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発明の名称 高分子量ポリマー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−98066(P2001−98066A)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
出願番号 特願平11−275867
出願日 平成11年9月29日(1999.9.29)
代理人 【識別番号】100103436
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 英夫 (外3名)
【テーマコード(参考)】
4J005
【Fターム(参考)】
4J005 AB01 BB02 
発明者 加藤 仁一郎 / 森田 徹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 繰り返し単位の90重量%以上が下記式(1)で示されるポリケトンにおいて、該ポリマーの極限粘度[η]が10.1dl/g以上であることを特徴とするポリケトン。
【化1】

(ここで、Rは炭素数1〜30の有機基である。)
【請求項2】 嵩密度が0.001〜0.8g/cm3 であることを特徴とする請求項1記載のポリケトン。
【請求項3】 融点が240℃以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリケトン。
【請求項4】 パラジウム、ニッケル、コバルトからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素の含有量が合計で100ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3記載のポリケトン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子量ポリケトンに関する。更に詳しくは、ゲル紡糸に適し、ゲル紡糸を行うことで高い延伸倍率を達成することができ、その結果、高強度、高弾性率繊維を与えることができるポリケトンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一酸化炭素とエチレン、プロピレンのようなオレフィンとをパラジウムやニッケルといった遷移金属錯体を触媒として用いて重合させることにより、一酸化炭素と該オレフィンが実質完全に交互共重合したポリケトンが得られることが知られている(工業材料、12月号、第5ページ、1997年)。該ポリケトンからなるポリケトン繊維は高強度、高弾性率の他、高温での寸法安定性、接着性、耐クリープ特性といった優れた特性を有しているので、これらの特性を生かしてタイヤコード、ベルト等の補強繊維、コンクリート補強用繊維といった複合材料用繊維への応用が期待されている(特開平2―112413号公報、特開平9−324377号公報、特開平9―328342号公報等)。
【0003】高分子量ポリエチレン、高分子量ポリビニルアルコールのような屈曲性ポリマーから高強度・高弾性率繊維を得る方法として、ゲル紡糸法が知られている。ゲル紡糸は、高分子量屈曲性ポリマーを希薄溶液にして、ポリマー分子間の絡み合いを適度に解きほぐした後に、この希薄溶液を冷却して絡み合いを実質的に増大させないようにしてゲル化させた後、超延伸して高強度高弾性率繊維を得る方法である。ゲル紡糸では、延伸糸における分子末端の存在による強度低下を避けるために、高分子量ポリマーの使用が有利となっている。
【0004】ポリケトンも屈曲性ポリマーの1種であるために、ゲル紡糸を適用させることで高強度繊維になることが考えられる。しかしながら、これまでのポリケトンでは、ゲル紡糸に適した高い分子量を持つポリマーは知られていなかった。例えば、特表平4−505344号公報には、極限粘度(以下、[η]と略記する)が9.9dl/gのエチレン/一酸化炭素交互共重合(以後、ECOと略記する)が開示されている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、このポリマーを用いてゲル紡糸を行うと分子量が小さいために、凝固段階での糸の結晶化度が大きくなって、延伸が困難な糸になっているために高度な力学物性を発現することはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、ゲル紡糸を適用することで優れた延伸性をし、その結果、高強度高弾性率繊維を与えることができる分子量が高いポリケトンを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題を解決するために、ポリケトンの高分子量化の検討を進めた結果、特定の[η]値以上のポリケトンがゲル紡糸によって優れた延伸特性を示すことを見い出し、更に検討を進めた結果、本発明の課題を解決することができた。すなわち本発明は、繰り返し単位の90重量%以上が下記式(1)で示されるポリケトンにおいて、該ポリマーの[η]が10.1dl/g以上であることを特徴とするポリケトン、である。
【0007】
【化2】

(ここで、Rは炭素数1〜30の有機基である。)
本発明のポリケトンは、繰り返し単位の10重量%未満で式(1)のケトン以外の繰り返し単位を有していてもよい。
【0008】繊維としての強度、弾性率、接着性、寸法安定性、耐クリープ性、耐光性が優れるという点で、カルボニル基とRが実質的に交互に配列されているポリケトンが特に好ましい。この好ましいポリケトン中には部分的にカルボニル基同士、アルキレン基同士が結合していてもよいが、95重量%以上が完全交互共重合体、すなわち、Rの次にはカルボニル基が結合し、カルボニル基の次にはRが結合する交互共重合体からなるポリケトンであることが耐熱性、耐光性を向上させる観点から好ましい。もちろん、完全交互共重合した部分の含有率は高ければ高いほどよく、好ましくは97重量%以上であり、最も好ましくは100重量%である。
【0009】Rは炭素数が1〜30の有機基であり、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等が例示される。これらの基の水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル結合等の原子や基で置換されていてもよい。もちろん、Rは2種以上であってもよく、例えば、エチレンとプロピレンが混在していてもよい。これらのポリケトンとしては、Rがエチレンの完全交互共重合単位から構成されるポリケトン、すなわちECOが高強度、高弾性率、高温での寸法安定性が優れるという観点から最も好ましい。また、溶剤への溶解性が優れているという観点から、Rが90〜97モル%のエチレンと10〜3モル%のプロピレンからなる共重合ポリケトンが好ましい。また、本発明のポリケトンには、目的に応じて酸化防止剤、ラジカル抑制剤、艶消し剤、難燃剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、金属石鹸等の添加剤を含有させてもよい。
【0010】本発明のポリケトンの[η]は、10.1dl/g以上であることが必要である。[η]が10.1dl/g未満では、凝固糸の結晶化度が大きくなって、延伸倍率を高めることができず、その結果、延伸糸の強度や弾性率を十分に高めることが困難となる。延伸性を高めるためには、[η]は10.5dl/g以上が好ましく、更には11dl/g以上が好ましく、より好ましくは12dl/g以上であり、最も好ましくは13dl/g以上である。[η]の上限は、特に制限はないが、溶剤への溶解性が低下しにくくなるという理由で25dl/g以下が好ましく、更に好ましくは20dl/g以下である。
【0011】更に、本発明のポリケトンは嵩密度が0.001〜0.8g/cm3 であることが好ましい。嵩密度が0.8g/cm3 を越えると、本発明のポリケトンは分子量が高いので、ポリマー粒子の空隙率が減るために溶剤への溶解性が低下して、ポリマー溶液を作りにくくなる。嵩密度が0.001g/cm3 よりも小さいと、嵩が大きすぎるので運送の経費が高くなりすぎる。好ましくは0.05〜0.8g/cm3 であり、更に好ましくは、0.1〜0.8g/cm3 である。更に、本発明のポリケトンの融点は、240℃以上であることが好ましい。240℃未満では、耐熱性が低くなって産業資材の用途によっては使用できなくなったり、強度や弾性率が高くなりにくいといった欠点を有する。好ましくは250℃以上である。
【0012】更に、本発明のポリケトンは、パラジウム、ニッケル、コバルトからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素の含有量が合計で100ppm以下であることが好ましい。これらの金属元素量の合計が100ppmを越えると、ポリマー溶液にした場合に、ポリケトンが部分的に架橋して溶液粘度が著しく増大して紡糸ができなくなったり、紡糸ができなくはならないが徐々に溶液粘度が高くなるので得られた繊維の特性が紡糸時間と共に変化してしまうといった欠点を有する。更に、得られたポリケトン繊維は、加熱されると強度、伸度、弾性率、分子量の低下、着色といった問題が起こりやすくなる。このような問題を起こさないためには、これらの金属元素量の合計をできるだけ減らすことが好ましく、具体的には50ppm以下が好ましく、より好ましくは20ppm以下、更に好ましくは10ppm以下である。下限については特に制限はないが、通常0.001ppmである。
【0013】本発明のポリケトンの製造方法については特に制限はないが、一例を挙げると、一酸化炭素とエチレンやプロピレン等のオレフィンを、パラジウム、ニッケル、コバルト等の第VIII族遷移金属化合物、構造式(2)で示されるリン系二座配位子及び、pKaが4以下の酸のアニオンからなる触媒下で重合させて製造することができる。
1 2 P−R−PR3 4 ・・・構造式(2)
(ここで、R1 、R2 、R3 、R4 は、異種または同種の炭素数1〜30の有機基であり、Rは炭素数2〜5の有機基である。)
【0014】第VIII族遷移金属化合物としては、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、白金等が挙げられるが、重合活性の観点からパラジウム、ニッケル、コバルトが好ましく、特に好ましくはパラジウムである。触媒としてはカルボン酸塩、特に酢酸塩として用いるのが好ましい。また、構造式(2)のリン系2座配位子については、R1 、R2 、R3 、R4 の少なくとも1つが、フェニル基に結合しているリン元素に対してオルトの位置にある1つ以上のアルコキシ基を含むフェニル基であることが好ましい。このようなR1 、R2 、R3 、R4 としては、重合活性が高いという理由でo−メトキシフェニル基、o−エトキシフェニル基、o−フェノキシフェニル基等が好ましい。また、2つのリン原子を結ぶRは、トリメチレン基が好ましい。pKaが4以下の酸としては、トリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられるが、重合活性が高いという理由でトリフルオロ酢酸が好ましい。
【0015】本発明のポリケトンの製造方法の具体例を以下例示する。ポリケトンの重合は、メタノール、エタノールのような低級アルコール中に、パラジウム、ニッケル、コバルト等の第VIII族遷移金属化合物、構造式(2)で示されるリン系二座配位子及び、pKaが4以下の酸のアニオンからなる触媒を添加し、この溶液に一酸化炭素とオレフィンを導入させて重合を行う。一酸化炭素とオレフィンのモル比は、5:1〜1:2が好ましい。触媒に用いる第VIII族遷移化合物は、重合に用いるオレフィン1モル当たり、10-8〜0.1モル量相当の金属元素量にすることが触媒活性の観点から好ましい。とりわけ、得られるポリケトン量のパラジウム、ニッケル、コバルト量の総量としてポリケトン中に100ppm以下しか含有されないように、仕込みの第VIII族遷移金属化合物を設定することが本発明の目的を達成するためには好ましい。
【0016】また、構造式(2)で示されるリン系二座配位子は、第VIII族遷移金属化合物1モル当たり0.1〜20モル、好ましくは1〜3モル使用することが重合活性の観点から好ましい。また、pKaが4以下の酸は、第VIII遷移族金属化合物1グラム原子当たり0.01〜150当量が好ましく、特に好ましくは1〜50当量である。本発明のポリケトンを得るためには重合温度の選択が極めて重要であり、特に40〜70℃の範囲を選ぶことが大切である。特に、上限温度は70℃程度であり、これを越えると[η]を10.1dl/gにすることは困難である。また、40℃を下回ると重合速度が低くなり過ぎる。好ましくは50〜70℃である。また、重合圧力としては、4〜20MPa、好ましくは4〜10MPaである。重合時間としては、通常10分〜5日間行うことが好ましい。また、重合中の触媒活性を維持するために、また得られたポリケトンの架橋を抑えるために、1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン等のキノンを触媒金属元素のモル数に対して0.1〜500倍添加してもよい。得られたポリケトンは、濾過した後、触媒、キノン等を洗い流すために、洗浄を行った後、乾燥しポリケトンを単離する。また、ポリケトンは、上記で示した触媒を、ポリマー、無機粉体等に担持させ、いわゆる気相重合を行ってもよく、ポリケトンに触媒が残りにくいのでむしろ好ましい方法である。
【0017】こうして得られたポリケトンは元素分析等を行い、ポリケトン中に含まれるパラジウム、ニッケル、コバルト元素量を測定し、その総量が100ppm以下であればそのまま後述する紡糸工程へ供することができる。しかしながら、100ppmを越える場合、ポリケトン中に含まれるパラジウム、ニッケル、コバルト量を低減する操作を行うことが推奨される。これらの金属量を低減する方法としては、特に制限はないが、例えば、得られたポリケトンを繰り返し、溶剤を用いて1〜20回、繰り返し洗浄し、パラジウム、ニッケル、コバルト量を100ppm以下にする方法、その他の方法としては溶剤中にポリケトンを分散させ一酸化炭素やリン系配位子を導入して、金属カルボニ錯体や金属リン錯体を生成させ、金属を溶出させる方法等が挙げられる。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、ペンタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素等が挙げられる。洗浄温度は特に制限はないが、例えば0〜80℃であり、洗浄時間も制限はないが、例えば一回当たり10秒〜1時間である。こうして洗浄操作を行って、再度パラジウム、ニッケル及びコバルト量を測定し、その総量が100ppm以下であれば、紡糸工程へ供することができる。
【0018】
【実施例】本発明を以下の実施例等により更に詳しく説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は、次の通りである。
(1)極限粘度[η]
[η]は、次の定義式に基づいて求めた。

定義式中のt及びTは、純度98%以上のヘキサイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。また、Cは上記100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
【0019】(2)嵩密度ポリマー粒をメスシリンダーに入れて、単位体積当たりの重量を嵩密度とした。長い部分が3mmを越えないポリマーは、そのままメスシリンダーに入れた。長い部分が3mmを越えるポリマーは、3mmを越えないように砕いてからメスシリンダーに入れた。
(3)融点パーキンエルマー社製DSCを用い、窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度で測定した。
(4)パラジウム、ニッケル、コバルト元素量高周波プラズマ発光分光分析により、公知の方法を用いて測定した。
(4)繊維の強力、強度、伸度、弾性率繊維の強伸度は、JIS−L−1013に準じて測定した。
【0020】
【実施例1〜4、比較例1】20リットルのオートクレーブにメタノール1リットル、1,3−ベンゾキノン2.88g(26.7mmol)を加え、更に酢酸パラジウム15mg(0.067mmol)、ビス(2−メトキシフェニル)ホスフィノプロパン44mg(0.0821mmol)、トリフルオロ酢酸152mg(1.33mmol)を予めメタノール10ミリリリットル中で撹拌し調整した触媒液を加えた。その後、一酸化炭素とエチレンを1:1モル含む混合ガスを充填し、5MPaの圧力を維持するように連続的に、この混合ガスを追加しながら、表1に示した温度、時間で反応を行った。反応後、圧力を解放し、メタノール中に懸濁している白色ポリマーを分離し、繰り返しメタノールで洗浄後、単離した。得られたポリケトンは、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル等の分析によりECO(ポリ(1−オキソトリメチレン))であった。得られたポリケトンの分析結果も表1に示す。
【0021】
【表1】

【0022】実施例1で作成した、[η]11.3のECOを塩化亜鉛/塩化カルシウム/水(重量比32/31/37)の溶媒にポリマー濃度が5重量%になるように120℃で溶解した。溶解時間は、7時間であった。得られたポリマー溶液を100℃で紡口径0.16mm×20ホールから吐出し、10mmのエアギャップを通して、−20℃のメタノール/水(重量比30/70)を満たした1.2mの冷却浴を通し、一旦熱可塑性ゲル状態を経た後、次に20℃の水を満たした2mの洗浄浴を通した。更に、2%の硫酸を含む2mの洗浄浴を通し、水を連続的に吹きかけるネルソンロールを通してから、定長で240℃の乾燥ラインを通した後、ホットプレートを2つのフィードロールの間に備えた延伸機を用いて、240℃で5.5倍、更に255℃で1.6倍、更に265℃で1.4倍、更に272℃で1.3倍、延伸を行った。総延伸倍率は16.0倍であった。紡糸を20時間連続して行っても、特に紡糸性、延伸性について変化はなく、良好であった。
【0023】得られた延伸糸の強度は17.3g/d、伸度5.6%、弾性率は400g/dであった。このような高い物性が発現するのは、乾燥糸の段階で結晶化度が35%であり、延伸されやすい繊維構造を有するためと推定できる。これに対し、比較例1のECOを用いて同様の紡糸実験を行ったところ、総延伸倍率は14.2倍しか達成できず、得られた延伸糸の強度は15.2g/d、伸度4.7%、弾性率は320g/dであった。この場合、乾燥糸の段階で結晶化度が43%であり、実施例1の繊維対比、延伸されにくい繊維構造を有することがわかった。また、[η]が7.2dl/gのECOを用いて同様の紡糸実験を行ったところ、総延伸倍率は14.0倍しか達成できず、得られた延伸糸の強度は14.9g/d、伸度4.8%、弾性率は310g/dであった。ポリケトンの[η]の延伸性に与える影響は、11.3dl/gの場合と、9.7dl/gや7.2dl/gの場合とでは大きく異なることがわかる。
【0024】
【参考例1】実施例1において、重合釜壁に付着した白色ポリマーを単離した。得られたポリマーは、[η]11.3dl/gであり、嵩密度1.01g/cm3 のECOであった。これを参考例1で用いた溶剤に溶解しようとしたが、溶解時間に36時間かかった。その間に溶液は黄色みを帯びた。
【0025】
【参考例2】実施例1において触媒量を5倍にして(酢酸パラジウム、ビス(2−メトキシフェニル)ホスフィノプロパン、トリフルオロ酢酸をいずれも5倍使用)用いて実施例1を繰り返した。得られたポリマーは、[η]10.8dl/g、嵩密度0.72g/cm3 、融点254℃、Pd含量103ppmのECOであった。このECOを実施例1で用いたポリマー溶剤にポリマー濃度3重量%で溶解し、90℃で10時間貯蔵したところ、溶液の粘度が向上した。これに対し実施例1のポリマーを用いて同様の検討を行ったところ、溶液の粘度に変化は認められなかった。ポリマーに含まれるPd残量がポリマー溶液の熱安定性に影響を及ぼすことがわかった。
【0026】
【発明の効果】本発明のポリケトンは、従来得られていなかった高分子量を有し、高分子量ポリマーが前提となるゲル紡糸法を適用することで高い延伸倍率を達成することができ、その結果、高強度、高弾性率繊維を与えることができる。本発明のポリケトンを用いて得られた延伸糸は高度な力学特性、耐熱性、寸法安定性、化学的安定性等の特性を有するので、とりわけ産業用資材に有用となる。もちろん、本発明のポリケトンは、通常の湿式紡糸、乾式紡糸にも用いることができる。




 

 


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