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発明の名称 粒状爆薬
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−89285(P2001−89285A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願平11−274422
出願日 平成11年9月28日(1999.9.28)
代理人 【識別番号】100094709
【弁理士】
【氏名又は名称】加々美 紀雄 (外2名)
発明者 荒牧 昌作 / 井上 順児
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ポーラスプリル硝安、粉状爆薬、または粒状爆薬の表面のみに融点が60℃以上のワックス皮膜を形成し、粘稠剤粉末を添加した爆薬。
【請求項2】 粘稠剤がグアガム、もしくはグアガムと硼砂の混合物からなる請求項1記載の爆薬。
【請求項3】 カーボンブラック、またはグラファイトなどの炭素粉末を添加した請求項1または請求項2記載の爆薬。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業用爆薬における発破、破砕、掘削などに関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業用爆薬として最も一般的に使われているのはダイナマイト、含水爆薬、硝安油剤爆薬(以下、ANFOと略記)である。この中でもっとも多く消費されている爆薬はANFOである。これはANFOが硝酸アンモニウムと軽油という単純な組成で、簡単な装置で容易に製造できること、衝撃感度などが低く安全であること、更に安価であることによる。現在使用されているANFOは硝酸アンモニウムと軽油が重量比で94/6である。これは酸素バランスを考慮し、もっとも威力が最大となる配合である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ANFOはその主成分である硝酸アンモニウムの水への溶解性が大きいことから耐水性がなく、ANFOはそのままでは水孔での使用は不可能である。使用する場合は、ANFOをポリエチレン袋にパッキングし水と隔離する方法がある。また、米国特許No.4637849に記載の通り、グアガムなどの粘稠剤と架橋剤を添加し、それらが水と反応して膨張性のバリヤーを形成させ、更にそれが架橋する事により強い不溶解性の膜を形成させる方法がある。しかしながら、この粘稠剤の反応は遅く、水の発破孔への流入が多い場合には爆薬内部に水が浸入して硝酸アンモニウムを溶解したり、水の存在により安定な爆轟エネルギーが発生されず爆轟中断を起こす場合がある。また、米国特許4933029には、例えばグアガムと架橋剤の混合物からなる粘稠剤と、脂肪酸やその塩、ワックスなどの撥水性物質を添加して耐水性を高めたものがある。該発明の組成物の典型的な混合法はまずプリル硝安に燃料を混合し、その後粘稠剤と撥水性物質を混合する。粘稠剤と撥水性物質はそれぞれ別々に添加されるか予め混合されて添加されるという記載のみがあり、本発明のワックス皮膜を形成し、その後粘稠剤粉末を添加するものとは異なる。ワックス皮膜を形成するには、まずワックスを加熱溶解したり、水や適当な溶剤に乳化、もしくは溶解する必要がある。更に皮膜形成時には温度条件や被覆する爆薬粒子を回転させるなどの操作などが必要である。
【0004】本発明の目的は、ポーラスプリル硝安、硝安を主成分とする粉状爆薬、または硝安を主成分とする粒状爆薬の表面のみに融点が60℃以上のワックス皮膜を形成し、粘稠剤粉末を添加することにより、爆薬が水と接触した際に撥水性と粘稠剤のバリヤーで水の爆薬粒子間への浸入を抑制し、起爆性及び安定爆轟性を保持した爆薬を提供することである。更に、カーボンブラック、またはグラファイトなどの炭素粉末により、爆薬の帯電を減少し、流動性を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポーラスプリル硝安、硝安を主成分とする粉状爆薬、または硝安を主成分とする粒状爆薬の表面のみに融点が60℃以上のワックス皮膜を形成し、粘稠剤粉末を添加した爆薬である。
【0006】本発明の爆薬は、爆薬粒子表面全体に撥水性のあるワックス皮膜が形成されているので、水孔などで爆薬と水が接触した際に、爆薬粒子間への水の浸入が抑制される。その間に水と接触した粘稠剤が強固なバリヤーを形成し、長時間にわたってそれ以上の水の浸入を防ぐことができる。最終的には撥水性物質がない場合に比べ水の浸入量は減少する。撥水性物質が無い場合、粘稠剤のバリヤー形成時間が長いため、水の爆薬への浸入量が多くなり、水による影響を受ける可能性が増大する。すなわち、水による爆薬の溶解、不活性物質である水が存在するための轟性の減少などにより爆薬が限界薬径以下になって爆轟中断になったり、完全に爆薬を溶解して起爆できない場合などがある。
【0007】ワックスは安価で、取り扱いやすく、種類も豊富で、カルナウバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの単体のワックスや、それらにポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、石油樹脂、ポリブテン、ロジン、クマロン樹脂、クマロン・インデン・スチレン共重合物などを配合したものなどがある。この中でパラフィンワックスは安価で撥水性がもっとも高いワックスである。また、樹脂を配合した配合ワックスはワックス被膜の柔軟性や強度を向上することができる。酸素バランスから限られた被覆量しか使用できないため薄い皮膜を形成する本発明においては配合ワックスは有効なワックスである。更に、ワックスは運搬、貯蔵時のブロッキングを考慮し、融点が60℃以上のものが適当である。ワックスは炭素数が異なる炭化水素の混合物であるので、ワックスにおいて通常言われる融点(JIS K 2235−5.3)とワックスを徐々に加熱して融解が始める温度(融解開始温度)とは異なる。そこで本発明において使用するワックスはより良くは融解開始温度が60℃以上のものがよい。
【0008】ワックス被膜の形成は、パンコーティング装置、転動コーティング装置、流動層コーティング装置、複合型コーティング装置などを用い、例えばワックスを徐々にスプレーしながらポーラスプリル硝安や爆薬に添加、被覆する方法がある。
【0009】また、粉末状のワックスをポーラスプリル硝安や爆薬に混合しておき、ワックスを融解させて被覆する方法がある。また、既に耐水性を付加する為などに他の物質で被覆されている場合で、緻密な撥水被膜を必要としない場合は、複雑な操作や特別な装置は必要なく、該爆薬をワックス溶液に漬けて取り出した後、凝集しないように冷却もしくは乾燥すればよい。
【0010】ワックス被膜をポーラスプリル硝安粒子表面に形成する際、ワックスがポーラスプリル硝安内部に浸入しないように注意しなくてはならない。爆轟反応に大きく作用しているポーラス形状を減少させ、更に撥水性を減少させるからである。
【0011】ポーラスプリル硝安は内部がポーラス状であるため、被覆時に容易にワックスが内部に浸入していく場合は、粉状物質を添加する必要がある。粉状物質はワックスの浸入口であるポーラスプリル硝安表面に存在する細孔を塞ぎ、ワックスを粉状物質自身に付着させて保持し、更に被覆時のワックスの流動性を抑制する。粉状物質の形状やサイズは細孔を塞ぎ、ワックスの流動性を抑制するものであれば何でも良いが、形状については板状、鱗片状、複雑な形状のものがより良い。そのような形状のものであれば適切な添加量範囲でワックスの皮膜強度を向上することもできる。粉状物質は例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、カーボンブラック、グラファイト、金属酸化物、アトマイズアルミニウム粉、フレークアルミニウム粉、マグネシウム粉、未発泡のシラスマイクロバルーン、発泡したシラスマイクロバルーン、ガラスマイクロバルーン、ポリエチレンビーズなどがある。
【0012】ワックス被膜を形成する方法の例を以下に述べる。ワックスを粉末で添加する場合、例えばポーラスプリル硝安にワックスとタルクを混合し、徐々にワックスの融解開始温度まで加熱する。融解開始温度では全てのワックス全体が融解しておらず、粘度が高いこととタルクの存在によりポーラスプリル硝安内部への浸入を防ぐことができる。融解開始温度はポーラスプリル硝安とワックスの混合物の運動を観察していると容易に目視で分かる。例えばパンコーティング装置を用いる場合、融解開始温度以下ではポーラスプリル硝安とワックスの混合物の回転運動はサラサラの状態であるが、融解開始温度に到達すると抵抗のある回転運動となる。加熱時間もワックスがポーラスプリル硝安内部に浸入しないよう必要以上に掛けてはならない。この方法ではワックスがポーラスプリル硝安内部に浸入しないように加熱温度と加熱時間の管理が重要である。
【0013】ワックスを溶融状態で爆薬に添加する場合、ワックスは溶融状態に保つため加熱しておくが、例えばポーラスプリル硝安を用いた爆薬の場合、ワックスがポーラスプリル硝安粒子に付着後、粒子内部に浸入しないよう直ちに硬化しなくてはならない為、ポーラスプリル硝安は常にワックスの融点以下に保たねばならない。
【0014】ワックスを水や溶剤に乳化、分散または溶解させて爆薬に添加する場合、例えばポーラスプリル硝安を用いた爆薬の場合、乳化物、分散物、もしくは溶液がポーラスプリル硝安に付着後、粒子内部に浸入しないよう直ちに水もしくは溶剤を蒸発させなくてならない為、ポーラスプリル硝安は加熱しておく必要がある。
【0015】グアガムなどの粘稠剤粉末をワックスで被覆された爆薬に添加する場合、粘稠剤粉末のみでは分離を起こす。そこで、例えばワックスを被覆中にグアガムを添加する方法がある。この際、ワックスがグアガムを被覆しないように注意しなくてはならない。ワックスがグアガムを被覆するとグアガムが水と反応することができず水の浸入を防ぐバリヤーを形成できないからである。また、ワックスの被覆が終了した後に、少量の液体でワックス被膜を濡らして粘稠剤粉末を添加するか、予め粘稠剤粉末と混合して添加する。液体はワックス皮膜を溶解しないものがよいが、例えば軽油を予めワックスで飽和させておけば使用できる。より良くはアルコールやケトンなどがよい。ワックスはアルコールやケトンなどの極性溶媒には難溶である。例えばグリセリンを使用する場合もワックスで飽和して使用することができる。
【0016】本発明に使用する粘稠剤としては、グアガム、グアガムと硼砂との混合物が好ましいが、この他、カゼイン、ゼラチン、でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、寒天、ペクチン、キサンタンガム、グアガム、サイクリデキストリン、ジュランガム、タマリンド種子多糖類、タンニン酸、トラガントガム、ファーセレラン、プルラン、ローカストビーンガムなどの水溶性天然高分子、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナイトレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリルアマイド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、プロピレングリコールなどの水溶性合成高分子を用いることができる。
【0017】また、爆薬装填中に静電気が発生し、電気雷管を使用する場合は暴発の可能性があり危険であるため、カーボンブラック、またはグラファイトなどの炭素粉末を添加することにより爆薬の帯電を防ぐことができる。カーボンブラック、またはグラファイトなどの炭素粉末は疎水性物質であるので、本発明の目的である撥水性を損なうことはない。また、それらは耐ブロッキング剤としての効果もあり、爆薬の流動性を向上させることができる。
【0018】その他、ワックスの被覆及び粘稠剤の添加の後に耐ブロッキング剤として炭酸カルシウム、シリカ、タルク、カーボンブラック、またはグラファイト、金属酸化物などを添加することができる。
【0019】また、反応性を向上させる目的で、アルミニウムやマグネシウムなどの金属粉を添加することができる。この中でピグメントアルミニウムは撥水性のあるステアリン酸で被覆されており、爆薬の撥水性を損なうこと無く添加することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
【0021】評価方法1耐水試験実施例または比較例の爆薬25gを内径30mmのメスシリンダー入れ、その上部より径が3mmから4mmのガラスビーズ10g入れた。更に水25gを30秒掛けて徐々に入れ、1時間後水が爆薬層に浸入し、粘稠剤と反応して形成されたバリヤーの体積をメスシリンダーの目盛りから測定した。水の浸入量は形成されたバリヤーの体積と同じであるので、この体積の値を用いて耐水性の評価を行うことができる。
【0022】評価方法2帯電試験実施例及び比較例の爆薬100gを15cm×25cmのポリエチレン袋の中で100回ふり、帯電によってポリエチレン袋表面へ付着するかしないかを確認した。
【0023】実施例1パンコーティング装置を用い、空気風量50m3/hで、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転中のポーラスプリル硝安470gに、100℃の溶融したパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:パラフィンワックス155(融点69℃))30gを流量5g/minの速度でスプレーし、スプレー終了後、58から62℃まで加熱し5分間維持した。その直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gを添加し、50℃から55℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。なお、ワックスのスプレーと同時にタルク30gを散布した。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0024】実施例2パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/hで、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転中のポーラスプリル硝安470gに、パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:パラフィンワックス155(融点69℃))の60メッシュ以下の粉末30gとタルク30gを予め混合したものを添加し、58℃から62℃まで加熱し5分間維持した。その直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gを添加し、50℃から55℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し続け、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0025】実施例3パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/hで、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転中のポーラスプリル硝安470gに、マイクロクリスタリンワックス(日本石油(株)製、商品名:155マイクロワックス(融点70℃))の60メッシュ以下の粉末30gとタルク30gを予め混合したものを添加し、58℃から62℃まで加熱し5分間維持した。その直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gを添加し、50℃から55℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に自然冷却させて粒状爆薬を得た。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0026】実施例4パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/hで、55℃から60℃に調整し、40r.p.mで回転中のポーラスプリル硝安470gに、エチレン・酢酸ビニル共重合体を配合したパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:POLYCOAT−2253(融点90℃))の60メッシュ以下の粉末30gとタルク30gをあらかじめ混合したものを添加し、62℃から65℃まで加熱し5分間維持した。その直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gを添加し、55℃から60℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0027】実施例5パンコーティング装置を用い、空気風量75m3/hで、65℃から70℃に調整し、30r.p.mで回転中の比較例2と同じ製法で作られたポリビニルアルコールで被覆されたポーラスプリル硝安(重量比6/94)470gに、乳化温度110℃で乳化した混合物(マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:Hi−Mic−2095(融点98℃))20重量%/水77重量%/界面活性剤(花王(株)製、商品名:エマルゲン106)3重量%)50gを流量10g/minでスプレーし、スプレー終了直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gを添加し、20分間パンを回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。なお、乳化混合物中にはタルクを5g加えた。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0028】実施例6パンコーティング装置を用い、空気風量50m3/hで、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転中のポーラスプリル硝安470gに、100℃の溶融したパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:パラフィンワックス155(融点69℃))30gを流量5g/minの速度でスプレーし、スプレー終了後、58から62℃まで加熱し5分間維持した。その直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gとカーボンブラック5gを添加し、50℃から55℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。なお、ワックスのスプレーと同時にタルク30gを散布した。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0029】実施例7パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/hで、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転中のポーラスプリル硝安470gに、パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:パラフィンワックス155(融点69℃))の60メッシュ以下の粉末30gとタルク30gを予め混合したものを添加し、58℃から62℃まで加熱し5分間維持した。その直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gとカーボンブラック5gを添加し、50℃から55℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0030】実施例8パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/hで、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転中のポーラスプリル硝安470gに、マイクロクリスタリンワックス(日本石油(株)製、商品名:155マイクロワックス(融点70℃))の60メッシュ以下の粉末30gとタルク30gを予め混合したものを添加し、58℃から62℃まで加熱し5分間維持した。その直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gとカーボンブラック5gを添加し、50℃から55℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0031】実施例9パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/hで、55℃から60℃に調整し、40r.p.mで回転中のポーラスプリル硝安470gに、エチレン・酢酸ビニル共重合体を配合したパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:POLYCOAT−2253(融点90℃))の60メッシュ以下の粉末30gとタルク30gをあらかじめ混合したものを添加し、62℃から65℃まで加熱し5分間維持した。その直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gとカーボンブラック5gを添加し、55℃から60℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0032】実施例10パンコーティング装置を用い、空気風量75m3/hで、65℃から70℃に調整し、30r.p.mで回転中の比較例2と同じ製法で作られたポリビニルアルコールで被覆されたポーラスプリル硝安(重量比6/94)470gに、乳化温度110℃で乳化した混合物(マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:Hi−Mic−2095(融点98℃))20重量%/水77重量%/界面活性剤(花王(株)製、商品名:エマルゲン106)3重量%)50gを流量5g/minでスプレーし、スプレー終了直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gとカーボンブラック5gを添加し、20分間パンを回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。なお、乳化混合物中にはタルクを10g加えた。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0033】比較例1アルミニウム製パンの中で、ポーラスプリル硝安470gに軽油30gを加え混合し硝安油剤爆薬を得た。更にグアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gを添加し、混合した。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0034】比較例2パウレック社製ドリアコートを用い、空気風量50m3/hで、温度80℃から90℃に調整し、30r.p.mで回転中のポーラスプリル硝安450gに、2.5%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名PVA−HC)水溶液2000gを流量20g/minでスプレーした。(ポーラスプリル硝安とポリビニルアルコールの重量比率は90/10である。)スプレー終了直後グアガムと硼砂の混合物(重量比9/1)25gを添加し、パンを5分間回転(10r.p.m)させ粒状爆薬を得た。この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0035】耐水試験において、実施例1から4と実施例6から9は比較例1と比較することにより、実施例5と実施例10は比較例2と比較することにより、撥水性を付加することによって水の浸入量が抑制されたことが分かる。すでに説明したが、水の浸入量が減少することにより、水による影響を受ける爆薬量が減少され、起爆性を失わず、安定な爆轟の可能性を向上させることができる。また、実施例1から5の爆薬にカーボンブラックを添加することにより、実施例6から10の様にポリエチレンへの付着が無くなり、帯電性が減少した。
【0036】以上から、ワックス皮膜の撥水性とグアガムのバリヤーで水の爆薬粒子間への浸入を抑制できることが分かる。更に、カーボンブラックにより帯電性が減少することが分かる。
【0037】
【表1】

【0038】
【発明の効果】本発明は、ポーラスプリル硝安、その粉状爆薬、またはその粒状爆薬の表面のみに融点が60℃以上のワックス皮膜を形成し、粘稠剤粉末を添加することにより、爆薬が水と接触した際に撥水性と粘稠剤のバリヤーで水の爆薬粒子間への浸入を抑制し、起爆性及び安定爆轟性を保持することができる。更に、カーボンブラック、またはグラファイトなどの炭素粉末により、爆薬の帯電を減少し、流動性を向上させることをができる。




 

 


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