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発明の名称 硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−81305(P2001−81305A)
公開日 平成13年3月27日(2001.3.27)
出願番号 特願平11−262597
出願日 平成11年9月16日(1999.9.16)
代理人
発明者 横田 洋一 / 木下 昌三
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 (a)熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂、及び(b)下記式(1)、式(2)又は式(3)で表される構造を有するシラン化合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤で処理したシリカを含有し、且つ(a)成分100重量部を基準として(b)成分を10〜38000重量部含有することを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【化1】

【請求項2】 (a)熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂、(b)下記式(1)、式(2)又は式(3)で表される構造を有するシラン化合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤で処理したシリカ、及び(c)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAおよび少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体を含有し、且つ(a)成分100重量部を基準として、(b)成分を10〜38000重量部、及び(c)成分を1〜1900重量部含有することを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【化2】

【請求項3】 シランカップリング剤が、式(1)で表される構造を有するシラン化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項4】 請求項1、2又は3記載の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物及び基材からなる硬化性複合材料。
【請求項5】 請求項4記載の硬化性複合材料を硬化してなる硬化複合材料。
【請求項6】 請求項1、2又は3記載の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる硬化性フィルム。
【請求項7】 請求項6記載の硬化性フィルムを硬化してなる硬化フィルム。
【請求項8】 請求項6記載の硬化性フィルムと金属箔とからなる硬化性積層体。
【請求項9】 請求項8記載の硬化性積層体を硬化してなる硬化積層体。
【請求項10】 請求項4記載の硬化性複合材料及び/又は請求項6記載の硬化性フィルム及び/又は請求項8記載の硬化性積層体からなる硬化性複合体。
【請求項11】 請求項10記載の硬化性複合体を硬化してなる硬化複合体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関する。さらに本発明は、該樹脂組成物と基材とからなる複合材料、該樹脂組成物からなるフィルム、該樹脂組成物からなるフィルムと金属箔からなる積層体、およびそれらの硬化体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信用、民生用、産業用等の電子機器の分野における実装方法の小型化、高密度化への指向は著しいものがあり、それに伴って材料の面でもより優れた耐熱性、寸法安定性、耐吸水性および広い高周波範囲、温度範囲で誘電率及び誘電正接が一定で、かつ、小さいことが要求されつつある。例えばプリント配線基板としては、従来からのフェノール樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いた銅張積層板が用いられてきた。これらは各種の性能をバランス良く有するものの、電気特性、特に高周波領域での誘電特性が悪いという欠点を持っている。
【0003】また、エポキシ樹脂では、耐熱性や吸水性にも問題がある。この問題を解決する新しい材料としてポリフェニレンエーテル系樹脂が近年注目をあび応用が試みられている。しかしながら、ポリフェニレンエーテル系樹脂は、熱膨張係数がポリイミド樹脂などに比べて高いために、積層板材料としては寸法安定性という点で不十分な場合がある。また、熱膨張係数が高いということは、積層板の表面等に形成される金属回路の金属との熱膨張係数の差が大きいという弱点をも有することになる。
【0004】この問題を改善するために、熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂に熱膨張係数が小さいシリカを含有することにより積層板の熱膨張係数を低下させることが検討されているが、シリカは表面にシラノール基が多数存在するために親水性となっており、このまま疎水性である熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂に配合すると、両者の間に親和性がないため、充分な分散状態にならない。その結果、シリカを用いて樹脂付金属箔やフィルムを製造すると、該樹脂組成物中にシリカ同士の凝集体が生成し、樹脂付金属箔やフィルムの表面の平滑性が失われる他、硬化体とした場合、このシリカの凝集体を起点として樹脂クラックが生じる場合がある。特に、樹脂層の厚みが薄い場合には、配合するシリカの小径化が求められ、その比表面積が大きくなるため、益々分散が困難になるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂の優れた誘電特性と耐クラック性を損なうことなく、かつ硬化後において優れた耐薬品性、耐熱性に加え、熱膨張係数が低く、表面にシリカの凝集物のない優れた平滑性を有する樹脂付金属箔やフィルムの製造を可能とする硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述のような課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂に、化1式(1)、式(2)及び式(3)で表される構造を有するシラン化合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤で処理したシリカを配合することにより、両者の親和性を向上させ、充分な分散状態が得られることを見いだし、本発明に至った。
【0007】即ち、本発明は、1. (a)熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂、及び(b)下記式(1)、式(2)又は式(3)で表される構造を有するシラン化合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤で処理したシリカを含有し、且つ(a)成分100重量部を基準として(b)成分を10〜38000重量部含有することを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、【0008】
【化3】

【0009】2. (a)熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂、(b)下記式(1)、式(2)又は式(3)で表される構造を有するシラン化合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤で処理したシリカ、及び(c)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAおよび少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体を含有し、且つ(a)成分100重量部を基準として、(b)成分を10〜38000重量部、及び(c)成分を1〜1900重量部含有することを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、【0010】
【化4】

【0011】3. シランカップリング剤が、式(1)で表される構造を有するシラン化合物であることを特徴とする上記1又は2の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、4. 上記1、2又は3の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物及び基材からなる硬化性複合材料、5. 上記4の硬化性複合材料を硬化してなる硬化複合材料、6. 上記1、2又は3の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる硬化性フィルム、7. 上記6の硬化性フィルムを硬化してなる硬化フィルム、8. 上記6の硬化性フィルムと金属箔とからなる硬化性積層体、9. 上記8の硬化性積層体を硬化してなる硬化積層体、10.上記4の硬化性複合材料及び/又は上記6の硬化性フィルム及び/又は上記8の硬化性積層体からなる硬化性複合体、11.上記10の硬化性複合体を硬化してなる硬化複合体、である。
【0012】以下に、本発明について詳細に説明する。本発明に用いられる熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂は、ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性物も含む)を成分として含有する。ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性物も含む)の含有量は、熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部を基準として、40〜98重量部であり、好ましくは、43〜90重量部である。
【0013】上記のポリフェニレンエーテル系樹脂の好ましい例としては、2,6−ジメチルフェノールの単独重合で得られるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)のスチレングラフト重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2−メチル−6−フェニルフェノールの共重合体、2,6−ジメチルフェノールを多官能フェノール化合物の存在下で重合して得られた多官能性ポリフェニレンエーテル樹脂、例えば特開昭63−301222号公報、特開平1−297428号公報に開示されているような一般式(A)および(B)の単位を含む共重合体等が挙げられる。
【0014】また、本発明でいうポリフェニレンエーテル系樹脂には、変性物も含まれるが、このような変性物の好ましい例としては、不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂(特開昭64−69628号、特開平1−113425号、特開平1−113426号公報を参照)、ならびにポリフェニレンエーテル樹脂と不飽和カルボン酸および/または酸無水物との反応生成物等が挙げられる。本発明において用いられるポリフェニレンエーテル系樹脂の分子量については、30℃、0.5gr/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが0.1〜1.0の範囲にあるものが良好に使用できる。好ましくは、0.2〜0.9の範囲である。
【0015】次に、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂以外に配合される樹脂としては、本発明の目的を損なわないものであればどのようなものでもよい。このような樹脂としては、具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、多官能性アクリロイル化合物、多官能性メタクリロイル化合物、多官能性マレイミド、多官能性シアン酸エステル、多官能性イソシアネート、不飽和ポリエステル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン・スチレン−ブタジエン−スチレン等の架橋性ポリマー、種々の熱可塑性樹脂、種々の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらのものは一般に複合材料、樹脂付金属箔及び/又はフィルムを積層成形して作製された基板の物性を向上させる目的で配合される。
【0016】本発明に用いられる熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂の好ましい例としては、ポリフェニレンエーテル並びにトリアリルイソシアヌレート及び/又はトリアリルシアヌレート、ポリフェニレンエーテル及びエポキシ樹脂、不飽和基を含むポリフェニレンエーテル並びにトリアリルイソシアヌレート及び/又はトリアリルシアヌレート、不飽和基を含むポリフェニレンエーテル並びにトリアリルイソシアヌレート及び/又はトリアリルシアヌレートとエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂と不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物との反応生成物並びにトリアリルイソシアヌレート及び/又はトリアリルシアヌレート、ポリフェニレンエーテル樹脂と不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物との反応生成物並びにエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂と不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物との反応生成物並びにトリアリルイソシアヌレート及び/又はトリアリルシアヌレートとエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの系における各成分の配合量は、目的に応じて選択される。
【0017】本発明の(b)成分として用いられるシリカは、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の硬化体に寸法安定性を付与する目的で配合されるが、化学的には二酸化ケイ素(SiO2)である未処理のシリカの親水性を低下させるために、下記式(1)、式(2)又は式(3)で表される構造を有するシラン化合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤で処理したものである。
【0018】即ち、未処理のシリカをシランカップリング剤で処理し、シリカ表面のシラノール基を、下記式(1)、式(2)又は式(3)で表される疎水性を有する基で置換することにより、その親水性を低下させる。その結果、疎水性である熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂との親和性が向上して、両者の間に良好な分散状態が形成される。このように下記式(1)、式(2)又は式(3)で表される構造を有するシラン化合物から選ばれるシランカップリング剤で処理したシリカは、熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂に良く分散することから、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いて作成された樹脂付金属箔やフィルムは、シリカの凝集体のない平滑な表面を有する。更に、硬化体とした場合、このシリカの凝集体を起点とした樹脂クラックの発生を回避することもできる。
【0019】
【化5】

【0020】上記式(1)、式(2)又は式(3)で表される構造を有するシラン化合物が、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基を有していると、これらが未処理のシリカ表面のシラノール基と反応して、上記式(1)、式(2)又は式(3)で表される構造を有する基と置換しやすく、好ましい。このようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
【0021】また、上記式(1)、式(2)及び式(3)で表される構造を有するシランカップリング剤の中で、式(1)の構造を有するシランカップリング剤が、未処理のシリカのシラノール基を式(1)で表される構造を有する基で置換すると、未処理のシリカの親水性の低下が大きく、熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂中に特に良好に分散することから、好ましい。本発明で用いられる特に好ましいシランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0022】また、このシランカップリング剤処理は、このシリカと樹脂との界面における接着性を改善する目的もある。シランカップリング剤の処理量は特に限定するものではなく、未処理のシリカの比表面積にもよるが、未処理のシリカに対して0.1〜5wt.%であることが好ましい。この処理量が0.1wt.%より少ないと、充分な分散性が得られず、5wt.%より多いと、却ってシリカ同士の凝集が起こるようになり好ましくない。処理量のより好ましい範囲は、0.3〜2wt.%である。
【0023】このシリカの形状については、球状であっても破砕型であっても、これらを混合したものであってもよく、特に限定はしない。また、その平均粒径についても、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物により形成される硬化体の厚み以下であれば特に限定はしないが、0.1〜3μmであることが好ましい。本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物において好ましく用いられる成分(c)の水添ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られるものであり、例えば、下記化6に示されるブロック構造等を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加されたものである。この水添ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を5〜85重量%、好ましくは、10〜70重量%含むものである。
【0024】
【化6】

【0025】さらにブロック構造について言及すると、水素添加された、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAが、ビニル芳香族化合物のみからなる重合体ブロックまたはビニル芳香族化合物を50重量%を越え、好ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族化合物と水素添加された共役ジエン化合物との共重合体ブロックの構造を有しており、そしてさらに、水素添加された、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBが、水素添加された共役ジエン化合物のみからなる重合体ブロック、または水素添加された共役ジエン化合物を50重量%を越え、好ましくは70重量%以上含有する水素添加された共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロックの構造を有するものである。
【0026】また、これらの水素添加された、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA、水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の水素添加された共役ジエン化合物またはビニル芳香族化合物の分布が、ランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の組み合わせで成っていてもよく、該ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックおよび該水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
【0027】水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第三ブチルスチレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、水素添加された共役ジエン化合物を構成する水素添加前の共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
【0028】また、上記の構造を有する本発明で好ましく用いられる水添ブロック共重合体の数平均分子量は特に限定されないが、数平均分子量は5000〜1000000、好ましくは10000〜500000、さらに好ましくは30000〜300000の範囲で用いることができる。さらに水添ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。
【0029】これらのブロック共重合体の製造法としては上記した構造を有するものであればどのような製造法であってもかまわない。例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成し、次いで、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭59−133203号公報および特公昭60−79005号公報に記載された方法等により、特に好ましくは特公昭59−133203号公報および特公昭60−79005号公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加することで、本発明に供する水添ブロック共重合体を合成することができる。
【0030】その際、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合は少なくとも80重量%を水素添加せしめ、共役ジエン化合物を主体とする共重合体ブロックを形態的にオレフィン性化合物重合体ブロックに変換させることができる。また、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAおよび必要に応じて、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBに共重合されているビニル芳香族化合物に基づく芳香族二重結合の水素添加率については特に限定しないが、水素添加率を20重量%以下にするのが好ましい。(b)成分の配合割合は、(a)成分100重量部を基準として10〜38000重量部、好ましくは20〜10000重量部、より好ましくは40〜1000重量部である。(b)成分が10重量部未満のときは、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の熱膨張特性の改善が不充分であり好ましくない。また、38000重量部を越えると樹脂組成物の流動性がなくなり、金属箔との積層体を形成したときの金属箔との密着性が低下するので好ましくない。
【0031】本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物において好ましく用いられる(c)成分の配合割合は、(a)成分100重量部を基準として1〜1900重量部であり、好ましくは1〜1000重量部、より好ましくは1〜500重量部である。(c)成分の配合割合が(a)成分100重量部を基準として1〜1900重量部の範囲であると、硬化物の強靱性の改善が十分であり、樹脂組成物の流動性も満足するものである。
【0032】上記(a)成分と(b)成分を混合する方法としては、2成分を溶媒中に均一に溶解/分散させる溶液混合法を採るが、(b)成分の分散性を更に向上させるために、プラネタリー方式、ボールミル乃至ビーズミル方式、三本ロールミル方式等の分散機を利用することが好ましい。溶液混合法で用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、さらにはTHF等が挙げられるが、これらは単独もしくは混合して使用できる。(a)、(b)および(c)成分の、3成分の場合も、同様な方法で混合できる。
【0033】本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、後述するように加熱等の手段により架橋反応を起こして硬化するが、その際の反応温度を低くしたり不飽和基の架橋反応を促進する目的でラジカル開始剤を含有させて使用してもよい。本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に用いられるラジカル開始剤の量は、(a)成分100重量部を基準として0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部である。
【0034】ラジカル開始剤の代表的な例を挙げると、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。
【0035】本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、その用途に応じて所望の性能を付与させる目的で本来の性能を損なわない範囲の量の充填材や添加剤を配合して用いることができる。充填材は繊維状であっても粉末状であってもよく、カーボンブラック、アルミナ、タルク、雲母、ガラスビーズ、ガラス中空球等を挙げることができる。添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤等が挙げられる。また、難燃性の一層の向上を図る目的で塩素系、臭素系、リン系の難燃剤やSb23、NbSbO3・1/4H2O等の難燃助剤を併用することもできる。
【0036】本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物及び基材からなる硬化性複合材料の硬化体、該樹脂組成物からなる硬化性フィルムの硬化体、該樹脂組成物からなる硬化性フィルムと金属箔とからなる硬化性積層体の硬化体は、以上に述べた組成物を硬化することにより得られるものである。硬化の方法は任意であり、熱、光、電子線等による方法を採用することができる。加熱により硬化を行う場合は、ラジカル開始剤の種類によっても異なるが、80〜300℃、より好ましくは120〜250℃の範囲で選ばれる。また、硬化時間は1分〜10時間、より好ましくは1分〜5時間である。
【0037】次に、本発明の硬化性複合材料及びその硬化体について説明する。本発明の硬化性複合材料は、(a)熱硬化型ポリフェニレンエーテル系樹脂、(b)下記式(1)、式(2)又は式(3)で表される構造を有するシラン化合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤で処理したシリカ、(d)基材、および/または(c)水添ブロック共重合体とからなる。
【0038】
【化7】

【0039】(d)成分の基材としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェンシングマットなどの各種ガラス布、アスベスト布、金属繊維布およびその他合成もしくは天然の無機繊維布;ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリベンザゾール繊維等の液晶繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維などの合成繊維から得られる織布または不織布;綿布、麻布、フェルトなどの天然繊維;カーボン繊維布;クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混繊紙等のセルロース系の天然セルロース系布などがそれぞれ単独で、あるいは2種以上併せて用いられる。
【0040】本発明の硬化性複合材料における(d)成分の割合は、(c)成分を用いない場合は(a)成分と(b)成分の和100重量部を基準とし、(c)成分を用いる場合は(a)成分、(b)成分および(c)成分の和100重量部を基準として、5〜90重量部、より好ましくは、20〜70重量部である。(d)成分が5重量部より少なくなると硬化性複合材料の硬化後の寸法安定性や強度が不十分であり、また基材が90重量部より多くなると硬化性複合材料の硬化体の誘電特性が劣り好ましくない。
【0041】本発明の硬化性複合材料には、必要に応じて樹脂組成物層と基材の界面における接着性を改善する目的でカップリング剤を用いることができる。このカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等の通常用いられるものが使用できる。本発明の硬化性複合材料を製造する方法としては、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を溶媒に均一に溶解/分散させ、基材に含浸させた後乾燥する方法が挙げられる。ここで用いられる溶媒としては、前述の本発明の樹脂組成物製造に際して用いられる芳香族炭化水素系溶媒およびハロゲン系溶媒の他に、ケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、これらは単独もしくは混合して用いられる。
【0042】含浸は浸漬(ディッピング)、塗布等によって行われる。含浸は必要に応じて複数回繰り返すことも可能であり、またこの際、組成や濃度の異なる複数の溶液を用いて含浸を繰り返すことも可能であり、組成や濃度の異なる複数の溶液を用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする樹脂組成および樹脂量に調整することも可能である。
【0043】本発明の硬化性複合材料の硬化体は、このようにして得た硬化性複合材料を加熱等の方法により硬化することによって得られるものである。その製造方法は特に限定されるものではなく、例えば硬化性複合材料を複数枚重ね合わせ、加熱加圧下に各層間を接着せしめると同時に熱硬化を行い、所望の厚みの硬化体を得ることができる。また、一度接着硬化させた硬化体と硬化体を組み合わせて新たな層構造の硬化体を得ることも可能である。
【0044】積層成形と硬化は、通常熱プレス等を用い同時に行われるが、両者をそれぞれ単独で行ってもよい。すなわち、あらかじめ積層成形して得た未硬化体あるいは、半硬化の硬化性複合材料を熱処理または、別の方法で処理することによって硬化させることもできる。積層成形および硬化は、温度80〜300℃、圧力0.1〜500kg/cm2、時間1分〜10時間の範囲、より好ましくは、温度150〜250℃、圧力1〜100kg/cm2、時間1分〜5時間の範囲で行うことができる。
【0045】次に、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のフィルムが金属箔の表面に形成された樹脂付金属箔である硬化性積層体の製造法について述べる。硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のフィルムを形成する方法としては、どのような手段によってもよいが、好ましい方法としては例えば、該樹脂組成物を溶媒に溶解/分散させたワニスを金属箔に塗布した後、乾燥させる方法が挙げられる。溶媒は樹脂組成物の選択に応じて適したものが選ばれる。
【0046】硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のワニスの調製に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、さらにはTHF等が挙げられるが、これらは単独もしくは混合して使用できる。硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物と溶媒とからなるワニスを塗布する方法としては、エアードコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、リバースコータ、キャストコータなどの装置を用いる方法が挙げられる。塗布膜を乾燥する方法としては、熱風乾燥、ロール加熱乾燥、赤外線乾燥、遠赤外線乾燥等の装置を用いる方法が挙げられ、実施にあたってはこれらの装置を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】本発明の金属箔としてはどのようなものも用いることができるが、例えば銅箔、アルミ箔、錫箔、金箔などが挙げられる。容易に入手できかつエッチングできることから銅箔、アルミ箔が好ましく、銅箔は最も好ましい。金属箔の厚みは特に限定されないが、扱い易さの点から5〜200μm、より好ましくは5〜100μmの範囲である。金属箔の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のフィルムが形成される面は該樹脂との密着性を強める目的で粗面化および/またはカップリング処理されていてもよい。
【0048】配線板製造用として製造販売されている粗化処理電解銅箔は本発明の多層配線板用樹脂付銅箔の製造にそのまま用いることができる。金属箔は本発明の多層配線板の導体として主に使用されるが、放熱を目的として使用されることもある。金属箔はそれらの目的に応じても選ばれる。 硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のフィルムの厚さは特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜100μmが最も好ましい。極端に膜厚が小さいと積層ビルドアップ工法を行うことが困難になる。
【0049】本発明の硬化性フィルムは、塗布基体をPETフィルム等に変更し上記樹脂付金属箔と同様に製造した後、PETフィルムを剥離することにより得られる。本発明の硬化性複合体は、上記の複合材料、フィルム、樹脂付金属箔が任意の層構成で積層される。本発明の硬化複合体を製造する方法としては、例えば本発明の硬化性複合材料および/または本発明の硬化性フィルムおよび/または本発明の硬化性積層体を目的に応じた層構成で積層し、加熱加圧下に各層間を接着せしめると同時に熱硬化させる方法を挙げることができる。積層成形と硬化は、本発明の硬化性複合材料の硬化体の場合と同様の条件で行うことができる。
【0050】本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、硬化後において優れた耐薬品性、誘電特性、耐熱性、寸法安定性、強靱性を示し、電子産業、宇宙・航空機産業等の分野において誘電材料、絶縁材料、耐熱材料等に用いることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例を挙げて説明する。以下の実施例には、各成分として次のようなものを用いた。
<変性ポリフェニレンエーテル樹脂>30℃、0.5gr/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが0.40のポリ(2,6−ジメチル−1,4−ジフェニレンエーテル)100重量部と、無水マレイン酸1.5重量部を室温でドライブレンドした後、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数230rpmの条件で二軸押出機により押し出した。30℃、0.5gr/dlのクロロホルム溶液で測定した反応生成物の粘度数ηsp/cは0.43であった。
<重合開始剤>2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(日本油脂(株)製 パーヘキシン25B)
<シリカ>・球状シリカ(平均粒径:0.9μm;(株)アドマテックス製 アドマファインSO−C3)を原料にして、シランカップリング剤であるγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM503)で処理(処理量0.8wt.%)したもの(この表面処理したシリカをAとする。)。
・球状シリカ(平均粒径:0.5μm;(株)アドマテックス製 アドマファインSO−C2)を原料にして、シランカップリング剤であるγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM503)で処理(処理量0.8wt.%)したもの(この表面処理したシリカをBとする。)。
・球状シリカ(平均粒径:0.9μm;(株)アドマテックス製 アドマファインSO−C3)を原料にして、シランカップリング剤であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM403)で処理(処理量0.8wt.%)したもの(この表面処理したシリカをCとする。)。
・球状シリカ(平均粒径:0.9μm;(株)アドマテックス製 アドマファインSO−C3)を原料にして、シランカップリング剤であるビニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株) KBM1003)で処理(処理量0.8wt.%)したもの(この表面処理したシリカをDとする。)。
・球状シリカ(平均粒径:0.9μm;(株)アドマテックス製 アドマファインSO−C3)を原料にして、シランカップリング剤であるN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM573)で処理(処理量0.8wt.%)したもの(この表面処理したシリカをEとする。)。
・球状シリカ(平均粒径:0.9μm;(株)アドマテックス製 アドマファインSO−C3)を原料にして、シランカップリング剤であるγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM803)で処理(処理量0.8wt.%)したもの(この表面処理したシリカをFとする。)。
<水添ブロック共重合体>水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成工業(株)製タフテック H1041)
<難燃剤>臭素系難燃剤(アルベマール浅野(株)製 SAYTEX 8010)
【0052】
【実施例1〜4】上記変性ポリフェニレンエーテル樹脂、トリアリルイソシアヌレート、水添ブロック共重合体を表1に示した組成割合で80℃のトルエン中に加え1時間攪拌した。これにシリカAおよびB、難燃剤を表1に示した組成割合で投入し、湿式ビーズミル(三井鉱山(株)製 SCミル)を用いて、80℃で1時間分散した。最後に重合開始剤を表1に示した組成割合で添加してワニスを作成した。その後、厚さ12μmのプリント配線板用電解銅箔の上にブレードコータにて塗布後、50℃で30分エアーオーブンで乾燥し、樹脂付銅箔を得た。得られた樹脂付銅箔の樹脂厚さは60μmで、樹脂面にシリカの凝集体は見られず優れた平滑性を有していた。
【0053】得られた樹脂付銅箔を真空プレス成型機にて積層硬化して約120μm厚みの硬化体を作製した。硬化条件は、3℃/分で昇温させ、200℃で1時間保持した。圧力は30kg/cm2とした。この硬化体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、シリカの凝集体は見られず、良好な分散状態を示していた。上記のようにして得られた硬化体の諸物性を以下の方法で測定した。
1.耐塩化メチレン性: 銅箔を除去した硬化体を60mm角に切り出し、塩化メチレン中で5分間煮熱し、外観の変化を目視により観察した。
2.誘電率、誘電正接: 1MHzで測定を行った。測定装置は、インピーダンスアナライザー 4192ALF(横河・ヒューレット・パッカード(株)製)を用いた。
3.はんだ耐熱性: 銅箔を除去した硬化体を60mm角に切り出し、260℃のはんだ浴中に120秒間浮かべ、外観の変化を目視により観察した。
4.ガラス転移温度及び熱膨張率: 銅箔を除去した硬化体から切り出した試料をTMA法にて測定した。更に、12μmの銅箔を両面に張った0.6mm厚の熱硬化性ポリフェニレンエーテル両面銅張積層板に内層回路を形成し、必要な箇所に炭酸ガスレーザーで直径約100μmのめっきスルーホールを形成した基板の両面に上記樹脂付銅箔を銅箔が表面となるように積層、硬化した。この積層板の断面および表面を光学顕微鏡で観察したところ、樹脂クラックの発生は見られなかった。以上の結果を表4に示す。
【0054】
【実施例5】水添ブロック共重合体の含有量を表2に示すように換えた以外は実施例1と同様の操作を繰り返し各評価を行った。結果を表5に示す。
【0055】
【実施例6〜7】水添ブロック共重合体の含有量を表2に示すように換えた以外は実施例4と同様の操作を繰り返し各評価を行った。結果を表5に示す。
【0056】
【実施例8〜9】シリカC,Dを表3に示すようにそれぞれ単独で用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返し各評価を行った。得られた樹脂付銅箔の樹脂面に若干の白いシリカの凝集体が見られ、その硬化体の断面写真でも、若干のシリカの凝集体が確認された。しかし、積層板の断面および表面を観察したが、シリカの凝集体を起点とする樹脂クラックは見られなかった。結果を表6に示す。
【0057】
【比較例1〜2】シリカE,Fを表3に示すようにそれぞれ単独で用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返し各評価を行った。得られた樹脂付銅箔の樹脂面に白いシリカの凝集体が見られ、その硬化体の断面写真でも、シリカの凝集体が確認された。また、積層板の断面を観察すると、シリカの凝集体を起点とする樹脂クラックが見られた。結果を表6に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
【表3】

【0061】
【表4】

【0062】
【表5】

【0063】
【表6】

【0064】
【発明の効果】本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、シリカの分散性が良好で、表面にシリカの凝集体のない優れた平滑性を有する樹脂付金属箔やフィルム等を得ることができる。また、硬化後は低熱膨張率を有し、耐薬品性、耐熱性、および誘電特性に優れた材料である。これらの樹脂付金属箔やフィルム等を用いて得られる積層体においては、シリカの凝集体を起点とする樹脂クラックが発生することがない。




 

 


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