム用軟化剤(パラフィンオイル)
出光興産製、ダイアナプロセスオイル(商品名PW−380)
(7)フィラー(a)ガラス繊維旭ファイバー製アミノシラン処理ガラス繊維ロービング(商品名:ER740)(太さ:13μm)
(b)炭素繊維東邦レーヨン製炭素繊維ロービング(商品名:HTA−12K)(太さ:7μ)。
【0067】3.架橋熱可塑性エラストマーの製造方法(1)TPV−1A押出機として、バレル中央部に注入口を有した2軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いた。スクリューとしては注入口の前後に混練部を有した2条スクリューを用いた。TPE−1/PP/POX/DVB=60.0/40.0/0.38/0.74(重量比)を混合しシリンダー温度220℃で溶融押出を行った。得られた架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、81%であった。
【0068】(2)TPV−1B押出機の中央部にある注入口よりTPE−1とPPの合計量100重量部に対して軟化剤(パラフィンオイル)を36重量部注入すること以外(1)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、81%であった。
【0069】(3)TPV−1C軟化剤の注入量を24重量部とすること以外(2)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、81%であった。
【0070】(4)TPV−1D軟化剤の注入量を15重量部とすること以外(2)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、81%であった。
【0071】(5)TPV−2TPE−1/PP/POX/DVBの比率を60.0/40.0/0.19/0.37(重量比)とすること以外(3)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、55%であった。
【0072】(6)TPV−3TPE−1/PP/POX/DVBをTPE−1/EP−1/POX/DVBとすること以外(3)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、80%であった。
【0073】(7)TPV−4TPE−1/PP/POX/DVBをTPE−1/PP/HDPE/POX/DVBとし、その比率を60.0/28.9/11.1/0.19/0.37(重量比)とすること以外(3)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、57%であった。
【0074】(8)TPV−5TPE−1/PP/POX/DVBをTPE−2/PP/POX/DVBとすること以外(3)と同じ方法で架橋熱可塑性エラストマーを得た。この架橋熱可塑性エラストマーの架橋度は、ほぼ100%であった。
【0075】4.非架橋熱可塑性エラストマーの製造方法(1)TPO−1押出機として、バレル中央部に注入口を有した2軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いた。スクリューとしては注入口の前後に混練部を有した2条スクリューを用いた。TPE−1/PP=60.0/40.0(重量比)を混合しシリンダー温度200℃で溶融押出を行った。この際、押出機の中央部分にある注入口よりTPE−1とPPの合計量100重量部に対して軟化剤(パラフィンオイル)を12重量部注入して非架橋熱可塑性エラストマーを得た。
【0076】実施例113μmの太さのガラス繊維のロービングを張力下で引き揃えながら5%M−PP/95%PPを押出機でサイドから押出し、ガラス繊維の表面にポリオレフィン系樹脂を押出被覆し、長さ7mmのペレットにカットし、長繊維ペレット(GF−1と称する)を製造した。長繊維ペレット中のガラス繊維のアスペクト比は538である。又、この長繊維ペレットのガラス/ポリオレフィン系樹脂の比率は、56/44(重量比)であった。GF−1、TPV−1Bの各ペレットを53.6/46.4(重量比)で混合し、成形温度を240℃とし射出成形機(東芝IS45PNV)により成形し、成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。なお、この成形品の比重は、1.10g/cc、吸水率(25℃、50%RH)は、0.1%以下であった。一方、市販の30%のガラス繊維を含むポリアミド(6ナイロン)の比重は、1.36g/cc、吸水率は2.1%であった。
【0077】実施例2TPV−1BをTPV−1Cとし、GF−1、TPV−1B及びPPの各ペレットを53.6/41.3/5.1(重量比)で混合して成形すること以外実施例1と同様に実施して成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0078】実施例3TPV−1BをTPV−1Dとし、GF−1、TPV−1D及びPPの各ペレットを53.6/38.3/8.1(重量比)で混合して成形すること以外実施例1と同様に実施して成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0079】比較例1TPV−1BをTPV−1Aとし、GF−1、TPV−1A及びPPの各ペレットを53.6/33.3/13.1(重量比)で混合して成形すること以外実施例1と同様に実施して成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0080】実施例4GF−1、TPV−1B、PPの各ペレットをGF−1/TPV−1B/PP=53.6/22.7/23.7(重量比)で混合すること以外実施例1と同様に実施して成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0081】実施例5GF−1、TPV−1B、PPの各ペレットをGF−1/TPV−1B/PP=35.7/45.4/18.9(重量比)で混合すること以外実施例1と同様に実施して成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0082】実施例6TPV−1BをTPO−1とし、GF−1、TPO−1及びPPの各ペレットを53.6/37.3/9.1(重量比)で混合して成形すること以外実施例1と同様に実施して成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0083】実施例7TPV−1BをTPV−2とすること以外実施例2と同様に実施して成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0084】実施例8ガラス繊維に押出被覆する材料を5%M−PP/95%PPより5%M−PP/95%EP−1とすること以外実施例1と同様にして、長繊維ペレット(GF−2と称する)を製造した。この長繊維ペレットのガラス/ポリオレフィン系樹脂との比率は、56/44(重量比)であった。GF−2、TPV−3、EP−1の各ペレットを53.6/41.3/5.1(重量比)で混合し、実施例1と同様に成形し、成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0085】実施例9GF−1、TPV−1B、PPの各ペレットの成分、組成をGF−1/TPV−1C/EP−2=53.6/41.3/5.1(重量比)で混合すること以外実施例2と同様に実施して成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0086】実施例10ガラス繊維に押出被覆する材料を5%M−PP/95%PPより5%M−PP/71.3%PP/23.7%HDPEとすること以外実施例1と同様にして、長繊維ペレット(GF−3と称する)を製造した。この長繊維ペレットのガラス/ポリオレフィン系樹脂との比率は、56/44(重量比)であった。GF−3、TPV−4、PPの各ペレットを53.6/41.3/5.1(重量比)で混合し、実施例1と同様に成形し、成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0087】実施例11TPV−1BをTPV−5とすること以外実施例2と同様に実施して成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表1に示す。
【0088】実施例1213μmの太さのガラス繊維のロービングを7mmに切断しチョップとした。このチョップ及びTPV−1C、PPの各ペレットを30.0/41.3/28.7(重量比)で混合し、2軸押出機(東芝TEM−35B)で樹脂温度230℃で押出しペレット化した。ペレット中のガラス繊維の径は13μm、長さ0.7mmであった。ペレット中のガラス繊維のアスペクト比は54である。このペレットを原料として成形温度を240℃とし射出成形機(東芝IS45PNV)により成形し、成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表2に示す。
【0089】比較例213μmの太さのガラス繊維のロービングを7mmに切断しチョップとした。更にこのチョップをボールミルで粉砕して平均長さ約100μmの超短繊維を得た。この超短繊維及びTPV−1C、PPの各ペレットを30.0/41.3/28.7(重量比)で混合し、2軸押出機(東芝TEM−35B)で樹脂温度230℃で押出しペレット化した。ペレット中のガラス繊維の径は13μm、平均長さは42μmであった。ペレット中のガラス繊維のアスペクト比は3.2である。このペレットを原料として成形温度を240℃とし射出成形機(東芝IS45PNV)により成形し、成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表2に示す。
【0090】実施例137μmの太さの炭素繊維のロービングを張力下で引き揃えながら5%M−PP/95%PPを押出機でサイドから押出し、炭素繊維の表面にポリオレフィン系樹脂を押出被覆し、長さ7mmのペレットにカットし、長繊維ペレット(CF−1と称する)を製造した。長繊維ペレット中の炭素繊維のアスペクト比は1000である。この長繊維ペレットの炭素繊維/ポリオレフィン系樹脂との比率は、56/44(重量比)であった。CF−1、TPV−1C、PPの各ペレットを19.6/41.3/39.1(重量比)で混合し、成形温度を240℃とし射出成形機(東芝IS45PNV)により成形し、成形品を得た。成形品の最終組成及び特性を表2に示す。
【0091】
【表1】

【0092】
【表2】

【0093】
【発明の効果】本発明の(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)ゴム状重量体、好ましくは部分的または完全に架橋されたゴム状重合体、(C)ゴム用軟化剤及び(C)平均の直径が1〜50μmであり且つ平均のアスペクト比(長さ/直径)が50〜1000の繊維状フィラーよりなるポリオレフィン系組成物は、高い耐衝撃性、高い耐熱性、高い耐薬品性等を示し、更に落下時あるいは物があたった時等でも白化現象が軽微で、製品価値を低下させることが無い。ラジエータータンク等の自動車用材料、電動工具ハウジング等の工具用材料、事務椅子等の事務用品用材料等に幅広く使用可能であり、産業界に果たす役割は大きい。




 

 


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