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発明の名称 精製卵黄レシチンの製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−72693(P2001−72693A)
公開日 平成13年3月21日(2001.3.21)
出願番号 特願平11−249459
出願日 平成11年9月3日(1999.9.3)
代理人 【識別番号】100068238
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 猛 (外3名)
【テーマコード(参考)】
4D006
4H050
【Fターム(参考)】
4D006 GA06 MB05 PB52 PC11 PC41 PC80 
4H050 AB10 AB12 AB20 AD19 BB11 BB14
発明者 宮田 和成 / 松本 博明
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 下記(1)(2)の操作を組み合わせて行うことを特徴とする精製卵黄レシチンの製造法:(1)レシチンがミセルを形成した状態で、限外ろ過膜(限外ろ過膜1)によりろ過処理して、レシチンミセルを膜不透過の濃縮液として回収する操作、(2)レシチンがミセルを形成していない状態で、限外ろ過膜(限外ろ過膜2)によりろ過処理して、レシチンを膜通過液として回収する操作。
【請求項2】 レシチンがミセルを形成した状態が、ヘキサン中である請求項1に記載の方法。
【請求項3】 レシチンがミセルを形成していない状態が、ヘキサンとアルコールの混合溶媒中である請求項1に記載の方法。
【請求項4】 限外ろ過膜1と限外ろ過膜2が、同一の限外ろ過膜である請求項1に記載の方法。
【請求項5】 レシチンミセル中の水分が、リン脂質100重量部に対して10〜50重量部である請求項1に記載の方法。
【請求項6】 限外ろ過膜1の分画分子量が、5000〜50000である請求項1に記載の方法。
【請求項7】 限外ろ過膜2の分画分子量が、5000〜10000である請求項1に記載の方法。
【請求項8】 アルコールが、エタノールである請求項3に記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精製卵黄レシチンを製造するにあたって、限外ろ過膜を効果的に使用することにより、医薬、食品、化粧品素材に適した精製卵黄レシチンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レシチンはその界面活性機能から、食品分野、化粧品分野、医薬品分野に利用されている。特に、リン脂質含量が90%以上に精製された精製卵黄レシチンは、乳化特性、安全性に優れていることから、脂肪輸液、リポ乳剤、人工血液など医薬品分野での利用・開発が行われている。よって、これまでにも、安価に安全性の高い精製卵黄レシチンを製造する方法に関する検討が進められてきた。卵黄レシチンとしては、割卵分離して得られた卵黄液を一旦乾燥して乾燥卵黄としたものに、例えば、アルコールを作用させてアルコール可溶性成分を抽出した後、該アルコールを除去して得られたものがよく知られている。精製卵黄レシチンを得る方法としては、こうして得られた卵黄レシチンを原料として、レシチンはアセトンに不溶であるが、中性脂質はアセトンに可溶であるとの性質を利用する方法がよく知られている(アセトン分別法)。
【0003】しかし、アセトンを使用することにより、アセトンの残留を減らすことが容易でないだけでなく、さらに、その縮合体で特有の臭いを有するメシチルオキサイドやイソホロンなどの有害物が生成することが、アセトン分別法の欠点として挙げられる。一方、アセトンを使用しない方法として、エタノール分別法が知られている。アセトン分別法と異なり各リン脂質成分のエタノールへの溶解度が大きく異なるため、リン脂質成分の分画には有効であるが、レシチンを中性脂質から分離して精製する目的に対しては適さない。この欠点を回避する手段として、限外ろ過膜で中性脂質をろ過除去しレシチンを濃縮精製する方法(特開昭62−263192)、また、酢酸エステルにより中性脂質を可溶画分に、レシチンを不溶画分として精製する方法(特開平1−197492)が挙げられる。ただし、これらの方法も、それぞれ以下に述べる欠点を有している。
【0004】精製卵黄レシチンを注射剤の添加剤として使用する場合、発熱性試験、抗原性試験が陰性である必要がある。例えば、抗原性及び赤血球凝集能を除去する手段として、アルコール不溶分を除去する方法(特開昭62−246525)が挙げられる。この抗原性及び赤血球凝集能の原因物質は不純タンパク質であり、アルコールにより不溶性となり除去されているものと推定される。アセトンを使用しない経済的で安全性の高い精製レシチンの製造法を考察する場合、限外ろ過膜で卵黄レシチンを濃縮精製する方法では、抗原性等の原因となるタンパク等が濃縮される欠点を有する。また、酢酸エステルにより精製する方法では、抗原性及び赤血球凝集能の除去が達成されていないばかりでなく、レシチンの乾燥時に酢酸エステルが分解することによる酢酸の残留及びpHの低下が危惧される。アルコール不溶分を除去し可溶分を回収する方法では、レシチンの一部が不溶分となり回収率の点でロスが大きいのみでなく、リン脂質成分の組成が処理により変わってしまう欠点を有する。
【0005】水溶液中で抗原性の原因となるタンパク質及びエンドトキシン等の高分子物質を除去する手段として、限外ろ過膜によりろ過処理する方法が一般に実施されている。しかし、有機溶媒中でタンパク質及びエンドトキシン等の除去を目的に限外ろ過膜が使用された例はない。限外ろ過膜によりレシチンをろ過回収した例として、大豆レシチンの精製においてホスファチジルコリンに富んだレシチン画分を得る方法(特表昭59−500497)が挙げられている。しかし、この方法は、実質的にリン脂質成分の分画を目的としており、膜を通過したリン脂質画分のリン脂質組成比は、原料の組成比と著しく変化しており、原料と同等の組成比のものは得られていない。さらに、膜を通過したリン脂質画分の抗原性及び発熱性等の安全性についても明らかにされていない。したがって、これまで知られているアセトンを使用しない方法は、不純物の残存や、大きなロスが発生する等、まだ改善の余地があるといえる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、これまでに開発されたアセトンを使用しない精製技術では、溶剤の残留、リン脂質成分の組成変化、タンパク質やエンドトキシン等の高分子不純物残留の問題が残されている。本発明は、アセトンを使用せず、妥当なコストで、安全性の高い、精製卵黄レシチンを得るための製造法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目的に即して鋭意検討を重ねた結果、レシチンがミセルを形成した状態では、レシチンが限外ろ過膜に不通過となり、膜を通過する中性脂質と分離され、リン脂質純度が向上すること、また、レシチンがミセルを形成していない状態では、レシチンが限外ろ過膜を通過し、さらに、この膜を通過したレシチンからエンドトキシン、高分子の抗原性タンパク質が除去されていることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、精製卵黄レシチンの製造法において、以下の操作を組み合わせて行う方法である。
(1)レシチンがミセルを形成した状態で、限外ろ過膜(限外ろ過膜膜1)によりろ過処理して、レシチンミセルを膜不透過の濃縮液として回収する操作、(2)レシチンがミセルを形成していない状態で、限外ろ過膜(限外ろ過膜2)によりろ過処理して、レシチンを膜通過液として回収する操作。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の出発原料は、卵黄から抽出されたレシチンであり、特にその取得方法は限定されない。レシチンの取得方法としては、例えば、生卵黄から液体ジメチルエーテルを用いて抽出処理することで30〜85%リン脂質含量のレシチンを得る方法(特開昭53−12898)、また、乾燥卵黄から含水エタノールで抽出処理することで30〜85%リン脂質含量のレシチンを得る方法(特開昭54−61200)が挙げられる。生卵黄から液体ジメチルエーテルを用いて抽出した場合、中性脂質中にレシチンは含水ミセルを形成しており、そのまま次工程を実施できる。レシチンが水分をほとんど含んでいない場合、水を添加してミセルを形成する必要がある。この時の水の添加量は、レシチン100重量部に対して10〜50重量部で十分である。さらに、均一なミセルを形成するために、ホモジナイザー等の高撹拌で混合分散できる装置で処理する。また、リン脂質含量が50%以下のレシチンのミセルに対しては、リン脂質成分が凝集しているので遠心分離等の分離処理をすれば、リン脂質含量を50%以上にでき、次工程での処理が効率的になる。
【0009】レシチンのミセルを、ミセルを破壊しない溶媒に分散し、限外ろ過膜を用いてろ過処理することにより、中性脂質がろ過除去され、中性脂質の除去されたレシチンミセルを濃縮回収できる。限外ろ過の処理方法としては、定容ろ過でもバッチろ過でもかまわない。医薬用途として必要なレシチン純度90%以上を得るためには、5倍以上に濃縮する必要がある。好ましくは5〜10倍の範囲に濃縮することが、経済的に選択される。より具体的には、レシチン1重量部に対して20〜100倍量の溶媒を用いて、2〜10倍量になるまで濃縮する。また、このレシチンミセル溶液を限外ろ過膜でろ過処理する前に、レシチン中の水溶性不純物を除去する目的で、水とアルコールにより洗浄しておくことも可能である。
【0010】濃縮回収されたレシチンミセル溶液を濃縮して溶媒を除去した後、ミセルを形成しない溶媒に溶解し、再度限外ろ過膜でろ過処理することにより、リン脂質組成を変化させることなく、レシチンを膜通過液として得られる。ミセルを形成しない溶媒とは、例えば、ヘキサンとアルコールの混合液が挙げられる。ヘキサンとアルコールの混合比は、95:5〜50:50が良い。アルコールが多いとアルコール不溶性のリン脂質成分が析出し、レシチンの回収率を低減するのみでなく、リン脂質組成に変化を生じることになる。レシチンを溶解する溶媒量は、レシチン1重量部に対して1.5倍以上であれば、限外ろ過膜でろ過処理するのに粘度の問題もなく、実施できる。また、濃縮回収されたレシチンミセル溶液の溶媒がヘキサンのようにアルコールの添加によりミセルが破壊される場合は、濃縮して溶媒除去を実施する必要はない。すなわち、濃縮回収されたレシチンミセルの溶液にアルコールを添加してミセルを破壊し、再度限外ろ過膜でろ過処理することにより、リン脂質組成を変化させることなく、レシチンを膜通過液として得られる。アルコールの添加量は、ミセルを破壊するのに十分な量、溶液量に対して5〜50%である。
【0011】こうして得られたレシチン溶液から、エバポレータ等の濃縮機や凍結真空乾燥機、噴霧乾燥機等を用いて溶媒を除去することにより、精製卵黄レシチンが得られる。また、上記で説明した操作とは逆に、レシチンがミセルを形成していない状態で、限外ろ過膜による処理を先に実施する方法も選択できる。すなわち、卵黄より抽出されたレシチンを、ミセルを形成しない溶媒に溶解し、限外ろ過膜を用いてろ過処理することにより、レシチンが膜を通過し、エンドトキシン、抗原性タンパク等の高分子物質が除去されたレシチンが得られる。ミセルを形成しない溶媒とは、例えば、ヘキサンとアルコールの混合液が挙げられる。ヘキサンとアルコールの混合比は、95:5〜50:50が良い。アルコールが多いとアルコール不溶性のリン脂質成分が析出し、レシチンの回収率を低減するのみでなく、リン脂質組成に変化を生じることになる。レシチンを溶解する溶媒量は、レシチン1重量部に対して1.5倍以上であれば、限外ろ過膜でろ過処理するのに粘度の問題もなく、実施できる。
【0012】引き続き、膜を通過したレシチン溶液を濃縮乾固して溶媒を除去した後、水を添加してミセルを形成する。この時の水の添加量は、レシチン100重量部に対して10〜50重量部で十分である。さらに、均一なミセルを形成するために、ホモジナイザー等の高撹拌で混合分散できる装置で処理する。また、リン脂質含量が50%以下のレシチンのミセルに対しては、リン脂質成分が凝集しているので遠心分離等の分離処理をすれば、リン脂質含量を50%以上にでき、限外ろ過膜による処理が効率的になる。また、膜を通過したレシチン溶液が、ヘキサンとアルコールの混合液のように、水を添加して水層とレシチン層に分離する場合は、水を添加して、ホモミキサー等の高撹拌の装置でレシチンミセルを形成した後、水−アルコール層を分別し、レシチンミセルの溶液を得る。得られたレシチンミセルの溶液を限外ろ過膜でろ過処理することにより、中性脂質が膜を通過し、中性脂質の除去されたレシチンミセルを濃縮回収できる。限外ろ過の処理方法としては、定容ろ過でもバッチろ過でもかまわない。医薬用途として必要なレシチン純度90%以上を得るためには、5倍以上に濃縮する必要がある。好ましくは5〜10倍の範囲に濃縮することが、経済的に選択される。より具体的には、レシチン1重量部に対して20〜100倍量の溶液量になるようミセルを破壊しない溶媒を添加して、2〜10倍量になるまで濃縮する。
【0013】こうして得られたレシチン溶液から、エバポレータ等の濃縮機や凍結真空乾燥機、噴霧乾燥機等を用いて溶媒を除去することにより、精製卵黄レシチンが得られる。上記で説明した2種類の順序により得られた精製卵黄レシチンは、共に医薬品添加物として使用可能な以下の品質を有する。リン含量3.5〜4.4%、窒素含量1.4〜2.0%、酸価25以下、ホスファチジルコリン(PC)60%以上、ホスファチジルエタノールアミン(PE)10%以上、発熱性試験陰性、抗原性試験陰性。
【0014】プロセス的に好ましくは、先にレシチンミセルを濃縮し、次にレシチンを膜通過液として回収する順序が選択される。この順序を選択した場合、濃縮−ろ過を同一の限外ろ過膜及び装置で実施できるため、設備が単一となりコンパクトになる。このため設備費、設備管理の点で有利であるだけでなく、レシチンの配管付着ロス等も減少するため、回収率の点からも経済的であるといえる。また、医薬品製造を考えた場合、外部からの異物汚染は最も警戒される問題であり、ろ過工程はできるだけ、後工程になるよう実施した方が効果的である。
【0015】使用される限外ろ過膜は、有機溶媒耐性のものならば特に限定されない。分画分子量としては、限外ろ過膜として一般的な3000〜100000のものが使用できるが、分画分子量が小さいものはろ過処理に時間がかかり、分画分子量の大きなものはレシチンミセルのロスがあり、また、高分子タンパク質、エンドトキシンの除去に適さない。したがって、好ましくはレシチンミセルの濃縮液を得るためには(限外ろ過膜1)、分画分子量5000〜50000のものが選択される。高分子の不純物が除去されたレシチンの膜通過液を得るためには(限外ろ過膜2)、分画分子量5000〜10000のものが選択される。また、同一の限外ろ過膜を使用してろ過処理する場合は、分画分子量5000〜10000のものが適している。限外ろ過膜の素材としては、例えば、ポリスルフォン、ポリエーテルサルホン、ポリアクリルニトリル、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セラミックが挙げられる。膜の形式としては、中空糸モジュール型、平板型モジュール型、平膜型のものが挙げられるが、ろ過速度の点からモジュール型が選択される。装置としては、例えば、旭化成工業(株)製のSIP−1013、SIP−3013(中空糸モジュール、膜素材:ポリスルフォン、分画分子量:6000)がある。
【0016】使用されるミセルを破壊しない溶媒としては、限外ろ過膜に影響せず、膜を通過する溶媒であれば特に限定されない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロペンタン、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン等の炭化水素類、酢酸エチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族エステル類、その他ジメチルエーテル、エチルエーテル等のエーテル類等、また、これらの混合液が挙げられる。特に、溶剤自体の安定性や人体への安全性の点から、一般に油脂の製造に使用されるヘキサンが好ましい。使用されるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。特に、人体への安全性の点から、食品としても使用されるエタノールが好ましい。すなわち、本発明は、精製手段として唯一限外ろ過膜を使用し、レシチンの中性脂質からの分離と高分子不純物の除去を実施することで、安全性の高い、高品質の精製卵黄レシチンを経済的に製造する方法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、実施例によりさらに詳しく本発明を説明するが、これら実施例は何ら本発明を限定するものではない。
【実施例1】レシチン(旭化成工業(株)製、リン脂質含量80%)100gに水20gを加え、ホモジナイザーで均一に分散後、ヘキサン7Lを加え均一に分散させた。このヘキサン溶液を旭化成工業(株)製限外ろ過膜SIP−1013(分画分子量6000)で1Lまで濃縮した。この濃縮液にエタノール100mLを添加し、再度同じ膜で処理した。ろ液を回収し、エバポレータで濃縮乾固し、さらに凍結真空乾燥機で24時間乾燥し、表1の品質を有する精製卵黄レシチン75gを得た。
【0018】
【実施例2】乾燥卵黄400gにエタノール(水分5%)4Lを加え抽出、不溶物を分離後、得られた抽出ろ液をエバポレータで濃縮し、リン脂質含量60%のレシチン120gを得た。得られたレシチン120gに水20gを加え、ホモジナイザーで均一に分散後、ヘキサン10Lを加え均一に分散させた。このヘキサン溶液を旭化成工業(株)製限外ろ過膜SIP−1013(分画分子量6000)で1Lまで濃縮した。この濃縮液にエタノール100mLを添加し、再度同じ膜で処理した。ろ液を回収し、エバポレータで濃縮乾固し、さらに凍結真空乾燥機で24時間乾燥し、表1の品質を有する卵黄レシチン67gを得た。
【0019】
【実施例3】高圧ガス容器にて、生卵黄(水分50%)800gにジメチルエーテル4.5Lを加え抽出、不溶物を分離後、得られた抽出ろ液を水分7%までエバポレータで濃縮し、抽出物290gを得た。さらに遠心分離によりリン脂質含量66%、水分17%の含水レシチン120gを得た。得られた含水レシチンにヘキサン7Lを加え均一に分散させた。このヘキサン溶液を旭化成工業(株)製限外ろ過膜SIP−1013(分画分子量6000)で1Lまで濃縮した。この濃縮液にエタノール100mLを添加し、再度同じ膜で処理した。ろ液を回収し、エバポレータで濃縮乾固し、さらに凍結真空乾燥機で24時間乾燥し、表1の品質を有する精製卵黄レシチン72gを得た。
【0020】
【実施例4】レシチン(旭化成工業(株)製、リン脂質含量80%)100gをヘキサン200mL、エタノール20mLの混合溶液に溶解し、旭化成工業(株)製ペンシル型モジュール(分画分子量6000)でろ過した。得られたろ過液に水40mLを加えホモミキサーで撹拌混合した後、静置分離し、下層の水−アルコール層を除去した。レシチン溶液に水20mLを加え、ホモジナイザーで均一に分散後、ヘキサン6.8Lを加え均一に分散させた。この溶液を旭化成工業(株)製限外ろ過膜SIP−1013(分画分子量6000)で1Lまで濃縮した。得られた濃縮液を、エバポレータで濃縮乾固し、さらに凍結真空乾燥機で24時間乾燥し、表1の品質を有する精製卵黄レシチン69gを得た。
【0021】
【比較例】常法であるアセトンによる晶析法にてレシチンの精製を実施した。すなわち、レシチン(旭化成工業(株)製、リン脂質含量80%)100gにヘキサン1L及びエタノール100mLを加え溶解した。このヘキサン溶液を旭化成工業(株)製限外ろ過膜SIP−1013(分画分子量6000)で処理し、ろ液を回収した。得られたろ液をエバポレータで200mLまで濃縮し、アセトン1Lを加えレシチンを沈澱させた。この沈澱を回収し、再度ヘキサン200mLに溶解し、アセトン1Lを加えレシチンを沈澱させ、得られた沈澱物を凍結真空乾燥機で24時間乾燥した。この結果、表1の品質を有する精製卵黄レシチン78gを得た。表1に示されるように、実施例で取得された精製卵黄レシチンは、比較例で取得された医薬用に共される精製卵黄レシチンと同等の品質のものが得られている。さらに、実施例で取得された精製レシチンは、アセトンを使用していないため、アセトン縮合体による特異臭の問題も発生しない。
【0022】
【表1】

【0023】
【発明の効果】本発明は、アセトンを使用しない経済的で安全性の高い精製卵黄レシチンの製造法を提供する。本発明により得られる精製卵黄レシチンは、アセトンを使用しないためアセトンの残留がなく、アセトン縮合体による異臭の恐れも全くない。また、精製手段として限外ろ過膜を使用するのみであるため、設備コスト、メインテナンスコストが安価であり、経済的なプロセスを開発するに至った。




 

 


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