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発明の名称 ノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−164000(P2001−164000A)
公開日 平成13年6月19日(2001.6.19)
出願番号 特願平11−350343
出願日 平成11年12月9日(1999.12.9)
代理人
発明者 石丸 維敏
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 溶液キャスト法によるノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法において、乾燥工程の最後に、フィルム変形開始温度以上であって変形開始温度+100℃以下の温度範囲に設定された乾燥炉内において、得られたフィルムを平均フィルム厚の95〜100%にクリアランスが設定された一対のニップロール間を通すことを特徴とするノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶液キャスト法によるノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法に関する。さらに詳しくは、反射型液晶表示装置の位相差フィルムとして好適に使用することが出来る光学用透明ノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年開発された反射型液晶表示装置においては、これに用いられる液晶の波長分散との兼ね合いから、波長分散の低い材料による位相差フィルムが求められている。
【0003】ノルボルネン系樹脂は、ポリカーボネートやポリサルフォン等のエンジニアリングプラスチックやトリアセチルセルロースに比べて、応力を加えた際の複屈折が小さく、また屈折率の波長分散特性が小さいという特徴を有しているため、反射型液晶表示装置に好適な光学フィルム材料として注目されている。
【0004】ノルボルネン系樹脂フィルムは溶液キャスト法によって製膜できることが特開平4−361230号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶液キャスト法により製造したノルボルネン系樹脂フィルムを縦一軸延伸して位相差フィルムを製造すると、フィルムの微小な凹凸あるいは延伸方向の平行なスジが延伸後のフィルムにおいて位相差ムラを引き起こすという問題があった。
【0006】本発明者は上述の課題を解決するために鋭意研究した結果、ノルボルネン系樹脂キャストフィルムの微小な凹凸あるいは延伸方向の平行なスジが延伸時に助長され、位相差ムラを引き起こし、この現象は特定条件下においてニップロール間にキャストフィルムを通すと見事に解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明の目的は、位相差フィルムとして使用した場合に位相差の局所的な変化を防止することが出来る光学用透明ノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、溶液キャスト法によるノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法において、乾燥工程の最後に、フィルム変形開始温度以上であって変形開始温度+100℃以下の温度範囲に設定された乾燥炉内において、得られたフィルムを平均フィルム厚の95〜100%にクリアランスが設定された一対のニップロール間を通すことを特徴とするノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述する。
【0010】本発明は、透明ノルボルネン系樹脂位相差フィルムに発生する位相差ムラを厚み精度を向上させることにより防止するものである。キャストフィルムの厚み精度は製膜に依存するところが大きいが、これは溶液の粘度とコーターの相性やあるいは乾燥条件、流延基材等の様々な条件が絡んでいる。これらの条件を詰めることで膜厚精度を高めることも可能であるが、本発明ではより簡便に厚み精度を高めて位相差ムラの発生を防止できる点で優れている。
【0011】本発明において、ノルボルネン系樹脂フィルムは溶液キャスト法によって製膜され、溶液調整に用いる溶剤、溶液キャスト法については従来の公知の手段をそのまま用いることができる。
【0012】溶液キャスト法において、樹脂溶液に用いるノルボルネン系樹脂は熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂であり、例えば、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報などに開示されている公知の樹脂であり、従来公知の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を好適に使用することが出来る。
【0013】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を構成するモノマーを例示すると、例えば、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−エチリデン−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4−ジメタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2.3−シクロペンタジエノナフタレン、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン等が挙げられる。
【0014】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂は、例えば、(イ)ノルボルネン系モノマーの開環重合体若しくは開環共重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加の如き変性を行った後に、水素添加した樹脂、(ロ)ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹脂、(ハ)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加重合させた樹脂、(ニ)ノルボルネン系モノマーとシクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエンなどの環状オレフィン系モノマーと付加重合させた樹脂、これらの樹脂の変性物等が挙げられる。
【0015】上記重合は、例えば、重合媒体としてIr、Os、Ruの三塩化物の含水塩、MoCl5、WCl6、ReCl5、(C253Al、(C253Al/TiCl4、(π−C474Mo/TiCl4、(π−C474W/TiCl4、(π−C353Cr/WCl6等を用いて、常法により行うことができる。
【0016】上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン社より商品名「ZEONOR」、「ZEONEX」、ジェイエスアール社より商品名「ARTON」、三井石油化学社より商品名「APEL]として上市されている。
【0017】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の数平均分子量は、小さくなると耐湿性が低下し透湿度が大きくなり、大きくなるとフィルム成形性が低下するので、トルエン溶媒によるゲル・パーミュエーション・クロマトグラフで測定して、2万5千〜10万が好ましく、より好ましくは3万〜8万である。
【0018】上記ノルボルネン系樹脂を溶解するための溶媒としては、沸点が100℃以上好ましくは120℃以上のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、クロロベンゼン等がある。その中でもトルエン、エチルベンゼン、クロルベンゼンが好ましい。樹脂溶液の濃度としては10〜50重量%が好ましい。
【0019】溶液キャスト法については特に限定されず、ポリカーボネート樹脂フィルムなどの光学フィルムの製造に用いられる一般的な溶液キャスト方法を用いることができ、具体的にはバーコーター、ロールコーター、ダイコーター、コンマコーターなどを用いて、支持体としてポリエチレンテレフタレートなどの耐熱材料やスチールベルト等の平板またはロール上に、樹脂溶液を流延することができる。
【0020】樹脂溶液の流延後の乾燥工程も特に制限はなく従来公知の方法を用いることが出来るが数段階に分けて行うことが好ましく、1段階の乾燥としては比較的低い温度100℃以下の温度で乾燥を行い溶剤の急激な揮発による発泡が発生しない温度で乾燥を行い、2段階以降の乾燥において高温化して乾燥を行う。
【0021】本発明においては、乾燥の最後の段階において、乾燥炉内に樹脂フィルムの変形開始温度から変形開始温度+100℃の乾燥温度となるゾーンを設け、このゾーン内でフィルムの最終厚みの95〜100%にクリアランスが調整されたニップロール間を通す。本発明において変形開始温度とはチャック間距離が50mmに設定された加熱炉付引き張り試験器で10gの一定荷重をかけ5℃/分で昇温しながら伸びを測定し伸びが1%を越えた温度である。変形開始温度はフィルムに含まれる溶剤の含有量、粘性等によって適宜調整することができる。変形開始温度から100℃を超える高温である場合、樹脂フィルムは容易に変形してしまい、幅や厚み等が設定とずれてしまう。また、ニップロールからの剥離性が悪くなり、フィルムの変形の発生や厚み精度が低下する場合がある。
【0022】ニップロール表面は樹脂との剥離性が高い表面処理がなされていることが好ましい。例えば、ハードクロームメッキやタングステンカーバイト処理などがあるが処理方法は限定されるものではなく、樹脂特性に適した処理方法を用いればよい。
【0023】ニップロールを設置する乾燥炉の加熱方法としては、温度の均一性からは熱風加熱方式が好ましいが、フィルムの変形が容易にできる温度領域での加熱となるため、風速、風向は極力フィルムの余計な変形を起こさないように設定する必要がある。例えばフィルムの走行方向に平行した風を流すカウンターフロー方式がある。あるいは、熱風加熱方式と、遠赤外線加熱または赤外線加熱方式を併用した方法を用いることができる。
【0024】上記の条件下でニップロールを通したフィルムは厚み精度が高く、延伸処理することにより、位相差ムラのない位相差フィルムとして好適に使用される。
【0025】
【実施例】次ぎに本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0026】「実施例1」日本ゼオン(株)社製ノルボルネン系樹脂「ZEONEX」を用いて、樹脂濃度が40重量%となるトルエン溶液を調整した。これをコンマコーターを用いてPETフィルム上に乾燥厚みが80μmとなるように流延した。これを100℃、120℃、140℃の3つのゾーンからなる乾燥ゾーンを通し乾燥した。このときライン速度は1m/分、各ゾーンの滞留時間は5分である。ZEONEXフィルムを25mm幅に切り出し、加熱炉付の引き張り試験器でチャック間距離を50mmにしてサンプルをセットし、10gの一定荷重をかけ、5℃/分で昇温しながら伸びが1%を越える温度(変形開始温度)を測定したところ変形開始温度は62℃であった。厚みは79μmであった。次にPETフィルムから剥離したZEONEXフィルムを、120℃、150℃の乾燥ゾーンを1m/分のライン速度で通し乾燥を行った。それぞれの乾燥ゾーンの滞留時間は25分である。150℃の乾燥ゾーンにはクリアランスを74μmに調整した一対のニップロールを設けた。75.4μm厚の光学用透明ノルボルネン系樹脂フィルムを得た。
【0027】「実施例2」JSR(株)社製ノルボルネン系樹脂「ARTON」を用いて、樹脂濃度が30重量%となるトルエン溶液を調整した。これをコンマコーターを用いてPETフィルム上に乾燥厚みが80μmとなるように流延した。これを100℃、120℃、140℃の3つのゾーンからなる乾燥ゾーンを通し乾燥した。このときライン速度は1m/分、各ゾーンの滞留時間は5分である。ARTONフィルムを25mm幅に切り出し、加熱炉付の引き張り試験器でチャック間距離を50mmにしてサンプルをセットし、10gの一定荷重をかけ、5℃/分で昇温しながら伸びが1%を越える温度(変形開始温度)を測定したところ変形開始温度は65℃であった。厚みは80μmであった。次にPETフィルムから剥離したARTONフィルムを、125℃、150℃を1m/分のライン速度で通し乾燥を行った。それぞれの乾燥ゾーンの滞留時間は25分である。150℃の乾燥ゾーンにはクリアランスを76μmに調整した一対のニップロールを設けた。76.1μm厚の光学用透明ノルボルネン系樹脂フィルムを得た。
【0028】「比較例1」ニップロールのクリアランスを全開(10mm)とした以外は実施例1と同じ操作によってフィルムを作成し、75.1μm厚の光学用透明ノルボルネン系樹脂フィルムを得た。
【0029】「比較例2」ニップロールのクリアランスを全開(10mm)とした以外は実施例2と同じ操作によってフィルムを作成し、76μm厚の光学用透明ノルボルネン系樹脂フィルムを得た。
【0030】「フィルムの評価」
(1)厚み測定フィルムの端部より1mm間隔で厚みを測定し、「表1」に示した。
【0031】
【表1】

厚みバラツキ…最大厚み−最小厚み厚みムラ…5mm離れたポイントでの厚み差の最大値【0032】(2)位相差ムラ実施例、比較例のフィルムを延伸し、位相差の均一性を評価し、「表2」に示した。
■延伸条件実施例1、比較例1:予熱ゾーン/延伸ゾーン/倍率 120℃/130℃/175%実施例2、比較例2:予熱ゾーン/延伸ゾーン/倍率 140℃/150℃/175%■位相差測定フィルム端部より1mm間隔で550nmにおけるレタデーションを測定した。
【0033】
【表2】

位相差バラツキ…最大位相差値−最小位相差値位相差ムラ…5mm離れたポイントでの位相差値の差の最大値色斑観察…一対の透過軸が平行な偏光板間に偏光板の透過軸と延伸フィルムの延伸軸とが約45度をなすように配置し、これを拡散光源上に置き観察した。このとき、スジ上の色斑が確認できなかったものは「○」、確認できるものは「×」とした。
【0034】
【発明の効果】本発明により得られるノルボルネン系樹脂フィルムは、厚みの均一性に優れ、位相差フィルムとして利用する場合に局所的な位相差の変化を減少させることが可能である。




 

 


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