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発明の名称 吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−98096(P2001−98096A)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
出願番号 特願平11−276879
出願日 平成11年9月29日(1999.9.29)
代理人 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4F074
4J034
【Fターム(参考)】
4F074 AA80 BA34 CA11 DA01 DA35 DA37 DA38 DA53 
4J034 BA08 CA04 CB03 CB04 CB05 CB07 CC03 CC08 CC12 CC15 CC23 CC26 CC45 CC52 CC62 CC65 DA01 DB04 DC50 DF01 DF02 DG02 DG03 DG04 DG06 DG08 DG09 DG14 HA01 HA07 HA11 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC54 HC61 HC64 HC65 HC67 HC71 HC73 KB02 KC17 KD02 KD12 KE02 NA02 NA05 NA06 QA05 QA07 QB04 QB06 RA02 RA03 RA09
発明者 土井 雅憲
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 20℃×65%RHでの吸湿率が2〜6重量%、30℃×90%RHでの吸湿率が6重量%以上、且つ前記二つの条件での吸湿率の差が4重量%以上を有することを特徴とする吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム。
【請求項2】 30℃×90%RHでの吸湿率が6〜40重量%であることを特徴とする請求項1記載の吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム。
【請求項3】 20℃×40%RHで綿との摩擦帯電圧が0.8kV以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム。
【請求項4】 ポリウレタンフォームが、500〜4,000重量%の吸水率を有する吸水性樹脂を、ポリウレタンフォーム形成性重合体に対して5〜40重量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム。
【請求項5】 吸水性樹脂が、樹脂ポリマー分子中に少なくとも1種の活性水素基を含有することを特徴とする請求項4記載の吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム。
【請求項6】 吸水性樹脂がポリウレタン系吸水性樹脂であって、活性水素基が水酸基であることを特徴とする請求項5記載の吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム。
【請求項7】 ポリウレタン系吸水性樹脂が、下記(a)〜(b)、又は(a)〜(c)を反応して得られる樹脂のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項6のいずれかに記載の吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム。
(a)エチレンオキサイドユニットが少なくとも70重量%の数平均分子量2,000〜30,000のポリアルキレンエーテルグリコールを50重量%以上含有してなる高分子ジオール。
(b)有機ジイソシアナート(c)数平均分子量50〜200の低分子ジオール【請求項8】 高分子ジオールがポリエチレングリコール、有機ジイソシアナートが4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートの少なくとも1種、低分子ジオールが1,4−ブタンジオール、エチレングリコールの少なくとも1種であることを特徴とする請求項7記載の吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム。
【請求項9】 ポリオール、ポリイソシアナート、触媒、発泡剤を反応させるポリウレタンフォームの製造において、分子ポリマー中に水酸基と5重量%以下の含水率を有し、500〜4,000重量%の吸水率のポリウレタン系吸水性樹脂を、ポリウレタンフォーム形成性重合体に対して5〜40重量%に相当する量をポリオール中に分散又は溶解させて反応を行うことを特徴とする吸放湿性に優れたポリウレタンフォームの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸放湿性に優れたポリウレタンフォームに関する。更に詳しくは、衣料中に組み込まれるパッド類、椅子、ソファー、ベッド、カーシート等のクッション用内装材、マスク、保護服、サポーター等の医療・衛生関係、紙おむつ等のヘルスケア・介護関係の素材として好適に使用することができ、蒸れにくく保湿性に優れて快適性が得られるポリウレタンフォームに関する。本発明によるウレタンフォームは、特に、ブラジャー、ボディスーツ等のファンデーション衣料、またはスポーツ衣料のクッション材に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリウレタンフォームはクッション材、断熱材として優れた性能を有し種々の用途に用いられている。このポリウレタンフォームを親水性にして吸湿性、吸水性、透湿性、制電性等を改善した吸水性ポリウレタンフォームに改質することは知られている。
【0003】ポリウレタンフォームは、一般に疎水性であるため親水性を示さない。ポリウレタンフォームに親水性を付与する方法として、特公昭52−6316号公報、特開昭56−43247号公報、特開昭59−64620号公報等には親水性ポリオールを用いた吸水性ポリウレタンフォームが提案されている。これらの公報においては、用いるポリオールのオキシエチレン含有量を増加させていくと、吸水性、制電性は改善されるが、発泡反応が不安定となり収縮・崩壊等が起こりやすく、又、機械的強度の低下や吸水時の膨潤度が大きくなる欠点がある。
【0004】特開昭54−37199号公報、特開昭55−48223号公報、特開平3−203921号公報等には吸水性物質を添加する方法が提案されている。これらの方法で吸水性、制電性は改善されるが、吸水性物質は固体であるため、フォーム中に均一に分散させることが難しく均一性に欠き部分的に親水性に乏しくなったり、吸水性物質が過剰水分を含んだ場合は発泡が不安定となる。また、吸水膨潤後、加圧によって添加した吸水性物質が溶出・脱離しやすいという欠点もあった。
【0005】これらの従来技術に見られる改善は、基本的に如何にして多くの水を吸わせるか、そしてその水を如何にして保持するかを目指しており吸水性、制電性は大きく改善されるが、その際に生じる機械的強度の低下、均一発泡性、吸水性物質の脱離といった欠点を如何にして抑制するかの技術を、これに付加しているにすぎないもので蒸れにくく保湿性に優れて快適性が得られるには困難なものであった。
【0006】すなわちこれら従来の吸水性ポリウレタンフォームを、身近に使用する場合、例えば、衣料中に組み込まれるパッド類、椅子、ソファー、ベッド、カーシート、マスク、保護服、サポーター、靴類の中敷きや内張り、防寒衣料用断熱材、布団や枕、紙おむつ部材等として用いる時には、吸水性が高くなるので制電性は良好となるが、高過ぎると放湿性に劣るため水蒸気圧が高くなって蒸れやすくべたつき感が出て不快感となるのである。特に、蒸れることは極めて不快となる要因でありこれを回避し、蒸れにくく保湿性に優れた快適性を重視したポリウレタンフォームが前述の如く強く望まれているのである。
【0007】従来の吸水性ポリウレタンフォームでは、人体から発せられた汗を速やかに吸収して(吸湿性)速やかに外部へ放出する(放湿性)機能を付与することによって、汗をかいてもむれない、べたつき感がない、いわゆる清涼感がある快適な環境を実現することはできない。このような欠点を改善する目的で、特開平7−292240号公報には特定の吸水性物質を用いて吸放湿性を有するポリウレタンフォームの開示がある。この吸水性物質は、該公報の実施例に例示されているように発泡密度を阻害したり、吸水性物質の均一分散性も不十分で、また快適性を得るための吸放湿性も小さく十分とは言えないものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、蒸れにくく保湿性に優れて快適性が得られるポリウレタンフォーム、すなわち、優れた吸放湿性と制電性を有するポリウレタンフォーム及びその製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、衣料中にクッション材として組み込まれたときに、身体から発する汗や蒸気の素早い吸放湿を行い快適な衣料を製造するのに適したポリウレタンフォームの提供にもある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、20℃×65%RH(相対湿度)での吸湿率が2〜6重量%、30℃×65%RH(相対湿度)での吸湿率が6重量%以上であり、且つ前記二つの条件での吸湿率の差が4重量%以上である吸放湿性に優れたポリウレタンフォームによって達成することができる。
【0010】本発明者らは、本発明のポリウレタンフォームが吸水性の向上のみを目指した従来のポリウレタンフォームと比べて、吸湿性を限定した範囲に抑制することで、吸放湿性と制電性に極めて優れ、蒸れにくく保湿性に優れて快適性が得られることを見出し上記課題を達成することができた。本発明のポリウレタンフォームは、身体から発する汗や蒸気の素早い吸放湿を行い、特に快適な衣料用クッション材として極めて有用である。
【0011】前記した特性を有するポリウレタンフォームが、好都合にも、既知のポリウレタンフォームの形成基質に特定の高吸水性を有する化合物の選択量を含有させることにより調製できるものであることは、本発明の利点でもある。本発明のポリウレタンフォームの吸放湿性は、ポリウレタンフォーム中に高吸水性を有する化合物(以下、吸水性樹脂という)を所望量ブレンドするか、高吸水性官能基を重合体中に所望量導入することによって調製することができる。吸湿性改質剤の導入手段としては、重合体の機械物性の設計上、物性変化の少ない、ブレンド法を用いるのが好ましい。ブレンド法において用いられる吸水性樹脂は、500〜4,000重量%の吸水率を有する樹脂が適当である。改質剤としての吸水性樹脂の吸水率が500重量%未満だと充分な吸放湿性が得られず、また4,000重量%を超えるとポリウレタンフォームの発泡が不均一で吸放湿性も不均一となり、べたつき感が生じるようになる。
【0012】吸水性樹脂としては、例えば、ポリエチレングリコールと有機ジイソシアナートとの重付加物等のウレタン系吸水性樹脂、デンプン/アクリロニトリル共重合体の加水分解物の架橋物等のデンプン系吸水性樹脂、アクリル酸塩重合体の架橋物、ビニルアルコール/アクリル酸塩共重合体の架橋物等のアクリル酸系吸水性樹脂、無水マレイン酸グラフトポリビニルアルコールの架橋物等のポリビニルアルコール系吸水性樹脂、ポリビニルピロリドン系吸水性樹脂、ポリエーテルエステル系吸水性樹脂、ポリエーテルアミド系吸水性樹脂、ポリエーテルイミドアミド系吸水性樹脂、ポリエーテルエステルアミド系吸水性樹脂等が挙げられる。好ましい吸水性樹脂は、ウレタン系吸水性樹脂である。ブレンド法におけるブレンド量は、改質樹脂による吸水性能にもよるが、最低限の吸放湿性を確保するにはポリウレタンフォーム形成性重合体の少なくとも5重量%以上含まれることが必要である。ポリウレタンフォームの機械的強度を発現する上で、40重量%以下で含まれることが好ましい。これらの吸水性樹脂は単独、又は混合して用いてもよい。
【0013】本発明のポリウレタンフォームの吸放湿性については、20℃×65%RH(以下、雰囲気Aという)での吸湿率が2〜6重量%、30℃×90%RH(以下、雰囲気Bという)での吸湿率が6〜40重量%、且つ前記2つの吸湿率の差が4.0重量%以上となるように、吸水性樹脂のブレンド量、または高吸水性成分のグラフト量・改質等を制御する必要がある。
【0014】ポリウレタンフォームの雰囲気Aでの吸湿率と雰囲気Bでの吸湿率との差(以下、吸放湿能力という)が、4.0重量%以上となれば、蒸れにくく保湿性に優れた快適性が得られるポリウレタンフォームとなる。この数値は、特に衣料にポリウレタンフォームを用いた場合、肌よりの発汗をどの程度吸収するかの性能を決めるもので、数値が大きい程吸放湿能力に優れることとなる。吸放湿能力は、好ましくは10重量%以上である。雰囲気Aでの吸湿率は、2重量%以上であればよい。この数値が高いと、着用開始時にポリウレタンフォームが多くの水分を吸収していることを意味し、肌に直接触れるか、あるいは肌に近い場合は、ポリウレタンフォームが冷たく感じられるので6重量%以下であることが好ましい。
【0015】一方、雰囲気Bでの吸湿率は、6〜40重量%であることが好ましい。6重量%未満では充分な吸湿量が得られず清涼感に乏しく、また40重量%を超えると強度低下が大きくなったり、べたつき感が出たりするので好ましくない。雰囲気Bでの吸湿率が6〜40重量%であっても、雰囲気Aでの吸湿率が2〜6重量%でなければ、機械的強度の低下や制電性の悪化を引き起こす。
【0016】本発明のポリウレタンフォームは、前述してきた吸放湿特性であることに加えて、20℃×40%RH(以下、雰囲気Cという)で綿との摩擦帯電圧が800kV以下であることによって、いっそう快適なポリウレタンフォームを達成することができる。本発明のポリウレタンフォームは、衣料中に組み込まれて使用される場合には綿、エステル、ナイロン等との摩擦が生じ、その際の静電気は不快なショックとして感じられる。特に、冬場の乾燥した環境下での使用では摩擦帯電圧は大きくなり、吸湿性の小さい素材では数万Vにも達することがある。乾燥した環境下においても、保湿性に優れた素材であれば摩擦帯電圧は小さくなり静電気ショックは感じなくなる。雰囲気Cで綿との摩擦帯電圧が0.8kV以下であれば静電気ショックはなく、0.8kVを超えると不快感が感じられるようになる。
【0017】本発明のポリウレタンフォームの原料及び該フォームの製造方法は、従来知られた原料及び条件をそのまま適用できる。すなわち、ポリオール、ポリイソシアナート、触媒及び発泡剤を必須とし、必要に応じて整泡剤、無機充填剤、軟化剤、可塑剤、その他の添加剤を含有してなるものであり、ポリウレタン鎖の調整方式はワンショット法、プレポリマー法のいずれの方法を利用してもよく、フォームの製造方法もスラブ、モールドのいずれの方法を利用してもよい。
【0018】本発明のポリウレタンフォームに使用されるポリオール原料としては、2以上の水酸基を含有するポリヒドロキシ化合物であり、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等が挙げられ、数平均分子量としては500〜30,000のものである。好ましくは、加水分解性に優れるポリエーテルポリオールである。グリセリンにプリピレンオキサイドを付加させて得られるポリエーテルポリオール、ペンタエリスリトールにプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドを付加させて得れるポリエーテルポリオール等が一般によく用いられる。本発明に適正なポリウレタンフォームの基質を形成するポリオールは、ポリオール中のオキシエチレン基が50重量%を越えると吸水性が高くなり過ぎて放湿性が劣るものとなるため、50重量%以下のオキシエチレン基を含有することが必要である。好ましくは30重量%以下である。また、連結剤、架橋剤として、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子ポリオールを所望により加えてもよい。
【0019】本発明で使用されるポリイソシアナートとしては、分子内に2個以上のイソシアナート基を含有する化合物であり、脂肪族系、脂環族系、芳香族系のいずれのポリイソシアナートでもよく、またこれらの混合物を用いてもよい。例えば、脂肪族系ポリイソシアナートとしてはヘキサメチレンジイソシアナート等、脂環族系ポリイソシアナートとしては、4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ノルボルナジエンジイソシアナート等、芳香族系ポリイソシアナートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメリックジフェニルイソシアナート、トリレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート等が挙げられる。
【0020】触媒としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチレンアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノフェノール、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等のアミン系触媒、ジブチルチンアセテート、ジブチルチンジ−2−エチルヘキソエート、ジラウリルチンジアセテート、酢酸第一錫、ラウリン酸第一錫、水酸化トリオクチル錫、酸化ジブチル錫、ニ塩化ジオクチル錫等の錫系触媒等が挙げられる。
【0021】発泡剤としては、水、又は低沸点の揮発性液体が用いられる。低沸点の揮発性液体は、例えば、イソペンタン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素、ジククロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素、トリクロロモノフルオロメタン、ジブロモジフルオロメタン、トリフルオロエチルブロミド等のハロゲン化フッ化炭化水素、テトラフルオロエタン等のフッ化炭化水素等が挙げられる。
【0022】その他として、ポリシロキサン/アルキレンオキサイド共重合体等の整泡剤、タルク、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、亜鉛とアミミニウムの複合酸化物、珪酸カルシウム等の無機充填剤、プロセス油、パラフィン、ワセリン、ヒマシ油、アマニ油等の軟化剤、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、燐酸エステル類等の可塑剤等を所望により加えても良い。
【0023】本発明の吸水性樹脂は、ポリオール原料中に均一に微分散又は溶解させる必要がある。分散させる方法としては、例えば、吸水性樹脂を添加したポリオールを加熱して液状の状態でホモミキサーで分散させたり、吸水性樹脂をボールミルで微粉砕した後ポリオールに加えたり、低温下でポリオールと吸水性樹脂をヘンシェルミキサーで粉砕混合することが挙げられる。溶解させる方法としては、吸水性樹脂の融点以上の温度でポリオールと混合しその温度で反応を行うことが挙げられる。前述の吸水性樹脂の中でもウレタン系吸水性樹脂は、ポリオール中への微分散性に優れたり加熱によって溶解し易いので特に好ましい。
【0024】本発明のポリウレタンフォームに使用される吸水性樹脂は、樹脂ポリマー中に少なく1種の活性水素を有し、且つ5重量%以下の含水率であることが必要である。活性水素としては、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等が挙げられるが、好ましくは水酸基である。また、吸水性樹脂中の水分はポリウレタンフォームの反応時に発泡剤として作用し、5重量%を越えると発泡の均一性を阻害し強度低下が生じ、また吸放湿性も低下させる。好ましくは5重量%以下である。
【0025】活性水素基を有する吸水性樹脂をポリオール中に分散または溶解してポリウレタンフォームの反応をさせる際に、一部の吸水性樹脂はポリウレタンフォーム形成性基質中にビルトインされる。そして、吸水性樹脂中でビルトインされるその成分はほどんどがオリゴマー成分である。従来ポリウレタンフォームが吸水膨潤後に加圧等によって添加した吸水性樹脂が溶出・脱離するのはこのオリゴマー成分が原因であり、本発明の吸水性樹脂は活性水素基を含有しフォーム基質にビルトインされることによって溶出・脱離が抑制する。
【0026】吸水性樹脂が活性水素基が水酸基の場合、ポリウレタンフォーム形成性基質と同じウレタン結合によってビルトインされるため、機械的強度の低下、発泡均一性に影響が小さいために好ましいが、その他の結合であってもフォーム基質中のウレタン結合の30モル%以下の量であれば問題はない。ブレンド法で用いられる吸水性樹脂としてウレタン系吸水性樹脂の好ましい具体例は、下記の化合物(a)〜(b)、又は(a)〜(c)を反応して得られる樹脂である。
【0027】(a)エチレンオキサイドユニットが少なくとも70重量%の数平均分子量2,000〜30,000のポリアルキレンエーテルグリコールを50重量%以上含有してなる高分子ジオール。
(b)有機ジイソシアナート(c)数平均分子量50〜200の低分子ジオール(a)〜(b)を反応して得られるウレタン系吸水性樹脂がより好ましい。低分子ジオール(c)は鎖延長剤としての役割があるが、これは吸水時に吸水性樹脂の膨潤の妨げとなる物理架橋を形成しやすい。低分子ジオール(c)を含まない吸水性樹脂、すなわち(a)〜(b)を反応して得られる吸水性樹脂の方が吸水性に優れるので好ましい。
【0028】ウレタン系吸水性樹脂の数平均分子量は、(a)、(b)、(c)の反応モル比を変えること自在に調整できる。好ましい数平均分子量は7,000以上である。7,000未満だと、オリゴマー成分が本発明の合成繊維から染色中に溶出して染浴を汚染したり、吸湿したオリゴマーが湿摩擦堅牢度を低下させる。又、数平均分子量が300,000を越えると樹脂が膨潤しにくくなり吸水性の向上がなくなったり、放湿性も劣ってくる。
【0029】本発明のウレタン系吸水性樹脂は、有機ジイソシアナート(b)のモル数に対する、高分子ジオール(a)と低分子ジオール(b)の合計モル数の比率が1.0〜1.5であり、高分子ジオール(a)に対する低分子ジオール(b)のモル比率が0〜5.0である。有機ジイソシアナート(b)のモル数に対する、高分子ジオール(a)と低分子ジオール(b)の合計モル数の比率が1.0未満の場合は遊離イソシアナートが存在し吸水性樹脂自体の性能低下とともにフォーム製造時に発泡が不安定且つ各吸湿率も本発明の範囲外となる。比率が1.5を越えると、活性水素基である水酸基の量が多すぎてビルトインする吸水性樹脂も多くなり機械的物性の低下とともに、残オリゴマー量が多く溶出・脱離が生じる。
【0030】高分子ジオール(a)に対する低分子ジオール(b)のモル比率が5.0を越えると、吸水性樹脂の吸水率が低下するため好ましくない。好ましくは、この比率は0〜3.0である。高分子ジオール中のポリアルキレングリコールとしては、ジオール分子鎖中に、例えば、1,2−プロピレンオキサイドユニット、2,2−ジメチルプロピレンオキサイドユニット、テトラメチレンオキサイドユニット等が30重量%を越えない範囲で含有されていてもよいが、好ましくはエチレンオキサイドユニットのみからなるポリエチレングリコールがよい。高分子ジオールの数平均分子量としは2,000〜30,000が好ましい。より好ましくは、5,000〜20,000である。また、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール、テトラメチレン基と2,2−ジメチルプロピレン基から成る共重合ポリエーテルグリコール、テトラメチレン基と3−メチルテトラメチレン基からなる共重合ポリエーテルグリコール等のグリコールが50重量%を越えない範囲でブレンドされていてもよいが、高い吸水性を実現するためにはブレンドしない方が好ましい。
【0031】有機ジイソシアナートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、3−メチルヘキサン−1,6−ジイソシアナート、3,3' −ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアナート、1,3−及び1,4−シクロへキシレン−ジイソシアナート、4,4' −ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、m−及びp−キシリレンジイソシアナート、α,α,α' ,α' −テトラ メチル−p−キシリレンジイソシアナート、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナート等 が挙げられる。好ましくは、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4' −ジシクロヘキシルメタン−ジイソシアナートである。これらは単独、又は混合して用いることができる。
【0032】低分子ジオールは分子量50〜200を有するものであって、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、フェニルジエタノールアミン等が挙げられる。好ましくは、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールである。これらは単独、又は混合して用いることができる。
【0033】ウレタン系吸水性樹脂の具体例としては、数平均分子量7,000のポリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアナートを反応させて得られる数平均分子量60, 000の樹脂(吸水率1800重量%)、数平均分子量20,000のポリエチレングリコールと4,4'−ジフェニルメタンジイソシアナートを反応させて得られる樹脂(吸水率800重量%)等が挙げられる。
【0034】
【実施例】以下に、実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、これらによって本発明の範囲が限定されるものではない。尚、実施例中に示した各特性値の測定方法は、以下の通りである。
〔A〕吸水性樹脂の吸水率吸水性樹脂を70℃×2hr減圧して、絶乾重量を測定する。次いで、25℃の水に24hr浸漬後の吸水重量を測定する。(1)式で吸水率を求めた。
【0035】

〔B〕吸水性樹脂の含水率赤外線式水分計(ケット社製、FD−240型、加熱温度160℃)にて、吸水性樹脂の含水率を測定した。
〔C〕ポリウレタンフォームの吸放湿性能(吸湿率の測定)
所定量の合成繊維の絶乾状態での重量を測定する(絶乾条件は70℃×2hr減圧である)。雰囲気A 及び雰囲気Bで24時間放置した後の重量を測定する。これらの測定値から、雰囲気Aでの吸湿率は(2)式で求め、雰囲気Bでの吸湿率は(3)式で求めた。又、吸放湿能力%は(4)式で求めた。

吸放湿能力 (重量%) =[雰囲気Bでの吸湿率]−[雰囲気Aでの吸湿率](4)
吸湿率は大きい方が吸湿量が多い。又、吸放湿能力は快適性を得るためのドライビングフォースであり、大きい方が良い。
〔D〕ポリウレタンフォームの制電性評価(摩擦帯電圧の測定)
20℃×40%RHの雰囲気下で、5cm(経)×8cm(緯)×2cm(厚み)のポリウレタンフォームの試験片を、綿製の摩耗布(2cm×15cm)を巻いた回転ドラムで摩耗し2分後の帯電圧を測定する。帯電圧の高い方が静電気ショックが起こりやすいので、帯電圧の低い方が快適と言える。
〔E〕ポリウレタンフォームの強度の評価20℃×65%RHの雰囲気下に24時間放置した後、5cm(経)×8cm(緯)×2cm(厚み)のポリウレタンフォームの試験片を両手で引きちぎり、その時に感じる抵抗力を触感で強い方からA〜Eまで分け、これを強度の指標とした。30℃×90%RHの雰囲気下に24時間放置した試験片も同様にして行った。
〔F〕ブラジャーの着用快適性評価パッド部分のフォームに各試験片を用いて作成したブラジャーを、5名の女性に着用してもらい、室温30℃、湿度70%RHの雰囲気室内において、15分間軽い運動を行った。運動は、約4km/時の速度の歩行運動とした。運動を終了してから10分間、微風下で安静状態を保った後に、着用感についてヒアリングを行った。ムレ感、ベタツキ感について感応評価して、その結果を次のように数値化した。ムレ感、ベタツキ感が全くなく快適であった場合を4点、ムレ感、ベタツキ感は殆ど感じない場合を3点、不快ではないが、ムレ感、ベタツキ感を感じた場合を2点、かなりムレ感、ベタツキ感があり不快であった場合を1点、更にムレ感、ベタツキ感を強く感じ、非常に不快であった場合を0点として、5段階評価とした。パネラー5人の平均値を算出し評価値とした。
〔実施例1〕グリセリンのプロピレンオキサイド付加物(数平均分子量4,000)のポリエーテルポリグリコール640gに、数平均分子量(以下、Mnで表す)が7,000のポリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアナート(Mn60,000)とからなる吸水率1,800重量%のウレタン系吸水性樹脂(以下、樹脂Aという)をフォーム形成性基質に対して20重量%となる量で50℃で5hrホモミキサーで分散させた。分散ポリオール液に、トリレンジイソシアナート(2,2−体/2,6−体=80/20)140g、水20g、テトラメチルヘキサメチレンジアミン3gを混合し常法によりポリウレタンフォームを得た。
〔実施例2〜6〕実施例1の樹脂Aの代わりに、表1に示す樹脂B〜Fを用いて各添加量で実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを得た。
【0036】表1及び表2に、吸水性樹脂の組成、得られたポリウレタンフォームの吸放湿性能、強度評価、摩擦帯電圧を示した。いずれのポリウレタンフォームも優れた吸放湿性、優れた強度、低い摩擦帯電圧であった。
〔比較例1〕実施例1の樹脂Aを添加しないでポリウレタンフォームを得た。吸放湿性は低く、摩擦帯電圧は高いものとなった。
〔比較例2〜4〕実施例1の樹脂Aの代わりに、樹脂Bを添加量5重量%、含水率10重量%で、各々実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを得た。また、樹脂Dの添加量を50重量%として実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを得た。吸放湿性は本発明の範囲外にあり、強度低下も大きいものとなった。
〔比較例5〕実施例1の樹脂Aの代わりに、表1記載の樹脂Gを用いて実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを得た。吸放湿性能が低いものとなった。
〔比較例6〕実施例1の樹脂Aの代わりに、特開平7−292240号公報記載のセリシンを用いて実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを得た。吸放湿性は低いものとなった。
【0037】比較例1〜6の吸放湿性能、強度評価、摩擦帯電圧の評価結果を、表1,2にまとめた。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】〔実施例7、比較例7〜8〕実施例1、3及び比較例1、6のポリウレタンフォームを用いて、ブラジャーを作成し着用快適性評価を行った。表3に着用感応評価の結果を示した。本発明のポリウレタンフォーム(実施例7)は、比較例1,6よりもムレ感、ベタツキ感がほどんどなく、快適に感じられた。
【0041】
【表3】

【0042】
【発明の効果】本発明のポリウレタンフォームは、優れた吸放湿性を有しているので、蒸れにくく保湿性に優れて快適性が得られるクッション材となる。さらには、冬場のような乾燥下でも制電性に優れ、湿潤下での強度の低下も少ないポリウレタンフォームとなる。




 

 


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