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発明の名称 熱可塑性樹脂中間膜
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−163641(P2001−163641A)
公開日 平成13年6月19日(2001.6.19)
出願番号 特願平11−347675
出願日 平成11年12月7日(1999.12.7)
代理人
発明者 中嶋 稔
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 押出成形によって成形された熱可塑性樹脂シートの両面に微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成され、少なくとも片面に凹溝が形成され、該凹溝と熱可塑性樹脂シートの押出方向との角度が、25°未満であることを特徴とする熱可塑性樹脂中間膜。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂中間膜に関する。なお、本明細書において「シート」とは、厚みに基づく厳密な意味でのシートではなく、「フィルム」という比較的薄手のものも含むものとする。
【0002】
【従来の技術】ガラス板の間に、可塑化ポリビニルブチラール等の熱可塑性樹脂中間膜(以下、単に「中間膜」という)を介在させ、接着させて一体化した合わせガラスは、自動車、航空機、建築物等の窓ガラスなどに広く使用されている。
【0003】この種の合わせガラスは、通常、少なくとも2枚のガラス板の間に中間膜を挟み、これをニップロールに通して扱く所謂扱き脱気法、或いは、ゴムバックに入れて減圧吸引し、ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気する所謂減圧脱気法により予備圧着し、次いでオートクレーブ内で加熱加圧して本圧着を行うことにより製造される。
【0004】上記扱き脱気法や減圧脱気法は、中間膜を製造するにあたり、予備圧着の際に、空気の巻き込みによる気泡の発生を無くすために、脱気性が良好であることが要求される。
【0005】このような要求を満たすために、通常、中間膜の両面には微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成されている。上記凹凸の形態としては、例えば、多数の凸部とこれらの凸部に対する多数の凹部とからなる各種の凹凸模様や、多数の凸条とこれらの凸条に対する多数の凹溝とからなる各種の凹凸模様等が知られている。しかし、上記の凹凸模様は、通常ロールをサンドブラスト加工することによりランダムに設けられるため、十分な脱気が行ない難いものであった。
【0006】そこで、特公平1−32776号公報では、微細な凹凸(エンボス)の表面形状を、フィルムまたはシートと一体成形された多数の独立した突出部と、同一水準で連続した凹部とからなるように成形された中間膜が提案されている。
【0007】しかし、上記の中間膜は、保管中の耐ブロッキング性や取扱い作業性、或いは、予備圧着工程での脱気性等は相当に改善されているものの、例えば、面積の広い合わせガラスや曲率の大きい合わせガラスを製造する場合や、合わせガラス加工時の生産性を上げたい場合には、特に、予備圧着工程における脱気性の点で未だ充分に満足出来るものではないという問題点があった。
【0008】さらに、扱き脱気法により予備圧着を行う場合と、減圧脱気法により予備圧着を行う場合とでは、前者は加圧下で脱気され、後者は減圧下で脱気されるなど、予備圧着条件に大きな差があり、一方の設備しか擁していないところでは、予備圧着できない場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の問題点を解決するため、保管中や合わせガラス加工時の取扱い作業性に優れると共に、予備圧着工程における脱気性及びシール性に優れ、従って気泡の発生による品質不良が殆ど生じない高品質の合わせガラスを得るに適し、しかも、多様なユーザーの多様な加工条件に簡便且つ効率的に対応し得る合わせガラス用中間膜として好適に使用しうる熱可塑性樹脂中間膜を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の中間膜は、押出成形によって成形された熱可塑性樹脂シートの両面に微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成され、少なくとも片面に凹溝が形成され、該凹溝と熱可塑性樹脂シートの押出方向との角度が、25°未満であることを特徴とする。
【0011】本発明において用いられる熱可塑性樹脂シートに使用される樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂、可塑化塩化ビニル系樹脂等の従来から中間膜用として用いられている熱可塑性樹脂シートが挙げられ、好適に用いられる。これ等の熱可塑性樹脂は、接着性、耐候性、耐貫通性、透明性等の中間膜として必要な基本性能に優れている。
【0012】上記熱可塑性樹脂のなかでも、可塑化ポリビニルブチラール樹脂に代表される可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が特に好適に用いられる。これ等の熱可塑性樹脂シートの膜厚は特に限定されず、合わせガラスとして必要な耐貫通性等を考慮して設定されればよく、従来の中間膜と同様に、0.2〜2mmであることが好ましい。
【0013】上記熱可塑性樹脂シートの両面に形成されるエンボスの形状は特に限定されず、従来公知の任意のものが選択される。
【0014】本発明において用いられる熱可塑性樹脂シートに形成された凹溝と、熱可塑性樹脂シートの押出方向との成す角度は、大きすぎると、本発明の中間膜を、特に扱き法による予備圧着により合わせガラスを製造する際に、合わせガラスに発泡(気泡)が発生しやすくなり、また、上記凹溝が、シートの縁部にかかると、オートクレーブ内で加熱加圧して本圧着を行う際に、シール不良を発生し、空気を巻き込むことがあるので、25°未満に限定され、好ましくは15°未満である。
【0015】また、上記凹溝の深さは、浅すぎると脱気性が低下し、深すぎるとシール不良が発生しやすくなるので、5〜500μmが好ましく、20〜70μmがさらに好ましい。この場合、上記凹溝は、連続した溝で、深さ、幅、ピッチは一定であるのが好ましいが、溝底部に適度なうねりがあってもよいし、互いの深さ、幅、ピッチが異なって不規則に設けられていてもよい。
【0016】さらに、上記凹溝の幅は、狭すぎると脱気性が低下し、広すぎるとシール不良が発生しやすくなるので、20〜100μmが好ましい。
【0017】さらに、上記凹溝のピッチは、脱気性が低下し、広すぎるとシール不良が発生しやすくなるので、0.1〜10mmが好ましく、さらに好ましくは、0.2〜1mmである。
【0018】なお、本発明において、上記凹溝は、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に設けられていればよく、片面のみに設けられていもよいし、両面に設けられていもよいが、脱気性を確保するためには両面に設けられているのが好ましい。
【0019】上記凹溝の断面形状も、特に限定されるものではなく、例えば、V字型、U字型、コの字型などがあげられる。
【0020】本発明において、上記熱可塑性樹脂シートには、上記凹溝以外にも、その両面に微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成されている。上記凹凸の分布は、規則的に設けられていてもよいし、不規則に設けられていてもよい。
【0021】上記エンボスの凹凸模様の寸法は、特に限定されるものではないが、凸部が規則的に設けられている場合、隣接する凸部の間隔は10〜2000μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜1000μmの範囲である。又、凸部の高さは、5〜500μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜100μmの範囲である。更に、凸部の底辺の長さは概ね30〜1000μmの範囲であることが好ましい。
【0022】また、上記凹部の深さ及び凸部の高さは、すべて同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0023】上記エンボス形状も、特に限定されるものではないが、一般的には、三角錐、四角錐、円錐等の錐体;截頭三角錐、截頭四角錐、截頭円錐等の截頭錐体;頭部が山型や半球状となった擬錐体等からなる多数の凸部と、これ等の凸部に対応する多数の凹部とから構成される凹凸形状であることが好ましい。
【0024】熱可塑性樹脂シートの両面に凹溝や微細な凹凸からなる多数のエンボスを形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、エンボスロール法、カレンダーロール法、異形押出法、メルトフラクチャーを利用した押出リップエンボス法等が挙げられ、なかでも定量的に一定の微細な凹凸からなる多数のエンボスを形成し得るエンボスロール法が好適に採用される。
【0025】エンボスロール法で用いられるエンボスロールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、■金属ロール表面に酸化アルミニウムや酸化珪素などの研削材を用いてブラスト処理を行い、次いで表面の過大ピークを減少させるためにバーチカル研削などによりラッピングを行い、ロール表面に微細な凹凸模様を形成したもの、■彫刻ミル(マザーミル)を用い、その凹凸模様を金属ロール表面に転写することにより、ロール表面に微細な凹凸模様を形成したもの、■エッチング(蝕刻)によりロール表面に微細な凹凸模様を形成したもの等が挙げられ、好適に用いられる。
【0026】本発明の中間膜を用いて合わせガラスを製造する場合、具体的には、例えば、次のように予備圧着と本圧着とを行う。
【0027】まず、予備圧着は、例えば二枚の透明な無機ガラス板の間に中間膜を挟み、この積層体をニップロール(押圧ロール)に通し、脱気しながら予備圧着する方法が挙げられる。上記脱気しながら予備圧着する方法としては例えば、1)圧力約200〜1000kPa、温度約50〜80℃の条件で扱いて脱気しながら予備圧着する方法(扱き脱気法)、2)上記積層体を例えばゴムバックに入れ、ゴムバックを排気系に接続して約−1.3−53kPaとなるように吸引減圧しながら温度を上げ、温度50〜100℃で予備圧着する方法(減圧脱気法)、などが挙げられる。
【0028】次いで、予備圧着された積層体は、常法によりオートクレーブ又はプレスを用いて、例えば、温度120〜150℃、圧力1000〜1500kPaの条件で本圧着され、合わせガラスが製造される。
【0029】尚、上記ガラス板としては、無機ガラス板のみならず、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板などの有機ガラス板を使用しても良いし、無機ガラス板と有機ガラス板とを併用しても良い。又、合わせガラスの積層構成は、ガラス板/中間膜/ガラス板からなる通常の三層構成のみならず、例えば、ガラス板/中間膜/ガラス板/中間膜/ガラス板のような多層構成であっても良い。
【0030】(作用)本発明の中間膜は、押出成形によって成形された熱可塑性樹脂シートの両面に微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成され、少なくとも片面に凹溝が形成され、該凹溝と熱可塑性樹脂シートの押出方向との角度が、25°未満であり、従って、少なくとも片面に凹溝形が設けられているので、合わせガラス加工時の予備圧着工程、特に扱き法において、熱や加圧によりエンボスの凹凸が潰れても、上記凹部の連続した凹溝形状は最終段階まで残る。従って、充分な脱気を行うことが出来る。
【0031】上記予備圧着工程が扱き法による場合、予備圧着工程における空気の抜けやすさは、凹部全体に対する凹溝の占める比率及び凹溝の平滑性のみに対して密接な関係があり、凸部の間隔、配置にはあまり影響しない。また、例えば、山脈状の凸形状を設け、格子状に脱気通路を設けた場合、山脈に沿った方向に脱気した場合は問題がないが、山脈に対して直角に脱気した場合、空気溜まりが発生し、脱気不良となる。しかし、本発明の中間膜は、押し出し方向に平行な凹溝を設けることにより、空気の通路を確保でき、そのため、凹溝に直角方向に脱気しても、空気を堰き止めることがないので問題は発生しない。
【0032】さらに、近年の合わせガラスの製造方法によれば、中間膜の巻き流れ方向(即ち、一般的には、熱可塑性樹脂の押出方向)に沿って合わせガラスを構成し、巻き流れ方向に沿って扱き脱気をすることが多いので、中間膜の巻き流れ方向に沿って凹溝形状を付与した方が、予備圧着工程の際、中間膜の周辺部のシール性が優れたものとなる。また、合わせガラスの構成体を予備圧着する場合、多くの加工メーカーでは、ガラスの湾曲による割れを防止するために、構成体をマルチロールに挿入する際の初期スピードと離脱前のスピードを通常のスピードより、明らかに遅くして通すため、構成体前後のシール状態は、構成体の前後に当たるエンボスの粗さや凹溝形状が大きくても十分にシールすることができ、構成体の側端に凹溝が無いため側端のシール性も問題とならない。
【0033】また、減圧脱気法による場合、中間膜表面の凹凸形状は、予備圧着工程における減圧脱気の際の空気の抜け易さには、大きく影響しないが、凹溝に空気を通気し易くするためには十分に効果がある。また、シール性については、ゴムバックで周囲を均一にシールするため、凹溝の配置の方向は問題にならない。
【0034】
【実施例】本発明を実施例をもってさらに詳しく説明する。
【0035】図1は本発明による熱可塑性樹脂中間膜の一例を示し、(a)はその平面図、(b)は側面図である。
【0036】図1に示したように、本発明の中間膜1は、押出成形によって成形された熱可塑性樹脂シートの両面に、図示しない、微細な凹凸からなる多数のエンボス3が形成され、片面に凹溝2が形成され、該凹溝2と熱可塑性樹脂シートの押出方向Xとが略平行に設けられている。
【0037】中間膜の製造(実施例1)可塑化ポリビニルブチラール樹脂をシート状に押出成形して得られた熱可塑性樹脂シート(積水化学工業社製、商品名「エスレックフィルムDXN膜」、厚み760μm)を、図1に示した凹溝2の形状に対応する三角柱の突起(高さ120μm、底辺150μm、間隔300μm)が連続して軸方向に形成され、突起以外の表面に、ランダムに凹凸模様が形成された金属ロールと、表面にランダムに凹凸模様が形成された45〜75のJIS硬度を有するゴムロールとからなる一対のロールを凹凸形状転写装置として用い、上記熱可塑性樹脂シートをこの凹凸形状転写装置に通し、シートの一方の面に凹溝2が押出方向に平行に連続して形成され、両面にエンボス凹凸部が形成された中間膜を得た。この時の転写条件は下記の条件であった。
DX膜の温度:常温、ロール温度:120℃、線速:10m/分、プレス線圧:500kPa【0038】(比較例1)金属ロールの三角柱の突起を、軸方向と45°の角度をなすように設けたこと以外は、実施例1と同様にして中間膜を得た。
【0039】(比較例2)金属ロールの三角柱の突起を、円周方向に設けたこと以外は、実施例1と同様にして中間膜を得た。
【0040】(比較例3)金属ロールの三角柱の突起に替えて、V字型の凹溝を円周方向に設けたこと以外は、実施例1と同様にして中間膜を得た。
【0041】実施例1、比較例1〜3で得られた中間膜を、以下の評価に供した。
【0042】十点平均表面粗さ{Rz(μm)}ディジタル型の触針電気式表面粗さ測定器(小坂研究所社製、商品名「SE−2000」)により、円錐状の触針(先端曲率半径5μm、頂角90度)を用い、JIS B−0601に準拠して、中間膜の十点平均表面粗さ{Rz(μm)を測定した。
【0043】ベークテスト次の二つの方法{(a)扱き脱気法、(b)減圧脱気法}で予備圧着を行った後、本圧着を行って、合わせガラスを作製した。
【0044】(a)扱き脱気法中間膜を二枚の透明なフロートガラス板(縦30cm×横30cm×厚さ2mmで中央部に対し周辺部が1mm湾曲しているガラス)の間に挟み、はみ出た部分を切り取り、こうして得られた積層体を加熱オーブン中で、積層体の温度(予備圧着温度)がそれぞれ70℃、80℃及び90℃となるように加熱した後、ニップロール(エアーシリンダー圧力35.5MPa、線速度10m/分)に通して予備圧着を行った。
【0045】(b)減圧脱気法中間膜を二枚の透明なフロートガラス板(縦30cm×横30cm×厚さ2mmで中央部に対し周辺部が1mm湾曲しているガラス)の間に挟み、はみ出た部分を切り取り、こうして得られた積層体をゴムバック内に移し、ゴムバックを吸引減圧系に接続し、外気加熱温度で加熱すると同時に−600mmHg(絶対圧力160mmHg)の減圧下で10分間保持し、積層体の温度(予備圧着温度)がそれぞれ70℃、80℃及び90℃となるように加熱した後、大気圧に戻して予備圧着を終了した。
【0046】上記(a)及び(b)の方法で予備圧着された積層体を、それぞれオートクレーブ中で、温度140℃、圧力1.3MPaの条件下に10分間保持した後、50℃まで温度を下げ大気圧に戻すことにより本圧着を終了して、合わせガラスを作製した。
【0047】上記で得られた合わせガラスを140℃のオーブン中で2時間加熱した。次いで、オーブンから取り出して3時間放冷した後、合わせガラスの外観を目視で観察し、合わせガラスに発泡(気泡)が生じた枚数を調べて、脱気性及びシール性を評価した。尚、テスト枚数は100枚とした。発泡が生じた合わせガラスの枚数が少ないほど、脱気性及びシール性に優れることになる。
【0048】
【表1】

【0049】
【発明の効果】本発明の中間膜は、上述の如き構成となされているので、保管中や合わせガラス加工時の取扱い作業性に優れると共に、予備圧着工程における脱気性とシール性に優れ、従って気泡の発生による品質不良が殆ど生じない高品質の合わせガラスを得るに適し、しかも、多様なユーザーの多様な加工条件に簡便且つ効率的に対応し得る合わせガラスに適した中間膜となる。
【0050】




 

 


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